JPH11267688A - 酸化態窒素の除去装置及び除去方法 - Google Patents

酸化態窒素の除去装置及び除去方法

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JPH11267688A
JPH11267688A JP7751598A JP7751598A JPH11267688A JP H11267688 A JPH11267688 A JP H11267688A JP 7751598 A JP7751598 A JP 7751598A JP 7751598 A JP7751598 A JP 7751598A JP H11267688 A JPH11267688 A JP H11267688A
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water
cathode
treated
hydrogen
denitrifying bacteria
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JP7751598A
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Ryoichi Haga
良一 芳賀
Masaru Nanba
勝 難波
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/46Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods
    • C02F1/461Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis
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    • C02F1/4676Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis by electrochemical disinfection; by electrooxydation or by electroreduction by electroreduction
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C02F2101/16Nitrogen compounds, e.g. ammonia
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F3/00Biological treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F3/005Combined electrochemical biological processes

Abstract

(57)【要約】 【課題】水中に溶解した硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素の
除去装置及び除去方法を提供する。 【解決手段】水が通過できる陰極板11によって陰極反
応室15aと脱窒室15bに区画された陰極室15と陽
極10を収容する陽極室14とに水素イオン透過膜12
により区画された電解脱窒槽6を用い、水素酸化脱窒菌
の存在する領域のpHを7〜8.5に制御する。pHを
制御する手段として、陰極反応室15aへの被処理水の
供給速度及び/又は被処理水のpHを調節する手段を具
備する。 【効果】反応速度を高め、効率的に酸化態窒素を除去す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中に溶解した硝
酸態窒素や亜硝酸態窒素の如き酸化態窒素を水素酸化脱
窒菌を用いて還元、除去するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生活用水として使用される被処理水の硝
酸態窒素や亜硝酸態窒素等の酸化態窒素による汚染が深
刻化しつつあり、これらの浄化手段の開発が急務であ
る。硝酸態窒素や亜硝酸態窒素を除去する方法として、
独立栄養細菌の1つである水素酸化細菌を利用する生物
的脱窒法があり、特公平6−104230号公報,特開平8−390
95号公報,特開平8−224598号公報及び特開平9−75996
号公報等に記載されている。特公平6−104230 号公報に
は、水の電気分解用陰極の表面に水素酸化脱窒菌を固定
することが示されている。特開平8−224598 号公報に
は、金属製陽極で発生する酸素を陰極板と陽極板の間に
電子を透過する隔膜を設けて隔離することが示されてい
る。特開平9−75996号公報には、隔膜により陰極と陽極
とを隔離した上で陽極液を陰極室に供給することが示さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】水の電気分解において
金属製陽極で発生する酸素による脱窒反応の阻害を防止
するために陽極と陰極の間をイオン交換膜等の隔膜で隔
離する方法では、陰極室内のpHが生物処理に適さなく
なる問題を生じる。このため、中和のために酸やアルカ
リ等の薬剤添加が必要となり、脱窒処理水の生活用水と
しての利用を制限される問題がある。
【0004】本発明の目的は、水素酸化脱窒菌固定層で
のpHを至適範囲に調節することによって、反応速度を
高め、効率的に酸化態窒素を除去できる水中に溶解した
酸化態窒素の除去装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような従来技術の問
題点を解決するために、本発明では以下に述べる手段を
用いている。
【0006】すなわち、本発明の水中に溶解した酸化態
窒素の除去装置は、陰極板と陽極板と水素酸化脱窒菌を
収容する電気分解槽を用いて被処理水の電気分解を行わ
せて陰極面で水素を発生させ、該水素を利用して被処理
水中に溶解する酸化態窒素を窒素に生物的に還元して除
去する装置において、前記水素酸化脱窒菌の配置された
領域を該水素酸化脱窒菌の脱窒反応に好適なpH範囲に
調節する手段を具備することを特徴とする。
【0007】電気分解槽の中の陰極及び陽極に電圧を付
加することにより、水の電気分解が行われ、陰極では水
素と水酸イオンが、陽極では酸素と水素イオンがそれぞ
れ生成する。本来、陰極で発生する水酸イオンと陽極で
発生する水素イオンの生成量は等量であり、混合すれば
pHの変化は生じない。しかし、容積効率を向上させる
ために電気分解槽内部の陰極板と陽極板の間隙はできる
だけ狭隘なものにすることが望ましく、かつ反応液の流
動速度も大きなものにすることができない。このため、
反応液の混合が不十分となり、陰極近傍では水酸イオン
濃度が高くなってアルカリ性となり、陽極近傍では水素
イオン濃度が高くなって酸性となる。水素酸化脱窒菌の
脱窒反応至適pHはおおよそ7〜8.5 の範囲であり、
電気分解槽内部のpH分布は脱窒反応速度の低下を引き
起こす。そこで、本発明では特に水素酸化脱窒菌の配置
された領域を該水素酸化脱窒菌の脱窒反応に好適なpH
範囲に調節する手段を設けてpH分布の縮小を図ってい
る。
【0008】本発明になる次の装置としては、前記調節
手段が陰極及び水素酸化脱窒菌の領域への被処理水の供
給速度及び/又は被処理水のpHの調節によるものであ
ることを特徴とする。被処理水の供給速度を増加させる
ことによって電気分解槽内部の混合が改善されてpH分
布を縮小できる。また、被処理水のpHの調節によって
電気分解及び脱窒反応によって生成される水酸イオンを
中和するのに必要となる水素イオンを予め被処理水中に
供給しておくことができる。水素酸化脱窒菌の領域を脱
窒反応に好適なpH範囲に調節する方法としていずれの
方法を用いるかは、電気分解用電流,pH、及び脱窒活
性を勘案して決定する。
【0009】従って、本発明になる次の装置としては、
前記水素酸化脱窒菌の領域と処理水のpHを計測する手
段を設け、該計測手段による計測値を指標として被処理
水の供給速度及び/又は被処理水のpHを調節すること
を特徴とする。処理水のpHに比較して水素酸化脱窒菌
の領域のpHがアルカリ性側にあるときは、槽内の混合
が不十分と判断して被処理水の供給速度を増大させるの
が望ましい。また、処理水のpHと水素酸化脱窒菌の領
域のpHがいずれもアルカリ性側にあるときは、中和用
水素イオンが不足していると判断して被処理水のpHを
低下させる。処理水のpHに比較して水素酸化脱窒菌の
領域のpHがアルカリ性側であり、なおかつ処理水のp
Hと水素酸化脱窒菌の領域のpHがいずれもアルカリ性
側にあるときは、被処理水の供給速度の増大と被処理水
のpHの低下を同時に実施する。本発明において用いる
水素酸化脱窒菌による脱窒反応は嫌気反応であるため、
陽極と陰極との間に隔膜を配置して、陽極で発生する酸
素を遮断することが望ましい。隔膜としては、酸素を遮
断しかつ水素イオンを透過せしめる材料で構成されてい
ることが望まれる。
【0010】従って、本発明になる次の装置としては、
前記電気分解槽が陰極板と陽極板の間に配置された酸素
を透過せず水素イオンを透過する隔膜によって陰極板と
水素酸化脱窒菌を収容する陰極室と陽極板を収容する陽
極室とに区画されたものであり、前記被処理水の供給速
度が前記陰極室に被処理水を供給する速度であることを
特徴とする。
【0011】陽極で発生する水素イオンと陰極で発生す
る水酸イオンの生成量は等量であるが、両極間に設置さ
れたイオン交換膜の透過抵抗により陰極室に透過してく
る水素イオン量は水酸イオン量より少なくなる。また、
水素酸化脱窒菌による脱窒反応によっても水酸イオンが
生成されるため、陰極室はアルカリ化することになる。
このため、水素イオンの不足量に相当する炭酸ガスを予
め被処理水中に溶解させることにより、脱窒菌固定層を
脱窒反応に好ましいpH環境に調節することが望まれ
る。さらに、電気分解槽容積あたりの脱窒速度を向上す
るには水素供給速度、すなわち電気分解電流密度を増大
することが必要である。しかるに、電気分解用電流を増
加すると水素酸化脱窒菌の活性を低下させる現象が発生
する。特に陰極板の表面に水素酸化脱窒菌の生物膜を形
成させた生物電極法において脱窒活性低下が著しい。脱
窒菌を電気分解を行う面以外のところに配置すれば脱窒
活性低下を起こすことなく電解用電流密度を増加させる
ことができる。また、被処理水の注入速度を増大させつ
つ脱窒槽内で水素酸化脱窒菌との接触時間を維持するた
めには、流出する水を循環することが望ましい。
【0012】従って、本発明になる次の装置としては、
被処理水に炭酸ガスを溶解させる炭酸ガス溶解槽を付加
し、前記陰極室の陰極板の近傍に表面に前記水素酸化脱
窒菌を固定してなる水が通過できる空隙を有する脱窒菌
固定層を設け、前記陰極室に炭酸ガスを溶解せしめた前
記被処理水を導入し、該陰極室から流出する陰極水を前
記炭酸ガス溶解槽に返送する流路を設け、陰極水の少な
くとも一部を炭酸ガス溶解槽に戻すことを特徴とする。
【0013】本発明において、脱窒菌固定担体を隔膜と
陰極板との間に配置した場合、隔膜を通過してくる水素
イオンと陰極板面で発生する水酸イオンとの混合を阻害
する要因となり、陰極室内にpH分布を形成させる原因
となる。そこで、陰極として水及びイオンが通過できる
空隙部を有する部材で構成し、陰極の背面に脱窒菌を固
定することとした。この場合、被処理水は隔膜と陰極板
との間の陰極反応室に注入することが望ましい。
【0014】従って、本発明になる次の装置としては、
前記電気分解槽が陰極板と陽極板の間に配置された酸素
を透過せず水素イオンを透過する隔膜によって陰極板と
水素酸化脱窒菌を収容する陰極室と陽極板を収容する陽
極室とに区画され、なおかつ前記陰極室が水及びイオン
が通過できる空隙部を設けた陰極板によって陰極反応室
と水素酸化脱窒菌を収容する脱窒室とに区画されたもの
であり、被処理水を陰極反応室に供給し、次いで陰極板
を通過せしめて脱窒菌固定層に到達せしめることを特徴
とする。
【0015】次になる本発明は、陰極板と陽極板と水素
酸化脱窒菌を収容する電気分解槽を用いて被処理水の電
気分解を行わせて陰極板面で水素を発生させ、該水素を
利用して被処理水中に溶解する酸化態窒素を窒素に生物
的に還元して除去する方法において、前記水素酸化脱窒
菌の配置された領域のpHを7〜8.5 に保持すること
を特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明になる酸化態窒素除去方法
を、本発明になる酸化態窒素除去装置の一実施例を示す
図2により詳細に説明する。硝酸態窒素や亜硝酸態窒素
等の酸化態窒素を溶解した被処理水1は炭酸ガス溶解塔
2に供給される。炭酸ガス溶解塔2では、底部から炭酸
ガス7が注入され、炭酸ガスを含有する気泡3と被処理
水1とが接触して炭酸ガスを溶解する。炭酸ガス溶解量
は、処理水50のpHにもとづいて決定される。炭酸ガ
ス溶解被処理水8は、ポンプ31により電解脱窒槽6に
供給される。電解脱窒槽6は、内容積500mlのプラ
スチック製であり、水素イオン透過膜12によって直流
電圧を印加した陰極11と水素酸化脱窒菌を収容する陰
極室15、及び陽極10を収容する陽極室14で構成さ
れている。陰極11はステンレス平板、陽極10は白金
メッキチタン平板で作られており、面積はいずれも20
0cm2 である。陰極室15は被処理水を通過させる30
メッシュのステンレス網で構成された陰極11によって
水素イオン通過膜12に面する陰極反応室15aとその
背面の水素酸化脱窒菌を固定した脱窒菌固定層13を収
容する脱窒室15bとに区画されている。なお、脱窒菌
固定層13もまた、被処理水が通過するのに支障がない
ように多孔性のプラスチック材で構成されている。水素
イオン透過膜12としては、一価イオン選択性陽イオン
交換膜を使用した。陽極10及び陰極11を直流電源4
0に接続し、直流電圧を印加することによって電流が流
れ、その結果、水の電気分解が起こる。陰極及び陽極で
の反応は、次の(1)(2)式で表される。
【0017】
【数1】 電極反応(陰極) 10H2O+10e- → 5H2 +10OH- …(1)
【0018】
【数2】 電極反応(陽極) 5H2O → 5/2O2 +10H+ +10e- …(2) 水の電気分解においては、理論上、陰極で発生する水酸
イオンと陽極で発生する水素イオンの発生量は等量であ
り、陽極で発生した水素イオン(H+ )は、(1)式で
生成した水酸イオン(OH- )の中和反応に使用される
ため、陰極室に速やかに移動させなければならない。一
方で、同時に発生する酸素は水素酸化脱窒菌の脱窒反応
を阻害する。このため、陰極と陽極との間に酸素を通過
させずに水素イオンを透過する機能を有する水素イオン
通過膜12を配置して酸素を陽極水22と共に陽極室1
4から排出し、陰極室15への酸素の侵入を最小限にと
どめる。
【0019】炭酸ガス溶解被処理水は、陰極反応室15
aに注入される。注入された炭酸ガス溶解被処理水は、
水素イオン通過膜12を透過してくる水素イオンを溶解
し、酸性化する。次いで陰極板11に接触し、その表面
で電極反応により発生した水素と水酸イオンの供給を受
ける。
【0020】脱窒菌固定層13に固定された水素利用脱
窒菌は、陰極11の表面で発生する水素を利用して硝酸
態窒素や亜硝酸態窒素の酸化態窒素を窒素に還元する。
水素酸化脱窒菌による硝酸態窒素の脱窒反応は下記
(3)式により表される。
【0021】
【数3】 脱窒反応(微生物層)2NO3 -+5H2 → N2+4H2O+2OH- …(3) 水素酸化脱窒菌により酸化態窒素が除去された被処理水
は陰極水17として脱窒室15b上部に設けられた排出
口より排出される。陰極水17の一部は循環水33とし
て炭酸ガス溶解槽2に返送され、残りが処理水50とし
て排出される。水の電気分解においては、理論上、陰極
で発生する水酸イオンと陽極で発生する水素イオンの発
生量は等量であり、両者を混合すればpHの変化は起こ
らないはずである。しかし、水素イオン交換膜の透過抵
抗や、他の陽イオンが混在していることにより、実際に
水素イオン交換膜を透過して陰極室に流入する水素イオ
ン量は減少する。したがって、陰極板の近傍では、水酸
イオン濃度が増加する。また、(3)式から、脱窒反応
によっても水酸イオンが生成することがわかる。したが
って、陰極反応室15aと脱窒室15bとはアルカリ性
化することになる。このため、本発明では炭酸ガスが下
記(4)式のように解離して水素イオンと重炭酸イオン
(HCO3 -)を生成することを利用し、中和に必要な水
素イオンを解離する量の炭酸ガスを炭酸ガス溶解槽2で
被処理水中に予め溶解させている。
【0022】
【数4】 炭酸ガス解離反応 CO2 +H2O → H+ +HCO3 - …(4) 水素酸化脱窒菌の脱窒反応に好適なpHは7〜8.5 で
あり、この範囲を外れると脱窒活性が大きく低下する。
本発明では、脱窒菌固定層13の近傍のpHを7〜8.
5 に調節することを特徴とする。調節する方法として
は、ポンプ31の調節によって炭酸ガス溶解被処理水8
の供給速度を増減する方法,炭酸ガス溶解量を増減する
方法のいずれか又は両方を用いる。
【0023】本実施例の装置を用いての本発明の効果を
図3及び図4に示す。被処理水1としては、窒素濃度と
して15ppm になるよう硝酸カリウムを添加した脱塩素
水道水を使用した。被処理水を0.13l/h の一定流
速で供給し、電解電流を20mA一定として脱窒反応を
行わせた。処理水を採取し、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒
素の濃度を定量し、被処理水に対する減少量から窒素除
去速度を求めた。また、図2中に示すA〜Gの位置から
0.006l/h の速度で液を採取し、そのpHを測定
した。図3は、脱窒室内のpHの分布を示す。炭酸ガス
溶解被処理水の供給速度が0.8l/h ではA〜E及び
Gの部分で脱窒反応に好適なpH範囲7〜8.5 を超え
たアルカリ性であり、Fの部分のみが好適範囲内にあ
る。これは、陰極反応室15aに注入された炭酸ガス溶
解被処理水が脱窒室15bに流れていないことを示して
いる。したがって、脱窒菌固定層13のほとんどの部分
が脱窒反応に適さないアルカリ性環境であり、脱窒反応
に寄与していないと推測される。炭酸ガス溶解被処理水
の供給速度を増加することにより、pHの分布が縮小し
ていくことが分かる。供給速度が5.7l/h ではA〜
Gの全ての部分で脱窒反応に好適なpH範囲7〜8.5
に保持できている。図4は、炭酸ガス溶解被処理水の供
給速度と脱窒反応速度及び水素利用率の関係を示す。な
お、水素利用率は、電気分解により生成した水素が脱窒
反応により消費された割合を示すものである。炭酸ガス
溶解被処理水の供給速度の増加に比例して脱窒反応が増
加することが分かる。また、水素利用率は、供給速度が
5.7l/h において90%に到達した。これは、炭酸
ガス溶解被処理水の供給速度の増加によってpHの分布
が縮小し、脱窒菌固定層13の脱窒反応が行われる領域
が増加したことによるものである。
【0024】以上のことから、脱窒菌固定層13の近傍
のpHを7〜8.5 に調整する本発明により、脱窒速度
を大幅に向上できることが分かる。また、脱窒菌固定層
13の近傍のpHを7〜8.5 に調整する方法として、
炭酸ガス溶解被処理水の供給速度を増加する方法が有効
であることが分かる。
【0025】図1は、本発明になる酸化態窒素除去装置
の他の実施例を示す。硝酸態窒素や亜硝酸態窒素等の酸
化態窒素を溶解した被処理水1は炭酸ガス溶解塔2に供
給される。炭酸ガス溶解塔2では、底部から炭酸ガス7
が注入され、炭酸ガスを含有する気泡3と被処理水1と
が接触して炭酸ガスを溶解する。被処理水1中への炭酸
ガス溶解量は、pH電極41の検出信号をもとに制御器
45によって流量制御弁36を調節することにより制御
される。また、炭酸ガス溶解量の設定値は、後述する陰
極水17のpHにもとづいて決定される。炭酸ガス溶解
被処理水8は、ポンプ31により電解脱窒槽6に供給さ
れる。電解脱窒槽6は、内容積1000mlのプラスチ
ック製であり、陽極板10と陰極板11を収容してい
る。陽極板10と陰極板11は直流電源40に接続され
ており、直流電圧が印加されている。それぞれの電極面
積は200cm2 である。電解脱窒槽6は、両極の間に設
置された水素イオンが通過できる隔膜12により、陰極
室15と陽極室14とに区画されている。陰極室15は
被処理水を通過させる30メッシュのステンレス網で構
成された陰極11によって水素イオン通過膜12に面す
る陰極反応室15aとその背面の水素酸化脱窒菌を固定
した脱窒菌固定層13を収容する脱窒室15bとに区画
されている。なお、脱窒菌固定層13もまた、被処理水
が通過するのに支障がないように多孔性のプラスチック
材で構成されている。なお、水素酸化脱窒菌を固定する
方法としては、本例に限定するものではなく、セラミッ
クスや合成樹脂製の多孔質担体表面に生物膜を形成させ
る方法,ゲル状物質中に包埋する方法,物質透過性を有
する物質のマイクロカプセル中に封入する方法のいずれ
かを用いてもよい。
【0026】炭酸ガス溶解被処理水8は、陰極反応室1
5aに注入される。注入された炭酸ガス溶解被処理水
は、水素イオン通過膜12を透過してくる水素イオンを
溶解し、酸性化する。次いで陰極板11に接触し、その
表面で電極反応により発生した水素と水酸イオンの供給
を受ける。次いで脱窒菌固定層13を通過する間に水素
酸化脱窒菌に接触し、水素を利用せしめて溶解している
硝酸態窒素や亜硝酸態窒素の酸化態窒素を窒素に還元す
る。水素酸化脱窒菌の能力の範囲内であれば、脱窒量は
電解電流量に比例し、電気分解で発生させた水素量に対
応して被処理水中に溶解していた酸化態窒素が窒素に還
元され、ガスとして分離除去される。
【0027】電解脱窒槽6で酸化態窒素を除去された陰
極水17は、脱窒室15b上部に設けられた排出口より
排出される。排出された陰極水17は溢流槽25に導入
される。溢流槽25より陰極水17の一部を循環水33
として抜き出され、溢流する残りの部分は処理水として
排出される。循環水33は前記炭酸ガス溶解槽2に返送
する。返送用流路には、pH電極42が設けられてお
り、制御器45に接続されている。
【0028】脱窒菌固定層13の近傍にpHを測定する
ための試料採取管26の一端が開口しており、ポンプ3
4によって液の一部が引き抜かれる。試料採取管管路に
はpH電極43が設けられており、制御器45に接続さ
れている。
【0029】制御器45はpH電極41〜43の計測信
号をもとに、炭酸ガス溶解被処理水,陰極水、及び脱窒
菌固定層13近傍のpHが所定の制御範囲内にあるかど
うかを判断し、フィードバック制御により流量制御弁3
6及びポンプ31を制御する。陰極水のpHに比較して
脱窒菌固定層13近傍のpHがアルカリ性側にあるとき
は、槽内の混合が不十分と判断し、ポンプ31を制御し
て炭酸ガス溶解被処理水の供給速度を増大させる。ま
た、処理水のpHと水素酸化脱窒菌の領域のpHがいず
れもアルカリ性側にあるときは、中和用水素イオンが不
足していると判断し、流量制御弁36を制御して炭酸ガ
ス溶解槽2に供給する炭酸ガス量を増加し、炭酸ガス溶
解被処理水への炭酸ガス溶解量を増やす。陰極水のpH
に比較して水素酸化脱窒菌の領域のpHがアルカリ性側
であり、なおかつ処理水のpHと水素酸化脱窒菌の領域
のpHがいずれもアルカリ性側にあるときは、炭酸ガス
溶解被処理水の供給速度の増大と炭酸ガス溶解被処理水
のpHの低下を同時に実施する。
【0030】本実施例の装置を用いての本発明の効果を
図5に示す。被処理水としては、窒素濃度として15mg
/Lになるよう硝酸カリウムを添加した脱塩素水道水を
使用した。被処理水は0.3l/h の一定流速で炭酸ガ
ス溶解槽に供給した。電解電流は50mA一定とした。
その結果、運転開始20日目頃より安定した水質の処理
液が得られた。処理水中の亜硝酸態窒素濃度,硝酸態窒
素濃度ともに5mg/L以下であった。また、水素の利用
率は85〜90%であった。本実施例により、良好な処
理水を効率よく得ることが可能となった。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、水素酸化脱窒菌固定層
でのpHを至適範囲に調節することによって、脱窒反応
が行われる有効な領域の拡大がはかられ、反応速度を高
め、効率的に酸化態窒素を除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる硝酸態窒素除去装置の一実施例を
示す図。
【図2】本発明になる硝酸態窒素除去装置の一実施例を
示す図。
【図3】本発明になる硝酸態窒素除去方法の効果を示す
図。
【図4】本発明になる硝酸態窒素除去方法の脱窒実験の
結果を示す図。
【図5】本発明になる硝酸態窒素除去装置の一実施例の
脱窒実験の結果を示す図
【符号の説明】
1…被処理水、2…炭酸ガス溶解槽、3…炭酸ガス含有
気泡、6…電解脱窒槽、7…炭酸ガス、8…炭酸ガス溶
解被処理水、10…陽極、11…陰極、12…水素イオ
ン透過膜、13…脱窒菌固定層、14…陽極室、15…
陰極室、15a…陰極反応室、15b…脱窒室、17…
陰極水、22…陽極水、25…溢流槽、31,32,3
4…ポンプ、33…循環水、36…流量制御弁、40…
直流電源、41,42,43…pH電極、45…制御
器、50…処理水。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極板と陽極板と水素酸化脱窒菌を収容す
    る電気分解槽を用いて被処理水の電気分解を行わせて陰
    極板面で水素を発生させ、該水素を利用して被処理水中
    に溶解する酸化態窒素を窒素に生物的に還元して除去す
    る装置において、前記水素酸化脱窒菌の配置された領域
    を該水素酸化脱窒菌の脱窒反応に好適なpH範囲に調節
    する手段を具備することを特徴とする水中に溶解した酸
    化態窒素の除去装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の装置において、前記調節手
    段が陰極及び水素酸化脱窒菌の領域への被処理水の供給
    速度及び/又は被処理水のpHの調節によるものである
    ことを特徴とする水中に溶解した酸化態窒素の除去装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の装置において、前記
    水素酸化脱窒菌の領域と処理水のpHを計測する手段を
    設け、該計測手段による計測値を指標として被処理水の
    供給速度及び/又は被処理水のpHを調節することを特
    徴とする水中に溶解した酸化態窒素の除去装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の装置にお
    いて、前記電気分解槽が陰極板と陽極板の間に配置され
    た酸素を透過せず水素イオンを透過する隔膜によって陰
    極板と水素酸化脱窒菌を収容する陰極室と陽極板を収容
    する陽極室とに区画されたものであり、前記被処理水の
    供給速度が前記陰極室に被処理水を供給する速度である
    ことを特徴とする水中に溶解した酸化態窒素の除去装
    置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の装置にお
    いて、被処理水に炭酸ガスを溶解させる炭酸ガス溶解槽
    を付加し、前記陰極室の陰極板の近傍に表面に前記水素
    酸化脱窒菌を固定してなる水が通過できる空隙を有する
    脱窒菌固定層を設け、前記陰極室に炭酸ガスを溶解せし
    めた前記被処理水を導入し、該陰極室から流出する陰極
    水を前記炭酸ガス溶解槽に返送する流路を設け、陰極水
    の少なくとも一部を炭酸ガス溶解槽に戻すことを特徴と
    する水中に溶解した酸化態窒素の除去装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1つに記載の装置
    において、前記電気分解槽が陰極板と陽極板の間に配置
    された酸素を透過せず水素イオンを透過する隔膜によっ
    て陰極板と水素酸化脱窒菌を収容する陰極室と陽極板を
    収容する陽極室とに区画され、なおかつ前記陰極室が水
    及びイオンが通過できる空隙部を設けた陰極板によって
    陰極反応室と水素酸化脱窒菌を収容する脱窒室とに区画
    されたものであり、被処理水を陰極反応室に供給し、次
    いで陰極板を通過せしめて脱窒菌固定層に到達せしめる
    ことを特徴とする水中に溶解した酸化態窒素の除去装
    置。
  7. 【請求項7】陰極板と陽極板と水素酸化脱窒菌を収容す
    る電気分解槽を用いて被処理水の電気分解を行わせて陰
    極板面で水素を発生させ、該水素を利用して被処理水中
    に溶解する酸化態窒素を窒素に生物的に還元して除去す
    る方法において、前記水素酸化脱窒菌の配置された領域
    のpHを7〜8.5 に保持することを特徴とする酸化態
    窒素の除去方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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