JPH11264965A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH11264965A
JPH11264965A JP6800498A JP6800498A JPH11264965A JP H11264965 A JPH11264965 A JP H11264965A JP 6800498 A JP6800498 A JP 6800498A JP 6800498 A JP6800498 A JP 6800498A JP H11264965 A JPH11264965 A JP H11264965A
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liquid crystal
crystal layer
electrode
display device
layer
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JP6800498A
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Katsuya Tsuchida
勝也 土田
Haruhiko Okumura
治彦 奥村
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 3層GH液晶表示装置などの複数の液晶層の
積層構造を有するアクティブマトリックス型液晶表示装
置の消費電力を、表示品質を劣化させることなく削減す
る。 【解決手段】 第1の液晶層と、前記第1の液晶層と電
磁気的に相互作用するように配設された第1の電極と、
第1の表示信号を選択して第1の電極に印加する第1の
印加手段31D、32Dと、第1の液晶層と積層された
第2の液晶層と、第2の液晶層と電磁気的に相互作用す
るように配設された第2の電極と、第2の表示信号を選
択して第2の電極に印加する第2の印加手段31M、3
2Mと、第1の印加手段が第1の電極に第1の表示信号
を印加する期間と第2の印加手段が第2の電極に第2の
表示信号を印加する期間とを第1の液晶層と第2の液晶
層との反射率の差が緩和されるように調節する補償手段
33とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置に関
し、特に複数の液晶層を積層して表示画面を構成する積
層型の液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータ、ワードプロセ
ッサ、EWS等のOA用電子機器の表示装置、あるいは
電卓、電子ブック、電子手帳、ΡDA等の表示装置、ま
た携帯テレビ、携帯電話、携帯FAX等の表示装置は、
バッテリー駆動する必要があり、低消費電力の表示装置
でなければならない。従来、薄型ディスプレイとして、
液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、
フラットCRT等が知られている。このうちでは、消費
電力などを考えるとLCDが最も適しており、実用化さ
れている。
【0003】LCDのうち、ディスプレイの表示面で画
像を直接観察するようにしたものを直視型という。直視
型のLCDには液晶セルの背面側に蛍光ランプなどの光
源を組み込む透過型と、周囲光を利用する反射型とがあ
る。このうち前者はバックライトを必要とするので低消
費電力化には不向きである。これはバックライトが1W
以上の消費電力となり、バッテリー駆動で約2〜3時間
程度しか用いることができないからである。したがって
携帯型情報機器のような携帯用電子機器のディスプレイ
としては後者の反射型が多く用いられている。
【0004】反射型LCDにおいては、例えば表面を梨
地状に加工したアルミニウムなどからなる反射板と偏光
板とが液晶セルの背面側ガラス基板上に重ねて貼り付け
られている。このような反射型LCDはバックライトを
必要としないので消費電力が少なくなる。しかし、従来
の反射型LCDでは、明るいペーパーホワイトな表示を
行うことができず、また鮮やかなカラー表示もできない
という問題があった。透過型のアクティブマトリクス型
LCDの画質に匹敵する反射型LCDを開発する上で、
このことが大きな技術課題になっている。
【0005】反射型LCDにおいては、ECΒ(Ele
ctrically Controlled Bire
frigennce)モード、GH(Guest Ηo
st)モード、TΝ(Twisted Nemati
c)モードなどが用いられる。ECBモードやTNモー
ドの場合には偏光板が必要である。偏光板に対する光の
透過率はたかだか40%程度なので、光の利用効率は悪
くなってしまう。反射型液晶表示装置の場合、そのその
表示の明るさは反射率で評価される。この反射率は液晶
表示装置に入射した光の何%が反射されるかにより表示
される。反射率の計測は通常、拡散反射光を積分球で積
分することによって行われる。例えば新聞紙は60%程
度、上質紙は80%程度、酸化マグネシウム、硫酸バリ
ウムなどの粉体は99%以上の反射率を有する。
【0006】これに対して、偏光板を用いる表示モード
の液晶表示装置では40%以上の反射率を望むことがで
きず、表示性能上問題がある。明るくペーパーホワイト
な表示を実現するためには約60%以上の反射率が必要
である。
【0007】このような光利用効率の観点から、反射型
液晶表示装置の表示モードとしては偏光板を必要としな
いGΗ方式がもっとも適していると考えられる。この方
式でカラー表示させる場合には、例えばC(シアン)、
M(マジェンタ)、Y(イエロー)等の減法混色の3原
色の色素がそれぞれ入った3枚のGΗセルを積層する必
要がある。一般に反射板を用いて色再現範囲の広いカラ
ー表示を実現するためには、GHセルを視線方向に積層
する方法がもっとも好ましい。これに対して、3枚のG
Hセルを並列配置したRGB並列配置や、CMY並列配
置では表示画面の全面で同一色表示を行うことができな
いので色再現範囲はどうしても狭くなってしまうという
問題がある。
【0008】これら3層のGH液晶セルを用いてドット
マトリックス表示を行う場合、表示画面を構成する単位
画素単位で画像情報を伝える必要がある。このようなマ
トリックス駆動の方法としては単純マトリックス駆動、
アクティブマトリックス駆動が知られている。前者は急
峻なV−T特性(電圧一透過率特性)を必要とするの
で、色素が入って液晶組成物の構成比率が少なくなって
いるGΗ液晶の場合あまり適さない。後者にはアクティ
ブ素子(非線形スイッチング素子)としてMIM(Me
tal−Insilator−Metal)などのダイ
オードを用いた構成と、薄膜トランジスタを用いた構成
とが知られている。
【0009】MIM方式では、表示画面を構成する画素
数を増やしていくと、1画素にかかる実効電圧が少なく
なってゆき5V未満になってしまう可能性がある。この
ため、現状のGΗ液晶のV−T特性から考えて、MIM
方式はGΗ液晶の駆動に適していない。一方、これに対
してTFT方式は単位画素への印加電圧は任意に設定す
ることができるためGΗモードの液晶表示装置に適して
いるといえる。
【0010】以上の背景より、複数のGH液晶層の積層
構造を有する高画質な反射型表示装置(以下「3層GΗ
液晶表示装置」という)が例えば特願平8−57531
に提案されている。このような3層GΗ液晶表示装置の
駆動方法としては例えば特願平7−235357が提案
されている。
【0011】なお、上記3層GH液晶表示装置を反射型
表示装置としてではなく、反射板の替わりにバックライ
トを用い透過型液晶表示装置とした場合でも、カラーフ
ィルターが不要なため光利用効率の高い低消費電力な表
示装置を構成することができる。
【0012】図1は複数の液晶層を積層した液晶表示装
置の構成の例を概略的に示す図であり、図2は、図1に
例示した液晶表示装置の断面構造の例を概略的に示す図
である。両図においては単位画素の構成を示している。
基板100上には、複数のΤFT2a、2b、2cが形
成されている。アレイ基板100上には、絶縁膜を介し
てアルミニウム等からなる反射画素電極3が配置されて
いる。この反射画素電極3は画素電極を構成している。
さらに、反射画素電極3上に液晶層1a、1b、1cが
順次積層されている。この場合液晶層1aがイエロー
(Y)、液晶層1bがシアン(C)、液晶層1cがマジ
ェンタ(M)であるが、例えば、イエロー、マジェン
ダ、シアンのGH液晶層を順次積層するようにしてもよ
く、積層順序は順番は必要に応じて定めるようにすれば
よい。また、液晶層1a、1b、1cの間には透明画素
電極4、5が配設されている。さらに、液晶層1c上に
は、透明な対向電極6を有する対向基板(図示せず)が
配置されている。なお、対向電極6は各液晶層ごとに配
設するようにしてもよい。
【0013】ΤFΤ2aと反射画素電極3、TFT2b
と透明画素電極4、TFT2cと透明画素電極5とは例
えば銅メッキ柱などにより電気的に接続されている。す
なわち、各TFTのゲート電極には、図示しない走査線
駆動回路から走査線GDi 、GM i、GUi を介して走
査信号が印加される。また各TFTのドレイン電極には
図示しない信号線駆動回路から信号線S(SDi 、SM
i 、SUi )を介して表示信号が印加される。走査信号
によりTFTがオン状態になったとき、表示信号が選択
され、ソース電極と接続した各画素電極に印加される。
そして各画素電極により形成される電界に液晶層1a、
1b、1cが応答し、その配向状態、相変化状態を制御
することにより液晶層に入射する光の強度を変調するの
である。このような光の変調素子である画素を2次元的
に配置し、光を2次元的に変調することにより画像の表
示を行うことができる。
【0014】図1に例示した液晶表示装置の作製手法又
は1a、1b、1c、3、4、5、6に使用される材料
の選択等は、例えば特願平8−57531と同様に行う
ようにしてもよい。
【0015】図3は図1、図2に例示した液晶表示装置
を概略的に示す等価回路図である。信号線SDi (SD
1、SD2、SD3)と接続されたΤFTは反射画素電
極3を制御するΤFTであり、信号線SMi (SM1、
SM2、SM3)と接続されたΤFΤは透明画素電極4
を制御するTFΤであり、SUi (SU1、SU2、S
U3)と接続されたTFTは透明画素電極5を制御する
TFTである。すなわち図3では平面的に示している
が、実際は積層構造となっている。また、図3のCa、
Cb、Ccはそれぞれ、液晶層1a、1b、1cより形
成される液晶容量を示しており、Vcom は対向電極6へ
の印加電圧を示し、SD1〜SD3及びSM1〜SM3
及びSU1〜SU3は信号線を示し、GDi 、GMi 、
GUi は各層の画素に対応したスイッチング素子に独立
して走査信号を供給することができる走査線を示してい
る。
【0016】一方、アクティブマトリックス型液晶表示
装置の低消費電力化を実現する駆動方法として、マルチ
フィールド駆動(MF駆動)と呼ばれる駆動方式が提案
されている。このMF駆動は1枚のフレーム画像をシー
ケンシャルに表示される複数のサブフィールドに分割し
て駆動するものであり、消費電力を低減することができ
る(参考:東芝レビュー,1995,Vol.50,Ν
o.9,pp691:テレビジョン学会誌,Vol.5
0,No5,pp563−569:Journal o
f SID,4/3,1996,pp129)。
【0017】例えば3層のGΗ液晶層を積層した3層G
H型液晶表示装置にアクティブマトリクス駆動を適用し
た場合、各液晶層の保持率等の特性差に起因して各液晶
層ではV−R特性が異なってしまうという問題がある。
ここでV−R特性は、印加電圧一反射率の関係を示した
ものであり、最大反射時を100%、最小反射時を0%
としている。
【0018】図4は3層GH型液晶表示装置にアクティ
ブマトリクス駆動を適用した場合のCMY各液晶層のV
−R特性の例を示すグラフである。図4に示したとおり
各液晶層間でV−R特性の相違が生じていることがわか
る。これは3層GH型液晶表示装置の場合、各層が異な
った色素材料等の、比誘電率等の物性値が異なる材料で
構成されるためである。
【0019】また、3層GΗ型液晶表示装置に上述のよ
うなMF駆動を適用した場合、通常駆動(ΜF駆動では
ない通常の信号線反転駆動やHコモン反転駆動等の交流
駆動を意味している)を行った場合と、MF駆動を行っ
た場合とでは保持期間が異なるために、V−R特性の差
が生じてしまうという問題がある。図5は3層GH型液
晶表示装置に通常駆動を適用した場合とMF駆動を適用
した場合でのV−R特性の例を示すグラフである。
【0020】図5に例示したようなV−R特性差が存在
したままであると、MF駆動を適用した場合に最適な表
示特性が得られないという問題がある。また、図4に例
示したようなV−R特性差が存在したままであるとホワ
イトバランスが悪くなり表示上色付きの問題が発生して
しまう。このため、表示品位を向上するためには何らか
の対策を施さなければならない。
【0021】このような問題を解決するためには、例え
ばそれぞれの液晶層のV−R特性に応じた階調基準電圧
をソースドライバーICに供給すればV−R特性差を解
消することができる。しかしながらそのためには、それ
ぞれの液晶層のV−R特性に応じて異なった階調基準電
圧を発生させなければならず、階調電圧発生回路の規模
がそれぞれ2倍、3倍と増大してしまうという問題があ
る。
【0022】図6、図7は上述のようなV−R特性差を
補償するために必要な階調電圧発生回路の構成の例を示
す図である。図6には図5で説明したようなV−R特性
の差を補償するために必要な階調電圧発生回路の例を、
図7には図4で説明したようなV−R特性の差を補償す
るために必要な階調電圧発生回路の例をそれぞれ示して
いる。
【0023】図6、図7におけるVV1 、VV2 は供給
電圧を示し、7は抵抗を示し、8はオペアンプを示し、
VM0 〜VM3 はMF駆動時に最適な階調基準電圧を示
し、V0 〜V3 は通常駆動時に最適な階調基準電圧を示
し、Vy0〜Vy3はイエロー層に最適な階調基準電圧を示
し、Vc0〜Vc3はシアン層に最適な階調基準電圧を示
し、またVm0〜Vm3はマジェンダ層に最適な階調基準電
圧を示している。 なお、この場合ソースドライバー
ICとしては例えばDAC内蔵タイプ(例えば、SID
96DIGEST「An 8−bit Digital
Data Driver for Color TF
T−LCDs」,SID94DIGEST「Α 64−
Gray−Scale Digital Signal
Driver for Color TFT−LCD
s」)のソースドライバーICを用いる場合の構成を例
示している。
【0024】このように、例えば3層GH型液晶表示装
置のような複数の異なる液晶層を積層した液晶表示装置
においては、各液晶層の物性の差等に起因してV−R特
性などの電気光学応答に差が生じてしまい、このV−R
特性差を解消するために各液晶層のV−R特性に応じて
異なった階調基準電圧を発生させようとすると、階調電
圧発生回路の規模が増大してしまい、液晶表示装置の構
成が複雑になり、小型化・軽量化が疎外され、コストが
高くなってしまうという問題がある。したがって、高表
示品質の要求と低消費電力の要求とをともに満たすよう
な液晶表示装置を実現するために、より簡単な構成で、
生産性を低下させることなくV−R特性を補償する技術
を確立することが求められている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点を解決するためになされたものである。すなわち本
発明は表示品質が高く、消費電力が小さい液晶表示装置
を提供することを目的とする。また本発明は、例えば3
層GH液晶表示装置などの複数の液晶層の積層構造を有
するアクティブマトリックス型液晶表示装置の消費電力
を、表示品質を劣化させることなく削減することを目的
とする。
【0026】また本発明は、例えば3層GH液晶表示装
置などの複数の液晶層の積層構造を有する液晶表示装置
にアクティブマトリクス駆動を適用した際に各液晶層の
V−R特性差に起因して生じる表示品質の劣化を液晶表
示装置の構成を複雑にすることなく抑制することを目的
とする。さらに本発明は、例えば3層GH液晶表示装置
などの複数の液晶層の積層構造を有する液晶表示装置に
アクティブマトリクス駆動を適用し、さらにMF駆動を
適用した際に生じるV−R特性変化による各液晶層のV
−R特性差に起因して生じる表示品質の劣化を液晶表示
装置の構成を複雑にすることなく抑制することを目的と
する。
【0027】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明の液晶表示装置は以下のような構成を
採用している。本発明の液晶表示装置の第1のアスペク
トは、第1の液晶層と、前記第1の液晶層と電磁気的に
相互作用するように配設された第1の電極と、第1の表
示信号を選択して前記第1の電極に印加する第1の印加
手段と、前記第1の液晶層と積層された第2の液晶層
と、前記第2の液晶層と電磁気的に相互作用するように
配設された第2の電極と、第2の表示信号を選択して前
記第2の電極に印加する第2の印加手段と、前記第1の
印加手段が前記第1の電極に前記第1の表示信号を印加
する期間と前記第2の印加手段が前記第2の電極に前記
第2の表示信号を印加する期間とを前記第1の液晶層と
前記第2の液晶層との反射率の差が緩和されるように調
節する手段とを具備したことを特徴とする。またマトリ
クス状に配列された複数の画素を有する液晶表示装置で
あって、反射板として機能する電極の上に積層された、
異なる複数の色を表示するための複数の液晶層及びこれ
らの液晶層に電界を印加するための複数の透明な電極
と、表示信号を選択して前記電極に印加する手段とを具
備し、前記表示信号を印加する手段は、前記各液晶層の
電気光学応答の差が緩和されるように、前記各液晶層の
電気光学特性に対応して、各前記液晶層に前記表示信号
を印加する期間を調節するようにしてもよい。
【0028】ここで第1の液晶層、第2の液晶層は例え
ば異なった色を表示するために、異なった色素を含有し
たGH液晶層を用いるようにしてもよい。また液晶層は
2層に限ることなく3層、あるいは4層以上の液晶層を
積層して用いるようにしてもよい。本発明では以下に詳
述するように同一の印加電圧に対する電気光学応答が相
違している場合でもそれら特性差を補償することができ
るので、表示品質を低下させることなく低消費電力の液
晶表示装置を実現することができる。
【0029】また第1の電極、第2の電極としては、例
えば液晶層を挟持する基材上にマトリクスアレイ状に配
設された画素電極をあげることができる。これら第1の
画素電極と第2の画素電極など複数の液晶層を駆動する
複数の画素電極は、1つの絵素を構成するように互いに
積層配置される。本発明の液晶表示装置を反射型液晶表
示装置に適用する場合には、最下層(光入射面と反対
側)に配設される電極は、画素電極と反射板とを兼用し
た反射電極として構成すればよい。反射電極以外の画素
電極は、例えばITO(Indium Tin Oxi
de)などの透明導電性物質により形成するようにして
もよい。
【0030】また第1の印加手段、第2の印加手段とし
ては例えば走査線駆動回路から走査信号が供給される走
査線と、信号線駆動回路から表示信号が供給される信号
線と、走査信号に応じてオン・オフが制御され、表示信
号を選択して第1の電極、第2の電極に印加する薄膜ト
ランジスタ、MIMなどの非線形スイッチング素子を備
えるようにしてもよい。例えば薄膜トランジスタのゲー
ト電極を走査線に接続し、ソース電極を画素電極(第1
の電極、第2の電極)に接続し、ドレイン電極を信号線
に接続することにより、走査信号により薄膜トランジス
タがオン状態となったときに信号線に供給されている表
示信号がサンプリングされて画素電極に印加することが
できる。このようなスイッチング素子を各画素電極ごと
に配設することにより、マトリクス状に配設された各画
素電極に、選択的にかつ独立に表示信号を印加すること
ができる。
【0031】そして本発明の液晶表示装置では、第1の
印加手段が第1の電極に第1の表示信号を印加する期間
と、第2の印加手段が第2の電極に第2の表示信号を印
加する期間とを、第1の液晶層と第2の液晶層との反射
率の差が緩和されるように調節する補償手段を具備して
いる。すなわち、画素へ表示信号電圧が印加されたとき
には、定常状態にいたるまでに漸次的に電圧が上昇して
いく過渡状態を経るため、表示信号の画素電極への印加
期間を各液晶層の電気光学特性の差に対応して調節する
ことにより、単一電源を用いた場合でも各液晶層に最適
な電圧を印加するようにことができる。
【0032】例えばCMYの3層のGH液晶層を積層し
た場合には、Cの液晶層を駆動するの画素電極、Mの液
晶層を駆動する画素電極、およびYの液晶層を駆動する
画素電極への表示信号(電圧)の印加期間を、各液晶層
の反射率(V−R特性)の差が緩和されるように調節す
るようにすればよい。例えば1ライン期間にCMYの3
層の液晶層に表示信号を書き込む場合には、1ライン期
間を各液晶層の反射率(V−R特性)の差が緩和される
ように分割して表示信号を印加するようにすればよい。
各層の画素電極への表示信号の印加期間は、例えば薄膜
トランジスタを用いた場合には、ゲート電極に印加する
走査信号のパルス幅を各液晶層ごとに調節するようにす
ればよい。
【0033】このような構成を採用することにより本発
明の液晶表示装置では単一電源を用いた場合でも各液晶
層に最適な電圧を印加するようにことができ、V−R特
性の差を補償することができる。また同一のドライバI
Cを用いて駆動回路を構成することができる。
【0034】本発明の液晶表示装置の第2のアスペクト
は、第1の液晶層と、前記第1の液晶層と電磁気的に相
互作用するように配設された第1の電極と、単位期間ご
とに第1の表示信号を選択して前記第1の電極に印加す
る第1の印加手段と、前記第1の液晶層と積層された第
2の液晶層と、前記第2の液晶層と電磁気的に相互作用
するように配設された第2の電極と、前記単位期間内の
第1のタイミングで第2の表示信号を選択して前記第1
の電極に印加するとともに、前記単位期間中の前記第1
の液晶層の平均反射率と前記第2の液晶層との平均反射
率との差が緩和されるような前記単位期間内の第2のタ
イミングで第3の表示信号を選択して前記第2の電極に
印加する第2の印加手段とを具備したことを特徴とす
る。またマトリクス状に配列された複数の画素を有する
液晶表示装置であって、反射板として機能する電極の上
に交互に積層された、異なる複数の色を表示するための
複数の液晶層と、これらの液晶層に表示信号を印加する
ための複数の透明な電極と、表示信号を選択して前記電
極に印加する手段とを具備し、前記表示信号を印加する
手段は、単位期間中の前記表示信号書き込み後の前記各
液晶層の光学特性に応じて補正電位を書き込むととも
に、前記各液晶層の光学特性に応じて補正電位を書き込
むタイミングを制御するようにしてもよい。前述した本
発明の液晶表示装置の第1のアスペクトは、積層された
複数の液晶層のV−R特性の差を緩和するように表示信
号の印加期間を調節する構成を採用したものであるが、
本発明の第2のアスペクトでは単位期間中の平均反射率
を各液晶層のV−R特性の差を緩和するように調節する
構成を採用している。
【0035】例えば、いまノーマリ黒(Highレベル
で黒表示)の液晶表示装置を考える。 第2の液晶層に
ついてみると、まず単位期間内の第1のタイミングで第
2の表示信号を選択して第1の電極に印加し、単位期間
中の第1の液晶層の平均反射率と第2の液晶層との平均
反射率との差が緩和されるような単位期間内の第2のタ
イミングで第3の表示信号を選択して第2の電極に印加
するようしている。第3の表示信号により画素電極にH
ighレベルの表示信号電圧が書き込まれると、第2の
液晶層は暗状態になるから、単位期間内の第1のタイミ
ングと第2のタイミングとを調節することにより、第2
の液晶層の単位期間中の平均の反射率を第1の液晶層の
それと合わせ込むことができる。なおここでは第2の液
晶層の駆動について、その単位期間中の平均反射率と第
1の液晶層の単位期間中の平均の反射率との差を緩和す
るように行う構成を例示したが、積層配置されるすべて
の複数の液晶層の駆動についても同様に行うようにして
ももちろんよい。なお単位期間は1フレーム期間に対応
するように設定するようにしてもよいし、複数フレーム
期間に対応するように設定するようにしてもよい。
【0036】このような構成を採用することにより、本
発明の液晶表示装置では単一電源を用いた場合でも各液
晶層に最適な電圧を印加するようにことができ、V−R
特性の差を補償することができる。また同一のドライバ
ICを用いて駆動回路を構成することができる。したが
って駆動回路の回路規模を増大させることなく表示品質
が高くかつ消費電力の小さな液晶表示装置を提供するこ
とができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の液晶表示装置の
実施形態についてさらに詳細に説明する。
【0038】(実施形態1)図8は本発明の液晶表示装
置を説明するための図である。図8(a)は本発明を適
用可能な3層GH型の液晶表示装置の単位絵素の構成を
示しており、図8(b)は本発明の液晶表示装置の絵素
を構成する積層された複数の画素電極の駆動タイミング
の例を示す図である。図8(a)に例示した3層GH液
晶の単位絵素は、6つの非線形スイッチング素子である
薄膜トランジスタSW1、SW2、SW3、SW4、S
W5、SW63つのGH液晶層LC1、液晶層LC2、
液晶層LC3、4つの画素電極(または対向電極)PE
1、PE2、PE3、PE4、3本の信号線SU1、信
号線SM1、信号線SD1、3本の走査線GU1、走査
線GM1、走査線GD1が配設されている。GH液晶層
LC1、液晶層LC2、液晶層LC3は積層されて単位
絵素を構成する。信号線SU1、信号線SM1、信号線
SD1及び走査線GU1、走査線GM1、走査線GD1
は、図示しない信号線駆動回路及び走査線駆動回路にそ
れぞれ接続される。
【0039】本発明の液晶表示装置では、図8(b)に
例示したように単位絵素を構成する複数の画素電極PE
1、PE2、PE3を駆動している。
【0040】すなわち、1ライン期間中に3層のGH型
液晶層LC1、液晶層LC2、液晶層LC3に対応する
画素電極を駆動する走査信号は、3つの期間に時分割し
て印加する構成を採用している。そして例えば図8
(b)に例示したような本発明の液晶表示装置が行う時
分割駆動では、各GH液晶層LC1、LC2、LC3の
V−R特性に応じて各薄膜トランジスタのオン時間T1
(SW1)、Τ2(SW2)、T3(SW3)を調節し
ている。
【0041】いま液晶層LC1、液晶層LC2、液晶層
LC3をそれぞれシアン、マジェンダ、イエローのGH
液晶層であるとし、1Η期間を60μsecとする。表
示信号の印加期間Τ1、T2、Τ3を各液晶層のV−R
特性差によらずそれぞれ20μsecと同じ印加期間に
設定した場合、各液晶層を実際に駆動した際のV−R特
性は図4に示したままであり、ホワイトバランスが崩れ
て色付きが生じてしまうなど表示品質が低下してしま
う。
【0042】ところで、液晶層に電圧を印加する際の等
価回路は図9のように示される。図9(a)におけるR
onは薄膜トランジスタ(SW1)のオン抵抗を示し、
CLC1 は液晶層LC1の画素容量を示し、VPE1 はCLC
1 の印加された電圧を示し、VCOM1は0Vで、またSW
4のオン抵抗は無視できるものとする。なお図9(a)
は図8(a)における液晶層LC1に係る部分の等価回
路を示しているが、液晶層LC2、液晶層LC3に係る
部分においても図9と同様である。この場合、VPE1 は
図9(b)に示される通り、以下のように表すことがで
きる。 VPE1 =VS1(1−e(−t/(Ron×CLC1 ))) ただし、VS1は信号線SU1に印加される表示信号電圧
であり、以下の通り定義される。 t≦0においてVS1=0V t>0においてVS1=5V Ron=500ΚΩ CLC1 =20pF 本発明の液晶表示装置では、各GH液晶層のV−R特性
差が緩和されるように表示信号の印加期間T1、Τ2、
Τ3を例えば1H期間などの所定期間内で分配してい
る。例えば図4に例示したような特性差を考慮した場
合、T1=25μsec、T2=20μsec、T3=
15μsecのように表示信号の印加期間を設定するこ
とにより、VPE1 は約4.6V、VPE2 は約4.3V、
VPE3 は約3.9Vとなる。ただし、VPE2 は液晶層L
C2の画素容量に印加された電圧を示し、VPE3 は液晶
層LC3の画素容量に印加された電圧を示す。したがっ
て、各液晶層とも同じ階調基準電圧を用いて、同じ信号
線駆動回路(例えば信号線駆動ΙC)から、各液晶層に
同じ信号線電圧を印加したとしても、実際に各液晶層に
印加される表示信号電圧はそれぞれ印加期間T1、T
2、T3の分配に応じて異なることになる。したがっ
て、各液晶層のV−R特性差に起因して生じる表示画質
の劣化を、各液晶層に同じ階調基準電圧を用い、かつ同
じ信号線駆動回路を採用しながら防止することができ
る。
【0043】図10は本発明の液晶表示装置の構成を模
式的に示す図である。
【0044】この液晶表示装置では、液晶セル21、液
晶セル22、液晶セル23はそれぞれ独立に走査線駆動
回路31U、走査線駆動回路31M、走査線駆動回路3
1Dおよび信号線駆動回路32U、信号線駆動回路32
M、信号線駆動回路32Dを備えている、これらの駆動
回路は、画素アレイとともに、基板上に例えばpoly
−Siをチャネル半導体膜とする薄膜トランジスタによ
り一体的に形成するようにしてもよい。単位絵素を構成
するように3層積層された画素電極は、それぞれ独立し
た走査線GUi 、GMi 、GDi と接続されている。し
たがって、単位絵素を構成する複数の画素電極に独立し
たタイミングで、独立した期間にわたって表示信号を供
給することができる。
【0045】つまり第1の液晶層1aと、前記第1の液
晶層と電磁気的に相互作用するように配設された第1の
電極3と、第1の表示信号を選択して第1の電極3に印
加する第1の印加手段2a、31D、32Dと、第1の
液晶層1aと積層された第2の液晶層1bと、第2の液
晶層1bと電磁気的に相互作用するように配設された第
2の電極4と、第2の表示信号を選択して第2の電極4
に印加する第2の印加手段2b、31M、32Mと、第
1の印加手段が第1の電極3に第1の表示信号を印加す
る期間T1と第2の印加手段が第2の電極4に第2の表
示信号を印加する期間T2とを第1の液晶層1aと第2
の液晶層1bとの反射率の差が緩和されるように調節す
る補償手段33とを具備している。
【0046】またこの例では、複数層の液晶セルの走査
線GUi 、GMi 、GDi の選択期間を前述のようにV
−R特性差が緩和されるように時分割制御するため、走
査線駆動回路31U、31M、31Dおよび信号線駆動
回路32U、32M、32Dに制御信号を送るコントロ
ーラ33により、走査線駆動回路31U、31M、31
Dのアウトプット・イネーブルOEを、1つの絵素を構
成する3層の画素電極に対する表示信号の印加期間T
1、T2、T3をV−R特性差が緩和されるように分配
するようにすればよい。
【0047】図11は本発明の液晶表示装置の駆動の別
の例を説明するための図である。前述のように3層GH
型の液晶表示装置では、各液晶層で反射率−実効電圧特
性(V−R特性)が異なるため、各液晶層毎に階調基準
電圧が必要となり、回路規模が増加していた。本発明で
は、図11に示す通り各液晶層毎に表示用信号線電圧書
き込み時間を異なった値に設定するようにしてもよい。
このような構成を採用することにより、同じ表示用信号
線電圧でありながら、薄膜トランジスタの書き込み時の
CR時定数により、ゲートオフ電圧時の各液晶層におけ
る画素電極電圧をV−R特性を補償するように異なった
ものとすることができる。したがって、本発明の液晶表
示装置では新たな付加回路を設けることなく表示用信号
線電圧書き込み時間を調整することができ、各液晶層の
V−R特性を合わせ込むことができる。なお、図11の
プリチャージ期間ではある一定の電圧が印加されている
ものとする。
【0048】このように本発明の液晶表示装置によれ
ば、各液晶層に対して同じ階調基準電圧を用いて、各液
晶層に印加される電圧をそれぞれ変化させることができ
る。したがって本発明では、例えば図4に例示したよう
なV−R特性差が原因で生じる画質劣化を、階調電圧発
生回路の規模を増大させることなく防ぐことができる。
実際に液晶表示装置における信号処理回路の内部回路を
変更するだけでよく、回路的にもカウンター等で各液晶
層への表示信号の書き込み期間を調整するようにすれば
よい。したがって実質的な付加要素は非常に少なく、生
産性、コストを低下させることはない。
【0049】実施形態1で例示した本発明の液晶表示装
置は、MF駆動にも対応することができる。すなわちM
F駆動時に生じる表示変化(MF駆動では、画素電極に
印加される表示信号電圧の保持期間が長くなるので、液
晶表示装置がノーマリーホワイトの場合、MF駆動に切
り替えると表示が白っぽくなってしまうという問題があ
る)を補正する場合にも適用することができる。このよ
うな場合には、通常駆動時の表示信号電圧の各画素電極
への書き込み期間を各液晶層とも、MF駆動における書
き込み期間より短く設定するようにすればよい。
【0050】(実施形態2)つぎに本発明の液晶表示装
置の別の例について説明する。図12は本発明の液晶表
示装置の単位絵素を駆動するための駆動タイミングを示
す図である。なお、実施形態2における単位絵素構造及
び液晶表示装置の形態は、実施形態1と同様である。ま
た、実施形態2に係る駆動方法は基本的に時分割駆動で
ある点でも実施形態1と同一である。また、本実施形態
では、VCOM1、VCOM2、VCOM3は0V(接地電位)であ
るとする。なおこの実施形態では、単位期間を1フレー
ム期間とした場合について説明するが、前述したように
単位期間は複数フレーム期間にわたって設定するように
してもよい。
【0051】図12では、1ライン期間を時分割してそ
れぞれの液晶層に表示信号に応じた信号線電圧(以下
「表示信号電圧」という)を書き込んでいる。液晶層L
C1は、T1期間において信号線SU1より表示信号電
圧が書き込まれるが(以下「選択期間」という)、それ
以外の画素電極が選択されている期間T2、T3は表示
信号電圧が書き込まれない(以下「非選択期間」とい
う)。従って、信号線SU1には選択期間中T1の間は
表示信号電圧を供給しなければならないが、非選択期間
中はSW1、SW2がオフしている限り、どのような信
号であっても表示に影響しない。本実施形態では、非選
択期間中の信号線SU1、SM1、SD1の電圧レベル
をHigh(黒表示を行う電圧)に設定している。
【0052】本実施形態に係る発明では、1フレーム期
間中において、表示信号電圧書き込み後、液晶層のV−
R特性差に応じて非選択期間中にSW1、SW4、SW
2、SW5をオンして(図12における補正パルスを意
味する)各液晶層に第3の表示信号であるHighレベ
ルの表示信号を書き込む。補正パルスの出力タイミング
は可変であるから、V−R特性差に応じて1フレーム期
間中の各層の反射率のさが緩和されるように出力するこ
とにより、V−R特性差を緩和することができる。
【0053】図13は図12のような駆動を行った場合
の各液晶層の光学的特性変化を説明するための図であ
る。なお、液晶層LC1、液晶層LC2、液晶層LC3
は、それぞれ図4に示したシアン、マジェンダ、イエロ
ーのようなV−R特性を有しているものとする。図13
は各液晶層における反射率の時間的変化を示しており、
縦軸は各層の最大反射時を100%、最小反射時を0%
とした場合の反射率を、横軸は経過時間を示しているい
ま、時刻t1における各液晶層の反射率を、シアン(の
液晶層)30%、マジェンダ55%、イエロー70%で
あるとする。また時刻t2における各液晶層の反射率
を、シアン0%、マジェンダ55%、イエロー70%で
あるとする。さらに時刻t3における各液晶層の反射率
を、シアン0%、マジェンダ0%、イエロー70%であ
るとする。
【0054】このとき、1フレーム期間における平均的
な各液晶層の反射率(平均反射率)はそれぞれ以下の通
りである。ただし図12に示したとおり、t1を0se
c経過時点、t2を18msec経過時点、t3を20
msec経過時点、t4を24msec経過時点とす
る。
【0055】シアン層の平均反射率(AVRシアン)
は、 (18×30)/24=22.5% マジェンダ層の平均反射率(ΑVRマジェンダ)は、 (20×55)/24=45.8% イエロー層の平均反射率(ΑVRイエロー)は、 (24×70)/24=70% となる。つまり、シアンとマジェンダの平均反射率は表
示信号電圧より得られるであろう反射率よりも低くなっ
ている。また、補正パルスの出力タイミング(第3の表
示信号の印加タイミング)及び非選択期間における信号
線SU1、信号線SM1、信号線SD1の電圧レベルに
より平均反射率をより低くしたり、より高くしたりする
ことができ、各液晶層のV−R特性を緩和することがで
きる。本発明の液晶表示装置においては、基本的には、
非選択期間における信号線SU1、信号線SM1、信号
線SD1の電庄レベルは固定しておき、補正パルスの出
力タイミングを変化させることによりV−R特性差を調
整するのが回路規模を削減する上で好ましい。なぜな
ら、非選択期間における信号線SU1、信号線SM1、
信号線SD1の電圧レベルを固定することができるの
で、不要な電圧を発生させる必要がなく、また複数の電
源を備える必要がなくなるからである。
【0056】この実施形態においては、各液晶層とも同
じ階調基準電圧を用い、かつ階調電圧発生回路の規模を
増入させることなく、図13に示した通り、シアンの液
晶層層とマジェンダの液晶層の表示をより黒レベルにシ
フトすることができる。つまり、階調電圧発生回路の規
模を増大させることなく、図4に例示したV−R特性差
を補正することができる。
【0057】実際の液晶表示装置の回路構成について
も、信号処理回路の内部回路を変更するだけでよく、回
路的にもカウンター等で補正パルスタイミングを出力す
るタイミングを設定するだけであるため、事実上付加要
素は全くないといえる。例えば図10に例示した本発明
の液晶表示装置と同じ構成を採用し、コントローラ33
から出力される走査線駆動回路31U、31M、31D
のアウトプット・イネーブルOEを、図12のようにす
ることによりV−R特性差を補償することができる。
【0058】さらに実施形態2に例示した駆動方法は、
MF駆動を適用した場合に生じる表示変化(MF駆動で
は、画素電極電圧の保持期間が長くなるので、表示装置
がノ一マリーホワイトの場合、ΜF駆動に切り替えると
表示が白っぽくなってしまう)を補正する場合にも応用
することができる。この場合は、単位期間を数フレーム
期間に設定して(例えば3フレーム期間)平均反射率を
調整することで補正を行うようにすればよい。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、例
えば3層GH液晶表示装置などの複数の液晶層の積層構
造を有する液晶表示装置にアクティブマトリクス駆動を
適用した際に各液晶層のV−R特性差に起因して生じる
表示品質の劣化を液晶表示装置の構成を複雑にすること
なく抑制することができる。また本発明によれば、例え
ば3層GH液晶表示装置などの複数の液晶層の積層構造
を有する液晶表示装置にアクティブマトリクス駆動を適
用し、さらにMF駆動を適用した際に生じるV−R特性
変化による各液晶層のV−R特性差に起因して生じる表
示品質の劣化を液晶表示装置の構成を複雑にすることな
く抑制することができる。例えば各液晶層同じ階調基準
電圧を用い階調電圧発生回路の規模を増大させることな
く、各液晶層のV−R特性差を補正することができるた
め、液晶表示装置の色付きを抑制し、表示品質を向上す
ることができる。さらに本発明によればMF駆動を適用
した場合であっても、通常駆動における階調基準電圧を
用い階調電圧発生回路の規模を増大させることなく、M
F駆動により生じる画質劣化を補正することができる。
【0060】したがって本発明によれば、表示品質が高
く、消費電力が小さい液晶表示装置を提供することがで
きる。また特に3層GH液晶表示装置などの複数の液晶
層の積層構造を有するアクティブマトリックス型液晶表
示装置の消費電力を、表示品質を劣化させることなく削
減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数の液晶層を積層した液晶表示装置の構成の
例を概略的に示す図。
【図2】図1に例示した液晶表示装置の断面構造の例を
概略的に示す図。
【図3】図1、図2に例示した液晶表示装置を概略的に
示す等価回路図。
【図4】3層GH型液晶表示装置にアクティブマトリク
ス駆動を適用した場合のCMY各液晶層のV−R特性の
例を示すグラフ。
【図5】3層GH型液晶表示装置に通常駆動を適用した
場合とMF駆動を適用した場合でのV−R特性の例を示
すグラフ。
【図6】V−R特性差を補償するために必要な階調電圧
発生回路の構成の例を示す図。
【図7】V−R特性差を補償するために必要な階調電圧
発生回路の構成の例を示す図。
【図8】本発明の液晶表示装置を説明するための図。
【図9】液晶層に電圧を印加する際の等価回路。
【図10】本発明の液晶表示装置の構成を模式的に示す
図。
【図11】本発明の液晶表示装置の駆動の別の例を説明
するための図。
【図12】本発明の液晶表示装置の単位絵素を駆動する
ための駆動タイミングを示す図。
【図13】図12のような駆動を行った場合の各液晶層
の光学的特性変化を説明するための図。
【符号の説明】
1a、1b、1c………液晶層 2a、2b、2c………薄膜トランジスタ(TFT) 3…………………………画素電極(反射電極) 3a、3b、3c………画素電極(透明電極) 4、5……………………透明画素電極 6、6a、6b、6c…対向電極 6a………………………対向電極(反射電極) 6b、6c、6d………対向電極(透明電極) 21…………液晶セル(第1層) 22…………液晶セル(第2層) 23…………液晶セル(第3層) 31U………走査線駆動回路(第1層) 31M………走査線駆動回路(第2層) 31D………走査線駆動回路(第3層) 32U………信号線駆動回路(第1層) 32M………信号線駆動回路(第2層) 32D………信号線駆動回路(第3層) 33…………コントローラIC 100………基板 GUi ………1層目の液晶セルの走査線 GMi ………2層目の液晶セルの走査線 GDi ………3層目の液晶セルの走査線 SUi ………1層目の液晶セルの信号線 SMi ………2層目の液晶セルの信号線 SDi ………3層目の液晶セルの信号線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の液晶層と、 前記第1の液晶層と電磁気的に相互作用するように配設
    された第1の電極と、 第1の表示信号を選択して前記第1の電極に印加する第
    1の印加手段と、 前記第1の液晶層と積層された第2の液晶層と、 前記第2の液晶層と電磁気的に相互作用するように配設
    された第2の電極と、 第2の表示信号を選択して前記第2の電極に印加する第
    2の印加手段と、 前記第1の印加手段が前記第1の電極に前記第1の表示
    信号を印加する期間と前記第2の印加手段が前記第2の
    電極に前記第2の表示信号を印加する期間とを前記第1
    の液晶層と前記第2の液晶層との反射率の差が緩和され
    るように調節する補償手段とを具備したことを特徴とす
    る液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 第1の液晶層と、 前記第1の液晶層と電磁気的に相互作用するように配設
    された第1の電極と、 単位期間ごとに第1の表示信号を選択して前記第1の電
    極に印加する第1の印加手段と、 前記第1の液晶層と積層された第2の液晶層と、 前記第2の液晶層と電磁気的に相互作用するように配設
    された第2の電極と、 前記単位期間内の第1のタイミングで第2の表示信号を
    選択して前記第1の電極に印加するとともに、前記単位
    期間中の前記第1の液晶層の平均反射率と前記第2の液
    晶層との平均反射率との差が緩和されるような前記単位
    期間内の第2のタイミングで第3の表示信号を選択して
    前記第2の電極に印加する第2の印加手段とを具備した
    ことを特徴とする液晶表示装置。
JP6800498A 1998-03-18 1998-03-18 液晶表示装置 Withdrawn JPH11264965A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005208551A (ja) * 2003-12-25 2005-08-04 Sharp Corp 表示装置および駆動装置
US7812807B2 (en) 2004-03-30 2010-10-12 Sharp Kabushiki Kaisha Display device and driving device

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JP2005208551A (ja) * 2003-12-25 2005-08-04 Sharp Corp 表示装置および駆動装置
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