JPH11264418A - 転がり軸受用保持器 - Google Patents

転がり軸受用保持器

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JPH11264418A
JPH11264418A JP10068448A JP6844898A JPH11264418A JP H11264418 A JPH11264418 A JP H11264418A JP 10068448 A JP10068448 A JP 10068448A JP 6844898 A JP6844898 A JP 6844898A JP H11264418 A JPH11264418 A JP H11264418A
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JP
Japan
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synthetic resin
cage
layer silicate
composite material
retainer
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JP10068448A
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Akinari Ohira
晃也 大平
Masaki Egami
正樹 江上
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸受の高速回転によって遠心力による変形量
が小さい軽量の保持器とし、また保持器の転走面その他
の表面を平滑にして振動や音響が小さく、かつ使用中に
熱変形等の変形があっても異方性がなくて軸受の回転に
悪影響を与えにくい転がり軸受用保持器とすることであ
る。 【解決手段】 ポリアミド樹脂のような陽イオン基を有
する合成樹脂の分子鎖と、モンモリロナイトのような負
電荷を有する層状ケイ酸塩とをイオン結合させた状態
で、合成樹脂80〜99.5重量%中に層状ケイ酸塩
0.5〜20重量%を均一分散させた複合材料からなる
転がり軸受用保持器とする。合成樹脂中の層状ケイ酸塩
が分子レベルで均一に分散されているので、曲げ強度や
弾性率について保持器に所要の優れた機械的強度が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、転がり軸受用保
持器に関する。
【0002】
【従来の技術】転がり軸受の成形材料として、金属、合
成樹脂の単体または合成樹脂と繊維状強化材との複合材
料があり、合成樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリア
セタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの
射出成形可能な合成樹脂が主として使用されている。ま
た、複合材料の合成樹脂に混合される繊維状強化材とし
ては、ガラス繊維、炭素繊維、有機繊維などが知られて
いる。
【0003】図2に示した冠型の軸受用保持器は、環状
の保持器本体1の端面に、周方向に一定間隔で対向する
2つ一組の保持爪2を設け、この保持爪2は互いに接近
する方向に湾曲させてその間に球面状のボール保持用ポ
ケット3を形成した軸受用保持器である。このような冠
型の軸受用保持器は、間隔を開けて形成された保持爪2
の背面間に保持爪2が立ち上がる平坦な基準面4を有し
ている。
【0004】このような冠型その他の保持器を装着した
転がり軸受であって、特に精密な構造に形成される必要
がある軸受としては、ハードディスクドライブ(HD
D)、フロッピーディスクドライブ(FDD)、ビデオ
テープレコーダ(VTR)、デジタルオーディオテープ
レコーダ(DAT)、レーザービームプリンタ(LB
P)などの各種情報機器の回転軸を支持する転がり軸受
があり、そのうち軸受外径が9mm未満の軸受は、ミニ
チュア軸受(JIS)と呼ばれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、合成樹脂を
繊維状強化材で補強した従来の転がり軸受用保持器は、
繊維状強化材の添加効率との関係によって低比重で軽量
化することが困難であったので、高速回転時に大きな遠
心力が働いて保持器がフープ応力によって変形するとい
う問題点があった。
【0006】また、合成樹脂を繊維状強化材で補強した
転がり軸受用保持器は、表層部に繊維が存在することに
よる凹凸が形成されており、特にミニチュア軸受用保持
器ではこのような凹凸によって作動音響(騒音)が大き
くなったり、振動が発生するという問題があった。
【0007】また、合成樹脂を繊維状強化材で補強した
転がり軸受用保持器は、特にミニチュア軸受用保持器で
ある場合に成形材料の溶融粘度が比較的高いので、小型
で薄肉部分を成形する金型の隅々まで溶融した成形材料
が充填され難いという問題点があった。すなわち、繊維
状補強剤の寸法(繊維長または繊維径)と成形体の肉厚
が同等となるような小型のミニチュア軸受用保持器を成
形する場合、溶融成形時の樹脂の流れが阻害されるので
補強剤の分散状態が悪くなり、保持器の強度が低下する
という問題点があった。
【0008】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決し、転がり軸受について、または特にミニチュ
ア軸受用保持器について、軸受の高速回転によって遠心
力による変形量が小さい軽量の保持器とし、また保持器
の転走面その他の表面を平滑にして振動や音響が小さい
保持器とすることである。
【0009】また、この発明における他の課題として
は、ポケット部に薄肉で球形状の保持爪を有するミニチ
ュア軸受の冠型保持器において、保持爪に所要の機械的
強度をもたせかつこれを薄肉に形成した転がり軸受用保
持器とすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本願の発明においては、合成樹脂の分子鎖と層状ケ
イ酸塩とをイオン結合させた状態で合成樹脂中に層状ケ
イ酸塩を均一分散させた複合材料からなる転がり軸受用
保持器としたのである。または陽イオン基を有する合成
樹脂の分子鎖と負電荷を有する層状ケイ酸塩とをイオン
結合させた状態で、合成樹脂中に層状ケイ酸塩を均一分
散させた複合材料からなる転がり軸受用保持器としたの
である。
【0011】前記合成樹脂は、耐熱・耐油性の合成樹脂
であることが好ましく、前記複合材料は、合成樹脂80
〜99.5重量%、層状ケイ酸塩0.5〜20重量%の
樹脂組成物を採用することができる。
【0012】また、上記構成の転がり軸受用保持器にお
いて、合成樹脂としてポリアミド樹脂を採用することが
好ましく、前記層状ケイ酸塩としては、モンモリロナイ
トを採用することが好ましい。
【0013】また、上記の複合材料を射出成形すること
により、効率よく転がり軸受用保持器、ミニチュア転が
り軸受用保持器、またはこれらの冠型保持器を製造する
ことができる。
【0014】また、層状化合物に有機カチオンを接触さ
せ有機溶媒中で膨潤化し、これを分散用樹脂組成物と混
練した複合材料を用いて転がり軸受用保持器とすること
もできる。
【0015】上記したように構成されるこの発明の転が
り軸受用保持器は、合成樹脂の分子鎖と層状ケイ酸塩と
をイオン結合し、特に陽イオン基を有する合成樹脂の分
子鎖と負電荷を有する層状ケイ酸塩とがイオン結合した
複合材料からなるが、この複合材料は、層状ケイ酸塩の
層間に合成樹脂がイオン結合により進入したインターカ
レーションを形成することにより、合成樹脂中に層状ケ
イ酸塩(大きさ:30nm程度)が分子レベルで均一に
分散されたものであるので、曲げ強度や弾性率について
保持器に所要の優れた機械的強度がある。
【0016】また、補強剤としての層状ケイ酸塩は、
0.5〜20重量%という少量の配合量で合成樹脂の機
械的強度を向上させるので、保持器の比重が小さくなり
軽量化される。そのため、遠心力によるフープ応力が小
さくなり、軸受の高速回転状態が安定する。
【0017】また、補強剤としての層状ケイ酸塩は、3
0nm程度の分子レベルの大きさのものであるから、従
来技術の繊維状補強剤使用時のように溶融成形時の樹脂
の流れが阻害されない。すなわち、溶融成形時の複合材
料の流動性は良好であるから、小型で薄肉部分を成形す
る金型の隅々まで溶融した成形材料が充填され、ミニチ
ュア軸受であっても保持器の強度が低下しない。
【0018】また、層状ケイ酸塩は、微細な分子状態で
合成樹脂中に分散するから、保持器の表層部は凹凸がな
く平滑面になり、特にミニチュア軸受用保持器でも作動
音響(騒音)がなく、振動が発生しにくいものになる。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明に使用する合成樹脂とし
ては、転がり軸受の使用環境や摩擦熱に耐える耐熱性お
よび保持器に接するグリースや潤滑油に耐える耐油性を
備えたものであることが好ましく、例えばポリアミド、
ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニ
レンスルフィド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテ
ルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリケトン、熱可塑性ポリイミドなどが好まし
い。特にポリアミド樹脂は、耐熱性、耐油性に優れると
共に層状ケイ酸塩の均一分散性に優れ、かつ層状ケイ酸
塩と密着性がよいことからも好適である。
【0020】このようなポリアミド樹脂の具体例として
は、ポリヘキサメチレンアジパミド(6,6−ナイロ
ン)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(6,9−ナイロ
ン)、ポリヘキサメチレンセバサミド(6,10−ナイ
ロン)、ポリヘキサメチレンデカミド(6,12−ナイ
ロン)、ポリテトラメチレンアジパミド(4,6−ナイ
ロン)、ポリカプロラクタム(6−ナイロン)、ポリラ
ウリンラクタム(12−ナイロン)、ポリ−11−アミ
ノウンデカン(11−ナイロン)、ポリメタキシレンア
ジパミド(ナイロンMXD−6)などの脂肪族系ポリア
ミド樹脂が挙げられ、さらにポリメタフェニレンイソフ
タラミド、ポリパラフェニレンテレフタラミド、ポリメ
タキシリレンアジパミド(ナイロンMXD−6)などの
芳香族ポリアミド樹脂などが挙げられる。これらは、単
独で使用しても、2種以上の混合物を使用してもよい。
【0021】この発明に用いる層状ケイ酸塩としては、
フィロケイ酸塩鉱物であり、スメクタイト、バーミキュ
ライト、マイカ、クロライトなどがある。スメクタイト
構造にはサポニナイト、ヘクトライト、モンモリロナイ
ト、サウコナイトなどがある。バーミキュライト類には
トリオクトヘドラルーバーミキュライト、ジオクトヘド
ラルーバーミキュライトなどがある。マイカでは、マス
コバイト、フィロゴパイト、バイオタイト、レピドライ
ト、パラゴナイト、テトラシリシックマイカなどがあ
る。その中でも鉱物のモンモリロナイトが好適である。
また、層間の結合力の大きさの指標となる陽イオン交換
容量を自由に制御できる利点を生かし、容易にインター
カレーションが進行する層状ケイ酸塩を合成して使用す
ることもできる。すなわち、合成することで天然には存
在しないような層間距離が大寸法の層状ケイ酸塩が得ら
れるが、これを利用してもよい。
【0022】層状ケイ酸塩層間距離を広げ、ポリマーを
取り込む作用のある膨潤化剤としては、カルボキシル基
を有する有機陽イオンの他、銅イオン(Cu2+) 、水素
イオン(H+ )、アルミニウムイオン(Al3+)が挙げ
られる。前記カルボキシル基を有する有機陽イオンとし
ては、10−アミノデカン酸イオン、12−アミノドデ
カン酸イオン、14−アミノテトラデカン酸イオン、1
6−アミノヘキサデカン酸イオン、18−アミノオクタ
デカン酸イオン、4−アミノ−n−酪酸イオン、6−ア
ミノ−n−カプロン酸イオンなどが挙げられる。
【0023】前記合成樹脂80〜99.5重量%に対し
て、層状ケイ酸塩は0.5〜20重量%、好ましくは1
〜15重量%の範囲である。層状ケイ酸塩の配合量が
0.5重量%未満では分子レベルでの分散効果による強
度や弾性率の向上が認められない。また、20重量%を
越える多量に配合すると、樹脂の溶融粘度が低くなり、
所定の保持器形状に射出成形することが困難になる。
【0024】モンモリロナイトをポリアミド樹脂中に分
子レベルで分散させるためには、Si−Oの四面体が互
いに結合して形成された層間でポリアミド樹脂を合成す
る。
【0025】例えば、6−ナイロンの場合は、12−ア
ミノドデカン酸のアンモニウム塩でイオン交換したモン
モリロナイトとカプロラクタムを混合する。加熱する
と、カプロラクタムの溶融時にモンモリロナイトのケイ
酸塩層がよく膨潤する。所定の割合で混合し、100℃
で膨潤させた後、250℃で層間においてカプロラクタ
ムの開環重合が進行する。重合の進行と共に層間は広が
り、6−ナイロン中にモンモリロナイト層が均一に分散
した複合材料が合成できる。合成層状ケイ酸塩の場合も
モンモリロナイトと同様に層間でポリアミド樹脂の合成
を行なう。
【0026】また、特開平8−302062号公報で開
示されているように、膨潤性層状化合物に有機カチオン
を挿入して有機親和性を持ち合わせた上で、有機溶媒、
好ましくは電子供与性有機化合物および/または芳香族
化合物を用いて無限膨潤化し、それを結晶性樹脂または
非晶性樹脂の分散樹脂組成物と混練して層状化合物をナ
ノレベル分散させる製法を採用することもできる。
【0027】合成層状ケイ酸塩を用いる場合も同様であ
り、合成樹脂中のケイ酸塩の分散単位は10〜1000
nm、好ましくは10〜500nmである。
【0028】また、複合材料の機械的強度や成形性を向
上させる目的で射出成形性を損なわない程度に下記のよ
うな充填剤を添加してもよい。例えば、炭酸カルシウム
やタルク、クレー、マイカなどの鉱物類、ホウ酸アルミ
ニウムウィスカなどの無機ウィスカ類、またはガラス繊
維や窒化ケイ素繊維、アスベスト、石英ウール、金属繊
維等の無機繊維類もしくはこれらの編織布、またはカー
ボンブラック、黒鉛、カーボン繊維、アラミド繊維、ポ
リエステル繊維、ポリイミド樹脂やポリベンゾイミダゾ
ールなどの各種熱硬化性樹脂を添加することができる。
【0029】また、ポリテトラフルオロエチレンや窒化
ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、潤滑
油などを添加してもよい。また、複合材料の熱伝導性を
向上させる目的でカーボン繊維、金属繊維、黒鉛粉末、
酸化亜鉛、窒化アルミ粉末などを添加してもよい。
【0030】なお、この発明の効果を阻害しない配合量
で一般合成樹脂に広く適用し得る添加剤を併用してもよ
い。例えば、離型剤、難燃剤、帯電防止剤、耐候性改良
剤、酸化防止剤、着色剤などの工業用添加剤を適宜添加
してもよく、これらを添加する方法も特に限定されるも
のではない。
【0031】この発明における樹脂組成物と各種充填
剤、添加剤との混合方法は、周知方法を利用すればよ
く、例えばヘンシェルミキサー、ボールミル、タンブラ
ーミキサーなどの混合機によって混合した後、溶融混合
性のよい射出成形機もしくは2軸押出し機のような溶融
押出し機に供給するか、または予め熱ローラ、ニーダ、
バンバリーミキサ、溶融押出し機などを利用して溶融混
合してもよい。
【0032】保持器の成形方法としては、押出し成形、
射出成形、圧縮成形、真空成形、吹き込み成形、発泡成
形などのいずれの成形方法であってもよい。製造効率な
どの点で特に好ましい成形方法としては、射出成形であ
る。また、成形品に対してアニール処理等の性質改善の
ための物理化学的処理を採用してもよいのは勿論であ
る。
【0033】
【実施例】〔実施例1〜3、比較例1および2〕層状ケ
イ酸塩として、モンモリロナイト(山形県産の天然品)
を使用し、これに対し12−アミノデカン酸のアンモニ
ウム塩でイオン交換処理を行なった(以下、12−モン
モリロナイトと記す。)。
【0034】12−モンモリロナイトとε−カプロラク
タム(融点:70℃)を表1に示す割合で混合し、10
0℃で膨潤させた後、250℃に加熱して層間における
ε−カプロラクタムの開環重合を進行させ、6−ナイロ
ン中にモンモリロナイトを均一分散させた複合材料を製
造し、これをさらにペレット形状に成形した。
【0035】上記ペレットを用いて240℃にて射出成
形を行ない、以下の実験に使用する試験片を作製した。
【0036】(1)曲げ特性(曲げ強度、曲げ弾性率)
の評価 ASTM D−790規格に基づいて曲げ強度(MP
a)および曲げ弾性率(GPa)を評価し、これらの結
果を表1中に併記した。
【0037】(2)樹脂の流れ性 ミニチュア軸受用保持器の射出成形を想定し、外径4m
m、内径3.8mm、高さ5mmの円筒状試験片を射出
成形し、成形可能か否かによって樹脂流れ性を評価し
た。表1中には、成形可能であれば○印、成形できない
場合には×印で示した。
【0038】(3)音響測定 684型番相当の保持器(外径φ6.87mm、内径φ
5.30mm、高さ1.90mm、ボールポケット部:8
個)を試験品として成形し、内・外輪およびボールが軸
受鋼(SUJ2)からなる試験軸受に組み込み、回転数
10000rpm 、アキシャル荷重1kgf の条件で音響値
(dBA) を測定した。この測定結果を表1中に併記し
た。
【0039】
【表1】
【0040】表1の結果からも明らかなように、ポリア
ミド樹脂単体である比較例1では溶融樹脂の流れ性は良
好であるが、曲げ強度が108MPaであり、実施例
(ナノコンポジット材料)の約70%しかなかった。ま
た、曲げ弾性率は、2.5GPaで実施例の約55%し
かなかった。このような比較例1では、機械的強度不足
により保持器としての役目を果たさないことが明らかで
ある。
【0041】比較例2は、モンモリロナイトの配合量
が、マトリックスのポリアミド樹脂より多すぎるので、
溶融粘度が高く小型円筒状試験片の射出成形ができなか
った。
【0042】〔比較例3〜5〕表1に示す配合割合で、
6−ナイロン(東レ社製:CM1001)にガラス繊維
(旭ファイバーガラス社製:CS03MA497、チョ
ップドストランド、繊維長3mm、繊維径φ13μm)
をヘンシェルミキサーで予備混合し、次に235℃で2
軸押出し機を用いて溶融混練してペレットを作製した。
【0043】上記ペレットを用いて240℃にて射出成
形を行ない、前記実験(1)、(2)に使用する試験片
を作製した。
【0044】表1の結果からも明らかなように、比較例
3〜5の曲げ強度と曲げ弾性率は、6−ナイロン単体の
比較例1より大きいが、射出成形時の樹脂の通り口径1
00μmに対してガラス繊維径がφ13μmあること、
および混練時に繊維が折れても100μm以上の繊維長
のものが存在するので、繊維が溶融樹脂の流れ性を阻害
し、肉薄の小型保持器の成形に不適であった。また、音
響値に関しては、補強材としてガラス繊維を配合した比
較例3〜5は、31〜32dBAであった。
【0045】以上のような比較例に対して、実施例1〜
3は、曲げ強度が155〜165MPaあり、曲げ弾性
率が4.5〜4.9GPaであり、かつ樹脂の流れ性も
良好であることから、薄肉の小型保持器の成形に優れた
物性であり、かつ保持器や試験片の表面は金型表面の平
滑面がきれいに転写され、比較例のような表層部に存在
するガラス繊維による凸部や繊維脱落による凹みは観察
されなかった。また、音響値に関しても、実施例は26
〜27dBAであって比較例の音響値より低く良好な結
果であった。
【0046】また、実施例2の比重は、1.15g/c
3 であったが、保持器として一般的に用いられるガラ
ス繊維を充填した保持器である比較例5の比重は1.4
2g/cm3 であった。保持器に働く遠心力はF=mr
ω2 であることから、実施例を使用することにより、保
持器に働く遠心力を約20%減らすことができた。
【0047】さらに実施例は、低せん断領域での溶融粘
度が高いので、保持器に音響や振動を発生させるバリが
極めて少ない成形品であった。
【0048】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、合成
樹脂の分子鎖と層状ケイ酸塩とをイオン結合させた状態
で合成樹脂中に層状ケイ酸塩を均一分散させた複合材料
で形成した転がり軸受用保持器であるから、転がり軸受
について、または特にミニチュア軸受用保持器につい
て、軸受の高速回転によって遠心力による変形量が小さ
く、また保持器の転走面その他の表面を平滑にして振動
や音響が小さい保持器となる利点がある。
【0049】また、ポケット部に薄肉で球形状の保持爪
を有するミニチュア軸受の冠型保持器において、前記複
合材料で形成したものは保持爪に所要の機械的強度があ
るようにして薄肉に形成できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】冠型軸受保持器の要部を拡大した斜視図
【符号の説明】
1 保持器本体 2 保持爪 3 ポケット 4 基準面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂の分子鎖と層状ケイ酸塩とをイ
    オン結合させた状態で合成樹脂中に層状ケイ酸塩を均一
    分散させた複合材料からなる転がり軸受用保持器。
  2. 【請求項2】 陽イオン基を有する合成樹脂の分子鎖と
    負電荷を有する層状ケイ酸塩とをイオン結合させた状態
    で、合成樹脂中に層状ケイ酸塩を均一分散させた複合材
    料からなる転がり軸受用保持器。
  3. 【請求項3】 複合材料が合成樹脂80〜99.5重量
    %と層状ケイ酸塩0.5〜20重量%を含有する樹脂組
    成物である請求項1または2に記載の転がり軸受用保持
    器。
  4. 【請求項4】 合成樹脂がポリアミド樹脂である請求項
    2または請求項3に記載の転がり軸受用保持器。
  5. 【請求項5】 層状ケイ酸塩がモンモリロナイトである
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の転がり軸受用保持
    器。
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