JP2003177182A - 物体検出装置 - Google Patents
物体検出装置Info
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Abstract
が存在する導波管で接続して構成される物体検出装置に
おいて、簡素な構造により、湾曲部を伝搬する際にマイ
クロ波の電界が変化することに起因して起こる検出誤作
動を防止する。 【解決手段】 マイクロ波送・受信器10とアンテナ3
0とを湾曲部Aを有する円形導波管20で接続してなる
マイクロ波による物体検出装置において、マイクロ波送
・受信器10と円形導波管20との間に偏波補正器10
0を挿入し、偏波補正器100とマイクロ波発振器11
が励振するときの直線偏波の方向とのなす角度を調整し
て、円形導波管20は楕円波としてマイクロ波を伝播さ
せ、かつアンテナ30からは円偏波としてマイクロ波を
発射させる。
Description
媒体として物体の位置や有無、物体までの距離を検出す
るための物体検出装置に関する。
いて、加工品等の物体の存在やその位置を検出するため
に、レーザ光や赤外線等を用いた物体検出装置が使用さ
れている。また、容器内の貯蔵物体の所蔵量を検出す
る、所謂「レベル計」等にもレーザ光や赤外線等を用い
た物体検出装置が使用されている。
物体検出装置では、例えば高温多湿で、水蒸気やオイル
ミスト等が存在したり、低温で結露や氷結が起こる使用
環境では検出が困難になるという欠点があった。
には、検出媒体としてマイクロ波を使用した物体検出装
置が使用されることが多い。このマイクロ波による物体
検出置は、種々の検出原理のものが知られているが、例
えば図9に示されるような構成のものがある。即ち、マ
イクロ波送・受信器10のマイクロ波発振器11から発
振されたマイクロ波Moを、円形導波管20の内部を伝
搬させてアンテナ30から被検出物体40に向けて発射
し、この被検出物体40よる反射波Mrをアンテナ30
で受信し、円形導波管20の内部を伝搬させてマイクロ
波送・受信器10に入射させ、マイクロ波検波器12で
この入射波を検波することにより、被検出物体40の有
無やアンテナ30からの距離を検出している。マイクロ
波は水蒸気やオイルミスト等を透過するため、アンテナ
30と被検出物体40との間にそれらが存在していても
被検出物体40からの反射波Mrのみを検出する。ま
た、マイクロ波は赤外線等と異なり熱による影響も受け
ないため、被検出物体40がスラブ等の高温物体であっ
ても精度良く検出することができる。
事情から、もしくはスラブ等の高温物体を検出する場合
には、アンテナ30のみを被検出物体40の近傍に配置
し、マイクロ波送・受信器10をアンテナ30から離し
て配置することが一般的である。また、それに伴って、
図9に示されるように、円形導波管20にも通常、数多
くの湾曲部Aが形成される。
のマイクロ波発振器11はガンダイオード等のマイクロ
波発信ダイオードと空洞共振器とで構成されており、発
振されるマイクロ波Moは、符号Eoで示されるように
マイクロ波発信ダイオードの電流印加方向と平行な電界
を有する直線偏波となる。そして、この発振マイクロ波
Moは、この電界を維持して円形導波管20の内部を伝
搬し、アンテナ30から発射される。
持してアンテナ30で受信され、更に円形導波管20の
内部を伝搬してマイクロ波送・受信器10のマイクロ波
検波器12に入射される。マイクロ波検波器12は、ミ
キサダイオード等のマイクロ波検波ダイオードと、その
ダイオードが励振され、円形導波管20と接続されるキ
ャビティーとで構成されており、そのダイオードの電流
印加方向(以下、「検波方向」と呼ぶ)は反射波Mrの
電界の向きと一致するように設定されている。
在すると、湾曲部Aを通過する毎に電界が一方向に回転
する成分を持ったマイクロ波(以下、「楕円偏波」と呼
ぶ)となってアンテナ30から発射されたり、マイクロ
波検波器12に入射する。しかし、マイクロ波検波器1
2の検波方向は、上記したように規定されており、この
検波方向と一致しない電界を有するマイクロ波は検波し
にくくなることから、正常な物体検出動作が行われなく
なる。そこで、従来では、物体検出装置の設置に際し
て、マイクロ波送信器11及びマイクロ波検波器12の
円形導波管20への取付角度の調整を慎重に行い、より
感度の高い位置を求めている。
クロ波として円偏波を用いたものも知られている。図1
0にこの円偏波を用いた物体検出装置の構成を示すが、
マイクロ波送信器11からは上記と同様に電流印加方向
に一致する電界Eoを有するマイクロ波(以下、「直線
偏波」と呼ぶ)Moが発振されるが、この直線偏波Mo
は円形導波管20の内部に設けられた円偏波器50を通
過する際に、例えば符号Roで示されるように電界が右
旋性円偏波となるマイクロ波(以下、「発振円偏波」と
呼ぶ)Mo'に偏波される。この円偏波器50は円形導
波管20の内径を全幅とする樹脂製の平板であり、直線
偏波Moの電界の向きに対して45°の角度で交差する
ように規制されて円形導波管20の内部に挿入される。
そして、発振円偏波Mo'は、円形導波管20の内部を
その回転方向を維持したまま伝搬し、アンテナ30から
発射される。また、この発振円偏波Mo'は、被検出物
体40による反射を受けると電界の回転方向が反転する
性質があり、その反射波Mr'は符号Rrで示される左
旋性円偏波(以下、反射円偏波と呼ぶ)としてアンテナ
30に受信される。受信された反射円偏波Mr'は、そ
の回転方向を維持したまま円形導波管20の内部を伝搬
し、円偏波器50を通過する際に電界が一方向に振動す
る直線偏波となる。但し、反射円偏波Mr'は、発振円
偏波Mo'とは電界の回転方向が異なるため、偏波後は
符号Erで示されるようにマイクロ波発振器11から発
振される直線偏波Moの電界分布Eoと直交する電界を
有する。
においても、マイクロ波送・受信器10において、マイ
クロ波発振器11とマイクロ波検波器12とを、両者の
ダイオードの電流印加方向が直交するように構成してお
けば、理論上は良好な物体検出を実現できる。しかし、
円形導波管20に湾曲部Aが存在すると、発振円偏波M
o'及び反射円偏波Mr'がこの湾曲部Aを通過する際
に、電界の回転方向はそのままでも電界の偏波状態は当
初の円状(円偏波)から楕円状(楕円偏波)、更には長
楕円状にまで歪んでしまう。反射円偏波Mr'は円偏波
器50により直線偏波としてマイクロ波検波器12に入
射されなければならないが、反射円偏波Mr'の電界が
歪んでいると、この円偏波器50による直線偏波への偏
波に際してマイクロ波検波器12の検波方向と一致しな
い楕円偏波となり、結果としてマイクロ波検波器12に
よる検出ができなくなる。
願人は先に特願2000−125995において、図1
1及び図12(図11のBB断面図)に示すように、円
形導波管20の湾曲部A、もしくはこの湾曲部Aのマイ
クロ波送・受信器側またはアンテナ側の少なくとも一カ
所において、円形導波管20の内壁に、これら各部の投
影面の中心線Cに沿って、円形導波管20の軸線C'に
向かって延びる金属製平板からなるフィン1(または1
a,1b)を備える物体検出装置を提案している。
ン1を通過する都度、その電界が修正され、常に一定の
電界を有するマイクロ波による送受信を実現できるよう
になる。
人による上記物体検出装置では、パイプを曲げ加工する
ことにより湾曲部Aを作製する場合、湾曲部Aの断面を
正確に円形のまま、かつ曲げ角度、曲げ半径を精度良く
加工することが要求されるが、それを実現するのは困難
であった。また、フィン1を形成するための加工が必要
であり、しかも湾曲部A毎に設けなければならず、湾曲
部Aの数に比例してコストが上昇するという問題があ
る。更に、湾曲部Aの曲がりの大きさ(角度)により、
最適なフィン1、凹部2または楕円部3の寸法があるた
め、個別の設計や加工も必要となる。また、アンテナ3
0と被検出物体40との間に存在する構造物によりマイ
クロ波の偏波の状態に影響を与え、マイクロ波検波器1
2で検出し難くなることもある。
ものであり、マイクロ波送・受信器とアンテナとを湾曲
部が存在する導波管で接続して構成される物体検出装置
において、湾曲部を伝搬する際やアンテナと被検出物体
との間にある構造物等によりマイクロ波の電界が変化す
ることに起因して起こる検出誤作動を防止することを目
的とするものであり、特に確実な検出を実現する方法の
容易化とその装置構成の簡素化とを目的とする。
めに、本発明は以下の各物体検出装置を提供する。 (1)マイクロ波送・受信器とアンテナとを湾曲部を有
する導波管で接続してなるマイクロ波による物体検出装
置であって、マイクロ波送・受信器のマイクロ波発振器
から発振されたマイクロ波を導波管内を伝搬させてアン
テナから被検出物体に向けて発射し、被検出物体により
反射された反射波をアンテナで受信し、再び前記導波管
内を伝搬させてマイクロ波送・受信器のマイクロ波検波
器で検波することにより被検出物体の有無又は被検出物
体までの距離を検出する検出装置において、マイクロ波
送・受信器は、マイクロ波発振器が励振するときの直線
偏波の方向と、マイクロ波検波器が受波する直線偏波の
方向とが直交するように構成されており、かつ、筒状物
の内部に、金属または誘電体からなり、軸線に向かって
突出する突出片または直径に沿って設けられる平板部材
を備える偏波補正器を、マイクロ波送・受信器と導波管
との間に挿入して備えるとともに、偏波補正器の突出片
または平板とマイクロ波発振器が励振するときの直線偏
波の方向とがなす角度を調整して、導波管内は電界が楕
円状に偏波された楕円偏波としてマイクロ波を伝播さ
せ、かつアンテナからは電界がある方向に円状に回転す
る円偏波としてマイクロ波を発射させることを特徴とす
る物体検出装置(以下、「第1の物体検出装置」とい
う) (2)マイクロ波送・受信器とアンテナとを湾曲部を有
する導波管で接続してなるマイクロ波による物体検出装
置であって、マイクロ波送・受信器のマイクロ波発振器
から発振されたマイクロ波を導波管内を伝搬させてアン
テナから被検出物体に向けて発射し、被検出物体により
反射された反射波をアンテナで受信し、再び前記導波管
内を伝搬させてマイクロ波送・受信器のマイクロ波検波
器で検波することにより被検出物体の有無又は被検出物
体までの距離を検出する検出装置において、マイクロ波
送・受信器は、マイクロ波発振器が励振するときの直線
偏波の方向と、マイクロ波検波器が受波する直線偏波の
方向とが同一となるように構成されており、かつ、筒状
物の内部に、金属または誘電体からなり、軸線に向かっ
て突出する突出片または直径に沿って設けられる平板部
材を備える偏波補正器を、マイクロ波送・受信器と導波
管との間に挿入して備えるとともに、偏波補正器の突出
片または平板とマイクロ波発振器が励振するときの直線
偏波の方向とがなす角度を調整して、導波管内は電界が
楕円状に偏波された楕円偏波としてマイクロ波を伝播さ
せ、かつアンテナからは電界が一方向を向いた直線偏波
としてマイクロ波を発射させることを特徴とする物体検
出装置(以下、「第2の物体検出装置」) (3)マイクロ波送信器のマイクロ波発振器から発振さ
れたマイクロ波を送信側導波管内を伝搬させて送信側ア
ンテナから被検出物体に向けて発射し、被検出物体によ
り反射された反射波あるいは透過波を受信側アンテナで
受信し、受信側導波管内を伝搬させてマイクロ波受信器
のマイクロ波検波器で検波することにより被検出物体の
有無又は被検出物体までの距離を検出する検出装置にお
いて、少なくとも送信側導波管が湾曲部を有し、筒状物
の内部に、金属または誘電体からなり、軸線に向かって
突出する突出片または直径に沿って設けられる平板部材
を備える偏波補正器を、少なくともマイクロ波送信器と
送信側導波管との間に挿入して備えるとともに、偏波補
正器の突出片または平板とマイクロ波発振器が励振する
ときの直線偏波の方向とがなす角度を調整して、導波管
内は電界が楕円状に偏波された楕円偏波としてマイクロ
波を伝播させ、かつ送信側アンテナからは電界がある方
向に円状に回転する円偏波としてマイクロ波を発射させ
ることを特徴とする物体検出装置(以下、「第3の物体
検出装置」という) (4)マイクロ波送信器のマイクロ波発振器から発振さ
れたマイクロ波を送信側導波管内を伝搬させて送信側ア
ンテナから被検出物体に向けて発射し、被検出物体によ
り反射された反射波あるいは透過波を受信側アンテナで
受信し、受信側導波管内を伝搬させてマイクロ波受信器
のマイクロ波検波器で検波することにより被検出物体の
有無又は被検出物体までの距離を検出する検出装置にお
いて、少なくとも送信側導波管が湾曲部を有し、筒状物
の内部に、金属または誘電体からなり、軸線に向かって
突出する突出片または直径に沿って設けられる平板部材
を備える偏波補正器を、少なくともマイクロ波送信器と
送信側導波管との間に挿入して備えるとともに、偏波補
正器の突出片または平板とマイクロ波発振器が励振する
ときの直線偏波の方向とがなす角度を調整して、導波管
内は電界が楕円状に偏波された楕円偏波としてマイクロ
波を伝播させ、かつ送信側アンテナからは電界がある方
向を向いた直線偏波としてマイクロ波を発射させること
を特徴とする物体検出装置(以下、「第4の物体検出装
置」という)
して詳細に説明する。
第1の物体検出装置を示す概略構成図であり、円偏波を
用いて検出を行う場合を示すものである。物体検出装置
としての構成は、マイクロ波送・受信器10、偏波補正
器100、円形導波管20、マイクロ波送・受信器10
と偏波補正器100及び偏波補正器100と円形導波管
20を接続するためのユニオン105a,105b、及
びアンテナ30を備えている。
が形成されている。マイクロ波送・受信器10は、円形
導波管20へ励振するための励振導体を含むマイクロ波
発振器11と。円形導波管20からのマイクロ波を受波
するための受波導体を含むマイクロ波検波器12とを備
える。このマイクロ波発振器11は、励振導体方向と平
行な電界E0を有する直線偏波M0となるマイクロ波を出
力する。また、マイクロ波検波器12は、受波導体方向
と平行な電界Erを有するマイクロ波を検波することが
できる。
ロ波発振器11の励振導体方向とマイクロ波検波器12
の受波導体方向とが直交するように配置されている。即
ち、マイクロ波発振器11から送信するマイクロ波の偏
波面と、マイクロ波検波器12が受信するマイクロ波の
偏波面が直交するように構成されている。
C断面図として示すが、この偏波補正器100は、円形
導波管20と同一内径の金属筒状のハウジング102
と、ハウジング102の内壁から軸線に向かって突出す
る突出片101を設けて構成される。突出片101は、
ハウジング102と同様に金属製であり、例えば幅W、
厚さT、長さLの金属板をその長さ方向がハウジング1
02の軸線方向となるよに取り付けたものである。尚、
突出片101からの不要反射を防ぐため、通常突出片1
01の長さ方向の角は斜めにカットされる。この突出片
101としての金属板のサイズは、一般的に直線偏波を
円偏波に変換するための円偏波発生器で用いられるもの
とほぼ同サイズのものが適当である。また、この偏波補
正器100は、ユニオン105a,105bを緩めるこ
とにより、円形導波管20の軸線を中心に自在に回転で
きる構成となっている。
全ての機器を設置した後、設置箇所にてユニオン105
a,105bを緩めて偏波補正器100を回転させ、ア
ンテナ30から真円状に回転する電界Roを有する発振
円偏波Mo'が発射されるように調整する。このとき、
図示されるように、マイクロ波発振器11から発振され
た直線偏波Moは、偏波補正器100を通過することに
より、突出片101とマイクロ波発振器11の励振導体
方向とのなす角度に従って楕円状もしくは長楕円状の電
界Ro'を有する楕円偏波となって円形導波管20を伝
搬する。偏波補正器100からアンテナ30までの間の
マイクロ波は、円形導波管20に存在する湾曲部Aに応
じて電界の形状が変化し、円形導波管20のアンテナ3
0と接続される部分では電界が真円状になって伝播す
る。よって、機能的には偏波補正器100及び円形導波
管20により円偏波発生器を構成しているともいえる。
従って、偏波補正器100は、円形導波管20を伝搬す
るときのマイクロ波の電界モードを不問とし、アンテナ
30から発射されるマイクロ波の電界モードを検出に最
適なものに調整する部材である。
状に回転する電界Roを有する発振器円偏波Mo'が発
射されるため、被検出物体40で反射された反射波M
r'は、真円状で、回転方向が反転した電界Rrを有す
るものとなり、従来のように反射波Mr'の電界が楕円
状に歪むことに起因する不具合が起こることはない。
Mr'は、円形導波管20を伝搬し、偏波補正器100
を通過した後、マイクロ波検波器12へと入射するが、
アンテナ30から偏波補正器100までの間は、電界が
楕円状や長楕円状に逐次変化しながら円形導波管20を
伝搬する。更に、偏波補正器100を通過することによ
り偏波の状態が変化する。ここで、この反射波Mr'は
円偏波であったが、発振円偏波Mo'とは逆の順序にて
同一の経路を伝搬するため、偏波補正器100を通過し
た場所での反射波Mrは直線偏波になっている。また、
発振円偏波Mo´と反射波Mr´は回転方向が反対であ
るため、マイクロ波発振器11から発振されるマイクロ
波Moと電界の向きが直交する電界Erを有する直線偏
波Mrとなってマイクロ波検波器12に入射する。
11とは、励振導体方向と受波導体方向とが直交するよ
うに構成されているため、偏波補正器100を通過した
後の反射波Mrの電界の向きとマイクロ波検波器12の
検波方向とが一致し、高い感度で受信される。
あり、例えば偏波補正器100を図3及び図4(A:軸
線Cに沿った側断面図、B:軸線Cと直交する断面図)
に示すような構成とすることができる。ここでは、偏波
補正器100は、円形導波管20と同一径の外筒となる
ハウジング102の肉厚部分に所定の深さで円筒状に凹
部が形成され、この凹部に金属製の内筒103が回転可
能に内嵌させた二重筒状構造となっており、更に内筒1
03に、その内部を直径に沿って2分する平板部材11
0を固定して構成となっている。内筒103は、同図
(B)に示すように、軸線Cと直交する方向にハウジン
グ102に設けられた貫通スリットを通じてナット10
4により固定される。平板部材110は突出片101に
相当する部材であり、フッ素樹脂やセラミックス等の誘
電材料からなり、誘電体材料からの反射を極力抑えるた
めに、同図(A)に示すように、両端部から軸線Cに向
かって略V字状に欠切している。また、この偏波補正器
100は、一方がマイクロ波送・受信器10に固定さ
れ、他方がユニオン105bを介して円形導波管20に
接続されている。そして、平板部材110の角度調整
は、ナット104を緩め、内筒103を回転させて行
う。
101あるいは平板部材110の角度調整をより容易
に、かつ正確に行うために、図5にブロック図で示すよ
うな補助手段を付設することが好ましい。
増幅回路61、A/D変換器62、CPU63及び表示
部64を付加した構成となっている。マイクロ波送・受
信器10のマイクロ波発信器11は電圧制御型で構成さ
れており、この電圧制御型マイクロ波発振器11に三角
波形発生回路60からの三角波形出力が入力される。マ
イクロ波送・受信器10では、マイクロ波発振器11か
らの出力の一部と、アンテナ30から発射され、被検出
物体40で反射されてアンテナ30で受信されたマイク
ロ波とがマイクロ波検波器12により混合され、マイク
ロ波発振器11の発振周波数と受波される受波周波数と
の差であるビート信号が出力される。このビート信号は
増幅回路61で増幅され、その増幅された信号がA/D
変換器62によりデジタル信号に変換されてCPU63
に取り込まれる。CPU63は、取り込んだデータを用
いてFFT処理を行い、ビート信号を構成している周波
数成分を分析し、その周波数成分から被検出物体40ま
での距離を算出する。表示部64では、算出された距離
と、ビート信号レベルである受信信号レベルとを表示す
る。
ナ30から発射される発振円偏波Mo´がより真円に近
いほど強くなる。従って、表示部64の受信信号レベル
が最大になるように、偏波補正器100の突出片101
または平板部材110の回転角度を調整するだけで、直
線偏波用のアンテナとマイクロ波パワーメーター等の測
定機器を用いることなく、確実にアンテナ30から真円
状の発振円偏波Mo´を発射できるようになる。
間に構造物がある場合、この構造物による影響で円偏波
の状態が変化すると、アンテナ30で受信された被検出
物体40からの反射波Mr´が楕円偏波となり、受信し
難くなる。この問題も、表示部64の受信信号レベルが
最大になるように偏波補正器100を調整すれば、構造
物の影響を加味した偏波状態でアンテナ30から送受信
できるようになる。
体検出装置は、図6に示されるように、上記した第1の
物体検出装置において、アンテナ30から直線偏波Mo
´を発射させる構成にしたものである。この第2の物体
検出装置は、偏波補正器100を含めて装置全体の構成
は第1の物体検出装置と同様であるが、マイクロ波送・
受信器10において、マイクロ波発振器11の励振導体
方向でもある受波導体方向とマイクロ波検波器12の検
波方向とを同一方向に一致させている。
補正器100を回転させてマイクロ波発振器11から発
振されたマイクロ波Moを楕円状もしくは長楕円状の電
界Ro'を有する楕円偏波とするとともに、アンテナ3
0からはマイクロ波発振器11の励振導体方向に一致す
る電界Roを有する直線偏波Mo´が発射されるように
調整する。被検出物体40からの反射波Mr´は、発振
された直線偏波Mo´とは逆の経路を辿って偏波補正器
100に到達するが、このとき突出片101に対して、
マイクロ波発振器11から発振され偏波補正器100を
通過した直後のマイクロ波の電界Ro'と同一の電界を
有するマイクロ波となって入射する。そして、偏波補正
器100を通過することにより、マイクロ波検波器12
の検波方向に一致した電界を有するマイクロ波となって
マイクロ波検波器12に入射し、高い感度で受信され
る。
に示すように、第1の物体検出装置と同様に、図3及び
図4に示した偏波補正器100を使用することも可能で
ある。その場合、偏波補正器100と接続するためのユ
ニオンを円形導波管側の一方(105b)のみとするこ
とが可能である。また、第1の物体検出装置と同様に、
図5に示した補助手段を付設することもできる。
体検出装置は、上記した第1の物体検出装置において、
マイクロ波送・受信器10をマイクロ波送信器とマイク
ロ波受信器とに分け、それぞれに円形導波管20及びア
ンテナ30を接続した構成である。即ち、図8に示すよ
うに、マイクロ波送信器10aに送信側円形導波管20
aを介してアンテナ30aを接続し、マイクロ波受信器
10bに受信側円形導波管20bを介してアンテナ30
bを接続し、両アンテナ30a,30bを被検出物体4
0に向けて配置されている。また、マイクロ波発振器1
1の励振導体方向と、マイクロ波検波器12の受波導体
方向とは直交するように構成されている。
成されており、この湾曲部Aでの伝搬状態を補正するた
めに、偏波補正器100がマイクロ波送信器10aと送
信側円形導波管20aとの間に挿入されている。偏波補
正器100は、変更例を含めて第1の物体検出装置と同
様で構わず、更に補助手段が付設されていてもよい。そ
して、偏波補正器100の突出片101(または平板部
材110)の角度を調整して、マイクロ波送信器10a
のマイクロ波発振器11から発振された直線偏波Mo
を、送信側円形導波管20aは楕円偏波として伝搬させ
るとともに、アンテナ30aからは真円状の発振円偏波
Mo´を発射させる。
は、アンテナ30bで受信された後、受信側円形導波管
20bを伝搬してマイクロ波検波器12で検波される。
マイクロ波受信器10bと送信側導波管20bとの間に
も同様の偏波補正器100が挿入されており、突出片1
01(または平板部材110)の角度を調整して、偏波
後の反射波Mr´の電界をマイクロ波検波器12の検波
方向に一致させることにより、正確な物体検出を行うこ
とができる。
円形導波管20bは同一個数の湾曲部Aを持ったものと
して示されているが、同じでなくともよい。この場合、
送信側の偏波補正器と受信側の偏波補正器の突出片10
1(または平板部材110)の角度は一致しなくなるだ
けである。この場合、受信側の偏波補正器の突出片10
1(または平板部材110)の角度は、受信信号レベル
が最大になるように調整すればよい。
波を捕らえるような構成であるが、送信側のアンテナ3
0aと受信側のアンテナ30bを対向して配置し、その
間の被検出物体40を検出できるようにするため、送信
側のアンテナ30aからの透過波を受信側のアンテナ3
0bにより検知するようにしてもよい。
体検出装置は、図示は省略するが、上記した第3の物体
検出装置において、アンテナ30aから直線偏波を発射
する構成としている。ここで、マイクロ波送信器10a
のマイクロ波発振器11の励振導体方向と、マイクロ波
受信器10bのマイクロ波検波器12の検波方向とが同
一方向になるように設定されている以外は、第3の物体
検出装置と同様に構成することができる。
装置は、導波管の軸線を中心に回転可能な偏波補正器を
備え、その回転角度を調整するだけで、極めて正確かつ
安定に物体の検出を行うことができる。
である。
である。
用される偏波補正器を示す側面図(A)及び断面図
(B)である。
である。
である。
である。
図である。
概略構成図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 マイクロ波送・受信器とアンテナとを湾
曲部を有する導波管で接続してなるマイクロ波による物
体検出装置であって、マイクロ波送・受信器のマイクロ
波発振器から発振されたマイクロ波を導波管内を伝搬さ
せてアンテナから被検出物体に向けて発射し、被検出物
体により反射された反射波をアンテナで受信し、再び前
記導波管内を伝搬させてマイクロ波送・受信器のマイク
ロ波検波器で検波することにより被検出物体の有無又は
被検出物体までの距離を検出する検出装置において、 マイクロ波送・受信器は、マイクロ波発振器が励振する
ときの直線偏波の方向と、マイクロ波検波器が受波する
直線偏波の方向とが直交するように構成されており、か
つ、 筒状物の内部に、金属または誘電体からなり、軸線に向
かって突出する突出片または直径に沿って設けられる平
板部材を備える偏波補正器を、マイクロ波送・受信器と
導波管との間に挿入して備えるとともに、偏波補正器の
突出片または平板とマイクロ波発振器が励振するときの
直線偏波の方向とがなす角度を調整して、導波管内は電
界が楕円状に偏波された楕円偏波としてマイクロ波を伝
播させ、かつアンテナからは電界がある方向に円状に回
転する円偏波としてマイクロ波を発射させることを特徴
とする物体検出装置。 - 【請求項2】 マイクロ波送・受信器とアンテナとを湾
曲部を有する導波管で接続してなるマイクロ波による物
体検出装置であって、マイクロ波送・受信器のマイクロ
波発振器から発振されたマイクロ波を導波管内を伝搬さ
せてアンテナから被検出物体に向けて発射し、被検出物
体により反射された反射波をアンテナで受信し、再び前
記導波管内を伝搬させてマイクロ波送・受信器のマイク
ロ波検波器で検波することにより被検出物体の有無又は
被検出物体までの距離を検出する検出装置において、 マイクロ波送・受信器は、マイクロ波発振器が励振する
ときの直線偏波の方向と、マイクロ波検波器が受波する
直線偏波の方向とが同一となるように構成されており、
かつ、 筒状物の内部に、金属または誘電体からなり、軸線に向
かって突出する突出片または直径に沿って設けられる平
板部材を備える偏波補正器を、マイクロ波送・受信器と
導波管との間に挿入して備えるとともに、偏波補正器の
突出片または平板とマイクロ波発振器が励振するときの
直線偏波の方向とがなす角度を調整して、導波管内は電
界が楕円状に偏波された楕円偏波としてマイクロ波を伝
播させ、かつアンテナからは電界が一方向を向いた直線
偏波としてマイクロ波を発射させることを特徴とする物
体検出装置。 - 【請求項3】 マイクロ波送信器のマイクロ波発振器か
ら発振されたマイクロ波を送信側導波管内を伝搬させて
送信側アンテナから被検出物体に向けて発射し、被検出
物体により反射された反射波あるいは透過波を受信側ア
ンテナで受信し、受信側導波管内を伝搬させてマイクロ
波受信器のマイクロ波検波器で検波することにより被検
出物体の有無又は被検出物体までの距離を検出する検出
装置において、 少なくとも送信側導波管が湾曲部を有し、 筒状物の内部に、金属または誘電体からなり、軸線に向
かって突出する突出片または直径に沿って設けられる平
板部材を備える偏波補正器を、少なくともマイクロ波送
信器と送信側導波管との間に挿入して備えるとともに、
偏波補正器の突出片または平板とマイクロ波発振器が励
振するときの直線偏波の方向とがなす角度を調整して、
導波管内は電界が楕円状に偏波された楕円偏波としてマ
イクロ波を伝播させ、かつ送信側アンテナからは電界が
ある方向に円状に回転する円偏波としてマイクロ波を発
射させることを特徴とする物体検出装置。 - 【請求項4】 マイクロ波送信器のマイクロ波発振器か
ら発振されたマイクロ波を送信側導波管内を伝搬させて
送信側アンテナから被検出物体に向けて発射し、被検出
物体により反射された反射波あるいは透過波を受信側ア
ンテナで受信し、受信側導波管内を伝搬させてマイクロ
波受信器のマイクロ波検波器で検波することにより被検
出物体の有無又は被検出物体までの距離を検出する検出
装置において、 少なくとも送信側導波管が湾曲部を有し、 筒状物の内部に、金属または誘電体からなり、軸線に向
かって突出する突出片または直径に沿って設けられる平
板部材を備える偏波補正器を、少なくともマイクロ波送
信器と送信側導波管との間に挿入して備えるとともに、
偏波補正器の突出片または平板とマイクロ波発振器が励
振するときの直線偏波の方向とがなす角度を調整して、
導波管内は電界が楕円状に偏波された楕円偏波としてマ
イクロ波を伝播させ、かつ送信側アンテナからは電界が
ある方向を向いた直線偏波としてマイクロ波を発射させ
ることを特徴とする物体検出装置。 - 【請求項5】 偏波補正器が、突出片または平板部材が
導波管の軸線を中心として回転自在に設けられているこ
とを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の物体
検出装置。 - 【請求項6】 偏波補正器が、外筒と内筒との二重筒構
造からなり、かつ内筒がその周方向に回転自在に設けら
れた本体と、本体の外筒を導波管と、マイクロ波送・受
信器またはマイクロ波送信器またはマイクロ波受信器と
に接続するための接続部と、内筒の内壁から軸線に向か
って突出する突出片または内筒の内部を直径に沿って設
けられる平板部材とを備えることを特徴とする請求項5
記載の物体検出装置。 - 【請求項7】 偏波補正器が、円筒状の本体と、本体の
内壁から軸線に向かって突出する突出片または本体の内
部を直径に沿って設けられる平板部材と、本体を周方向
に回転自在に導波管と、マイクロ波送・受信器またはマ
イクロ波送信器またはマイクロ波受信器とに接続するた
めの接続部とを備えることを特徴とする請求項5記載の
物体検出装置。 - 【請求項8】 マイクロ波の受信信号レベルを表示する
手段を備え、受信信号レベルを基に偏波補正器の突出片
または平板部材の回転角度を調整することを特徴とする
請求項1〜7の何れか1項に記載の物体検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001376981A JP2003177182A (ja) | 2001-12-11 | 2001-12-11 | 物体検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001376981A JP2003177182A (ja) | 2001-12-11 | 2001-12-11 | 物体検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003177182A true JP2003177182A (ja) | 2003-06-27 |
Family
ID=19185056
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001376981A Pending JP2003177182A (ja) | 2001-12-11 | 2001-12-11 | 物体検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003177182A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006208096A (ja) * | 2005-01-26 | 2006-08-10 | Isao Ota | マイクロ波送受信器及び距離計 |
JP4500880B1 (ja) * | 2009-06-01 | 2010-07-14 | オーム電機株式会社 | 検出装置、検出方法および検出プログラム |
JP7095928B1 (ja) * | 2021-12-20 | 2022-07-05 | 株式会社マツシマメジャテック | マイクロ波レベル計 |
-
2001
- 2001-12-11 JP JP2001376981A patent/JP2003177182A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006208096A (ja) * | 2005-01-26 | 2006-08-10 | Isao Ota | マイクロ波送受信器及び距離計 |
JP4500880B1 (ja) * | 2009-06-01 | 2010-07-14 | オーム電機株式会社 | 検出装置、検出方法および検出プログラム |
JP2010276587A (ja) * | 2009-06-01 | 2010-12-09 | Ohm Denki Kk | 検出装置、検出方法および検出プログラム |
JP7095928B1 (ja) * | 2021-12-20 | 2022-07-05 | 株式会社マツシマメジャテック | マイクロ波レベル計 |
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