JPH11264877A - マイクロ波による物体検出方法 - Google Patents
マイクロ波による物体検出方法Info
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- JPH11264877A JPH11264877A JP30888298A JP30888298A JPH11264877A JP H11264877 A JPH11264877 A JP H11264877A JP 30888298 A JP30888298 A JP 30888298A JP 30888298 A JP30888298 A JP 30888298A JP H11264877 A JPH11264877 A JP H11264877A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 マイクロ波の干渉による影響がなく、その空
間的な制約を受けることなく、より正確に行うようにし
たマイクロ波による物体検出方法を提供する。 【解決手段】 被検出物体Aの移動経路を挟んで一方の
側にマイクロ波送波器1とマイクロ波受波器2とを配置
し、他方の側に反射体3を配置する。マイクロ波送波器
1からは直線波または回転波が発射され、反射体3によ
り2回反射されてマイクロ波受波器2に入射する。マイ
クロ波受波器2では、入射マイクロ波の電界分布の前記
発振素子の電圧印加方向と一致する第1の成分と、第1
の成分と直交する第2の成分とをそれぞれ検波して比較
し、第2の成分が大きい場合に入射したマイクロ波が前
記被検出物体からの反射波であると判定する。
間的な制約を受けることなく、より正確に行うようにし
たマイクロ波による物体検出方法を提供する。 【解決手段】 被検出物体Aの移動経路を挟んで一方の
側にマイクロ波送波器1とマイクロ波受波器2とを配置
し、他方の側に反射体3を配置する。マイクロ波送波器
1からは直線波または回転波が発射され、反射体3によ
り2回反射されてマイクロ波受波器2に入射する。マイ
クロ波受波器2では、入射マイクロ波の電界分布の前記
発振素子の電圧印加方向と一致する第1の成分と、第1
の成分と直交する第2の成分とをそれぞれ検波して比較
し、第2の成分が大きい場合に入射したマイクロ波が前
記被検出物体からの反射波であると判定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波を検出
媒体として物体の位置や有無を検出する方法の改良に関
する。
媒体として物体の位置や有無を検出する方法の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、工場生産現場や作業現場にお
いて、加工品等の移動する物体の存在や物体の位置を検
出するために、レーザ光や赤外線等を用いた物体検出装
置が広く使用されている。しかし、このような光を用い
た方式では、例えば高温多湿で水蒸気ミストやオイルミ
スト等の存在する使用環境では、感度が著しく低下して
検出が困難になる。そこで、このような悪環境下での物
体検出方法として、従来の光学的検出方法に替えて、検
出媒体として、マイクロ波を使用することが行われてい
る。
いて、加工品等の移動する物体の存在や物体の位置を検
出するために、レーザ光や赤外線等を用いた物体検出装
置が広く使用されている。しかし、このような光を用い
た方式では、例えば高温多湿で水蒸気ミストやオイルミ
スト等の存在する使用環境では、感度が著しく低下して
検出が困難になる。そこで、このような悪環境下での物
体検出方法として、従来の光学的検出方法に替えて、検
出媒体として、マイクロ波を使用することが行われてい
る。
【0003】例えば、図6に示すように、マイクロ波の
反射波により物体を検出する方法が知られている。図示
されるように、マイクロ波送波器71およびマイクロ波
受波器74が、距離(L70)を隔て、且つそれぞれ内
方を向くように傾斜して配置されている。そして、矢印
方向に移動する被検出物体Aが、その先端が距離L70
の中間地点を通過する時点において、マイクロ波送波器
71が発信したマイクロ波が被検出物体Aによって反射
され、その反射波73をマイクロ波受波器74が受信す
ることで、被検出物体Aの位置あるいは存在を検出す
る。
反射波により物体を検出する方法が知られている。図示
されるように、マイクロ波送波器71およびマイクロ波
受波器74が、距離(L70)を隔て、且つそれぞれ内
方を向くように傾斜して配置されている。そして、矢印
方向に移動する被検出物体Aが、その先端が距離L70
の中間地点を通過する時点において、マイクロ波送波器
71が発信したマイクロ波が被検出物体Aによって反射
され、その反射波73をマイクロ波受波器74が受信す
ることで、被検出物体Aの位置あるいは存在を検出す
る。
【0004】しかしながら、上記の方法においては、マ
イクロ波送波器71から発信されて被検出物体Aの表面
で反射される反射波73の他にも、反射されずにマイク
ロ波送波器71から直接マイクロ波受波器74に達する
直接入射波72も存在する。マイクロ波は単一波長であ
るため、その結果、反射波73と直接入射波72とが干
渉を起こし、それに伴う受信電力の局所的な変化により
マイクロ波受波器74が誤作動を起こすという不具合が
生じる。このことは、マイクロ波送波器71とマイクロ
波受波器74とが接近して配置される場合により顕著と
なる。更に、被検出物体A以外にも、その周辺の機器や
壁面からの反射波もマイクロ波受波器72に入射するこ
とがあり、同様の干渉による誤作動を起こす。
イクロ波送波器71から発信されて被検出物体Aの表面
で反射される反射波73の他にも、反射されずにマイク
ロ波送波器71から直接マイクロ波受波器74に達する
直接入射波72も存在する。マイクロ波は単一波長であ
るため、その結果、反射波73と直接入射波72とが干
渉を起こし、それに伴う受信電力の局所的な変化により
マイクロ波受波器74が誤作動を起こすという不具合が
生じる。このことは、マイクロ波送波器71とマイクロ
波受波器74とが接近して配置される場合により顕著と
なる。更に、被検出物体A以外にも、その周辺の機器や
壁面からの反射波もマイクロ波受波器72に入射するこ
とがあり、同様の干渉による誤作動を起こす。
【0005】このように、従来のマイクロ波による物体
検出方法では、被検出物体からの反射波と、直接入射波
や周囲からの不要反射波とが同時にマイクロ波受波器に
入射して位相干渉を起こし、精度低下や誤検出を生じる
ことがあった。このような不具合を解決するために、本
出願人は、特開平8−226978号において、一方向
に回転する電界分布を有するマイクロ波(以下「回転
波」と呼ぶ。)を検出媒体とした物体検出方法を提案し
ている。
検出方法では、被検出物体からの反射波と、直接入射波
や周囲からの不要反射波とが同時にマイクロ波受波器に
入射して位相干渉を起こし、精度低下や誤検出を生じる
ことがあった。このような不具合を解決するために、本
出願人は、特開平8−226978号において、一方向
に回転する電界分布を有するマイクロ波(以下「回転
波」と呼ぶ。)を検出媒体とした物体検出方法を提案し
ている。
【0006】それによれば、図7に示すように、マイク
ロ波送波器1およびマイクロ波受波器2は、被検出物A
の移動経路の一方の側に平行配置され、移動経路の他方
の側に対向配置される反射体3に向けてその送受波面を
向けている。マイクロ波送波器1は、マイクロ波を発生
させるためのデバイスであり、例えば、ガンダイオー
ド、インパットダイオード、タンタットダイオード、ト
ラパットダイオード、パリットダイオード、LSAダイ
オードなどのマイクロ波発振ダイオード4を備えてい
る。また、マイクロ波送波器1は、発振ダイオード4の
先端部に筒状のアンテナ5、及びアンテナ5の内部に偏
波変換器6を備えている。マイクロ波Mは、通常、発振
ダイオード4の電圧印加方向に平行な、電界分布がある
一方向に向いた波(以下「直線波」と呼ぶ)W1として
発振される。ここでは、図中上向きの直線波として示し
ている。そして、この直線波W1は偏波変換器6に達す
ると、偏波変換器6の傾斜方向(E1)により時計回り
あるいは反時計回りに電界分布が回転する回転波W2に
変換(以下「円偏波」と呼ぶ)されて、アンテナ5から
反射体3側に向けて発射される。なお、回転波2は、こ
こでは時計回りの電界分布としている。
ロ波送波器1およびマイクロ波受波器2は、被検出物A
の移動経路の一方の側に平行配置され、移動経路の他方
の側に対向配置される反射体3に向けてその送受波面を
向けている。マイクロ波送波器1は、マイクロ波を発生
させるためのデバイスであり、例えば、ガンダイオー
ド、インパットダイオード、タンタットダイオード、ト
ラパットダイオード、パリットダイオード、LSAダイ
オードなどのマイクロ波発振ダイオード4を備えてい
る。また、マイクロ波送波器1は、発振ダイオード4の
先端部に筒状のアンテナ5、及びアンテナ5の内部に偏
波変換器6を備えている。マイクロ波Mは、通常、発振
ダイオード4の電圧印加方向に平行な、電界分布がある
一方向に向いた波(以下「直線波」と呼ぶ)W1として
発振される。ここでは、図中上向きの直線波として示し
ている。そして、この直線波W1は偏波変換器6に達す
ると、偏波変換器6の傾斜方向(E1)により時計回り
あるいは反時計回りに電界分布が回転する回転波W2に
変換(以下「円偏波」と呼ぶ)されて、アンテナ5から
反射体3側に向けて発射される。なお、回転波2は、こ
こでは時計回りの電界分布としている。
【0007】マイクロ波受波器2は、マイクロ波送波器
1から発信されたマイクロ波Mを受信するデバイスであ
り、ミキサダイオード等のマイクロ波受信ダイオード7
を備えている。また、マイクロ波受波器2は、その先端
に前記と同一の筒形アンテナ5、及びその内部にマイク
ロ波送波器1と同一の傾斜方向E1で設置された偏波変
換器6を備えており、更に受信ダイオード7の検波方向
をマイクロ波送波器1の発振ダイオード4の電圧印加方
向と同一にしている。
1から発信されたマイクロ波Mを受信するデバイスであ
り、ミキサダイオード等のマイクロ波受信ダイオード7
を備えている。また、マイクロ波受波器2は、その先端
に前記と同一の筒形アンテナ5、及びその内部にマイク
ロ波送波器1と同一の傾斜方向E1で設置された偏波変
換器6を備えており、更に受信ダイオード7の検波方向
をマイクロ波送波器1の発振ダイオード4の電圧印加方
向と同一にしている。
【0008】反射体3は、マイクロ波送波器1及びマイ
クロ波受波器2の、各マイクロ波Mの進行軸(便宜上、
図中直線で示す。)に対して45°の傾きを設けた一対
の反射鏡から構成されており、マイクロ波送波器1から
出射されたマイクロ波Mは反射体3で2回反射されてマ
イクロ波受波器2に入射する。ここで、回転波は反射体
で反射される際に、その電界分布の回転方向を反転する
性質があり、従って、マイクロ波送波器1から出射され
た時計回りの回転波W2は、反射体3の一方の反射面で
反射されることで、その回転方向が反転されて反時計回
りの回転波W3となり、次いで、他方の反射面で反射さ
れることで、再度反転されて時計回りの回転波W2とな
ってマイクロ波受波器2に入射される。即ち、この入射
した回転波W2は、マイクロ波送波器1から出射された
回転波W2と同一方向に回転する回転波であり、マイク
ロ波送波器1と同一の傾斜方向(E1)に配置された偏
波変換器6により、発振ダイオード4からの直線波W1
と同一方向を向く電界分布の直線波W1に偏波され、受
信ダイオード7に至る。受信ダイオード7は、その検波
方向が発振ダイオード4の電圧印加方向と同一に規制さ
れており、これを検波して、所定の受信電力を生じる。
クロ波受波器2の、各マイクロ波Mの進行軸(便宜上、
図中直線で示す。)に対して45°の傾きを設けた一対
の反射鏡から構成されており、マイクロ波送波器1から
出射されたマイクロ波Mは反射体3で2回反射されてマ
イクロ波受波器2に入射する。ここで、回転波は反射体
で反射される際に、その電界分布の回転方向を反転する
性質があり、従って、マイクロ波送波器1から出射され
た時計回りの回転波W2は、反射体3の一方の反射面で
反射されることで、その回転方向が反転されて反時計回
りの回転波W3となり、次いで、他方の反射面で反射さ
れることで、再度反転されて時計回りの回転波W2とな
ってマイクロ波受波器2に入射される。即ち、この入射
した回転波W2は、マイクロ波送波器1から出射された
回転波W2と同一方向に回転する回転波であり、マイク
ロ波送波器1と同一の傾斜方向(E1)に配置された偏
波変換器6により、発振ダイオード4からの直線波W1
と同一方向を向く電界分布の直線波W1に偏波され、受
信ダイオード7に至る。受信ダイオード7は、その検波
方向が発振ダイオード4の電圧印加方向と同一に規制さ
れており、これを検波して、所定の受信電力を生じる。
【0009】上記の状況において、図中破線で示す被検
出物体Aが、マイクロ波送波器1及びマイクロ波受波器
2と、反射体3との間を通過すると、マイクロ波送波器
1から発射された回転波W2は被検出物体Aで反射さ
れ、それと同時に電界分布の回転方向が反転して反時計
回りの回転波W3となってマイクロ波受波器2に入射す
る。ところが、マイクロ波受波器2の偏波変換器6は、
マイクロ波送波器1の偏波変換器6と同一の傾斜方向
(E1)に配置されており、この反時計回りの回転波W
3は、その電界分布の向きが上記時計回りの回転波W2
による直線波W1の電界分布と直交する直線波(図示せ
ず)に偏波される。受信ダイオード7は、上記したよう
に、その検波方向が発振ダイオード4の電圧印加方向と
同一に規制されているため、この反時計回りの回転波W
3による直線波は検波せず、その受信電力が急激に減少
する。そして、この受信電力の低下をもって被検出物体
Aを検出する。
出物体Aが、マイクロ波送波器1及びマイクロ波受波器
2と、反射体3との間を通過すると、マイクロ波送波器
1から発射された回転波W2は被検出物体Aで反射さ
れ、それと同時に電界分布の回転方向が反転して反時計
回りの回転波W3となってマイクロ波受波器2に入射す
る。ところが、マイクロ波受波器2の偏波変換器6は、
マイクロ波送波器1の偏波変換器6と同一の傾斜方向
(E1)に配置されており、この反時計回りの回転波W
3は、その電界分布の向きが上記時計回りの回転波W2
による直線波W1の電界分布と直交する直線波(図示せ
ず)に偏波される。受信ダイオード7は、上記したよう
に、その検波方向が発振ダイオード4の電圧印加方向と
同一に規制されているため、この反時計回りの回転波W
3による直線波は検波せず、その受信電力が急激に減少
する。そして、この受信電力の低下をもって被検出物体
Aを検出する。
【0010】上記の検出方法によれば、マイクロ波送波
器1から発射された回転波W2は、反射体3による反射
回数(偶数回)と、被検出物体Aによる反射回数(奇数
回)とが異なり、それに伴って電界分布の回転方向も逆
となってマイクロ波受波器2に入射するため、受信ダイ
オード7の受信電力に急峻で、かつ大きな電力差が生じ
ることから、被検出物体Aを従来以上に正確に検出する
ことができる。また、反射体3や被検出物体A以外から
の不要反射波のうち、マイクロ波送波器1から発射され
た回転波と回転方向が異なる回転波は排除されるため、
これらの不要反射波による干渉や検出精度の低下を抑え
ることができる。
器1から発射された回転波W2は、反射体3による反射
回数(偶数回)と、被検出物体Aによる反射回数(奇数
回)とが異なり、それに伴って電界分布の回転方向も逆
となってマイクロ波受波器2に入射するため、受信ダイ
オード7の受信電力に急峻で、かつ大きな電力差が生じ
ることから、被検出物体Aを従来以上に正確に検出する
ことができる。また、反射体3や被検出物体A以外から
の不要反射波のうち、マイクロ波送波器1から発射され
た回転波と回転方向が異なる回転波は排除されるため、
これらの不要反射波による干渉や検出精度の低下を抑え
ることができる。
【0011】ところが、マイクロ波送波器1のダイオー
ド4から発信される直線波W1の電界分布は、正確には
ダイオード1の電圧印加方向とは一致せず、通常、前記
電圧印加方向を中心軸としてある角度で揺動している。
そして、この揺動した直線波W1は、偏波変換器6を通
過しても電界分布の回転方向が一様に偏波されず、回転
様式の異なる回転波W3として発射される。そして、反
射体3や被検出物体Aで反射されてマイクロ波受波器2
に入射しても、その回転様式は依然一様ではなく、ある
いは反射を重ねるうちに更に回転様式の乱れが大きくな
った状態でマイクロ波受波器2の偏波変換器6に到達す
る。また、マイクロ波送波器1の発振ダイオード4から
上記したような揺動の全く無い直線波W1が発信された
としても、被検出物体Aの表面状態(凹凸等)によって
も回転様式に乱れを生じることもある。このような、回
転様式の一様でない回転波W2がマイクロ波受波器2の
偏波変換器6を通過すると、受信ダイオード7の検波方
向と一致する電界分布の直線波の他に、前記検波方向と
ある角度で交差するような電界分布の直線波も若干生成
し、全体として受信ダイオード7の検波方向とある角度
で交差する直線波(以下「傾斜直線波」と呼ぶ)に偏波
される。
ド4から発信される直線波W1の電界分布は、正確には
ダイオード1の電圧印加方向とは一致せず、通常、前記
電圧印加方向を中心軸としてある角度で揺動している。
そして、この揺動した直線波W1は、偏波変換器6を通
過しても電界分布の回転方向が一様に偏波されず、回転
様式の異なる回転波W3として発射される。そして、反
射体3や被検出物体Aで反射されてマイクロ波受波器2
に入射しても、その回転様式は依然一様ではなく、ある
いは反射を重ねるうちに更に回転様式の乱れが大きくな
った状態でマイクロ波受波器2の偏波変換器6に到達す
る。また、マイクロ波送波器1の発振ダイオード4から
上記したような揺動の全く無い直線波W1が発信された
としても、被検出物体Aの表面状態(凹凸等)によって
も回転様式に乱れを生じることもある。このような、回
転様式の一様でない回転波W2がマイクロ波受波器2の
偏波変換器6を通過すると、受信ダイオード7の検波方
向と一致する電界分布の直線波の他に、前記検波方向と
ある角度で交差するような電界分布の直線波も若干生成
し、全体として受信ダイオード7の検波方向とある角度
で交差する直線波(以下「傾斜直線波」と呼ぶ)に偏波
される。
【0012】上記の検出方法では、受信ダイオード7の
検波方向と一致する電界分布の直線波のみを検波する構
成となっているため、傾斜直線波が受信ダイオード7に
到達すると、以下のような不具合が生じることがある。
図8(a)は、図7において、被検出物体Aが無く、反
射体3により2回反射されて、マイクロ波送波器1から
発射された回転波W2の回転方向と同一方向に回転する
回転波W2がマイクロ波受波器2の偏波変換器6により
直線波W1に偏波される状態を模式的に示した図であ
る。受信ダイオード7の検波方向をY軸とすると、この
回転波W2は、理想的には、Y軸と一致する電界分布の
直線波W1に偏波される。しかしながら、上記したよう
に回転様式の一様でない回転波W2が偏波変換器6に到
達すると、Y軸と交差する傾斜直線波に偏波される。他
方、図8(b)は、図7において、被検出物体Aにより
1回反射されて、反時計回りの回転波W3がマイクロ波
受波器2の偏波変換器6により直線波W1に偏波される
状態を模式的に示した図である。反時計回りの回転波W
3は、理想的には、X軸と一致する電界分布の直線波W
1に偏波される。しかしながら、同様の理由により、回
転波W3の回転様式の一様でない場合には、X軸と交差
する傾斜直線波に偏波される。
検波方向と一致する電界分布の直線波のみを検波する構
成となっているため、傾斜直線波が受信ダイオード7に
到達すると、以下のような不具合が生じることがある。
図8(a)は、図7において、被検出物体Aが無く、反
射体3により2回反射されて、マイクロ波送波器1から
発射された回転波W2の回転方向と同一方向に回転する
回転波W2がマイクロ波受波器2の偏波変換器6により
直線波W1に偏波される状態を模式的に示した図であ
る。受信ダイオード7の検波方向をY軸とすると、この
回転波W2は、理想的には、Y軸と一致する電界分布の
直線波W1に偏波される。しかしながら、上記したよう
に回転様式の一様でない回転波W2が偏波変換器6に到
達すると、Y軸と交差する傾斜直線波に偏波される。他
方、図8(b)は、図7において、被検出物体Aにより
1回反射されて、反時計回りの回転波W3がマイクロ波
受波器2の偏波変換器6により直線波W1に偏波される
状態を模式的に示した図である。反時計回りの回転波W
3は、理想的には、X軸と一致する電界分布の直線波W
1に偏波される。しかしながら、同様の理由により、回
転波W3の回転様式の一様でない場合には、X軸と交差
する傾斜直線波に偏波される。
【0013】上記したY軸と交差する傾斜直線波及びX
軸と交差する傾斜直線波ともに、その電界分布は、図示
されるように、Y軸に沿ったベクトル成分(以下「Y軸
成分」と呼ぶ)と、X軸に沿ったベクトル成分(以下
「X軸成分」と呼ぶ)とに分解できる。ここで、マイク
ロ波送波器1及びマイクロ波受波器2と、反射体3との
距離が十分にあり、被検出物体Aもマイクロ波送波器1
及びマイクロ波受波器2から離れて通過する際は、それ
ぞれ傾斜直線波が受信されても、図8(a)においては
Y軸成分がX軸成分に比べて充分に大きく、図8(b)
においてはX軸成分がY軸成分に比べて充分に大きくな
り、誤検出を引き起こすことはない。
軸と交差する傾斜直線波ともに、その電界分布は、図示
されるように、Y軸に沿ったベクトル成分(以下「Y軸
成分」と呼ぶ)と、X軸に沿ったベクトル成分(以下
「X軸成分」と呼ぶ)とに分解できる。ここで、マイク
ロ波送波器1及びマイクロ波受波器2と、反射体3との
距離が十分にあり、被検出物体Aもマイクロ波送波器1
及びマイクロ波受波器2から離れて通過する際は、それ
ぞれ傾斜直線波が受信されても、図8(a)においては
Y軸成分がX軸成分に比べて充分に大きく、図8(b)
においてはX軸成分がY軸成分に比べて充分に大きくな
り、誤検出を引き起こすことはない。
【0014】ところが、被検出物体Aがマイクロ波送波
器1及びマイクロ波受波器2の近くを通過すると、その
反射波である反時計回りの回転波W3の反射量も大きく
なり、それに伴ってマイクロ波受波器2への入射量も増
え、図8(b)において直線波W1のY軸成分も大きく
なる。回転波W3の反射量は、被検出物体Aとマイクロ
波送波器1及びマイクロ波受波器2との距離が近い程大
きくなり、ある距離以下に接近すると、被検出物体Aか
らの反時計回りの回転波W3のY軸成分(y2)が、反
射体3からの時計回りの回転波W2のY軸成分(y1)
を越えてしまい、受信ダイオード7には反射体3からの
マイクロ波を受信した場合と同等以上の受信電力が生じ
る。その結果、被検出物体Aが存在しているにも係わら
ず、それを検出できないことになる。
器1及びマイクロ波受波器2の近くを通過すると、その
反射波である反時計回りの回転波W3の反射量も大きく
なり、それに伴ってマイクロ波受波器2への入射量も増
え、図8(b)において直線波W1のY軸成分も大きく
なる。回転波W3の反射量は、被検出物体Aとマイクロ
波送波器1及びマイクロ波受波器2との距離が近い程大
きくなり、ある距離以下に接近すると、被検出物体Aか
らの反時計回りの回転波W3のY軸成分(y2)が、反
射体3からの時計回りの回転波W2のY軸成分(y1)
を越えてしまい、受信ダイオード7には反射体3からの
マイクロ波を受信した場合と同等以上の受信電力が生じ
る。その結果、被検出物体Aが存在しているにも係わら
ず、それを検出できないことになる。
【0015】このような不具合は、マイクロ波送波器1
及びマイクロ波受波器2と、被検出物体Aとを、十分
に、少なくとも上記した距離よりも離間させることによ
り解決できるものの、マイクロ波Mはある広がりをもっ
てマイクロ波送波器1から発射されるため、被検出物体
Aの先端の位置を検出する場合には、離間距離が遠くな
るとその検出精度が低下することになる。また、この検
出方法を適用する場所が、マイクロ波送波器1及びマイ
クロ波受波器2と、反射体3及び被検出物体Aの搬送経
路との距離を十分にとれないような空間的な制限を受け
ることもある。
及びマイクロ波受波器2と、被検出物体Aとを、十分
に、少なくとも上記した距離よりも離間させることによ
り解決できるものの、マイクロ波Mはある広がりをもっ
てマイクロ波送波器1から発射されるため、被検出物体
Aの先端の位置を検出する場合には、離間距離が遠くな
るとその検出精度が低下することになる。また、この検
出方法を適用する場所が、マイクロ波送波器1及びマイ
クロ波受波器2と、反射体3及び被検出物体Aの搬送経
路との距離を十分にとれないような空間的な制限を受け
ることもある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
マイクロ波による物体検出方法では、マイクロ波の干渉
や、マイクロ波送・受波器と被検出物体との離間距離等
により、検出精度が低下したり、場合によっては誤検出
を起こすことがあった。本発明は、このような問題を解
決するものであって、被検出物体を検出するにあたり、
マイクロ波の干渉による影響がなく、またその空間的な
制約を受けることなく、より正確に行うようにしたマイ
クロ波による物体検出方法を提供することを目的とす
る。
マイクロ波による物体検出方法では、マイクロ波の干渉
や、マイクロ波送・受波器と被検出物体との離間距離等
により、検出精度が低下したり、場合によっては誤検出
を起こすことがあった。本発明は、このような問題を解
決するものであって、被検出物体を検出するにあたり、
マイクロ波の干渉による影響がなく、またその空間的な
制約を受けることなく、より正確に行うようにしたマイ
クロ波による物体検出方法を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、被検出物体の移動経路を挟んで一方の
側にマイクロ波送波器とマイクロ波受波器とを配置し、
他方の側にマイクロ波反射体を配置し、かつ前記マイク
ロ波送波器から発せられて前記マイクロ波反射体で反射
されたマイクロ波を前記マイクロ波受波器で受信すると
ともに、被検出物体が前記マイクロ波を遮断することに
より該被検出物体を検出する方法において、前記マイク
ロ波送波器は、電界分布が発振素子の電圧印加方向と一
致する直線波を、該電界分布がマイクロ波の進行方向軸
線を含む水平または垂直平面に対して90°未満の角度
をもって傾斜した状態で前記マイクロ波反射体に向けて
発射するとともに、前記マイクロ波受波器は、前記マイ
クロ波反射体により偶数回反射され、かつ前記発振素子
の電界印加方向と一致する電界分布を有するマイクロ波
を検波することを特徴とするマイクロ波による物体検出
方法(以下、第1発明と呼ぶ)を提供する。
めに、本発明は、被検出物体の移動経路を挟んで一方の
側にマイクロ波送波器とマイクロ波受波器とを配置し、
他方の側にマイクロ波反射体を配置し、かつ前記マイク
ロ波送波器から発せられて前記マイクロ波反射体で反射
されたマイクロ波を前記マイクロ波受波器で受信すると
ともに、被検出物体が前記マイクロ波を遮断することに
より該被検出物体を検出する方法において、前記マイク
ロ波送波器は、電界分布が発振素子の電圧印加方向と一
致する直線波を、該電界分布がマイクロ波の進行方向軸
線を含む水平または垂直平面に対して90°未満の角度
をもって傾斜した状態で前記マイクロ波反射体に向けて
発射するとともに、前記マイクロ波受波器は、前記マイ
クロ波反射体により偶数回反射され、かつ前記発振素子
の電界印加方向と一致する電界分布を有するマイクロ波
を検波することを特徴とするマイクロ波による物体検出
方法(以下、第1発明と呼ぶ)を提供する。
【0018】同様の目的を達成するために、本発明は、
被検出物体の移動経路を挟んで一方の側にマイクロ波送
波器とマイクロ波受波器とを配置し、他方の側にマイク
ロ波反射体を配置し、かつ前記マイクロ波送波器から発
せられて前記マイクロ波反射体で反射されたマイクロ波
を前記マイクロ波受波器で受信するとともに、被検出物
体が前記マイクロ波を遮断することにより該被検出物体
を検出する方法において、前記マイクロ波送波器は、電
界分布が発振素子の電圧印加方向と一致する直線波を、
該電界分布がマイクロ波の進行方向軸線を含む水平また
は垂直平面に対して90°未満の角度をもって傾斜した
状態で前記マイクロ波反射体に向けて発射するととも
に、前記マイクロ波受波器は、入射したマイクロ波の電
界分布の前記発振素子の電圧印加方向と一致する第1の
成分と、該第1の成分と直交する第2の成分とをそれぞ
れ検波して比較し、第2の成分が大きい場合に入射した
マイクロ波が前記被検出物体からの反射波であると判定
することを特徴とするマイクロ波による物体検出方法
(以下、第2発明と呼ぶ)を提供する。
被検出物体の移動経路を挟んで一方の側にマイクロ波送
波器とマイクロ波受波器とを配置し、他方の側にマイク
ロ波反射体を配置し、かつ前記マイクロ波送波器から発
せられて前記マイクロ波反射体で反射されたマイクロ波
を前記マイクロ波受波器で受信するとともに、被検出物
体が前記マイクロ波を遮断することにより該被検出物体
を検出する方法において、前記マイクロ波送波器は、電
界分布が発振素子の電圧印加方向と一致する直線波を、
該電界分布がマイクロ波の進行方向軸線を含む水平また
は垂直平面に対して90°未満の角度をもって傾斜した
状態で前記マイクロ波反射体に向けて発射するととも
に、前記マイクロ波受波器は、入射したマイクロ波の電
界分布の前記発振素子の電圧印加方向と一致する第1の
成分と、該第1の成分と直交する第2の成分とをそれぞ
れ検波して比較し、第2の成分が大きい場合に入射した
マイクロ波が前記被検出物体からの反射波であると判定
することを特徴とするマイクロ波による物体検出方法
(以下、第2発明と呼ぶ)を提供する。
【0019】また、同様の目的を達成するために、本発
明は、被検出物体の移動経路を挟んで一方の側にマイク
ロ波送波器とマイクロ波受波器とを配置し、他方の側に
マイクロ波反射体を配置し、かつ前記マイクロ波送波器
から発せられて前記マイクロ波反射体で反射されたマイ
クロ波を前記マイクロ波受波器が受信するとともに、被
検出物体が前記マイクロ波を遮断することにより該被検
出物体を検知する方法において、前記マイクロ送波器
は、電界分布が発振素子の電圧印加方向と一致する直線
波を、該電界分布が時計回りまたは反時計回りの何れか
一方向に回転する回転波に偏波して前記マイクロ波反射
体に向けて発射するとともに、前記マイクロ波受波器
は、前記マイクロ波反射手段により偶数回反射されて入
射した回転波を直線波に偏波するとともに、該直線波の
電界分布の前記発振素子の電圧印加方向と一致する第1
の成分と、該第1の成分と直交する第2の成分とをそれ
ぞれ検波して比較し、第2の成分が大きい場合に入射し
た回転波が前記被検出物体からの反射波であると判定す
ることを特徴とするマイクロ波による物体検出方法(以
下、第3発明と呼ぶ)を提供する。
明は、被検出物体の移動経路を挟んで一方の側にマイク
ロ波送波器とマイクロ波受波器とを配置し、他方の側に
マイクロ波反射体を配置し、かつ前記マイクロ波送波器
から発せられて前記マイクロ波反射体で反射されたマイ
クロ波を前記マイクロ波受波器が受信するとともに、被
検出物体が前記マイクロ波を遮断することにより該被検
出物体を検知する方法において、前記マイクロ送波器
は、電界分布が発振素子の電圧印加方向と一致する直線
波を、該電界分布が時計回りまたは反時計回りの何れか
一方向に回転する回転波に偏波して前記マイクロ波反射
体に向けて発射するとともに、前記マイクロ波受波器
は、前記マイクロ波反射手段により偶数回反射されて入
射した回転波を直線波に偏波するとともに、該直線波の
電界分布の前記発振素子の電圧印加方向と一致する第1
の成分と、該第1の成分と直交する第2の成分とをそれ
ぞれ検波して比較し、第2の成分が大きい場合に入射し
た回転波が前記被検出物体からの反射波であると判定す
ることを特徴とするマイクロ波による物体検出方法(以
下、第3発明と呼ぶ)を提供する。
【0020】本発明に係るマイクロ波による物体検出方
法は、送信されたマイクロ波が反射手段によりその電界
分布を変えることを利用する。即ち、送信されたマイク
ロ波が一方向を向く電界分布を有する直線波の場合は、
反射毎に電界分布の向きが90°回転させられ、また送
信されたマイクロ波が一方向に回転する電界分布を有す
る回転波の場合は、反射毎に回転方向が反転することを
利用する。そして、マイクロ波送波器から発射されたマ
イクロ波を反射手段により偶数回の反射させることによ
り、被検出物体が存在しない場合は、マイクロ波送波器
から発射されるマイクロ波と同一の電界分布を有するマ
イクロ波がマイクロ波受波器に入射し、一方被検出物体
が存在する場合は、反射が1回少なく、マイクロ波送波
器から発射されたマイクロ波とは異なる電界分布を有す
るマイクロ波がマイクロ波受波器に入射することにな
り、不要反射波の影響を排除して正確な物体検出を行う
ことができるようになる。更に、上記第2発明及び第3
発明においては、マイクロ波受波器において、入射した
マイクロ波の電界分布を発振素子の電圧印加方向と一致
する第1の成分と、前記第1の成分と直交する第2の成
分とに分解してそれらの強度を比較することにより、マ
イクロ波送・受波器と被検出物体との距離に関わらず、
正確な物体検出が可能となる。
法は、送信されたマイクロ波が反射手段によりその電界
分布を変えることを利用する。即ち、送信されたマイク
ロ波が一方向を向く電界分布を有する直線波の場合は、
反射毎に電界分布の向きが90°回転させられ、また送
信されたマイクロ波が一方向に回転する電界分布を有す
る回転波の場合は、反射毎に回転方向が反転することを
利用する。そして、マイクロ波送波器から発射されたマ
イクロ波を反射手段により偶数回の反射させることによ
り、被検出物体が存在しない場合は、マイクロ波送波器
から発射されるマイクロ波と同一の電界分布を有するマ
イクロ波がマイクロ波受波器に入射し、一方被検出物体
が存在する場合は、反射が1回少なく、マイクロ波送波
器から発射されたマイクロ波とは異なる電界分布を有す
るマイクロ波がマイクロ波受波器に入射することにな
り、不要反射波の影響を排除して正確な物体検出を行う
ことができるようになる。更に、上記第2発明及び第3
発明においては、マイクロ波受波器において、入射した
マイクロ波の電界分布を発振素子の電圧印加方向と一致
する第1の成分と、前記第1の成分と直交する第2の成
分とに分解してそれらの強度を比較することにより、マ
イクロ波送・受波器と被検出物体との距離に関わらず、
正確な物体検出が可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。 (第1実施形態:第1発明)図1(a)、(b)は本発
明の第一実施形態における検出原理を説明するための模
式図である。図示されるように、マイクロ波送波器lお
よびマイクロ波受波器2は、被検出物Aの通過経路の一
方の側に平行配置され、他方の側に反射体3が対向配置
される。被検出物体Aは、マイクロ波送波器1及びマイ
クロ波受波器2と、反射体3との間を図中矢印方向に移
動する。マイクロ波送波器1は、電界分布が発振ダイオ
ード4の電圧印加方向に一致する直線波W1aを発射す
るが、この時、図1(a)の下図(上図のXX矢視図)
に示すように、電界分布がマイクロ波Mの進行方向軸線
を含む平面Pに対して90°未満の角度をもって交差し
た状態で反射体3に向けて発射される。この交差角度
は、平面Pと完全に平行(0°)もしくは直交(90
°)する以外は何れの角度も可能であるが、45°が最
も好ましい。このように平面Pと交差して発射される直
線波W1aは、反射体3で反射される際に、その電界分
布の向きをマイクロ波進行方向軸線に関して、前記交差
角度が45°の場合、90°回転する性質がある。従っ
て、図1(a)の状態では、マイクロ波送波器1から発
射された直線波W1aは、反射体3の一方の反射面で反
射されることで、その電界分布の向きが90°回転した
直線波W2aとなり、次いで、他方の反射面で反射され
ることで、再度90°回転されて発振当初の直線波W1
aの電界分布と一致する電界分布の直線波W1aとなっ
てマイクロ波受波器2に入射される。
態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。 (第1実施形態:第1発明)図1(a)、(b)は本発
明の第一実施形態における検出原理を説明するための模
式図である。図示されるように、マイクロ波送波器lお
よびマイクロ波受波器2は、被検出物Aの通過経路の一
方の側に平行配置され、他方の側に反射体3が対向配置
される。被検出物体Aは、マイクロ波送波器1及びマイ
クロ波受波器2と、反射体3との間を図中矢印方向に移
動する。マイクロ波送波器1は、電界分布が発振ダイオ
ード4の電圧印加方向に一致する直線波W1aを発射す
るが、この時、図1(a)の下図(上図のXX矢視図)
に示すように、電界分布がマイクロ波Mの進行方向軸線
を含む平面Pに対して90°未満の角度をもって交差し
た状態で反射体3に向けて発射される。この交差角度
は、平面Pと完全に平行(0°)もしくは直交(90
°)する以外は何れの角度も可能であるが、45°が最
も好ましい。このように平面Pと交差して発射される直
線波W1aは、反射体3で反射される際に、その電界分
布の向きをマイクロ波進行方向軸線に関して、前記交差
角度が45°の場合、90°回転する性質がある。従っ
て、図1(a)の状態では、マイクロ波送波器1から発
射された直線波W1aは、反射体3の一方の反射面で反
射されることで、その電界分布の向きが90°回転した
直線波W2aとなり、次いで、他方の反射面で反射され
ることで、再度90°回転されて発振当初の直線波W1
aの電界分布と一致する電界分布の直線波W1aとなっ
てマイクロ波受波器2に入射される。
【0022】一方、マイクロ波受波器2は、受信ダイオ
ードDの検波方向をマイクロ波送波器1の発振ダイオー
ド4の電圧印加方向と一致させており、入射波の中でマ
イクロ波送波器1から発射される直進波W1aと平行な
電界分布を有するものだけを検波するように構成されて
いる。
ードDの検波方向をマイクロ波送波器1の発振ダイオー
ド4の電圧印加方向と一致させており、入射波の中でマ
イクロ波送波器1から発射される直進波W1aと平行な
電界分布を有するものだけを検波するように構成されて
いる。
【0023】反射体3は、マイクロ波送波器1及びマイ
クロ波受波器2のマイクロ波Mの進行方向軸線に対して
45°の傾きを持って配置される一対のミラーからな
り、従ってマイクロ波送波器1から発射されたマイクロ
波Mは、反射体3により、2回反射されてマイクロ波受
波器2に入射する。また、この反射体3は、マイクロ波
Mを2回反射させてマイクロ波受波器2に入射されるよ
うに、角度調整可能に配置される。
クロ波受波器2のマイクロ波Mの進行方向軸線に対して
45°の傾きを持って配置される一対のミラーからな
り、従ってマイクロ波送波器1から発射されたマイクロ
波Mは、反射体3により、2回反射されてマイクロ波受
波器2に入射する。また、この反射体3は、マイクロ波
Mを2回反射させてマイクロ波受波器2に入射されるよ
うに、角度調整可能に配置される。
【0024】このような構成において、被検出物体Aは
図中矢印方向に移動するが、図1(a)に示す被検出物
体Aの非通過時には、マイクロ波送波器1から発射され
た直線波W1aは直進して反射体3の一方の面で反射さ
れ、更に他方の反射面で反射された後、マイクロ波受波
器2に入射する。即ち、マイクロ波送波器1から発射さ
れた直線波W1aは、反射体3により2回反射されてマ
イクロ波受波器2で受信される。その際、マイクロ波送
波器1から発射された直線波W1aは、一回目の反射で
その電界分布の向きを90°回転され(W2a)、2回
目の反射で更に90°回転されて、結局、マイクロ波送
波器1から発射された直線波W1aと同一方向を向く電
界分布の直線波となってマイクロ波受波器2に入射す
る。それに伴い、マイクロ波受波器2では、その検波方
向がマイクロ波送波器1から発射された直線波W1aと
一致するように構成されているため、入射した直線波を
検波して被検出物体Aが非通過状態であることを検知す
る。
図中矢印方向に移動するが、図1(a)に示す被検出物
体Aの非通過時には、マイクロ波送波器1から発射され
た直線波W1aは直進して反射体3の一方の面で反射さ
れ、更に他方の反射面で反射された後、マイクロ波受波
器2に入射する。即ち、マイクロ波送波器1から発射さ
れた直線波W1aは、反射体3により2回反射されてマ
イクロ波受波器2で受信される。その際、マイクロ波送
波器1から発射された直線波W1aは、一回目の反射で
その電界分布の向きを90°回転され(W2a)、2回
目の反射で更に90°回転されて、結局、マイクロ波送
波器1から発射された直線波W1aと同一方向を向く電
界分布の直線波となってマイクロ波受波器2に入射す
る。それに伴い、マイクロ波受波器2では、その検波方
向がマイクロ波送波器1から発射された直線波W1aと
一致するように構成されているため、入射した直線波を
検波して被検出物体Aが非通過状態であることを検知す
る。
【0025】この状態から、図1(b)に示すように被
検出物体Aが通過すると、マイクロ波送波器1から発射
された直線波W1aは、被検出物体Aにより反射されて
マイクロ波受波器2に入射する。この時、直線波W1a
の反射は1回であるから、マイクロ波受波器2には電界
分布の向きがマイクロ波送波器1から発射された直線波
W1aとは90°回転した直線波W3aが入射する。従
って、マイクロ波受波器2では検波することがなく、被
検出物体Aが通過状態であることを検知する。
検出物体Aが通過すると、マイクロ波送波器1から発射
された直線波W1aは、被検出物体Aにより反射されて
マイクロ波受波器2に入射する。この時、直線波W1a
の反射は1回であるから、マイクロ波受波器2には電界
分布の向きがマイクロ波送波器1から発射された直線波
W1aとは90°回転した直線波W3aが入射する。従
って、マイクロ波受波器2では検波することがなく、被
検出物体Aが通過状態であることを検知する。
【0026】上記の物体検出において、マイクロ波送波
器1から発射された直線波W1aが被検出物体A以外で
反射されても、その電界分布が90°回転されてマイク
ロ波受波器2に入射するために、マイクロ波受波器2は
それら不要反射波を検波することが無い。また、マイク
ロ波Mは、通常、ある広がりをもってマイクロ波送波器
1から発射されるため、図1(a)に破線で示すよう
に、一部のマイクロ波M’が本来の検出位置(便宜上、
直線Mで示す)より以前に被検出物体Aの先端面で反射
されることがある。従来の検出方法では、この反射によ
るマイクロ波がマイクロ波受波器2に入射して正確な位
置検出の妨げとなっていたが、本実施形態による検出方
法では、この反射によっても電界分布が90°回転され
るため(W1a’)、この反射波が直線マイクロ波受波
器2に入射しても(これは、即ち図1(b)に相当す
る)、あるいはその後に反射体3により2回反射されて
からマイクロ波受波器2に入射しても、何れもその電界
分布がマイクロ波受波器2の検波方向と一致しないため
に検波されることはない。このように、本実施形態によ
れば、被検出物体Aの有無、並びに位置の正確な検知が
可能となる。
器1から発射された直線波W1aが被検出物体A以外で
反射されても、その電界分布が90°回転されてマイク
ロ波受波器2に入射するために、マイクロ波受波器2は
それら不要反射波を検波することが無い。また、マイク
ロ波Mは、通常、ある広がりをもってマイクロ波送波器
1から発射されるため、図1(a)に破線で示すよう
に、一部のマイクロ波M’が本来の検出位置(便宜上、
直線Mで示す)より以前に被検出物体Aの先端面で反射
されることがある。従来の検出方法では、この反射によ
るマイクロ波がマイクロ波受波器2に入射して正確な位
置検出の妨げとなっていたが、本実施形態による検出方
法では、この反射によっても電界分布が90°回転され
るため(W1a’)、この反射波が直線マイクロ波受波
器2に入射しても(これは、即ち図1(b)に相当す
る)、あるいはその後に反射体3により2回反射されて
からマイクロ波受波器2に入射しても、何れもその電界
分布がマイクロ波受波器2の検波方向と一致しないため
に検波されることはない。このように、本実施形態によ
れば、被検出物体Aの有無、並びに位置の正確な検知が
可能となる。
【0027】(第2実施形態;第2発明)本実施形態
は、図2に示すように、上記第1実施形態において、マ
イクロ波受波器2を、検波方向がマイクロ波送波器1の
発振ダイオード4の電圧印加方向と一致するように規定
されている第一の受信ダイオードD1と、検波方向が第
一の受信ダイオードD1に対して直交するように配置さ
れる第二の受信ダイオードD2とを備え、両ダイオード
D1,D2により入射した直線波W1aまたはW3aを
検波し、それぞれの受信電力を比較する構成としたこと
を特徴とする。以下に、その検出原理を説明する。
は、図2に示すように、上記第1実施形態において、マ
イクロ波受波器2を、検波方向がマイクロ波送波器1の
発振ダイオード4の電圧印加方向と一致するように規定
されている第一の受信ダイオードD1と、検波方向が第
一の受信ダイオードD1に対して直交するように配置さ
れる第二の受信ダイオードD2とを備え、両ダイオード
D1,D2により入射した直線波W1aまたはW3aを
検波し、それぞれの受信電力を比較する構成としたこと
を特徴とする。以下に、その検出原理を説明する。
【0028】図2(a)に示すように、被検出物体Aが
非通過状態にある場合は、第1実施形態と同様に、マイ
クロ波送波器1から発射された直線波W1aは反射体3
により2回反射されて、その電界分布の向きを維持して
マイクロ波受波器2に入射する。ここで、マイクロ波送
波器1から発射される直線波W1aは、通常、その電界
分布の向きがほぼ発振ダイオード4の電圧印加方向を中
心軸として左右に揺動しており、従って、マイクロ波受
波器2に入射する直線波もそれと同様、もしくはそれ以
上に揺動した電界分布を有する。この入射した直線波は
既述した傾斜直線波に相当し、図8に示す如く分解さ
れ、そのY軸成分が第一の受信ダイオードD1で検波さ
れ、X軸成分が第二の受信ダイオードD2で検波され
る。そして、それぞれの受信電力P1とP2とが比較さ
れるが、この場合はY軸成分がX軸成分に比べて大きく
なることから、P1が大きく、P2が小さくなり、この
比較から被検出物体Aが非通過状態であることを検知す
る。
非通過状態にある場合は、第1実施形態と同様に、マイ
クロ波送波器1から発射された直線波W1aは反射体3
により2回反射されて、その電界分布の向きを維持して
マイクロ波受波器2に入射する。ここで、マイクロ波送
波器1から発射される直線波W1aは、通常、その電界
分布の向きがほぼ発振ダイオード4の電圧印加方向を中
心軸として左右に揺動しており、従って、マイクロ波受
波器2に入射する直線波もそれと同様、もしくはそれ以
上に揺動した電界分布を有する。この入射した直線波は
既述した傾斜直線波に相当し、図8に示す如く分解さ
れ、そのY軸成分が第一の受信ダイオードD1で検波さ
れ、X軸成分が第二の受信ダイオードD2で検波され
る。そして、それぞれの受信電力P1とP2とが比較さ
れるが、この場合はY軸成分がX軸成分に比べて大きく
なることから、P1が大きく、P2が小さくなり、この
比較から被検出物体Aが非通過状態であることを検知す
る。
【0029】一方、図2(b)に示すように、被検出物
体Aが通過状態にある場合は、被検出物体Aにより、そ
の電界分布の向きが90°回転された直線波W3aがマ
イクロ波受波器2に入射するが、この直線波W3aも同
様に揺動している。この直線波W3aはX軸成分が大き
い傾斜直線波に相当し、従ってマイクロ波受波器2で
は、第二の受信ダイオードD2の受信電力P2が第一の
受信ダイオードD1の受信電力P1よりも大きくなり、
この比較から被検出物体Aが通過状態であることを検知
する。ここで、被検出物体Aがマイクロ波送波器1及び
マイクロ波受波器2の極く近傍を通過したとしても、第
一の受信ダイオードD1の受信電力P1及び第二の受信
ダイオードD2の受信電力P2ともに、同等に大きくな
るだけであり、両ダイオードD1,D2の受信電力の大
小関係は不変であるから、誤検出を起こすことがなくな
る。このように、本実施形態によれば、被検出物体A以
外からの不要反射波や干渉による誤検出の防止に加え
て、被検出物体Aとマイクロ波送・受波器とが近接する
ことに起因する誤検出も防止することができる。
体Aが通過状態にある場合は、被検出物体Aにより、そ
の電界分布の向きが90°回転された直線波W3aがマ
イクロ波受波器2に入射するが、この直線波W3aも同
様に揺動している。この直線波W3aはX軸成分が大き
い傾斜直線波に相当し、従ってマイクロ波受波器2で
は、第二の受信ダイオードD2の受信電力P2が第一の
受信ダイオードD1の受信電力P1よりも大きくなり、
この比較から被検出物体Aが通過状態であることを検知
する。ここで、被検出物体Aがマイクロ波送波器1及び
マイクロ波受波器2の極く近傍を通過したとしても、第
一の受信ダイオードD1の受信電力P1及び第二の受信
ダイオードD2の受信電力P2ともに、同等に大きくな
るだけであり、両ダイオードD1,D2の受信電力の大
小関係は不変であるから、誤検出を起こすことがなくな
る。このように、本実施形態によれば、被検出物体A以
外からの不要反射波や干渉による誤検出の防止に加え
て、被検出物体Aとマイクロ波送・受波器とが近接する
ことに起因する誤検出も防止することができる。
【0030】(第3実施形態:第3発明)本実施形態
は、上記第2実施形態において、マイクロ波送波器1か
ら発射されるマイクロ波を回転波に代えたことを特徴と
する。そのために、図3(a)に示すように、マイクロ
波送波器1は発振ダイオード4から発振される直線波W
1を回転波W2に偏波するための偏波変換器23を備え
る。偏波変換器23は公知の装置を使用でき、例えば、
誘電材料からなる90°位相差板を導波管内に装着して
構成される。この90°位相差板は、円偏波をより効果
的に行うために、その板厚や導波管の軸線方向の長さが
調整される。また、同様の目的で、導波管の軸線に向か
って狭窄した平面形状や、導波管の軸線に沿って一部凹
部が欠設した平面形状に形成される。また、90°位相
差板の代わりに導波管の内壁に所定長の金属製の羽根部
材を付設したり、あるいは導波管の内壁に金属塊を付設
してその断面形状を円周の一部分が欠落した円形とする
ことによっても偏波変換器23を構成できる。更に、タ
ーンスタイル分岐回路を導波管に接続して偏波変換器2
3とすることもできる。そして、この偏波変換器23
は、発振ダイオード4の電圧印加方向に対して所定角度
(E1:例えば45°)をもって交差するように導波管
内に装着される。
は、上記第2実施形態において、マイクロ波送波器1か
ら発射されるマイクロ波を回転波に代えたことを特徴と
する。そのために、図3(a)に示すように、マイクロ
波送波器1は発振ダイオード4から発振される直線波W
1を回転波W2に偏波するための偏波変換器23を備え
る。偏波変換器23は公知の装置を使用でき、例えば、
誘電材料からなる90°位相差板を導波管内に装着して
構成される。この90°位相差板は、円偏波をより効果
的に行うために、その板厚や導波管の軸線方向の長さが
調整される。また、同様の目的で、導波管の軸線に向か
って狭窄した平面形状や、導波管の軸線に沿って一部凹
部が欠設した平面形状に形成される。また、90°位相
差板の代わりに導波管の内壁に所定長の金属製の羽根部
材を付設したり、あるいは導波管の内壁に金属塊を付設
してその断面形状を円周の一部分が欠落した円形とする
ことによっても偏波変換器23を構成できる。更に、タ
ーンスタイル分岐回路を導波管に接続して偏波変換器2
3とすることもできる。そして、この偏波変換器23
は、発振ダイオード4の電圧印加方向に対して所定角度
(E1:例えば45°)をもって交差するように導波管
内に装着される。
【0031】一方、マイクロ波受波器2は、上記第2実
施形態と同様に、その検波方向が発振ダイオード4の電
圧印加方向に一致する第一の受信ダイオードD1と、そ
の検波方向が第一のダイオードD1に対して直交となる
よに配置される第二の受信ダイオードD2とを有すると
ともに、入射する回転波W2を直線波W1に戻すための
偏波変換器32を備える。この偏波変換器32は、マイ
クロ波送波器1に装着される偏波変換器23と同一のも
のを使用でき、また偏波変換器23と同一の傾斜角度
(E1)をもって導波管内に装着される。
施形態と同様に、その検波方向が発振ダイオード4の電
圧印加方向に一致する第一の受信ダイオードD1と、そ
の検波方向が第一のダイオードD1に対して直交となる
よに配置される第二の受信ダイオードD2とを有すると
ともに、入射する回転波W2を直線波W1に戻すための
偏波変換器32を備える。この偏波変換器32は、マイ
クロ波送波器1に装着される偏波変換器23と同一のも
のを使用でき、また偏波変換器23と同一の傾斜角度
(E1)をもって導波管内に装着される。
【0032】上記の構成において、図3(a)に示す被
検出物体Aの非通過時には、発振ダイオード4から発振
された直線波W1は、偏波変換器23により、一方向に
回転する電界分布を有する回転波W2に偏波されてマイ
クロ波送波器1から発射され、この回転波W2は、反射
体3による一回目の反射によりその回転方向が反転され
(W3)、2回目の反射により再び反転されて、結局、
マイクロ波送波器1から発射された回転波W1と同一方
向に回転する回転波W1としてマイクロ波受波器2に入
射する。そして、入射した回転波W2は、マイクロ波受
波器2内で偏波変換器32を通過する際に直線波W1に
偏波され、第一及び第二の受信ダイオードD1、D2に
到達する。この時、発振ダイオード4から電界分布の向
きが揺動している直線波W1が発振され、回転様式が一
様ではない回転波W1がマイクロ波送波器1から発射さ
れると、マイクロ波受波器2に入射する回転波W2は傾
斜直線波に偏波される。この傾斜直線波は、第2実施形
態と同様にY軸成分がX軸成分に比べて大きくなること
から、P1が大きく、P2が小さくなり、この比較から
被検出物体Aが非通過状態であることを検知する。
検出物体Aの非通過時には、発振ダイオード4から発振
された直線波W1は、偏波変換器23により、一方向に
回転する電界分布を有する回転波W2に偏波されてマイ
クロ波送波器1から発射され、この回転波W2は、反射
体3による一回目の反射によりその回転方向が反転され
(W3)、2回目の反射により再び反転されて、結局、
マイクロ波送波器1から発射された回転波W1と同一方
向に回転する回転波W1としてマイクロ波受波器2に入
射する。そして、入射した回転波W2は、マイクロ波受
波器2内で偏波変換器32を通過する際に直線波W1に
偏波され、第一及び第二の受信ダイオードD1、D2に
到達する。この時、発振ダイオード4から電界分布の向
きが揺動している直線波W1が発振され、回転様式が一
様ではない回転波W1がマイクロ波送波器1から発射さ
れると、マイクロ波受波器2に入射する回転波W2は傾
斜直線波に偏波される。この傾斜直線波は、第2実施形
態と同様にY軸成分がX軸成分に比べて大きくなること
から、P1が大きく、P2が小さくなり、この比較から
被検出物体Aが非通過状態であることを検知する。
【0033】この状態から、図3(b)に示すように、
被検出物体Aが通過すると、マイクロ波送波器1から発
射された回転波W1は、被検出物体Aにより一回反射さ
れ、その回転方向が反転された後、マイクロ波受波器2
に入射する。この入射した回転波W3は、偏波変換器3
2で直線波W1に偏波される。この時、上記と同様に、
直線波W1が傾斜直線波に偏波されると、第一の受信ダ
イオードD1の受信電力P1は小となり、第二の受信ダ
イオードD2の受信電力P2は大きくなり、この比較か
ら被検出物体Aが通過状態であることを検知する。ここ
で、被検出物体Aがマイクロ波送波器1及びマイクロ波
受波器2の極く近傍を通過したとしても、第一の受信ダ
イオードD1の受信電力P1と第二の受信ダイオードD
2の受信電力P2との大小関係は不変であり、従って、
第2実施形態と同様に、被検出物体Aとマイクロ波送・
受波器とが近接することに起因する誤検出も防止するこ
とができる。
被検出物体Aが通過すると、マイクロ波送波器1から発
射された回転波W1は、被検出物体Aにより一回反射さ
れ、その回転方向が反転された後、マイクロ波受波器2
に入射する。この入射した回転波W3は、偏波変換器3
2で直線波W1に偏波される。この時、上記と同様に、
直線波W1が傾斜直線波に偏波されると、第一の受信ダ
イオードD1の受信電力P1は小となり、第二の受信ダ
イオードD2の受信電力P2は大きくなり、この比較か
ら被検出物体Aが通過状態であることを検知する。ここ
で、被検出物体Aがマイクロ波送波器1及びマイクロ波
受波器2の極く近傍を通過したとしても、第一の受信ダ
イオードD1の受信電力P1と第二の受信ダイオードD
2の受信電力P2との大小関係は不変であり、従って、
第2実施形態と同様に、被検出物体Aとマイクロ波送・
受波器とが近接することに起因する誤検出も防止するこ
とができる。
【0034】図4に、第2及び第3実施形態におけるマ
イクロ波送波器1及びマイクロ波受波器2の主たる回路
構成を示す。マイクロ波送波器1は、例えば、変調回路
21、この変調回路21に基づきマイクロ波を発振させ
る前述の発振ダイオード4を含むマイクロ波発振器22
及びマイクロ波Mを発射するアンテナ24から概略構成
される。第3実施形態においては、更に回転波に偏波す
るための偏波変換器23がマイクロ波発振器22とアン
テナ24との間に挿入される。一方、マイクロ波受波器
2は、例えば、マイクロ波Mを受信するアンテナ31、
第一の受信ダイオードD1を含む第一のマイクロ波検波
器33およびこのダイオードD1に対して直交配置され
る第二の受信ダイオードD2を含む第二のマイクロ波検
波器34と、各マイクロ波検波器33、34からの出力
を個別に増幅する一対の低周波アンプ35、波形整形と
波形調整とを行う一対の検波回路36、各検波回路36
からの信号(受信電力)を比較する判定回路37および
出力回路38とから概略構成される。第3実施形態にお
いては、更にアンテナ31と第一、第二マイクロ波検波
器33、34との間に偏波変換器32が挿入される。
イクロ波送波器1及びマイクロ波受波器2の主たる回路
構成を示す。マイクロ波送波器1は、例えば、変調回路
21、この変調回路21に基づきマイクロ波を発振させ
る前述の発振ダイオード4を含むマイクロ波発振器22
及びマイクロ波Mを発射するアンテナ24から概略構成
される。第3実施形態においては、更に回転波に偏波す
るための偏波変換器23がマイクロ波発振器22とアン
テナ24との間に挿入される。一方、マイクロ波受波器
2は、例えば、マイクロ波Mを受信するアンテナ31、
第一の受信ダイオードD1を含む第一のマイクロ波検波
器33およびこのダイオードD1に対して直交配置され
る第二の受信ダイオードD2を含む第二のマイクロ波検
波器34と、各マイクロ波検波器33、34からの出力
を個別に増幅する一対の低周波アンプ35、波形整形と
波形調整とを行う一対の検波回路36、各検波回路36
からの信号(受信電力)を比較する判定回路37および
出力回路38とから概略構成される。第3実施形態にお
いては、更にアンテナ31と第一、第二マイクロ波検波
器33、34との間に偏波変換器32が挿入される。
【0035】また、上記の第2実施形態及び第3実施形
態において、マイクロ波受波器2の第一及び第二の受信
ダイオードD1,D2は、図5(a)、(b)に示すよ
うに、二股に分岐した導波路に各ダイオードD1,D2
を上記した検波方向に規定した状態で個別に配置するこ
とが好ましい。
態において、マイクロ波受波器2の第一及び第二の受信
ダイオードD1,D2は、図5(a)、(b)に示すよ
うに、二股に分岐した導波路に各ダイオードD1,D2
を上記した検波方向に規定した状態で個別に配置するこ
とが好ましい。
【0036】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明のマイクロ波による物体検出方法にあっては、検出用
のマイクロ波が被検出物体により反射された場合と、反
射体により反射された場合とで、その電界分布に差が生
じることを利用して、反射体以外からの不要反射波を排
除して被検出物体を正確に検知するとともに、被検出物
体がマイクロ波送波器及びマイクロ波受波器の極く近傍
を通過するような場合の誤検出を防止することができ、
空間的な制約を受けることなく、被検出物体を正確に検
知することができる。
明のマイクロ波による物体検出方法にあっては、検出用
のマイクロ波が被検出物体により反射された場合と、反
射体により反射された場合とで、その電界分布に差が生
じることを利用して、反射体以外からの不要反射波を排
除して被検出物体を正確に検知するとともに、被検出物
体がマイクロ波送波器及びマイクロ波受波器の極く近傍
を通過するような場合の誤検出を防止することができ、
空間的な制約を受けることなく、被検出物体を正確に検
知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における、被検出物体の非通過時
(a)および通過時(b)における検出原理を示す模式
図である。
(a)および通過時(b)における検出原理を示す模式
図である。
【図2】第2実施形態における、被検出物体の非通過時
(a)および通過時(b)における検出原理を示す模式
図である。
(a)および通過時(b)における検出原理を示す模式
図である。
【図3】第3実施形態における、被検出物体の非通過時
(a)および通過時(b)における検出原理を示す模式
図である。
(a)および通過時(b)における検出原理を示す模式
図である。
【図4】本発明の第2及び第3実施形態に係るマイクロ
波送器及びマイクロ波受波器の電気的構成を示すブロッ
ク図である。
波送器及びマイクロ波受波器の電気的構成を示すブロッ
ク図である。
【図5】第2及び第3実施形態において、マイクロ波受
波器の第一及び第二の受信ダイオードの構成例を示す模
式図である。
波器の第一及び第二の受信ダイオードの構成例を示す模
式図である。
【図6】マイクロ波による物体検出方法の従来例を示す
模式図である。
模式図である。
【図7】マイクロ波の回転波を用いた従来例の物体検出
原理を示す模式図である。
原理を示す模式図である。
【図8】図7に示す従来例における、回転波を直線波に
偏波した時の電界分布を示す模式図である。
偏波した時の電界分布を示す模式図である。
1 マイクロ波送波器 2 マイクロ波受波器 3 反射体 4 発振ダイオード D 受信ダイオード D1 第一の受信ダイオード D2 第二の受信ダイオード 23,32 偏波変換器 A 被検出物体
Claims (3)
- 【請求項1】 被検出物体の移動経路を挟んで一方の側
にマイクロ波送波器とマイクロ波受波器とを配置し、他
方の側にマイクロ波反射体を配置し、かつ前記マイクロ
波送波器から発せられて前記マイクロ波反射体で反射さ
れたマイクロ波を前記マイクロ波受波器で受信するとと
もに、被検出物体が前記マイクロ波を遮断することによ
り該被検出物体を検出する方法において、 前記マイクロ波送波器は、電界分布が発振素子の電圧印
加方向と一致する直線波を、該電界分布がマイクロ波の
進行方向軸線を含む水平または垂直平面に対して90°
未満の角度をもって傾斜した状態で前記マイクロ波反射
体に向けて発射するとともに、 前記マイクロ波受波器は、前記マイクロ波反射体により
偶数回反射され、かつ前記発振素子の電界印加方向と一
致する電界分布を有するマイクロ波を検波することを特
徴とするマイクロ波による物体検出方法。 - 【請求項2】 被検出物体の移動経路を挟んで一方の側
にマイクロ波送波器とマイクロ波受波器とを配置し、他
方の側にマイクロ波反射体を配置し、かつ前記マイクロ
波送波器から発せられて前記マイクロ波反射体で反射さ
れたマイクロ波を前記マイクロ波受波器で受信するとと
もに、被検出物体が前記マイクロ波を遮断することによ
り該被検出物体を検出する方法において、 前記マイクロ波送波器は、電界分布が発振素子の電圧印
加方向と一致する直線波を、該電界分布がマイクロ波の
進行方向軸線を含む水平または垂直平面に対して90°
未満の角度をもって傾斜した状態で前記マイクロ波反射
体に向けて発射するとともに、 前記マイクロ波受波器は、入射したマイクロ波の電界分
布の前記発振素子の電圧印加方向と一致する第1の成分
と、該第1の成分と直交する第2の成分とをそれぞれ検
波して比較し、第2の成分が大きい場合に入射したマイ
クロ波が前記被検出物体からの反射波であると判定する
ことを特徴とするマイクロ波による物体検出方法。 - 【請求項3】 被検出物体の移動経路を挟んで一方の側
にマイクロ波送波器とマイクロ波受波器とを配置し、他
方の側にマイクロ波反射体を配置し、かつ前記マイクロ
波送波器から発せられて前記マイクロ波反射体で反射さ
れたマイクロ波を前記マイクロ波受波器が受信するとと
もに、被検出物体が前記マイクロ波を遮断することによ
り該被検出物体を検知する方法において、 前記マイクロ送波器は、電界分布が発振素子の電圧印加
方向と一致する直線波を、該電界分布が時計回りまたは
反時計回りの何れか一方向に回転する回転波に偏波して
前記マイクロ波反射体に向けて発射するとともに、 前記マイクロ波受波器は、前記マイクロ波反射手段によ
り偶数回反射されて入射した回転波を直線波に偏波する
とともに、該直線波の電界分布の前記発振素子の電圧印
加方向と一致する第1の成分と、該第1の成分と直交す
る第2の成分とをそれぞれ検波して比較し、第2の成分
が大きい場合に入射した回転波が前記被検出物体からの
反射波であると判定することを特徴とするマイクロ波に
よる物体検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30888298A JPH11264877A (ja) | 1997-12-22 | 1998-10-29 | マイクロ波による物体検出方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35369397 | 1997-12-22 | ||
JP9-353693 | 1997-12-22 | ||
JP30888298A JPH11264877A (ja) | 1997-12-22 | 1998-10-29 | マイクロ波による物体検出方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11264877A true JPH11264877A (ja) | 1999-09-28 |
Family
ID=26565723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30888298A Pending JPH11264877A (ja) | 1997-12-22 | 1998-10-29 | マイクロ波による物体検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11264877A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006021558A (ja) * | 2004-07-06 | 2006-01-26 | Wire Device:Kk | 監視システム |
-
1998
- 1998-10-29 JP JP30888298A patent/JPH11264877A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006021558A (ja) * | 2004-07-06 | 2006-01-26 | Wire Device:Kk | 監視システム |
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