JP3873057B2 - 光学活性能を有するローズオキサイドの酵素‐化学合成による製造方法 - Google Patents

光学活性能を有するローズオキサイドの酵素‐化学合成による製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ラセミ体シトロネロールから光学活性能を有するローズオキサイドの右旋性および左旋性異性体を合成する方法に関する。特に、本発明はラセミ体シトロネロールから光学活性能を有する(‐)‐(2S,4R)‐ローズオキサイドおよびその異性体である(+)‐(2R,4S)‐ローズオキサイドの合成に関する。
【0002】
【従来の技術】
天然のローズオキサイドは、ブルガリアのバラやゼラニウム・バーボンオイルの成分で、少量ではあるが嗅覚や感覚器官を刺激する基本的成分であり、主として(‐)‐(2S,4R)‐2‐(2‐メチル‐1‐プロペニル)‐4‐メチルテトラヒドロピランからなる。天然のローズオキサイドは、シス異性体を主成分とするシス及びトランス両ローズオキサイドの混合物である。ローズオキサイドは最初にローズオイルから抽出された[Seidel and Stoll, Helv. Chem. Acta. 42, 1830, (1959)]。それは後にゼラニウム・バーボンオイルの基本成分でもあることが判明した[Seidel et al, Helv. Chem. Acta. 44, 598, (1961)]。
【0003】
ローズオキサイドは通常ジャワ・シトロネラオイル中にあるシトロネロールから製造される。ジャワ・シトロネラは豊富に利用できる原料で、そのオイルは香料として重要な産業的用途を持っている。合成ラセミ体シトロネロールはネロール/ゲラニオールまたはシトラールから水素添加によって造られる。これらのモノテルペンは天然原料から豊富に利用できる。簡単で経済的に容易なラセミ体シトロネロールの合成はジヒドロミルセン(3,7‐ジメチル‐オクタ‐1,6‐ジエン)からスタートする。ジヒドロミルセンは容易に利用できるα‐またはβ‐ピネンから水素添加ついで熱分解により得ることができる。
【0004】
ローズオキサイドの合成には多くの方法があるが、現在知られているものの殆どは、シトロネロールから種々の方法で生成される(E)‐3,7‐ジメチル‐5‐オクテン‐1,7‐ジオールを酸触媒によって環化する手順を含んでいる[Ohloff G and Lienhard, Helv. Chem. Acta. 48, 182, (1961)]。Ohloffは、シトロネロールを感光性空気酸化して(E)‐3,7‐ジメチル‐5‐オクテン‐1,7‐ジオールを生成し、還元によりアルキルハイドロパーオキサイドとし、ついで、酸により環化してシスおよびトランスローズオキサイドの混合物を得た。Eschinasiは2,6‐ジメチル‐2,3,8‐トリアセトキシオクタンの熱分解で得た(E)‐8‐アセトキシ‐2,6‐ジメチル‐1,3‐オクタジエンを酸触媒により環化してローズオキサイドの混合物を製造した[Eschinasi E.H., J. Org. Chem. 35, 1097 (1970)]。
【0005】
1984年に、P.Audin等は学術的興味を呼んだキラル触媒を使用してシスに富む(2S,4R)ローズオキサイドの全合成を行っている[Audin, P., Douthean, A., Gore, J., Bull. Soc. Chem. Fr. 1984, 7, D‐297‐II 306]。
【0006】
ラセミ体シトロネロールから生触媒方法により光学活性能を有するローズオキサイドの右旋性及び左旋性異性体を生成することに関する先行技術は文献にはない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
故に、本発明の主たる目的は、合成の中間ステップで生触媒または微生物を使用して、光学活性能を有する(‐)‐(2S,4R)及び(+)‐(2R,4S)‐ローズオキサイドを生成する新しい合成方法を提供するにある。
【0008】
本発明の他の目的は、豊富に入手できる原材料であるラセミ体シトロネロールから、生触媒または酵素を使用して光学活性能を有するローズオキサイドを合成する新たに開発された経済的且つ環境にやさしい方法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明はラセミ体シトロネロールから光学活性能を有する(‐)‐(2S,4R)‐ローズオキサイドおよびその異性体である(+)‐(2R,4S)‐ローズオキサイドを合成する方法を提供する。当該方法は、以下のプロセスからなる。ラセミ体シトロネロールを無水アルコール中でハロゲン化剤でハロゲン化しアルコキシハライドを得る、得られたアルコキシハライドの脱ハロゲン化水素反応により対応する3‐オクテン‐8‐オール誘導体を得る、該3‐オクテン‐8‐オール誘導体のアルコール基を塩基の存在のもとにアシル化剤でアシル化し、対応するアシレートを得る。得られたアシレートを粉末酵素シュードモナス属リパーゼまたは粉末酵素カンジダ属ルーゴウサリパーゼを用いて分解反応させ、反応生成物である光学活性能を有する加水分解アルコールと非加水分解アシレート誘導体とからなる混合物を分離し、該混合物から加水分解アルコールと非加水分解アシレートとをそれぞれ分離し、前記光学活性能を有するアシレートを塩基とともに加水分解して光学活性能を有する第1級アルコールとし、該アルコールを酸触媒により環化して右旋性の(2R,4S)‐ローズオキサイドを生成する。
前記光学活性能を有する加水分解アルコールは酸触媒で直接環化し左旋性の(2S,4R)ローズオキサイドを生成する。
【0010】
本発明の一実施形態においては、前記アルコキシハライドのアルキル基はメチル基、エチル基、n‐プロピル基およびn‐ブチル基からなる群から選択される。本発明の他の実施形態においては、前記ハライドはクロロ‐、ブロモ‐、ヨード‐からなる群から選択される。本発明の他の実施形態においては、前記形成される3‐オクテノールは2‐アルコキシ‐3‐ハロ‐2,6‐ジメチル‐8‐オクテノールである。
【0011】
本発明の他の実施形態においては、アルコキシハライドの脱ハロゲン化水素反応は強塩基またはアルカリを用いて(E)‐アルコキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オールを生成する。本発明の更なる実施形態においては、(E)‐アルコキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オールをアシル化して(E)‐8‐アシロキシ‐2‐アルコキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテンを得る。
【0012】
本発明の他の実施形態においては、ラセミ体シトロネロールのハロゲン化はNクロロスクシンイミド、N‐ブロモスクシンイミドおよびN‐ヨードスクシンイミドからなる群から選択されたN‐ハロゲン化スクシンイミドを用いて行われる。本発明の他の実施形態においては、ラセミ体シトロネロールのハロゲン化は臭素およびヨウ素から選択されたハロゲン、または一塩化ヨウ素および沃化カリウムから選択されたハロゲン化塩を用いて行われる。本発明の他の実施形態においては、ラセミ体シトロネロールのハロゲン化はメタノール、エタノールおよびプロパノールからなる群から選択される極性無水アルコール溶媒中で行われる。本発明の更なる実施形態においては、ラセミ体シトロネロールのハロゲン化は0〜50℃の温度範囲、好ましくは10〜20℃の温度範囲で行われる。
【0013】
本発明の他の実施形態においては、アルコキシハライドの脱ハロゲン化水素反応に用いる塩基は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムからなる群から選択される無機塩基である。本発明の更なる他の実施形態においては、アルコキシハライドの脱ハロゲン化水素反応に用いる塩基はジメチルアミン、トリメチルアミン、1,8‐ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク‐7‐エン及びピリジンからなる群より選択される有機塩基である。
【0014】
本発明の更なる他の実施形態においては、アシル化剤は酸無水物または塩化アシルから選択される。本発明の更なる実施形態においては、前記酸無水物は無水酢酸、無水プロピオン酸、及び無水酪酸からなる群より選択される。本発明の更なる実施形態においては、前記塩化アシルは、塩化アセチルまたは塩化プロピオニルから選択される。本発明の更なる実施形態においては、アシル化は、ピリジン、4‐ジメチルアミノピリジン及びピペリジン、好ましくはピリジンからなる群より選択される有機塩基の存在のもとに行われる。
【0015】
発明の他の実施形態においては、アシル化は、水またはリン酸緩衝溶液中で行われ、水溶液媒体のpHは5〜9、好ましくはpH7に維持される。本発明の他の実施形態においては、酵素反応の温度は10〜45℃、好ましくは15〜20℃に維持される。
【0016】
本発明の更なる他の実施形態においては、光学活性能を有する非加水分解アシレートおよび加水分解第1級アルコールの分離はカラムクロマトグラフィまたは分別蒸留により行われる。本発明の更なる他の実施形態においては、光学活性能を有するアシレートから光学的活性能を有するアルコールを生成する脱アセチル化は、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化バリウム、好ましくは水酸化ナトリウムからなる群から選択された塩基のアルコールまたは水溶液を用いて行う。
【0017】
本発明の更なる他の実施形態においては、光学活性を有する右旋性および左旋性アルコールの環化は、強酸性樹脂または稀釈鉱酸から選択される酸性剤を用いて行う。本発明の更なる実施形態においては、前記稀釈鉱酸は、塩酸、硫酸および燐酸からなる群より選択される。本発明の更なる実施形態においては、環化は、水または水−アルコール溶液中において0〜40℃の温度の範囲、好ましくは温度10℃で行う。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、ラセミ体シトロネロールから光学活性能を有する(‐)‐(2S,4R)‐ローズオキサイドおよびその異性体である(+)‐(2R,4S)‐ローズオキサイドを合成する方法を提供する。本発明の方法は、以下のプロセスからなる。ラセミ体シトロネロールを無水アルコール中でハロゲン化剤を用いてハロゲン化反応を行い、ラセミ体アルコキシハライドを生成する。アルキル基はメチル基、エチル基、n‐プロピル基およびn‐ブチル基のような基の何れかであり、ハロゲン基はクロロ‐、ブロモ‐、ヨード‐である。次に、得られたアルコキシハライドは塩基またはアルカリにより脱ハロゲン化水素反応により、対応する3‐オクテノール誘導体を得る。次に、3‐オクテノール誘導体のアルコール基を塩基の存在のもとにアシル化剤によりアシル化して、対応するアシレートを得る。当該アシレートは、次に、生触媒または酵素と反応させる。この反応性生物は、光学活性能を有する加水分解アルコールと非加水分解アシレート誘導体とからなる混合物である。光学活性能を有するアシレートは塩基により加水分解して光学活性能を有する第1級アルコールとなり、ついで酸触媒で環化して右旋性(2R,4S)‐ローズオキサイドを生成する。光学活性能を有する加水分解アルコールは酸触媒により直接環化し左旋性(2R,4S)‐ローズオキサイドを生成する。
【0019】
ラセミ体シトロネロールのハロゲン化は、Nクロロスクシンイミド、N‐ブロモスクシンイミドおよびN‐ヨードスクシンイミドから選択されたN‐ハロゲン化スクシンイミド、または臭素,沃素、一塩化沃素、沃化カリウム等のハロゲンまたはハロゲン化塩を用いて極性の無水アルコール溶媒中で行われるが、好ましくはN‐ハロゲン化スクシンイミドであり、最も好ましいのはN‐ブロモスクシンイミドである。極性無水アルコールはメタノール,エタノール、プロパノール等であるが、より好ましいのはメタノールである。ハロゲン化は0〜50℃、好ましくは10〜20℃の温度範囲で行われる。ハロゲン化生成物の脱ハロゲン化水素反応に用いる塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムのような無機塩基から選択してもよいし、またはジメチルアミン、トリメチルアミン、DBU(1,8‐ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク‐7‐エン)、ピリジン等の有機塩基から選択してもよい。より好ましくは有機塩基により(E)‐2‐アルコキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オールを生成することである。
【0020】
ラセミ体化合物のアシル化は、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等または塩化アセチル、塩化プロピオニル等から選択される酸無水物または塩化アシルのようなアシル化剤を使用して行われる。好ましくは、ピリジン、4‐ジメチルアミノピリジン、ピペリジン等、より好ましくはピリジン、の有機塩基の存在のもとで無水酢酸により行われる。ラセミ体アシレートは生触媒または加水分解酵素やシュードモナス属リパーゼ(PSL)、カンジダ属シリンデラーセリパーゼ(CCL)等のリパーゼのような酵素と、水またはリン酸緩衝溶液中で反応する。水媒体はpH5〜9好ましくは7に維持される。酵素反応の間温度は10〜45℃、好ましくは15〜20℃に維持される。
【0021】
光学活性能を有する非加水分解アシレートおよび加水分解第1級アルコールのそれぞれの分離は、カラムクロマトグラフィまたは分別蒸留により行われる。光学活性能を有するアシレートから光学的活性能を有するアルコールを生成する脱アセチル化反応は、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化バリウムのような塩基のアルコールまたは水溶液により行われ、より好ましくは、水酸化ナトリウムを用いる。光学活性能を有する右旋性および左旋性アルコールの環化は、強酸性樹脂または塩酸、硫酸、燐酸等の希釈鉱酸などの酸性剤を使用し、より好ましくは、アンバーライトIR‐120プラスのような樹脂を水または水‐アルコール溶液中で使用し,温度は0〜40℃、好ましくは10℃である。
【0022】
以下に記載する実施例を参照して本発明を説明する。これらの実施例は本発明の技術範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0023】
実施例1
【0024】
ステップ1:(±)‐3‐ブロモ‐2‐メトキシ‐2,6‐ジメチル‐オクタン‐8‐オールの合成。
【0025】
N‐ブロモスクシンイミド(60.0g、0.337mol)を温度計、滴下ロート及び窒素導入口の付いたフラスコ中のメタノール(500ml)に溶解した。シトロネロール(50.0g、0.32mol)を滴下ロートに入れ、窒素雰囲気中において、温度15〜20℃で激しく攪拌しながらゆっくりと添加した。シトロネロールを添加している間温度は18〜20℃に維持された。反応が完了した後、反応混合物は分離ロート中の水に注入され、n‐へキサン(3×100ml)で抽出した。n‐へキサン抽出物は5%の炭酸ナトリウム溶液(2×100ml)で洗浄し、ついで水(2×200ml)で洗浄した。最終的に、溶媒層が無水硫酸ナトリウムで乾燥され、濃縮されて無色の油状の化合物(±)‐3‐ブロモ‐2‐メトキシ‐2,6‐ジメチル‐オクタン‐8‐オール(77.0g、90%)が得られた。
【0026】
ステップ2:(±)2‐メトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オールの合成。
【0027】
3‐ブロモ‐2‐メトキシ‐2,6‐ジメチル‐オクタン‐8‐オール(50.0g,0.187mol)をコンデンサ付きフラスコ中のメタノール(500ml)に溶解した。水酸化ナトリウム(20g)をフラスコに添加し、反応混合物を水浴中で6時間還流させた。反応が完了した後、減圧下で蒸留して溶媒を除去し、全容積を四分の一にした。ついで、反応物を分離ロート中の水に注入し、クロロフォルム(3×100ml)で抽出した。溶媒層を水(2×100ml)で中性のpHまで洗浄した。最終的に、クロロフォルム層を無水塩化カルシウムで乾燥し、真空中で濃縮して、スペクトル分析方法により2‐メトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オールと特定された無色の油状物質(30.1g,86%)を得た。
【0028】
ステップ3:(±)8‐アセトキシ‐2‐メトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテンの合成。
【0029】
2‐メトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オール(10g,0.053mol)、新たに蒸留した無水酢酸(30ml)及び乾燥ピリジン(3ml)の混合物を8時間室温に放置した。ついで、反応混合物を氷水に注入し、エチルアセテート(3×50ml)で抽出した。溶媒層を始めに希塩酸(10%,15ml)で抽出し、ついで水で中性のpHまで洗浄し、最終的に、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮し,スペクトルデータにより8‐アセトキシ‐2‐メトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテンと特定された油状の物質(11.0g,90%)を得た。
【0030】
ステップ4:1‐(‐)‐2‐メトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オール及びd‐(+)‐8‐アセトキシ‐2‐メトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテンの酵素合成。
【0031】
8‐アセトキシ‐2‐メトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン(10.0g,43mol)を丸底フラスコ中のpH7.0〜7.3のリン酸緩衝液(40ml)中に懸濁し、これに粉末酵素シュードモナス属リパーゼ(PSL)(200mg)を加え、24時間250〜300rpmで連続的に攪拌した。ついで,反応を停止し、内容物をクロロフォルム(3×50ml)で抽出した。有機溶媒層を水(2×50ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮して非加水分解及び加水分解生成物の混合物である油状物質(8.1g)を得た。この混合物をシリカゲル・カラムを用いてヘキサン:エチルアセテート(95:5〜80:20)による勾配溶離によりオイル溶分として分離し、オイル1‐(‐)‐2‐メトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オール(5.1g)と他の油状物質d‐(+)‐8‐アセトキシ‐2‐メトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン(2.7g)をそれぞれ得た。これらの物質はスペクトル手段により特定された。
【0032】
ステップ5:d‐(+)‐2‐メトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オールの合成。
【0033】
化合物d‐(+)‐8‐アセトキシ‐2‐メトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン(2.6g,11.4mmol)をメタノール(30ml)に溶解し、これに水酸化カリ(1.5g)を加え、水浴中で1時間還流した。ついで、メタノールを減圧下で蒸留除去し、反応生成物をエーテル(50ml)に溶解し、溶媒層を水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧して蒸発させ、スペクトルデータによりd‐(+)‐2‐メトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オールと特定された油状物質(2.0g,94%)を得た。
【0034】
ステップ6:1‐(‐)‐ローズオキサイドの合成。
【0035】
1‐(‐)‐2‐メトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オール(5g,26.8mmol)を丸底フラスコ中のアセトン(50ml)に溶解した。樹脂アンバーライトIR‐120プラス(3g)を加え、混合物を室温で8時間攪拌した。反応が完了した後、樹脂を濾過して取り除き、溶媒層を水で洗浄した。溶媒を真空中で取り除いた。かくして得られた粗反応性生物は減圧下で蒸留し、環化生成物1‐(‐)‐ローズオキサイド(3.6g,86.9%);[α]26 D−12°(neat);(シス:トランス(85:15)グルコースによる)を得た。
【0036】
ステップ7:d‐(+)‐ローズオキサイドの合成。
【0037】
化合物d‐(+)‐2‐メトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オール(2.0g,10.75mmol)を上記ステップ6に記載したように,樹脂アンバーライトIR‐120プラス(2.0g)により環化してd‐(+)‐ローズオキサイド(1.4g,84.8%);[α]26D+31°(neat);(シス:トランス(85:15)グルコースによる)を得た。
【0038】
実施例2
【0039】
ステップ1:(±)‐3‐ヨード‐2‐エトキシ‐2,6‐ジメチルオクタン‐8‐オールの合成。
【0040】
一塩化ヨウ素(55.0g、0.34mol)を温度計、滴下ロート及び窒素導入口の付いたフラスコ中のメタノール(500ml)中に採取した。シトロネロール(55.0g、0.34mol)を滴下ロートに採り、反応フラスコを窒素ガスでパージし、温度10℃で激しく攪拌しながらゆっくりと添加した。シトロネロールの添加が完了した後、反応混合物を10〜15℃近傍で5時間維持した。攪拌を停止し、反応混合物を分離ロート中の水に注入し、n‐へキサン(3×100ml)で抽出した。溶媒層を5%の炭酸ナトリウム溶液(2×100ml)で洗浄し、ついで水(2×250ml)で洗浄した。最終的に、溶媒層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮して、3‐ヨード‐2‐エトキシ‐2,6‐ジメチルオクタン‐8‐オールと特定されたやや明るい褐色のオイル(90.2g、94%)が得られた。
【0041】
ステップ2:(±)2‐エトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オールの合成。
【0042】
3‐ヨード‐2‐エトキシ‐2,6‐ジメチル‐オクタン‐8‐オール(50.0g,0.15mol)をコンデンサ付きフラスコ中のメタノール(500ml)に溶解した。トリメチルアミン(15ml)をフラスコ中に添加し、反応混合物を水浴中で10時間還流した。反応が完了した後、減圧下で全容積を四分の一となるまで蒸留して溶媒を除去した。ついで、反応混合物を分離ロート中の希酸溶液(10%塩酸)に注入し、エチルアセテート(3×100ml)で抽出し、溶媒層を水(2×100ml)で中性pHになるまで洗浄した。最終的に、溶媒層を無水塩化カルシウムで乾燥し、濃縮して、スペクトル分析法により(±)2‐エトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オールと特定された油状物質(25.9g,85%)を得た。
【0043】
ステップ3:(±)8‐アセトキシ‐2‐エトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテンの合成。
【0044】
2‐エトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オール(10g,0.05mol)、新たに蒸留した無水酢酸(30ml)及びヂメチルアミノピリジン(100mg)の混合物を24時間室温に放置した。ついで、反応混合物を冷水に注入し、希塩酸(10%)で酸性化し、n‐ヘキサン(3×50ml)で抽出した。ヘキサン抽出物を水(2×25ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して真空中で濃縮し、(±)8‐アセトキシ‐2‐エトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテンと特定された油状の物質(11.2g,92.5%)を得た。
【0045】
ステップ4:1‐(‐)‐2‐エトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オール及びd‐(+)‐8‐アセトキシ‐2‐エトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテンの酵素合成。
【0046】
化合物8‐アセトキシ‐2‐エトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン(10.0g,41.3mol)を丸底フラスコ中のn‐ヘキサン(50ml)中に懸濁し、これに粉末酵素カンジダ属ルーゴウサリパーゼ(CRL)(200mg)を加え、24時間連続的に攪拌した。ついで,反応混合物を水中に注入し、エーテル(3×100ml)で抽出した。エーテル層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し真空中で濃縮して加水分解及び非加水分解生成物の混合物からなるオイル(8.0g)を得た。この混合物をシリカゲル・カラムを用いてヘキサン:エチルアセテート(95:5〜80:20)による勾配溶離により分離し、1‐(‐)‐2‐エトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オール(5.0g)と他の油状物質d‐(+)‐8‐アセトキシ‐2‐エトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン(2.6g)をそれぞれ得た。これらの物質はスペクトルデータにより特定された。
【0047】
ステップ5:d‐(+)‐2‐エトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オールの合成。
【0048】
化合物d‐(+)‐8‐アセトキシ‐2‐エトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン(2.6g,10.7mmol)をメタノール(30ml)に溶解し、これに水酸化ナトリウム(2.0g)を加え、水浴中で1時間還流した。ついで、メタノールを減圧下で蒸留して除去した。それから、反応生成物をエーテル(50ml)に再溶解し、水で中性pHまで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、スペクトルデータによりd‐(+)‐2‐エトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オールと確認された油状物質(2.0g,94%)を得た。
【0049】
ステップ6:1‐(‐)‐ローズオキサイドの合成。
【0050】
化合物1‐(‐)‐2‐エトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オール(5.0g,25mmol)を丸底フラスコ中のアセトン(100ml)に溶解し、これに酢酸:硫酸(9:1,3ml)混合液を0℃で添加し、この溶液を5時間攪拌した。反応が完了した後、反応性生物を水中に注入し,エーテルで抽出した。ついで溶媒層を水で中性pHとなるまで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。真空下で溶媒を除去した。かくして得られた粗生成物は、シリカゲルカラムを使用し、ヘキサン:エチルアセテート(95:5〜90:10)による勾配溶離により溶離成分として精製した。かくして得られた油状物質は、スペクトル分析により1‐(‐)‐ローズオキサイド(3.35g,87%);[α]26 D−35°(CHCl3c1.0)と特定された。
【0051】
ステップ7:d‐(+)‐ローズオキサイドの合成。
【0052】
化合物d‐(+)‐2‐エトキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オール(2.0g,10mmol)を上記ステップ6に記載したように、酢酸:硫酸(9:1)混合酸により環化してd‐(+)‐ローズオキサイド(1.45g,87.8%);[α]26D+17°(CHCl3c1.0)を得た。
【0053】
【発明の効果】
1.本方法は、安価な原材料であるラセミ体のシトロネロールを使用する。
2.本方法は、従来知られていない酵素化学合成方法を提供する。
3.最終製品の総収率が高い。
4.本方法は、他よりも有力なシス‐ローズオキサイドを提供する。
5.本方法は、望みの生成物に高い光学活性度を与える

Claims (29)

  1. 光学活性能を有する(‐)‐(2S,4R)‐ローズオキサイド及びその異性体(+)‐(2R,4S)‐ローズオキサイドをラセミ体シトロネロールから合成する方法であって、
    無水アルコール中でハロゲン化剤によりラセミ体シトロネロールをハロゲン化してアルコキシハライドを得る、
    得られたアルコキシハライドの脱ハロゲン化水素反応により対応する3‐オクテン‐8‐オール誘導体を得る、
    該3‐オクテン‐8‐オール誘導体のアルコール基を塩基の存在のもとにアシル化剤でアシル化し、対応するアシレートを得る、
    得られたアシレートを粉末酵素シュードモナス属リパーゼまたは粉末酵素カンジダ属ルーゴウサリパーゼを用いて分解反応させ、
    反応生成物である光学活性能を有する加水分解アルコールと非加水分解アシレート誘導体とからなる混合物を分離し、
    該混合物から加水分解アルコールと非加水分解アシレートとをそれぞれ分離し、
    前記光学活性能を有するアシレートを塩基とともに加水分解して光学活性能を有する第1級アルコールとし、該アルコールを酸触媒により環化して右旋性の(2R,4S)‐ローズオキサイドを生成し、
    前記光学活性能を有する加水分解アルコールは酸触媒で直接環化し左旋性の(2S,4R)ローズオキサイドを生成する、
    上記ステップからなることを特徴とする合成方法。
  2. 前記アルコキシハライドのアルキル基は、メチル基,エチル基、n‐プロピル基およびn‐ブチル基からなる群より選択されることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  3. 前記アルコキシハライドのハロゲンは、塩素、臭素、ヨウ素からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  4. 前記3‐オクテン‐8‐オール誘導体は、2‐アルコキシ‐3‐ハロ‐2,6‐ジメチル‐オクテン‐8‐オールであることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  5. 前記アルコキシハライドの脱ハロゲン化水素反応は、強塩基またはアルカリを用いて(E)‐2‐アルコキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オールを得ることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  6. 前記(E)‐2‐アルコキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテン‐8‐オールは、アシル化して(E)‐2‐アシロキシ‐2‐アルコキシ‐2,6‐ジメチル‐3‐オクテンを得ることを特徴とする請求項5記載の合成方法。
  7. 前記ラセミ体シトロネロールのハロゲン化は、N‐クロロスクシンイミド、N‐ブロロスクシンイミド、N‐ヨードスクシンイミドからなる群より選択されたN‐ハロゲン化スクシンイミドを用いて行われることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  8. 前記ラセミ体シトロネロールのハロゲン化は、臭素、ヨウ素、または一塩化ヨウ素、ヨウ化カリの何れかのハロゲン化塩から選択されたハロゲンまたはハロゲン化塩を用いて行われることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  9. 前記ラセミ体シトロネロールのハロゲン化は、メタノール、エタノール及びプロパノールからなる群から選択された極性無水アルコール溶媒中でなされることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  10. 前記ラセミ体シトロネロールのハロゲン化は、0〜50℃の温度範囲で行われることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  11. 前記ラセミ体シトロネロールのハロゲン化は、10〜20℃の温度範囲で行われることを特徴とする請求項10記載の合成方法。
  12. 前記アルコキシハライドの脱ハロゲン化水素反応に用いる塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化バリウムからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  13. 前記アルコキシハライドの脱ハロゲン化水素反応に用いる塩基は、ジメチルアミン、トリエチルアミン、1,8‐ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク‐7‐エン及びピリジンからなる群より選択される有機塩基であることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  14. 前記アシル化剤は、酸無水物または塩化アシルから選択されることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  15. 前記酸無水物は、無水酢酸、無水プロピオン酸、及び無水酪酸からなる群より選択されることを特徴とする請求項14記載の合成方法。
  16. 前記塩化アシルは、塩化アセチルまたは塩化プロピオニルから選択されることを特徴とする請求項14記載の合成方法。
  17. 前記アシル化は、ピリジン、4‐ジメチルアミノピリジン及びピペリジンからなる群より選択された有機塩基の存在のもとに行われることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  18. 前記有機塩基は、ピリジンであることを特徴とする請求項17記載の合成方法。
  19. 前記アシル化は、水またはリン酸緩衝溶液中で行われ、当該水溶液媒体のpHは5〜9に維持されることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  20. 前記水溶液媒体のpHは7であることを特徴とする請求項19記載の合成方法。
  21. 前記酵素による反応の温度は、10〜45℃に維持されることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  22. 前記酵素反応の温度は、15〜20℃に維持されることを特徴とする請求項21記載の合成方法。
  23. 前記光学活性能を有する非加水分解アシレートおよび加水分解第1級アルコールの分離は、カラムクロマトグラフィまたは分別蒸留により行われることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  24. 前記光学活性能を有するアシレートから光学活性能を有するアルコールを生成する加水分解は、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化バリウムからなる群から選択された塩基のアルコールまたは水溶液を用いて行うことを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  25. 前記塩基は、水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項24記載の合成方法。
  26. 前記光学活性能を有する右旋性および左旋性アルコールの環化は、強酸性樹脂または希釈鉱酸から選択される酸性剤を用いて行うことを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  27. 前記希釈鉱酸は、塩酸、硫酸および燐酸からなる群より選択されることを特徴とする請求項26記載の合成方法。
  28. 前記環化は、水または水‐アルコール溶液中において0〜40℃の温度範囲で行うことを特徴とする請求項1記載の合成方法。
  29. 前記環化は、水または水‐アルコール溶液中において温度10℃で行うことを特徴とする請求項28記載の合成方法。
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