JPH11268061A - ディスクブレーキパッドの製造方法 - Google Patents

ディスクブレーキパッドの製造方法

Info

Publication number
JPH11268061A
JPH11268061A JP7634498A JP7634498A JPH11268061A JP H11268061 A JPH11268061 A JP H11268061A JP 7634498 A JP7634498 A JP 7634498A JP 7634498 A JP7634498 A JP 7634498A JP H11268061 A JPH11268061 A JP H11268061A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
friction material
brake pad
preforming
thermoforming
back plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7634498A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiji Hayashi
圭二 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP7634498A priority Critical patent/JPH11268061A/ja
Publication of JPH11268061A publication Critical patent/JPH11268061A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】摩擦材料に配合された繊維を所望の向きに配向
させ、ブレーキパッドの層間強度を上げることで、制動
時にクラックが生じにくいブレーキパッドを得る。 【解決手段】予備成形金型3は、側枠11、11と側押
枠12、12から構成されており、側押枠12、12を
横方向にスライドさせることで摩擦材料20を裏板7と
の接着面23と平行な方向に圧縮させて予備成形させる
ものである。一般に、摩擦材料20に配合される繊維2
1は、成形中に圧縮された方向と直交する方向に向きを
変えようとする。従って、摩擦材料20を、予備成形の
際に、裏板7と接着される接着面23と略平行な方向に
圧縮させることで、繊維21を接着面23と直交する方
向へ配向させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車を初めとす
る各種車両の制動に用いられるディスクブレーキパッド
の製造方法に関し、特に繊維入りの摩擦材料で構成され
るディスクブレ−キパッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に用いられるディスクブレーキは、
ブレーキパッドのランニング面を、油圧により、車輪に
連動するロータに押しつけて、ランニング面とロータと
の摩擦作用により車輪を制動するものである。ブレーキ
パッドは車体に固定のサポートに支持されてロータの回
転軸方向に移動する。一般に、ブレーキパッドに用いら
れる摩擦材料は、繊維にあたる基材、バインダー及び摩
擦調整剤等を配合して得られる。この摩擦材料は一般に
予備成形及び熱成形という工程を経て、ブレーキパッド
の裏板と一体成形される。即ち、予備成形は主成形の前
に補助的に行われる工程であり、摩擦材料はこの工程で
圧縮されて薄板状に形成される。また、熱成形は主成形
が行われる工程であり、予備成形された薄板状の摩擦材
料が、裏板に対向する向きに圧縮されて最終的な成形が
行われると共に、裏板と一体化するものである。特開平
2−129420には、摩擦材料を予備成形と熱成形を
行うことでブレーキパッドを形成するディスクブレーキ
パッドの製造方法が開示されており、上記公報には、摩
擦材料の強度を上げるために、繊維を摩擦材料に配合す
ることが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような繊維が配
合された摩擦材料に上記のような予備成形及び熱成形か
ら成る製造方法を施すと、以下の点で問題が生じる。即
ち、予備成形において、繊維が配合された摩擦材料が、
裏板との接着面と略直交する方向にのみ圧縮されること
になり、見かけ上、繊維が接着面と平行に配向してしま
う。つまり、摩擦材料含有の繊維がランニング面と平行
に層状に重なった構造となり、摩擦材料のランニング面
と平行な方向の剪断強度が得られない。そのため、制動
時に、ランニング面がロータに引っ張られる際に、摩擦
材料同士の横擦れが起こりやすく、摩擦材料にクラック
が生じやすいという問題がある。そこで、本発明は、上
記課題を解決するために、摩擦材料に配合された繊維が
所望の向きに配向するようなディスクブレーキパッドの
製造方法を提案することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、第1の発明では、ブレーキパッドのライニング材
料である繊維入り摩擦材料を、裏板と接着される接着面
と略平行な方向に圧縮させる第1の工程と、前記摩擦材
料を前記接着面と略直交する方向から圧縮させる第2の
工程とを有するディスクブレーキパッドの製造方法によ
りブレーキパッドを製造する。
【0005】一般に、摩擦材料に配合される繊維は、成
形中に圧縮された方向と直交する方向に向きを変えよう
とする。従って、第1の発明では、第1の工程で、摩擦
材料を裏板との接着面と略平行な方向に圧縮させること
により、ランダムな方向に向いていた繊維が、裏板との
接着面と略直交する方向へ配向する。そして、第2の工
程では、裏板との接地面と略直交する方向から圧縮させ
ることで、裏板と一体化してブレーキパッドが製造され
ている。その結果、ブレーキパッドの裏板からランニン
グ面に配向した繊維の比率は、従来の製造方法による摩
擦材料よりも高くなる。従って、摩擦材料のランニング
面と平行な方向の剪断強度の高いブレーキパッドを得る
ことができる。
【0006】更に、第2の発明では、ブレーキパッドの
リーディング側あるいはトレーディング側少なくとも一
方の周縁部の繊維の密度を中央部より大きくする工程を
前記第1の工程の前に設け、裏板と接着される接着面と
略平行な方向に圧縮させる第1の工程と、前記摩擦材料
を、前記接着面と略直交する方向から圧縮させて裏板と
接着させる第2の工程を経て、ディスクブレーキパッド
を製造する。
【0007】このような製造方法により得たブレーキパ
ッドは、トレーリング側及びリーディング側の周縁部の
強度が中央部に比べて高くなり、周縁部のクラックを特
に防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
【0009】以下の実施の形態において本発明を更に詳
細に説明する。尚、本発明は下記実施の形態に限定され
るものではない。
【0010】まず、第1の実施の形態について図1乃至
図5を用いて説明する。図1は予備成形金型及び熱成形
金型一体型のプレス機1の斜視透視図を示し、図2乃至
図5は図1に示すプレス機1のA−A’断面図で、プレ
ス機1による予備成形及び熱成形を説明するための図で
ある。このプレス機1は、図1に示すように、熱成形を
行う熱成形金型2と、この熱成形金型2の上に配置さ
れ、予備成形を行う予備成形金型3から構成されてい
る。熱成形金型2は、プレス機1の土台である受台4
と、側枠5から形成されている。受台4は中央部にブレ
ーキパッドの裏板7と同形状の孔6を有し、その孔6に
ブレーキパッドの裏板7が予め嵌め込まれている。そし
て、受台4及び裏板7の上に中空角柱の側枠5が配置さ
れ、これらによって、ブレーキパッドの摩擦材料と同じ
断面形状をした熱成形金型2の空間8が形成される。そ
して、その熱成形金型2の空間8の上部に、この空間8
を開閉可能にする平板9が配置され、熱成形金型2の上
に予備成形金型3が配置されている。予備成形金型3
は、板形状の2枚の側枠11、11及び、2枚の側押枠
12、12から成っている。2枚の側枠11、11は所
定の間隔で、それぞれの面が対向するように配置され、
その2枚の側枠11、11の間に、2枚の側押枠12、
12がそれぞれの面が対向し、且つ、側枠11、11と
直角となるように配置されている。これらの側枠11、
11及び側押枠12、12により予備成形金型3の空間
13が形成されている。また、それぞれの側押枠12、
12は、2枚の側枠11、11の間で、左右にスライド
するように構成されている。予備成形金型3の上方に
は、熱成形金型2の空間8と同じ断面形状の押型14が
配置されている。この押型14は熱成形の際に、裏板7
と接着される接着面23と直交する方向(図面上下方
向)から摩擦材料20を圧縮するのに用いられる。
【0011】次に、上記予備成形金型3及び熱成形金型
2から成るプレス機1を用いて、ディスクブレーキパッ
ドを製造する工程について説明する。図2はプレス機1
の予備成形金型3の空間13内に摩擦材料20を充填
し,予備成形を行う前の工程、図3は摩擦材料の予備成
形を行う工程、図4は摩擦材料を予備成形金型3から熱
成形金型2に移動させ、熱成形を行う前の工程、図5は
摩擦材料の熱成形を行う工程をそれぞれ示している。
【0012】まず、図2に示す予備成形を行う前の工程
として、予備成形金型3の空間13内に、ブレーキパッ
ドに使用される粉体配合材の摩擦材料(ランニング材
料)20が充填される。本実施の形態のブレーキパッド
に使用される摩擦材料20は、銅繊維やアラミド繊維を
基材としている。これに結合剤であるフェノール樹脂
や、摩擦調整剤である黒鉛及び硫酸バリウムが表1の割
合で配合される。尚、この状態では、摩擦材料に配合さ
れる繊維はランダムな方向に向いている。比較のため
に、従来の製造方法により作製されたブレ−キパッド
(以下、「従来品」と記載する。)についても記載する
が、従来のブレ−キパッドも割合は異なるが同じ材料が
配合されている。
【0013】
【表1】
【0014】プレスの第1の工程として、予備成形を行
う工程が図3に示すように行われる。すなわち、摩擦材
料20が予備成形金型3の空間13内に充填された状態
で、側押枠12、12を横にスライドさせて、予備成形
金型3内の摩擦材料20に、裏板7との接着面23と平
行な方向(図中矢印方向)から圧力が加えられる。ここ
で、予備成形は、主成形の前に補助的に行われる工程
で、予備成形金型3に充填された摩擦材料20を熱成形
金型2の空間8断面形状に成形するものであるため、摩
擦材料20は、側押枠12、12が横方向にスライドし
た分だけ主に横方向(図中矢印方向)へ圧縮され、繊維
21は縦方向(図中上下方向)に向きを変える。すなわ
ち、摩擦材料20に含有するランダムな方向に向いてい
た繊維21が、摩擦材料20の裏板7との接着面23と
略直交する方向に配向することとなる。これで予備成形
工程が完了する。
【0015】予備成形が完了すると、予備成形金型3と
熱成形金型2に介在する平板9を手前に引き抜くことに
より、予備成形金型3の空間13と熱成形金型2の空間
8が連通する。それと同時に、図4に示すように、予備
成形金型3の空間13の上方から押型14を押し込み、
摩擦材料20の上から力を加えることで、摩擦材料20
を熱成形金型2に移動させる。
【0016】プレスの第2の工程として熱成形を行う工
程が、図5に示すように行われる。すなわち、予備成形
された摩擦材料20が熱成形金型2の空間8内にある状
態で、熱成形金型2の空間8から押型14を押し込み、
押型14で摩擦材料20を接着面23と直交する方向
(図面上下方向)から圧力を加えることで、裏板7と摩
擦材料20が一体成形されたブレーキパッドを得る。こ
こで、熱成形は主成形が行われる工程で、加熱された熱
成形金型2で摩擦材料20をプレスする工程で、予備成
形された薄板状の摩擦材料20を、加熱圧縮して硬化さ
せる最終的な成形を行うためのものである。従って、熱
成形では、摩擦材料20を、予備成形の際に横方向から
圧縮させた程、裏板7との接着面23からランニング面
22の方向(図中上下方向)に圧縮する必要がない。そ
のため、予備成形で接着面23からランニング面22の
方向に配向していた繊維21が、ランニング面22と平
行な層状に重なった構造とならない。そのため、従来品
に比べて、ブレーキパッドの接着面23からランニング
面22の方向へ配向する繊維21の比率が多くなる。
尚、本実施の形態における予備成形が特許請求の範囲に
おける「第1の工程」に相当し、熱成形が特許請求の範
囲における「第2の工程」に相当する。
【0017】ここで、図6を用いて、ブレーキパッド内
の繊維21の配向について説明する。本発明の方法によ
り製造されたブレーキパッドは、図6(a)に示すよう
に、ランニング面22と略直交に配向している繊維21
の割合が多くなっている。これに対し、従来品(図6
(b))は、予備成形の際に、ランニング面22から接
着面23の方向に圧縮されるため、ほとんどの繊維21
がブレーキパッドのランニング面22と平行な方向に配
向している。両者を比較すると分かるように、本実施の
形態により製造されたブレーキパッドは、ランニング面
22と略直交に配向している繊維21の割合が多くなっ
ているため、ブレーキパッドのランニング面と平行な方
向の剪断強度が高くなる。従って、図7に示すように、
制動時、ブレーキパッドがロ─タ25に押しつけられた
際に、摩擦材料20にロータ回転方向の剪断力が作用し
ても、ブレーキパッドの繊維21から摩擦材料20が剥
がされにくく、摩擦材料20のクラック発生を防止する
ことができる。
【0018】また、本発明のプレス機1を用いれば、予
備成形及び熱成形のプレス工程が一体のプレス機1で行
えるため、予備成形金型3から熱成形金型2への運搬の
際に生じる破損等が防止されるだけでなく、工場内の作
業スペースも最小限に抑えることができる。
【0019】次に、本実施の形態により得られたブレー
キパッドと従来品との特性を比較するために測定した測
定結果について、表2、表3を参照しながら説明する。
ブレーキパッドの摩擦材料の測定項目は、ランニング面
と平行な方向の剪断強度、気孔率、フェード時の摩擦係
数μ及び一晩放置後のμ上昇巾である。尚、層間強度
は、図8に示すように、摩擦材料20を単位体積あたり
の立体26に切断し、その立体26の上面及び下面にそ
れぞれ薄板状の平板27、27を取り付け、その平板2
7、27にそれぞれ対向する向き(図中矢印の向き)に
力を加え、その立体26が剪断した時の剪断力から測定
されている。
【0020】
【表2】
【0021】表2は、本実施の形態における製造方法に
より製造された摩擦材料(以下、「摩擦材料A」と記載
する。)と従来品の気孔率及びランニング面と平行な方
向の剪断強度を示している。尚、表2には、第2の発明
の製造方法により製造された摩擦材料(以下、「摩擦材
料B」と記載する。)の中央部と周縁部のランニング面
と平行な方向の剪断強度も示してあり、その詳細は、第
2の実施の形態で説明する。
【0022】
【表3】
【0023】表3は、従来品と摩擦材料Aの第1フェ−
ド最小摩擦係数μ及び一晩放置後の摩擦係数μ上昇巾を
示している。
【0024】表2からも分かるように、表1でランニン
グ材料の接着材にあたるフェノール樹脂の含有量を全体
の20%から12%に減少させているため、気孔率が1
2%から18%に増加しているにもかかわらず、ランニ
ング面と平行な方向の剪断強度は2.2MPaから4.
1MPaに大幅に高くなっている。一般に気孔率が増加
すると、ランニング面と平行な方向の剪断強度が低くな
るといわれているが、本実施の形態によって形成された
ブレーキパッドは従来品に比べて、ブレーキパッドの接
着面23からランニング面22に配向した繊維21の比
率が高いため、気孔率が高くなってもランニング面と平
行な方向の剪断強度は略2倍の値を得ることができる。
つまり、制動時に、摩擦材料20にロータ回転方向の剪
断力が作用しても、ブレーキパッドの摩擦材料20が繊
維21から剥がれにくく、クラックの発生を防止するこ
とができる。
【0025】ここで、先にも述べたように、摩擦材料2
0の気孔率を小さくすれば、摩擦材料20のランニング
面と平行な方向の剪断強度を得ることができる。しか
し、気孔率の小さい摩擦材料20を用いたブレーキパッ
ドで繰り返しの制動を行うと、フェード現象が起こりや
すい。これは、繰り返しの制動によって摩擦材料20が
高温になると、ブレーキパッドの摩擦材料20に含有し
ている樹脂が分解し、高い圧力のガスがロータとの当接
面に噴出し、制動時のランニング面22とロータ25と
の接触面が引き離されるためである。そのため、ランニ
ング面と平行な方向の剪断強度と高気孔率を併せ持つブ
レーキパッドが要求されている。しかし、上記ランニン
グ面と平行な方向の剪断強度を確保するため、摩擦材料
20の気孔率を低く抑える必要があり、材料設計上、気
孔率は概ね15%を上限とする制約を受けていた。
【0026】これに対し、本発明の製造方法により製造
された摩擦材料20は、ランニング面と平行な方向の剪
断強度が高くなっているため、その分摩擦材料20の結
合材を減らし、高気孔率とすることでフェード性能も改
善することができる。つまり、摩擦制動時においては、
ブレーキパッドの摩擦材料20が高温になり、摩擦材料
20内の樹脂が分解しガスが発生したとしても、従来品
に比べて、気孔率が高くなっているため、分解ガスがラ
ンニング面22の気孔を介して逃げることになる。その
ため、分解ガスによりランニング面22とロータ25と
の当接面が引き離されることがなくなる。その結果、表
3に示すとおり、フェード時の最小摩擦係数も従来品が
0.110に比べて、摩擦材料Aは0.180と高く維
持することができる。
【0027】また、本発明のブレーキパッドではランニ
ング面22の気孔率が高いため、ランニング面に凝着し
た水分をその気孔を介して逃がすことができる。そのた
め、ランニング面22に凝着した微量の水分により摩擦
係数が上がることにより、雨上がり後や長時間放置後の
最初の制動時にブレーキが異常に効く現象も防止するこ
とができる。本実施の形態により製造されたブレーキパ
ッドは、高気孔率であるため、表2に示すとおり、一晩
放置後におけるランニング面22の摩擦係数μの上昇巾
も従来品が0.125に比べて、摩擦材料Aは0.03
2と小さく抑えることができる。
【0028】尚、上記第1の実施の形態では、予備成形
金型3の両側の側押枠12、12により、ブレーキパッ
ドのトレーディング側あるいはリーディング側の両端側
から摩擦材料20に圧縮をしているが、この予備成形金
型の構成だけに限られない。すなわち、ブレーキパッド
のトレーディング側あるいはリーディング側のどちらか
一端側から圧縮したり、また予備成形金型の側枠11、
11側から摩擦材料20を圧縮することによっても、上
記と同様な効果を得ることができる。
【0029】また、予備成形金型3と熱成形金型2を一
体としたプレス機1を用いず、それぞれの型成形を別々
のプレス機で行ったとしても、上記と同様な効果を得る
ことができる。
【0030】次に、第2の実施の形態について図9乃至
図11を用いて説明する。 尚、第2の実施の形態にお
いて、第1の実施の形態と同様の構成には、同一の符号
を付し、重複する説明は省略する。第2の実施の形態で
は、図9のように、摩擦材料20が充填された予備成形
金型3の空間13内に、ブレーキパッドのリーディング
側及びトレーニング側の周縁に仕切り板30を設ける。
その仕切り板30は、予備成形金型3に充填された摩擦
材料20を、トレーリング側とリーディング側の中央部
31と、リーディング側及びトレーニング側の周縁部3
2とに隔離するように配置され、予備成形金型3の空間
13内から上方へ移動可能となっている。そして、図1
0に示すように、予備成形金型3の側押枠12と仕切り
板30との間の摩擦材料20を、第1の実施の形態にお
ける第1の工程に先行して摩擦材料20に横方向から圧
縮する。尚、この工程が特許請求の範囲の「ブレーキパ
ッドのリーディング側あるいはトレーディング側少なく
とも一方の周縁部の繊維の密度を中央部より大きくする
工程」に相当する。この工程により、ブレーキパッドの
周縁部32のみ横方向の圧縮力が加えられるため、その
部分の繊維密度が大きくなるだけでなく、繊維21がブ
レーキパッドの裏面23からランニング面22の方向
(図中上下方向)に配向することになる。次に、図11
のように、仕切り板30を上方へ移動させてから、第1
の工程である予備成形で横方向から圧縮することによ
り、ブレーキパッドの中央部31と共に周縁部32も更
に圧縮され、中央部31に比べて周縁部32の繊維密度
が高い摩擦材料20を得ることができる。尚、この場合
も、ほとんどの繊維21はブレーキパッドの裏板7との
接着面23からランニング面22の方向(図中上下方
向)へ配向することとなる。
【0031】そして、第1の実施の形態と同様に、予備
成形された摩擦材料20を熱成形金型2へ移動させ熱成
形させることで、裏金7と摩擦材料20が一体成形され
たブレーキパッドを得る。
【0032】このブレーキパッドは、表2からも分かる
ように、第2の実施の形態における摩擦材料20(摩擦
材料B)のランニング面と平行な方向の剪断強度は中央
部31に比べて、周縁部32が大幅に大きくなってい
る。つまり、第2の実施の形態における方法により製造
されたブレーキパッドは、周縁部32の強度が高いた
め、制動時におこりやすい周縁部32のクラックの発生
を特に防止することができる。
【0033】
【発明の効果】第1の発明によるディスクブレーキパッ
ドは、繊維の配向による摩擦材料のランニング面と略直
交する方向へ配向している繊維21の割合が多くなり、
ブレーキパッドのランニング面と平行な方向の剪断強度
が高くなる。従って、ブレーキパッドの摩擦材料のクラ
ックの発生を防止することができる。また、第2の発明
に係わるディスクブレーキパッドは、第3の工程で、ブ
レーキパッドのリーディング側及びトレーリング側の周
縁部の繊維の密度を中央部より大きくすることにより、
中央部に比べて周縁部が強化されるので、周縁部のクラ
ックの発生を特に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明製造方法に用いられる予備成形金型と熱
成形金型一体型のプレス機の斜視透視図である。
【図2】予備成形金型に摩擦材料を充填し,予備成形を
行う前の工程の断面図である。
【図3】予備成形を行う工程の断面図である。
【図4】摩擦材料を予備成形金型から熱成形金型へ移動
させ、熱成形を行う前の工程である。
【図5】熱成形を行う工程の断面図である。
【図6】(a)本発明製造方法によって得たブレーキパ
ッドの繊維配向を示す図である。 (b)従来製造方法によって得たブレーキパッドの繊維
配向を示す図である。
【図7】制動時における摩擦材料の状態を示す図であ
る。
【図8】ブレーキパッドのランニング面と平行な方向の
剪断強度を測定する方法の説明図である。
【図9】第2の実施の形態で用いられるプレス機の断面
図である。
【図10】第2の実施の形態における予備成形前の工程
の断面図である。
【図11】第2の実施の形態における予備成形工程の断
面図である。
【符号の説明】
1 プレス機 2 熱成形金型 3 予備成形金型 5 熱成形金型の側枠 7 裏板 11 予備成形金型の側枠 12 予備成形金型の側押枠 13 予備成形金型の空間 14 押型 20 摩擦材料 21 繊維 22 ランニング面 23 裏面(裏板との接着面) 31 摩擦材料の中央部 32 摩擦材料の周縁部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16D 69/02 F16D 69/02 C // B29K 61:04 B29L 31:16 C08L 61:04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレーキパッドのライニング材料である繊
    維入り摩擦材料を裏板と接着される接着面と略平行な方
    向に圧縮させる第1の工程と、前記摩擦材料を前記接着
    面と略直交する方向から圧縮させる第2の工程と、を有
    するディスクブレーキパッドの製造方法。
  2. 【請求項2】ブレーキパッドのリーディング側あるいは
    トレーディング側少なくとも一方の周縁部の繊維の密度
    を中央部より大きくする工程を前記第1の工程の前に更
    に有する請求項1記載のディスクブレーキパッドの製造
    方法。
JP7634498A 1998-03-24 1998-03-24 ディスクブレーキパッドの製造方法 Pending JPH11268061A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7634498A JPH11268061A (ja) 1998-03-24 1998-03-24 ディスクブレーキパッドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7634498A JPH11268061A (ja) 1998-03-24 1998-03-24 ディスクブレーキパッドの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11268061A true JPH11268061A (ja) 1999-10-05

Family

ID=13602752

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7634498A Pending JPH11268061A (ja) 1998-03-24 1998-03-24 ディスクブレーキパッドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11268061A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005060033A1 (ja) * 2003-12-15 2005-06-30 Nissan Motor Co., Ltd. 燃料電池用セパレータ、その成形方法および製造方法、およびその製造装置
JP2007015125A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Nisshinbo Ind Inc 摩擦材の熱成形方法及び熱成形用金型

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005060033A1 (ja) * 2003-12-15 2005-06-30 Nissan Motor Co., Ltd. 燃料電池用セパレータ、その成形方法および製造方法、およびその製造装置
JP2007015125A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Nisshinbo Ind Inc 摩擦材の熱成形方法及び熱成形用金型
JP4685526B2 (ja) * 2005-07-05 2011-05-18 日清紡ホールディングス株式会社 摩擦材の熱成形方法及び熱成形用金型

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3778373B2 (ja) 改良された摩擦材料
EP2745027B1 (en) Friction material for brakes
JP4766925B2 (ja) 摩擦材の製造方法
JPS63254240A (ja) 摩擦材料及びその製造方法
CN101549566A (zh) 摩擦片衬
US6260674B1 (en) Friction material
JPH11268061A (ja) ディスクブレーキパッドの製造方法
KR101777418B1 (ko) 디스크 브레이크 패드의 제조 방법
JPH0989016A (ja) ディスクブレーキパッド
JP5393435B2 (ja) ディスクブレーキパッド
JP5398563B2 (ja) ブレーキパッドおよびその製造方法
JPH11322960A (ja) 摩擦材
JP4338874B2 (ja) 車両用ディスクブレーキの摩擦パッド
JPH10202678A (ja) 摩擦材の製造方法
JP2004324763A (ja) ディスクブレーキ用摩擦材の製造方法
JP3208287B2 (ja) ディスクブレーキ用ブレーキパッド及びその製造方法
JPH11303913A (ja) 摩擦部材用金型、摩擦材仮成形品用金型、摩擦部材の製造方法及び摩擦材仮成形品の製造方法
JP3546373B2 (ja) ディスクブレーキ用摩擦パッド
JPH06159407A (ja) ディスクブレーキパッドの成形法
JP2000073048A (ja) 摩擦材及びその製造法
JPH0221459B2 (ja)
JP3792839B2 (ja) 造粒物及び摩擦材の製造方法
JPH10122284A (ja) ブレーキパッド成形用金型
JPS5891935A (ja) ブレ−キ用成形物の製造法
JP2002295557A (ja) ブレーキ摩擦材の製造方法および製造装置