JPH11267393A - 全自動洗濯機 - Google Patents
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- JPH11267393A JPH11267393A JP10070299A JP7029998A JPH11267393A JP H11267393 A JPH11267393 A JP H11267393A JP 10070299 A JP10070299 A JP 10070299A JP 7029998 A JP7029998 A JP 7029998A JP H11267393 A JPH11267393 A JP H11267393A
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- washing machine
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 脱水起動時において水槽の振動を大幅に低減
できる全自動洗濯機を得ること。 【解決手段】 液体バランサ１６を有する脱水槽５を内
部に配設した水槽２を防振懸垂支持した全自動洗濯機で
あって、環状の重り１８とこの環状の重り１８に弾性を
付与する弾性体１９とで構成した制振構造部材１７を水
槽２の任意の位置に取り付けた。
できる全自動洗濯機を得ること。 【解決手段】 液体バランサ１６を有する脱水槽５を内
部に配設した水槽２を防振懸垂支持した全自動洗濯機で
あって、環状の重り１８とこの環状の重り１８に弾性を
付与する弾性体１９とで構成した制振構造部材１７を水
槽２の任意の位置に取り付けた。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、全自動洗濯機に係
り、より詳しくは、洗濯、脱水運転を行う際に振動を低
減することができる全自動洗濯機に関するものである。
り、より詳しくは、洗濯、脱水運転を行う際に振動を低
減することができる全自動洗濯機に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】図８は例えば特開昭６３−３５２９１号
公報に開示された従来の全自動洗濯機の一例を示す縦断
面図である（従来技術１）。洗濯を行うときは、まず電
源をＯＮして、モータ７を駆動する。こうして発生した
動力は、モータ７から第１のプーリ１３、ベルト１５、
第２のプーリ１４を通って機構部８に至り、ギア９を介
して洗濯軸１０からパルセータ１２に伝達され、パルセ
ータ１２を回転して洗濯物６を洗濯する。脱水時には、
モータ７の動力は、第１のプーリ１３、ベルト１５、第
２のプーリ１４を通って機構部８に至り、ギア９を介し
て脱水軸１１に伝達され、脱水槽５を回転して洗濯物６
を脱水させる。
公報に開示された従来の全自動洗濯機の一例を示す縦断
面図である（従来技術１）。洗濯を行うときは、まず電
源をＯＮして、モータ７を駆動する。こうして発生した
動力は、モータ７から第１のプーリ１３、ベルト１５、
第２のプーリ１４を通って機構部８に至り、ギア９を介
して洗濯軸１０からパルセータ１２に伝達され、パルセ
ータ１２を回転して洗濯物６を洗濯する。脱水時には、
モータ７の動力は、第１のプーリ１３、ベルト１５、第
２のプーリ１４を通って機構部８に至り、ギア９を介し
て脱水軸１１に伝達され、脱水槽５を回転して洗濯物６
を脱水させる。
【０００３】従来技術１によれば、脱水定常時は、サス
ペンション４が水槽２及び脱水槽５の振動を吸収するた
め、外箱１等に振動は伝達されない。しかしながら、脱
水起動時に脱水槽５内で洗濯物６が偏った場合等は、水
槽２が大きく振動して外箱１と水槽２が衝突し、洗濯機
本体が転倒する等の問題があった。
ペンション４が水槽２及び脱水槽５の振動を吸収するた
め、外箱１等に振動は伝達されない。しかしながら、脱
水起動時に脱水槽５内で洗濯物６が偏った場合等は、水
槽２が大きく振動して外箱１と水槽２が衝突し、洗濯機
本体が転倒する等の問題があった。
【０００４】図９は上記従来技術１の問題に対処するた
め例えば特開平６−１５４４８０号公報に開示された従
来の全自動洗濯機の一例を示す縦断面図である（従来技
術２）。図に示すように、ゴムバネ２１と質量体２２に
よって形成された部材を水槽２の底面下部の縁部近傍等
に取り付けて、水槽２の振動を抑制する。
め例えば特開平６−１５４４８０号公報に開示された従
来の全自動洗濯機の一例を示す縦断面図である（従来技
術２）。図に示すように、ゴムバネ２１と質量体２２に
よって形成された部材を水槽２の底面下部の縁部近傍等
に取り付けて、水槽２の振動を抑制する。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成した
従来技術２に係る全自動洗濯機は、質量体２２を水槽２
の底面の縁部近傍等に取り付けるので、水槽２は偏重状
態になり、左右方向と前後方向とで動く割合が異なるた
め、水槽２は大きく振動しやすくなるという問題があっ
た。
従来技術２に係る全自動洗濯機は、質量体２２を水槽２
の底面の縁部近傍等に取り付けるので、水槽２は偏重状
態になり、左右方向と前後方向とで動く割合が異なるた
め、水槽２は大きく振動しやすくなるという問題があっ
た。
【０００６】本発明は上記のような課題を解決するため
になされたもので、脱水起動時において水槽の振動を大
幅に低減できる全自動洗濯機を得ることを目的とする。
になされたもので、脱水起動時において水槽の振動を大
幅に低減できる全自動洗濯機を得ることを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、液体バランサ
を有する脱水槽を内部に配設した水槽を防振懸垂支持し
た全自動洗濯機であって、環状の重りとこの環状の重り
に弾性を付与する弾性体とで構成した制振構造部材を水
槽の任意の位置に取り付けた。
を有する脱水槽を内部に配設した水槽を防振懸垂支持し
た全自動洗濯機であって、環状の重りとこの環状の重り
に弾性を付与する弾性体とで構成した制振構造部材を水
槽の任意の位置に取り付けた。
【０００８】また、制振構造部材を、水槽上部の円周沿
いに取り付けた。さらに、制振構造部材を、水槽上部の
外周壁沿いに取り付けた。また、制振構造部材を、水槽
底面の下方でこの水槽の底面円周に合わせて取り付け
た。
いに取り付けた。さらに、制振構造部材を、水槽上部の
外周壁沿いに取り付けた。また、制振構造部材を、水槽
底面の下方でこの水槽の底面円周に合わせて取り付け
た。
【０００９】さらに、制振構造部材を、環状の重りの内
周と外周に沿って弾性体を配設して構成した。また、制
振構造部材を、環状の重りの内周と外周に沿って複数の
ゴム輪からなる弾性体を配設した。さらに、制振構造部
材を、環状の重りとこの環状の重りに弾性を付与する弾
性体と、これらの重りと弾性体との間に潤滑油を充填し
て構成した。
周と外周に沿って弾性体を配設して構成した。また、制
振構造部材を、環状の重りの内周と外周に沿って複数の
ゴム輪からなる弾性体を配設した。さらに、制振構造部
材を、環状の重りとこの環状の重りに弾性を付与する弾
性体と、これらの重りと弾性体との間に潤滑油を充填し
て構成した。
【００１０】
【発明の実施の形態】実施の形態１ 図１は本発明の実施の形態１の縦断面図、図２は図１の
Ａ−Ａ断面図である。１は全自動洗濯機の外箱、２は外
箱１の上部の４隅にそれぞれ支持された吊り棒３により
底部近傍をサスペンション４を介して懸垂防振支持され
た水槽である。５は水槽２内に配設された洗濯脱水を行
うための脱水槽で、６は脱水槽５内に投入された洗濯物
である。
Ａ−Ａ断面図である。１は全自動洗濯機の外箱、２は外
箱１の上部の４隅にそれぞれ支持された吊り棒３により
底部近傍をサスペンション４を介して懸垂防振支持され
た水槽である。５は水槽２内に配設された洗濯脱水を行
うための脱水槽で、６は脱水槽５内に投入された洗濯物
である。
【００１１】７は水槽２の底面２ａの縁部近傍に取り付
けた動力源となるモータである。８は水槽２の底面２ａ
の中心部に取り付けた機構部で、内部にギア９を有し、
洗濯軸１０と脱水軸１１の二重軸構造となっている。そ
して、脱水槽５はその底面５ａの中心部が脱水軸１１に
連結しており、脱水槽５内の底面５ａ上に位置するパル
セータ１２は洗濯軸１０に連結している。
けた動力源となるモータである。８は水槽２の底面２ａ
の中心部に取り付けた機構部で、内部にギア９を有し、
洗濯軸１０と脱水軸１１の二重軸構造となっている。そ
して、脱水槽５はその底面５ａの中心部が脱水軸１１に
連結しており、脱水槽５内の底面５ａ上に位置するパル
セータ１２は洗濯軸１０に連結している。
【００１２】１３はモータ７に取り付けた第１のプー
リ、１４はギヤ９に取り付けた第２のプーリであり、１
５は第１のプーリ１３と第２のプーリ１４間を結ぶベル
トで、モータ７の駆動力は、洗濯時には、モータ７から
第１のプーリ１３、ベルト１５、第２のプーリ１４を通
って機構部８のギヤ９から洗濯軸１０に伝達されてパル
セータ１２を回転させ、一方、脱水時には、モータ７か
ら第１のプーリ１３、ベルト１５、第２のプーリ１４を
通って機構部８のギヤ９から脱水軸１１に伝達されて脱
水槽５を回転させる。１６は脱水槽５上部の内周壁に沿
って取り付けた塩水を封入した液体バランサである。
リ、１４はギヤ９に取り付けた第２のプーリであり、１
５は第１のプーリ１３と第２のプーリ１４間を結ぶベル
トで、モータ７の駆動力は、洗濯時には、モータ７から
第１のプーリ１３、ベルト１５、第２のプーリ１４を通
って機構部８のギヤ９から洗濯軸１０に伝達されてパル
セータ１２を回転させ、一方、脱水時には、モータ７か
ら第１のプーリ１３、ベルト１５、第２のプーリ１４を
通って機構部８のギヤ９から脱水軸１１に伝達されて脱
水槽５を回転させる。１６は脱水槽５上部の内周壁に沿
って取り付けた塩水を封入した液体バランサである。
【００１３】１７は水槽２の任意の位置に取り付けた制
振構造部材で、例えば実施の形態１においては水槽２の
上部の円周沿いに取り付けてある。そして、制振構造部
材１７は、その内部に、環状の重り１８と、この環状の
重り１８の内周と外周に沿って配設され環状の重り１８
に弾性を付与する弾性体１９を備え、さらに、重り１８
と弾性体１９のあいだには潤滑油２０が充填されてい
る。なお、弾性体１９は、例えば、複数個の円柱状のゴ
ム輪からなり、このゴム輪が環状の重り１８を介して、
外側と内側にそれぞれ対向した状態で複数個配設されて
いる。
振構造部材で、例えば実施の形態１においては水槽２の
上部の円周沿いに取り付けてある。そして、制振構造部
材１７は、その内部に、環状の重り１８と、この環状の
重り１８の内周と外周に沿って配設され環状の重り１８
に弾性を付与する弾性体１９を備え、さらに、重り１８
と弾性体１９のあいだには潤滑油２０が充填されてい
る。なお、弾性体１９は、例えば、複数個の円柱状のゴ
ム輪からなり、このゴム輪が環状の重り１８を介して、
外側と内側にそれぞれ対向した状態で複数個配設されて
いる。
【００１４】上記のように構成した全自動洗濯機によれ
ば、水槽２と脱水槽５とから成る系の水平方向の固有振
動数に対して、環状の重り１８とゴム輪１９とで構成さ
れる制振構造部材１７の固有振動数を一致させるように
設定して、脱水起動時に、水槽２が自身の固有振動数と
一致したときに発生する水槽２の振れ回り振動を減少さ
せるようにしてある。
ば、水槽２と脱水槽５とから成る系の水平方向の固有振
動数に対して、環状の重り１８とゴム輪１９とで構成さ
れる制振構造部材１７の固有振動数を一致させるように
設定して、脱水起動時に、水槽２が自身の固有振動数と
一致したときに発生する水槽２の振れ回り振動を減少さ
せるようにしてある。
【００１５】とくに、制振構造部材１７を水槽２の上部
に取り付けたのは、水槽２と脱水槽５とから成る系の高
さ方向の重心位置を上げて、脱水槽５内の偏った洗濯物
６によって発生する偏心力と重心位置からの距離からな
るモーメント力が弱まり、脱水起動時の振動抑制作用を
するようにしたものである。さらに、重り１８を付加す
ることにより、水槽２と脱水槽５とから成る系の傾き方
向の慣性モーメントを増加させて、水槽２の上端部にお
ける振動振幅を一層減少するようにしてある。
に取り付けたのは、水槽２と脱水槽５とから成る系の高
さ方向の重心位置を上げて、脱水槽５内の偏った洗濯物
６によって発生する偏心力と重心位置からの距離からな
るモーメント力が弱まり、脱水起動時の振動抑制作用を
するようにしたものである。さらに、重り１８を付加す
ることにより、水槽２と脱水槽５とから成る系の傾き方
向の慣性モーメントを増加させて、水槽２の上端部にお
ける振動振幅を一層減少するようにしてある。
【００１６】ところで、制振構造部材１７の内部にある
環状の重り１８とゴム輪１９から構成される水平方向の
固有角振動数は、ゴム輪１９のバネ定数をＫ、環状の重
り１８の質量をＭ、水槽２及び脱水槽５から成る系の固
有角振動数をωd とすると、ωd ＝（Ｋ／Ｍ）1/2 とな
る。
環状の重り１８とゴム輪１９から構成される水平方向の
固有角振動数は、ゴム輪１９のバネ定数をＫ、環状の重
り１８の質量をＭ、水槽２及び脱水槽５から成る系の固
有角振動数をωd とすると、ωd ＝（Ｋ／Ｍ）1/2 とな
る。
【００１７】このとき、上式の関係より、（ゴム輪１９
のバネ定数／環状の重り１８の質量）の数値の関係が常
に一定に保たれているように設定すれば、環状の重り１
８の質量を任意に選定することが可能であり、その環状
の重り１８の質量に応じてゴム輪１９の数、厚さ、硬度
を変更すればよい。
のバネ定数／環状の重り１８の質量）の数値の関係が常
に一定に保たれているように設定すれば、環状の重り１
８の質量を任意に選定することが可能であり、その環状
の重り１８の質量に応じてゴム輪１９の数、厚さ、硬度
を変更すればよい。
【００１８】上記のように構成した実施の形態１の作用
を説明する。まず、洗濯時には、電源をＯＮしてモータ
７を駆動すると、モータ７によって発生した動力は、第
１のプーリ７、ベルト１５、第２のプーリ１４を通っ
て、機構部８のギア９に至り、ここから洗濯軸１０を通
ってパルセータ１２に伝達され、パルセータ１２を回転
して脱水槽５内の洗濯物６を洗濯する。次に、脱水時に
は、モータ７によって発生した動力は、第１のプーリ
７、ベルト１５、第２のプーリ１４を通って、機構部８
のギア９に至り、ここから脱水軸１１を通って脱水槽５
に伝達され、脱水槽５を回転して洗濯物６を脱水する。
を説明する。まず、洗濯時には、電源をＯＮしてモータ
７を駆動すると、モータ７によって発生した動力は、第
１のプーリ７、ベルト１５、第２のプーリ１４を通っ
て、機構部８のギア９に至り、ここから洗濯軸１０を通
ってパルセータ１２に伝達され、パルセータ１２を回転
して脱水槽５内の洗濯物６を洗濯する。次に、脱水時に
は、モータ７によって発生した動力は、第１のプーリ
７、ベルト１５、第２のプーリ１４を通って、機構部８
のギア９に至り、ここから脱水軸１１を通って脱水槽５
に伝達され、脱水槽５を回転して洗濯物６を脱水する。
【００１９】ところで、脱水起動時に、脱水槽５内にお
ける洗濯物６に偏りが生じると、水槽２および脱水槽５
は、水槽２と脱水槽５とから成る系の水平方向の固有振
動数と一致した回転数で、水槽２は水平方向に最大振幅
を発生する。このとき、水槽２の上部円周沿いに取り付
けた制振構造部材１７内の環状の重り１８は、水平方向
の固有振動数と一致した結果、激しく左右、前後に水平
方向で振動する。水槽２も固有振動数と一致したので激
しく振動するが、水槽２の振動エネルギーは水槽２上部
の円周沿いに取り付けた環状重り１８の振動エネルギー
とで分散されるので、水槽２自身の振動エネルギーは小
さくなり、水槽２の振幅は小さくなる。
ける洗濯物６に偏りが生じると、水槽２および脱水槽５
は、水槽２と脱水槽５とから成る系の水平方向の固有振
動数と一致した回転数で、水槽２は水平方向に最大振幅
を発生する。このとき、水槽２の上部円周沿いに取り付
けた制振構造部材１７内の環状の重り１８は、水平方向
の固有振動数と一致した結果、激しく左右、前後に水平
方向で振動する。水槽２も固有振動数と一致したので激
しく振動するが、水槽２の振動エネルギーは水槽２上部
の円周沿いに取り付けた環状重り１８の振動エネルギー
とで分散されるので、水槽２自身の振動エネルギーは小
さくなり、水槽２の振幅は小さくなる。
【００２０】次に、図３を用いて、水槽２の振動振幅状
況について説明する。図において、縦軸は水槽２の上端
部における振幅Ｄ、横軸は時間Ｔを示している。なお、
振幅Ｄは水槽２の前後方向の振幅ＤX 、左右方向の振幅
ＤY のベクトル平均｛Ｄ＝（ＤX 2 ＋ＤY 2 ）1/2 ｝で
あり、重心が並進して運動する水平方向の振幅と水槽２
の傾きによって発生する水平方向の振幅とを合成したも
のである。また、実線は従来の全自動洗濯機の脱水起動
振動特性図、点線は実施の形態１による環状の制振構造
部材１７を装着した全自動洗濯機の脱水起動振動特性図
である。
況について説明する。図において、縦軸は水槽２の上端
部における振幅Ｄ、横軸は時間Ｔを示している。なお、
振幅Ｄは水槽２の前後方向の振幅ＤX 、左右方向の振幅
ＤY のベクトル平均｛Ｄ＝（ＤX 2 ＋ＤY 2 ）1/2 ｝で
あり、重心が並進して運動する水平方向の振幅と水槽２
の傾きによって発生する水平方向の振幅とを合成したも
のである。また、実線は従来の全自動洗濯機の脱水起動
振動特性図、点線は実施の形態１による環状の制振構造
部材１７を装着した全自動洗濯機の脱水起動振動特性図
である。
【００２１】まず、従来の全自動洗濯機について説明す
る。脱水起動時には、時間Ｔ1 でピークＰ1 を通過し、
その後、時間Ｔ2 でピークＰ2 を通過する。ピークＰ1
は一次ピークと呼ばれ、水槽２と脱水槽５とから成る系
の水平方向の固有振動数と一致して発生したピークであ
り、重心が並進して運動する水平振動が支配的である。
ピークＰ2 は二次ピークと呼ばれ、水槽２と脱水槽５と
から成る系の傾きの固有振動数と一致して発生したピー
クであり、重心を中心に水槽２と脱水槽５が傾いて運動
する傾き振動が支配的である。
る。脱水起動時には、時間Ｔ1 でピークＰ1 を通過し、
その後、時間Ｔ2 でピークＰ2 を通過する。ピークＰ1
は一次ピークと呼ばれ、水槽２と脱水槽５とから成る系
の水平方向の固有振動数と一致して発生したピークであ
り、重心が並進して運動する水平振動が支配的である。
ピークＰ2 は二次ピークと呼ばれ、水槽２と脱水槽５と
から成る系の傾きの固有振動数と一致して発生したピー
クであり、重心を中心に水槽２と脱水槽５が傾いて運動
する傾き振動が支配的である。
【００２２】次に、制振構造部材１７を水槽２の任意の
位置に装着した場合は、従来と比べて、ピークＰ1 はＰ
3 およびＰ4 にピークが分かれて通過することにより、
Ｔ1時での水槽振幅は減少する。また、水槽２の上部に
固定支持された環状の制振構造部材１７によって、水槽
２と脱水槽５とから成る系の傾きの重心位置が高さ方向
に上がることにより、洗濯物６の偏りから生じた偏心力
と重心位置からの距離からなるモーメント力が大幅に減
少し、ピークＰ2 はピークＰ5 となり、Ｔ2 時での振幅
も大幅に減少する。また、制振構造部材１７の付加によ
り、水槽２と脱水槽５とから成る系の傾き方向の慣性モ
ーメントも増加するので、脱水起動時における水槽振動
振幅は一層減少する。
位置に装着した場合は、従来と比べて、ピークＰ1 はＰ
3 およびＰ4 にピークが分かれて通過することにより、
Ｔ1時での水槽振幅は減少する。また、水槽２の上部に
固定支持された環状の制振構造部材１７によって、水槽
２と脱水槽５とから成る系の傾きの重心位置が高さ方向
に上がることにより、洗濯物６の偏りから生じた偏心力
と重心位置からの距離からなるモーメント力が大幅に減
少し、ピークＰ2 はピークＰ5 となり、Ｔ2 時での振幅
も大幅に減少する。また、制振構造部材１７の付加によ
り、水槽２と脱水槽５とから成る系の傾き方向の慣性モ
ーメントも増加するので、脱水起動時における水槽振動
振幅は一層減少する。
【００２３】実施の形態１では、以上のような制振構造
部材１７の構造、作用によって、脱水運転起動時におい
て、水槽２および脱水槽５の振動を大幅に低減できる。
このため、水槽２が大きな振動を発生した場合に運転を
一時停止させる保護スイッチの動作率が極めて減少する
ことになる。
部材１７の構造、作用によって、脱水運転起動時におい
て、水槽２および脱水槽５の振動を大幅に低減できる。
このため、水槽２が大きな振動を発生した場合に運転を
一時停止させる保護スイッチの動作率が極めて減少する
ことになる。
【００２４】実施の形態２ 図４は本発明の実施の形態２の縦断面図、図５は図４の
Ｂ−Ｂ断面図である。１７は環状の制振構造部材で、水
槽２の上部の外周壁沿いに取り付けてある。その他の構
成は、実施の形態１で示した場合と同様なので、説明は
省略する。
Ｂ−Ｂ断面図である。１７は環状の制振構造部材で、水
槽２の上部の外周壁沿いに取り付けてある。その他の構
成は、実施の形態１で示した場合と同様なので、説明は
省略する。
【００２５】上記のように構成した実施の形態２の作用
を説明する。脱水起動時に、脱水槽５内における洗濯物
６に偏りが生じると、水槽２及び脱水槽５は、水槽２と
脱水槽５とから成る系の水平方向の固有振動数と一致し
た回転数で、水槽２は水平方向に最大振幅を発生する。
このとき、水槽２上部の外周壁沿いに取り付けた制振構
造部材１７内の環状の重り１８は、水平方向の固有振動
数と一致した結果、激しく左右、前後に水平方向で振動
する。
を説明する。脱水起動時に、脱水槽５内における洗濯物
６に偏りが生じると、水槽２及び脱水槽５は、水槽２と
脱水槽５とから成る系の水平方向の固有振動数と一致し
た回転数で、水槽２は水平方向に最大振幅を発生する。
このとき、水槽２上部の外周壁沿いに取り付けた制振構
造部材１７内の環状の重り１８は、水平方向の固有振動
数と一致した結果、激しく左右、前後に水平方向で振動
する。
【００２６】水槽２も固有振動数と一致したので激しく
振動するが、水槽２の振動エネルギーは水槽２上部の外
周壁沿いに取り付けた環状重り１８の振動エネルギーと
で分散されるので、水槽２自身の振動エネルギーは小さ
くなり、水槽２の振幅は小さくなる。その他の作用は、
実施の形態１で示した場合と実質的に同様なので、説明
は省略する。実施の形態２によれば、実施の形態１と同
様の効果を得ることができる。
振動するが、水槽２の振動エネルギーは水槽２上部の外
周壁沿いに取り付けた環状重り１８の振動エネルギーと
で分散されるので、水槽２自身の振動エネルギーは小さ
くなり、水槽２の振幅は小さくなる。その他の作用は、
実施の形態１で示した場合と実質的に同様なので、説明
は省略する。実施の形態２によれば、実施の形態１と同
様の効果を得ることができる。
【００２７】実施の形態３ 図６は本発明の実施の形態３の縦断面図、図７は図６の
Ｃ−Ｃ断面図である。１７は環状の制振構造部材で、水
槽２の底面から下方に一定の距離隔てて水槽２の底面円
周に合わせて取り付けてある。その他の構成は、実施の
形態１で示した場合と同様なので、説明は省略する。
Ｃ−Ｃ断面図である。１７は環状の制振構造部材で、水
槽２の底面から下方に一定の距離隔てて水槽２の底面円
周に合わせて取り付けてある。その他の構成は、実施の
形態１で示した場合と同様なので、説明は省略する。
【００２８】上記のように構成した実施の形態３の作用
を説明する。脱水起動時に、脱水槽５内における洗濯物
６に偏りが生じると、水槽２及び脱水槽５は、水槽２と
脱水槽５とから成る系の水平方向の固有振動数と一致し
た回転数で、水槽２は水平方向に最大振幅を発生する。
このとき、水槽２の底面から下方に隔てて円周沿いに取
り付けた制振構造部材１７内の環状の重り１８は、水平
方向の固有振動数と一致した結果、激しく左右、前後に
水平方向で振動する。
を説明する。脱水起動時に、脱水槽５内における洗濯物
６に偏りが生じると、水槽２及び脱水槽５は、水槽２と
脱水槽５とから成る系の水平方向の固有振動数と一致し
た回転数で、水槽２は水平方向に最大振幅を発生する。
このとき、水槽２の底面から下方に隔てて円周沿いに取
り付けた制振構造部材１７内の環状の重り１８は、水平
方向の固有振動数と一致した結果、激しく左右、前後に
水平方向で振動する。
【００２９】水槽２も固有振動数と一致したので激しく
振動するが、水槽２の振動エネルギーは水槽２に取り付
けた環状重り１８の振動エネルギーとで分散されるの
で、水槽２自身の振動エネルギーは小さくなり、水槽２
の振幅は小さくなる。その他の作用は、実施の形態１で
示した場合と実質的に同様なので、説明は省略する。実
施の形態３によれば、実施の形態１と同様の効果を得る
ことができる。
振動するが、水槽２の振動エネルギーは水槽２に取り付
けた環状重り１８の振動エネルギーとで分散されるの
で、水槽２自身の振動エネルギーは小さくなり、水槽２
の振幅は小さくなる。その他の作用は、実施の形態１で
示した場合と実質的に同様なので、説明は省略する。実
施の形態３によれば、実施の形態１と同様の効果を得る
ことができる。
【００３０】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、液体バランサを有する脱水槽を内部に配設した水槽
を防振懸垂支持した全自動洗濯機であって、環状の重り
とこの環状の重りに弾性を付与する弾性体とで構成した
制振構造部材を水槽の任意の位置に取り付けた。
は、液体バランサを有する脱水槽を内部に配設した水槽
を防振懸垂支持した全自動洗濯機であって、環状の重り
とこの環状の重りに弾性を付与する弾性体とで構成した
制振構造部材を水槽の任意の位置に取り付けた。
【００３１】このため、脱水起動時に、水槽と脱水槽と
から成る系の水平方向の固有振動数と一致させた制振構
造部材内の環状重りが激しく振動することにより、水槽
の水平振幅を減少させることができ、水槽が外箱に衝突
することなく円滑な脱水運転を行うことができる。
から成る系の水平方向の固有振動数と一致させた制振構
造部材内の環状重りが激しく振動することにより、水槽
の水平振幅を減少させることができ、水槽が外箱に衝突
することなく円滑な脱水運転を行うことができる。
【００３２】また、制振構造部材を、水槽上部の円周沿
いに取り付けた。このため、脱水起動時に、水槽と脱水
槽とから成る系の水平方向の固有振動数と一致させた制
振構造部材内の環状重りが激しく振動することにより、
水槽の水平振幅を減少させることができ、水槽が外箱に
衝突することなく円滑な脱水運転を行うことができる。
いに取り付けた。このため、脱水起動時に、水槽と脱水
槽とから成る系の水平方向の固有振動数と一致させた制
振構造部材内の環状重りが激しく振動することにより、
水槽の水平振幅を減少させることができ、水槽が外箱に
衝突することなく円滑な脱水運転を行うことができる。
【００３３】さらに、制振構造部材を、水槽上部の外周
壁沿いに取り付けてた。このため、このため、脱水起動
時に、水槽と脱水槽とから成る系の水平方向の固有振動
数と一致させた制振構造部材内の環状重りが激しく振動
することにより、水槽の水平振幅を減少させることがで
き、水槽が外箱に衝突することなく円滑な脱水運転を行
うことができる。
壁沿いに取り付けてた。このため、このため、脱水起動
時に、水槽と脱水槽とから成る系の水平方向の固有振動
数と一致させた制振構造部材内の環状重りが激しく振動
することにより、水槽の水平振幅を減少させることがで
き、水槽が外箱に衝突することなく円滑な脱水運転を行
うことができる。
【００３４】また、制振構造部材を、水槽底面の下方で
この水槽の底面円周に合わせて取り付けた。このため、
脱水起動時に、水槽と脱水槽とから成る系の水平方向の
固有振動数と一致させた制振構造部材内の環状重りが激
しく振動することにより、水槽の水平振幅を減少させる
ことができ、水槽が外箱に衝突することなく円滑な脱水
運転を行うことができる。
この水槽の底面円周に合わせて取り付けた。このため、
脱水起動時に、水槽と脱水槽とから成る系の水平方向の
固有振動数と一致させた制振構造部材内の環状重りが激
しく振動することにより、水槽の水平振幅を減少させる
ことができ、水槽が外箱に衝突することなく円滑な脱水
運転を行うことができる。
【００３５】さらに、制振構造部材を、環状の重りの内
周と外周に沿って弾性体を配設して構成した。このた
め、脱水起動時に、水槽と脱水槽とから成る系の水平方
向の固有振動数と一致させた制振構造部材内の環状重り
が激しく振動することにより、水槽の水平振幅を減少さ
せることができ、水槽が外箱に衝突することなく円滑な
脱水運転を行うことができる。
周と外周に沿って弾性体を配設して構成した。このた
め、脱水起動時に、水槽と脱水槽とから成る系の水平方
向の固有振動数と一致させた制振構造部材内の環状重り
が激しく振動することにより、水槽の水平振幅を減少さ
せることができ、水槽が外箱に衝突することなく円滑な
脱水運転を行うことができる。
【００３６】また、制振構造部材を、環状の重りの内周
と外周に沿って複数のゴム輪からなる弾性体を配設して
構成した。このため、脱水起動時に、水槽と脱水槽とか
ら成る系の水平方向の固有振動数と一致させた制振構造
部材内の環状重りが激しく振動することにより、水槽の
水平振幅を減少させることができ、水槽が外箱に衝突す
ることなく円滑な脱水運転を行うことができる。
と外周に沿って複数のゴム輪からなる弾性体を配設して
構成した。このため、脱水起動時に、水槽と脱水槽とか
ら成る系の水平方向の固有振動数と一致させた制振構造
部材内の環状重りが激しく振動することにより、水槽の
水平振幅を減少させることができ、水槽が外箱に衝突す
ることなく円滑な脱水運転を行うことができる。
【００３７】さらに、制振構造部材を、環状の重りとこ
の環状の重りに弾性を付与する弾性体と、これらの重り
と弾性体との間に潤滑油を充填して構成した。このた
め、脱水起動時に、水槽と脱水槽とから成る系の水平方
向の固有振動数と一致させた制振構造部材内の環状重り
が激しく振動することにより、水槽の水平振幅を減少さ
せることができ、水槽が外箱に衝突することなく円滑な
脱水運転を行うことができる。
の環状の重りに弾性を付与する弾性体と、これらの重り
と弾性体との間に潤滑油を充填して構成した。このた
め、脱水起動時に、水槽と脱水槽とから成る系の水平方
向の固有振動数と一致させた制振構造部材内の環状重り
が激しく振動することにより、水槽の水平振幅を減少さ
せることができ、水槽が外箱に衝突することなく円滑な
脱水運転を行うことができる。
【図１】 本発明の実施の形態１の縦断面図である。
【図２】 図１のＡ−Ａ断面図である。
【図３】 時間と水槽振幅の関係を示す線図である。
【図４】 本発明の実施の形態２の縦断面図である。
【図５】 図４のＢ−Ｂ断面図である。
【図６】 本発明の実施の形態３の縦断面図である。
【図７】 図６のＣ−Ｃ断面図である。
【図８】 従来の全自動洗濯機の一例を示す縦断面図で
ある。
ある。
【図９】 従来の全自動洗濯機の他の例を示す縦断面図
である。
である。
２ 水槽、３ 吊り棒、５ 脱水槽、１６ 液体バラン
サ、１７ 制振構造部材、１８ 重り、１９ 弾性体、
２０ 潤滑油。
サ、１７ 制振構造部材、１８ 重り、１９ 弾性体、
２０ 潤滑油。
Claims (7)
- 【請求項１】 液体バランサを有する脱水槽を内部に配
設した水槽を防振懸垂支持した全自動洗濯機において、 環状の重りと該環状の重りに弾性を付与する弾性体とで
構成した制振構造部材を前記水槽の任意の位置に取り付
けたことを特徴とする全自動洗濯機。 - 【請求項２】 制振構造部材を、水槽上部の円周沿いに
取り付けたことを特徴とする請求項１記載の全自動洗濯
機。 - 【請求項３】 制振構造部材を、水槽上部の外周壁沿い
に取り付けたことを特徴とする請求項１記載の全自動洗
濯機。 - 【請求項４】 制振構造部材を、水槽底面の下方で該水
槽の底面円周に合わせて取り付けたことを特徴とする請
求項１記載の全自動洗濯機。 - 【請求項５】 制振構造部材を、環状の重りの内周と外
周に沿って弾性体を配設して構成したことを特徴とする
請求項１〜４のいずれかに記載の全自動洗濯機。 - 【請求項６】 制振構造部材を、環状の重りの内周と外
周に沿って複数のゴム輪からなる弾性体を配設して構成
したことを特徴とする請求項１〜５のいずれかに記載の
全自動洗濯機。 - 【請求項７】 制振構造部材を、環状の重りと該環状の
重りに弾性を付与する弾性体と、これらの重りと弾性体
との間に潤滑油を充填して構成したことを特徴とする請
求項１〜６のいずれかに記載の全自動洗濯機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10070299A JPH11267393A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 全自動洗濯機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10070299A JPH11267393A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 全自動洗濯機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11267393A true JPH11267393A (ja) | 1999-10-05 |
Family
ID=13427452
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10070299A Pending JPH11267393A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 全自動洗濯機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11267393A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107558104A (zh) * | 2016-07-01 | 2018-01-09 | 青岛海尔智能技术研发有限公司 | 波轮洗衣机 |
-
1998
- 1998-03-19 JP JP10070299A patent/JPH11267393A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107558104A (zh) * | 2016-07-01 | 2018-01-09 | 青岛海尔智能技术研发有限公司 | 波轮洗衣机 |
| CN107558104B (zh) * | 2016-07-01 | 2023-09-19 | 青岛海尔智能技术研发有限公司 | 波轮洗衣机 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20031106 |
|
| A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Effective date: 20031215 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 |
|
| A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20040220 |