JPH11269098A - 固体剤形の製造のための方法 - Google Patents

固体剤形の製造のための方法

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JPH11269098A
JPH11269098A JP11004322A JP432299A JPH11269098A JP H11269098 A JPH11269098 A JP H11269098A JP 11004322 A JP11004322 A JP 11004322A JP 432299 A JP432299 A JP 432299A JP H11269098 A JPH11269098 A JP H11269098A
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mol
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Stephan Dr Kothrade
コトラーデ シュテファン
Wolfgang Dr Mueller
ミュラー ヴォルフガング
Gunther Berndl
ベルンドル グンター
Axel Dr Sanner
ザナー アクセル
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BASF SE
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/20Pills, tablets, discs, rods
    • A61K9/2004Excipients; Inactive ingredients
    • A61K9/2022Organic macromolecular compounds
    • A61K9/2031Organic macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polyethylene glycol, polyethylene oxide, poloxamers
    • A61K9/2045Polyamides; Polyaminoacids, e.g. polylysine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/20Pills, tablets, discs, rods
    • A61K9/2095Tabletting processes; Dosage units made by direct compression of powders or specially processed granules, by eliminating solvents, by melt-extrusion, by injection molding, by 3D printing

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体状の剤形、殊には徐放性の有効成分放出
を有する剤形の製造のための簡単でコスト的に有利な方
法の提供 【解決手段】 スルホナート基を有するポリアミドを結
合剤として使用する。 【効果】 固体剤形の製造が簡単でコスト的に有利であ
る。さらに、著しく緩徐な有効成分放出を伴う剤形(徐
放性配合)となり、任意の放出プロファイルが得られ
る。硬質で粘着性がない投与形も製造でき、高い温度で
も良好な貯蔵安定性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも1種の
ポリマー結合剤、場合によれば少なくとも1種の通例の
有効成分および場合によれば通例の添加剤を混合して可
塑性混合物を形成させ、かつ成形することによる固体剤
形の製造のための方法に関する。殊には、本発明は、固
体状の薬剤剤形の製造のための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】固体状の薬剤剤形、殊には錠剤の製造の
ための従来の方法は、不連続式で実施され、かつ数段の
工程を含む。その際、薬剤顆粒が重要な中間製品であ
る。すなわち、例えば、図書「薬剤技術」(Pharmazeuti
sche Technologie, Bauer, Froemmig およびFuehrer 教
授編集、Thieme Verlag)第292頁以降から分かるよう
に、薬剤剤形は溶融物から乾式造粒により得ることがで
きる。溶融物の固化顆粒は、溶融および衝撃固化によ
り、注型および粉砕によりまたは噴霧塔内での噴霧固化
により製造できると記載されている。これらの方法にお
ける一つの問題は、薬剤製造のために必要な正確な成形
である。しばしば不規則な粒子または破片が製造され、
得られた形は決して通例の剤形には適せず、従って顆粒
はそのままの剤形としてはほとんど意味がない。希望さ
れる固体剤形の製造には、別の工程、例えば打錠機を用
いる圧縮の使用を必要とする。このために時間とコスト
がかかる。
【0003】少し以前から、固体薬剤剤形製造のための
実質的により簡単な連続法が公知となっており、これに
よると、ポリマー状で有効成分を含む結合剤から成り、
有効成分を含有し溶剤を含まない溶融物を押出し、か
つ、押出されたストランドを例えば成形ロールを有する
カレンダー機において希望する剤形に成形する。欧州特
許出願公開(EP−A)第240904号明細書、欧州
特許出願公開(EP−A)第240906号および欧州
特許出願公開(EP−A)第337256号明細書およ
び欧州特許出願公開(EP−A)第358105号明細
書を参照のこと。これにより、目的とする成形に達する
ことができる。ポリマー結合剤として、殊にはN−ビニ
ルピロリドンのポリマーまたはこれと例えば酢酸ビニル
とのコポリマーが使用される。
【0004】製剤技術および薬剤学におけるポリアミド
の使用は、当業者には公知である。移植組織、薬剤の経
皮適用、透析膜および薬剤コーティングは、ポリアミド
の多方面にわたる用途の一例である。
【0005】WO96/21427A1明細書には、例
えば、ポリアミドは、生分解性、水に不溶性でポリアミ
ドを含むコポリマーとして、調節された有効成分放出を
伴う液状薬剤配合内に使用できることが記載されてい
る。このポリマーは、有効成分を溶解、分散または懸濁
した形で含む。
【0006】固体状薬剤組成物中でのポリアミドの使用
は、WO93/24154A1明細書に記載されてい
る。この組成物は、溶融紡糸ポリマーを基としており、
その主として無定形の特性は、迅速で均等な有効成分放
出に役立つ。
【0007】薬剤ピルおよび錠剤の製造のための方法
は、ドイツ国特許出願公開(DE−OS)第17665
46号明細書に記載されている。これは成形工程であっ
て、これにより、担体物質を有効成分を分散および/ま
たは溶解した形で含む溶融物中に導入し、この溶融物を
回転するロール対の槽形の空間内に送り、その際、ロー
ルは、その外面にコーティング組成物を受け入れるため
の凹みを有し、かつ冷却され、液状コーティング組成物
を凹み内で固化させ、このようにして得られた薬剤を凹
みから取り出す。担体物質は、熱可塑性樹脂、例えばポ
リ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリア
ミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレンまたはアクリロニトリル
−スチレンを含んでいてもよい。
【0008】有効成分徐放性を有するポリアミド含有組
成物は、欧州特許(EP)第381445A2号および
欧州特許(EP)第381446A1号の各明細書に記
載されている。これは、歯科および口腔治療用の局所用
薬剤であって、これにより、それぞれの薬剤はセルロー
スまたは疎水性ポリマー中に埋め込まれている。
【0009】スルホナート基を有するポリマーは、ドイ
ツ国特許(DE)第4037518A1号明細書におい
て、狭い粒径分布および実質的に球状の形態を有する特
定の樹脂粒子の製造のために好適な成分として記載され
ている。このような樹脂粒子は、殊には電子写真のトナ
ーとして使用できる。薬剤担体としての使用は、付随的
に記載されている。
【0010】しかし、上記の組成物の製造は、数倍も高
い経費を要し、そのために時間とコストがかかり、か
つ、多くの場合に速放性を有する剤形となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、固体状の剤形、殊には徐放性の有効成分放出を有す
る剤形の製造のための簡単でコスト的に有利な方法を提
供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】溶融物押出により剤形を
製造し、その際、スルホナート基を有するポリアミドを
結合剤として使用すると、この課題が解決されることを
意外にも発見した。
【0013】従って、本発明の対象は、少なくとも1種
のポリマー結合剤、場合によれば少なくとも1種の有効
成分および場合によれば通例の添加剤を混合して可塑性
混合物を形成させ、かつ成形することによる固体剤形の
製造のための方法において、ポリマー結合剤として、ス
ルホナート基を有するポリアミドを使用することを特徴
とする方法である。
【0014】本発明による方法は、固体剤形の製造を簡
単でコスト的に有利な方法で可能にする。スルホナート
基を有するポリアミドの有利な性質は、塑性状態への移
行により影響を受けない。さらに、本発明による方法
は、意外にも、著しく緩徐な有効成分放出を伴う剤形
(徐放性配合)となり、反対に従来使用されているポリ
アミドは、迅速な有効成分放出を伴う剤形となった。速
放性の助剤と混合することにより、任意の放出プロファ
イルが得られる。さらに、高いガラス転移点のために、
硬質で粘着性がない投与形の製造に成功し、これはそれ
自体の高い温度での良好な貯蔵安定性が特徴である。
【0015】剤形として、本明細書中では、薬剤、植物
処理剤、飼料および食品としての使用のためおよび香料
および香油の放散にも好適である。これには、例えばあ
らゆる形の錠剤、ペレット、顆粒が属するが、さらに大
きい形状、例えば立方体、ブロック(角柱形)または円
筒形も属し、これらは殊には飼料または食品としての用
途に使用できる。
【0016】本発明により得られる剤形は、一般に下記
を含む: a)有効成分0〜90重量%、殊には0.1〜60重量
%(剤形の全重量に対して)、 b)ポリマー結合剤10〜100重量%、殊には40〜
99.9重量%および c)場合によれば添加剤。
【0017】剤形が、食品用途または飼料用途に使用さ
れる場合には、有効成分を含まなくてもよく、すなわち
剤形はポリマー結合剤100%以下を含むものであって
もよい。
【0018】ポリマー結合剤として、本発明によるとス
ルホナート基を有するポリアミドが用いられる。スルホ
ナート基は、ポリアミドの構成に使用される1種または
それ以上のモノマーを用いて導入されてもよい。その
際、これらのモノマーは、1個またはそれ以上のスルホ
ナート基を有していてもよい。スルホナート基を有する
モノマーのモル比は、通常少なくとも0.5モル%、か
つ有利には50モル%以下である。殊に有利には、5〜
35モル%、かつ殊には10〜30モル%である。
【0019】スルホナート基を有するジカルボン酸は、
本発明により使用されるポリアミドの構成のために殊に
好適である。これらのスルホナート基を有するジカルボ
ン酸の他に別のジカルボン酸が使用でされる場合には、
スルホナート基を有するジカルボン酸の別のジカルボン
酸に対する比は、通常1:99〜99:1、有利には1
0:90〜70:30、かつ殊には20:80〜60:
40である。
【0020】有利には、 A1)少なくとも1種のモノアミノカルボン酸、そのラ
クタムまたはモノアミノカルボン酸とモノアミノカルボ
ン酸ラクタムとの混合物0〜90モル%、 A2)少なくとも1種の第一級または第二級ジアミン5
〜50モル%、 A3)少なくとも1種のスルホナート基を有するジカル
ボン酸0.5〜49.5モル%および場合によれば A4)少なくとも1種のその他のジカルボン酸0.5〜
49.5モル%から得られ、その際、モノマーA3)と
A4)とのモル比の和が、実質的にモノマーA2)のモ
ル比に相当する、スルホナート基を有するポリアミドが
使用される。
【0021】殊に有利には、 A1)少なくとも1種のモノアミノカルボン酸、そのラ
クタムまたはモノアミノカルボン酸とモノアミノカルボ
ン酸ラクタムとの混合物0〜50モル%、 A2)少なくとも1種の第一級または第二級ジアミン4
5〜50モル%、 A3)少なくとも1種のスルホナート基を有するジカル
ボン酸5〜35モル%および場合によれば A4)少なくとも1種のその他のジカルボン酸15〜4
5モル%から得られ、その際、モノマーA3)とA4)
のモル比の和が、実質的にモノマーA2)のモル比に相
当する、スルホナート基を有するポリアミドの使用であ
る。
【0022】特に殊に有利には、 A1)少なくとも1種のモノアミノカルボン酸、そのラ
クタムまたはモノアミノカルボン酸とモノアミノカルボ
ン酸ラクタムとの混合物0〜45モル%、 A2)少なくとも1種の第一級または第二級ジアミン4
7.5〜50モル%、 A3)少なくとも1種のスルホナート基を有するジカル
ボン酸10〜30モル%および場合によれば A4)少なくとも1種のその他のジカルボン酸20〜4
0モル%から得られ、その際、モノマーA3)とA4)
のモル比の和が、実質的にモノマーA2)のモル比に相
当する、スルホナート基を有するポリアミドである。
【0023】存在する場合には、成分A1の割合は少な
くとも0.5モル%である。
【0024】有利には、上記のモノマーA2)、A3)
およびA4)のみから得られるポリアミドである。この
場合に、モノマーA2)のモル比は、50モル%であ
る。モノマーA3)およびA4)のモル比は、上記の範
囲内で変動し、その際、和は常に50モル%である。
【0025】殊に有利には、少なくとも2種の異なるジ
アミンが本発明によるポリマーの製造に使用される場合
である。
【0026】モノマーA1)としては、ポリアミドの製
造のために公知のモノアミノカルボン酸およびこれらの
ラクタムが好適である。有利には、C2 〜C12−モノア
ミノカルボン酸および殊には一般式H2N−R1−COO
H〔式中、R1は、直鎖または分枝状、飽和または不飽
和の脂肪族、脂環式または芳香族基を表す〕のモノアミ
ノカルボン酸である。このような基R1は、1回または
数回、独立してヒドロキシル基またはC1〜C4−アルコ
キシから選ばれている基により置換されていてもよい。
好適なモノアミノカルボン酸およびラクタムの例は、ω
−アミノウンデカン酸、ピロリドン、ε−カプロラクタ
ム、ラウリンラクタム、カプリルラクタムまたはエナン
トラクタムである。
【0027】モノマーA2)としては、例えば第一級C
2〜C18−ジアミン、殊には式H2N−R2−NH2のもの
が該当する〔式中、R2は、直鎖または分枝状、飽和お
よび不飽和であって、炭素原子2〜18個、有利には2
〜14個、殊には5〜11個を有し、また1回または数
回、独立してヒドロキシルまたはC1〜C4−アルコキシ
から選ばれている基により置換されていてもよい脂肪族
基、飽和または不飽和であって、炭素原子5〜8個、か
つ有利には6個を有し、また1回または数回、独立して
ヒドロキシル、C1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−ア
ルコキシ基から選ばれる基により置換されていてもよい
脂環式基、数個、殊には2個がたがいに結合している上
記の種類の脂環式基、炭素原子6〜18個、有利には6
〜12個を有し、殊にはフェニル基であり、また1回ま
たは数回、独立してヒドロキシル、C1〜C4−アルキル
またはC1〜C4−アルコキシから選ばれる基により置換
されていてもよい芳香族基、または数個、殊には2個が
たがいに結合している上記の種類の芳香族基を表す〕。
脂肪族および脂環式基が有利である。
【0028】たがいに結合している脂環式または芳香族
基は、1個の結合または二価の基を介してたがいに結合
しており、その際、二価の基は、殊にはC1〜C4−アル
キレン基、例えばメチレン基、1,1−エチレン基、
1,2−エチレン基、1,1−プロピレン基、1,2−
プロピレン基、1,3−プロピレン基および2,2−プ
ロピレン基、−O−、−S−、−SO2−、C(O)な
らびに−O−、−S−、−SO2−またはC(O)によ
り中断されている上記の種類のアルキレン基であっても
よい。
【0029】脂肪族基は、有利にはアルキレン基または
アルケニレン基であり、これらはまた1回または数回−
O−、−S−、−SO2−またはC(O)により中断さ
れていてもよい。
【0030】脂環式基は、有利にはシクロアルキル基ま
たはシクロアルケニル基であり、これらはまた1回また
は数回−O−、−S−、−SO2−またはC(O)によ
り中断されていてもよい。
【0031】好適な第一級ジアミンは、例えばアルキレ
ンジアミンまたはシクロアルキルジアミン、例えば1,
2−エタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、ジ
(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2′−ジ
(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ジ(3−メチ
ル−4−アミノシクロヘキシル)メタンまたは、有利に
は、ヘキサメチレンジアミンである。さらに、2,2,
4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−ブチル−
2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、2−メチルペ
ンタメチレンジアミンまたは4,7−ジオキサデカン−
1,10−ジアミンも好適である。
【0032】モノマーA2)として、第二級ジアミン、
例えば上記の種類の第一級ジアミンから、少なくとも1
個のアミン水素の好適な置換基、例えばC1〜C3−アル
キルによる置換により誘導されるものも好適である。
【0033】有利な第二級ジアミンは、一般式:
【0034】
【化1】
【0035】〔式中、R2’およびR2’’は、たがいに
独立して上記にR2ために記載したものを表してもよ
い〕の環状ジアミンである。このようなジアミンの例
は、ピペラジンである。
【0036】スルホナート基を有するモノマーA3)と
しては、その中にスルホン酸基が塩、例えばアルカリ金
属、例えばリチウム、ナトリウムまたはカリウムまたは
場合によれば1〜4個の脂肪族または芳香族基により置
換されているアンモニウム基の塩として存在するものが
該当する。好適なスルホナート基を有するモノマーは、
4〜C20−ジカルボン酸および有利にはC4 〜C12
ジカルボン酸のスルホン酸塩である。殊に好適には、一
般式HOOC−R3−COOH〔式中、R3は、上記にR
2として記載のものであってもよい〕のジカルボン酸で
ある。
【0037】有利には、R3は、芳香族基である。これ
には、フェニル基、ナフチル基またはジフェニル基なら
びに二価の基を介してたがいに結合している2個のフェ
ニル基が挙げられる。このような二価の基の例は、すで
に記載してある。
【0038】スルホナート基は、直接またはC1〜C4
アルキレン架橋を介してR3に結合していてもよい。脂
肪族のスルホナート基を有するジカルボン酸の例は、ス
ルホコハク酸である。好適な芳香族のスルホナート基を
有するジカルボン酸は、例えばフタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸お
よび2,6−ナフタレンジカルボン酸、3,3’−ジフ
ェニルジカルボン酸および4,4’−ジフェニルジカル
ボン酸、3,3’−ジフェニルメタンジカルボン酸およ
び4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸または2−
フェノキシテレフタル酸に基づく。通常、芳香族ジカル
ボン酸は、1個または2個のスルホナート基を有する。
これらは、任意で、カルボキシル基と置換しない位置に
直接、例えば5−スルホイソフタル酸の場合のように、
または二価の架橋を介して、例えば5−スルホプロポキ
シイソフタル酸の場合のように結合されていてもよい。
殊に有利には、5−スルホイソフタル酸の塩、殊にはナ
トリウム塩が使用される。
【0039】好適なモノマーA4)は、有利にはC2
16−ジカルボン酸および殊には一般式HOOC−R4
−COOHを有するジカルボン酸である。基R4として
は、原理的にはR4がスルホナート基を有していないこ
とを除く基R3のものが該当する。脂肪族ジカルボン酸
の例は、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、または
有利にはアジピン酸またはセバシン酸である。好適な芳
香族ジカルボン酸は、例えばイソフタル酸またはテレフ
タル酸であり、これらは置換されていてもよく、例えば
3−t−ブチルイソフタル酸、さらに3,3’−ジフェ
ニルジカルボン酸または4,4’−ジフェニルジカルボ
ン酸、3,3’−ジフェニルメタンジカルボン酸または
4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、3,3’−
ジフェニルスルホンジカルボン酸または4,4’−ジフ
ェニルスルホンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカ
ルボン酸または2,6−ナフタレンジカルボン酸または
2−フェノキシテレフタル酸である。
【0040】当然ながら、すべてのモノマー基に対して
いずれのモノマーの混合物も使用できる。
【0041】スルホナート基を有するポリアミドの製造
は、自体公知の方法により行うことができる。
【0042】有利な製造方法として、バッチ法(不連続
式製造法)が挙げられる。これによると、モノマー水溶
液を0.5〜3時間以内にオートクレーブ内で温度24
0〜300℃に加熱し、その際、圧力は10〜50バー
ル、殊には15〜30バールに達し、これは過剰の水蒸
気を除去することにより4時間以内は一定に維持され
る。その後、オートクレーブを一定温度において、0.
5〜3時間の期間に常圧まで減圧する。引き続き、ポリ
マー溶融物をオートクレーブから取り出し、空気または
窒素を用いて冷却し、引き続き造粒する。
【0043】このようにして得られたコポリアミドは、
通常、96%硫酸中の0.5重量%溶液で測定して、粘
度数25〜110ml/g、有利には30〜80ml/
gを有する。
【0044】コポリマーは、一般に少なくとも7、有利
には10〜250のK値を有する。ポリマーは300以
下のK値を有することができる。K値の測定は、フィケ
ンチャー(H. Fikentscher)、セルロース化学(Cellulose
chemie) 第13巻、58−64、71−74頁(193
2)に従って、水溶液中または有機溶剤中、25℃およ
びK値に応じた0.1%〜5%の間の濃度において行わ
れる。
【0045】上記のポリマー結合剤の他に、別の結合
剤、例えばポリマー、コポリマー、セルロース誘導体、
デンプンおよびデンプン誘導体を殊には30重量%以下
を結合剤の総量に対して用いることができる。好適に
は、例えば下記である:ポリビニルピロリドン(PV
P)、N−ビニルピロリドン(NVP)とビニルエステ
ル、殊には酢酸ビニルとのコポリマー、酢酸ビニルとク
ロトン酸とのコポリマー、部分鹸化ポリ酢酸ビニル、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルホルムアミド、一部ま
たは完全に加水分解したポリビニルホルムアミド、ポリ
ヒドロキシアルキルアクリレート、ポリヒドロキシアル
キルメタクリレート、ポリアクリレートおよびポリメタ
クリレート〔オイドラギット型〕、メチルメタクリレー
トとアクリル酸とのコポリマー、ポリアクリルアミド、
ポリエチレングリコール、セルロースエステル、セルロ
ースエーテル、殊にはメチルーセルロースおよびエチル
セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、殊にはヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシアルキル−ア
ルキルセルロース、殊にはヒドロキシプロピル−エチル
セルロース、セルロースフタレート、殊にはセルロース
アセタートフタレートおよびヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレート、およびマンナン、殊にはガラク
トマンナン。これらの中で、ポリビニルピロリドン、N
−ビニルピロリドンとビニルエステルとのコポリマー、
ポリヒドロキシアルキルアクリレート、ポリヒドロキシ
アルキルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリメタ
クリレート、アルキルセルロースおよびヒドロキシアル
キルセルロースが殊に有利である。
【0046】ポリマー結合剤は、すべての成分の全混合
物中で、50〜180℃、有利には60〜130℃の範
囲で軟化または溶融しなければならない。従って、混合
物のガラス転移温度は、180℃以下、有利には130
℃以下でなければならない。必要な場合には、これは通
例の薬剤的に認容性の軟化性助剤により低下される。軟
化剤の量は、結合剤および軟化剤の全重量に対して多く
とも30重量%であり、これにより貯蔵安定性の剤形が
形成され、これはコールドフローを示さない。しかし、
有利には混合物は軟化剤を含まない。
【0047】このような軟化剤の例は下記である:長鎖
アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエチレ
ングリコール、ブタンジオール、ペンタノール、例えば
ペンタエリトリトール、ヘキサノール、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−
プロピレングリコール、シリコーン、芳香族カルボン酸
エステル(例えばフタル酸ジアルキル)、トリメリチン
酸エステル、安息香酸エステル、テレフタル酸エステ
ル)または脂肪族ジカルボン酸エステル(例えばアジピ
ン酸ジアルキル、セバチン酸エステル、アゼライン酸エ
ステル、クエン酸エステルおよび酒石酸エステル)、脂
肪酸エステル、例えばグリセリンモノアセタート、グリ
セリンジアセタートまたはグリセリントリアセタートま
たはナトリウムジエチルスルホスクシナート。軟化剤の
濃度は、混合物の全量に対して0.5〜15、有利には
0.5〜5重量%である。
【0048】その全量が重合体に対して100重量%以
下であってもよい通常の製剤助剤は、例えばエクステン
ダーならびに充填物、例えばケイ酸塩またはケイソウ
ド、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタ
ン、ステアリン酸またはその塩、例えばマグネシウム塩
またはカルシウム塩、メチルセルロース、ナトリウム−
カルボキシメチルセルロース、タルク、サッカロース、
ラクトース、穀物デンプンまたはトウモロコシデンプ
ン、バレイショ粉、ポリビニルアルコールを殊には0.
02〜50、有利には0.20〜20重量%の濃度で混
合物の全重量に対して含む。
【0049】滑沢剤、例えばステアリン酸アルミニウム
およびステアリン酸カルシウム、タルクおよびシリコー
ン、混合物の全重量に対して濃度0.1〜5、有利には
0.1〜3重量%。
【0050】流動剤、例えば動物脂肪または植物脂肪、
殊には水素化した形かつ室温で固体のもの。これらの脂
肪は、有利には融点50℃またはこれ以上を有する。有
利には、C12−脂肪酸、C14−脂肪酸、C16−脂肪酸お
よびC18−脂肪酸のトリグリセリドである。またワック
ス、例えばカルナウバワックスも使用できる。これらの
脂肪およびワックスは、有利には単独またはモノグリセ
リドおよび/またはジグリセリドまたはリン脂質、殊に
はレシチンと混合してもよい。モノグリセリドおよびジ
グリセリドは、有利には上記の脂肪酸類から得たもので
ある。脂肪、ワックス、モノグリセリド、ジグリセリド
および/またはレシチンの全量は、それぞれの層の組成
物の全量に対して0.1〜30、有利には0.1〜5重
量%である。
【0051】染料、例えばアゾ染料、有機もしくは無機
顔料または天然産出染料、その際、無機顔料は、混合物
の全重量に対して濃度0.001〜10、有利には0.
5〜3重量%が有利である。
【0052】安定剤、例えば抗酸化剤、光安定剤、ヒド
ロペルオキシド破壊剤、ラジカル捕捉剤、微生物の攻撃
に対する安定剤。
【0053】さらに、湿潤剤、保存剤、崩壊剤、吸着
剤、離型剤、分散助剤および発泡剤ならびに消泡剤も添
加できる〔例えばスッケルら「薬剤技術」(B.H. Sucker
et al., Pharmazeutische Technologie, Thieme-Verla
g, Stuttgart, 1978) 参照〕。
【0054】本発明の範囲内にある助剤として、有効成
分の固溶体製造のための物質も考えられる。この助剤
は、例えばペンタエリトリトールおよびペンタエリトリ
トール−テトラアセタート、ポリマー、例えばポリエチ
レンオキシドならびにポリプロピレンオキシドおよびこ
れらのブロックコポリマー〔ポロキサマー(Poloxamer
e)〕、リン脂質、例えばレシチン、ビニルピロリドンの
ホモポリマーおよびコポリマー、界面活性剤、例えばポ
リオキシエチレン−40−ステアラートならびにクエン
酸およびコハク酸、胆汁酸、ステリンおよびその他の例
えばフォードら[J.L. Ford, Pharm. Acta Helv. 61, 69
-88 (1986)] に記載のものである。
【0055】助剤として、塩基および酸の添加も有効成
分の溶解度の調整のために有効である〔例えば、トーマ
ら〔K. Thoma et al., Pharm. Ind. 51, 98-101(198
9)〕参照。
【0056】助剤の適性に関する唯一の条件は、十分な
温度安定性である。
【0057】本発明の範囲内の有効成分として、これら
が投与条件において分解しない限界内で、生理的作用を
有するすべての物質とする。殊には、薬剤有効成分(人
間および動物に対して)、植物処理、殺昆虫剤、飼料有
効成分および食品有効成分のための有効成分、香料およ
び香油である。投与単位あたりの有効成分の量および濃
度は、有効性および放出速度により大幅に変化してもよ
い。唯一の条件は、希望する作用を達成するために十分
であることである。従って、有効成分濃度は、0.1〜
95、有利には20〜80、殊には30〜70重量%の
範囲内にあってもよい。有効成分の組合せも使用でき
る。本発明の範囲内の有効成分は、ビタミンおよびミネ
ラル剤でもある。ビタミンには、ビタミンA群、ビタミ
ンB群、これにはB1 、B2 、B6 およびB12ならびに
ニコチン酸およびニコチン酸アミド、さらにはビタミン
Bの性質を有すると考えられる化合物、例えばアデニ
ン、コリン、パントテン酸、ビオチン、アデニル酸、葉
酸、オロト酸、パンガミン酸、カルニチン、p−アミノ
安息香酸、ミオイノシトールおよびリポ酸、ならびにビ
タミンC、ビタミンD群、ビタミンE群、ビタミンF
群、ビタミンH群、ビタミンI群およびビタミンJ群、
ビタミンK群およびビタミンP群が属する。有効物質に
は、本発明の範囲内で、ペプチド治療薬も属する。植物
処理剤には、例えばビンクロゾリン、エポキシコナゾー
ル(Epoxiconazol)およびキンメラック(Quinmerac) が属
する。
【0058】本発明による方法は、例えば下記の有効成
分の投与に好適である:アセブトロール、アセチルシス
テイン、アセチルサリチル酸、アシクロビル、アルプラ
ゾラム、アルファカルシドール、アラントイン、アロプ
リノール、アンブロキソール、アミカシン、アミロリ
ド、アミノ酢酸、アミオダロン、アミトリプチリン、ア
ムロジピン、アモキシシリン、アンピシリン、アスコル
ビン酸、アスパルテーム、アステミゾール、アテノロー
ル、ベクロメタゾン、ベンセラジド、塩酸ベンズアルコ
ニウム、ベンゾカイン、安息香酸、ベタメタゾン、ベザ
フィブラート(Bezafibrat)、ビオチン、ビペリデン、ビ
ソプロロール(Bisoprolol)、ブロマゼパム、ブロムヘキ
シン、ブロモクリプチン、ブデソニド(Budesonid) 、ブ
フェキサマク、ブフロメジル(Buflomedil)、ブスピロ
ン、カフェイン、ショウノウ、カプトプリル、カルバマ
ゼピン、カルビドパ、カルボプラチン、セファクロル、
セファレキシン、セファドロキシル、セファゾリン、セ
フィキシム、セフォタキシム、セフタジジム、セフトリ
アキソン、セフロキシム、セレジリン、クロラムフェニ
コール、クロルヘキシジン、クロルフェニラミン、クロ
ルタリドン、コリン、サイクロスポリン、シラスタチン
(Cilastatin)、シメチジン、シプロフロキサシン、シサ
プリド(Cisapride) 、シスプラチン、クラリスロマイシ
ン、クレブラン酸(Claevulansaeure) 、クロミプラミ
ン、クロナゼパム、クロニジン、クロトリマゾール、コ
デイン、コレスチラミン、クロモグリク酸、シアノコバ
ラミン、シプロテロン、デソゲストレル(Desogestrel)
、デキサメタゾン、デクスパンテノール、デキストロ
メトルファン、デキストロプロポキシフェン、ジアゼパ
ム、ジクロフェナク、ジゴキシン、ジヒドロコデイン、
ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロエルゴトキシン、ジル
チアゼム、ジフェンヒドラミン、ジピリダモール、ジピ
ロン、ジソピラミド、ドンペリドン、ドパミン、ドキシ
サイクリン、エナラプリル、エフェドリン、エピネフリ
ン、エルゴカルシフェロール、エルゴタミン、エリスロ
マイシン、エストラジオール、エチニルエストラジオー
ル、エトポシド、ユーカリノキ、ファモチジン、フェロ
ジピン、フェノフィブラート(Fenofibrat)、フェノテロ
ール、フェンタニール、フラビンモノヌクレオチド、フ
ルコナゾール、フルナリジン、フルオロウラシル、フル
オキセチン、フルルビプロフェン、フォリン酸、フロセ
ミド、ガロパミル(Gallopamil)、ジェムフェブロジル、
ゲンタマイシン、イチョウ、グリベンクラミド、グリピ
シド、クロザピン、カンゾウ、グリセオフルビン、グァ
イフェネシン、ハロペリドール、ヘパリン、ヒアルロン
酸、ヒドロクロロチアジド、ヒドロコドン、ヒドロコル
チゾン、ヒドロモルホン、水酸化イプラトロピウム、イ
ブプロフェン、イミペネム、、インドメタシン、イオヘ
キソール、イオパミドールイソソルビドジニトレート、
モノニトレートイソソルビド、イソトレチノイン、ケト
チフェン、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ケトロラ
ック、ラベタロール、ラクツロース、レシチン、レボカ
ルニチン、レボドパ、レボグルタミド、レボノルゲスト
レル、レボチロキシン、リドカイン、リパーゼ、イミプ
ラミン、リシノプリル、ロペラミド、ロラゼパム、ロバ
スタチン、メドロキシプロゲステロン、メントール、メ
トトレキセート、メチルドパ、メチルプレドニゾロン、
メトクロプラミド、メトプロロール、ミコナゾール、ミ
ダゾラム、ミノサイクリン、ミノキシジル、ミソプロス
トル、モルヒネ、総合ビタミン混合物または総合ビタミ
ンの組合せおよび無機塩、N−メチルエフェドリン、ナ
フチドロフリル(Naftidrofuryl) 、ナプロキセン、ネオ
マイシン、ニカルジピン、ニセルゴリン、ニコチン酸ア
ミド、ニコチン、ニコチン酸、ニフェジピン、ニモジピ
ン、ニトラゼパム、ニトレンジピン(Nitrendipin)、ニ
ザチジン、ノルエチステロン、ノルフロキサシン、ノル
ゲストレル、ノルトリプチリン、ナイスタチン、オフロ
キサシン、オメプラゾール、オンダンセトロン、パンク
レアチン、パンテノール、パントテン酸、パラセタモー
ル、ペニシリンG、ペニシリンV、フェノバルビター
ル、ペントキシフィリン、フェノキシメチルペニシリ
ン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、フ
ェニトイン、ピロキシカム、ポリミキシンB、ポビドン
ヨード、プラバスタチン(Pravastatin) 、プラゼパム、
プラゾシン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ブロモク
リプチン、プロパフェノン、プロプラノロール、プロキ
シフィリン、プソイドエフェドリン、ピリドキシン、キ
ニジン、ラミプリル、ラニチジン、レセルピン、レチノ
ール、リボフラビン、リファンピシン、ルトシド、サッ
カリン、サルブタモール、サルカトニン(Salcatonin)、
サリチル酸、シムバスタチン、ソマトトロピン、ソタロ
ール、スピロノラクトン、スクラルファート、スルバク
タム、スルファメトキサゾール、スルファサラジン、ス
ルピリド、タモキシフェン、テガフール、テプレノン、
テラゾシン、テルブタリン、テルフェナジン、テトラサ
イクリン、テオフィリン、チアミン、チクロピジン、チ
モロール、トラネキサム酸、トレチノイン、トリアムシ
ノロンアセトニド、トリアムテレン、トリメトプリム、
トロキセルチン、ウラシル、バルプロ酸、バンコマイシ
ン、ベラパミル、ビタミンE、フォリン酸、ジドブジ
ン。
【0059】有利な有効成分は、イブプロフェン(ラセ
ミ体、鏡像異性体または濃縮鏡像異性体として)、ケト
プロフェン、フルルビプロフェン、アセチルサリチル
酸、ベラパミル、パラセタモール、ニフェジピンまたは
カプトプリルである。
【0060】固体剤形の製造のために、成分の可塑性混
合物(溶融物)を調製し、これを引き続き成形工程で処
理する。成分の混合および溶融物の形成は、種々の方法
で行うことができる。混合は、溶融物の形成の前、その
間および/または後に行うことができる。例えば、成分
を最初に混合し、次いで溶融するか、または同時に混合
および溶融を行うことができる。しばしば、有効成分の
高い分散を得るために、さらに可塑性混合物の均質化が
行われる。
【0061】しかし、殊には、変化しやすい有効物質を
用いる場合には、最初にポリマー結合剤を場合によれば
通例の薬剤添加剤と一緒に溶融および予備混合し、次い
で変化しやすい有効物質を可塑性相において著しく短い
時間内に「強力混合」する(均質化)と有利なことが分
かっている。その際、有効成分は、固体状または溶液も
しくは分散液として導入することができる。
【0062】一般に、成分はそのままで製造工程に使用
される。しかし、これらは液状、すなわち溶液、懸濁液
または分散液としても使用できる。
【0063】成分の液状形のための溶剤として、第一に
は水または水と混合できる有機溶剤またはその水との混
合物が該当する。しかし、使用できる溶剤は、水と混合
できないかまたは混合できる有機溶剤であってもよい。
好適な水と混合できる溶剤は、殊にはC1 〜C4 −アル
カノール、例えばエタノール、イソプロパノールまたは
n−プロパノール、ポリオール、例えばエチレングリコ
ール、グリセリンおよびポリエチレングリコールであ
る。好適な水と混合できない溶剤は、アルカン、例えば
ペンタンまたはヘキサン、エステル、例えば酢酸エチル
または酢酸ブチル、塩素化炭化水素、例えば塩化メチレ
ンおよび芳香族炭化水素、例えばトルエンおよびキシレ
ンである。別の使用できる溶剤は、液体CO2 である。
【0064】それぞれの場合にどの溶剤を使用するか
は、対象とする成分およびそれらの性質に依存する。例
えば、薬剤有効成分は、しばしば一般に水溶性である塩
の形で使用される。従って、水溶性有効成分は、水溶液
として使用されるか、または有利には結合剤の水溶液ま
たは分散液中に取り込まれることができる。使用される
成分の液状形が有機溶剤に基づく場合に適当なものは、
上記の溶剤中に可溶性の有効成分が適当である。
【0065】場合によれば、溶融の代わりに、上記の溶
剤中への溶解、懸濁または分散が、希望および/または
要求される場合に、好適な助剤、例えば乳化剤を加えて
処理できる。次いで、溶剤を一般には好適な装置、例え
ば押出機中で溶融物を生成させて除去する。下記には、
これが混合の概念中に含まれる。
【0066】溶融および/または混合は、これらの目的
に通例の装置内で行われる。殊に好適には、押出機また
は場合によれば加熱式で攪拌装置、例えば混練装置を有
する槽である(以下にもさらに記載するように)。
【0067】混合装置として、殊には、合成樹脂技術に
おいて混合に使用される装置が使用できる。好適な装置
は、例えばパールの「合成樹脂の製造および加工におけ
る混合」("Vermischen beim Herstellen und Verarbeit
en von Kunststoffen", H. Pahl, VDI-Verlag, 1986)に
記載されている。殊に好適な混合装置は、押出機および
動的および静的ミキサー、ならびに撹拌槽、ストリップ
装置を有する一軸撹拌装置、殊にはいわゆるペースト撹
拌装置、多軸撹拌装置、殊にはPDSM−混合機、固体
混合機ならびに有利には混合混練反応器(例えばリスト
(List)社のORP、CRP、AP、DTBまたはクラウ
ス−マッファイ社(Firma Krauss-Maffei)のレアクトテ
ルム(Reactotherm) またはブス社(Firma Buss)のコニー
ダー)、二重凹み混練機(トラフミキサー)およびスタ
ンプ混練機(密閉式ミキサー)またはローター・ステー
ター系(例えばIKA社のディスパックスDispax) )で
ある。
【0068】変化しやすい有効成分の場合には、有利に
は最初にポリマー結合剤の溶融を押出機中で行い、引き
続き有効成分の混入を混合−混練機中で行う。反対に、
変化し難い有効成分の場合には、有効成分の強い分散の
ためにローター/ ステーター系が使用できる。
【0069】混合装置への供給は、それぞれそのコンセ
プトに従って通常の、連続式または非連続式で行われ
る。粉状の成分は、自由供給、例えば差動供給秤量装置
を介して導入できる。可塑性材料は、直接押出機から供
給するか、または殊に高粘度および高圧において有利な
ギヤポンプを用いて供給できる。液状物質は、好適なポ
ンプ装置を用いて供給できる。
【0070】結合剤、有効成分および場合によれば添加
剤または添加物を含む混合物の混合および/または溶融
により、一部が高粘度(熱可塑性)または液状となり、
従って押出が可能となる。混合物のガラス転移温度は、
混合物中に含まれるすべての成分の分解温度以下にあ
る。結合剤は、有利には生理的環境に可溶性または膨潤
可能でなければならない。
【0071】混合および溶融の工程は、同じ装置内また
は2基またはそれ以上の中で別々に操作する装置で実施
できる。予備混合物の調製は、上記の通例の混合装置内
で実施できる。次いで、このような予備混合物は、直
接、例えば押出機内に供給され、引き続き場合によれば
別の成分を加えて押し出すことができる。
【0072】本発明による方法は、押出機として、一軸
押出機、かみ合いスクリュー押出機または多軸押出機、
殊には同方向または逆方向回転、かつ場合によれば混練
板を有する二軸押出機が使用できる。押出の際に溶剤を
蒸発させなければならない場合には、押出機は、一般に
蒸発部を設ける。殊に有利には、ヴェルネル・ウント・
プライデレル(Werner u. Pfleiderer)のZKS−構造シ
リーズの押出機である。
【0073】本発明によると、多層薬剤剤形も同時押出
により製造でき、その際、上記の成分から成る複数の混
合物を押出の際に、希望する多層薬剤剤形の層構造が得
られるように一緒に押出ダイに供給する。有利には、異
なる結合剤が異なる層に使用される。
【0074】多層薬剤剤形は、有利には二層または三層
形を含む。これらは、開放形または閉鎖形であってもよ
く、殊には開放または閉鎖多層錠剤である。
【0075】少なくとも1層は、少なくとも1種の薬剤
有効成分を含む。別の有効成分を他の層に含ませること
も可能である。これは、2種類のたがいに相容性ではな
い有効成分を加工できたり、または有効成分の放出特性
を調節できる利点を有する。
【0076】成形は、同時押出により行われ、その際、
混合物を個別の押出機または他の装置から、共通の同時
押出ダイに導き、押し出す。同時押出ダイの形状は、希
望する薬剤剤形により定まる。例えば、平面のオリフィ
スを有するダイ、いわゆるスリットダイ、および環状の
オリフィスを有するダイが好適である。その際、ダイの
設計は、使用するポリマー結合剤および希望する薬剤剤
形により左右される。
【0077】得られる混合物は、有利には溶剤を含まな
い、すなわち水も有機溶剤も含まない。
【0078】可塑性混合物は通常引き続く成形に送られ
る。その際、多数の形状が、その成形のダイおよび種類
に応じて製造できる。例えば、押出機を用いる場合に
は、押し出されたストランドはバンドとロールの間、2
枚のバンドの間または欧州特許出願公開(EP−A)第
358105号明細書に記載のように2個の成形ロール
の間、または成形ロール2個を有するカレンダーにおけ
るカレンダリングにより(例えば欧州特許出願公開(E
P−A)第240904号明細書参照)により成形でき
る。ストランドの押出および高温または低温切断によ
り、異なる形、例えば微粒子状で均一に成形された顆粒
を得ることができる。高温切断による造粒では、通常、
直径1〜10mmのレンズ状剤形(錠剤)となり、一
方、低温切断による造粒では、通常、長さの直径に対す
る比が1〜10で直径0.5〜10mmの円筒形製品と
なる。このように、一層式、同時押出を用いる場合には
多層の開放または閉鎖状剤形、例えば縦長錠剤、糖衣
錠、香錠およびペレットが製造できる。得られた顆粒
は、引き続き粉末に粉砕され、通常の方法で錠剤に圧縮
されてもよい。マイクロ香錠は、ロトフォーム−ザンド
ヴィク法(Rotoform-Sandvik-Verfahren)により製造でき
る。これらの剤形は、後続の工程において通常の方法に
より丸めおよび/またはコーティングを施すことができ
る。フィルムコーティングの好適な材料は、例えばポリ
アクリレート、例えばオイドラギット型、セルロースエ
ステル、例えばヒドロキシプロピルセルロースフタレー
ト、ならびにセルロースエーテル、例えばエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒド
ロキシプロピルセルロースである。
【0079】個別には、固溶体を形成させてもよい。
「固溶体」の概念は、例えば冒頭に記載の文献から当業
者に公知である。ポリマー中の有効成分の固溶体内で、
有効成分は、ポリマー中の分子分散体として存在する。
【0080】下記の実施例は、本発明による方法を説明
するものであり、これを制限するものではない。
【0081】
【実施例】実施例1 5−スルホイソフタル酸ナトリウム16.67モル%、
イソフタル酸16.67モル%、ヘキサメチレンジアミ
ン33.33モル%およびε−カプロラクタム33.3
3モル%から成るポリアミド〔K値21.0;ジメチル
ホルムアミド中1%;Mn(末端基分析):6000〜
7000;Tg=149℃〕520gを塩酸ベラパミル
480gと一緒に下記の条件で押出し、欧州特許出願公
開(EP−A)第240904号明細書記載の方法によ
り500mg縦長錠剤にカレンダー加工する。
【0082】 セクション1: 94℃ セクション2:150℃ セクション3:123℃ セクション4:100℃ セクション5: 81℃ ダイ : 79℃ 8時間後の放出量は10%である〔USPによるパドル
法(pH変化)〕。
フロントページの続き (72)発明者 ヴォルフガング ミュラー ドイツ連邦共和国 フランケンタール マ ルティン−ショーンガウアー−シュトラー セ 4ツェー (72)発明者 グンター ベルンドル ドイツ連邦共和国 ヘルクスハイム アム デールリング 7 (72)発明者 アクセル ザナー ドイツ連邦共和国 フランケンタール ロ ルシャー リング 2ツェー

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種のポリマー結合剤、場合
    によれば少なくとも1種の有効成分および場合によれば
    通例の添加剤を混合して可塑性混合物を形成させ、かつ
    成形することによる固体剤形の製造のための方法におい
    て、ポリマー結合剤として、スルホナート基を有するポ
    リアミドを使用することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 スルホナート基を有するポリアミドが、 A1)少なくとも1種のモノアミノカルボン酸、そのラ
    クタムまたはモノアミノカルボン酸とモノアミノカルボ
    ン酸ラクタムとの混合物0から90モル%、 A2)少なくとも1種の第一級または第二級ジアミン5
    から50モル%、 A3)少なくとも1種のスルホナート基を有するジカル
    ボン酸0.5から49.5モル%および場合によれば A4)少なくとも1種のその他のジカルボン酸0.5か
    ら49.5モル%から得られ、その際、モノマーA3)
    とA4)とのモル比の和が、実質的にモノマーA2)の
    モル比に相当する、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 モノマーA2)が少なくとも2種の異な
    るジアミンを含む、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 スルホナート基を有するジカルボン酸
    が、5−スルホイソフタル酸のナトリウム塩である、請
    求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 可塑性混合物の形成が、押出機内におけ
    る成分の混合および/または溶融により行われる、請求
    項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 薬剤有効成分を含む剤形の製造のための
    請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 植物処理剤の製造のための請求項1から
    5までのいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 飼料添加物および飼料添加剤の製造のた
    めの請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 食品添加剤の製造のための請求項1から
    5までのいずれか1項記載の方法。
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