JPH1126444A - 低誘電率材料、層間絶縁膜及びic基板 - Google Patents
低誘電率材料、層間絶縁膜及びic基板Info
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- JPH1126444A JPH1126444A JP17726197A JP17726197A JPH1126444A JP H1126444 A JPH1126444 A JP H1126444A JP 17726197 A JP17726197 A JP 17726197A JP 17726197 A JP17726197 A JP 17726197A JP H1126444 A JPH1126444 A JP H1126444A
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Abstract
れる、比誘電率が3.0未満の低誘電率材料を提供す
る。 【解決手段】 −O−M−(MはB、Al、Si、T
i、Ge、Y、Zr、Nb、Taの中から選ばれた少な
くとも1種類以上の元素)をユニットとする主鎖を有す
る高分子材料において、主たる末端の化学構造を、−O
−MR1 R2 …Rn- 1 (R1 、R2 、…、Rn-1 は末端
基で、nは元素Mの原子価)とし、そのMR 1 …Rn-1
部分の全結合原子対を電気陰性度の差0.7以下とす
る。
Description
などに用いられる絶縁膜、電気回路部品として用いられ
るIC基板など低誘電率材料に関するものである。
つれ、配線間ならびに層間の容量に起因する信号の遅延
が問題になりつつある。これを解決するためには、層間
絶縁膜の誘電率を下げることが有効な手段である。
シランを加水分解して作製したゾルをスピンオングラス
(SOG)法によって成膜する方法が知られている。し
かし、このようにして作製した材料の分子構造は、≡S
i−O−Si≡の三次元網目構造で空隙を全く有しない
ものであり、誘電率は4.0と高かった。誘電率を下げ
るための方法の1つとして、材料を低密度化することが
考えられる。低密度化の方法として、多孔質化する方法
と、分子構造を疎にする方法がある。
は4.7から2.3まで下げられる[青井、第43回応
用物理学会講演予稿集、26p−N−5(199
6)]。しかし、多孔質膜は吸湿性などに問題があるた
め、通常の半導体素子や電気回路部品に使うことが難し
い。一方、分子構造を疎にできる材料としてHO−〔S
i(CH3 )2 −O〕n −H(nは平均40)で表され
る骨格を有するシロキサンポリマーを各種金属アルコキ
シドを用いて架橋させたものがある[山田ら、日本セラ
ミックス協会秋季シンポジウム講演予稿集、p1(19
96)]。この材料ではシロキサンポリマー部分での架
橋が起こり得ないため、低密度化が実現すると考えられ
る。しかしながら、このようにして作製した材料の誘電
率は3.2〜3.7で低誘電率化はまだ不十分なもので
あった。
く、半導体素子、電気回路部品などに適用可能な低誘電
率材料を提供するものである。
Y、Zr、Nb、Taの中から選ばれた少なくとも1種
類以上の元素)をユニットとする主鎖を有する高分子材
料において、主たる末端の化学構造が、−O−MR1 R
2 …Rn-1 (R 1 、R2 、…、Rn-1 は末端基で、nは
元素Mの原子価)であり、MR1 …Rn- 1 部分の全結合
原子対が電気陰性度の差0.7以下であることを特徴と
する低誘電率材料。 [2]前記1の低誘電率材料において、末端の80%以
上が、−O−MR1 R 2 …Rn-1 (R1 、R2 、…、R
n-1 は末端基で、nは元素Mの原子価)であり、MR1
…Rn-1 部分の全結合原子対が電気陰性度の差0.7以
下であることを特徴とする低誘電率材料。 [3]前記1又は2の低誘電率材料において、R1 、R
2 、…Rn-1 がアルキル基、H、BR2 (RはHまた
はアルキル基)、AlH2 の中から選ばれた置換基であ
ることを特徴とする低誘電率材料。 [4]前記1、2または3記載の低誘電率材料から成る
層間絶縁膜。 [5]前記1、2または3記載の低誘電率材料から成る
IC基板。により達成される。
す物性値であるが、その起源は、材料を構成する分子の
配向による分極と、個々の分子に誘起される分極であ
る。三次元的網目構造を有する材料では、配向分極は無
視できるため、誘電率εは材料の密度ρと材料を構成す
る分子の分極率αにより
A はアボガドロ数である。さらに、分極率は電子分極率
と、分子振動に起因する振動分極率の和で与えられる。
本発明の材料の様に共役電子を含まない場合、電子分極
率は分子中の各化学結合に固有な電子分極率の総和にほ
ぼ等しく、分子構造の影響は極めて小さい。一方、振動
分極率は全ての基準振動モードからの寄与の総和として
ト、aは基準振動モードを表し、Qaは基準振動座標、
ωa は基準振動数である。電子分極率と振動分極率は、
いずれも分子軌道法を用いて計算可能である。本発明で
は、AM1近似の分子軌道法を用い、電子分極率はMO
PAC93プログラムのTDHF法により、振動分極率
はGaussian94プログラムの振動解析を利用し
て(数2)より計算した。
料の合成には、アルコキシシラン、シロキサンポリマ
ー、金属アルコキシドなどを加水分解し、脱水反応によ
り重合させる手法が取られるが、このようにして合成し
た材料の主鎖骨格の模式図を図1に示す。主鎖骨格の全
体は、太線で示す末端を有する部分構造と、それ以外の
末端を持たない部分構造(環状構造等)に分けられる。
一般に、アルコキシシランやシロキサンポリマーは、架
橋剤である金属アルコキシドより反応性が低いため、末
端の大部分は加水分解により生成したSiOH(シラノ
ール)基であると考えられる。
1)に示す鎖状分子(RがOH)を、末端を持たない部
分構造のモデルとして(化2)に示す環状分子を考え、
分子軌道法を用いてそれぞれの分極率を計算した。
が、鎖状分子の振動分極率は環状分子の約4倍にも達す
る。また、鎖状分子の振動分極率を(数2)に基づいて
解析すると、最大の寄与は最低基準振動(振動数5.2
cm-1)によることがわかった。(化3)に示すように
(式中、側鎖のメチル基は省略)、
H基の酸素原子が正に帯電した水素原子に対して大きく
変位している。このため、(化3)に示す向きの双極子
モーメントの変化が大きくなり、振動分極を増大させる
ことになる。このように末端部分が相対的に大きく変位
する低振動数の基準振動はポリアセチレン(J. Chem. P
hys., 104 , 4125 (1996))やポリエチレン(J. Chem. S
oc. Faraday Trans., 91, 1641 (1995))など、他の高分
子でも確認されており、鎖状高分子に共通の特徴と考え
られる。
くするためには、末端置換基の極性を小さくして、振動
分極を抑制することが効果的と考えられる。(化4)に
様々な末端置換基Rの場合に、Si−R部分における結
合原子間の電気陰性度(Paulingの値:化学便覧
(丸善、1990)より引用)の差を示す。この差が小
さいほど、その結合の極性は小さいと考えられる。
る(化1)のモデル分子に対する分極率の計算値を示
す。(化4)と表1より明らかなとおり、末端Si−R
部分の全結合原子対が電気陰性度の差0.7以下である
(a)〜(f)の置換基の場合、その値が0.7を越え
る結合を含む(g)〜(j)と比較して振動分極率が1
/2〜1/3の低い値である。
は、たとえば、作製した材料をR1 3 SiOR
2 (R1 、R2 はアルキル基)などを加水分解した溶液
に浸し、SiOH基とR1 3 SiOHを効率よく反応さ
せるため、115〜400nmの波長領域にある紫外線を
照射し、光エネルギーにより脱水縮合を促進させてSi
−O−SiR1 3 を生成させればよい。
間絶縁膜、IC基板など各種電子部品に応用することが
できる。
例によって具体的に説明する。ただし、本発明はこれら
の実施例等だけに限定されるものではない。
すモデル分子の分極率をもとに、(数1)を用いて材料
の誘電率を算出した例である。材料を構成する高分子鎖
全体の中で、末端を有する部分と末端を持たない部分
(例えば環状構造)の比率をx:(1−x),(0≦x
≦1)とする。さらに、末端を有する部分について、末
端構造が−O−Si(CH3 )2 R(RはOH以外の
基)であるものと−O−Si(CH3 )2 OHであるも
のの比率をy:(1−y),(0≦y≦1)とする。こ
の時、(数1)は
端基RがOHでない鎖状分子の分極率、αOHは特に末端
基がOHの場合の分極率であり、α′は図2に示す環状
分子の分極率であり、WR 、WOH、W′はそれらモデル
分子の分子量である。これらの分極率に表1の計算値を
用い、密度ρを1.07g/cm3 と仮定することにより
誘電率を算出した。その結果を表2に示す。
示す置換基Rに置換した材料であり、いずれの場合も8
0%以上を置換することにより、誘電率は3.0未満の
低い値を示す。一方、計算例7は全ての末端にOH基を
有するため、誘電率は3.0を越えた高い値である。
はHO−〔Si(CH3 )2 −O〕 40−Hで表されるシ
ロキサンポリマーおよび表3に示した金属のアルコキシ
ドを原料として作製した。
モル比は、実施例1では4:1、実施例2では2:1、
実施例3では4:1、実施例4では3:1とした。これ
らをエタノール溶媒中で撹拌し、水のエタノール溶液を
添加して加水分解し、ゾルを調製した。得られたゾルを
アルミシャーレに流し込み70℃、150℃の2段階で
熱処理し、厚さ0.3mmの板状試料を作製した。この板
状試料をトリエチルシラノール(C2 H5 )3 SiOH
のエタノール溶液に1時間浸した。その後、70℃で1
時間乾燥させた後、1W/cm2 の254nmの紫外線を照
射しながら、150℃で2時間熱処理した。
−O〕40−Hで表されるシロキサンポリマーおよび表3
に示した金属のアルコキシドを原料として作製した。金
属アルコキシドとシロキサンポリマーのモル比は、比較
例1では4:1、比較例2では2:1、比較例3では
4:1、比較例4では3:1とした。これらをエタノー
ル溶媒中で撹拌し、水のエタノール溶液を添加して加水
分解し、ゾルを調製した。得られたゾルをアルミシャー
レに流し込み70℃、150℃の2段階で熱処理し、厚
さ0.3mmの板状試料を作製した。
粉末状にして、室温で真空デシケータ中に24時間放置
し、吸着水を取り除いた後、FT−IRスペクトルを測
定した。比較例1〜4の試料では3738および980
cm-1に見られる水素結合でつながっていない自由なSi
OH基に帰属されるピークが検出されたが、実施例1〜
4の試料では、いずれのピークも観測されなかった。
較例1〜4の試料ではD1(−O−Si(CH3 )2 −
OHに対応する末端のSi)およびD2(−O−Si
(CH 3 )2 −O−に対応するSi)の位置にピークが
検出されたが、実施例1〜4の試料ではD1のピークが
消失しており、D2のピークと共に−Si−O−Si*
(C2 H5 )3 のSi* に対応する新たなピークが検出
された。
を測定した結果を表3に示す。実施例1〜4の試料は末
端のOH基が消失しているため、誘電率は3.0以下の
低い値であったが、比較例1〜4の試料はSiOH基が
残存するため、誘電率は3.0を越える高い値であっ
た。
の低誘電率材料が得られる。LSI用層間絶縁膜、IC
基板など、半導体素子および電気回路部品へこの低誘電
率材料を適用することにより、電気信号の遅延が小さく
なるため、デバイスの高速化に対応することができる。
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】 −O−M−(MはB、Al、Si、T
i、Ge、Y、Zr、Nb、Taの中から選ばれた少な
くとも1種類の元素)をユニットとする主鎖を有する高
分子材料において、主たる末端の化学構造が、−O−M
R1 R2 …Rn- 1 (R1 、R2 、…、Rn-1 は末端基
で、nは元素Mの原子価)であり、MR1…Rn-1 部分
の全結合原子対が電気陰性度の差0.7以下であること
を特徴とする低誘電率材料。 - 【請求項2】 請求項1記載の低誘電率材料において、
末端の80%以上が、−O−MR1 R2 …R
n-1 (R1 、R2 、…、Rn-1 は末端基で、nは元素M
の原子価)であり、MR1 …Rn-1 部分の全結合原子対
が電気陰性度の差0.7以下であることを特徴とする低
誘電率材料。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の低誘電率材料にお
いて、R1 、R2 、…Rn-1 がアルキル基、H、BR2
(RはHまたはアルキル基)、AlH2 の中から選ばれ
た置換基であることを特徴とする低誘電率材料。 - 【請求項4】 請求項1、2または3記載の低誘電率材
料から成る層間絶縁膜。 - 【請求項5】 請求項1、2または3記載の低誘電率材
料から成るIC基板。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17726197A JP3854371B2 (ja) | 1997-07-02 | 1997-07-02 | 低誘電率材料、層間絶縁膜及びic基板 |
PCT/JP1998/002367 WO2004074355A1 (ja) | 1997-05-28 | 1998-05-28 | 低誘電率材料、 その製造および使用 |
US09/424,583 US6589644B1 (en) | 1997-05-28 | 1998-05-28 | Low dielectric constant materials and their production and use |
US10/121,381 US6737118B2 (en) | 1997-05-28 | 2002-04-12 | Low dielectric constant materials and their production and use |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP17726197A JP3854371B2 (ja) | 1997-07-02 | 1997-07-02 | 低誘電率材料、層間絶縁膜及びic基板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1126444A true JPH1126444A (ja) | 1999-01-29 |
JP3854371B2 JP3854371B2 (ja) | 2006-12-06 |
Family
ID=16027981
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17726197A Expired - Lifetime JP3854371B2 (ja) | 1997-05-28 | 1997-07-02 | 低誘電率材料、層間絶縁膜及びic基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3854371B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10330486A (ja) * | 1997-05-28 | 1998-12-15 | Nippon Steel Corp | 低誘電率材料 |
JP2004152883A (ja) * | 2002-10-29 | 2004-05-27 | Shinko Electric Ind Co Ltd | キャパシタ素子及びこの製造方法、半導体装置用基板、並びに半導体装置 |
JP2004152884A (ja) * | 2002-10-29 | 2004-05-27 | Shinko Electric Ind Co Ltd | 半導体装置用基板及びこの製造方法、並びに半導体装置 |
JP2008078621A (ja) * | 2006-08-21 | 2008-04-03 | Fujitsu Ltd | 絶縁膜、多層配線装置の製造方法および多層配線装置 |
-
1997
- 1997-07-02 JP JP17726197A patent/JP3854371B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH10330486A (ja) * | 1997-05-28 | 1998-12-15 | Nippon Steel Corp | 低誘電率材料 |
JP2004152883A (ja) * | 2002-10-29 | 2004-05-27 | Shinko Electric Ind Co Ltd | キャパシタ素子及びこの製造方法、半導体装置用基板、並びに半導体装置 |
JP2004152884A (ja) * | 2002-10-29 | 2004-05-27 | Shinko Electric Ind Co Ltd | 半導体装置用基板及びこの製造方法、並びに半導体装置 |
US7223652B2 (en) | 2002-10-29 | 2007-05-29 | Shinko Electric Industries Co., Ltd. | Capacitor and manufacturing method thereof, semiconductor device and substrate for a semiconductor device |
JP2008078621A (ja) * | 2006-08-21 | 2008-04-03 | Fujitsu Ltd | 絶縁膜、多層配線装置の製造方法および多層配線装置 |
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JP3854371B2 (ja) | 2006-12-06 |
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