JPH11265701A - 電池用リード材およびそれを用いた電池パック - Google Patents
電池用リード材およびそれを用いた電池パックInfo
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- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
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Abstract
溶接法で溶接したときに、安定して高い溶接強度を発揮
する電池用リード材を提供する。 【解決手段】 この電池用リード材2は、Niめっき鋼
板から成る電池容器にパラレル式抵抗溶接法で溶接され
る電池用リード材であって、少なくとも前記電池容器に
溶接される方の表面がNi−Sn系合金層3で形成され
ている。
Description
し、更に詳しくは、Ni板またはNi合金を主成分とす
るNi合金めっき鋼板から成る電池容器に抵抗溶接した
ときに、当該電池容器との間で高い溶接強度を安定した
状態で得ることができる電池用リード材に関する。
ル・水素二次電池,リチウム二次電池などの二次電池に
おいて、それぞれの発電要素を収容する電池缶とその電
池缶に液密に封着される電池蓋から成る電池容器の材料
としては、一般に、低炭素鋼板の表面をNiめっき層で
被覆して成るNiめっき鋼板が使用されている。
に伴い、それらの駆動源である電池の複数個から成る電
池パックを、直接、当該機器に組み込むケースが急増し
ている。その場合には、電池の充電または放電のため
に、電池パックの端子と電池の間、また各電池の間をリ
ード材で接続して電池容器の表面にリード材を固定する
ことが必要になる。
一緒にパッケージした電池パックについても同様のこと
がいえる。そして、電池とリード材の接続に関しては、
一般に、次に説明するようなパラレル式抵抗溶接法が適
用されている。まず、図4で示したように、電池容器1
の表面1a(図の場合は、電池容器の底面)に溶接すべ
きリード材2が配置される。なお、リード材2として
は、従来から、Ni単体の小片や、電池容器1の場合と
同じようなNiめっき鋼板が広く使用されている。
径になっている2本の溶接電極3,3が所定の間隔を置
いて平行配置される。そして、これら溶接電極3,3か
らリード材2に所定の加圧力を印加してリード材2の裏
面2bと電池容器1の表面1aを密着させる。この状態
で電源4から所定値の溶接電流を通電する。溶接電流は
一方の溶接電極からリード材2に入力し、その一部はリ
ード材2を通って他方の溶接電極から電源4に帰還し、
残余の溶接電流は溶接電極の先端3aの直下に位置する
箇所を中心にしてリード材2の厚み方向に流れて電池容
器1の表面1aに至り、ついで電池容器1を通って他方
の溶接電極の先端3aの直下に位置する箇所を中心にし
てリード材2の厚み方向に流れて他方の溶接電極から電
源に帰還していく。
するリード材の裏面2bと正極端子の表面1aとの接触
界面ではジュール熱が発生し、その接触界面近傍におけ
る両部材が一部溶融してナゲットを形成し、両部材が点
溶接されることにより、リード材2は電池容器1に固定
される。
Niめっき鋼板から成り、またリード材がNi単体やN
iめっき鋼板から成る場合、両者を上記したパラレル式
抵抗溶接法で溶接すると、次のような問題の起こること
が指摘されている。すなわち、電池容器とリード材との
溶接強度を高くすることはかなり困難であり、またその
ための条件も狭く、しかも溶接作業ごとに得られる溶接
強度がばらつくという問題である。
池パックを電気・電子機器に組み込んで実使用したとき
に、例えばそれら機器を落とした場合、その衝撃で溶接
箇所が破損して機器の機能喪失を招くことにもなる。ま
た、溶接強度がばらつくということは、通常、溶接作業
はライン工程で連続的に行われていることを考えると、
製造されてきた電池とリード材の溶接構造体における溶
接信頼性を低めることでもある。
などの溶接条件の最適化を企て高い溶接強度を安定して
得るための努力がなされているが、それでも必ずしも満
足すべき結果は得られていない。本発明は、Niめっき
鋼板から成る電池容器にパラレル式抵抗溶接法でリード
材を抵抗溶接するときにおける上記した問題を解決し
て、高い溶接強度を安定して得ることができる新規な電
池用リード材の提供を目的とし、またそれを用いた電池
パックの提供を目的とする。
題を解決するために鋭意研究を重ねる過程で、問題解決
の方向を溶接条件の最適化に求める方向ではなく、リー
ド材の材質そのものに向ける研究を行い、その結果、後
述するリード材を用いると、Niめっき鋼板から成る電
池容器との間で高い溶接強度を安定して実現することが
できるとの知見を得、本発明のリード材を開発するに至
った。
iめっき鋼板から成る電池容器にパラレル式抵抗溶接法
で溶接される電池用リード材であって、少なくとも前記
電池容器に溶接される方の表面がNi−Sn系合金層で
形成されていることを特徴とする。また、本発明におい
ては、複数個の電池が前記電池用リード材で接続されて
いる電池用パックが提供される。
対象の相手材がNiめっき鋼板から成る電池容器である
ときに使用される。そして、少なくとも前記電池容器に
溶接される箇所が後述するNi−Sn系合金層になって
いることを最大の特徴とする。以下に、本発明の電池用
リード材の好適例を図面に基づいて説明する。図1は本
発明の好適なリード材の1例の断面構造を示す断面図で
ある。
被覆するNi−Sn系合金層2Cで構成されるか、また
は基材2Aと、基材2Aの表面を被覆する下地層2B
と、その下地層2Bの表面を被覆するNi−Sn系合金
層2Cで構成されており、これらはいずれも導電性を備
えていることはいうまでもない。ここで、基材2Aはリ
ード材全体の強度を確保すると同時に、リード材の実使
用時における電流が流れる主要通路として機能する。こ
の基材2Aの材料としては、適正な強度と良好な導電性
を備え、かつ、めっき処理が可能な材料であれば何であ
ってもよく、例えば、低炭素鋼,Niなどをあげること
ができるが、入手が容易かつ安価であるということから
低炭素鋼で構成することが好ましい。
に形成されるNi−Sn系合金層2Cが前記基材2Aの
表面から剥離しないために、またNi−Sn系合金のめ
っきを安定して行うために、中間層として下地層2Bを
設けてもよい。この下地層2Bの材料としては、この上
に形成される層がNi−Sn系合金層であるということ
からして、Ni成分を含有する材料であることが好まし
く、例えばNi単体の層,Ni−Fe合金の層などをあ
げることができる。また、Niを含まないが、Cu単体
の層,Cu−Sn合金の層などの使用も可能である。
着法,スパッタ法などの常用の成膜法を基材1の表面に
適用して容易に形成することができる。これら成膜法の
うち、とくに電気めっき法は、膜質,成膜コストの点や
生産性の点で好適である。電気めっき法で下地層2Bを
形成する場合には、その下地層の構成元素を含む所定の
めっき浴を建浴し、それを用いて所定の条件下で電気め
っきを行えばよい。
と、成膜時に層内に蓄積する歪みが大きくなって下地層
にワレなどが発生することもあり、逆に薄すぎると、前
記した中間層としての機能低下を招くようになるので、
その厚みは0.2〜10μm程度であることが好まし
い。なお、前記したように、Ni−Sn系合金層2Cを
基材2Aの表面に密着した状態で直接形成できる場合に
は、この中間層2Bは必ずしも必要ではない。
相手材である電池容器の表面と接触しその接触界面で大
きなジュール熱を発生して安定したナゲットを形成する
ために寄与し、もってリード材と電池容器との間で安定
した高い溶接強度を実現するための層である。この層2
Cを構成するNi−Sn系合金は、NiとSnをその主
成分とする合金である。
の融点や比抵抗との関係で適宜に選択されるが、Snの
組成比が高すぎると、理由は不明であるが、溶接強度が
低くなり、また逆にSnの組成比が低すぎると、脆くな
りすぎるという問題が生ずるとともにコスト高を招く。
このようなことを勘案すると、Snの組成比は40〜7
5重量%に規制することが好ましい。
き法,真空蒸着法,スパッタ法などの常用の成膜法を基
材1の表面に適用して形成することも可能であるが、こ
れら成膜法のうち、電気めっき法は、成膜コストの点や
生産性の点に加え、優れた膜特性を容易に得ることがで
きるという点でとくに好適である。電気めっき法でNi
−Sn系合金層を形成する場合には、塩化ニッケル(N
iCl2・6H2O)のようなNi源と塩化第1すず(S
nCl2・2H2O)のようなSn源とが所定の濃度比に
なっているめっき浴を建浴し、それを用いて所定の条件
下で基板2Aの表面に電気めっきを行えばよく、また後
述するように基板2Aの上に下地層2Bを設けている場
合は下地層2Bの上に電気めっきを行えばよい。
厚くなりすぎると、Ni−Sn組成比,めっき条件によ
っては成膜時に層内に蓄積する歪みが大きくなって当該
Ni−Sn系合金層にワレなどの発生することもあると
同時に、コスト面での問題が発生し、逆に薄すぎても高
い溶接強度を安定して実現することが困難になるので、
その厚みは0.1〜10μm程度、より好ましくは0.2
〜8μm程度にすることが好ましい。
炭素鋼板(炭素濃度0.08%)を基材として用意し
た。一方、硫酸ニッケル240g/L,塩化ニッケル4
5g/L,ホウ酸30g/L、サッカリン1.5gから
成るめっき浴を建浴し、pH4.0,浴温45℃,電流
密度4A/dm2の条件で前記基材の全面に厚み3μmの
Niめっき層を下地層として形成した。
1すず50g/L,酸性フッ化アンモニウム35g/
L,フッ化ナトリウム25gから成るめっき浴を建浴し
た。そして、前記Niめっき層の片面をマスキングして
上記めっき浴に浸漬し、浴温65℃,電流密度2.5A
/dm2の条件で前記片方のNiめっき層の上に厚み0.3
μmのNi−Sn合金めっき層を形成して図1で示した
本発明のリード材を製造した。なお、このNi−Sn合
金めっき層は、Ni:35重量%,Sn:65重量%の
組成であった。
めっき層を形成することなく、表面が前記下地層になっ
ているものを用意した。一方、電池容器が、厚み0.3m
mの低炭素鋼板(炭素濃度0.04%)の表面に厚み3〜
3.5μmのNiめっきが施されたものであるAAAサ
イズ電池を30個用意した。
部表面に前記リード材を配置し、溶接電極で22N(2
つの溶接電極に加わる力の和)の加圧力を印加し、溶接
電流1.6kA,1.7kAでそれぞれパラレル式抵抗溶
接を行ってリード材2を電池容器に溶接した。なお、こ
こで、2つの溶接電極に加わる力は略均等となるように
した。
部表面に溶接されているリード材2の一端2cをチャッ
ク5で把持し、このチャック5を引張試験器6で引き上
げて前記リード材2を引き剥がす試験を行った。このと
き、リード材2と電池1の底部表面とがなす角度θおよ
び相対位置関係は常に一定となるようにリード材2,電
池1および引張試験器6の位置関係を調整し、かつ試験
器6による引張強さは一定の速さで増加するようにして
引き剥がし試験を行い、リード材2が電池1の底部表面
から完全に引き剥がされたときの引張強さを測定しそれ
を溶接強度とした。その結果を図2と図3に示した。
果、図3は溶接電流が1.7kAのときの結果であり、
各図において、斜線の棒グラフは本発明のリード材を用
いた場合、白抜きの棒グラフは比較例のリード材を用い
た場合を示している。図2と図3から明らかなように、
本発明のリード材を用いてパラレル式抵抗溶接を行う
と、当該リード材の溶接強度は、従来の比較例リード材
の場合に比べて、全体として高くなり、しかも安定した
値になっている。
用リード材を溶接して複数個の電池を互いに接続したも
のである。
リード材は、それをNiめっき鋼板製の電池容器にパラ
レル式抵抗溶接法で接続したときに、高い溶接強度を安
定して実現することができる。そのため、例えば電池パ
ックをライン生産するときの溶接信頼性は高くなり、不
良パックの製造は減少して製造コストの低減を企てるこ
とができる。
ド材との溶接強度が高くなっているので、衝撃などの外
力を受けても損壊することが起こりづらく、信頼性の高
い電池パックになっている。
る。
器との溶接強度の度数分布を示すグラフである。
器との溶接強度の度数分布を示すグラフである。
である。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 Niめっき鋼板から成る電池容器にパラ
レル式抵抗溶接法で溶接される電池用リード材であっ
て、少なくとも前記電池容器に溶接される方の表面がN
i−Sn系合金層で形成されていることを特徴とする電
池用リード材。 - 【請求項2】 前記基材と前記Ni−Sn系合金層の間
に、Ni単体,Ni−Fe合金,Cu単体、または、C
u−Sn合金から成る下地層が介在している請求項1の
電池用リード材。 - 【請求項3】 前記Ni−Sn系合金層が、Ni:25
〜60重量%,Sn:40〜75重量%のNi−Sn2
元合金から成る請求項1または2の電池用リード材。 - 【請求項4】 複数個の電池を請求項1〜3のいずれか
の電池用リード材で接続したことを特徴とする電池パッ
ク。
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DE69900657T DE69900657T2 (de) | 1998-03-18 | 1999-03-16 | Batterie, Stromanschlussfahne zun Verbinden von Batterien, und daraus aufgebautes Batteriepack |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1920916A1 (en) * | 2006-09-07 | 2008-05-14 | Hitachi Vehicle Energy, Ltd. | Assembled battery |
WO2012153728A1 (ja) * | 2011-05-10 | 2012-11-15 | Jx日鉱日石金属株式会社 | Niめっき金属板、溶接構造体、及び電池用材料の製造方法 |
-
1998
- 1998-03-18 JP JP06890998A patent/JP3885342B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2012153728A1 (ja) * | 2011-05-10 | 2012-11-15 | Jx日鉱日石金属株式会社 | Niめっき金属板、溶接構造体、及び電池用材料の製造方法 |
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