JPH11269275A - ポリマ―及びその調製方法 - Google Patents

ポリマ―及びその調製方法

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JPH11269275A
JPH11269275A JP1368999A JP1368999A JPH11269275A JP H11269275 A JPH11269275 A JP H11269275A JP 1368999 A JP1368999 A JP 1368999A JP 1368999 A JP1368999 A JP 1368999A JP H11269275 A JPH11269275 A JP H11269275A
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carrier
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Thomas E Enright
イー.エンライト トーマス
George Liebermann
リーバーマン ジョージ
Scott M Silence
エム.サイレンス スコット
K Derek Henderson
ヘンダーソン ケー.デリック
Hadi K Mahabadi
ケー.マハバディ ハディ
Bernard A Kelly
エー.ケリー バーナード
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Xerox Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 純度が高く清浄且つ乾燥した粒径の小さいポ
リマー粒子を調製するための簡単且つ経済的な方法を提
供する。 【解決手段】 水とアセテート基を含むポリビニルアル
コールとからなる溶液を生成し、生成された溶液に、ア
ルカリ金属ヨウ化物とヨウ素との混合物を加え、得られ
た混合物に、開始剤と、場合によって架橋剤とを加え、
それにモノマーかモノマー混合物か又はモノマー/ポリ
マー混合物を加え、それを重合する。この方法において
は、前記重合を行う前に、ヨウ化物/ヨウ素/アセテー
ト錯体が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般にポリマー及び
その調製方法に関する。本発明の方法は、実施態様にお
いて、キャリヤ粉体コーティングとして選択することが
できるポリマーの調製方法、より特定的には、例えば体
積平均直径がコールターカウンター(Coulter Counter
)などの公知の方法で測定して約0.05〜約5ミク
ロン、好ましくは約1〜約5ミクロンの体積平均粒径を
有するポリマー微粒子を調製する方法に関する。実施態
様において、本発明はさらに、本明細書に例示されてい
る方法で調製されたポリマーの連続又は半連続層で被覆
されたキャリヤ粒子を含む現像剤組成物に関する。
【0002】より特定的に言えば、本発明は、例えばポ
リビニルアセテートとヨウ素とヨウ化物とからなる錯体
が形成され、且つ選択された反応器の望ましくない気泡
や付着物が排除されるか又は最小限になり、そのために
大量生産規模において極めて有用であるポリマーの調製
方法に関する。本明細書に例示されている方法で生成さ
れたポリマーとポリフッ化ビニリデンなどの第2ポリマ
ーとを含むキャリヤ粒子によって、広範なキャリヤ摩擦
帯電範囲が可能になる。本明細書に例示されており且つ
例えば乾式コーティング法により調製されたキャリヤ粒
子からなる現像剤組成物は、静電写真又は電子写真画像
形成システム、特にゼログラフィー画像形成、デジタル
画像形成、及びカラープリントプロセスを含めた印刷に
有用である。さらに、上記画像形成システムにおいて、
キャリヤ粒子上の摩擦帯電電荷は、例えばキャリヤコア
に加えられるポリマーの組成や分散剤の成分に応じて予
じめ選択することができる。
【0003】本発明のキャリヤ組成物及びその調製方法
を用いることにより、多くの異なる組み合わせで選択さ
れた摩擦帯電特性及び/又は導電率値を有する現像剤を
配合することができる。従って、例えば、本発明によ
り、磁気ブラシ導電セルで測定して約10-17 〜約10
-6ohm−cm、好ましくは約10-8〜約10-6ohm
−cmの導電率を有し、且つ公知のファラデー箱法(Fa
raday Cage method )で測定してキャリヤ粒子上で1 グ
ラム当たり約−30〜約+70マイクロクーロン、実施
態様においては約−15〜約+20マイクロクーロンと
いう広範なキャリヤ摩擦帯電値を有する現像剤を配合す
ることができる。従って、導電率値は一定であるが摩擦
帯電特性が異なる現像剤や、摩擦帯電値は一定であるが
導電率が異なる現像剤を調合することができる。
【0004】本発明を用いると、得られたキャリヤ粒子
の導電率を実質的に一定とすることができ、さらに、摩
擦帯電値を、例えば、1グラム当たり−30マイクロク
ーロン未満から+70マイクロクーロンまでの広い範囲
から選択することができる。
【0005】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリマ
ー粒子の調製は、粉砕又は摩砕、沈降、及びその場での
粒子重合方式により実施することができる。大きなポリ
マー粒子又は粉体コーティングに必要とされる例えば1
〜5ミクロンのサイズの充填剤を含むポリマー複合材を
粉砕又は摩砕、特に流体エネルギー粉砕する方式は、経
済的且つ機能的観点から見て望ましくない場合が多い。
これらの粒子は、例えば粉砕が困難であり、従って現在
の粉砕装置を用いてコーティング用に粉砕又は摩砕する
方式は、主として加工収率が極めて低い(例えば約5〜
10重量%の範囲)ためにコストが高くつく。
【0006】ポリマー/ポリマー複合材粒子の調製には
沈降法を選択することもできる。1つの方法では、ポリ
マー溶液をその融点以上まで加熱し、次いで冷却して粒
子を形成する。別の方法では、非溶剤を用いてポリマー
溶液を沈降させるか、又はポリマー溶液を噴霧乾燥して
ポリマー/ポリマー複合材粒子を得る。これらの沈降法
では、低コストの純粋なポリマー(即ち、例えば、得ら
れたポリマー粒子中に溶剤又は沈降剤などの不純物を全
く又は実質的に含まないポリマー)を得ることが困難な
場合がある。また、これらの方法では、粒径が小さく且
つ粒径分布が狭い粒子を得ることも難しい。
【0007】米国特許第3,954,898号には、熱
硬化処理粉体を調製するための2段階重合法が開示され
ている。しかし、この方法では、約100ミクロン未満
のサイズの粒子を効率的に合成することはできないと考
えられる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの態様にお
いて、実質的に一定の導電率パラメーターと広範囲の予
じめ選択した摩擦帯電値とを有するキャリヤ粒子を調製
するための乾式コーティング法が提供される。
【0009】本発明の重要な態様は、PMMA(ポリメ
チルメタクリレート)などのポリマーキャリヤコーティ
ングの調製方法を提供することである。
【0010】本発明の別の態様において、実質的に純粋
な(例えば純度が約95〜約99.95%の)清浄且つ
乾燥した小さい(例えば、体積平均直径が約0.05〜
約5ミクロンの)ポリマー微粒子を調製する経済的な方
法が提供され、この方法では、生成物の凝集が最小限に
なるか又は回避される。
【0011】本発明の別の態様は、平均粒径が約0.0
5〜約5ミクロンのサブミクロンからミクロンサイズの
ポリマー複合材粒子を調製する方法である。
【0012】本発明の別の態様において、小さいポリマ
ー粒子、より特定的には、約1〜約5ミクロンのサイズ
(体積平均直径)のポリマー微粒子を形成する簡単な方
法が提供される。
【0013】本発明の別の態様は、低コストの清浄且つ
乾燥した小さいポリマー粒子、より特定的には、キャリ
ヤ粉体コーティングに有用なサブミクロン又はミクロン
サイズのポリマー微粒子を調製するための簡単且つ経済
的な重合法である。
【0014】さらに、本発明の別の態様において、公知
のファラデー箱法で測定して、例えば1グラム当たり約
−30〜約+70マイクロクーロンの範囲又は約−10
〜約+40マイクロクーロンの範囲の摩擦帯電電荷を有
する、キャリヤ粉体コーティングとして選択可能なポリ
マー粒子の調製方法が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施態様において、トナ
ーと、粉体コーティング法に従って調製されたキャリヤ
粒子とからなる現像剤組成物が提供され、この組成物に
おいて、キャリヤ粒子はコアとコアを被覆する特定のコ
ーティングとからなる。より特定的に言えば、選択され
るキャリヤ粒子は、低密度多孔性磁性又は磁気求引性
(magnetically attractable)金属コアキャリヤ粒子
と、例えば被覆キャリヤ粒子の重量の約0.05〜約3
重量%の第1ポリマー、特にポリメチルメタクリレート
(PMMA)(この第1ポリマー中には、場合により、
カーボンブラック又は類似の導電性成分が分散されてい
る)、及びポリフッ化ビニリデン若しくはKYNAR
(登録商標)のようなフルオロポリマーなどの任意の第
2ポリマーとを、機械的固着(impaction )又は静電求
引によりポリマーがキャリヤコアに付着するまで混合
し、得られたキャリヤコア粒子とポリマーとの混合物
を、ポリマーを融解してキャリヤコア粒子に融着させる
のに有効な時間(例えば約10〜約60分間)、例えば
約200〜約550°Fの温度に加熱し、被覆されたキ
ャリヤ粒子を冷却した後、得られたキャリヤ粒子を、例
えば直径が約50〜約200ミクロンの所望の粒径に分
級することにより調製することができる。
【0016】また、本発明は、2種のポリマーで被覆さ
れたキャリヤに関する。第1ポリマーは約1〜約100
重量%の量で選択され、第2ポリマー(存在する場合)
は約99〜約0重量%の量で選択されるのが好ましく、
キャリヤコアは、金属、フェライト、金属酸化物及び公
知のキャリヤコアなどであり、ポリメチルメタクリレー
トなどのポリマーは、本明細書に例示されているように
錯体が形成される懸濁法又は半懸濁法に従って調製す
る。
【0017】本発明は、実施態様において、以下の調製
方法に関する。 (A)水とアセテート基を含むポリビニルアルコールと
の溶液を生成するステップと、生成された溶液にアルカ
リ金属ヨウ化物とヨウ素との混合物を加えるステップ
と、得られた混合物に開始剤と場合により架橋剤とを加
えるステップと、モノマーかモノマー混合物か又はモノ
マー/ポリマー混合物を加えるステップと、均質化し、
重合するステップとを含み、前記重合ステップを行う前
にヨウ化物/ヨウ素/アセテート錯体が形成される、ポ
リマーの調製方法。 (B)アルカリ金属ヨウ化物、ヨウ素、水とアセテート
基を含むポリビニルアルコールとの溶液、モノマーかコ
モノマーか又はモノマー/ポリマー混合物、開始剤、及
び場合により架橋剤を混合するステップと、混合物を加
熱重合した後冷却し、次いで、前記ポリマーを分離、洗
浄、乾燥するステップとを含む、ポリマーの調製方法。 (C)加熱重合ステップを行う前に均質化ステップを実
施し、モノマーとポリマーとの混合物が選択され、アル
カリ金属ヨウ化物がヨウ化カリウムであり、ポリビニル
アルコールが約60〜約98のヒドロキシル数を有し且
つアセテート基を含み、ヨウ化カリウム、ヨウ素及び前
記ポリビニルアルコール間でヨウ素/ヨウ化物/アセテ
ート錯体が形成される、ポリマーの調製方法。 (D)水が約95〜約99%の量で存在し、モノマーと
ポリマーとの混合物、又はモノマーが選択される、ポリ
マーの調製方法。 (E)加熱重合温度が約60〜約150℃であり、冷却
温度が約20〜約30℃であり、分離、洗浄及び乾燥ス
テップを実施し、前記ポリビニルアルコール、前記ヨウ
素及び前記アルカリ金属ヨウ化物を除去するための洗浄
は脂肪族アルコールと水との混合物を用いて行い、モノ
マーとポリマーとの混合物、又はモノマーが選択され
る、ポリマーの調製方法。 (F)前記アルカリ金属ヨウ化物と前記ヨウ素の代わり
に、過酸化物開始剤と前記アルカリ金属ヨウ化物との混
合物が選択される、ポリマーの調製方法。 (G)前記アルカリ金属ヨウ化物と前記ヨウ素の代わり
に、過酸化物開始剤とヨウ素との混合物が選択される、
ポリマーの調製方法。 (H)過酸化物が過酸化ベンゾイルである、ポリマーの
調製方法。 (I)約60〜約150℃の温度で加熱して重合を行
う、ポリマーの調製方法。 (J)前記ヨウ化カリウムが約0.1〜約2重量%の量
で存在し、前記ヨウ素が約0.01〜約0.1重量%の
量で存在する、ポリマーの調製方法。 (K)半懸濁重合によるポリメチルメタクリレートポリ
マー生成物の調製方法であって、(1)約95〜約99
重量%の水と、約1〜約5重量%のポリビニルアルコー
ル(約60〜約98%の加水分解度を有する)とを混合
して水性相を形成し、(a)約0.1〜約2重量%のア
ルカリ金属ヨウ化物と約0.01〜約0.1重量%のヨ
ウ素を加えるか、又は(b)約0.1〜約2重量%のア
ルカリ金属ヨウ化物と約0.1〜約5重量の過酸化物開
始剤を加えるか、又は(c)約0.01〜約0.1重量
%のヨウ素と約0.1〜約5重量%の過酸化物開始剤を
加えて錯体を形成するステップと、(2)モノマーかコ
モノマーか又はモノマー:ポリマー混合物(モノマー:
ポリマー比=約100:0〜約60:40)と、約1〜
約15重量%の量の開始剤と、場合により約0〜約5重
量%の架橋剤とを混合して有機相を形成するステップ
と、(3)その後で、水性相と有機相とを約10:90
〜約40:60(有機相:水性相)の比率で混合し、高
速せん断ミキサーを用い、約1,000〜約20,00
0rpmの適当な速度で混合物を均質化するステップ
と、(4)次いで、得られた混合物を、約80〜約10
0重量%のモノマー又はコモノマーが重合されるまで約
60〜約150℃で加熱するステップと、(5)冷却す
るステップと、(6)混合物を脂肪族アルコールと水と
の混合物(約10:90〜約100:0の水:アルコー
ル比)で洗浄するステップ(洗浄は傾斜型遠心分離機に
より行ってウエットケークを分離する。ウエットケーク
は、約50重量%の固体即ちポリマー生成物と約50重
量%の液体洗浄混合物とからなる)と、(7)ウエット
ケークを乾燥してポリマー生成物を得るステップとを含
む、ポリマー生成物の調製方法。 (L)キャリヤの調製方法であって、(1)キャリヤコ
アと、第1ポリマーと第2ポリマーの混合物とを混合す
るステップと、(2)得られたキャリヤコアをキャリヤ
コアにポリマーを付着させるのに十分な時間乾式混合す
るステップと、(3)次いで、キャリヤコア粒子とポリ
マーとの混合物を約200〜約550°Fの温度に加熱
し、ポリマーを融解してキャリヤコアに融着させるステ
ップと、(4)その後で、得られた被覆キャリヤ粒子を
冷却するステップとを含み、第1ポリマーは請求項2に
記載の方法により得られる、キャリヤの調製方法。 (M)キャリヤの摩擦帯電電荷が1グラム当たり約−3
0〜+70マイクロクーロンである、キャリヤの調製方
法。 (N)コアと、コアを被覆する、請求項2に記載の方法
で得られた第1ポリマーコーティングとからなるキャリ
ヤ。 (O)キャリヤがさらに第2ポリマーコーティングを含
むキャリヤ。 (P)第2ポリマーが摩擦帯電系において第1ポリマー
と近縁ではないキャリヤ。 (Q)第2ポリマーがポリフッ化ビニリデンであるキャ
リヤ。 (R)前記モノマーがコモノマーの混合物からなる、ポ
リマーの調製方法。 (S)ポリビニルアルコールが約75〜約85のヒドロ
キシル数又は加水分解度を有する、ポリマーの調製方
法。 (T)架橋剤が選択される、ポリマーの調製方法。 (U)約0〜5重量%の量の架橋剤、及び約1〜約15
重量%の量の開始剤又は開始剤混合物が選択される、調
製方法。 (V)形成されたポリマーがポリメチルメタクリレート
である、ポリマーの調製方法。 (W)ポリマーを調製するための半懸濁重合法であっ
て、(1)水と、アセテート基を含むポリビニルアルコ
ールとを混合して水性相を形成し、(a)ヨウ素とアル
カリ金属ヨウ化物を加えるか、又は(b)アルカリ金属
ヨウ化物と過酸化物開始剤を加えるか、又は(c)ヨウ
素と過酸化物開始剤を加えて錯体を形成するステップ
と、(2)モノマーかコモノマーか又はモノマー:ポリ
マー混合物と開始剤と場合により架橋剤とを混合して有
機相を形成するステップと、(3)その後で、水性相と
有機相とを混合し、均質化するステップと、(4)次い
で、得られた混合物を加熱するステップと、(5)冷却
するステップと、(6)混合物を、脂肪族アルコールと
水との混合物で洗浄してウエットケークを分離するステ
ップと、(7)ウエットケークを乾燥するステップとを
含む、ポリマーを調製するための半懸濁重合法。 (X)アセテート基を含むポリビニルアルコール溶液、
アルカリ金属ヨウ化物、ヨウ素、開始剤及びモノマーを
混合するステップと、混合物を重合するステップとを含
む、ポリマーを調製するための半懸濁重合法。 (Y)重合ステップを行う前にヨウ化物/ヨウ素/アセ
テート錯体が形成されており、前記モノマーがモノマー
混合物又はモノマー/ポリマー混合物からなり、前記混
合ステップの後で、均質化ステップを実施し、重合が加
熱による、ポリマーを調製するための半懸濁重合法。 (Z)ポリマーがポリメチルメタクリレートである、ポ
リマーを調製するための半懸濁重合法。
【0018】ポリマーは、本発明の実施態様に従い、水
と、例えば約60〜約98%、好ましくは約75〜約8
5%の加水分解度を有する(即ち錯体を形成するのに十
分なアセテート基を含む)ポリビニルアルコールとの混
合物を得るか又は生成し、ヨウ化カリウムなどのアルカ
リ金属ヨウ化物とヨウ素を加えてポリビニルアルコール
のアセテートとアルカリ金属ヨウ化物とヨウ素の(通常
赤色の)錯体を形成し、(i)メチルメタクリレートモ
ノマーなどのモノマーか、(ii)1〜5種、好ましくは
2種のコモノマー、例えばメチルメタクリレートとアク
リル酸を添加若しくは混合するか、又は(iii )モノマ
ーとポリマーとの混合物、例えば約70〜95重量%の
モノマー(例えばメチルメタクリレート)と約5〜約3
0重量%のポリマー(例えばポリメチルメタクリレー
ト)とを加え、得られた混合物を均質化した後、好まし
くは懸濁重合法又は半懸濁重合法(これらの重合法は、
加熱ステップを含む)で重合し、冷却し、ポリマー生成
物を分離し、洗浄及び乾燥して(洗浄ステップは主とし
て残留するポリビニルアルコールの除去を目的とする)
調製することができる。本発明の方法は、実施態様にお
いて、アルカリ金属ヨウ化物とヨウ素の代わりに、過酸
化物(例えば過酸化ベンゾイル)などの開始剤とヨウ素
との混合物、又はアルカリ金属ヨウ化物と開始剤(例え
ば過酸化ベンゾイル若しくは他の類似の適当な過酸化
物)との混合物を選択してもよい。
【0019】懸濁法は、(1)例えば約95〜約99重
量%(即ち部)の水と約1〜約5重量%のポリビニルア
ルコール(約60〜約98%、好ましくは約75〜約8
5%の加水分解度を有する)とを混合して水性相を形成
し、(a)約0.1〜約2重量%のアルカリ金属ヨウ化
物と約0.01〜約0.1重量%のヨウ素か、(b)約
0.1〜約2重量%のアルカリ金属ヨウ化物と約0.1
〜約5重量%の過酸化物開始剤か、又は(c)約0.0
1〜約0.1重量%のヨウ素と約0.1〜約5重量%の
過酸化物開始剤を加えて(a)、(b)又は(c)の錯
体(即ち、ヨウ素−ヨウ過物−アセテート錯体であり、
アセテートはポリビニルアルコール上に含まれ、錯体は
通常赤色を呈する)を形成し、(2)モノマー若しくは
コモノマー又はモノマー:ポリマー混合物(モノマー:
ポリマー比=約100:0〜約60:40)と、約1〜
約15重量%の開始剤と、場合によって架橋剤(主とし
て得られたポリマーを強化する機能を果たし、例えば約
0〜約5重量%の量で選択される)とを混合して有機相
を形成し、(3)得られた2相を約10:90〜約4
0:60の有機相:水性相比で混合し、ブリンクマンポ
リトロン(BrinkmannPolytron)などの高速せん断ミキ
サーを用いて約1,000〜約20,000rpm、好
ましくは約5,000〜約12,000rpmの適当な
速度で均質化し、(4)得られた混合物を、約80〜約
100重量%のモノマー又はコモノマーが重合されるま
で例えば約45〜約120℃に加熱し、(5)混合物を
ほぼ室温に冷却し、(6)傾斜型遠心分離機〔各洗浄ス
テージで、例えば約50重量%の固体(ポリマー生成
物)と約50重量%の液体(洗浄混合物)とからなるウ
エットケークを分離する約2〜約6洗浄ステージを用い
る〕を用いて、混合物を、例えば脂肪族アルコール(例
えばメタノール)と水との混合物(水:アルコール比=
約10:90〜約100:0)で洗浄し、(7)分離さ
れたウエットケークを乾燥してポリマー生成物を得るこ
とにより実施することができる。
【0020】本発明の重合法は、重合反応器中の望まし
くない気泡や汚れ(fouling )が排除されるという点で
他の懸濁重合法又は半懸濁重合法より改良されている。
前述の赤色錯体が認められるときには、反応器の気泡や
汚れは認められない。赤色錯体が認められない場合に
は、反応器中に大量の気泡や汚れが生ずる。従って、生
成物の特性に悪影響を与えたり除去困難であったりする
可能性がある泡止め剤を用いる必要がない。
【0021】例えば、約80から約99重量%、より好
ましくは約80〜約90重量%の量で存在するモノマー
又はコモノマー(例えば1種〜約5種のモノマーの混合
物)の例としては、スチレン及びその誘導体(例えば、
スチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレンな
ど)、モノカルボン酸及びそれらの誘導体(例えば、ア
クリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
ブチルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクチル
アクリレート、フェニルアクリレート、メタクリル酸、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチル
メタクリレート、オクチルメタクリレート、ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタ
クリレート、ジイソプロピルアミノエチルメタクリレー
ト、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、グリシジ
ルメタクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミ
ド、ジメチルアクリルアミド及びイソプロピルアクリル
アミド)を含めたビニルモノマーが挙げられる。1種の
モノマーを選択するのが好ましい。混合物の場合、種々
の適当な量の各コモノマー、例えば、約1〜約99重量
%、好ましくは約40〜約65重量%(即ち部)の第1
モノマーと、約1〜約99重量%、好ましくは約60〜
約35重量%(又は部)の第2コモノマーとを選択する
ことができ、その場合、2種のコモノマーの合計は約1
00部(即ち100%)である。
【0022】例えば、約0.1〜約20重量%、より好
ましくは約1〜約5重量%のモノマー量で存在する重合
開始剤の例には、1,1′−アゾビス(シアノシクロヘ
キサン)の2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロ
ニトリル)などのアゾ化合物や、過酸化ベンゾイル、過
酸化ラウリル、1,1−(t−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−
4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、過
酸化ジクミルなどの過酸化物が含まれる。混合物の場
合、2種〜約5種、好ましくは2種の開始剤を選択する
ことができ、各開始剤の量は、その合計量が約100%
あれば様々であってよい。例えば、約1〜約99部(即
ち重量%)の第1開始剤と、約99〜約1部(即ち重量
%)の第2の異なる開始剤を選択することができる。実
施態様において好ましい量は、例えば、第1の開始剤が
約40〜約60部(即ち重量%)であり、第2の異なる
開始剤が約60〜約40部(即ち重量%)である。
【0023】本発明の方法に選択される架橋剤は公知で
あり、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物か
らなっていてよい。そのような化合物の例としては、芳
香族ジビニル化合物(例えば、ジビニルベンゼン及びジ
ビニルナフタレン)、2個の二重結合を有するカルボン
酸エステル(例えば、エチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメチルアクリレートなど)、
及びジビニル化合物(例えば、ジビニルエーテル、ジビ
ニルスルファイト、ジビニルスルホンなど)や、他の公
知の架橋剤などが挙げられる。これらのうちでは、ジビ
ニルベンゼンが特に有用である。架橋成分又は化合物
は、好ましくは100部中約0.1〜約5重量部の量、
より好ましくはモノマー又はコモノマーの0.2〜1重
量部の量で存在する。
【0024】本明細書に例示されている種々の重合法を
選択してモノマーなどをポリマーに変換することができ
る。より特定的に言えば、重合は、例えば、反応混合物
を約60〜約150℃の温度で加熱したりして行う。生
成物の分離、洗浄及び乾燥は多くの公知方法に従って行
うことができる。例えば、分離は、濾過し、加熱するか
又はオーブン乾燥機で乾燥し、混合洗浄することにより
行うことができる。本明細書に示されているような種々
の洗浄成分、例えば、水、脂肪族アルコール、それらの
混合物などを選択することができる。アルコールの例と
しては、約1〜約25個、好ましくは1〜約12個の炭
素原子を有するもの、例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノ−ルなどが挙げられる。
【0025】アルカリ金属ヨウ化物の例は、ヨウ化アン
モニウム、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化
第一銅、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナト
リウムなどであり、選択されるアルカリ金属ヨウ化物の
量は様々であってよいが、より特定的に言えば、例え
ば、反応又は反応混合物に対して選択される水の重量の
約0.1〜約2重量%であるのが好ましい。
【0026】本発明の方法により生成される、例えば約
0.05〜約5ミクロン、好ましくは約1〜約5ミクロ
ンの粒径範囲を有する生成物の例としては、ポリメチル
メタクリレート(PMMA)、ポリスチレン、ポリ−α
−メチルスチレン、ポリ−p−クロロスチレンなど、モ
ノカルボン酸ポリマー及びそれらの誘導体(例えば、ポ
リアクリル酸、ポリメチルアクリレート、ポリエチルア
クリレート、ポリブチルアクリレート、ポリドデシルア
クリレート、ポリオクチルアクリレート、ポリフェニル
アクリレート、ポリメタクリル酸、ポリエチルメタクリ
レート、ポリブチルメタクリレート、ポリオクチルメタ
クリレート、ポリジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、ポリジエチルアミノエチルメタクリレート、ポリジ
イソプロピルアミノエチルメタクリレート、ポリt−ブ
チルアミノエチルメタクリレート、ポリグリシジルメタ
クリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミ
ド、ポリジメチルアクリルアミド及びポリイソプロピル
アクリルアミド)、二重結合を含むジカルボン酸から得
られたポリマー及びそれらの誘導体(例えば、ポリマレ
イン酸、ポリモノブチルマレエート及びポリジブチルマ
レエート)、ビニルエステルから得られたポリマー(例
えば、ポリビニルクロリド、ポリビニルアセテート及び
ポリビニルベンゾエート)、ビニルケトンから得られた
ポリマー(例えば、ポリビニルメチルケトン及びポリビ
ニルエーテルケトン)、ポリビニルエチルエーテル及び
ポリビニルイソブチルエーテル、ポリビニルナフタレ
ン、不飽和モノオレフィンから得られたポリマー(例え
ば、ポリイソブチレンなど)、ハロゲン化ビニリデン
(例えば、塩化ポリビニリデンなど)、N−ビニル化合
物(例えば、ポリ−N−ビニルピロール)、及びフッ素
化ポリマー(例えば、ポリペンタフルオロスチレン、ポ
リアリルペンタフルオロベンゼンなど)、並びにそれら
の混合物が挙げられる。
【0027】本発明のキャリヤ及び現像剤としては種々
の適当な固体コアキャリヤ材料を選択することができ
る。重要な代表的なコア特性には、トナー粒子に正電荷
又は負電荷を帯電させ得る特性、及びゼログラフィー画
像形成装置中に存在する現像剤容器中で望ましい流動特
性を可能にするキャリヤコアが含まれる。また、キャリ
ヤコア特性に関して重要な他の特性は、例えば、磁気ブ
ラシ現像プロセスにおいて磁気ブラシの形成を可能にす
る適当な磁気特性であり、またキャリヤコアが望ましい
機械的熟成特性を有していることである。選択可能なキ
ャリヤコアの例には、鉄、スチール、フェライト類、例
えば、Sr(ストロンチウム)−フェライト、Ba−フ
ェライト、Cu/Zn−フェライト及びNi/Zn−フ
ェライト、マグネタイト類、ニッケル、それらの混合物
などが含まれる。好ましいキャリヤコアとしては、フェ
ライト類や海綿鉄、又は平均粒径が例えばコールターカ
ウンター装置で測定して約30〜約200ミクロン、好
ましくは約65〜約120ミクロンのスチールグリット
が挙げられる。
【0028】本明細書に示されている方法で調製され、
場合により導電性成分(例えば、酸化スズなどの金属酸
化物、導電性カーボンブラックなど)が例えば約1〜約
70重量%、好ましくは約15〜約50重量%の量で分
散されている第1ポリマーコーティング(例えば、ポリ
メチルメタクリレート)を、本明細書に示されているよ
うな乾式法などの種々の方法を用いてキャリヤコアに加
えることができる。このポリマーは、単一のキャリヤコ
ーティングとして選択することができる。実施態様にお
いては、ポリメチルメタクリレートと、摩擦帯電系列に
おいて近縁ではない第2ポリマー〔例えば、KYNAR
(登録商標)〕との混合物などのキャリヤコーティング
混合物を選択するのが好ましい(米国特許第4,93
7,166号及び同第4,935,326号参照)。ポ
リメチルメタクリレートなどの第1ポリマーは、例えば
約1〜約100重量%、約1〜約99重量%、好ましく
は約40〜約60重量%といった種々の適当な有効量で
選択され、第2ポリマー(選択される場合)は、約1〜
約99重量%、好ましくは約40〜約60重量%の量で
存在する。重量%は主としてキャリヤコアとキャリヤコ
ーティングとの合計量に基づく。
【0029】2種のポリマーの混合物を用いると、本明
細書に示されているような広範囲のキャリヤ摩擦帯電値
及びキャリヤ導電率という利点が得られ、例えば、キャ
リヤ摩擦帯電値は、用いられる2種のポリマーの相対比
に応じて、1グラム当たり約−30〜約+50マイクロ
クーロン、又は1グラム当たり約−10〜約+40マイ
クロクーロンの範囲であり、キャリヤ導電率は、1cm
当たり約5×10-10mho以上、より特定的には、1
cm当たり約10-17 〜約10-6mhoである。
【0030】これらのポリマーをキャリヤコア上に結合
させるプロセスは順次であってよく、先ず第1ステップ
で2種のポリマーのうちの一方をキャリヤ表面に凝結
し、後続凝結ステップで第2ポリマーを表面に凝結す
る。あるいは、ポリマーの結合プロセスを単一の凝結プ
ロセスで行うこともできる。その場合、凝結プロセスを
行う前に2種のポリマーを混合してから、単一の凝結ス
テップでコア上に結合させる。
【0031】また、キャリヤコーティングはコーティン
グ中に種々の帯電強化添加剤が混和されていてもよい。
添加剤は、主としてキャリヤ摩擦帯電電荷を、例えば公
知のファラデー箱法で測定して1グラム当たり約40〜
約50マイクロクーロン以上まで増大させるか、又は1
グラム当たり最大約70マイクロクーロンまで増大させ
る機能を果たすことが可能である。帯電強化添加剤の例
としては、4級アンモニウム塩、より特定的には、ジス
テアリルジメチルアンモニウムメチルスルフェート(D
DAMS)、ビス[1−[(3,5−ジ置換−2−ヒド
ロキシフェニル)アゾ]−3−(モノ置換)−2−ナフ
タレノラート(2−)]クロメート(1−),アンモニ
ウムナトリウム及び水素(TRH)、セチルピリジニウ
ムクロリド(CPC)、FANAL PINK(登録商
標)D4830などがあり、本明細書に記載の特許に特
定的に記載されているものや、他の有効な公知の帯電剤
又は添加剤も含まれる。帯電添加剤は、種々の有効量、
例えば約0.05〜約15重量%、好ましくは約1〜約
3重量%の量で選択される。
【0032】選択される第1及び第2ポリマーの例とし
ては、ポリメチルメタクリレート、ポリビニリデンフル
オリド、ポリビニルフルオリド、ポリペンタフルオロス
チレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、コ
ポリエチレンビニルアセテート、コポリビニリデンフル
オリドテトラフルオロエチレン及びポリエチレンと、ポ
リメチルメタクリレート、ポリウレタン及びコポリエチ
レンが挙げられる。第1ポリマーと第2ポリマーとが近
縁ではなく、且つポリメチルメタクリレートなどの第1
ポリマーは本明細書に示されている方法によって得るの
が好ましい。本明細書には特定的に記載されてはいない
が、他の公知の関連ポリマー、例えば、本明細書に言及
されている米国特許第4,937,166号及び同第
4,935,326号に例示されているものなどを選択
してもよい。
【0033】キャリヤ粒子の表面にポリマー又はポリマ
ー混合物のコーティングを施すには種々の有効で適当な
方法を選択することができる。このための一般的な方法
の例としては、キャリヤコア材料とポリマーとを、カス
ケードロール混合、又はタンブリング、粉砕、振とう、
静電パウダークラウド噴霧、流動床、静電ディスク処
理、及び静電カーテン(electrostatic curtain )方式
で合体させる方法が含まれる。ポリマーを加えた後、加
熱を開始して、コーティング材をキャリヤコア表面全体
に流れ出させる。コーティング材粉体粒子の濃度及び加
熱ステップのパラメーターは、キャリヤコア表面にコー
ティングポリマーの連続膜を形成するように選択するこ
ともできるし、キャリヤコアの選択された領域のみを被
覆するように選択することもできる。金属キャリヤコア
の選択された領域が被覆されていない(即ち、露出され
ている)場合、コア材が金属を含んでいれば、キャリヤ
粒子は導電特性を有する。前述の導電率は種々の適当な
値であってよいが、一般的には、例えば、10ボルトの
印加電位で0.1インチの磁気ブラシで測定して、約1
-17 〜約10-9mho−cm-1であり、コーティング
の被覆範囲は、キャリヤコアの約10〜約100%にわ
たる。
【0034】キャリヤと混合すると現像剤組成物を生成
するトナーとして選択されるトナー樹脂の例には、多く
のバインダー、例えば、ポリアミド、エポキシ、ポリウ
レタン、ジオレフィン、ポリオレフィン、ビニル樹脂な
どの熱可塑性樹脂、ジカルボン酸とジオール(ジフェノ
ールを含む)の高分子エステル化生成物によって得られ
たものや、反応性押出ポリエステルなどのポリエステル
類がある(米国特許第5,376,494号参照)。
【0035】トナー樹脂の1種として、ジカルボン酸と
ジオール(ジフェノールを含む)とのエステル化生成物
を選択することができる(米国特許第3,590,00
0号参照)。
【0036】他の好ましいトナー樹脂には、スチレン/
メタクリレートコポリマー、スチレン/ブタジエンコポ
リマー、スチレンアクリレート、ビスフェノールAとプ
ロピレンオキシドとの反応から得られたポリエステル樹
脂や、ジメチルテレフタレートと1,3−ブタノ−ル、
1,2−プロパンジオールとペンタエリトリトールとの
反応から得られた分岐ポリエステル樹脂がある。
【0037】一般に、約1〜約5重量部のトナー粒子と
約10〜約300重量部のキャリヤ粒子とを混合する。
【0038】顔料、染料、若しくはそれらの混合物、又
は顔料混合物、染料混合物などの多くの周知の適当な着
色剤、好ましくは顔料を、トナー粒子の着色剤として選
択することができる。そのような着色剤には、例えば、
カーボンブラック、ニグロシン染料、ランプブラック、
鉄酸化物、マグネタイト類及びそれらの混合物が包含さ
れる。カーボンブラック、シアン、マゼンタ、イエロー
又はそれらの混合物であるのが好ましい着色剤は、トナ
ー組成物を濃く着色するのに十分な量で存在する必要が
ある。従って、顔料は、トナー組成物の総重量の約1〜
約20重量%、好ましくは約5〜約12重量%の量で存
在するが、顔料の量はそれより高くても低くてもよい。
【0039】トナー樹脂粒子は十分且つ有効な量で存在
し、従って、カーボンブラック、例えばREGAL 3
30(登録商標)などの着色剤が10重量%含まれてい
る場合、約90重量%の樹脂が選択される。トナー組成
物は、例えば、約85〜約97重量%のトナー樹脂粒子
と約3〜約15重量%の顔料粒子(例えばカーボンブラ
ック)とからなる。
【0040】また、トナー樹脂粒子と、キャリヤ粒子
と、顔料又は着色剤としてのマゼンタ、シアン及び/又
はイエロー粒子並びにそれらの混合物とからなる着色ト
ナー組成物を選択してもよい。
【0041】他の着色剤の例は公知であり、例えば、米
国特許第5,556,727号を参照されたい。
【0042】本明細書に記載の現像剤組成物の正帯電特
性をさらに強化するために、任意成分として、ハロゲン
化アルキルピリジニウム(米国特許第4,298,67
2号参照)、有機スルフェート又はスルホネート組成物
(米国特許第4,338,390号参照)、ジステアリ
ルジメチルアンモニウムスルフェート(米国特許第4,
560,635号参照 − この特許の開示全体は本明
細書に参照として組み込まれる)、ジステアリルジメチ
ルアンモニウムビスルフェートなどのスルフェート類、
及び米国特許第4,904,762号に記載のスルフェ
ート類、並びに他の類似の公知の帯電強化添加剤を含め
たトナー帯電強化添加剤を添加することができる。これ
らの添加剤は、通常、約0.1〜約20重量%、好まし
くは約1〜約5重量%の量でトナー中に添加される。帯
電強化添加剤は、本明細書に示されているようにキャリ
ヤポリマーコーティング中に分散させてもよい。
【0043】無機及び有機受光体画像形成部材を含めた
慣用の受光体を含む静電写真画像形成プロセスに用いる
ため、トナー及び現像剤組成物を選択してもよい。画像
形成部材の例には、セレン、セレン合金、及び添加剤や
ハロゲンなどのドーパントを含有するセレン又はセレン
合金がある。さらに、有機材受光体を選択してもよい。
有機材受光体の例としては、輸送層と光発生層とからな
る積層光応答装置(米国特許第4,265,990号、
同第4,585,884号、同第4,584,253
号、同第4,563,408号及び同第5,645,9
65号参照)や、他の類似の積層光応答装置がある。光
発生層の例は、三方晶系セレン、金属フタロシアニン、
無金属フタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシア
ニン、チタニルフタロシアニン、ペリレン及びバナジル
フタロシアニンである。電荷輸送分子としては、米国特
許第4,265,990号に開示されているアリールジ
アミンを選択することができる。
【0044】この現像剤組成物を用いて得られた画像
は、許容し得るべた画像、優れた間色と望ましい線解像
度とを有しており、下地の汚れが許容可能なレベルであ
るか又は実質的に存在しない。
【0045】
【実施例】
1. 半懸濁重合 容量500mlのガラス反応器で、114g(グラム)
のメチルメタクリレート(MMA)と、0.75gのジ
ビニルベンゼン(dvb)架橋剤と、28gのElva
cite−2008 ポリメチルメタクリレートとを2
10rpmで一晩(約18時間)攪拌した。翌朝(約1
8時間後に)、開始剤として、4.9gのVazo−5
2〔2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)〕と、2.5gのVazo−67〔2,2′−ア
ゾビス(2−メチルブチロニトリル)〕と、Lucid
ol 75 過酸化ベンゾイル(BPO)(量について
は下記の表1参照)とを加えた。得られたこの有機相を
1時間攪拌して開始剤を溶解させた。458.56gの
脱イオン水中の11.44gのAir Product
s社から得たAirvol 603 ポリビニルアルコ
ール〔加水分解度80%(アセテート基を20%含
む)〕と、ヨウ化カリウム(KI)とヨウ素(I 2
(量については下記の表1参照)とからなる水性相混合
物を容量2リットルのステンレススチール製ビーカー中
350rpmで攪拌した。水性相中にKI/I2 /BP
Oの組み合わせで赤色錯体が認められた(表1参照)。
上記有機相を水性相中に注ぎ、得られたスラリーを約3
分間混合した。次いで、ブリンクマンポリトロンホモジ
ナイザを用いスラリーを氷浴中8,000rpmで5分
間均質化した。得られたスラリーを容量1リットルのパ
ール反応器(Parr reactor)中に注ぎ、次いで、反応器
を密閉し、窒素で100kPaに加圧した。反応器中、
ピッチブレード羽根車により230rpmで攪拌を開始
した。反応器を90分間60℃に、次いで90分間80
℃に加熱し、次いで熱源を除去して冷却した。最終スラ
リーを420gのメタノールと50gの脱イオン水(D
IW)中に分散して洗浄した後、遠心分離にかけ、沈降
物(centrate)をデカントした。次いで、得られたウエ
ットケークを上記のようにメタノール/DIWに再分散
し、再度遠心分離にかけた。このサイクルを4回繰り返
し、次いで、480gのDIWを用いて最終洗浄ステッ
プを行った。次いで、オーブン中80℃で過剰な水を乾
燥し、ポリメチルメタクリレート生成物(純度=約9
9.5%)をコーヒーひき器で粉砕し、80℃で4時間
真空乾燥して乾燥ステップを完了した。
【0046】コールター LS230 レーザー回折装
置で最終生成物の粒径を測定した。目視観察により、気
泡、汚れがないこと、及び汚れが微量であることが確認
された。
【表1】
【0047】表1の結果は、少なくとも3種の組み合わ
せ、(1)KI とI2 か、(2)KI とBPOか、又は
(3)BPOとI2 が反応における気泡や汚れを排除し
たことを示している。これらの組み合わせが存在する
と、水性相中に赤色錯体(ヨウ素/ヨウ化物/アセテー
ト錯体)が認められた。他の組み合わせでは赤色錯体は
認められず、最終混合物中に大量の気泡や汚れが存在す
る。
【0048】調製した上記3種のポリマーを表2に示さ
れているようにキャリヤコーティングとしてテストし
た。キャリヤを5インチの窯インサートで調製した。こ
のキャリヤは、Nuclear Metals社製の直
径100μmのコアと本発明の方法に従って調製された
1%コーティング重量の前述のポリメチルメタクリレー
ト(PMMA)とからなるものであった。コアとポリマ
ーをM5R混合機(30分、@50rpm、充填量10
ポンド)中で混合し、400°Fで凝結(滞留時間30
分)させた。上記のように調製した194gのキャリヤ
と6gのトナー組成物とを混合して現像剤を調製した。
このトナー組成物は、線状ポリエステルの反応押出しに
より得られた、30%(重量)のゲル含有部分架橋ポリ
エステル樹脂(87重量%)と、カーボンブラック(5
重量%)と、ポリプロピレンワックス(4重量%)と、
Shell Chemicals社から得たKRATO
N(商標)(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン
ブロックコポリマー)からなる相溶化剤(4重量%)と
からなるものであった。
【0049】その後、公知のファラデー箱法によりキャ
リヤ粒子上の摩擦帯電電荷を測定し、長さ0.1インチ
の磁気ブラシを形成し、抵抗器中で10ボルトの電位差
を生成するのに必要な電圧を測定して、破壊電圧(V
b)を測定した。結果を表2に示す。
【表2】
【0050】得られたキャリヤは、コーティングとして
優れた表面被覆を示す、1,500ボルトを超える破壊
電圧を有していた。
【0051】2. 懸濁重合 有機相にElvacite 2008 ポリメチルメタ
クリレート(DuPont社)を用いずに上記実験の4
つを繰り返した。
【0052】容量500mlのガラス反応器中、140
gのMMA(メチルメタクリレート)と、0.75gの
dvbと、6.04gのVazo−52〔2,2′−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〕と、3.
02gのVazo−67〔2,2′−アゾビス(2−メ
チルブチロニトリル)〕と、Lucidol−75BP
O(量については表1参照)とを210rpmで30分
間攪拌して有機相を形成した。
【0053】より具体的に言えば、容量500mlのガ
ラス容器中、140gのメチルメタクリレート(MM
A)と、0.75gのジビニルベンゼン(dvb)架橋
剤とを210rpmで30分間攪拌した。6.04gの
Vazo−52と、3.02gのVazo−67と、L
ucidol 75 過酸化ベンゾイル(量については
下記の表3参照)開始剤とを加え、この有機相を1時間
攪拌して開始剤を溶解させた。458.56gの脱イオ
ン水中の11.44gのAir Products社か
ら得たAirvol 603 ポリビニルアルコール
〔加水分解度80%(即ち、アセテート基を20%含
む)〕と、ヨウ化カリウム(KI)と、ヨウ素(I2
(量については下記の表3参照)とからなる水性相混合
物を容量2リットルのステンレススチール製ビーカー中
350rpmで攪拌した。有機相を水性相中に注ぎ、得
られたスラリーを約3分間混合した。次いで、ブリンク
マンポリトロンホモジナイザを用い、混合物を氷浴中
8,000rpmで5分間均質化した。得られたスラリ
ーを容量1リットルのパール反応器中に注ぎ、次いで、
反応器を密閉し、窒素で100kPaに加圧した。23
0rpmで攪拌を開始した。反応器を90分間60℃
に、次いで90分間80℃に加熱し、次いで冷却した。
最終スラリーを420gのメタノールと50gのDIW
中に分散して洗浄した後、遠心分離にかけ、沈降物をデ
カントした。次いで、得られたウエットケークを上記の
ようにメタノール/DIWに再分散し、再度遠心分離に
かけた。このサイクルを4回繰り返し、次いで、480
gのDIWを用いて最終洗浄ステップを行った。次い
で、オーブン中80℃で過剰な水を乾燥させ、生成物を
コーヒーひき器で粉砕し、80℃で4時間真空乾燥して
乾燥ステップを完了した。
【0054】最終ポリメチルメタクリレート生成物(純
度=約99.5%)の粒径をコールター LS230
レーザー回折装置で測定した。
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョージ リーバーマン カナダ国 エル5エイチ 2エヌ3 オン タリオ州ミシソーガ バネッサ クレセン ト 606 (72)発明者 スコット エム.サイレンス アメリカ合衆国 14450 ニューヨーク州 フェアポート ネルソン ストリート 42 (72)発明者 ケー.デリック ヘンダーソン アメリカ合衆国 14607 ニューヨーク州 ロチェスター サウス グッドマン ス トリート 34 アパートメント 501 (72)発明者 ハディ ケー.マハバディ カナダ国 エム8ブイ 3エックス2 オ ンタリオ州 エトビコーク レイクショア ブルバード ウェスト 2267 (72)発明者 バーナード エー.ケリー アメリカ合衆国 14519 ニューヨーク州 オンタリオ リッジ ロード 120エー アパートメント 8

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマーの調製方法であって、水とアセ
    テート基を含むポリビニルアルコールとの溶液を生成す
    るステップと、生成された溶液にアルカリ金属ヨウ化物
    とヨウ素との混合物を加えるステップと、得られた混合
    物に開始剤と場合によって架橋剤とを加えるステップ
    と、モノマーかモノマー混合物か又はモノマー/ポリマ
    ー混合物を加えるステップと、重合するステップとを含
    み、前記重合ステップを行う前にヨウ化物/ヨウ素/ア
    セテート錯体が形成されている、ポリマーの調製方法。
  2. 【請求項2】 ポリマーの調製方法であって、アルカリ
    金属ヨウ化物、ヨウ素、水とアセテート基を含むポリビ
    ニルアルコールとの溶液、モノマーかコモノマーか又は
    モノマー/ポリマー混合物、開始剤、及び場合により架
    橋剤を混合するステップと、加熱して重合し、場合によ
    りその後で、冷却、分離、洗浄、乾燥するステップとを
    含む、ポリマーの調製方法。
  3. 【請求項3】 キャリヤの調製方法であって、(1)キ
    ャリヤコアと、第1ポリマーと第2ポリマーの混合物と
    を混合するステップと、(2)得られたキャリヤコア
    を、キャリヤコアにポリマーを付着させるのに十分な時
    間乾式混合するステップと、(3)その後で、キャリヤ
    コア粒子とポリマーとの混合物を約200〜約550°
    Fの温度で加熱してポリマーを融解し、キャリヤコアに
    融着させるステップと、(4)その後得られた被覆キャ
    リヤ粒子を冷却するステップとを含み、第1ポリマーが
    請求項2に記載の方法により得られる、キャリヤの調製
    方法。
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