JPH11268399A - 記録用シート - Google Patents

記録用シート

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JPH11268399A
JPH11268399A JP10094120A JP9412098A JPH11268399A JP H11268399 A JPH11268399 A JP H11268399A JP 10094120 A JP10094120 A JP 10094120A JP 9412098 A JP9412098 A JP 9412098A JP H11268399 A JPH11268399 A JP H11268399A
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JP
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ink
layer
water
recording sheet
resin
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Application number
JP10094120A
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Inventor
Nobuko Takahashi
伸子 高橋
Daigo Morizumi
大悟 森住
Toshio Yoshihara
俊夫 吉原
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクの乾燥速度が速く、かつ、シート滑り
性に優れ高温高湿下でもブロッキングを起こさない安価
な記録用シ−トを提供する。 【解決手段】 基材シ−トの少なくとも一方の面に水性
インク吸収層と無機微粒子層とをこの順に積層してイン
ク受容層を構成することにより記録用シートとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録用シ−トに係
り、特に水容性インクを使用するインクジェットプリン
タ−による印字後の乾燥性が優れる記録用シ−トに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュ−タ−やワ−ドプロセッ
サ−の出力プリンターとして、ワイア−ドット記録方
式、感熱発色記録方式、感熱溶融転写記録方式、感熱昇
華転写記録方式、電子写真記録方式、インクジェット記
録方式等の種々の方式が開発されている。この中で、イ
ンクジェット記録方式は、記録用シ−トとして普通紙を
使用できること、プリントコストが安いこと、装置がコ
ンパクトで騒音がなく高速記録が可能である等の特徴が
ある。このため、コンピュ−タ−等によって作成した文
字、図形等の画像情報を迅速かつ正確にアウトプットす
るプリンタ−としての利用が注目されている。また、カ
ラ−化が容易で、絵柄が鮮明であることから、コンピュ
−タ−で作成した画像情報をインクジェットプリンタ−
により透明な記録シ−トに記録し、これをOHP(オ−
バ−ヘッドプロジェクタ)等の原稿として、会議、各種
学会発表等において利用する要求も高まっている。
【0003】通常、インクジェットプリンタ−は、記録
用インクを微細な圧電素子(ピエゾ素子)の圧力、ある
いはサ−マルヘッドの加熱によって発生するエア−の圧
力(バブルジェット)によってノズルから噴出し、記録
用シ−トに付着させることにより記録を行う。このた
め、インクジェット記録に使用される記録用インクとし
ては、インクの乾燥による粘度上昇に起因するノズルか
らのインク噴出不良を防止するために、乾燥し難いイン
クが用いられている。通常、このインク成分は、染料、
樹脂、添加剤等を水およびアルコ−ルに溶解したものが
一般的である。
【0004】したがって、インックジェットプリンタ−
で記録を行う記録用シ−トは、付着したインクの水分を
吸収し、インクを乾燥固化させることが要求される。こ
のため、樹脂フィルム上にインク受容層を形成してイン
ク吸収性を高めた記録用シ−トが使用されている。
【0005】このようにインク受容層を備えた記録用シ
−トとしては、例えば、基材上にインク受容層としてア
ルミナ水和物の多孔質層を設けた記録用シ−ト(特開平
2−276670号、特開平2−276671号等)が
知られている。また、インク受容層に水溶性樹脂あるい
は吸水性樹脂を用いた記録用シ−ト等も提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ナ水和物の多孔質層に十分なインク吸収能をもたせるた
めには、かなりの膜厚(約25μm以上)が必要とな
り、インク受容層にクラック発生を生じたり、記録用シ
−トの製造コスト増大を来すという問題がある。
【0007】また、インク受容層に水溶性樹脂あるいは
吸水性樹脂を用いた記録用シ−トでは、印字されたイン
クを吸収するためのインク受容層の厚みは10μm程度
で十分であり、製造コストの低減は可能である。しか
し、アルミナ水和物の多孔質層に比べてインク受容層に
おける乾燥速度(インク吸収速度)が遅いという欠点が
あり、さらに、高温高湿下ではブロッキングを起こしや
すいという問題がある。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みて創案さ
れたものであり、インクの乾燥速度が速く、かつ、シー
ト滑り性に優れ高温高湿下でもブロッキングを起こさな
い安価な記録用シ−トを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の記録用シートは、基材シ−トと、該
基材シ−トの少なくとも一方の面に設けられたインク受
容層とを備え、前記インク受容層は基材シート側に位置
する水性インク吸収層と該水性インク吸収層上に設けら
れた無機微粒子層との積層構造であるような構成とし
た。
【0010】また、本発明の記録用シ−トは、前記水性
インク吸収層が水溶性樹脂を主体とするような構成、あ
るいは、前記水性インク吸収層が水不溶性の吸水性樹脂
を主体とするような構成とした。
【0011】また、本発明の記録用シートは、前記水性
インク吸収層が水溶性樹脂と水不溶性の吸水性樹脂との
混合物を主体とするような構成、前記混合物における水
溶性樹脂と水不溶性の吸水性樹脂との重量比が9/1〜
3/7の範囲内であるような構成とした。
【0012】また、本発明の記録用シートは、前記無機
微粒子層に含有される無機微粒子の平均粒径が10nm
〜1μmの範囲内にあるような構成とした。
【0013】また、本発明の記録用シ−トは、前記無機
微粒子がカルシウム化合物、炭酸カルシウム、カルサイ
ト系炭酸カルシウムの少なくとも1種からなるような構
成とした。
【0014】また、本発明の記録用シートは、前記無機
微粒子層の厚みが10nm〜5μmの範囲内であるよう
な構成とした。
【0015】さらに、本発明の記録用シートは、前記基
材シートの可視光領域の透過率が75〜100%の範囲
内であるような構成とした。
【0016】このような本発明では、インク受容層の無
機微粒子層が速いインク吸収速度とシート滑り性をイン
ク受容層に付与し、水性インク吸収層が高いインク吸収
能をインク受容層に付与する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0018】図1は本発明の記録用シ−トの一実施形態
を示す概略断面図である。図1において、記録用シ−ト
1は基材シ−ト2と、基材シ−ト2の一方の面に形成さ
れたインク受容層3とを備え、インク受容層3は基材シ
ート2側に位置する水性インク吸収層4と、この水性イ
ンク吸収層4上に設けられた無機微粒子層5との積層構
造を有している。
【0019】記録用シート1を構成する基材シート2
は、従来の記録用シートに使用されているものと同じ基
材シートを使用することができ、特に制限はない。ま
た、記録用シ−ト1がOHP(オ−バ−ヘッドプロジェ
クタ)用シ−トとして使用される場合には、基材シート
2として、透明性(可視光領域の透過率が75〜100
%の範囲内)、耐熱性、寸法安定性、剛性を備えた熱可
塑性プラスチックにより形成されたものが好ましい。具
体的には、ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、ポリカ−
ボ−ネ−ト樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルア
ルコ−ル樹脂、ポリエチレン樹脂、ジアセテ−ト樹脂、
トリアセテ−ト樹脂、ポリイミド樹脂等の厚さ5〜25
0μm程度、好ましくは50〜180μm程度のフィル
ム状あるいは板状のものが挙げられる。
【0020】これらの基材シ−ト2は、その表面に形成
するインク受容層3との密着力が不十分な場合には、そ
の表面にプライマ−処理やコロナ放電処理を施すことが
好ましい。
【0021】また、記録用シート1の用途が、例えば、
専用紙、光沢紙、ラベル紙等のようにOHP用に限定さ
れず、透明性を必要とされない場合は、基材シートとし
てポリスチレン系等の合成紙、上質紙、アート紙、コー
ト紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂含
浸紙、エマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸
紙、合成樹脂内添紙、板紙、白色プラスチックフィル
ム、発泡フィルム、積層フィルム、不織布等の着色また
は白色の各種紙、フィルム、布等を使用することもでき
る。さらに、これらの2種以上からなる複合基材シート
も使用することができる。
【0022】このような基材シート2の厚みは、記録用
シート1の用途に応じて強度等を考慮して適宜設定する
ことができ、特に制限はないが、例えば、5〜250μ
m程度の範囲内で設定することができる。
【0023】本発明の記録用シート1を構成するインク
受容層3は、基材シ−ト2上に順次形成された水性イン
ク吸収層4と無機微粒子層5の2層からなっている。
【0024】水性インク吸収層4は、高いインク吸収能
をインク受容層3に付与するためのものであり、水溶性
樹脂および/または水不溶性の吸水性樹脂を主体として
形成されたものである。ここで、主体とは、水性インク
吸収層4に占める割合が50重量%を超えることを意味
する。
【0025】水溶性樹脂としては、水もしくは水とアル
コールとの混合溶媒に可溶な従来公知の水溶性樹脂を用
いることができる。具体的には、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、
セルロース系樹脂(CMC、HEC、HPC等)、ポリ
アクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレ
ングリコール、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニ
ルメチルエーテル、ポリアミン、ポリエチレンイミン、
カゼイン、ゼラチン、でんぷん等の水溶性樹脂および/
またはこれらの共重合物、カチオン/アニオン変性物等
を挙げることができ、これらを1種で、あるいは、2種
以上の組み合わせで使用することができる。
【0026】上記の水溶性樹脂のなかでも、特にポリビ
ニルアルコールがインク吸収性、発色性、湿潤強度に優
れ、溶液粘度が適正である点で好ましい。
【0027】本発明において水性インク吸収層4に用い
る水不溶性の吸水性樹脂とは、吸水性を有するが水には
溶けない樹脂であり、例えば、上記の水溶性樹脂を架橋
させたもの(メラミン樹脂、エポキシ樹脂等)や、親水
性/疎水性モノマーの共重合体やグラフトさせた重合体
である。具体的には、水性のアルキッド樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル
共重合樹脂、NBR樹脂、SBR樹脂、ポリウレタン樹
脂、アクリル系樹脂、ポリアミド等を挙げることがで
き、これらを単独で、あるいは、2種以上の混合物、変
性物として使用することができる。上記の変性物として
は、例えば、水酸基やカルボン酸、4級アンモニウム塩
等を含有するモノマーや化合物を共重合もしくはグラフ
トさせて親水性を向上させたもの等を挙げることができ
る。中でも、水性ポリエステル樹脂が基材シートとの接
着性や皮膜強度が高く、インクジェットプリンタ−にお
ける搬送中に印字部にプリンターローラー跡の傷が生じ
ない、つまり湿潤強度が強いため好ましい。
【0028】また、水性インク吸収層4が上記の水溶性
樹脂と水不溶性の吸水性樹脂との混合物を主体とする場
合、混合物における水溶性樹脂と水不溶性の吸水性樹脂
との重量比は、9/1〜3/7、好ましくは8/2〜5
/5の範囲内である。水溶性樹脂の割合が上記の範囲よ
りも大きいと、耐水性に劣り、また、水溶性樹脂の割合
が上記の範囲よりも小さいと、インク吸収性が十分に発
現せず、はじきの原因となり好ましくない。
【0029】水性インク吸収層4は、上記の水溶性樹脂
および/または水不溶性の吸水性樹脂に、必要に応じて
各種界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、
親水性の高い各種変性オイル等を添加した塗工液を調製
し、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロール
コート、ワイヤーバーコート、ブレードコート、ナイフ
コート、エアーナイフコート、コンマコート、スロット
ダイコート、ディップコート等の公知の塗布手段を用い
て塗布、乾燥することにより形成することができる。
尚、所望の塗布厚を確保するために、同一組成の塗工液
を複数回重ねて塗布してもよい。
【0030】このような水性インク吸収層4の厚みは、
乾燥時で0.1〜50μm、好ましくは3〜30μmの
範囲で設定することができる。水性インク吸収層4の厚
みが0.1μm未満になると、インク吸収量が十分でな
く、一方、50μmを超えると、単に経済的デメリット
が増える(製造コストが高くなる)のみで好ましくな
い。
【0031】無機微粒子層5は、この無機微粒子層5を
通過して水性インク吸収層4に吸収されたインクの後戻
りを防止することを目的としており、速いインク吸収速
度をインク受容層3に付与し、記録用シート1の表面の
乾燥性を向上させるものである。また、シート滑り性を
インク受容層3に付与して、記録用シ−ト1のブロッキ
ング防止、染料定着性を向上させる効果も奏する。
【0032】無機微粒子層5に使用する無機微粒子とし
ては、シリカ、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジル
コニア、カルシア、酸化亜鉛等の金属酸化物やそれらの
水和物、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオ
ライト、硫酸バリウム等が挙げられ、特に、ブロッキン
グ防止、染料定着性の観点より、カルサイト系の炭酸カ
ルシウムを用いることが好ましい。このような無機微粒
子は、その平均粒径を10nm〜1μmの範囲内とする
ことにより、無機微粒子層5のインク通過性(インク吸
収速度)を高めることができる。また、記録用シート1
の透明性が要求される場合には、無機微粒子の粒径は3
00nm以下であることが好ましい。
【0033】無機微粒子層5は、上記のような無機微粒
子を含有する分散液を使用し、グラビアコート、グラビ
アリバースコート、ロールコート、ワイヤーバーコー
ト、ブレードコート、ナイフコート、エアーナイフコー
ト、コンマコート、スロットダイコート、ディップコー
ト等の公知の塗布手段を用いて塗布、乾燥することによ
り形成することができる。
【0034】このような無機微粒子層5の厚みは、乾燥
時で10nm〜5μm、好ましくは20nm〜1μmの
範囲で設定することができる。無機微粒子層5の厚みが
10nm未満になると、無機微粒子層5の効果が十分に
発現されず、インク受容層3のインク乾燥時間が長くな
り、ブロッキング発生等の問題が生じるので好ましくな
い。また、5μmを超えると、無機微粒子層5にクラッ
ク等が発生するので好ましくない。
【0035】本発明の記録用シート1では、インク受容
層3を形成しない基材シ−ト2の裏面にカ−ル防止層を
設けてもよい。カール防止層としては、表面のインク受
容層3と同様な水溶性樹脂やアクリル系樹脂、ポリエス
テル系樹脂等を用いることが可能であり、特に、アクリ
ル樹脂、および、変性アクリル樹脂、ポリエステル樹脂
の使用は、耐ブロッキング性、滑り性の付与といった点
からも有用である。このようなカール防止層の厚みは
0.1〜50μm程度が好ましい。尚、このようなカー
ル防止層は、上述のようなインク受容層の形成方法と同
様の方法により形成することができる。
【0036】また、本発明では、記録用シートの粉塵に
よる汚染を防止したり、プリンターでの搬送安定性を付
与するために、インク受容層3を形成しない基材シ−ト
2の裏面に帯電防止層を設けてもよい。帯電防止層に使
用する帯電防止剤としては、従来公知のカチオン系、ア
ニオン系、両性イオン系、ノニオン系のいずれの帯電防
止剤も挙げることができる。具体的には、4級アンモニ
ウム塩、ポリアミン誘導体等のカチオン系帯電防止剤、
アルキルホスフェート等のアニオン系帯電防止剤、脂肪
酸エステル等のノニオン系帯電防止剤等が挙げられる。
また、帯電防止層には、上記の帯電防止剤とともに、有
機あるいは無機のフィラー等の滑剤を含有してもよい。
【0037】このような帯電防止層は、帯電防止剤と滑
剤等の添加剤を溶剤に溶解または分散させた塗工液をグ
ラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート
等の公知の塗布手段を用いて塗布、乾燥することにより
形成することができ、帯電防止層の厚みは、乾燥時で1
nm〜0.1μm程度が好ましい。
【0038】本発明の記録用シートでは、基材シートと
インク受容層との接着性が弱い場合、基材シートとイン
ク受容層との間にプライマー層を設けて接着性を向上さ
せることができる。プライマー層に用いる樹脂として
は、例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、N
BR樹脂、SBR樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系
樹脂、ポリアミド等を挙げることができ、これらを単独
で、あるいは、2種以上の混合物、変性物として使用す
ることができる。上記の変性物とは、例えば、水酸基や
カルボン酸、4級アンモニウム塩等を含有するモノマー
を共重合もしくはグラフトさせて接着性、親水性を上げ
たものなどである。また、プライマー層の接着性や塗膜
強度を向上させるために、上記の樹脂を各種硬化剤、例
えば、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート等
により架橋させてもよい。
【0039】プライマー層の形成は、上述の水性インク
吸収層4の形成と同様にして行うことができる。プライ
マー層の厚みは、乾燥時で0.01〜50μm、好まし
くは0.1〜10μmとすることができる。プライマー
層の厚みが0.01μm未満であると、基材シートとイ
ンク受容層との接着性向上が得られず、50μmを超え
ると、記録用シートの裁断時に端面がべたついて加工に
支障を来し好ましくない。
【0040】
【実施例】次に、本発明の実施例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。
【0041】基材シートとして、厚さ100μmの透明
なポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製
ルミラーQ80D)を準備した。この基材シートの一方
の面に、下記組成の水性インク吸収層用塗工液をバーコ
ート法により乾燥時塗布量が10g/m2 となるように
塗布し、110℃で5分間乾燥させて水性インク吸収層
を形成した。
【0042】 水性インク吸収層用塗工液の組成 ・水溶性ポリエステル樹脂 … 50重量部 (日本合成化学(株)製ポリエスターWR−905) ・ポリビニルアルコール … 10重量部 (クラレ(株)製PVA217) ・ポリビニルピロリドン … 40重量部 (BAFS社製PVP K−90) 次に、上記の水性インク吸収層上に、下記組成の炭酸カ
ルシウム微粒子分散液をバーコート法により乾燥時塗布
量が0.5g/m2 となるように塗布し、110℃で5
分間乾燥させて無機微粒子層(厚み0.5μm)を形成
した。これにより、本発明の記録用シート(試料1)を
得た。
【0043】 炭酸カルシウム微粒子分散液の組成 ・炭酸カルシウム(平均粒径0.03μm) … 3.2重量部 (丸尾カルシウム(株)製CUBE30) ・純水 …71.3重量部 ・酢酸 …12.5重量部 ・イソプロピルアルコール …12.5重量部 また、炭酸カルシウム微粒子として、平均粒径0.3μ
mの炭酸カルシウムを含有する他は、上記と同じ組成の
炭酸カルシウム微粒子分散液を使用した他は、上記の試
料1と同様にして記録用シート(試料2)を作製した。
【0044】また、炭酸カルシウム微粒子として、平均
粒径0.1μmの炭酸カルシウムを含有する他は、上記
と同じ組成の炭酸カルシウム微粒子分散液を使用した他
は、上記の試料1と同様にして記録用シート(試料3)
を作製した。
【0045】さらに、乾燥時塗布量が20mg/m2
なるように塗布を行って無機微粒子層(厚み0.02μ
m)を形成した他は、上記の試料1と同様にして記録用
シート(試料4)を作製した。
【0046】また、乾燥時塗布量が5g/m2 となるよ
うに塗布を行って無機微粒子層(厚み5μm)を形成し
た他は、上記の試料1と同様にして記録用シート(試料
5)を作製した。
【0047】一方、比較として、無機微粒子層を形成し
ない他は、上記の試料1と同様にして記録用シート(比
較試料)を作製した。
【0048】上記のようにして作製した記録用シート
(試料1および比較試料)について、インクジェットプ
リンター(キャノン(株)製BJC−400J)を用い
て印字を行い、乾燥時間を下記の条件で測定した。その
結果、本発明の記録用シート(試料1〜試料5)では、
いずれも乾燥時間は30秒以下であるが、無機微粒子層
を備えていない記録用シート(比較試料)では、乾燥時
間は約1分であり、本発明の記録用シートは印字適性に
優れることが確認された。
【0049】(乾燥時間の測定条件)テストパターンを
印字した後、記録用シートの印字面に紙をあててインク
の移行の有無を観察し、印字後、紙をあててもインク移
行が発生しなくなるまでの時間を乾燥時間とした。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば基
材シ−トの少なくとも一方の面に水性インク吸収層と無
機微粒子層とをこの順に積層してインク受容層を形成し
記録用シートとするので、無機微粒子層により速いイン
ク吸収速度とシート滑り性がインク受容層に付与され、
水性インク吸収層により高いインク吸収能がインク受容
層に付与され、これにより、インク受容層に付着したイ
ンクは速やかに無機微粒子層に吸収され、その後、水性
インク吸収層に確実に吸収保持されるので、記録用シー
トにおけるインクの乾燥速度は速く、かつ、高温高湿下
でも記録用シートのブロッキングが起こりにくく、さら
に、インク受容層の厚みを比較的薄く設定できるので、
透明性に優れた記録用シートが可能であり、また、製造
コストの低減も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録用シートの一実施形態を示す概略
断面図である。
【符号の説明】
1…記録用シート 2…基材シート 3…インク受容層 4…水性インク吸収層 5…無機微粒子層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シ−トと、該基材シ−トの少なくと
    も一方の面に設けられたインク受容層とを備え、前記イ
    ンク受容層は基材シート側に位置する水性インク吸収層
    と該水性インク吸収層上に設けられた無機微粒子層との
    積層構造であることを特徴とする記録用シ−ト。
  2. 【請求項2】 前記水性インク吸収層は、水溶性樹脂を
    主体とすることを特徴とする請求項1に記載の記録用シ
    −ト。
  3. 【請求項3】 前記水性インク吸収層は、水不溶性の吸
    水性樹脂を主体とすることを特徴とする請求項1に記載
    の記録用シ−ト。
  4. 【請求項4】 前記水性インク吸収層は、水溶性樹脂と
    水不溶性の吸水性樹脂との混合物を主体とすることを特
    徴とする請求項1に記載の記録用シ−ト。
  5. 【請求項5】 前記混合物における水溶性樹脂と水不溶
    性の吸水性樹脂との重量比は、9/1〜3/7の範囲内
    であることを特徴とする請求項4に記載の記録用シ−
    ト。
  6. 【請求項6】 前記無機微粒子層に含有される無機微粒
    子の平均粒径が10nm〜1μmの範囲内にあることを
    特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の記
    録用シ−ト。
  7. 【請求項7】 前記無機微粒子は、カルシウム化合物、
    炭酸カルシウム、カルサイト系炭酸カルシウムの少なく
    とも1種からなることを特徴とする請求項1乃至請求項
    6のいずれかに記載の記録用シ−ト。
  8. 【請求項8】 前記無機微粒子層は厚みが10nm〜5
    μmの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求
    項7のいずれかに記載の記録用シ−ト。
  9. 【請求項9】 前記基材シートは、可視光領域の透過率
    が75〜100%の範囲内であることを特徴とする請求
    項1乃至請求項8のいずれかに記載の記録用シ−ト。
JP10094120A 1998-03-23 1998-03-23 記録用シート Pending JPH11268399A (ja)

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JP10094120A Pending JPH11268399A (ja) 1998-03-23 1998-03-23 記録用シート

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JP (1) JPH11268399A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100963592B1 (ko) * 2007-07-19 2010-06-16 주식회사 케이씨에스 에코솔벤트 잉크용 필름

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KR100963592B1 (ko) * 2007-07-19 2010-06-16 주식회사 케이씨에스 에코솔벤트 잉크용 필름

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