JP2018151278A - 計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い受光効率により反射光を受光可能な計測装置を提供する。
【解決手段】計測装置は、計測対象物に向けて出射されたレーザ光の戻り光L2を受光部3が受光することにより計測対象物までの距離を計測する計測装置であって、投射光L1を出射する光源部1と、アイソレート光学系5とを備える。アイソレート光学系5は、投射光L1を透過し、投射光L1の光路を含む所定領域を通過する戻り光L2を反射して受光部3に受光させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、対象物との距離を計測する装置に関する。
従来から、レーザ光を利用した測距装置として、パルス光を対象物に対して出射し、対象物で反射したパルス光の受光タイミングに基づいて測定対象物までの距離を測定するように構成されたものが広く利用されている。また、特許文献1には、中心に孔が設けられたミラーの孔からレーザ光を出射し、対象物で反射された戻り光を上述のミラーで反射させて受光部へ導く構成を有する集光光学系が開示されている。
特開2004−170965号公報
特許文献1に記載の構造の場合、反射光の一部が出射部によって遮られてしまい、反射光を受光部で受光する際に受光強度が低下してしまうという課題がある。特に、遠方の反射光を受光する際は、対象物の反射率が低い場合やレーザ光の減衰等により、反射光の強度が低くなるため、反射光の受光効率を上げる必要がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、高い受光効率により反射光を受光可能な計測装置を提供することを主な目的とする。
請求項1に記載の発明は、対象物に向けて出射されたレーザ光の戻り光を受光部が受光することにより前記対象物までの距離を計測する計測装置であって、前記レーザ光を出射する出射部と、出射された前記レーザ光を透過し、当該レーザ光の光路を含む所定領域を通過する前記戻り光を反射して前記受光部に受光させる光学素子と、を備えることを特徴とする。
実施例に係る計測装置の概略構成を示す。 アイソレート光学系を概略的に示した図である。 分離部へ入射する投射光及び戻り光を概略的に示した図である。 計測装置の第2構成例を示す。 計測装置の第3構成例を示す。 計測装置の第3構成例での受光部及び光源部の配置を示す。 計測装置の第4構成例を示す。 計測装置の第5構成例を示す。 計測装置の第6構成例を示す。
本発明の1つの好適な実施形態では、対象物に向けて出射されたレーザ光の戻り光を受光部が受光することにより前記対象物までの距離を計測する計測装置であって、前記レーザ光を出射する出射部と、出射された前記レーザ光を透過し、当該レーザ光の光路を含む所定領域を通過する前記戻り光を反射して前記受光部に受光させる光学素子と、を備える。この構成によれば、光学素子は、レーザ光の出射時にはレーザ光を透過し、レーザ光の受光時には戻り光を反射して受光部に受光させる。これにより、計測装置は、対象物までの距離を計測する為に必要な光量となる戻り光を好適に受光することができる。
上記計測装置の一態様では、前記光学素子によって反射された前記戻り光を前記受光部に向けて反射する反射部を更に備える。この態様により、計測装置は、戻り光を好適に受光部に導くことができる。
上記計測装置の他の一態様では、前記受光部は、前記所定領域の外を通過した前記戻り光を受光する第1受光部と、前記光学素子によって反射された前記戻り光を受光する第2受光部と、を備える。このように、受光部は、所定領域の外を通過した戻り光を受光する第1受光部と、所定領域を通過した戻り光を受光する第2受光部とから構成されてもよい。
上記計測装置の他の一態様では、前記出射部は、P偏光のレーザ光を出射し、前記光学素子は、P偏光を透過してS偏光を反射する偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタを通過後のレーザ光及び前記偏光ビームスプリッタに入射前の前記戻り光が通過する位置に設けられた1/4波長板である。この態様によれば、偏光ビームスプリッタは、出射部から出射されたレーザ光を透過し、1/4波長板からP偏光となって入射する戻り光を好適に反射して受光部へ導くことができる。
上記計測装置の他の一態様では、計測装置は、前記所定領域の外に入射する前記戻り光を反射して前記受光部に受光させ、かつ、前記所定領域に入射する前記戻り光を通過させる孔を有する反射透過部を備える。この態様により、計測装置は、光学素子に入射しない戻り光についても好適に受光部により受光することができる。好適な例では、前記光学素子は、前記孔に設けられている。
上記計測装置の他の一態様では、前記受光部と、前記出射部と、前記光学素子とは、略同一軸上に配置され、前記受光部と前記出射部との間には、前記戻り光を前記受光部に集光させる集光レンズが設けられ、前記所定領域を通過する前記戻り光は、前記光学素子での反射後、前記集光レンズに向けて反射する反射部により反射され、前記所定領域の外を通過する前記戻り光は、前記集光レンズに入射する。この態様により、計測装置は、所定領域を通過する戻り光及び所定領域外を通過する戻り光の両方を好適に受光部に導くことができる。
上記計測装置の他の一態様では、前記レーザ光の出射方向を法線とする面の内側に前記出射部、外側に前記受光部が形成され、前記所定領域を通過する前記戻り光は、前記光学素子での反射後、前記受光部に向けて反射する反射部により反射され、前記所定領域の外を通過する前記戻り光は、前記受光部に入射する。この態様によっても、計測装置は、所定領域を通過する戻り光及び所定領域外を通過する戻り光の両方を好適に受光部に導くことができる。
上記計測装置の他の一態様では、前記出射部が出射するレーザ光を光走査部へ反射し、かつ、前記光走査部から入射した前記戻り光を前記光学素子へ集光させるように配置された凹面鏡をさらに備える。この態様により、計測装置は、戻り光を好適に光学素子へ集光させて受光部に導くことができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[装置構成]
図1は、本実施例に係る計測装置100の概略構成を示す。計測装置100は、計測対象物10に対して電磁波である赤外線(例えば、波長905nm)の投射光「L1」を投射し、その戻り光「L2」を受光して計測対象物10までの距離を計測する。計測装置100は、例えば車両に搭載され、車両の前方、側方又は後方などの特定の方位を計測範囲とするライダ(LiDAR : Light Detection and Ranging、または、LIDAR : Laser Imaging Detection and Ranging)である。図示のように、計測装置100は、光源部1と、制御部2と、受光部3と、MEMSミラー4と、アイソレート光学系5とを備える。
光源部1は、赤外線の投射光L1をMEMSミラー4へ向けて出射する。光源部1は、本発明における「出射部」の一例である。本実施例では、光源部1は、投射光L1としてP偏光を出射する。MEMSミラー4は、投射光L1を反射し、計測装置100の外部へ出射する。受光部3は、例えばアバランシェフォトダイオード(Avalanche PhotoDiode)であり、受光した戻り光L2の光量に対応する検出信号を生成して制御部2へ送る。
MEMSミラー4は、光源部1から入射する投射光L1を計測装置100の外部に向けて反射する。また、MEMSミラー4は、計測装置100の外部から入射する戻り光L2を、受光部3へ向けて反射する。MEMSミラー4は、例えば静電駆動方式のミラーであり、制御部2の制御により傾き(即ち光走査の角度)が所定の範囲内で変化する。MEMSミラー4は、本発明における「光走査部」の一例である。
アイソレート光学系5は、投射光L1の光路と戻り光L2の光路を分離し、投射光L1をMEMSミラー4へ導くと共に、戻り光L2を受光部3へ導く。この場合、アイソレート光学系5は、投射光L1の損失を生じさせることなく、計測装置100に入射した戻り光L2を全てまたはほとんどを受光部3へ導く。アイソレート光学系5の構成例については図2を参照して後述する。
制御部2は、光源部1からの投射光L1の出射を制御するとともに、受光部3から供給された検出信号を処理して計測対象物10までの距離を算出する。また、制御部2は、MEMSミラー4の傾きに関する制御信号をMEMSミラー4に送信することで、投射光L1の照射方向をMEMSミラー4により変化させる。
[アイソレート光学系]
次に、アイソレート光学系5の詳細について説明する。図2は、アイソレート光学系5を概略的に示した図である。図2に示すように、アイソレート光学系5は、分離部6と、ミラー7(7A、7B)と、コリメータレンズ8と、集光レンズ9とを備える。なお、図2では、投射光L1を実線により示し、戻り光L2を一点鎖線により示している。
分離部6は、投射光L1の光軸上に存在し、本実施例ではミラー7Aの中心に形成された孔70に嵌め込まれている。分離部6は、光源部1側に存在する偏光ビームスプリッタ60と、MEMSミラー4側に存在する1/4波長板61とを有する。偏光ビームスプリッタ60は、光源部1から入射するP偏光の投射光L1を透過させ、1/4波長板61から入射するS偏光の戻り光L2を反射して集光レンズ9へ導く。1/4波長板61は、偏光ビームスプリッタ60から入射するP偏光の投射光L1を左回り円偏光に変換し、計測対象物10から反射された右回り円偏光の戻り光L2をS偏光に変換する。分離部6の具体的な作用については図3を参照して後述する。分離部6は、本発明における「光学素子」の一例である。
ミラー7Aは、投射光L1の光軸と重なる中心部分に孔70が形成されており、投射光L1を通過させると共に、MEMSミラー4から反射された戻り光L2の一部を集光レンズ9へ向けて反射する。ここで、計測対象物10に入射した投射光L1は、計測対象物10で散乱光として所定の広がり角を有して反射され、戻り光L2としてMEMSミラー4に入射する。そしてMEMSミラー4で反射した戻り光L2の光軸を含む中心部分は孔70に嵌め込まれた分離部6に入射し、他の外縁部分の戻り光L2はミラー7Aに入射する。ミラー7Aは、本発明における「反射透過部」の一例であり、孔70は、本発明における「所定領域」の一例である。
ミラー7Bは、分離部6で反射された戻り光L2が入射し、当該戻り光L2を集光レンズ9へ向けて反射する。集光レンズ9は、ミラー7A又はミラー7Bにより反射された戻り光L2を集光して受光部3へ導く。ミラー7Bは、本発明における「反射部」の一例である。また、MEMSミラー4の動きに同期して戻り光L2がレンズ9を介して受光部3の中心に集光するよう、ミラー7Cを駆動してもよい。
図3は、分離部6へ入射する投射光L1及び戻り光L2を概略的に示した図である。図3では、投射光L1及び戻り光L2の偏光方向が明示されている。上述したように、本実施例では、光源部1からP偏光となる投射光L1が偏光ビームスプリッタ60に入射する。ここで、偏光ビームスプリッタ60は、P偏光を透過し、S偏光を反射する性質を有する。従って、偏光ビームスプリッタ60は、入射した投射光L1をP偏光のまま透過させる。その後、投射光L1は、1/4波長板61へ入射する。この場合、1/4波長板61は、入射した投射光L1の偏光方向をP偏光から左回り円偏光に変換する。その後、左回り円偏光の投射光L1は、計測対象物10で反射されることにより、右回り円偏光の戻り光L2となって再び1/4波長板61へ入射する。この場合、1/4波長板61は、戻り光L2の偏光方向を右回り円偏光からS偏光に変換する。そして、1/4波長板61から偏光ビームスプリッタ60に入射したS偏光の戻り光L2は、偏光ビームスプリッタ60によって反射されて集光レンズ9へ導かれる。
このように、分離部6は、投射光L1を透過させる一方、戻り光L2を反射して戻り光L2が受光部3に導かれるように戻り光L2の光路を変更させる。従って、計測装置100は、図2に示すアイソレート光学系5を備えることで、投射光L1がアイソレート光学系5を通過する際に損失を生じさせることなく投射光L1を計測装置100の外部へ出射させると共に、計測装置100に入射した戻り光L2をアイソレート光学系5により受光部3へ導くことができる。これにより、計測装置100は、十分な光量の戻り光L2を受光部3に受光させることができ、計測対象物10が遠方に存在する場合や計測対象物10の反射率が低い場合であっても、的確に計測対象物10の測距を行うことができる。
[他の構成例]
次に、図2に示した計測装置100の光学系に関する構成例(「第1構成例」とも呼ぶ。)以外の他の構成例(第2〜第6構成例)について順に説明する。以後では、同一の構成要素については適宜同一の符号を付し、その説明を省略する。
(第2構成例)
図4は、アイソレート光学系5Aを備える計測装置100の第2構成例を示す。アイソレート光学系5Aは、分離部6と、ミラー7Cと、コリメータレンズ8と、集光レンズ9とを備える。そして、受光部3、集光レンズ9、光源部1、コリメータレンズ8、分離部6、MEMSミラー4は、この順番により略同一軸(即ち投射光L1の光軸と重なる軸)上に存在している。
第2構成例では、光源部1から出射されたP偏光の投射光L1は、コリメータレンズ8により平行光に変換された後、第1構成例と同様に分離部6を通過してMEMSミラー4で反射されることにより、計測対象物10に入射する。従って、この場合、投射光L1は、アイソレート光学系5Aによる光の損失は生じない。
また、計測対象物10での反射時に散乱光となって所定の広がり角によりMEMSミラー4に入射した戻り光L2は、MEMSミラー4で反射した後、光軸を含む中心部分は分離部6に入射し、他の外縁部分は集光レンズ9へ入射する。即ち、投射光L1の光軸付近を通る戻り光L2については分離部6に入射し、投射光L1の光軸から外れた他の戻り光L2については集光レンズ9へ入射する。ここで、分離部6に入射した戻り光L2は、分離部6によりミラー7Cへ向けて反射され、ミラー7Cにより集光レンズ9へ導かれる。そして、集光レンズ9は、MEMSミラー4での反射後に直接入射した戻り光L2及びミラー7Cで反射された戻り光L2の両方を集光して受光部3へ導く。
このように、第2構成例の場合であっても、第1構成例と同様に、投射光L1がアイソレート光学系5Aを通過する際に損失を生じさせることなく投射光L1を計測装置100の外部へ出射させると共に、計測装置100に入射した戻り光L2をアイソレート光学系5Aにより受光部3へ導くことができる。また、第2構成例に係るアイソレート光学系5Aは、孔の空いたミラー(第1構成例ではミラー7A)を用いていないこと、及び、光源部1、受光部3、MEMSミラー4及び分離部6等が同一軸上に存在することから、製造・設計が比較的容易である。なお、第2構成例において、ミラー7Cは、本発明における「反射部」の一例であり、分離部6が載置された領域は、本発明における「所定領域」の一例である。また、MEMSミラー4の動きに同期して戻り光L2のうちミラー7Cで反射する光束がレンズ9を介して受光部3の中心に集光するよう、ミラー7Cを駆動してもよい。
(第3構成例)
図5は、アイソレート光学系5Bを備える計測装置100の第3構成例を示す。また、図6は、第3構成例に係る光源部1及び受光部3を戻り光L2が入射する方向から観察した図である。
第3構成例に係るアイソレート光学系5Bは、分離部6と、ミラー7Cと、コリメータレンズ8とを備える。そして、第3構成例では、光源部1及び受光部3Aは、投射光L1の出射方向を法線とする面を有する円板形状となっている。そして、光源部1は、受光部3Aに嵌め込まれており、円板形状の面の内側(中心部分)には光源部1が配置され、面の外側には受光部3Aが配置されている。
そして、第3構成例では、計測対象物10で反射して所定の広がり角によりMEMSミラー4に入射した戻り光L2は、MEMSミラー4で反射した後、投射光L1の光軸付近を通る光については分離部6に入射し、他の光については受光部3Aへ直接入射する。ここで、分離部6に入射した戻り光L2は、第2構成例と同様にミラー7Cへ向けて反射され、ミラー7Cにより受光部3Aへ導かれる。このように、第3構成例に係る計測装置100は、第1及び第2構成例と同様に、アイソレート光学系5Bによる損失を生じさせることなく投射光L1を計測装置100の外部へ出射し、かつ、計測装置100に入射した全ての戻り光L2を受光部3へ入射させることができる。また、MEMSミラー4の動きに同期して戻り光L2のうちミラー7Cで反射する光束が受光部3の中心に集光するよう、ミラー7Cを駆動してもよい。
(第4構成例)
図7は、アイソレート光学系5Cを備える計測装置100の第4構成例を示す。第4構成例に係るアイソレート光学系5Cは、第1構成例のアイソレート光学系5と同様に、MEMSミラー4で反射された戻り光L2を集光レンズ9へ導くミラー7Aを備える。そして、第4構成例に係るアイソレート光学系5Cでは、分離部6が光源部1とコリメータレンズ(光束収束光学系)8との間に設けられ、2つの受光部3X、3Yが存在する点において、第1構成例に係るアイソレート光学系5と異なる。
第4構成例では、分離部6及びコリメータレンズ8を通過した投射光L1は、ミラー7Aの孔70の通過後、MEMSミラー4により反射されて計測対象物10に入射する。そして、計測対象物10で反射されてMEMSミラー4に入射した戻り光L2は、さらにMEMSミラー4により反射され、投射光L1の光軸付近を通る戻り光L2については孔70を通過し、他の戻り光L2についてはミラー7Aに入射する。
ミラー7Aに入射した戻り光L2は、ミラー7Aにより反射されて集光レンズ9に入射し、集光レンズ9により集光されて受光部3Xへ入射する。一方、孔70を通過した戻り光L2は、コリメータレンズ8を通過して分離部6に入射し、分離部6により反射されて受光部3Yへ入射する。その後、受光部3X及び受光部3Yがそれぞれ検出した光量の加算値を示す信号が制御部2へ供給される。なお、受光部3Yは、コリメータレンズ8から受光部3Yまでの光路長がコリメータレンズ8から光源部1(半導体レーザ)までの距離とほぼ同じ距離になるように配置されるとよい。また、MEMSミラー4の動きに同期して戻り光L2のうちミラー7Aで反射する光束が受光部3の中心に集光するよう、ミラー7Aを駆動してもよい。
このように、第4構成例に係る計測装置100は、第1〜第3構成例と同様、アイソレート光学系5Cによる損失を生じさせることなく投射光L1を出射し、かつ、計測装置100に入射した全ての戻り光L2を受光部3Xまたは受光部3Yへ入射させて戻り光L2の光量を適切に検出することができる。受光部3Xは、本発明における「第1受光部」の一例であり、受光部3Yは、本発明における「第2受光部」の一例である。また、分離部6と受光器3Yの間に任意の焦点距離のレンズを挿入してもよい。
(第5構成例)
図8は、アイソレート光学系5Dを備える計測装置100の第5構成例を示す。第5構成例に係るアイソレート光学系5Dは、ミラー7A及び集光レンズ9の代わりにハーシェルタイプの凹面鏡7Dを備え、1つの受光部3により戻り光L2を受光させる点において第4構成例と異なる。
凹面鏡7Dは、反射した戻り光L2が受光部3に入射するように、投射光L1及び戻り光L2の光軸に対して傾けられている。また、凹面鏡7Dは、ミラー7Aと同様、投射光L1の光路を遮断しないように、中心部分に孔71が設けられている。凹面鏡7Dは、本発明における「反射透過部」の一例である。
第5構成例では、コリメータレンズ8及び分離部6を通過した投射光L1は、孔71を通過してMEMSミラー4に反射されて計測対象物10に入射する。計測対象物10で反射されてMEMSミラー4に入射した戻り光L2は、さらにMEMSミラー4により反射され、投射光L1の光軸付近を通る戻り光L2については孔71を通過し、他の戻り光L2については凹面鏡7Dに入射する。そして、凹面鏡7Dに入射した戻り光L2は、凹面鏡7Dにより反射されて受光部3に集光する。一方、孔71を通過した戻り光L2は、コリメータレンズ8を通過して分離部6により反射された後、さらにミラー7Eにより反射されて受光部3へ導かれる。また、MEMSミラー4の動きに同期して戻り光L2のうちミラー7D、7Eで反射する光束が受光部3の中心に集光するよう、ミラー7D及びミラー7Eの少なくとも一方を駆動してもよい。
第5構成例では、第4構成例での効果に加えて、1つの受光部3により全ての戻り光L2を受光することができる。このように、ハーシェルタイプの凹面鏡7Dを用いることで、光学設計が容易となる。
(第6構成例)
図9は、アイソレート光学系5Eを備える計測装置100の第6構成例を示す。第6構成例に係るアイソレート光学系5Eは、孔が設けられていないハーシェルタイプの凹面鏡7Fを有する点で、第5構成例と異なる。
第6構成例では、光源部1から出射された投射光L1は、コリメータレンズ8及び分離部6を通過後に凹面鏡7Fに反射されMEMSミラー4に入射する。この場合、コリメータレンズ8は、好適には、凹面鏡7Fで反射された投射光L1が平行光になるように、即ちコリメータレンズ8と凹面鏡7Fとの光学的作用の合計により投射光L1が平行光になるように設計される。その後、投射光L1は、MEMSミラー4で反射されて計測対象物10に入射する。計測対象物10で反射した戻り光L2は、散乱光となって所定の広がり角を有しながらMEMSミラー4に入射し、MEMSミラー4に反射されることで凹面鏡7Fに入射する。そして、凹面鏡7Fに入射した戻り光L2は、凹面鏡7Fの光学的作用に基づき集光しつつ分離部6に入射し、分離部6で反射されて受光部3へ導かれる。
このように、第6構成例では、計測装置100に入射した戻り光L2は、全て凹面鏡7Fで反射されて分離部6に集光される。よって、第6構成例によっても、第1〜第5構成例と同様に、アイソレート光学系5Eによる損失を生じさせることなく投射光L1を計測装置100の外部へ出射し、かつ、計測装置100に入射した全ての戻り光L2を受光部3へ入射させることができる。また、一般的に、ハーシェルタイプの凹面鏡に孔を設けるのは容易ではない。これに対し、第6構成例では、孔が空いていないハーシェルタイプの凹面鏡7Fを用いるため、第5構成例と比較して製造が容易である。また、MEMSミラー4の動きに同期して戻り光L2のうちミラー7Fで反射する光束が受光部3の中心に集光するよう、ミラー7Fを駆動してもよい。
以上説明したように、本実施例に係る計測装置100は、計測対象物10に向けて出射されたレーザ光の戻り光L2を受光部3が受光することにより計測対象物10までの距離を計測する計測装置であって、投射光L1を出射する光源部1と、アイソレート光学系5とを備える。アイソレート光学系5は、投射光L1を透過し、当該投射光L1の光路を含む所定領域を通過する戻り光L2を反射して受光部3に受光させる。これにより、計測装置100は、アイソレート光学系5による損失を生じさせることなく投射光L1を出射し、かつ、計測装置100に入射した全ての戻り光L2を受光部3へ入射させることができる。
[変形例]
計測装置100の構成は、図1等に示す構成に限定されない。例えば、計測装置100は、MEMSミラー4に代えて、モータにより回転する回転体に設けられたプリズム等であってもよい。
1 光源部
2 制御部
3 受光部
4 MEMSミラー
5、5A〜5E アイソレート光学系
10 計測対象物
100 計測装置

Claims (9)

  1. 対象物に向けて出射されたレーザ光の戻り光を受光部が受光することにより前記対象物までの距離を計測する計測装置であって、
    前記レーザ光を出射する出射部と、
    出射された前記レーザ光を透過し、当該レーザ光の光路を含む所定領域を通過する前記戻り光を反射して前記受光部に受光させる光学素子と、
    を備えることを特徴とする計測装置。
  2. 前記光学素子によって反射された前記戻り光を前記受光部に向けて反射する反射部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記受光部は、前記所定領域の外を通過した前記戻り光を受光する第1受光部と、前記光学素子によって反射された前記戻り光を受光する第2受光部と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の計測装置。
  4. 前記出射部は、P偏光のレーザ光を出射し、
    前記光学素子は、P偏光を透過してS偏光を反射する偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタを通過後の前記レーザ光及び前記偏光ビームスプリッタに入射前の前記戻り光が通過する位置に設けられた1/4波長板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の計測装置。
  5. 前記所定領域の外に入射する前記戻り光を反射して前記受光部に受光させ、かつ、前記所定領域に入射する前記戻り光を通過させる孔を有する反射透過部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の計測装置。
  6. 前記光学素子は、前記孔に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の計測装置。
  7. 前記受光部と、前記出射部と、前記光学素子とは、略同一軸上に配置され、
    前記受光部と前記出射部との間には、前記戻り光を前記受光部に集光させる集光レンズが設けられ、
    前記所定領域を通過する前記戻り光は、前記光学素子での反射後、前記集光レンズに向けて反射する反射部により反射され、
    前記所定領域の外を通過する前記戻り光は、前記集光レンズに入射することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の計測装置。
  8. 前記レーザ光の出射方向を法線とする面の内側に前記出射部、外側に前記受光部が形成され、
    前記所定領域を通過する前記戻り光は、前記光学素子での反射後、前記受光部に向けて反射する反射部により反射され、
    前記所定領域の外を通過する前記戻り光は、前記受光部に入射することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の計測装置。
  9. 前記出射部が出射するレーザ光を光走査部へ反射し、かつ、前記光走査部から入射した前記戻り光を前記光学素子へ集光させるように配置された凹面鏡をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の計測装置。
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