JPH11267426A - セラミックスフィルターの製造方法 - Google Patents

セラミックスフィルターの製造方法

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JPH11267426A
JPH11267426A JP9398998A JP9398998A JPH11267426A JP H11267426 A JPH11267426 A JP H11267426A JP 9398998 A JP9398998 A JP 9398998A JP 9398998 A JP9398998 A JP 9398998A JP H11267426 A JPH11267426 A JP H11267426A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 管状あるいはシリンダー状等の筒状の開放端
面を封止したセラミックスフィルターの製造工程におい
て、焼結濾過膜層形成と端面封止とを行い、一回の焼結
工程だけで製品フィルターを完成させるセラミックスフ
ィルターの製造方法を提供する。 【解決手段】 前記蓋体2の装着に際し、蓋体1底板部
内面と基体2端面との間に空隙7が形成されるように蓋
体2を装着し、前記供給スラリーを前記基体1の内周面
1bと端面1cとに接触させて、セラミックス粒子を付
着させることにより、前記焼結時に多孔質セラミックス
焼結膜層を基体1の内周面1b及び端面1aに形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックスフィ
ルターの製造方法に関し、より詳細には、管状あるいは
シリンダー状等の筒状多孔質セラミックス基体の内面に
微細孔径の多孔質焼結セラミックス濾過膜層が形成さ
れ、かつその開放端面が該焼結セラミックス膜層で封止
されたセラミックスフィルターの製造方法、特に、濾過
膜層形成と端面の封止とを同時に実施することにより、
従来法に比べて製造コストを著しく低減したセラミック
スフィルターの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスフィルターは、半導体製造
工業分野等の精密工業分野等にけるガス中のダスト除去
用等に使用されると共に他の分野においても空気清浄化
用、ガス純化用等の用途に幅広く使用されている。従
来、セラミックスフィルターは、一般に、透気性多孔質
セラミックスから成る基体表面の一面側に、該多孔質基
体の気孔径よりも小さい気孔径を有するセラミックス焼
結膜層(濾過膜層)を焼結により形成させて作製され
る。
【0003】例えば、両端部が開放された管状のセラミ
ックスフィルターの場合は、通常、長尺もの円管基体の
内外表面の一方側に前記膜層を焼結により形成させた
後、該膜層が形成された基材管を所定長さに切断加工
し、その両端面を封止処理してから製品としていた。即
ち、濾過膜層が形成された長尺ものの円管を切断したま
まの状態では、その切断面(端面)は基体のセラミック
ス多孔質材が表面に露出した状態となり、セラミックス
フィルターの使用時にこの部分からリークが生じ完全な
濾過分離ができないという不都合が生じていた。また、
切断時に機械的に加えられた力による応力歪み等によ
り、往々にして基体の端部の膜層に剥離が生じたり、傷
が発生することがあった。この場合も前述と同様に、セ
ラミックスフィルターの使用時にこの部分からリークが
生じ完全な濾過分離ができないという不都合が生じてい
た。
【0004】この不都合を回避するため管状のセラミッ
クスフィルターでは、この両端面の封止処理が必要とさ
れている。上記した不都合は、シリンダー型フィルター
の開放端部においても同様に生じ、従って、管状、シリ
ンダー状等の筒状のセラミックスフィルターでは、一般
に、開放端断面の封止処理が実施される。このような開
放端部の封止処理は、一般に、封止用接着素材として、
釉薬、アルミナ系セラミックスボンド等の適当な無機材
料等を選定して、そのスラリーを調製し、前記フィルタ
ーの開放端部をこのスラリー中に浸漬し、付着した素材
を焼結して封止層を形成させる等の方法で処理されてい
る。
【0005】例えば、特開平1−284316号公報に
は、濾過層が積層された筒状複層セラミックスフィルタ
ーのカッティング後の両端面に、ディッピング、刷毛塗
り等の方法により、セラミックス微細粒子スラリーを付
着させて再焼成し、該端面にセラミックス微細粒子焼結
層から成る封止層を形成させるセラミックスフィルター
の製造方法が開示され、特開昭62ー132518号公
報には、内面側に濾過膜層が形成された多孔質セラミッ
クスフィルターの端面が、釉薬等の封止剤で封止された
端部封止多孔質フィルターの発明が開示されている。ま
た、特開平3−270704号公報には、粗粒層と細粒
層とから成るセラミックスス製管状フィルターの端部を
封止スラリー液中(釉薬)に浸漬し、フィルター内孔を
真空吸引することによりフィルター端部の外周面に封止
膜を形成するセラミックス管状フィルターの端部封止方
法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のセラミックスフィルターの製造方法は、何れも
所定形状に形成された多孔質セラミックス基体の内面ま
たは外面に濾過膜層形成用の微粒子を層状に付着させた
後、これを一旦焼成して該付着面に微細多孔質の焼結濾
過膜層を形成させ、これを切断加工した後、その開放端
面部に封止材を付着させ、更に焼結するものである。そ
のため、セラミックスフィルター製品として完成するま
でに2度の焼結工程を必要としていた。したがって、こ
の二度の焼成に要する手間、時間、費用がその分多くか
かり、製造コスト節減がセラミックスフィルター製造上
の大きな技術的課題となっていた。よって、本発明は、
管状、シリンダー状等の筒状の開放端面を封止したセラ
ミックスフィルターの製造工程において、焼結濾過膜層
形成と端面封止とを同時に行い、一回の焼結工程だけで
製品フィルターを完成させるセラミックスフィルターの
製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、少なく
とも一端面が開放された筒状多孔質セラミックス基体の
開放端に、底板部と側胴部から成る蓋体を装着し、該基
体内側にセラミックス粒子のスラリーを供給して該基体
の内周面にセラミックス粒子を層状に付着させ、蓋体除
去後に焼成して前記基体内周面に、基体の気孔径より小
さい気孔径を有する多孔質セラミックス焼結膜層を形成
させるセラミックスフィルターの製造方法において、前
記蓋体の装着に際し、蓋体底板部内面と基体端面との間
に空隙が形成されるように蓋体を装着し、前記供給スラ
リーを前記基体の内周面と端面とに接触させて、セラミ
ックス粒子を付着させることにより、前記焼結時に多孔
質セラミックス焼結膜層を基体の内周面及び端面に同時
に形成することを特徴とするセラミックスフィルターの
製造方法が提供される。
【0008】本発明のセラミックスフィルターの製造方
法は、端面を封止するセラミックスフィルターの製造工
程にいて、微細孔径多孔質濾過膜層の形成と開放端面封
止とを同時に実施し、該セラミックスフィルターの焼結
工程を一度で済ませる点が顕著な特徴である。これを達
成するため本発明にいては、管状あるいはシリンダー状
等の筒状の多孔質セラミックス基体の開放端部にゴム等
より成る蓋体を装着し、この内側に、例えば該蓋体に設
けられた供給管からアルミナ、シリカ等の焼結濾過膜層
形成用のらにミックス粒子のスラリーをローラーポンプ
等により供給し、該セラミックス基体の内周面にスラリ
ーを接触させてセラミックス粒子を層状に付着させる。
【0009】この場合において、本発明のセラミックス
フィルターの製造方法では、図2に示されるように、蓋
体底板部2dの内面と基体端面1aとがある程度隔てら
れて位置させることによって、両面の間に空隙を形成
し、この部分に浸入したスラリーが基体の端面に接触
し、その結果セラミックス粒子が付着して付着粒子層が
形成されることが重要である。所定量のスラリーを供給
した後スラリーを排出し、乾燥後、内周面と開放端面と
に前記粒子層が形成された基体を焼成して、該内周面及
び端面に微細孔径の多孔質焼結膜を形成させる。このよ
うにして、濾過膜層形成と端部封止を同時に行えば、焼
結工程は一度で済み、これにより製造コストの大幅な低
減を達成できる。しかも、濾過膜層と端面封止膜層が同
質の連続膜層として形成されるため、端面封止膜層が濾
過膜層としての機能も果たし、濾過効率が向上する。ま
た蓋体を基体の寸法に合わせて製作しておくことによ
り、小ロット多品種製造にも対応できる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかるセラミック
スフィルターの製造方法を図面に基づき詳細に説明す
る。図1は、本発明で用いる前記焼結膜層形成用のセラ
ミックス粒子スラリー供給装置の一形態の説明図であ
り、図2はその要部(フィルター基体装着部)の拡大図
を示す。図1、2において、符号1はフィルター基体
(筒状セラミックス多孔質基体)であって、前記フィル
ター基体1の両端部に蓋体2が装着される。符号3は前
記蓋体2が装着されたフィルター基体1にスラリーを供
給するスラリー供給管であって、前記スラリーは、スラ
リー貯槽5からスラリー供給用のローラーポンプ4を経
て、蓋体2が装着されたフィルター基体1の内側に供給
される。なお、符号6は水が満たされた水槽を示す。
【0011】図1を参照することにより明らかなよう
に、本発明にかかるセラミックスフィルターの製造方法
においては、多孔質セラミックスよりなるフィルター基
体1の端部1a、この図に示された例では、管状フィル
ター基体1の両端部1aに蓋体2を装着し、水が満たさ
れた水槽6中に設置される。また、該蓋体2の一方側に
は、スラリー供給管3に接続するスラリー供給口2bが
設けられているため、スラリー貯槽5から、濾過層及び
封止層形成用セラミックス粒子のスラリーを、ローラー
ポンプ4により供給管3を経由してフィルター基体1の
内側に供給し、該スラリーを基体の内周面に接触させて
粒子を付着させる。所定量のスラリーが供給され該スラ
リー接触面に焼結膜層形成に充分な厚さの粒子層が付着
した段階で、該基体1内部に供給されたスラリーを排出
し、排出後基体1を水槽から取り出す。基体から蓋体2
を取外した後、乾燥し、その後焼成して、該付着セラミ
ックス粒子層を焼結させ、微細多孔質セラミックスの焼
結膜層をその内周面と開放端面とに形成させる。
【0012】本発明のセラミックスフィルターの製造方
法においては、図2に示されているように、前記蓋体2
は、その蓋体底板部2dの内面2aがフィルター基体端
面1aと隔てられて位置して、両面の間に空隙7が形成
されるように該蓋体2が装着される。即ち、このように
蓋体2を装着することにより、前記供給スラリーがこの
空隙部7にも供給充填され、フィルター基体端面1aに
スラリーが接触して、該基体端面1aにも基体1の内周
面1bと同様に付着粒子層が形成される。従って、この
付着粒子膜層を焼結することにより、一度の焼結工程
で、微細多孔質セラミックスから成る焼結膜層をフィル
ター基体1の内周面(濾過膜層)1bと開放端面(封止
層)1aとに同時に形成させることができる。
【0013】前記蓋体装着時に設定される該蓋体底板内
面と基体端面との間隔は、供給スラリーが両面間に形成
された空隙部7に浸入でき、該基体端面にセラミックス
粒子が充分に付着できる間隔に設定され、フィルター基
体の口径、肉厚等に応じて適宜設定されるが、通常、
0.5mm以上で、フィルター基体の肉厚に対して、1
/4乃至4/4程度、好ましくは1/2乃至2/2の間
隔に設定される。
【0014】本発明の方法において用いられるフィルタ
ー基体としては、ガス透過性を有する管状あるいはシリ
ンダー状等の筒状の多孔質セラミックスであれば特に限
定されるものではなく、通常のガスフィルター基体用素
材として使用されるセラミックス、例えばアルミナ、ム
ライト、シリカ、炭化珪素、窒化珪素等より成る多孔質
セラミックスが用いられる。このよう透気性多孔質のセ
ラミックスフィルター基体は、例えば、上記アルミナ、
ムライト、シリカ、炭化珪素、窒化珪素等の粒径10乃
至30μm程度の粉末を所定長さ、外径及び肉厚の管状
あるいはシリンダー状に成形し、このグリーン成形体
を、例えば、還元雰囲気下に1700乃至1900℃程
度の温度で焼成して作製する。
【0015】また、両端が開放された管状フィルターの
場合には、長尺物の管状グリーン成形体を焼成し、得ら
れた多孔性セラミックス長尺管を所定長さに切断して基
体としても良い。一端部が閉塞されたシリンダー型フィ
ルターの場合には、上記切断したセラミックス管の一方
の端面に同一材質の多孔性セラミックス底板を接合して
閉塞するか、または、両端部が閉塞された有底中空のセ
ラミックス長尺筒を切断して作製しても良い。
【0016】これらのグリーン成形体の成形方法として
は、例えばCIP成形、押出成形等の成形方法が用いら
れ、CIP成形の場合、通常、上記原料粒子に対し結合
剤を数%程度配合することが好ましく、押出成形の場合
には、この他に滑剤、可塑剤等を1乃至2%程度配合す
ることが好ましい。
【0017】前記セラミックスフィルター基体の平均気
孔径は、5乃至20μm程度であることが好ましく、気
孔径が5μm未満のものは、フィルターとしての通気特
性が劣り、一方、20μmを越えると、濾過膜層形成の
際、スラリー中のセラミックス粒子が該気孔中に浸入
し、気孔を埋めてしまったり、均一な濾過膜層の形成が
困難となる。本発明の方法において、前記セラミックス
フィルター基体の開放端部への蓋体の装着は、その側胴
部内周面が該フィルター基体の外周面に隙間なく密着し
て装着することが好ましい。この装着部に隙間ができ、
その部分にスラリーが入り込み、この基体外周面のスラ
リー浸入部分にも付着粒子膜層が形成されると、蓋体の
脱離時に、基体外周面に形成された膜層が、該蓋体の内
周面との摩擦、あるいは蓋体内周面に引っ張られること
により、部分的に剥離したり損傷を受けると、この基体
外周面の膜層と連続している端面に形成された膜層が、
その影響を受けて部分的に剥離や損傷を受ける恐れがあ
る。
【0018】蓋体に使用される材質としては、ステンレ
ス鋼、その他の金属、ポリテトラフルオロエチレン、そ
の他の合成樹脂、ゴムまたはこれ等を組み合わせた複合
材料等を用いることができるが、フィルターが半導体分
野等で使用される場合には、少なくとも蓋体内側のスラ
リーと接触する部分はステンレスその他の金属類から形
成されたものでないことが好ましい。スラリーと接触す
る部分が金属製の場合は、供給スラリー中のセラミック
ス粒子が金属面とぶつかり、金属を摩耗させ、生成した
金属微粒子がスラリーに混入し、フィルター使用時の半
導体製造環境に悪影響を与える可能性があるためであ
る。
【0019】本発明で使用する該蓋体の一好適例とし
て、図3に示すように蓋体2の外面側がステンレス鋼等
の金属層から成り、基体との接触部分である蓋体側胴部
2cの内面2a側はポリテトラフルオロエチレン等の合
成樹脂あるいはゴム等の可撓性材料9から成る2層構造
とし、前記金属層側胴部にネジ8を設けた蓋体を挙げる
ことができる。図3に示すように、蓋体側胴部内面に例
えばゴム材9を装着し、蓋体の外面側からネジ8を締め
付けることによって蓋体側胴部内面と基体の外周面とを
密着させ、脱離時には前記ネジ8を緩めて蓋体2を取り
外すように構成すれば、付着粒子膜層を傷つけることが
なく本発明の目的を好適に達成することができる。
【0020】本発明において、焼結膜層形成用スラリー
に用いられるセラミックス粒子の種類としては、前記セ
ラミックスフィルター基体形成用に用いられるセラミッ
クス粒子と同種のものを用いることが好ましいが特に限
定されず、その粒径は、基体形成用セラミックス粒子よ
り細粒径のものを用いる。通常、平均粒径として0.1
乃至2.0μmの範囲のものを用いることが好ましく、
平均粒径が0.1μm未満のものでは粒径が小さすぎて
膜が緻密に成り過ぎ圧力損失が大きくなり、一方2.0
μmを越えると粒子が大きすぎてパーティクル除去機能
等の濾過性能が充分でなくなる。スラリーは、セラミッ
クス粒子濃度として1乃至20重量%程度の水性スラリ
ーとすることが好ましく、これにポリエチレングリコー
ル等を添加してスラリー粘度を100乃至300cps
程度に調整することがより好ましい。100cps未満
であると、スラリー中のセラミックス粒子が多孔質基体
の気孔を通過して、基体の外周側に排出されてしまった
り、セラミックス粒子が基体の気孔に入り込み気孔を埋
めてしまう。また、300cpsを越えると、粒子付着
層が形成しにくく、スラリー中の溶媒が除去されにく
い。
【0021】尚、スラリーの供給方法は、図1に示す供
給装置によるものに限定されず、スラリーをフィルター
基体に接触させて、セラミックス粒子を付着させること
ができれば、どのような基体内側にスラリーを供給し、
一定時間保持し、焼結膜層形成に十分な厚さの粒子層が
付着した段階で、スラリーを重力により排出してもよ
い。また、図1に示す供給装置ではスラリーをポンプに
より供給しているため、基体内側に圧力が加えられる
が、この他にも基体内側に圧力を加える方法によれば、
スラリーが多孔質基体内周面や端面に押しつけられ、均
一な厚さの付着粒子膜層が形成でき、スラリー中の溶媒
が多孔質基体の外周側に排出されやすいため好ましい。
ポンプを用いてスラリーを供給する場合には、フィルタ
ー基体内側へのスラリー供給速度は0.03乃至0.3
ml/秒程度が好ましく、これより供給速度が速いとス
ラリー中のセラミックス粒子が多孔質基体の気孔を通過
して、基体の外周側に排出されてしまったり、セラミッ
クス粒子が基体の気孔に入り込み気孔を埋めてしまう。
また、該速度が遅すぎると形成される粒子付着層の厚さ
が不均一となる。また、図4に示すように、フィルター
基体1端部の内周面側の角部1cを面取りするか、ある
いはア−ル形状にすると、基体端面1aにスラリーが流
れ込み易くなるためより好ましい。
【0022】また、フィルター基体に予め水を含浸させ
てからスラリーを供給するか、あるいは図1に示したよ
うにフィルタ基体を予め水槽6中に浸漬セットしてから
スラリーを供給することが好ましい。このように、多孔
質のフィルター基体1の気孔に空気が存在せず水が含浸
されていると、気孔中に存在する空気が、焼結の際に粒
子付着膜層を通過して抜けていくことにより膜に欠陥が
生成することを防止できる。また、スラリー中のセラミ
ックス粒子が基体の気孔を通過して、基体の外周側に排
出されてしまったり、セラミックス粒子が基体の気孔に
入り込み、気孔を埋めてしまうことを防止する。
【0023】セラミックス粒子付着膜層が形成されたフ
ィルター基体の乾燥は、70乃至80℃で1乃至3時間
実施され、乾燥後の焼結は、該セラミックス粒子の種類
によりそれぞれ異なるが、アルミナ粒子の場合は、14
00乃至1600℃、シリカ粒子では1250乃至14
00℃、ジルコニアでは1200乃至1350℃の範囲
に夫々設定される。上記各範囲の下限未満の温度では、
焼結が不十分で基体と焼結膜層の接合強度が充分でな
く、一方、上限温度を超えると粒成長により焼結膜の気
孔径が大きく成り過ぎ好ましくない。
【0024】基体端面の焼結膜層厚さは20乃至30μ
mの範囲にあることが好ましく、この封止膜層の厚さ
が、20μmより薄いとリークを起こしやすく、また、
30μmより厚いと製品としてフィルターをモジュール
に組み込みガスケット(封止部材)で押さえつけた際
に、端部の膜が破壊される虞を生ずる。また、焼結によ
り形成される該微細多孔質膜層(内周面濾過膜層及び端
面封止膜層)の平均気孔径は0.1乃至1.5μm、よ
り好ましくは0.2乃至0.8μmの範囲にあること
が、製品フィルターの濾過性能及びガス透過圧損(通常
バブルポイントとして評価される)の観点から好まし
い。
【0025】上記本発明のセラミックスフィルターの製
造方法で製作された端面が封止されたセラミックスフィ
ルターは、モジュールに組み込んで、例えば、半導体製
造工業分野等の精密工業分野等にけるガス中のダスト除
去用、その他の分野の空気清浄化用、ガス純化用等の用
途に好適に使用できる。
【0026】
【実施例】平均粒径18μm、粒径範囲10〜数十μm
の粗粒アルミナと平均粒径0.2μmの微粒アルミナを
9:1の配合比で混合した混合アルミナ粉末に結合剤
(ポリビニルアルコール2重量%)を配合してCIP成
形により円管状に成形し、これを還元雰囲気下に180
0〜1870℃で2時間焼成した。得られた焼結円管体
を切断加工し、外径19mm、内径15mm、長さ40
cm、平均気孔径12μmの管状多孔質セラミックスフ
ィルター基体を作製した。このフィルター基材の両端部
に、合成ゴム製蓋体を図2に示したように装着し、図1
に示したセラミックス焼結膜形成用スラリー供給装置の
水槽中にセットした。
【0027】別に平均粒径1.2μmのアルミナ粉末1
0重量%、ポリエチレングリコール50重量%、ジエチ
レングリコール2重量%、残部が水から成る水性スラリ
ー(粘度300cps)を調製し、このスラリーをロー
ラーポンプにより、フィルター基体内側に0.1ml/
secの移送速度で供給し、基体の内周面及び端面に付
着アルミナ粒子層を形成させた。このアルミナ粒子層を
付着させた基体を、80℃で乾燥し、その後大気雰囲気
中、1500℃で2時間焼成して基体の内周面及び端面
に平均細孔径0.8μmの多孔質焼結膜を形成させ、本
発明の実施品である端面封止セラミックスフィルター
(φ19×φ15×400mm)を作製した。
【0028】このフィルターをモジュールに装着し、そ
の性能を評価した結果、ガス流量特性は、24nl/m
in(元圧0.5kgf/cm3 )、バブルポイント
(エタノール中で測定)4,000mmH2 O以上であ
った。なお、このバブルポイントは、液体中(ここでは
エタノ−ル)にフィルタ−を浸漬し、フィルタ−にガス
を送り込んだ際に、ガスが泡となってフィルタ−の外部
に出てくるときの圧力を意味する。また、パーティクル
捕捉能力は、パーティクル粒径0.07μm〜1.0μ
mのトータルが20,000〜60,000個/min
のパーティクルエアーを通過させた時、通過後のガス中
のパーテイクルは0個であった。
【0029】
【発明の効果】上記した通り、本発明にかかるセラミッ
クスフィルターの製造方法によれば、従来2回の焼結工
程を必要とした端面封止セラミックスフィルターを一回
の焼結で済ませることができ、製造工程を短縮できると
共に焼結に要する費用をその分節約できるため製造コス
トを大幅に低減できる。また、本発明の方法で製作され
たフィルターは、濾過膜層と端面封止膜層が同質の連続
膜層として形成されているため、端面封止膜層が濾過膜
層としての機能も果たし、濾過効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明で用いるセラミックス焼結膜層
形成用スラリー供給装置の一形態を説明するための概略
図である。
【図2】図2は、図1におけるフィルター基材に蓋体を
装着した箇所を拡大した断面図である。
【図3】図3は、本発明の蓋体の一好適例を示す断面図
である。
【図4】図4は、本発明のフィルター基体を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 フィルター基体(筒状多孔質セラミックス基
体) 1a 基体端面(端部) 1b 基体内周面 1c 面取り(角部) 2 蓋体 2a 蓋体内面 2b スラリー供給 2c 蓋体側胴部 2d 蓋体底板部 3 スラリー供給管 4 ローラーポンプ 5 スラリー貯槽 6 水槽 7 空隙(空隙部) 8 ネジ 9 可撓性材料(ゴム材)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一端面が開放された筒状多孔
    質セラミックス基体の開放端に、底板部と側胴部から成
    る蓋体を装着し、該基体内側にセラミックス粒子のスラ
    リーを供給して該基体の内周面にセラミックス粒子を層
    状に付着させ、蓋体除去後に焼成して前記基体内周面
    に、基体の気孔径より小さい気孔径を有する多孔質セラ
    ミックス焼結膜層を形成させるセラミックスフィルター
    の製造方法において、 前記蓋体の装着に際し、蓋体底板部内面と基体端面との
    間に空隙が形成されるように蓋体を装着し、前記供給ス
    ラリーを前記基体の内周面と端面とに接触させて、セラ
    ミックス粒子を付着させることにより、前記焼結時に多
    孔質セラミックス焼結膜層を基体の内周面及び端面に同
    時に形成することを特徴とするセラミックスフィルター
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記蓋体の装着に際し、蓋体の側胴部内
    周面を前記基体外周面に密着させることを特徴とする請
    求項1に記載されたセラミックスフィルターの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記蓋体が、ゴムあるいは合成樹脂から
    なることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載され
    たセラミックスフィルターの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記蓋体は、その側胴部外面側がネジを
    設けた金属層からなり、かつ基体と接触する側胴部内面
    側が合成樹脂層あるいはゴム層からなる、2層構造の蓋
    体であることを特徴とする請求項2に記載されたセラミ
    ックスフィルターの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記蓋体底板部内面と前記基体端面との
    間隔が、前記セラミックス基体の肉厚に対して、1/4
    乃至4/4の間隔に設定されることを特徴とする請求項
    1乃至請求項4のいずれかに記載されたセラミックスフ
    ィルターの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記筒状多孔質セラミックス基体の平均
    気孔径が5乃至20μmであることを特徴とする請求項
    1乃至請求項5のいずれかに記載されたセラミックスフ
    ィルターの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記多孔質セラミックス焼結膜層の平均
    気孔径が0.1乃至1.5μmであることを特徴とする
    請求項1乃至請求項6のいずれかに記載されたセラミッ
    クスフィルターの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記基体端面の焼結膜層の膜厚が20乃
    至30μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項
    7のいずれかに記載されたセラミックスフィルターの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 前記多孔質セラミックス基体に予め水を
    含浸させてからスラリーを供給することを特徴とする請
    求項1乃至請求項8のいずれかに記載されたセラミック
    スフィルターの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記多孔質セラミックス基体を予め水
    槽中に浸漬セットしてからスラリーを供給することを特
    徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載された
    セラミックスフィルターの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記多孔質セラミックス基体の開放端
    内周面端部が面取りあるいはア−ル形状になされている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに
    記載されたセラミックスフィルターの製造方法。
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