JPH11265832A - 内燃機関用点火コイル - Google Patents

内燃機関用点火コイル

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JPH11265832A
JPH11265832A JP10066776A JP6677698A JPH11265832A JP H11265832 A JPH11265832 A JP H11265832A JP 10066776 A JP10066776 A JP 10066776A JP 6677698 A JP6677698 A JP 6677698A JP H11265832 A JPH11265832 A JP H11265832A
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JP
Japan
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terminal
coil
resin
insulating layer
ignition coil
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JP10066776A
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English (en)
Inventor
Hisao Asai
尚雄 浅井
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ターミナルと絶縁層との界面における絶縁破壊
の発生を防止して、その耐久性及び信頼性の向上を図る
ことのできる内燃機関用点火コイルを提供する。 【解決手段】点火コイル11は、ケース17内に同軸状
に配設されたセンタコア18、サイドコア19、二次コ
イル20、一次コイル21をはじめ、配線を介して一次
コイル21に通電を行うイグナイタ23、そして配線2
0’を介して二次コイル20に電気的に接続され、同二
次コイル20に誘起される高電圧を点火プラグ14に対
して印加するターミナル30等を有して構成されてい
る。これら各構成部材は、ケース17内に充填された絶
縁樹脂からなる絶縁層24によってそれら配置が固定さ
れるとともに、その各々の絶縁が確保されている。ま
た、二次コイル20に電気的に接続されたターミナル3
0は、絶縁層24内に埋設されている。そして、このタ
ーミナル30は導電性樹脂にて形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二次コイルに電気
的に接続されたターミナルが絶縁樹脂内に埋設されてな
る内燃機関用点火コイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の内燃機関用点火コイルと
しては、例えば特開平9−167709号公報に記載さ
れたものが知られている。図4に、こうした点火コイル
の断面構造についてその一例を示す。
【0003】図4に示すように、この点火コイル101
は、同軸状に配設された一次コイル102、二次コイル
103、センタコア104、及びサイドコア105をは
じめ、図示しない配線を介して上記一次コイル102に
通電を行うイグナイタ106、そして配線103’を介
して上記二次コイル103に電気的に接続され、同二次
コイル103に誘起される高電圧を図示しない点火プラ
グに対して印加するターミナル107等を有して構成さ
れている。これら各構成部材はケース108内に配設さ
れるとともに、同ケース108内に充填されたエポキシ
樹脂からなる絶縁層109によってそれら配置が固定さ
れるとともに、その各々の電気的な絶縁が確保されてい
る。なお、上記一次コイル102及び二次コイル103
は、それぞれ絶縁性の一次ボビン102a及び二次ボビ
ン103aに対して巻装されている。また、この点火コ
イル101の下部には、上記点火プラグ(図示せず)の
頭部が被嵌されるプラグキャップ110が装着されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうした構
造を有する点火コイル101にあって、上記二次コイル
103の下部及びその近傍部分、特にターミナル107
と絶縁層109との界面は、温度変化や高電圧等の影響
を受けやすい部分となっている。一方、同点火コイル1
01において、上記ターミナル107は金属材料により
形成され、絶縁層109は上記エポキシ樹脂等の樹脂材
料により形成されている。そのため、 (1)ターミナル107及び絶縁層109は異種材料か
らなり、熱膨張係数は必然的に互いに異なる(金属材料
からなるターミナル107の熱膨張係数に対し、熱硬化
性樹脂であるエポキシ樹脂からなる絶縁層109の熱膨
張係数は極めて大きい)。
【0005】(2)点火コイル101が自身の発熱や機
関の熱により温度上昇する。 (3)絶縁層109はターミナル107に対してより大
きく膨張・収縮する。 (4)絶縁層109に熱応力が発生し、その熱応力は弾
性係数の急激に大きくなるターミナル107と絶縁層1
09との界面に集中する。
【0006】(5)ターミナル107と絶縁層109と
の界面にクラックが発生したり、ターミナル107と絶
縁層109との間に微少な間隙が形成されたりする。 (6)クラックや微少な間隙では誘電率が急増して電位
勾配が大きくなる。
【0007】(7)部分放電が発生し、クラックや間隙
の亀裂が更に樹枝状に進展する。 といったメカニズムにより、それら材料の熱膨張係数の
差異等に起因して、図5に示される態様でターミナル1
07から絶縁層109に及ぶ亀裂が生じるおそれがあ
る。なお、図5は、図4に領域Aとして示した部分を拡
大して示したものであり、図5(a)は、ターミナル1
07と絶縁層109との界面にクラックが生じた場合
を、また図5(b)は、ターミナル107と絶縁層10
9との間に間隙が形成された場合をそれぞれ示してい
る。このように亀裂が生じると、絶縁層109等の絶縁
部分には絶縁破壊が発生することとなり、ひいては点火
コイル101としての信頼性が著しく低下することとも
なる。
【0008】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、ターミナルと絶縁層との
界面における絶縁破壊の発生を防止して、その耐久性及
び信頼性の向上を図ることのできる内燃機関用点火コイ
ルを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、二次コイルに電気的に
接続されたターミナルが前記二次コイル共々ケース内に
配置されるとともに、絶縁樹脂がそれら二次コイル及び
ターミナルを覆うようにして同ケース内に充填され、前
記ターミナルが前記絶縁樹脂内に埋設されてなる内燃機
関用点火コイルにおいて、前記ターミナルを導電性樹脂
にて形成したことをその要旨としている。なお、ここ
で、導電性樹脂とは、導電性塗料及び導電性接着剤等を
も含む。
【0010】上記請求項1に記載の発明によれば、絶縁
樹脂内に埋設されるターミナル自身も樹脂材料にて形成
されるため、それら両者の熱膨張係数の差異は僅かなも
のとなる。そのため、前記従来の点火コイルと比較し
て、ターミナルと絶縁層との界面が馴染みやすくなると
ともに、冷熱サイクルが生じたとしても、その界面にお
ける密着性が向上し、前述した亀裂等も生じ難くなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内燃機関用点火コ
イルを具体化した一実施の形態を図面に従って説明す
る。
【0012】図1は、本実施の形態における点火コイル
を内燃機関のシリンダヘッドにあるプラグホール内に組
み付けた状態を示す断面図である。同図に示すように、
内燃機関のシリンダヘッド12には、図示しない燃焼室
に連通するプラグホール13が形成されている。プラグ
ホール13内に装着された点火プラグ14は、その下部
が燃焼室内に突出した状態でシリンダヘッド12に固定
されている。なお、点火プラグ14は、点火コイル11
からの給電に基づき火花放電して燃焼室内の混合気に着
火を行う周知の装置である。
【0013】一方、本実施の形態の点火コイル11は、
同図1に示される態様で上記プラグホール13内に挿入
され、その先端に設けられたプラグキャップ22を通じ
て上記点火プラグ14に装着されて同点火プラグ14へ
の給電を行う。この点火コイル11は、ケース17内に
同軸状に配設されたセンタコア18、サイドコア19、
二次コイル20、一次コイル21をはじめ、図示しない
配線を介して一次コイル21に通電を行うイグナイタ2
3、そして配線20’を介して二次コイル20に電気的
に接続され、同二次コイル20に誘起される高電圧を上
記点火プラグ14に対して印加するターミナル30等を
有して構成されている。これら各構成部材は、ケース1
7内に充填された絶縁樹脂からなる絶縁層24によって
それら配置が固定されるとともに、その各々の絶縁が確
保されている。
【0014】以下、点火コイル11を構成するこれら各
構成部材の詳細について、同図1の参照のもとに更に詳
述する。ケース17は、例えば熱可塑性樹脂であるPB
T(ポリブチレンテレフタレート)により略円筒状に形
成されている。また、ケース17の中心部には円柱状を
なすセンタコア18が配設されるとともに、ケース17
の内周面には二枚板より略円筒状に形成されたサイドコ
ア19が内嵌されている。センタコア18及びサイドコ
ア19は何れも、例えば強磁性材料の珪素鋼により形成
されており、それらセンタコア18及びサイドコア19
により磁気回路の一部が構成されている。
【0015】センタコア18には、その両端(図中上下
端)にそれぞれマグネット25が配設されており、これ
らマグネット25及びセンタコア18自身を被覆するよ
うにして例えばゴム材料よりなる弾性部26が形成され
ている。なお、マグネット25は、一次コイル21で生
じた磁束に対して反対方向の磁束を磁路中に発生させる
ためのものであり、弾性部26は、点火コイル11内部
に生じた応力を吸収するためのものである。
【0016】また、弾性部26には二次ボビン20aが
外嵌されている。この二次ボビン20aは耐熱性及び絶
縁性等に優れた変性PPE(ポリフェニレンエーテル)
により略円筒状に形成されている。二次ボビン20aの
外周には長手方向に沿って複数のリブ20bが突出形成
されており、上記二次コイル20は、二次ボビン20a
の各リブ20b間に積層するようにして巻装されてい
る。
【0017】二次ボビン20aの下部内面には上記ター
ミナル30が配設されている。このターミナル30は上
述のように、配線20’によって二次コイル20に電気
的に接続されている。また、ターミナル30の盤面には
菊座31が形成されており、その菊座31には金属材料
よりなるジョイント32が嵌合されている。このジョイ
ント32は、ターミナル30に対して所定位置で固定さ
れ、その内面には同じく金属材料よりなるスプリング3
3が配設されている。すなわち本実施の形態の点火コイ
ル11において、二次コイル20、ターミナル30、ジ
ョイント32及びスプリング33は互いに電気的に接続
された関係にある。
【0018】また、二次コイル20とサイドコア19と
の間には二次コイル20を囲むようにして絶縁テープ3
4が配設されており、上記一次コイル21は、その絶縁
テープ34の外周に積層するようにして巻装されてい
る。このように、本実施の形態にあって、その一次コイ
ル21は、前記二次ボビン20aを有してなる二次コイ
ル20とは異なり、ボビンを必要としないボビンレス構
造を採用している。
【0019】点火コイル11の下部に設けられた上記プ
ラグキャップ22は、例えばゴム材料であるシリコーン
ゴムにより略円筒状に形成されている。プラグキャップ
22には収容部36が形成され、その収容部36に上記
点火プラグ14の上部が嵌合収容されている。
【0020】また、同点火コイル11の上部に配設され
るイグナイタ23は、外部端子37を介して図示しない
制御装置に電気的に接続されている。なお、イグナイタ
23は、制御装置からの点火信号に基づき、一次コイル
21に流す電流を断続制御するためのものである。
【0021】絶縁層24は、例えば熱硬化性樹脂である
エポキシ樹脂により形成されており、本実施の形態にお
ける点火コイル11では、この絶縁層24によってケー
ス17内の二次コイル20、一次コイル21、イグナイ
タ23及びターミナル30等が被覆されている。より詳
しく説明すると、絶縁層24は、サイドコア19、一次
コイル21及び絶縁テープ34間や、ターミナル30と
二次ボビン27との間のような僅かな隙間にも入り込ん
でいる。なお、エポキシ樹脂は、絶縁性や接着性に優れ
た樹脂材料である。
【0022】そして、本実施の形態の点火コイル11に
おいて、上記ターミナル30は導電性樹脂により形成さ
れている。図2に、このターミナル30及びその周辺を
部分断面図として拡大して示す。また、図3に、このタ
ーミナル30に配線20’(二次コイル20)を接合し
た状態を斜視図として示す。
【0023】さて、同ターミナル30を形成する導電性
樹脂は樹脂材料とフィラーとからなる。ここで、樹脂材
料としては例えばPPE(ポリフェニレンエーテル)等
の熱可塑性樹脂が使用されている。また、フィラーとし
ては例えば導電性を有するカーボン、銅及び銀等の粉末
が使用されている。一方、このターミナル30に形成さ
れた菊座31により、その菊座31にジョイント32が
嵌合された状態でも、菊座31とジョイント32との隙
間から上記絶縁層24を形成するエポキシ樹脂が通過可
能となっている。
【0024】次に、本実施の形態における点火コイル1
1の製造方法について説明する。ただし、ここでは便宜
上、上記ターミナル30及びその周辺部分の製造方法に
ついてのみ言及する。
【0025】まず、熱可塑性樹脂とフィラーとを混練
し、電気抵抗の低い、すなわち所定の導電性を有する導
電性樹脂を得る。次に、この導電性樹脂を射出成形又は
押出成形することにより、ターミナル30を上記所定形
状に形成する。そして、この形成されたターミナル30
に上記二次コイル20と電気的に接続するための配線2
0’(実際には二次コイル20そのものの一方端)を巻
装し、その配線20’に電流を流すことにより熱を付与
する。こうした熱の影響により同配線20’の被膜が破
損する。さらに加圧しながらこうして熱を付与すると、
被膜の除去された配線20’がターミナル30にめり込
んで電気的に接続された状態となる。なお、このとき配
線20’(二次コイル20)に付与される熱は、実際に
点火コイル11として使用したときに生じる熱よりも高
温であり、同点火コイル11の使用時にこの配線20’
がターミナル30に更にめり込むおそれはない。このよ
うにして、配線20’とターミナル30とを接合し、二
次コイル20との電気的に導通可能な状態を得る。
【0026】次に、ターミナル30の菊座31に対し
て、スプリング33が配設されたジョイント32の先端
を嵌合し、そのジョイント32を所定位置で固定する。
そして、ケース17内に、マグネット25及び弾性部2
6が組み付けられたセンタコア18、二次コイル20、
一次コイル21、サイドコア19、ターミナル30等を
所定位置に配置するとともに、ケース17の下部にプラ
グキャップ22を装着する。その後、適宜の真空室にて
ケース17内を真空状態としつつ、同ケース17の上方
からその内部へ液状のエポキシ樹脂を注入し、ケース1
7内の上記各構成部材を覆うようにしてその上端までエ
ポキシ樹脂を充填する。さらに、ケース17内に充填し
たエポキシ樹脂をケース17と一緒に所定温度まで加熱
し、熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂を硬化させることによ
り絶縁層24を形成する。なお、エポキシ樹脂を硬化さ
せる温度は、上記配線20’がターミナル30に更にめ
り込むことのない温度である。絶縁層24により、ケー
ス17内の各構成部材は所定位置に埋設されて固定され
るとともに、各構成部材間の絶縁性が確保される。この
ようにして、本実施の形態における点火コイル11が製
造される。
【0027】以上詳述した本実施の形態によれば、下記
に示す効果が得られるようになる。 ・本実施の形態では、絶縁樹脂からなる絶縁層24内に
埋設されるターミナル30を導電性樹脂により形成した
ため、樹脂材料よりなる両者の熱膨張係数の差異は僅か
なものとなる。そのため、前記従来の点火コイルと比較
してターミナル30と絶縁層24との界面は馴染みやす
く、その界面における密着性を向上させることができ
る。その結果、点火コイル11の使用時(駆動時)に、
ターミナル30及び絶縁層24が温度変化や高電圧等の
影響を受けても、ターミナル30と絶縁層24との界面
から亀裂が生じるのを抑制することができ、ひいては絶
縁層24等の絶縁部分に絶縁破壊が発生するのを防止す
ることができるようになる。従って、点火コイル11と
しての機能を長期にわたって安定して維持することがで
き、その耐久性及び信頼性の向上を図ることができる。
【0028】・本実施の形態では、導電性樹脂よりなる
ターミナル30に配線20’(二次コイル20)がめり
込んだ状態で確実に接合されるため、電気的に安定した
導通状態を確保することができる。
【0029】・本実施の形態では、導電性樹脂を射出成
形又は押出成形することによってターミナル30を形成
することとした。ちなみに、前記従来の点火コイルのよ
うに、ターミナルを金属材料にて形成した場合には同タ
ーミナルとしての任意の形状を得ることも難しかった
が、本実施の形態では、こうした射出成形又は押出成形
によりターミナル30を形成するようにしたことで、所
望とされる任意の形状を容易に得ることができるように
なる。
【0030】・本実施の形態では、絶縁層24が絶縁性
や接着性に優れたエポキシ樹脂により形成されているた
め、同絶縁層24としての絶縁機能を確実に維持するこ
とができるとともに、絶縁層24に接触する各種構成部
材との密着性を高めることもできる。
【0031】尚、本発明は前記実施の形態に限定される
ものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一
部を適宜に変更して次のように実施することもできる。
・前記実施の形態では、ターミナル30を構成する導電
性樹脂の材料として、樹脂材料と、フィラーとを用いた
が、例えばフィラーを含有していなくてもそれ自体が導
電性を有するような樹脂材料を用いてもよい。要は、導
電性を有する樹脂材料であれば、特に前記構成の導電性
樹脂に限定されるものではない。
【0032】・前記実施の形態では、ターミナル30を
構成する導電性樹脂の樹脂材料として、熱可塑性樹脂を
使用したが、熱硬化性樹脂を使用してもよく、特に熱可
塑性樹脂に限定されるものではない。特に、熱硬化性樹
脂として、絶縁層24を形成する樹脂材料と同一のエポ
キシ樹脂を使用した場合には、絶縁層24とターミナル
との熱膨張係数の差異がほとんどなくなる。このため、
ターミナルと絶縁層24との界面はより馴染みやすくな
り、その界面における密着性をさらに高めることができ
る。その結果、両者の界面からの亀裂の発生もより確実
に抑制されるようになる。
【0033】・前記実施の形態では、ターミナル30を
構成する導電性樹脂のフィラーとして、カーボン、銅及
び銀等の粉末を使用するとしたが、同フィラーとしては
それら以外の例えばニッケル、金及び金属酸化物等の粉
末を使用してもよい。要は、導電性に優れた材料(所定
の導電性を有する材料)であればよい。
【0034】・前記実施の形態では、絶縁層24をエポ
キシ樹脂により形成したが、絶縁性や密着性を確保する
ことができるものであれば、それ以外のいかなる樹脂材
料(例えばシリコーン樹脂)であってもよく、特にエポ
キシ樹脂に限定されるものではない。
【0035】・前記実施の形態では、ターミナル30を
導電性樹脂により形成したが、例えば所定形状をなす樹
脂材料の表面に導電性塗料を塗装したり、導電性接着剤
を付着したりするようにしてターミナルを形成してもよ
い。そして、このような場合も、導電性塗料及び導電性
接着剤の樹脂材料としては、絶縁層24を形成する樹脂
材料と比較して熱膨張係数の差異のないものや、より少
ないものを使用することが望ましい。また、前記所定形
状をなしてその土台となる樹脂材料においても、導電性
塗料及び導電性接着剤の樹脂材料と比較して熱膨張係数
の差異のないものや、より少ないものを使用することが
さらに望ましい。
【0036】・前記実施の形態では、ターミナル30を
射出成形法又は押出成形法により形成するとしたが、そ
れら以外の成形法を用いてもよい。 ・前記実施の形態では、ターミナル30に配線20’
(二次コイル20)を熱等を利用して接合するようにし
たが、ターミナル30に配線20’を確実に接合するこ
とのできる方法であれば、特に前記実施の形態のような
接合方法に限定されるものではない。
【0037】・前記実施の形態では、一次コイル21を
ボビンレス構造としたが、二次コイル20と同様に適宜
のボビンの外周に巻装するような構造としてもよい。ま
た、前記実施の形態では、二次コイル20を二次ボビン
20aに巻装する構造としたが、一次コイル21と同様
にボビンレス構造を採用してもよい。
【0038】・前記実施の形態では、一次コイル21を
二次コイル20の外側に配設するようにしたが、それら
一次コイル21と二次コイル20との配設にかかる位置
関係は任意である。
【0039】・前記実施の形態では、点火コイル11を
プラグホール13内に収納されるタイプに具体化した
が、そのようなタイプに限定されるものではなく、ター
ミナルが絶縁層に埋設された点火コイルであればよい。
【0040】さらに、特許請求の範囲の請求項に記載さ
れないものであって、上記実施の形態から把握される技
術的思想について以下にその効果とともに記載する。 (1)前記絶縁樹脂はエポキシ樹脂であることを特徴と
する請求項1に記載の内燃機関用点火コイル。
【0041】エポキシ樹脂は絶縁性や接着性に優れた樹
脂材料であるため、このように構成した場合、絶縁樹脂
としての絶縁機能を確実に維持することができるととも
に、絶縁樹脂に接触する各構成部材との密着性を高める
ことができる。
【0042】(2)前記導電性樹脂の樹脂材料を熱可塑
性樹脂としたことを特徴とする請求項1又は前記(1)
に記載の内燃機関用点火コイル。このように構成した場
合、射出成形又は押出成形等によりターミナルを任意形
状に容易に形成することができる。
【0043】(3)前記導電性樹脂の樹脂材料を、前記
絶縁樹脂の樹脂材料と同一材料としたことを特徴とする
請求項1又は前記(1)に記載の内燃機関用点火コイ
ル。絶縁樹脂及びターミナル共にその樹脂材料が同一の
ものであるため、このように構成した場合、それらター
ミナル及び絶縁樹脂間の熱膨張係数の差異はほとんどな
くなる。そのため、ターミナルと絶縁樹脂との界面はよ
り馴染みやすくなり、その界面ではさらなる密着性の向
上を図ることができる。
【0044】(4)前記導電性樹脂からなるターミナル
は、その盤面に菊座を有し、その菊座にジョイントが嵌
合された状態で同絶縁樹脂内に埋設されることを特徴と
する請求項1又は前記(1)〜(3)のいずれかに記載
の内燃機関用点火コイル。
【0045】このように構成した場合、ターミナルにジ
ョイントが嵌合された状態であっても、絶縁樹脂をケー
ス内に充填した際、同絶縁樹脂は菊座の隙間を介してタ
ーミナルの裏面まで確実に充填される。従って、ターミ
ナルを、絶縁樹脂内に確実に埋設することができるとと
もに、所定位置に確実に固定することができる。
【0046】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、絶縁樹
脂内に埋設されるターミナル自身も樹脂材料にて形成さ
れるため、それら両者の熱膨張係数の差異は僅かなもの
となる。そのため、前記従来の点火コイルと比較して、
ターミナルと絶縁層との界面を馴染みやすくすることが
できるとともに、冷熱サイクルが生じたとしても、その
界面における密着性を向上させ、前述した亀裂等も生じ
難くすることができる。従って、ターミナルと絶縁層と
の界面における絶縁破壊の発生を防止して、点火コイル
の耐久性及び信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の点火コイルの一実施の形態についてそ
の断面構造を示す断面図。
【図2】同実施の形態のターミナル及びその周辺構造を
示す部分断面図。
【図3】ターミナルに配線(二次コイル)を接合した状
態を示す斜視図。
【図4】従来の点火コイルの断面構造を示す断面図。
【図5】図4に示す領域Aの部分を拡大して示す断面
図。
【符号の説明】
11…点火コイル、17…ケース、20…二次コイル、
20’…配線、24…絶縁層、30…ターミナル。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次コイルに電気的に接続されたターミ
    ナルが前記二次コイル共々ケース内に配置されるととも
    に、絶縁樹脂がそれら二次コイル及びターミナルを覆う
    ようにして同ケース内に充填され、前記ターミナルが前
    記絶縁樹脂内に埋設されてなる内燃機関用点火コイルに
    おいて、 前記ターミナルを導電性樹脂にて形成したことを特徴と
    する内燃機関用点火コイル。
JP10066776A 1998-03-17 1998-03-17 内燃機関用点火コイル Pending JPH11265832A (ja)

Priority Applications (1)

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JP10066776A JPH11265832A (ja) 1998-03-17 1998-03-17 内燃機関用点火コイル

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