JPH10323671A - 脱酸素装置 - Google Patents
脱酸素装置Info
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- JPH10323671A JPH10323671A JP6584198A JP6584198A JPH10323671A JP H10323671 A JPH10323671 A JP H10323671A JP 6584198 A JP6584198 A JP 6584198A JP 6584198 A JP6584198 A JP 6584198A JP H10323671 A JPH10323671 A JP H10323671A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 導電率が小さな水道水あるいはイオン交換水
を対象とし、脱酸素効率がよく、かつ継続的に機能する
脱酸素装置を得る。 【解決手段】 水の流入および流出する入口3aおよび
出口3bと蓋2を有する容器1内に、酸化還元電位が酸
素よりも卑な金属Aと金属Aよりも貴な金属Bを対向さ
せ、かつ金属Aと金属Bとを電気的に接続する水と接し
ない接続部を有する異種金属対18を備えた脱酸素装置
とする。
を対象とし、脱酸素効率がよく、かつ継続的に機能する
脱酸素装置を得る。 【解決手段】 水の流入および流出する入口3aおよび
出口3bと蓋2を有する容器1内に、酸化還元電位が酸
素よりも卑な金属Aと金属Aよりも貴な金属Bを対向さ
せ、かつ金属Aと金属Bとを電気的に接続する水と接し
ない接続部を有する異種金属対18を備えた脱酸素装置
とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気機器の冷却器
や空調機等、冷却水が使用される技術分野に関する。さ
らに具体的には、水冷式ヒートポンプ、ファンコイルユ
ニット、エアハンドリングユニット等の空調機、また、
サイリスタ、インバータ等の電力変換器、さらには、半
導体製造用の超純水製造装置等を対象とし、これらに使
用される冷却水によって金属部品が腐食するのを防止す
るために、水中の溶存酸素を除去する脱酸素装置に関す
る。
や空調機等、冷却水が使用される技術分野に関する。さ
らに具体的には、水冷式ヒートポンプ、ファンコイルユ
ニット、エアハンドリングユニット等の空調機、また、
サイリスタ、インバータ等の電力変換器、さらには、半
導体製造用の超純水製造装置等を対象とし、これらに使
用される冷却水によって金属部品が腐食するのを防止す
るために、水中の溶存酸素を除去する脱酸素装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、電気化学反応を利用した脱酸
素装置は存在する。例えば、特開昭52−23568号
公報には、入口と出口を持ち、水の流れを可能としたケ
ーシング内に、マグネシウムよりイオン化傾向の小なる
金属からなる金網間に塊状のマグネシウムを、上記金網
と接するごとく内装したことを特徴とする脱酸素装置が
記載されている。
素装置は存在する。例えば、特開昭52−23568号
公報には、入口と出口を持ち、水の流れを可能としたケ
ーシング内に、マグネシウムよりイオン化傾向の小なる
金属からなる金網間に塊状のマグネシウムを、上記金網
と接するごとく内装したことを特徴とする脱酸素装置が
記載されている。
【0003】図20は、特開昭52−23568号公報
に開示された従来の脱酸素装置の断面図である。図にお
いて、1は容器であり、その両端にはフランジ11、1
2を取り付けている。2は、フランジ11、12にパッ
キン13、14を介してボルト、ナット4により固定す
る蓋であり、これら蓋2、2の中心部には容器1の内部
より小径な所定長さの筒型継手を取り付け、入口および
出口3をを形成している。容器1内には、鉄などの金網
5、金網5を保持する固定棒、マグネシウム塊7、取り
付け棒9を介して固定された抵抗板8を備える。
に開示された従来の脱酸素装置の断面図である。図にお
いて、1は容器であり、その両端にはフランジ11、1
2を取り付けている。2は、フランジ11、12にパッ
キン13、14を介してボルト、ナット4により固定す
る蓋であり、これら蓋2、2の中心部には容器1の内部
より小径な所定長さの筒型継手を取り付け、入口および
出口3をを形成している。容器1内には、鉄などの金網
5、金網5を保持する固定棒、マグネシウム塊7、取り
付け棒9を介して固定された抵抗板8を備える。
【0004】次に、この脱酸素装置の動作について説明
する。水が入口3より容器1に流入し、マグネシウム塊
7と金網5の積層部を通過する際に、酸素は金網表面で
電子を取り込み、水と反応して水酸イオンが生成すると
同時に、マグネシウム塊表面でマグネシウムがイオン化
し、電子を放出する。この電気化学反応の結果、以下の
式で表されるように水酸化マグネシウムが生成し、水中
の溶存酸素は除去される。 (カソード反応)1/2O2+H2O+2e-→2OH- (アノード反応)Mg→Mg2++2e- (全反応) Mg+1/2O2+H2O→Mg(OH)2 上記のカソード反応は、マグネシウム表面でも起こりう
るが、マグネシウムと黄銅製の金網との接触による電池
作用により、全反応を円滑に進むようにしている。
する。水が入口3より容器1に流入し、マグネシウム塊
7と金網5の積層部を通過する際に、酸素は金網表面で
電子を取り込み、水と反応して水酸イオンが生成すると
同時に、マグネシウム塊表面でマグネシウムがイオン化
し、電子を放出する。この電気化学反応の結果、以下の
式で表されるように水酸化マグネシウムが生成し、水中
の溶存酸素は除去される。 (カソード反応)1/2O2+H2O+2e-→2OH- (アノード反応)Mg→Mg2++2e- (全反応) Mg+1/2O2+H2O→Mg(OH)2 上記のカソード反応は、マグネシウム表面でも起こりう
るが、マグネシウムと黄銅製の金網との接触による電池
作用により、全反応を円滑に進むようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のような脱酸素装
置では、金網と接触するマグネシウム塊が溶解すると、
金網とマグネシウム塊の接触が悪くなり、異種金属接触
による脱酸素促進作用がなくなる。また、電気抵抗の大
きな水、例えば水道水あるいはイオン交換水などの溶存
酸素を除去しようとする場合、脱酸素促進作用が十分現
れない、脱酸素効率が低下する等の問題点があった。
置では、金網と接触するマグネシウム塊が溶解すると、
金網とマグネシウム塊の接触が悪くなり、異種金属接触
による脱酸素促進作用がなくなる。また、電気抵抗の大
きな水、例えば水道水あるいはイオン交換水などの溶存
酸素を除去しようとする場合、脱酸素促進作用が十分現
れない、脱酸素効率が低下する等の問題点があった。
【0006】本発明は、電気抵抗の大きな水道水、イオ
ン交換水等を対象とし、上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、脱酸素反応を促進し、強力に酸
素が除去できるとともに、脱酸素効率が低下しない脱酸
素装置を提供することを目的としている。
ン交換水等を対象とし、上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、脱酸素反応を促進し、強力に酸
素が除去できるとともに、脱酸素効率が低下しない脱酸
素装置を提供することを目的としている。
【0007】さらには、脱酸素能力自体は、マグネシウ
ム、亜鉛、アルミニウムよりもナトリウムやカリウムと
いったアルカリ金属の方が強力であるが、アルカリ金属
は空気中でも容易に酸化され、水中では爆発的に反応す
るなど、取り扱いが不便であり、また、これらの金属を
含有する合金を製造することも容易ではない。このた
め、本発明では、取り扱い、材料加工とも容易で、安価
に製作でき、しかもメンテナンスも容易な脱酸素装置を
提供することを目的としている。
ム、亜鉛、アルミニウムよりもナトリウムやカリウムと
いったアルカリ金属の方が強力であるが、アルカリ金属
は空気中でも容易に酸化され、水中では爆発的に反応す
るなど、取り扱いが不便であり、また、これらの金属を
含有する合金を製造することも容易ではない。このた
め、本発明では、取り扱い、材料加工とも容易で、安価
に製作でき、しかもメンテナンスも容易な脱酸素装置を
提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
水が流入および流出する入口および出口を有する容器、
この容器内に、酸化還元電位が酸素よりも卑である金属
Aの面と、この金属Aより貴な金属Bの面とを対向させ
てなり、かつ上記金属Aと金属Bとを水と接しない箇所
で電気的に接続する接続部を有する異種金属対を備え
た、脱酸素装置である。
水が流入および流出する入口および出口を有する容器、
この容器内に、酸化還元電位が酸素よりも卑である金属
Aの面と、この金属Aより貴な金属Bの面とを対向させ
てなり、かつ上記金属Aと金属Bとを水と接しない箇所
で電気的に接続する接続部を有する異種金属対を備え
た、脱酸素装置である。
【0009】請求項2に係る発明は、請求項1記載の脱
酸素装置において、金属Aと金属Bとの間に所定の間隙
が設けられているものである。
酸素装置において、金属Aと金属Bとの間に所定の間隙
が設けられているものである。
【0010】請求項3に係る発明は、請求項2記載の脱
酸素装置において、所定の間隔が100mm以下である
ものである。
酸素装置において、所定の間隔が100mm以下である
ものである。
【0011】請求項4に係る発明は、請求項2記載の脱
酸素装置において、金属Aおよび金属Bが板状であるも
のである。
酸素装置において、金属Aおよび金属Bが板状であるも
のである。
【0012】請求項5に係る発明は、請求項1ないし4
のいずれかに記載の脱酸素装置において、異種金属対に
穴があけられているものである。
のいずれかに記載の脱酸素装置において、異種金属対に
穴があけられているものである。
【0013】請求項6に係る発明は、請求項1記載の脱
酸素装置において、異種金属対は、金属Aおよび金属B
の面が接触し、この接触部の端面が形成されているもの
である。
酸素装置において、異種金属対は、金属Aおよび金属B
の面が接触し、この接触部の端面が形成されているもの
である。
【0014】請求項7に係る発明は、請求項6記載の脱
酸素装置において、異種金属対が、鋼からなる金属Bに
亜鉛からなる金属Aをめっきした亜鉛めっき鋼を用いて
形成されているものである。
酸素装置において、異種金属対が、鋼からなる金属Bに
亜鉛からなる金属Aをめっきした亜鉛めっき鋼を用いて
形成されているものである。
【0015】請求項8に係る発明は、請求項7記載の脱
酸素装置において、亜鉛めっき鋼が板状であるものであ
る。
酸素装置において、亜鉛めっき鋼が板状であるものであ
る。
【0016】請求項9に係る発明は、請求項7記載の脱
酸素装置において、亜鉛めっき鋼がパイプ状であるもの
である。
酸素装置において、亜鉛めっき鋼がパイプ状であるもの
である。
【0017】請求項10に係る発明は、請求項6ないし
9のいずれかに記載の脱酸素装置において、異種金属対
が複数の小片に分割されているものである。
9のいずれかに記載の脱酸素装置において、異種金属対
が複数の小片に分割されているものである。
【0018】請求項11に係る発明は、請求項6ないし
10のいずれかに記載の脱酸素装置において、異種金属
対に穴があけられているものである。
10のいずれかに記載の脱酸素装置において、異種金属
対に穴があけられているものである。
【0019】請求項12に係る発明は、請求項6ないし
11のいずれかに記載の脱酸素装置において、端面の長
さの合計をLmm、金属Aと金属Bの体積の合計をVm
m3としたときに、L/Vが0.1以上であるものであ
る。
11のいずれかに記載の脱酸素装置において、端面の長
さの合計をLmm、金属Aと金属Bの体積の合計をVm
m3としたときに、L/Vが0.1以上であるものであ
る。
【0020】請求項13に係る発明は、請求項1記載の
脱酸素装置において、異種金属対の金属Aにマグネシウ
ムを用いたものである。
脱酸素装置において、異種金属対の金属Aにマグネシウ
ムを用いたものである。
【0021】請求項14に係る発明は、請求項13記載
の脱酸素装置において、マグネシムからなる金属Aに金
属Bからなるカソードを電気的に接続したものである。
の脱酸素装置において、マグネシムからなる金属Aに金
属Bからなるカソードを電気的に接続したものである。
【0022】請求項15に係る発明は、請求項14記載
の脱酸素装置において、カソードが容器であるものであ
る。
の脱酸素装置において、カソードが容器であるものであ
る。
【0023】請求項16に係る発明は、請求項1記載の
脱酸素装置において、容器が大気に開放され、水面に大
気を遮蔽する空気遮蔽板が設けられるものである。
脱酸素装置において、容器が大気に開放され、水面に大
気を遮蔽する空気遮蔽板が設けられるものである。
【0024】請求項17に係る発明は、請求項1記載の
脱酸素装置において、撹拌機構を備えたことを特徴とす
る請求項1記載の脱酸素装置。
脱酸素装置において、撹拌機構を備えたことを特徴とす
る請求項1記載の脱酸素装置。
【0025】請求項18に係る発明は、請求項1記載の
脱酸素装置において、水が流出する出口にイオン交換器
を備えものである。
脱酸素装置において、水が流出する出口にイオン交換器
を備えものである。
【0026】請求項19に係る発明は、請求項1記載の
脱酸素装置において、水が流出する出口側に水に溶出し
た金属の結晶核となる金属塩を充填したろ過器を備えた
ものである。
脱酸素装置において、水が流出する出口側に水に溶出し
た金属の結晶核となる金属塩を充填したろ過器を備えた
ものである。
【0027】請求項20に係る発明は、請求項1記載の
脱酸素装置において、水が流入する入口側に、塊状の石
膏を充填した容器を備えたものである。
脱酸素装置において、水が流入する入口側に、塊状の石
膏を充填した容器を備えたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】図を用いて、この発明の実施の形
態を説明する。酸化還元電位が酸素より卑な金属、例え
ばマグネシウムを溶存酸素を含む水中に浸漬すると、以
下のアノード反応とカソード反応によりマグネシウムの
溶解と溶存酸素の還元が起こる。 アノード反応:Mg→Mg2++2e- カソード反応:O2+2H2O+4e-→4OH- アノード反応によって生じた電子は必ずカソード反応に
よって消費され、電子の過不足は生じないように平衡を
保ちながら進行する。結果として、物質の変化は次式の
ような全反応として表される。 全反応:2Mg+O2+2H2O→2Mg2++4OH-→
2Mg(OH)2 このような電気化学反応により溶存酸素は消費されるた
め、その結果、水の腐食性は弱まる。しかし、この場
合、アノード反応とカソード反応が同一場所で起こるた
め、全体の反応の速度はあまり大きくない。また、マグ
ネシウム表面上におけるMg2+イオンとOH-イオンの
濃度が高くなると水酸化マグネシウムMg(OH)2の
沈殿を生じ、これが反応の進行を妨害する。
態を説明する。酸化還元電位が酸素より卑な金属、例え
ばマグネシウムを溶存酸素を含む水中に浸漬すると、以
下のアノード反応とカソード反応によりマグネシウムの
溶解と溶存酸素の還元が起こる。 アノード反応:Mg→Mg2++2e- カソード反応:O2+2H2O+4e-→4OH- アノード反応によって生じた電子は必ずカソード反応に
よって消費され、電子の過不足は生じないように平衡を
保ちながら進行する。結果として、物質の変化は次式の
ような全反応として表される。 全反応:2Mg+O2+2H2O→2Mg2++4OH-→
2Mg(OH)2 このような電気化学反応により溶存酸素は消費されるた
め、その結果、水の腐食性は弱まる。しかし、この場
合、アノード反応とカソード反応が同一場所で起こるた
め、全体の反応の速度はあまり大きくない。また、マグ
ネシウム表面上におけるMg2+イオンとOH-イオンの
濃度が高くなると水酸化マグネシウムMg(OH)2の
沈殿を生じ、これが反応の進行を妨害する。
【0029】次に、酸化還元電位が酸素より卑な金属、
例えばマグネシウムと、これより貴な金属、例えば鉄と
を接触させて水中に浸漬した場合を考える。この場合、
マグネシウム表面ではアノード反応のみが起こり、生じ
た電子は鉄に移動し、鉄表面ではカソード反応のみが起
こるようになる。すると、マグネシウム単独で浸漬させ
た場合より、反応速度は大きくなり、また、水酸化マグ
ネシウムの沈殿をつくりにくいので、反応速度の低下が
起こりにくい。
例えばマグネシウムと、これより貴な金属、例えば鉄と
を接触させて水中に浸漬した場合を考える。この場合、
マグネシウム表面ではアノード反応のみが起こり、生じ
た電子は鉄に移動し、鉄表面ではカソード反応のみが起
こるようになる。すると、マグネシウム単独で浸漬させ
た場合より、反応速度は大きくなり、また、水酸化マグ
ネシウムの沈殿をつくりにくいので、反応速度の低下が
起こりにくい。
【0030】図21は、上の電気化学反応と水の導電率
との関係を説明する断面図である。図21(a)は、酸
化還元電位が酸素より卑な金属A20の板と、金属A2
0より貴な金属B21の板とを接触させた異種金属対1
8を示すものである。
との関係を説明する断面図である。図21(a)は、酸
化還元電位が酸素より卑な金属A20の板と、金属A2
0より貴な金属B21の板とを接触させた異種金属対1
8を示すものである。
【0031】図21(b)および(c)に示すように、
金属A20は溶解(酸化)し、金属B上で酸素の還元反
応が起こり、流水中では沈澱が生じにくい。しかし、金
属Aの溶解が進行すると金属A20と金属B21の対が
壊れ、金属A20上に前述のように沈澱が生じ脱酸素効
率が低下する。
金属A20は溶解(酸化)し、金属B上で酸素の還元反
応が起こり、流水中では沈澱が生じにくい。しかし、金
属Aの溶解が進行すると金属A20と金属B21の対が
壊れ、金属A20上に前述のように沈澱が生じ脱酸素効
率が低下する。
【0032】また、水の導電率が水道水あるいはイオン
交換水のように小さい場合、金属A20と金属B21が
接する極近傍で、溶存酸素の還元が起こる。従って、金
属A20と金属B21とが対向する長さ(紙面に垂直方
向)が長いほど、脱酸素効率が向上する。
交換水のように小さい場合、金属A20と金属B21が
接する極近傍で、溶存酸素の還元が起こる。従って、金
属A20と金属B21とが対向する長さ(紙面に垂直方
向)が長いほど、脱酸素効率が向上する。
【0033】さらに、水道水のようにイオン交換水より
も導電率の高い水に浸漬した場合、図21(b)のよう
に、接触部からかなり離れたところまで電流回路を形成
し、溶存酸素を除去するために利用されうるマグネシウ
ムの量は多い。ところが、イオン交換水のように導電率
の小さい水に異種金属対を浸漬させた場合には、図21
(c)のように、接触部近傍しか電流回路を形成せず、
利用されうるマグネシウムの量は少ない。すなわち、水
の導電率と金属A20と金属B21との間隔が脱酸素効
率に影響する。
も導電率の高い水に浸漬した場合、図21(b)のよう
に、接触部からかなり離れたところまで電流回路を形成
し、溶存酸素を除去するために利用されうるマグネシウ
ムの量は多い。ところが、イオン交換水のように導電率
の小さい水に異種金属対を浸漬させた場合には、図21
(c)のように、接触部近傍しか電流回路を形成せず、
利用されうるマグネシウムの量は少ない。すなわち、水
の導電率と金属A20と金属B21との間隔が脱酸素効
率に影響する。
【0034】本発明による脱酸素装置では、異種金属対
を形成し、自発的に起こる電気化学反応を継続的、かつ
安定に利用して脱酸素を促進しようとするものであり、
その手段として、金属A20および金属B21を対向す
るように配置し、水と接しない部分に上記金属A20と
金属B21を電気的に接続する接続部を有する異種金属
対を用いるものである。
を形成し、自発的に起こる電気化学反応を継続的、かつ
安定に利用して脱酸素を促進しようとするものであり、
その手段として、金属A20および金属B21を対向す
るように配置し、水と接しない部分に上記金属A20と
金属B21を電気的に接続する接続部を有する異種金属
対を用いるものである。
【0035】図1は、本発明の脱酸素装置の断面図であ
る。1は容器で、その上部には蓋2を備え、密閉できる
構造になっており、下部に水の入口3aを、上部には水
の出口3bを備えている。さらに、入口3aおよび出口
3bにはそれぞれバルブ15および16を取り付け、容
器1内の水を流さずに保持できるようにしている。容器
1内には、支持枠17と、支持枠17に支持された金属
Aと金属Bを電気的に接続した複数の異種金属対18が
収納されている。19は、蓋2に取り付けられた溶存酸
素検出素子で、図示しない溶存酸素計に接続して水の溶
存酸素を測定する。
る。1は容器で、その上部には蓋2を備え、密閉できる
構造になっており、下部に水の入口3aを、上部には水
の出口3bを備えている。さらに、入口3aおよび出口
3bにはそれぞれバルブ15および16を取り付け、容
器1内の水を流さずに保持できるようにしている。容器
1内には、支持枠17と、支持枠17に支持された金属
Aと金属Bを電気的に接続した複数の異種金属対18が
収納されている。19は、蓋2に取り付けられた溶存酸
素検出素子で、図示しない溶存酸素計に接続して水の溶
存酸素を測定する。
【0036】金属Aは酸化還元電位が酸素よりも卑であ
り、金属Bは金属Aより貴である。異種金属対18は、
図2または図3に示すように、金属A20と金属B21
を対向させてなり、かつ両者を水と接しない箇所で電気
的に接続する接続部を有する。
り、金属Bは金属Aより貴である。異種金属対18は、
図2または図3に示すように、金属A20と金属B21
を対向させてなり、かつ両者を水と接しない箇所で電気
的に接続する接続部を有する。
【0037】金属Aと金属Bを対向させた異種金属対1
8とすることによって対向部(反応部)を長くすること
ができ、しかも両者を水と接しない箇所で電気的に接続
する接続部を有するので、金属Aが溶解しても継続的に
異種金属対18の機能を保つことができる。
8とすることによって対向部(反応部)を長くすること
ができ、しかも両者を水と接しない箇所で電気的に接続
する接続部を有するので、金属Aが溶解しても継続的に
異種金属対18の機能を保つことができる。
【0038】例えば、異種金属対18として、図2の側
面図(a)およびA−A断面図(b)に示すように薄板
状の金属A20および金属B21を重ね合わせて、接触
した構造とする。異種金属対18の酸化還元反応は、端
面で起こり金属A20の溶解が端面から進行するが、異
種金属対18の内部は水と接触しないので金属Aが全て
溶解するまで継続的に機能する。また、異種金属対18
の作製を容易ならしめ、加えて脱酸素装置の構造を簡易
型とすることができる。両者を接触させる方法として
は、機械的に接触させる方法、圧延により圧着する方法
等がある。また、金属B21上に金属A20の薄膜をめ
っき、蒸着、スパッタリング等の方法により形成したも
のを用いてもよい。
面図(a)およびA−A断面図(b)に示すように薄板
状の金属A20および金属B21を重ね合わせて、接触
した構造とする。異種金属対18の酸化還元反応は、端
面で起こり金属A20の溶解が端面から進行するが、異
種金属対18の内部は水と接触しないので金属Aが全て
溶解するまで継続的に機能する。また、異種金属対18
の作製を容易ならしめ、加えて脱酸素装置の構造を簡易
型とすることができる。両者を接触させる方法として
は、機械的に接触させる方法、圧延により圧着する方法
等がある。また、金属B21上に金属A20の薄膜をめ
っき、蒸着、スパッタリング等の方法により形成したも
のを用いてもよい。
【0039】この異種金属対18の具体的な例として、
鋼からなる金属Bに亜鉛からなる金属Aをめっきした亜
鉛めっき鋼を用いることができる。この亜鉛めっき鋼
は、構造物等に使用されるものを用いることができ、容
易に入手できる汎用性のあるものである。
鋼からなる金属Bに亜鉛からなる金属Aをめっきした亜
鉛めっき鋼を用いることができる。この亜鉛めっき鋼
は、構造物等に使用されるものを用いることができ、容
易に入手できる汎用性のあるものである。
【0040】特に、亜鉛めっき鋼板のように、亜鉛めっ
き鋼が板状であるものを用い、図1に示したように、こ
の亜鉛めっき鋼板を所定の間隔で多量積層することによ
って酸化還元反応の面積を大きくし脱酸素効率を向上す
ることができる。
き鋼が板状であるものを用い、図1に示したように、こ
の亜鉛めっき鋼板を所定の間隔で多量積層することによ
って酸化還元反応の面積を大きくし脱酸素効率を向上す
ることができる。
【0041】また、亜鉛めっき鋼管のように、亜鉛めっ
き鋼がパイプ状であるものを用いることによって、支持
枠17を必要とせず、流水抵抗が比較的少なく、酸化還
元反応の反応面と流水との効率的な接触が行われ、効率
の良い脱酸素ができる。
き鋼がパイプ状であるものを用いることによって、支持
枠17を必要とせず、流水抵抗が比較的少なく、酸化還
元反応の反応面と流水との効率的な接触が行われ、効率
の良い脱酸素ができる。
【0042】また、亜鉛めっき鋼を複数の小片に分割す
ることによって、酸化還元反応の反応面を大きくし、脱
酸素の効率を向上することができる。特に、亜鉛めっき
鋼板あるいは亜鉛めっき鋼管を用いた場合は、この効果
が大きく、さらにスクラップを利用できるので経済的で
ある。
ることによって、酸化還元反応の反応面を大きくし、脱
酸素の効率を向上することができる。特に、亜鉛めっき
鋼板あるいは亜鉛めっき鋼管を用いた場合は、この効果
が大きく、さらにスクラップを利用できるので経済的で
ある。
【0043】また、図4および図5に示すように、亜鉛
めっき鋼板あるいは亜鉛めっき鋼管のような亜鉛めっき
鋼からなる異種金属対18に穴25を設けることによっ
て、同一体積の異種金属対18でも、金属A20と金属
B21の対向する反応部の長さを長くすることができ、
脱酸素効率が向上する。
めっき鋼板あるいは亜鉛めっき鋼管のような亜鉛めっき
鋼からなる異種金属対18に穴25を設けることによっ
て、同一体積の異種金属対18でも、金属A20と金属
B21の対向する反応部の長さを長くすることができ、
脱酸素効率が向上する。
【0044】図2に示したような金属A20および金属
B21が接触した構造の異種金属対18においては、端
面が反応に寄与し、端面の長さ(2L+2W)mmと異
種金属対の体積(L×W×(t1+t2))mm3との
比を0.1以上とすることによって脱酸素効率を向上す
る上で好ましい。
B21が接触した構造の異種金属対18においては、端
面が反応に寄与し、端面の長さ(2L+2W)mmと異
種金属対の体積(L×W×(t1+t2))mm3との
比を0.1以上とすることによって脱酸素効率を向上す
る上で好ましい。
【0045】上記実施の形態では、金属Aに亜鉛を用い
た場合を示したが、図6に示すように、異種金属対18
として、金属A20に、亜鉛よりもイオン化傾向の大き
なマグネシウムを使用することにより、簡易で高性能な
脱酸素装置が構成できる。例えば、鋼を芯金とし、この
芯金の周囲にマグネシウムを鋳造で鋳込んだ電気防食用
マグネシウムを使用し、鉄製の容器にこの電気防食用マ
グネシウムを取り付ける。この場合、鉄製の容器がカソ
ードとして作用する。
た場合を示したが、図6に示すように、異種金属対18
として、金属A20に、亜鉛よりもイオン化傾向の大き
なマグネシウムを使用することにより、簡易で高性能な
脱酸素装置が構成できる。例えば、鋼を芯金とし、この
芯金の周囲にマグネシウムを鋳造で鋳込んだ電気防食用
マグネシウムを使用し、鉄製の容器にこの電気防食用マ
グネシウムを取り付ける。この場合、鉄製の容器がカソ
ードとして作用する。
【0046】容器が鉄製でない場合には、図7に示すよ
うに、上記電気防食用マグネシムの芯金にマグネシウム
より貴な、例えば鉄製のカソード21aを電気的に接続
したものを使用することによって脱酸素効率を向上させ
ることができる。
うに、上記電気防食用マグネシムの芯金にマグネシウム
より貴な、例えば鉄製のカソード21aを電気的に接続
したものを使用することによって脱酸素効率を向上させ
ることができる。
【0047】薄板状の金属Aと金属Bとを重ね合わせた
構造を持つ材料として、上記亜鉛めっき鋼板などのめっ
き鋼板の他、アルミニウム−鉄などのクラッド鋼板は非
常に安価に入手できることから好適であるが、これらに
限定されるものではなく、上記のように金属Bより卑な
金属Aとの組み合わせのものであればよい。
構造を持つ材料として、上記亜鉛めっき鋼板などのめっ
き鋼板の他、アルミニウム−鉄などのクラッド鋼板は非
常に安価に入手できることから好適であるが、これらに
限定されるものではなく、上記のように金属Bより卑な
金属Aとの組み合わせのものであればよい。
【0048】上記実施の形態は、金属Aと金属Bとが接
触した異種金属対18を示したが、図3の側面図(a)
およびA−A断面図(b)に示したように金属A20と
金属B21を所定の間隔で対向させ、両者を接続導体2
2により電気的に接続したものをプラスチック枠23に
保持し、絶縁性樹脂などの絶縁物24で接続導体22を
外水と絶縁するようにしたものでもよい。この場合、異
種金属対18に穴を設け、反応部の長さを長くすること
によって、脱酸素効率を向上することができる効果が得
られる。
触した異種金属対18を示したが、図3の側面図(a)
およびA−A断面図(b)に示したように金属A20と
金属B21を所定の間隔で対向させ、両者を接続導体2
2により電気的に接続したものをプラスチック枠23に
保持し、絶縁性樹脂などの絶縁物24で接続導体22を
外水と絶縁するようにしたものでもよい。この場合、異
種金属対18に穴を設け、反応部の長さを長くすること
によって、脱酸素効率を向上することができる効果が得
られる。
【0049】また、この場合、金属A20と金属B21
の対向間隔lが100mm以下になるように配置するこ
とにより、導電率が100μS/cm程度と小さな補給
水(溶存酸素濃度8ppm)の脱酸素(溶存酸素濃度1
ppm)を10時間(1サイクル)以内で行うことがで
きる。
の対向間隔lが100mm以下になるように配置するこ
とにより、導電率が100μS/cm程度と小さな補給
水(溶存酸素濃度8ppm)の脱酸素(溶存酸素濃度1
ppm)を10時間(1サイクル)以内で行うことがで
きる。
【0050】金属Aとして使用可能な材料として、マグ
ネシウム、アルミニウム、亜鉛、およびこれらの金属を
含有する合金が利用できる。
ネシウム、アルミニウム、亜鉛、およびこれらの金属を
含有する合金が利用できる。
【0051】また、金属Bとして用いられる材料は、基
本的には金属Aより貴な金属であれば使用できる。具体
的には金、白金、銀等の貴金属類、銅、ニッケル、クロ
ム、鉄等の遷移金属類、およびこれらを含む合金は好適
である。もちろん、金属Aとして例えばマグネシウムを
用いる場合、金属Bとしてはアルミニウムや亜鉛等も使
用できる。ただし、溶存酸素の還元反応を円滑に起こさ
せるという意味では、水中で容易に溶出してしまう金属
よりも不溶性の金属の方が望ましく、また、表面に絶縁
性の皮膜を形成しにくい金属であることが望ましい。
本的には金属Aより貴な金属であれば使用できる。具体
的には金、白金、銀等の貴金属類、銅、ニッケル、クロ
ム、鉄等の遷移金属類、およびこれらを含む合金は好適
である。もちろん、金属Aとして例えばマグネシウムを
用いる場合、金属Bとしてはアルミニウムや亜鉛等も使
用できる。ただし、溶存酸素の還元反応を円滑に起こさ
せるという意味では、水中で容易に溶出してしまう金属
よりも不溶性の金属の方が望ましく、また、表面に絶縁
性の皮膜を形成しにくい金属であることが望ましい。
【0052】金属A20の板と金属B21の板を直接は
接触させず、対向して配置した異種金属対18を形成す
る場合には、容器1内の水を流さずに脱酸素を行なう
と、2枚の金属板20、21の間に停滞した水が容器1
内に拡散するのに時間を要するという問題を生ずる。こ
のような使用法にも対応できるように、水を撹拌するた
めの撹拌機構を備えることによって脱酸素の効率を向上
させることができる。撹拌の方法は特に限定しないが、
例えば機械的なプロペラを用いる方法や磁気式回転子を
使用する方法が挙げられる。
接触させず、対向して配置した異種金属対18を形成す
る場合には、容器1内の水を流さずに脱酸素を行なう
と、2枚の金属板20、21の間に停滞した水が容器1
内に拡散するのに時間を要するという問題を生ずる。こ
のような使用法にも対応できるように、水を撹拌するた
めの撹拌機構を備えることによって脱酸素の効率を向上
させることができる。撹拌の方法は特に限定しないが、
例えば機械的なプロペラを用いる方法や磁気式回転子を
使用する方法が挙げられる。
【0053】自発的に起こる電気化学反応、すなわち、
金属Aの溶解反応と、金属B表面上での溶存酸素の還元
反応を利用して脱酸素を行うと、必ず金属Aのイオンが
溶出する。図1に示した脱酸素装置の出口3b側にイオ
ン交換器を設けることによって、脱イオンを行い水の導
電率を低くすることができる。水の導電率を低くするこ
とによって、例えば、水中への漏れ電流を抑える、ある
いは半導体製造装置等におけるイオンのコンタミネーシ
ョンを防止するなどの目的に対応することができる。
金属Aの溶解反応と、金属B表面上での溶存酸素の還元
反応を利用して脱酸素を行うと、必ず金属Aのイオンが
溶出する。図1に示した脱酸素装置の出口3b側にイオ
ン交換器を設けることによって、脱イオンを行い水の導
電率を低くすることができる。水の導電率を低くするこ
とによって、例えば、水中への漏れ電流を抑える、ある
いは半導体製造装置等におけるイオンのコンタミネーシ
ョンを防止するなどの目的に対応することができる。
【0054】また、溶出した金属Aのイオンは水酸化
物、炭酸塩として沈澱物になる。酸素が継続して混入す
る水循環系では、上記沈澱物が固形浮遊物として循環
し、循環経路の閉塞あるいは腐食といった問題を引き起
こす場合がある。そこで、脱酸素装置の流水の出口側
に、ろ過器を設ける。この、ろ過器に水に対する溶解度
の小さな、例えば炭酸亜鉛、炭酸マグネシウムなどの結
晶を充填しておくことによって、この結晶を核としてイ
オン化した金属を析出させることができ、流水中の固形
浮遊物の量を低減することができる。
物、炭酸塩として沈澱物になる。酸素が継続して混入す
る水循環系では、上記沈澱物が固形浮遊物として循環
し、循環経路の閉塞あるいは腐食といった問題を引き起
こす場合がある。そこで、脱酸素装置の流水の出口側
に、ろ過器を設ける。この、ろ過器に水に対する溶解度
の小さな、例えば炭酸亜鉛、炭酸マグネシウムなどの結
晶を充填しておくことによって、この結晶を核としてイ
オン化した金属を析出させることができ、流水中の固形
浮遊物の量を低減することができる。
【0055】また、水質によっては、異種金属対の金属
が不動態化し、酸化還元反応が妨害されることがある。
特に、炭酸イオンが多い水では、鉄と亜鉛の酸化還元電
位が逆転するといわれている。この場合、脱酸素装置の
流水の入り口側に塊状または粒状の石膏を充填した処理
容器を設け、この処理容器内を通して脱酸素装置に通水
することにより、亜鉛の不動態化を防止することができ
る。
が不動態化し、酸化還元反応が妨害されることがある。
特に、炭酸イオンが多い水では、鉄と亜鉛の酸化還元電
位が逆転するといわれている。この場合、脱酸素装置の
流水の入り口側に塊状または粒状の石膏を充填した処理
容器を設け、この処理容器内を通して脱酸素装置に通水
することにより、亜鉛の不動態化を防止することができ
る。
【0056】また、脱酸素装置の容器が大気に解放され
ている場合には、容器内の水面を大気から遮蔽する遮蔽
板を設けることによって、大気からの酸素の混入を少な
くすることができる。この遮蔽板は水面の上下に追随で
きるように、発泡スチロールのような水より比重が小さ
いものを使用する。
ている場合には、容器内の水面を大気から遮蔽する遮蔽
板を設けることによって、大気からの酸素の混入を少な
くすることができる。この遮蔽板は水面の上下に追随で
きるように、発泡スチロールのような水より比重が小さ
いものを使用する。
【0057】
【実施例】以下、図を用いてこの発明の実施例を詳しく
説明する。まず、異種金属対の酸素除去効果を評価する
ために行なった実験の方法について説明する。図1に示
した容器1は内容積1リットルのプラスチック製容器と
した。評価すべき異種金属対18の接合端面、対向面な
ど必要な部分はエメリー紙を用いて400番まで研磨
し、不要な部分は樹脂コーティングを施し、接合端面の
長さおよび面積、対向面の面積を規制した。この異種金
属対18を支持枠17に支持し、容器1内に設置し蓋2
で密閉した後、容器1内に水道水を満たし、バルブ15
および16を閉じ、溶存酸素検出素子19に接続した図
示しない溶存酸素計により容器内の水道水の溶存酸素濃
度の変化を追跡した。
説明する。まず、異種金属対の酸素除去効果を評価する
ために行なった実験の方法について説明する。図1に示
した容器1は内容積1リットルのプラスチック製容器と
した。評価すべき異種金属対18の接合端面、対向面な
ど必要な部分はエメリー紙を用いて400番まで研磨
し、不要な部分は樹脂コーティングを施し、接合端面の
長さおよび面積、対向面の面積を規制した。この異種金
属対18を支持枠17に支持し、容器1内に設置し蓋2
で密閉した後、容器1内に水道水を満たし、バルブ15
および16を閉じ、溶存酸素検出素子19に接続した図
示しない溶存酸素計により容器内の水道水の溶存酸素濃
度の変化を追跡した。
【0058】実施例1〜6.異種金属対18として溶融
亜鉛めっき鋼板を用いた。図8に示すように、厚さt2
=1mmの鋼板(金属B)の片面にt1=50μmの厚
さの溶融亜鉛めっき(金属A)を施した厚さ1mmの亜
鉛めっき鋼板を、長さL1=100mmと一定にし、幅
Wを6種類に変化させた。Wの値は、0.5mm、1m
m、2mm、10mm、20mm、100mmとした。
本実施例において使用する亜鉛めっき鋼板の体積が等し
くなるように、使用する枚数は(100mm/W)枚と
した。各異種金属対18の端面のうち短辺2ヶ所は電気
化学反応が起こらないように樹脂コーティング26を施
し、長辺2ヶ所はエメリー紙でバリがなくなるように研
磨した。これら異種金属対18を、支持枠17上に並
べ、前述のように容器1内に水道水を満たした後、バル
ブ15および16を閉じ、溶存酸素検出素子19により
容器1内の水道水の溶存酸素濃度の変化を追跡した。
亜鉛めっき鋼板を用いた。図8に示すように、厚さt2
=1mmの鋼板(金属B)の片面にt1=50μmの厚
さの溶融亜鉛めっき(金属A)を施した厚さ1mmの亜
鉛めっき鋼板を、長さL1=100mmと一定にし、幅
Wを6種類に変化させた。Wの値は、0.5mm、1m
m、2mm、10mm、20mm、100mmとした。
本実施例において使用する亜鉛めっき鋼板の体積が等し
くなるように、使用する枚数は(100mm/W)枚と
した。各異種金属対18の端面のうち短辺2ヶ所は電気
化学反応が起こらないように樹脂コーティング26を施
し、長辺2ヶ所はエメリー紙でバリがなくなるように研
磨した。これら異種金属対18を、支持枠17上に並
べ、前述のように容器1内に水道水を満たした後、バル
ブ15および16を閉じ、溶存酸素検出素子19により
容器1内の水道水の溶存酸素濃度の変化を追跡した。
【0059】図9はその結果を示す図である。これらの
実施例では、異種金属対18として亜鉛めっき鋼板を用
いたが、使用した鋼板の量、言い換えれば体積が同一で
あったにもかかわらず、溶存酸素濃度の経時変化には違
いが現れた。幅W=100mmの鋼板1枚より幅W=2
0mmの鋼板5枚、さらに、幅W=10mmの鋼板10
枚を設置した方が脱酸素速度が大きくなった。すなわ
ち、接触部の電池作用で脱酸素反応が加速されているた
めと考えられ、端面(異種金属対の亜鉛と鋼板との対向
部)の長さが長いほど、脱酸素速度はより大きくなると
推測される。
実施例では、異種金属対18として亜鉛めっき鋼板を用
いたが、使用した鋼板の量、言い換えれば体積が同一で
あったにもかかわらず、溶存酸素濃度の経時変化には違
いが現れた。幅W=100mmの鋼板1枚より幅W=2
0mmの鋼板5枚、さらに、幅W=10mmの鋼板10
枚を設置した方が脱酸素速度が大きくなった。すなわ
ち、接触部の電池作用で脱酸素反応が加速されているた
めと考えられ、端面(異種金属対の亜鉛と鋼板との対向
部)の長さが長いほど、脱酸素速度はより大きくなると
推測される。
【0060】そこで、次のような指標を導入する。すな
わち、異種金属対18の反応に寄与する端面の長さをL
mmで、異種金属対18の全体積をVmm3で表し、L
/V(mm/mm3)を求める。例えば、実施例1で
は、L=200枚×2×100mm=40000mm、
V=10000mm3であり、L/V=4(mm/m
m3)となる。
わち、異種金属対18の反応に寄与する端面の長さをL
mmで、異種金属対18の全体積をVmm3で表し、L
/V(mm/mm3)を求める。例えば、実施例1で
は、L=200枚×2×100mm=40000mm、
V=10000mm3であり、L/V=4(mm/m
m3)となる。
【0061】また、空気飽和の状態における溶存酸素濃
度(8ppm)が1ppmに低下するまでの時間を脱酸
素時間と定義し、この値を、脱酸素能力を表す指標とし
て用いる。表1は、L/Vと脱酸素時間を示す。
度(8ppm)が1ppmに低下するまでの時間を脱酸
素時間と定義し、この値を、脱酸素能力を表す指標とし
て用いる。表1は、L/Vと脱酸素時間を示す。
【0062】
【表1】
【0063】図10は、表1のL/Vと脱酸素時間の関
係をしめしたものである。この結果からわかるように、
L/Vが大きいほど脱酸素時間は短くなる傾向を示し、
特に、0.1以上にすると脱酸素時間が短縮する効果が
大きいことがわかった。
係をしめしたものである。この結果からわかるように、
L/Vが大きいほど脱酸素時間は短くなる傾向を示し、
特に、0.1以上にすると脱酸素時間が短縮する効果が
大きいことがわかった。
【0064】L/Vを大きくするためには、できるだけ
金属A20と金属B21との接合部端面の長さを長くし
なければならない。そのためには、異種金属対18を小
さく切断する必要がある。したがって、加工に手間取る
ことになり、脱酸素装置内に設置するにも手間取る。ま
た、L/Vを大きくするために、異種金属対18を小さ
くすると脱酸素時間は小さくなるが、それだけ金属A2
0の消耗が早くなり、材料の交換が必要になってくる。
このような不都合を考えるとL/Vは4以下に抑えるこ
とが現実的であり、好ましい。
金属A20と金属B21との接合部端面の長さを長くし
なければならない。そのためには、異種金属対18を小
さく切断する必要がある。したがって、加工に手間取る
ことになり、脱酸素装置内に設置するにも手間取る。ま
た、L/Vを大きくするために、異種金属対18を小さ
くすると脱酸素時間は小さくなるが、それだけ金属A2
0の消耗が早くなり、材料の交換が必要になってくる。
このような不都合を考えるとL/Vは4以下に抑えるこ
とが現実的であり、好ましい。
【0065】実施例7.実施例7では1枚の亜鉛めっき
鋼板に穴をあけることによって端面を形成し、その効果
を実施例1〜6と同様にL/Vと脱酸素時間で評価し
た。実施例1〜6で用いたのと同質の亜鉛めっき鋼板を
長さl=100mm、幅w=100mmに切断し、さら
に、10mm角の穴を20個あけた。周囲の端面4ヶ所
は樹脂でコーティングし、穴の周囲に生じた端面はエメ
リー紙を用いてバリがなくなるように研磨した。この亜
鉛めっき鋼板を実施例1〜6と同様、容器1内に設置
し、溶存酸素濃度の変化を測定した。この結果を表2に
示す。この場合のLとVは次のようになる。 L=20×4×10=800(mm) V=100×100−20×10×10=8000(m
m3)
鋼板に穴をあけることによって端面を形成し、その効果
を実施例1〜6と同様にL/Vと脱酸素時間で評価し
た。実施例1〜6で用いたのと同質の亜鉛めっき鋼板を
長さl=100mm、幅w=100mmに切断し、さら
に、10mm角の穴を20個あけた。周囲の端面4ヶ所
は樹脂でコーティングし、穴の周囲に生じた端面はエメ
リー紙を用いてバリがなくなるように研磨した。この亜
鉛めっき鋼板を実施例1〜6と同様、容器1内に設置
し、溶存酸素濃度の変化を測定した。この結果を表2に
示す。この場合のLとVは次のようになる。 L=20×4×10=800(mm) V=100×100−20×10×10=8000(m
m3)
【0066】
【表2】
【0067】この結果からわかるように、異種金属対1
8に穴をあけ、この穴に形成された断面で水と接触させ
る方法も有効であり、亜鉛めっき鋼板の周囲の端面の長
さに穴の端面の長さが加わり、全体の長さLを長くする
ことができるので、脱酸素効率が向上する。
8に穴をあけ、この穴に形成された断面で水と接触させ
る方法も有効であり、亜鉛めっき鋼板の周囲の端面の長
さに穴の端面の長さが加わり、全体の長さLを長くする
ことができるので、脱酸素効率が向上する。
【0068】実施例8〜18.実施例8〜18では亜鉛
めっき鋼板以外の金属板の脱酸素能力を調べた。酸素よ
り卑な酸化還元電位を持つ厚さ0.5mmの金属Aと、
この金属Aより貴な酸化還元電位を持つ厚さ0.5mm
の金属Bを重ね合わせ、圧延することにより圧着したも
のを長さ100mm、幅20mmの大きさに切断した異
種金属対を使用した。実施例5と比較するために、枚数
はそれぞれ5枚を用意し、実施例5と同じ方法で脱酸素
時間を測定した。使用した金属Aと金属Bの組み合わ
せ、および測定結果を表3に示す。なお、比較例1とし
て、厚さ0.5mmのマグネシウムを重ね合わせ、圧延
することにより圧着したものを長さ100mm、幅20
mmの大きさに切断して使用した場合の結果も合わせて
示している。
めっき鋼板以外の金属板の脱酸素能力を調べた。酸素よ
り卑な酸化還元電位を持つ厚さ0.5mmの金属Aと、
この金属Aより貴な酸化還元電位を持つ厚さ0.5mm
の金属Bを重ね合わせ、圧延することにより圧着したも
のを長さ100mm、幅20mmの大きさに切断した異
種金属対を使用した。実施例5と比較するために、枚数
はそれぞれ5枚を用意し、実施例5と同じ方法で脱酸素
時間を測定した。使用した金属Aと金属Bの組み合わ
せ、および測定結果を表3に示す。なお、比較例1とし
て、厚さ0.5mmのマグネシウムを重ね合わせ、圧延
することにより圧着したものを長さ100mm、幅20
mmの大きさに切断して使用した場合の結果も合わせて
示している。
【0069】
【表3】
【0070】表3の結果からわかるように、比較例1と
比べて、金属Aとして亜鉛、亜鉛合金、アルミニウム、
アルミニウム合金、マグネシウムあるいはマグネシウム
合金と鉄、炭素鋼とをクラッドした異種金属対のいずれ
もが実施例5と同様、良好な脱酸素作用を示した。
比べて、金属Aとして亜鉛、亜鉛合金、アルミニウム、
アルミニウム合金、マグネシウムあるいはマグネシウム
合金と鉄、炭素鋼とをクラッドした異種金属対のいずれ
もが実施例5と同様、良好な脱酸素作用を示した。
【0071】実施例19〜24.金属Aとして100m
m×100mm、厚さ1mmの亜鉛板と金属Bとして同
寸法の鉄板Bとを図3に示したように間隔lで対向させ
て電気的に接続した異種金属対18を作製した。間隔l
は、10mm、50mm、100mmとした。この異種
金属対を用いて実施例1〜6と同様の測定を行った。な
お、容器1の底に磁気式の回転子を入れておき、外部か
ら回転磁界を与えることにより、回転子を回転させ、容
器内の水を撹拌できるようにして、攪拌した場合と撹拌
を行なわない場合での脱酸素時間を比較した。その結果
を表4に示す。
m×100mm、厚さ1mmの亜鉛板と金属Bとして同
寸法の鉄板Bとを図3に示したように間隔lで対向させ
て電気的に接続した異種金属対18を作製した。間隔l
は、10mm、50mm、100mmとした。この異種
金属対を用いて実施例1〜6と同様の測定を行った。な
お、容器1の底に磁気式の回転子を入れておき、外部か
ら回転磁界を与えることにより、回転子を回転させ、容
器内の水を撹拌できるようにして、攪拌した場合と撹拌
を行なわない場合での脱酸素時間を比較した。その結果
を表4に示す。
【0072】
【表4】
【0073】表4に示した結果から、以下のようなこと
が推測される。金属板の間隔が狭い方が電気化学反応を
起こす際の電流の回路が形成されやすいという点で有利
である。間隔が50mmの場合、間隔が100mmの場
合に比べて、脱酸素時間は短い。これは特に水の導電率
が小さい水道水やイオン交換水、さらには純水の脱酸素
を行なう場合には重要なことである。
が推測される。金属板の間隔が狭い方が電気化学反応を
起こす際の電流の回路が形成されやすいという点で有利
である。間隔が50mmの場合、間隔が100mmの場
合に比べて、脱酸素時間は短い。これは特に水の導電率
が小さい水道水やイオン交換水、さらには純水の脱酸素
を行なう場合には重要なことである。
【0074】ところが、撹拌や対流といった水の動きが
無い場合、金属板の間隔が狭すぎると、金属板に挟まれ
た部分の水はほとんど動かず、容器内のすべての水に脱
酸素作用は行き渡らない。このため、金属板の間隔は狭
すぎても脱酸素効果が減少するが、撹拌することによっ
て脱酸素効率を向上することができる。この撹拌は、実
用上、例えば、補給水用の脱酸素装置に有効である。
無い場合、金属板の間隔が狭すぎると、金属板に挟まれ
た部分の水はほとんど動かず、容器内のすべての水に脱
酸素作用は行き渡らない。このため、金属板の間隔は狭
すぎても脱酸素効果が減少するが、撹拌することによっ
て脱酸素効率を向上することができる。この撹拌は、実
用上、例えば、補給水用の脱酸素装置に有効である。
【0075】図11は、水の電導率に対する、水の溶存
酸素を8ppm(飽和状態)から1ppmにするための
金属Aと金属Bの間隔(破線は所要時間:1時間、実線
は所要時間10時間)との関係を示すものである。
酸素を8ppm(飽和状態)から1ppmにするための
金属Aと金属Bの間隔(破線は所要時間:1時間、実線
は所要時間10時間)との関係を示すものである。
【0076】図11に示したように、補給水のように1
サイクル10時間程度の場合、100μS/cm程度の
小さな導電率の水に対して、金属Aと金属Bの間隙lを
100mm以下とすれば目的とする脱酸素状態の水が得
られる。
サイクル10時間程度の場合、100μS/cm程度の
小さな導電率の水に対して、金属Aと金属Bの間隙lを
100mm以下とすれば目的とする脱酸素状態の水が得
られる。
【0077】当然ながら、金属板Aと金属板Bとを一定
の間隔をおいて何枚も設置すれば、脱酸素時間は減少
し、金属板の交換時間を伸ばすことが可能である。
の間隔をおいて何枚も設置すれば、脱酸素時間は減少
し、金属板の交換時間を伸ばすことが可能である。
【0078】実施例25.図12(a)に示した容器1
は、内容積5リットルのプラスチック製容器とした。図
12(b)に示した異種金属対18は、直径120m
m、厚さ0.5mmの亜鉛めっき鋼板であり、図に示す
ように、幅1mm、長さ10mmの細孔27を184個
有している。この異種金属対18を、取付孔28を用い
て支持枠17に2.5mm間隔で180枚積層して容器
1内に納め、蓋2に取り付けた支持棒29で支持枠を固
定した。入口3aから水道水を2リットル/minの流
量で流し、出口3bから流出する水の溶存酸素濃度を測
定したところ、1ppmの値を示した。
は、内容積5リットルのプラスチック製容器とした。図
12(b)に示した異種金属対18は、直径120m
m、厚さ0.5mmの亜鉛めっき鋼板であり、図に示す
ように、幅1mm、長さ10mmの細孔27を184個
有している。この異種金属対18を、取付孔28を用い
て支持枠17に2.5mm間隔で180枚積層して容器
1内に納め、蓋2に取り付けた支持棒29で支持枠を固
定した。入口3aから水道水を2リットル/minの流
量で流し、出口3bから流出する水の溶存酸素濃度を測
定したところ、1ppmの値を示した。
【0079】実施例26.実施例25に示した異種金属
対の代わりに、切断した亜鉛めっき鋼板を直径120m
m、長さ500mmの金網製の容器に詰め込み、これを
容器1内に納め、容器1に水道水を0.8リットル/m
inの流量で流し、流出する水の溶存酸素濃度を測定し
たところ1ppmの値を示した。亜鉛めっき鋼板の切断
端面の長さは、実施例25とほぼ同等とした。
対の代わりに、切断した亜鉛めっき鋼板を直径120m
m、長さ500mmの金網製の容器に詰め込み、これを
容器1内に納め、容器1に水道水を0.8リットル/m
inの流量で流し、流出する水の溶存酸素濃度を測定し
たところ1ppmの値を示した。亜鉛めっき鋼板の切断
端面の長さは、実施例25とほぼ同等とした。
【0080】実施例27.実施例25に示した異種金属
対の代わりに、外径17.3mmの厚さ2.3mmの亜
鉛めっき鋼管を長さ15mmに切断したリングを直径1
10mm、長さ500mmの金網製の容器内に740個
詰め込み、これを容器1にいれ、この容器内に水道水を
0.7リットル/minの流量で流し、流出する水の溶
存酸素濃度を測定したところ1ppm以下であった。
対の代わりに、外径17.3mmの厚さ2.3mmの亜
鉛めっき鋼管を長さ15mmに切断したリングを直径1
10mm、長さ500mmの金網製の容器内に740個
詰め込み、これを容器1にいれ、この容器内に水道水を
0.7リットル/minの流量で流し、流出する水の溶
存酸素濃度を測定したところ1ppm以下であった。
【0081】実施例28.図13に示すように容器1を
外径42.7mm長さ1.2mの鋼管とし、容器1内
に、鉄を芯金としてこの芯金の周囲にマグネシウムを鋳
込んだ、直径18mm、長さ1mの電気防食用マグネシ
ウム棒30を取り付け、容器1と電気的に接続した。こ
の容器1内に、入口3aから水道水を0.54リットル
/minの流量で流し、出口3bから流出する水の溶存
酸素濃度を測定たところ1ppm以下であった。
外径42.7mm長さ1.2mの鋼管とし、容器1内
に、鉄を芯金としてこの芯金の周囲にマグネシウムを鋳
込んだ、直径18mm、長さ1mの電気防食用マグネシ
ウム棒30を取り付け、容器1と電気的に接続した。こ
の容器1内に、入口3aから水道水を0.54リットル
/minの流量で流し、出口3bから流出する水の溶存
酸素濃度を測定たところ1ppm以下であった。
【0082】実施例29.図14(a)に示すように、
脱酸素装置31を、圧力開放タンク32を備え、熱交換
器34を介してポンプ33で循環させる開放循環系で使
用する場合には、継続して酸素が混入する。このような
場合、活性金属(亜鉛、マグネシウム等)のイオン濃度が
上昇し、水酸化物あるいは炭酸塩が析出し、浮遊固形物
として系内を循環し、悪影響の生ずる恐れがある。そこ
で、図14(b)に示すように、活性金属の水酸化物ま
たは炭酸塩の塊を充填したフィルター35を脱酸素装置
31の出口側に設けると、循環水中の浮遊固形物を減少
させることができる。本実施例では、図14(b)に示
した解放循環系に、実施例25に示した脱酸素装置を適
用し、フィルター35に炭酸亜鉛を充填した。この循環
系のフィルター35側に浮遊固形物測定装置を設け、循
環水中にある5μ以上の浮遊固形物を計測したところ、
100個/cc以下になった。
脱酸素装置31を、圧力開放タンク32を備え、熱交換
器34を介してポンプ33で循環させる開放循環系で使
用する場合には、継続して酸素が混入する。このような
場合、活性金属(亜鉛、マグネシウム等)のイオン濃度が
上昇し、水酸化物あるいは炭酸塩が析出し、浮遊固形物
として系内を循環し、悪影響の生ずる恐れがある。そこ
で、図14(b)に示すように、活性金属の水酸化物ま
たは炭酸塩の塊を充填したフィルター35を脱酸素装置
31の出口側に設けると、循環水中の浮遊固形物を減少
させることができる。本実施例では、図14(b)に示
した解放循環系に、実施例25に示した脱酸素装置を適
用し、フィルター35に炭酸亜鉛を充填した。この循環
系のフィルター35側に浮遊固形物測定装置を設け、循
環水中にある5μ以上の浮遊固形物を計測したところ、
100個/cc以下になった。
【0083】実施例30.硫酸塩および塩化物イオンが
少なく、酸消費量(pH=4.8)の多い水では、亜鉛
の電位が上昇して、脱酸素能力が低下した。図15に示
すように、平均粒径30mmの塊状の石膏を充填した石
膏処理器36を用いたところ、脱酸素能力の低下を防止
できた。
少なく、酸消費量(pH=4.8)の多い水では、亜鉛
の電位が上昇して、脱酸素能力が低下した。図15に示
すように、平均粒径30mmの塊状の石膏を充填した石
膏処理器36を用いたところ、脱酸素能力の低下を防止
できた。
【0084】実施例31.図16は、本実施例における
脱酸素装置の断面図であり、圧力を大気に開放した例で
ある。電気防食用亜鉛37を鋼板38(長さ1m、幅2
5cm、厚さ1mm)に取付けたものを支持枠17に5
cm間隔で対向させて固定し、大気に開放された注入穴
40を有する蓋2を備えた容器1(1m角,深さ1.2
m)に48枚入れ、容器1の水1m3をポンプ33で循
環して、溶存酸素計により溶存酸素(DO)濃度を測定
した。その結果は、表5に示すように溶存酸素濃度が低
下するとともに、亜鉛の溶出により水のpHは8〜9と
なるので、配管および熱交換器の腐食防止には効果的で
ある。
脱酸素装置の断面図であり、圧力を大気に開放した例で
ある。電気防食用亜鉛37を鋼板38(長さ1m、幅2
5cm、厚さ1mm)に取付けたものを支持枠17に5
cm間隔で対向させて固定し、大気に開放された注入穴
40を有する蓋2を備えた容器1(1m角,深さ1.2
m)に48枚入れ、容器1の水1m3をポンプ33で循
環して、溶存酸素計により溶存酸素(DO)濃度を測定
した。その結果は、表5に示すように溶存酸素濃度が低
下するとともに、亜鉛の溶出により水のpHは8〜9と
なるので、配管および熱交換器の腐食防止には効果的で
ある。
【0085】
【表5】
【0086】実施例32.図17は、実施例31におい
て、容器1の水面39に発泡スチロールからなる空気遮
蔽板41を設け、気液接触面積を減少させている。この
実施例では、空気遮蔽板41の大きさを変え、気液接触
面積を変化させて溶存酸素濃度を測定した。その結果は
表6に示すように、気液接触面積は出来るだけ小さくす
ることにより、脱酸素効率を向上させることができると
ともに、亜鉛の寿命を延長することができる。
て、容器1の水面39に発泡スチロールからなる空気遮
蔽板41を設け、気液接触面積を減少させている。この
実施例では、空気遮蔽板41の大きさを変え、気液接触
面積を変化させて溶存酸素濃度を測定した。その結果は
表6に示すように、気液接触面積は出来るだけ小さくす
ることにより、脱酸素効率を向上させることができると
ともに、亜鉛の寿命を延長することができる。
【0087】
【表6】
【0088】実施例33.図18は、容器1をプラスチ
ック製とし、圧力を大気に開放した脱酸素装置の他の実
施例の断面図であり、図18(b)は図18(a)のA
−A断面を示している。直径3cm、長さ1mの電気防
食用マグネシウム棒42と鋼板43(長さ1m、幅25
cm、厚さ1mm)を、邪魔板45を備えた鉄製の支持
枠17にそれぞれ24個取り付け、電気的に接続したブ
ロックを、容器1(1m角、深さ1.2m)内で3個連
結し、容器1の水1m3をポンプ33で循環して、溶存
酸素計によりDO濃度を測定した。その結果、表7に示
すように大気解放系でも脱酸素効果があることがわかっ
た。
ック製とし、圧力を大気に開放した脱酸素装置の他の実
施例の断面図であり、図18(b)は図18(a)のA
−A断面を示している。直径3cm、長さ1mの電気防
食用マグネシウム棒42と鋼板43(長さ1m、幅25
cm、厚さ1mm)を、邪魔板45を備えた鉄製の支持
枠17にそれぞれ24個取り付け、電気的に接続したブ
ロックを、容器1(1m角、深さ1.2m)内で3個連
結し、容器1の水1m3をポンプ33で循環して、溶存
酸素計によりDO濃度を測定した。その結果、表7に示
すように大気解放系でも脱酸素効果があることがわかっ
た。
【0089】
【表7】
【0090】実施例34.図19は、実施例33の電気
防食用マグネシウム棒を、亜鉛めっき鋼板44(長さ1
m、幅30cm、厚さ1mm)と鋼板43(長さ1m、
幅30cm、厚さ1mm)を鉄製の支持枠17に2.5
cm間隔で対向させて交互に固定し、電気的に接続した
ブロックを、容器1(1m角、深さ1.2m)で3個連
結し、容器の水1m3をポンプで循環して、溶存酸素計
により溶存酸素濃度を測定した。その結果、表8に示す
ように大気解放系でも脱酸素効果があることがわかっ
た。
防食用マグネシウム棒を、亜鉛めっき鋼板44(長さ1
m、幅30cm、厚さ1mm)と鋼板43(長さ1m、
幅30cm、厚さ1mm)を鉄製の支持枠17に2.5
cm間隔で対向させて交互に固定し、電気的に接続した
ブロックを、容器1(1m角、深さ1.2m)で3個連
結し、容器の水1m3をポンプで循環して、溶存酸素計
により溶存酸素濃度を測定した。その結果、表8に示す
ように大気解放系でも脱酸素効果があることがわかっ
た。
【0091】
【表8】
【0092】
【発明の効果】請求項1、2、3、4、7、8および9
に係る発明によれば、金属Aと金属Bを対向させた異種
金属対とすることによって対向部(反応部)を長くする
ことができるので脱酸素効率を向上させることができ、
しかも、上記金属Aおよび金属Bを水と接しない箇所で
電気的に接続する接続部を有するので、金属Aが溶解し
ても継続的に上記異種金属対の機能を保つことができ
る。
に係る発明によれば、金属Aと金属Bを対向させた異種
金属対とすることによって対向部(反応部)を長くする
ことができるので脱酸素効率を向上させることができ、
しかも、上記金属Aおよび金属Bを水と接しない箇所で
電気的に接続する接続部を有するので、金属Aが溶解し
ても継続的に上記異種金属対の機能を保つことができ
る。
【0093】請求項5および11に係る発明によれば、
異種金属対に穴をあけることによって、反応部の長さを
長くすることができるので、脱酸素効率が向上する。
異種金属対に穴をあけることによって、反応部の長さを
長くすることができるので、脱酸素効率が向上する。
【0094】請求項6ないし8に係る発明によれば、異
種金属対の作製を容易ならしめ、加えて脱酸素装置の構
造を簡易型とすることができる。
種金属対の作製を容易ならしめ、加えて脱酸素装置の構
造を簡易型とすることができる。
【0095】請求項7に係る発明によれば、請求項1記
載の脱酸素装置において、金属Aと金属Bの間隔を10
0mm以下とすることによって、導電率の小さな水に対
しても脱酸素効率を向上させることができる。
載の脱酸素装置において、金属Aと金属Bの間隔を10
0mm以下とすることによって、導電率の小さな水に対
しても脱酸素効率を向上させることができる。
【0096】請求項8に係る発明によれば、亜鉛めっき
鋼板を所定の間隔で多量積層することによって、酸化還
元反応の面積を大きくし、脱酸素効率を向上することが
できる。
鋼板を所定の間隔で多量積層することによって、酸化還
元反応の面積を大きくし、脱酸素効率を向上することが
できる。
【0097】請求項9に係る発明によれば、支持枠17
を必要とせず、流水抵抗が比較的少なく、酸化還元反応
の反応面と流水との効率的な接触が行われ、効率の良い
脱酸素ができる。
を必要とせず、流水抵抗が比較的少なく、酸化還元反応
の反応面と流水との効率的な接触が行われ、効率の良い
脱酸素ができる。
【0098】請求項10に係る発明によれば、酸化還元
反応の反応面を大きくし、脱酸素の効率を向上すること
ができる。特に、亜鉛めっき鋼板あるいは亜鉛めっき鋼
管を用いた場合は、この効果が大きく、さらにスクラッ
プを利用できるので経済的である。
反応の反応面を大きくし、脱酸素の効率を向上すること
ができる。特に、亜鉛めっき鋼板あるいは亜鉛めっき鋼
管を用いた場合は、この効果が大きく、さらにスクラッ
プを利用できるので経済的である。
【0099】請求項12に係る発明によれば、端面の長
さの合計をLmmと、金属Aと金属Bの体積の合計Vm
m3との比を0.1以上にすることによって、特に、脱
酸素効率のよい脱酸素装置が得られる。
さの合計をLmmと、金属Aと金属Bの体積の合計Vm
m3との比を0.1以上にすることによって、特に、脱
酸素効率のよい脱酸素装置が得られる。
【0100】請求項13ないし15に係る発明によれ
ば、亜鉛よりもイオン化傾向の大きなマグネシウムを使
用することにより、マグネシウムより貴な、例えば鋼製
の容器をカソードとして用いて、簡易で高性能な脱酸素
装置が構成できる。
ば、亜鉛よりもイオン化傾向の大きなマグネシウムを使
用することにより、マグネシウムより貴な、例えば鋼製
の容器をカソードとして用いて、簡易で高性能な脱酸素
装置が構成できる。
【0101】請求項14に係る発明によれば、容器がプ
ラスチック製のものに対しても、亜鉛よりもイオン化傾
向の大きなマグネシウムを設けた電気防食用マグネシウ
ムを使用することができ、簡易で高性能な脱酸素装置が
構成できる。
ラスチック製のものに対しても、亜鉛よりもイオン化傾
向の大きなマグネシウムを設けた電気防食用マグネシウ
ムを使用することができ、簡易で高性能な脱酸素装置が
構成できる。
【0102】請求項16に係る発明によれば、大気開放
型の脱酸素装置において、水面に大気を遮蔽する遮蔽板
が設けられているので、大気からの酸素の混入を防止し
できる。
型の脱酸素装置において、水面に大気を遮蔽する遮蔽板
が設けられているので、大気からの酸素の混入を防止し
できる。
【0103】請求項17に係る発明によれば、撹拌機構
を備えた脱酸素装置によって、水が滞留している場合に
おいても、脱酸素効率を向上させることができる。
を備えた脱酸素装置によって、水が滞留している場合に
おいても、脱酸素効率を向上させることができる。
【0104】請求項18に係る発明によれば、水が流出
する出口にイオン交換器を備えた脱酸素装置であるの
で、導電率と溶存酸素濃度がともに小さい水が得られ
る。
する出口にイオン交換器を備えた脱酸素装置であるの
で、導電率と溶存酸素濃度がともに小さい水が得られ
る。
【0105】請求項19に係る発明によれば、水に溶出
した金属の結晶核となる金属塩を充填したろ過器を備え
るので、流水中の固形浮遊物を効率よくトラップするこ
とができる。
した金属の結晶核となる金属塩を充填したろ過器を備え
るので、流水中の固形浮遊物を効率よくトラップするこ
とができる。
【0106】請求項20に係る発明によれば、炭酸イオ
ンが多い水などのように酸性の水に対して、異種金属対
の酸化還元電位の逆転を防止し、脱酸素効率の低下を防
止することができる。
ンが多い水などのように酸性の水に対して、異種金属対
の酸化還元電位の逆転を防止し、脱酸素効率の低下を防
止することができる。
【図1】 本発明の脱酸素装置の一実施の形態を示す図
である。
である。
【図2】 本発明の脱酸素装置に用いる異種金属対の一
実施の形態を示す図である。
実施の形態を示す図である。
【図3】 本発明の脱酸素装置に用いる異種金属対の他
の実施の形態を示す図である。
の実施の形態を示す図である。
【図4】 本発明の脱酸素装置に用いる異種金属対の他
の実施の形態を示す図である。
の実施の形態を示す図である。
【図5】 本発明の脱酸素装置に用いる異種金属対の他
の実施の形態を示す図である。
の実施の形態を示す図である。
【図6】 本発明の脱酸素装置に用いる異種金属対の他
の実施の形態を示す図である。
の実施の形態を示す図である。
【図7】 本発明の脱酸素装置に用いる異種金属対の他
の実施の形態を示す図である。
の実施の形態を示す図である。
【図8】 本発明の脱酸素装置の実施例に用いた、異種
金属対を示す図である。
金属対を示す図である。
【図9】 本発明の脱酸素装置の実施例における溶存酸
素の経時変化を示す図である。
素の経時変化を示す図である。
【図10】 脱酸素時間と反応端面の長さL/異種金属
対の体積Vとの関係を示す図である。
対の体積Vとの関係を示す図である。
【図11】 脱酸素時間に対する水の導電率と金属Aお
よびBの間隔との関係を示す図である。
よびBの間隔との関係を示す図である。
【図12】 本発明の脱酸素装置の他の実施例を示す断
面図(a)および平面図(b)である。
面図(a)および平面図(b)である。
【図13】 本発明の脱酸素装置の他の実施例を示す断
面図である。
面図である。
【図14】 本発明の脱酸素装置の他の実施例を説明す
る開放循環系の系統図である。
る開放循環系の系統図である。
【図15】 本発明の脱酸素装置の他の実施例を説明す
る開放循環系の系統図である。
る開放循環系の系統図である。
【図16】 本発明の脱酸素装置の他の実施例を示す断
面図である。
面図である。
【図17】 本発明の脱酸素装置の他の実施例を示す断
面図である。
面図である。
【図18】 本発明の脱酸素装置の他の実施例を示す断
面図である。
面図である。
【図19】 本発明の脱酸素装置の他の実施例を示す断
面図である。
面図である。
【図20】 従来の脱酸素装置を示す断面図である。
【図21】 電気化学反応と水の導電率との関係を説明
する断面図である。
する断面図である。
1 容器、2 蓋、3および3a 入口、3および3b
出口、4 ボルトナット、5 金網、6、7 マグネ
シウム塊、8、9、11、12 フランジ、13、14
パッキン、15、16 バルブ、17 支持枠、18
脱酸素素子、19 溶存酸素検出素子、20 金属
A、21 金属B、21a カソード22接続導体、2
3 プラスチック枠、24 絶縁物、25 穴、26
樹脂コーティング、27 細孔、28 取付孔、29
支持棒、30、42 電気防食用マグネシウム棒、31
脱酸素装置、32 圧力開放タンク、33 ポンプ、
34熱交換器、35 フィルタ、36 石膏処理器、3
7 電気防食用亜鉛、38、43 鋼板、39 水面、
40 注入口、41 空気遮蔽板、44 亜鉛めっき鋼
板、45 邪魔板
出口、4 ボルトナット、5 金網、6、7 マグネ
シウム塊、8、9、11、12 フランジ、13、14
パッキン、15、16 バルブ、17 支持枠、18
脱酸素素子、19 溶存酸素検出素子、20 金属
A、21 金属B、21a カソード22接続導体、2
3 プラスチック枠、24 絶縁物、25 穴、26
樹脂コーティング、27 細孔、28 取付孔、29
支持棒、30、42 電気防食用マグネシウム棒、31
脱酸素装置、32 圧力開放タンク、33 ポンプ、
34熱交換器、35 フィルタ、36 石膏処理器、3
7 電気防食用亜鉛、38、43 鋼板、39 水面、
40 注入口、41 空気遮蔽板、44 亜鉛めっき鋼
板、45 邪魔板
Claims (20)
- 【請求項1】 水が流入および流出する入口および出口
を有する容器、この容器内に、酸化還元電位が酸素より
も卑である金属Aの面と、この金属Aより貴な金属Bの
面とを対向させてなり、かつ上記金属Aと金属Bとを水
と接しない箇所で電気的に接続する接続部を有する異種
金属対を備えたことを特徴とする脱酸素装置。 - 【請求項2】 金属Aと金属Bとの間に所定の間隙が設
けられていることを特徴とする請求項1記載の脱酸素装
置。 - 【請求項3】 所定の間隔が100mm以下であること
を特徴とする請求項2記載の脱酸素装置。 - 【請求項4】 金属Aおよび金属Bが板状であることを
特徴とする請求項2記載の脱酸素装置。 - 【請求項5】 異種金属対に穴があけられていることを
特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の脱酸素
装置。 - 【請求項6】 異種金属対は、金属Aおよび金属Bの面
が接触し、この接触部の端面が形成されていることを特
徴とする請求項1記載の脱酸素装置。 - 【請求項7】 異種金属対が、鋼からなる金属Bに亜鉛
からなる金属Aをめっきした亜鉛めっき鋼を用いて形成
されていることを特徴とする請求項6記載の脱酸素装
置。 - 【請求項8】 亜鉛めっき鋼が板状であることを特徴と
する請求項7記載の脱酸素装置。 - 【請求項9】 亜鉛めっき鋼がパイプ状であることを特
徴とする請求項7記載の脱酸素装置。 - 【請求項10】 異種金属対が複数の小片に分割されて
いることを特徴とする請求項6ないし9のいずれかに記
載の脱酸素装置。 - 【請求項11】 異種金属対に穴があけられていること
を特徴とする請求項6ないし10のいずれかに記載の脱
酸素装置。 - 【請求項12】 端面の長さの合計をLmm、金属Aと
金属Bの体積の合計をVmm3としたときに、L/Vが
0.1以上であることを特徴とする請求項6ないし11
のいずれかに記載の脱酸素装置。 - 【請求項13】 異種金属対の金属Aにマグネシウムを
用いたことを特徴とする請求項1記載の脱酸素装置。 - 【請求項14】 マグネシムからなる金属Aに金属Bか
らなるカソードを電気的に接続したことを特徴とする請
求項13記載の脱酸素装置。 - 【請求項15】 カソードが容器であることを特徴とす
る請求項14記載の脱酸素装置。 - 【請求項16】 容器が大気に開放され、水面に大気を
遮蔽する空気遮蔽板が設けられることを特徴とする請求
項1記載の脱酸素装置。 - 【請求項17】 撹拌機構を備えたことを特徴とする請
求項1記載の脱酸素装置。 - 【請求項18】 水が流出する出口にイオン交換器を備
えたことを特徴とする請求項1記載の脱酸素装置。 - 【請求項19】 水が流出する出口側に水に溶出した金
属の結晶核となる金属塩を充填したろ過器を備えたこと
を特徴とする請求項1記載の脱酸素装置。 - 【請求項20】 水が流入する入口側に、塊状の石膏を
充填した容器を備えたことを特徴とする請求項1記載の
脱酸素装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6584198A JPH10323671A (ja) | 1997-03-26 | 1998-03-16 | 脱酸素装置 |
Applications Claiming Priority (3)
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JP9-73669 | 1997-03-26 | ||
JP7366997 | 1997-03-26 | ||
JP6584198A JPH10323671A (ja) | 1997-03-26 | 1998-03-16 | 脱酸素装置 |
Publications (1)
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JPH10323671A true JPH10323671A (ja) | 1998-12-08 |
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ID=26406995
Family Applications (1)
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JP6584198A Pending JPH10323671A (ja) | 1997-03-26 | 1998-03-16 | 脱酸素装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JPH10323671A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10781112B2 (en) | 2015-05-18 | 2020-09-22 | Sunrui Marine Environment Engineering Co., Ltd. | Dehydrogenation tank and ballast water treatment system having the same |
-
1998
- 1998-03-16 JP JP6584198A patent/JPH10323671A/ja active Pending
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