JPH11266890A - 1−置換−3−メトキシ−4−オキシベンゼン類の製造法 - Google Patents

1−置換−3−メトキシ−4−オキシベンゼン類の製造法

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JPH11266890A
JPH11266890A JP9551498A JP9551498A JPH11266890A JP H11266890 A JPH11266890 A JP H11266890A JP 9551498 A JP9551498 A JP 9551498A JP 9551498 A JP9551498 A JP 9551498A JP H11266890 A JPH11266890 A JP H11266890A
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oxybenzenes
clove oil
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Yutaka Morita
森田  裕
Yumiko Iwazawa
由美子 岩澤
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/02Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group
    • C12P7/22Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group aromatic

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医薬品、化粧品、農薬、食品添加物、飼料添
加物、液晶などの原料として広範な用途が期待されてい
る1−置換−3−メトキシ−4−オキシベンゼン類を安
価で大量に製造する。 【解決手段】 シュードモナス属に属する菌株を、天然
物である丁子油を含有する培地で培養し、培地中に1−
置換−3−メトキシ−4−オキシベンゼン類を生成蓄積
せしめ、これを採取する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明により、医薬品、化粧
品、農薬、食品添加物、飼料添加物、液晶などの原料と
して広範な用途が期待されている1−置換−3−メトキ
シ−4−オキシベンゼン類の製造が可能となる。
【0002】
【従来技術】1−置換−3−メトキシ−4−オキシベン
ゼン類は、天然に存在し、天然物からの抽出により得る
ことができるが、天然物の保有量に限りがあり、抽出の
工程が面倒でコストが高く、大量生産に向かない。ま
た、化学的な合成法もあるが、合成法が繁雑であり、原
料が高価で入手困難である。
【0003】フェルラ酸は植物の細胞壁の構成成分であ
り、医薬品、化粧品、農薬、食品添加物、飼料添加物、
液晶などの原料として広範な用途が期待されている物質
であるため、1−置換−3−メトキシ−4−オキシベン
ゼン類の中でも、特にその製造法について検討されてい
る。フェルラ酸はバニリンとマロン酸の縮合反応によっ
てできることが知られているが(J. Am. Chem. Soc., 74
巻,5346頁,1952年)、製造に3週間ほどかかるので工
業的な方法ではない。近年、米ヌカ廃油などをアルカリ
加水分解することで得られているが(特告平7−780
32号公報参照)、この方法でも依然として高価なの
で、広範な用途の可能性が期待されつつその利用が妨げ
られている。
【0004】オイゲノールを微生物に作用させてバニリ
ン関連物質を製造する試みがなされているが、(特開平
5−227980号公報、特開平3−30683号公
報、特開昭62−190092号公報、Agric. Biol. C
hem., 41巻, 925-929頁,1977年及び同誌 47巻,2639-2
640頁,1983年)いずれもバニリンまたはバニリン酸は
生成するものの、フェルラ酸の効率的な製造には成功し
ていない。そこで、本発明者らは自然界よりオイゲノー
ル資化性菌シュードモナス・フルオレッセンスE118生工
菌寄第15185号(Pseudomonas fluorescens E118 FERM P-
15185)を分離し、この菌体が効率よくオイゲノールをフ
ェルラ酸に変換することを見いだした(特開平9−15
4591号公報参照)。
【0005】しかし、化学的な合成によりオイゲノール
を製造するには、グアヤコールアリルエーテルのオルト
位を保護してクライゼン転位を行えばよいが、工程が複
雑でコストがかかる。また、天然物であり、オイゲノー
ル含量が高い丁子油などの精油から精留や抽出などの方
法によりオイゲノールを単離するのも困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】医薬品、化粧品、農
薬、食品添加物、飼料添加物、液晶などの原料として広
範な用途が期待されている1−置換−3−メトキシ−4
−オキシベンゼン類を安価で大量に製造することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、天然物であり安価で手に入りやすい丁子油その
ものを原料としてを1−置換−3−メトキシ−4−オキ
シベンゼン類製造する方法を見いだすに至った。すなわ
ち、本発明は、以下に示すものである。
【0008】(1)シュードモナス属に属する菌株を、
丁子油を含有する培地で培養し、培地中にフェルラ酸お
よびその関連物質を生成蓄積せしめ、これを採取するこ
とを特徴とする1−置換−3−メトキシ−4−オキシベ
ンゼン類の製造方法。 (2)シュードモナス属に属する菌株がシュードモナス
・フルオレッセンスE118生工菌寄第15185号(Pseudomona
s fluorescens E-118 FERM P-15185)である前記(1)
記載の1−置換−3−メトキシ−4−オキシベンゼン類
製造方法。 (3)シュードモナス属に属する菌株が、休止菌体また
は固定化菌体である前記(1)記載の1−置換−3−メ
トキシ−4−オキシベンゼン類の製造方法。 (4)1−置換−3−メトキシ−4−オキシベンゼン類
がコニフェリルアルコール、バニリン、およびバニリン
酸の中から選ばれる一種以上の化合物である前記(1)
記載の1−置換−3−メトキシ−4−オキシベンゼン類
の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用する丁子油はインド
ネシア原産の常緑高木チョウジ(Syzygium aromaticum
Merrill et Perry)のつぼみ、花柄ないし葉を水蒸気蒸
留して得た精油で、日本は年間約150tを輸入してい
る。また、丁子油は天然物なので近年の消費者の天然物
指向の傾向から、原料としてよりふさわしい。本発明に
おける1−置換−3−メトキシ−4−オキシベンゼン類
としては、フェルラ酸、フェルラアルデヒド、コニフェ
リルアルコール、コニフェリルアルデヒド、バニリン、
バニリン酸、バニリルアルコールなどが挙げられ、これ
らの混合物をも含む。丁子油の1−置換−3−メトキシ
−4−オキシベンゼン類への変換能を有する菌株であれ
ばいかなる微生物でも本発明の製造方法に利用できる
が、特に活性の高いシュードモナス・フルオレッセンス
E118株が好ましい。
【0010】その菌株を、丁子油を含んだ培地で好気的
に培養する。培養液は丁子油を含んでいて本菌株が生育
するものであればいかなるものでもよいが、好ましくは
丁子油0.1から0.5%(v/v)、しょ糖0.5か
ら3%(w/v)、ペプトン0.05から0.2%(w
/v)、硫酸マグネシウム7水塩0.01から0.1%
(w/v)、硫酸第一鉄7水塩0.05から0.2%
(w/v)、酵母エキス0.1から1%(w/v)、酵
母エキス0.1から1%(w/v)及び金属塩混液0.
05から0.2%(v/v)からなるもので、pH6.
5から8.0のものが用いられる。丁子油は培養中に消
費され尽くした場合は逐次培地に添加してもよい。金属
塩混液は脱イオン水1L中に塩化カルシウム2水塩0.
4g、ほう酸0.3g、硫酸銅5水塩0.04g、よう
化カリウム0.1g、硫酸マンガン7水塩0.4g、モ
リブデン酸ナトリウム2水塩0.2gを溶かした溶液か
らなるものが好ましい。
【0011】本発明の製造方法における培養は、20〜
35℃で18〜72時間通気撹拌により行う。培養時間
が短いとコニフェリル・アルコールまたはフェルラ酸が
得られる。培養時間が長いと、フェルラ酸に加えてバニ
リンまたはバニリン酸が得られる。得られた培養液から
遠心分離または濾過で微生物菌体を取り除く。上清を陰
イオン交換樹脂カラム、続いてシリカゲル・カラムにと
おして1−置換−3−メトキシ−4−オキシベンゼン類
を精製する。
【0012】遠心分離または濾過で得られた菌体を、菌
体0.5g(湿重量)に対して1Mリン酸カリウム緩衝
液(pH7.0)1mLの割合で懸濁し、菌体懸濁液を
得る。休止菌体反応のための反応液は、菌体懸濁液と中
性付近の緩衝液及び丁子油が含まれれものであればいか
なる組成のものでも良い。丁子油成分が反応液から消費
され尽くした場合は逐次、反応液に添加して良い。ポリ
オキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等の界
面活性剤やn−ヘプタンなどの水不溶性有機溶媒を反応
液に添加しても良い。
【0013】休止菌体反応は25〜50℃の温度で、丁
子油とpH緩衝液が入った反応液を、丁子油成分をもは
や消費しなくなるまでの時間、好ましくは5から72時
間の間、振盪、あるいは撹拌して行う。反応停止後、遠
心分離または濾過にて反応液から菌体を除去して上清を
得る。上清から公知の方法にて、フェルラ酸を分離精製
する。すなわち、上清に塩酸を滴下してフェルラ酸の粗
結晶を得る。粗結晶を少量の熱水に溶かし、冷却して再
結晶を得る。再結晶を繰り返して精製フェルラ酸を得
る。
【0014】菌体の固定化は、菌体内の丁子油をフェル
ラ酸に転換する酵素系が失活しないならば、いかなる方
法でもよい。菌体をセラミックやガラスの微粉末などの
担体に吸着させたり、グルタルアルデヒド等の架橋材で
菌体同士を架橋させたり、アルギン酸などの高分子化合
物で菌体を包み込んだりしてもよい。固定化菌体を用い
た反応は、休止菌体反応と同様な組成の反応液で同様に
保温し、振盪あるいは攪拌して行う。または、固定化菌
体を充填したカラムに反応液を流し込んで溶出液を集め
てもよい。反応停止後、遠心分離または濾過にて反応液
から固定化菌体を除去して上清を得る。上清から公知の
方法にて、フェルラ酸を分離精製する。分離した固定化
菌体は反復使用できる。
【0015】
【実施例】つぎに、実施例により本発明を具体的に説明
する。本発明はこれらの実施例にのみ限定されるもので
はない。
【0016】実施例1 シュードモナス・フルオレッセンスE118生工菌寄第1518
5号(Pseudomonas fluorescens E118 FERM P-15185)を、
丁子油0.2%(v/v)、しょ糖1%(w/v)、リ
ン酸2カリウム0.2%(w/v)、ペプトン0.03
%(w/v)、硫酸マグネシウム7水塩0.05%(w
/v)、酵母エキス0.03%(w/v)、及び金属塩
混液0.1%(v/v)からなるpH7.0に調製した
培養液2Lで24時間通気撹拌培養した。金属塩混合液
として脱イオン水1Lに塩化カルシウム2水塩0.4
g、ホウ酸0.3g、硫酸銅5水塩0.04g、ヨウ化
カリウム0.1g、硫酸第一鉄7水塩0.2g、硫酸マ
ンガン7水塩0.4g、モリブデン酸ナトリウム2水塩
0.2gを溶解した溶液を用いた。培養後の培養液を遠
心分離し、培養液を陰イオン交換樹脂(IRA)カラム
にとおし、続いてシリカゲル・カラムにとおして精製フ
ェルラ酸0.5gおよびバニリン酸0.1gを得た。
【0017】実施例2 実施例1の培養で得られた菌体を生理食塩水で洗浄し、
生理食塩水に懸濁し、菌体懸濁液を得た。得られた菌体
懸濁液の濃度は0.5g(湿重量)/mLであった。こ
の菌体懸濁液1mLに1Mりん酸カリウム緩衝液(pH
7.0)0.2mLと丁子油を40mg加え、脱イオン
水で2mLにした反応液を30℃で4時間振とうした。
2mLのメタノールを加えて反応を停止した後、反応液
を遠心分離し、分離した上清について高速液体クロマト
グラフでフェルラ酸などの分析を行った。高速液体クロ
マトグラフィーは、サイズが4.6×150mmのOD
S C18カラムを用い、メタノール:脱イオン水:酢
酸=45:52:3の成分比の溶出液を毎分1.0mL
の流速で流して展開し、280nmの吸光度を検出し
た。標準のフェルラ酸の保持時間である3.0分付近の
ピークをフェルラ酸、2.2分付近のピークをバニリン
酸とした。その結果、フェルラ酸5mgおよびバニリン
酸1.5mgを得た。
【0018】実施例3 実施例1の培養で得られた菌体を生理食塩水で洗浄し、
生理食塩水に懸濁し、菌体懸濁液を得た。得られた菌体
懸濁液の濃度は0.5g(湿重量)/mLであった。こ
の菌体懸濁液10mLをセラミック微粉末2gに吸着さ
せ、これに1Mりん酸カリウム緩衝液(pH7.0)2
mLと丁子油を0.4g加え、脱イオン水で20mLに
した反応液を30℃で振とうした。24時間後、丁字油
をさらに0.4g添加して振とうした。 24時間後、
20mLのメタノールを加えて反応を停止した後、反応
液を遠心分離し、分離した上清について高速液体クロマ
トグラフで1−置換−3−メトキシ−4−オキシベンゼ
ン類を測定した。高速液体クロマトグラフィーは、サイ
ズが4.6×150mmのODS C18カラムを用
い、メタノール:脱イオン水:酢酸=45:52:3の
成分比の溶出液を1.0mL/分の流速で流して展開
し、280nmの吸光度を検出した。標準のフェルラ酸
の保持時間である3.0分付近のピークをフェルラ酸、
2.2分付近のピークをバニリン酸とした。その結果、
フェルラ酸110mgおよびバニリン酸33mgを得
た。同じ操作を10回繰り返した。10回目のフェルラ
酸の生産量の低下率は12%であった。10回目のバニ
リン酸の生産量の低下率は15%であった。
【0019】比較例1 (オイゲノールの化学合成)グアヤコール1.25g、
CuCl2・H2O 0.01g、塩化ナトリウム飽和水
溶液80mLおよび塩化アリル0.77gを500mL
フラスコに入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。一
時間後、10%(W/V)酢酸ナトリウム水溶液8.2
mLを3時間かけて加えた。その後、反応液を徐々に加
熱して100℃になった後に空冷した。室温になってか
らトルエン50mLを加えて分層させた。トルエン層に
塩化ナトリウム飽和水溶液50mLで3回洗浄した。洗
浄後のトルエン層から、トルエンを蒸発させた後、6m
mHg(SI単位だと800Pa)にて蒸留を行った。
115−149℃でオイゲノール異性体含有量90%
(W/V)の留分0.42mLが得られた。このうちo
−オイゲノール(天然型)は11%(V/V)であり、
0.5gがとれた。グアヤコールから天然型オイゲノー
ルへの収率は8%であった。
【0020】比較例2 (丁子油からのオイゲノールの精製)丁子油300g
に、5%(w/w)のNaOH水溶液100mLを加え
振とうして他の油を除いた後、希硫酸100mLを加え
てオイゲノールを析出させた。次いで、水100mLで
2回洗浄し、無水硫酸マグネシウム30gを加えて乾燥
させた。次いで、減圧蒸留により、5mmHgで108
℃〜112℃の留分を分留することによりオイゲノール
(純度98GC%)3.2gを得た。つまり、丁子油か
らのオリゲノールの精製は収率約1%という非効率的な
ものであった。
【0021】比較例3 (オイゲノールからのフェルラ酸)シュードモナス・フ
ルオレッセンスE118 FERM P-15185をオイゲノール0.
15%(v/v)、しょ糖1%(w/v)、ペプトン
0.1%(w/v)、りん酸2カリウム0.2%(w/
v)、硫酸マグネシウム7水塩0.05%(w/v)、
酵母エキス0.03%(w/v)及び金属塩混合液0.
1%(v/v)からなるpHを7.0に調製した培養液
1Lで24時間、通気撹拌培養した。金属塩混合液とし
て脱イオン水1L中に塩化カルシウム2水塩0.4g、
ほう酸0.3g,硫酸銅5水塩0.04g,よう化カリ
ウム0.1g,硫酸第一鉄7水塩0.2g,硫酸マンガ
ン7水塩0.4g,モリブデン酸ナトリウム2水塩0.
2gを溶かした溶液を用いた。培養後の培養液を遠心分
離して得た菌体を生理食塩水で洗浄し、生理食塩水に懸
濁し、菌体懸濁液を得た。得られた菌体懸濁液の濃度は
0.5g(湿重量)/mLであった。この菌体懸濁液1
mLに、1Mりん酸カリウム緩衝液(pH7.0)0.
2mLとオイゲノール1.6mgを添加し、脱イオン水
で2mLにした反応液を、30℃で2時間振とうした。
その後、2mLのメタノールをこの反応液に加えて反応
を停止した後、遠心分離して菌体を除去し、分離した上
清について、高速液体クロマトグラフィーでフェルラ酸
の定量分析を行った。標準のフェルラ酸の保持時間であ
る3.0分付近のピークをフェルラ酸とし、1.8mg
のフェルラ酸が検出された。しかし、バニリン酸の保持
時間である2.2分付近のピークは認められなかった。
【0022】
【発明の効果】本発明の方法を用いることにより、医薬
品、化粧品、農薬、食品添加物、飼料添加物、液晶など
の原料として広範な用途が期待されている1−置換−3
−メトキシ−4−オキシベンゼン類を安価で大量に製造
することが可能となる。また、丁子油は天然物なので近
年の消費者の天然物指向の傾向から、原料としてよりふ
さわしい。チョウジ産地の現場で1−置換−3−メトキ
シ−4−オキシベンゼン類にまで加工が可能になれば1
−置換−3−メトキシ−4−オキシベンゼン類がより安
価になり、また産地の地域振興に役立つことが想像でき
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シュードモナス属に属する菌株を、丁子
    油を含有する培地で培養し、培地中に1−置換−3−メ
    トキシ−4−オキシベンゼン類を生成蓄積せしめ、これ
    を採取することを特徴とする、1−置換−3−メトキシ
    −4−オキシベンゼン類の製造法。
  2. 【請求項2】 シュードモナス属に属する菌株がシュー
    ドモナス・フルオレッセンスE118生工菌寄第15185号(Ps
    eudomonas fluorescens E118 FERM P-15185)である請求
    項1記載の1−置換−3−メトキシ−4−オキシベンゼ
    ン類の製造方法。
  3. 【請求項3】 シュードモナス属に属する菌株が、休止
    菌体または固定化菌体である請求項1記載の1−置換−
    3−メトキシ−4−オキシベンゼン類の製造方法。
  4. 【請求項4】 1−置換−3−メトキシ−4−オキシベ
    ンゼン類がコニフェリルアルコール、バニリン、および
    バニリン酸の中から選ばれる一種以上の化合物である請
    求項1記載の製造方法。
JP9551498A 1998-03-24 1998-03-24 1−置換−3−メトキシ−4−オキシベンゼン類の製造法 Pending JPH11266890A (ja)

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