JPH11267654A - 液体のイオン化方法及びその装置 - Google Patents

液体のイオン化方法及びその装置

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JPH11267654A
JPH11267654A JP10096798A JP9679898A JPH11267654A JP H11267654 A JPH11267654 A JP H11267654A JP 10096798 A JP10096798 A JP 10096798A JP 9679898 A JP9679898 A JP 9679898A JP H11267654 A JPH11267654 A JP H11267654A
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JP
Japan
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liquid
negative electrode
positive electrode
electrode member
water
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JP10096798A
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English (en)
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Kazumi Daitoku
一美 大徳
Taisuke Higashiyama
泰助 東山
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AQUA KOSAN KK
Nippon Steel Corp
Original Assignee
AQUA KOSAN KK
Nippon Steel Corp
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  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体中の正極部材と負極部材表面に液体中の
シリカ、カルシウム、マグネシウム、藻、菌類等の異物
が長期間にわたり付着しないようにし、液体のイオン化
の効率を維持して、更には液体のイオン化処理により凝
集し易くなった液体中の不純物を捕集することにより機
器の冷却水路の閉塞を防止することも可能な液体のイオ
ン化方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 電極電位の高い素材からなる正極部材1
4と、電極電位の低い素材からなる負極部材15の内部
にそれぞれ磁性体13を埋め込み、正極部材14と負極
部材15とを導電部材16を介して結合してイオンを含
む液体11の流路に複数分散配置し、流路に液体11を
連続的に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体のイオン化方
法及びその装置に係り、更に詳しくは、液体中に磁場と
電場とを同時に付加して、連続鋳造のスプレーノズルの
吹付け時や切断機等の機体冷却時に発生するスケール、
藻、赤水等を工業用配管壁面に付着しにくいようにする
液体のイオン化方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の方法及び装置としては米
国特許公報第3026259号、第3342712号、
第3686092号、第4325798号に示されてい
るように、電気化学ポテンシャル等の電気化学的な性質
の異なる2つの部材の一端を相互に直接或いは良導電材
を用いて連結して所謂ガルバニックカップリングとな
し、これらの両部材間に水を流通させてこの水をイオン
化し、水道管等にスケールが蓄積するのを防止するもの
が公知となっている。また、特公平3−7435号公報
では、電気化学的な性質の異なる2種の物質から作られ
た第1の部材と第2の部材を相互に分離配設し、該第1
の部材と第2の部材とを導電性を有する水に接触させる
と共に、該水のみによって第1及び第2の部材を電気的
に結合し、第1及び第2の部材間に電位差を生じさせて
この水をイオン化する方法が示されている。また、実開
平4−26093号公報では、ポンプのケーシング内部
の水通路壁と、インペラー羽根を含むロータの処理水と
接する部分とに磁性体を周設した磁気水処理ポンプが提
案され、この磁気によってスケール、藻、赤水等を配管
壁面に付着しにくいようにする方法が示されている。こ
れらの考え方に基づいて、イオンクリーナー(株式会社
サンワード)、マグネスイン(エレポン化工機株式会
社)、Scalewatcher(輸入元エスケーエイ
株式会社)、イオマスター(株式会社ガスター)が商品
として市販されており効果を発揮している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電気化
学的な性質の異なる2種の部材を正極部材及び負極部材
として、水と接触させて該水をイオン化する方法では、
正極部材には負に帯電した粒子が、負極部材には正に帯
電した粒子が付着するため、正極部材と負極部材に水中
のシリカ、カルシウム、マグネシウム、藻、菌類等の異
物が付着して導電性が低下し、イオン化の効率が低下
し、配管内のスケール、スライム、藻、菌類の付着を十
分に防止することが困難であった。また、磁気処理の場
合は水中のシリカ、カルシウム、マグネシウム、藻、菌
類等の異物の付着が抑制されるが、イオン化効率は小さ
いという問題があった。本発明はかかる事情に鑑みてな
されたもので、液体中の正極部材と負極部材表面に液体
中のシリカ、カルシウム、マグネシウム、藻、菌類等の
異物が長期間にわたり付着しないようにし、液体のイオ
ン化の効率を維持して、更には液体のイオン化処理によ
り凝集し易くなった液体中の不純物を捕集することによ
り機器の冷却水路の閉塞を防止することも可能な液体の
イオン化方法及びその装置を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の液体のイオン化方法は、電極電位の高い素材から
なる正極部材と、電極電位の低い素材からなる負極部材
の内部にそれぞれ磁性体を埋め込み、前記正極部材と前
記負極部材とを導電部材を介して結合してイオンを含む
液体の流路に複数分散配置し、該流路に前記液体を連続
的に供給する。請求項2記載の液体のイオン化装置は、
磁性体の内蔵された電極電位の高い素材からなる正極部
材と電極電位の低い素材からなる負極部材とをそれぞれ
複数備えると共に、前記正極部材及び前記負極部材が導
電部材により結合されてイオンを含む液体の流路に分離
配置されている。請求項3記載の液体のイオン化装置
は、請求項2記載の液体のイオン化装置において、前記
正極部材及び前記負極部材が棒状に形成され、相互に間
隔を設けて平行に配置されている。請求項4記載の液体
のイオン化装置は、請求項2記載の液体のイオン化装置
において、前記正極部材及び前記負極部材が板状に形成
され、前記イオンを含む液体の流動方向に対して平行に
配置されている。
【0005】請求項1記載の液体のイオン化方法及び請
求項2〜4記載の液体のイオン化装置においては、正極
部材と負極部材とを導電部材で電気的に結合して、正極
部材及び負極部材間に電位差を生じさせてイオンを生成
又は活性化させ、内蔵する磁性体により液体に磁場を付
加して液体中のイオン流を効果的に攪拌して、液体のイ
オン化を更に促進させることができる。以下これらの作
用をさらに詳しく説明する。正極部材と負極部材を導電
部材を介して接続することによって液体中にガルバニッ
クカップリングが形成され、正極部材と負極部材間に電
流(ガルバニック電流)が流れる。即ち、電極電位(標
準水素電極を基準とする相対標準電極電位)の低い素材
からなる負極部材から導電部材を経由して、電極電位の
高い素材からなる正極部材に電子が移動する。なお、電
極電位とは、金属、合金、炭素(黒鉛)、半導体等の電
極が、電解質溶液と接触している場合に、電極相が溶液
相に対してもつ内部電位をいう。種々の金属、合金、炭
素、半導体等からなる電極系を水素電極尺度の相対標準
電極電位の順(昇順)に並べて得られる電気化学列にお
いて、その電極系が金属とそのイオンからなる場合に
は、イオン化傾向の大きさの順に配列したイオン化列
(Li>K>Ba>Ca>Na>Mg>Al>Cr>M
n>Zn>Fe>Co>Ni>Sn>Pb>(H)>C
u>Ag>Hg>Au)等と同順になる。
【0006】液体中には本来種々のイオンが存在してい
るが、ガルバニックカップリングによりイオンを含む液
体のイオン化が促進されイオン濃度を高く維持できる。
そして、液体中の陽イオンは負極部材に、陰イオンは正
極部材に向かって電気的に泳動する。このとき、図4
(a)、(b)に示すように正極部材と負極部材に磁性
体を埋め込んでその周囲に磁界を形成させておくと、正
極部材と負極部材に向かって泳動、移動してくるイオン
の流れ、即ち、電流に対してフレミングの法則に従う力
が作用することになる。例えば、速度Vで移動するイオ
ンが磁界の方向に対して入射角度θで入射するとイオン
の流れに対して直角の方向に、速度成分V・sin
(θ)に比例した力が作用して、イオンはらせん運動を
行うようになる。イオンを含む導電性の液体は正極部材
と負極部材に向かって流れるので、正極部材と負極部材
の周囲に沿って形成された磁場に捕捉されたイオンは大
抵の場合ある入射角度θを持って入射して、らせん運動
を行うことになる。
【0007】このイオンのらせん運動により液体中のイ
オンと分子とがぶつかりあって分子のイオン化をさらに
促進させることができる。特に、液体が水である場合に
は、水素イオンが水分子と衝突し、H2 O→H+ +OH
- のように水分子(H2 O)を水素イオン(H+ )と水
酸化物イオン(OH- )とに分極させた活性水が得られ
る。この活性水は、液体に含まれるスケール等になる成
分(Ca2+、Mg2+、珪酸塩のイオン等)を水素イオ
ン、水酸化物イオンにより封鎖してコロイド状に変化さ
せる能力を有している。そして、生成した活性水によっ
て管壁に付着するカルシウム等のスケール成分は液体中
の水素イオン、水酸化物イオン等によってコロイド状態
に変化して、容易に分離することが可能になる。
【0008】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。図1(a)、(b)はそれぞれ本発
明の一実施の形態に係る液体のイオン化方法を具体化し
た液体のイオン化装置の平断面図、側断面図、図2は他
例に係る液体のイオン化装置の説明図、図3はイオン化
装置を適用した液体処理設備の説明図、図4(a)、
(b)はそれぞれ正極部材、負極部材周囲のイオンの動
きを示す平断面図、側断面図である。
【0009】本発明の一実施の形態に係る液体のイオン
化方法を適用した液体のイオン化装置10は図1に示す
ように、連続的に供給される液体の一例であるイオンを
含む水11の流路を内部に形成させたケーシング12
と、ケーシング12内にそれぞれ流路を流れる水11の
流れに対して直角に配置され、磁性体13を内蔵した正
極部材の一例である正極棒14及び、負極部材の一例で
ある負極棒15と、正極棒14及び負極棒15間を接続
する導電部材16とを有している。正極棒14及び負極
棒15は互いに平行に、かつ相互に隙間を有して配置す
ることによって、供給されるイオンを含む水11の流通
を良くしている。
【0010】ここで、正極棒14となる素材として電極
電位が相対的に高くなる炭素を、負極棒15となる素材
として電極電位がそれよりも低くなるアルミニウムをそ
れぞれ採用しているが、ガルバニックカップリングをな
す素材の組み合わせであれば、これ以外の組み合わせ、
例えば錫と亜鉛との組み合わせ等も可能であるのは勿論
である。正極棒14と負極棒15のそれぞれの直径は3
〜50mmの範囲とするのがよい。3mm未満であると
水が流れるときの動圧で折れたり曲がったりして強度的
に問題があると共に、磁性体13の内蔵が困難となる。
また50mmを超えると電極自体の体積が増加して装置
そのものも必然的に大きくなり、既存のスペースへ収容
できなくなる。望ましくは5mm〜15mmの範囲とす
るのがよい。
【0011】正極棒14、負極棒15にそれぞれ内蔵さ
れる磁性体13の直径は正極棒14、負極棒15の直径
より1mm〜10mm小さくするのがよい。これが1m
m未満だと正極棒14及び負極棒15の耐用性が不足し
て長時間の処理ができなくなる。また、10mmを超え
ると充分な磁束密度を得ることが困難になる。磁性体1
3を正極棒14及び負極棒15に内蔵させる際には、正
極棒14及び負極棒15を予め管状体に形成して、この
管状体の中に棒状の磁性体13の1個又は複数個を挿入
する。この内蔵される磁性体13は、近接配置される正
極棒14、負極棒15毎にそれぞれのN極とS極の方向
を揃えて挿入配置することが望ましい。これによって、
正極部材である正極棒14及び負極部材である負極棒1
5の長さ方向に沿う磁界を有効に形成させることがで
き、正極棒14及び負極棒15間が近接して液体の流路
が狭まっても液体中のイオンの流れを効果的に攪拌する
ことができる。なお、予め準備した棒状の磁性体13の
周囲にメッキ、化学蒸着、金属テープの巻き付け等の手
段で正極部材、負極部材となる外層部分を形成させるこ
ともできる。
【0012】磁性体13を用いて正極棒14及び負極棒
15の近傍に発生させる磁束密度の最大値は500〜1
0000ガウスの範囲とするのがよい。500ガウス未
満では磁力が弱すぎるし、10000ガウスを超えると
大きすぎて周辺の機器に異常をきたす可能性が出てく
る。また磁性体13は適当な長さの棒磁石を複数本直列
にしてステンレスや銅のような非磁性体のパイプに密封
して用いることもできる。そして、これらの磁性体13
を内蔵させた複数個からなる正極棒14、負極棒15は
それぞれ3〜30mm間隔をおいて平行に配設する。3
mm未満であると水の流れが悪くなり、30mmを超え
ると各極部材間に発生するガルバニック電流による液体
のイオン化の効率が低下すると共に、各極部材間の磁力
が干渉してイオンの活性化効果が損なわれるので好まし
くない。導電部材16は、正極棒14及び負極棒15を
互いに電気的に接続するものであれば銅線、アルミ線、
銅、ステンレス、アルミ、鉄あるいはその他の金属から
なる板材等を必要に応じて表面に被覆した状態で用いる
ことができる。また、正極棒14及び負極棒15をケー
シング12内に固定支持するための部材そのものを導電
性の材料で形成して、両者を電気的に接続してもよい。
【0013】図2に示す他例に係る液体のイオン化装置
20においては、正極部材の一例である正極板21と負
極部材の一例である負極板22を液体の流れに平行にな
るように相互に複数枚を分離してケーシング23内に配
設し、かつ複数個からなる棒状の磁性体24を正極板2
1と負極板22にそれぞれ内蔵させると共に、図示しな
い導電部材によって互いに電気的に接続している。ここ
で正極板21と負極板22はそれぞれ炭素、アルミニウ
ムを用いているが、これ以外の組み合わせとすることも
可能である。正極板21と負極板22のそれぞれの板厚
は3〜50mmがよい。3mm未満であると液体が流れ
るときの動圧で折れたり曲がったりして強度的に問題が
ある。また50mmを超えると電極自体の体積が大きく
なり装置そのものも必然的に大きくなり、既存のスペー
スの中に収容できなくなる。望ましくは5mm〜15m
mがよい。
【0014】正極板21及び負極板22に内蔵される磁
性体24の直径は、2mm〜40mmの範囲とするのが
よい。2mm未満だと十分な磁力を得ることが困難であ
り、40mmを超えると正極板21及び負極板22の厚
みを増加せねばならず、装置が大きくなるので好ましく
ない。磁性体24により発生させる磁束密度の最大値は
500ガウスから10000ガウスの範囲とするのがよ
い。500ガウス未満では磁力が弱すぎてイオン化性能
を充分に発揮できない。逆に、10000ガウスを超え
ると大きすぎて周辺の機器に異常をきたす可能性が出て
くる。このような磁性体24の内蔵された正極板21と
負極板22を交互に、かつ液体の流れに対して平行にし
て、互いに3〜30mmの間隔をおいて配置する。この
間隔が3mm未満であると水の流れが悪くなり、30m
mを超えるとガルバニック電流、及び磁力によって生じ
るイオン化効率が低下して所要の液体の活性化効果が得
られない。なお、正極板21及び負極板22に内蔵させ
る磁性体24の磁極の方向は、必要に応じて揃えるか、
又は近接する同士の極性を異ならせて配置させることも
でき、正極板21及び負極板22間の液体の流路に所要
の磁界を作用させることも可能である。
【0015】前記液体のイオン化装置10(又は20)
を適用した液体処理設備30を図3に示す。ここで、液
体のイオン化装置10(又は20)の直下流側に水サイ
クロン31が設けられている。そして、水サイクロン3
1を通って異物が除去された水は、水冷却装置等の水を
使用する連続鋳造機の高温スラブ切断機や鋳片のスプレ
ーノズル冷却機等の機器32によって使用される。この
場合、供給される冷却水はイオン化により活性化され、
更には、水サイクロン31でスケール、水垢等の異物が
除去されているので、還元力を有するクリーンな水が流
れる。機器32を通った水は加熱されるので、クーリン
グタワー33によって冷却され、ポンプ34によって再
度液体のイオン化装置10(又は20)に供給され、循
環使用される。水サイクロン31は、供給される水の中
の異物等の固形分を分離するための上部が円筒状、下部
が逆円錐状に形成された分離装置であり、その円筒状の
接線方向から水を供給して、円筒に沿った回転力を付与
し、水中の異物を逆円錐状となっている部分の底部に排
出して、異物の除去された水を天井部分から取り出すこ
とによって水と異物とを分離するようになっている。
【0016】
【実施例】続いて、本発明の一実施の形態に係る液体の
イオン化方法及びその装置の作用、効果を確認するため
に行った実施例について説明する。 実施例1 図1に示すような液体のイオン化装置10を使用し、正
極棒14、負極棒15の素材はそれぞれ炭素、アルミニ
ウムとして、それぞれの素材から内径10mm、外径2
0mm、長さ220mmの各筒状(棒状)体を形成し
た。この筒状体の中に直径8mm、長さ40mmで磁束
密度2000ガウスの磁束発生能力を有するフェライト
磁石を4本直列にして挿入し、かつ各正極棒14と負極
棒15に挿入されるフェライト磁石のN極とS極の方向
を同一方向に揃え、両端を接着剤で密封固定すると共
に、導電部材16によって互いを電気的に接続した。そ
して、正極棒14、負極棒15をそれぞれが10mmの
間隔となるように配置した。
【0017】実施例2 図2に示すような液体のイオン化装置20を使用し、正
極板21と負極板22の素材はそれぞれ炭素、アルミニ
ウムとして、それぞれを板厚20mmの板状体として形
成し、正極板21、負極板22の板厚に沿って直径10
mmの貫通孔を5ヶ所設け、この板状体の中に直径9m
m、長さ40mmで磁束密度2000ガウスの磁束発生
能力を有するフェライト磁石を4本直列にして挿入し、
両端を接着剤等で固定し、導電部材によって互いを電気
的に接続した。なお、これらの正極板21と負極板22
を5mm間隔で液体の流れに平行に配設した。
【0018】
【表1】
【0019】表1には、本発明の実施例1、実施例2に
示す液体のイオン化装置10、20を連続鋳造機の高温
スラブ切断機用冷却水の循環路に12カ月間適用した場
合の実験結果を示す。この表1から明らかなように、本
発明の装置を設置することにより水の電導度、カルシウ
ム(Ca)硬度及びサスペンションソリッド(SS)が
著しく低下し、補給水を交換することなく長期間、維持
できることが判明した。こうして、従来、冷却水路を毎
月少なくとも1回は清掃を行う必要があったものが、1
年間にわたり清掃の必要がなくなった。なお、電導度、
即ち電気伝導率は比抵抗率(オーム・cm)の逆数であ
り、ここでは1オーム-1(1モー)を1S(=1アンペ
ア/ボルト)として表示している。また、前述の実施例
1及び実施例2のイオン化装置10、20を連続鋳造用
の二次冷却水スプレーノズルの配管に取付けて、スプレ
ーノズル内の付着及び詰まり状況を調査したが、この結
果、配管壁等へのスケール付着量の減少と同時にスプレ
ーノズルの詰まり頻度を大幅に減少させられることが判
明した。なお、表1には、図3における機器32を連続
鋳造機の高温スラブ切断機として、この液体処理設備3
0内を循環させる循環水、及びこのようなイオン化装置
を使用しない従来例における循環水のデータをそれぞれ
示している。また、補給水は最初に供給する工業用水等
の成分データを示している。
【0020】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。例えば、本実施の形態においては、磁性体
として、フェライト磁石を用いる場合について説明した
が、このような磁性体を電磁石で形成して、各正極部
材、負極部材に内蔵される電磁石の極性あるいは電磁石
により生じる磁束密度を時間的に変動させることによ
り、正極部材、負極部材の磁界を複雑に変化させ、各正
極部材、負極部材に引きつけられるイオンの流れを効果
的に攪拌してイオン化効率を高めることもできる。ま
た、外部電源を用いて各正極部材、負極部材間に導電部
材を介して電圧を負荷して、液体のイオン化条件を積極
的に制御することも可能である。
【0021】
【発明の効果】請求項1記載の液体のイオン化方法及び
請求項2〜4記載の液体のイオン化装置においては、正
極部材及び負極部材間に電位差を生じさせて液体中にイ
オンを生成させると共に、正極部材及び負極部材にそれ
ぞれ内蔵される磁性体によりその周囲に磁場を形成して
イオンの流れを攪拌することによって、正極部材と負極
部材へのSS等の付着を防止し、液体のイオン化を促進
することができる。これによって活性水を得ることがで
き、この活性水は、水に含まれるスケール成分(C
2+、Mg2+、珪酸塩等のイオン)を水素イオン、水酸
化物イオン等により封鎖してコロイド状に変化させる能
力を有するので、このように活性水を冷却水等に使用し
た場合には、前記スケール成分によっておこる機器内へ
のスケールの堆積を減少させることができる。特に、請
求項3記載の液体のイオン化装置は、正極部材及び負極
部材をそれぞれ棒状に形成し、相互に隙間を設けて平行
に分離配設しているので、装置内のスペースを有効に活
用して液体の処理が効率的に行えると共に、付着物が洗
い流されて装置内の表面を清浄に維持できる。請求項4
記載の液体のイオン化装置は、正極部材及び負極部材を
それぞれ板状に形成し、水の流れに平行になるように複
数枚を分離配設しているので、液体の流動抵抗を少なく
して液体のイオン化効率をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)はそれぞれ本発明の一実施の形
態に係る液体のイオン化方法を適用したイオン化装置の
平断面図、側断面図である。
【図2】他例に係る液体のイオン化装置の説明図であ
る。
【図3】液体のイオン化装置を適用した液体処理設備の
説明図である。
【図4】(a)、(b)はそれぞれ正極部材及び負極部
材周囲のイオンの動きを示す平断面図、側断面図であ
る。
【符号の説明】
10 液体のイオン化装置 11 水(液
体) 12 ケーシング 13 磁性体 14 正極棒(正極部材) 15 負極棒
(負極部材) 16 導電部材 20 液体のイ
オン化装置 21 正極板(正極部材) 22 負極板
(負極部材) 23 ケーシング 24 磁性体 30 液体処理設備 31 水サイク
ロン 32 機器 33 クーリン
グタワー 34 ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 5/00 620 C02F 5/00 620C C23F 15/00 C23F 15/00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極電位の高い素材からなる正極部材
    と、電極電位の低い素材からなる負極部材の内部にそれ
    ぞれ磁性体を埋め込み、前記正極部材と前記負極部材と
    を導電部材を介して結合してイオンを含む液体の流路に
    複数分散配置し、該流路に前記液体を連続的に供給する
    ことを特徴とする液体のイオン化方法。
  2. 【請求項2】 磁性体の内蔵された電極電位の高い素材
    からなる正極部材と、電極電位の低い素材からなる負極
    部材とをそれぞれ複数備えると共に、前記正極部材及び
    前記負極部材が導電部材により結合されてイオンを含む
    液体の流路に分離配置されていることを特徴とする液体
    のイオン化装置。
  3. 【請求項3】 前記正極部材及び前記負極部材が棒状に
    形成され、相互に間隔を設けて平行に配置されている請
    求項2記載の液体のイオン化装置。
  4. 【請求項4】 前記正極部材及び前記負極部材が板状に
    形成され、前記イオンを含む液体の流動方向に対して平
    行に配置されている請求項2記載の液体のイオン化装
    置。
JP10096798A 1998-03-24 1998-03-24 液体のイオン化方法及びその装置 Withdrawn JPH11267654A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011072957A (ja) * 2009-10-01 2011-04-14 Kankyo Kiki:Kk 浄水システム
CN110304361A (zh) * 2018-03-27 2019-10-08 中国石油天然气股份有限公司 液体容器

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