JPH11264342A - トランクピストン形ディ―ゼル機関 - Google Patents

トランクピストン形ディ―ゼル機関

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JPH11264342A
JPH11264342A JP2390899A JP2390899A JPH11264342A JP H11264342 A JPH11264342 A JP H11264342A JP 2390899 A JP2390899 A JP 2390899A JP 2390899 A JP2390899 A JP 2390899A JP H11264342 A JPH11264342 A JP H11264342A
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JP
Japan
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piston
cylinder
diesel engine
stroke
trunk
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JP2390899A
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English (en)
Inventor
Hideaki Nakano
英明 中野
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HANSHIN DIESEL WORKS
HANSHIN DIESEL WORKS Ltd
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HANSHIN DIESEL WORKS
HANSHIN DIESEL WORKS Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 出力を低下させることのない機関全高の低い
ロングストロークタイプの4サイクルトランクピストン
形ディーゼル機関を提供することを目的とする。 【構成】 上部ピストン部1の下端に下部ピストン部2
を少なくともシリンダ7径以上の長さにわたって延設す
るとともに、シリンダ7部分を少なくとも上記下部ピス
トン部2の長さ分だけ寸法的に長く延設し、このシリン
ダ7部分に上記上部ピストン部1と下部ピストン部2を
往復動可能に配置し、上記シリンダ7部分の下部の、下
部ピストン部2が爆発行程においてシリンダ部分に作用
する側圧力が顕著に低下する領域に相当する部位に、少
なくとも連接棒の厚み以上の幅の干渉防止用の凹部7a
を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、舶用に適した低回転型
のロングストロークの4サイクルトランクピストン形デ
ィーゼル機関に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】現
在、舶用ディーゼル機関には、ピストンとクランク軸間
の連結形式により、大別して、連接棒の小端部がピスト
ンに直接連結された所謂「トランクピストン形ディーゼ
ル機関」と、シリンダとクランク室がスタフィングボッ
クスにより隔離されるとともに連接棒の小端部がクラン
ク室に設けられたクロスヘッドガイドに沿って往復動す
るクロスヘッドに連結され且つ該クロスヘッドがピスト
ンロッドを介してシリンダ内を往復動するピストンに連
結された所謂「クロスヘッド形のディーゼル機関」があ
る。上記トランクピストン形のディーゼル機関は、一般
的に、その構成上の特徴に起因して、機関出力が同じ場
合、クロスヘッド形のディーゼル機関に比べて機関の全
高を低くできるという特長を有する。このように、機関
の全高が低くなるということは、船舶のデッドスペース
が減少し、運搬有効容積が増加するという、船舶の運用
効率にとって極めて重要なメリットとなる。一方、クロ
スヘッド形のディーゼル機関は、一般に大型のディーゼ
ル機関に採用され、側圧力を別途設けたクランク室内の
クロスヘッドガイドに沿って往復するクロスヘッドで受
け、連接棒の傾斜によってシリンダの側部に作用する上
記側圧力を該クロスヘッドによって負担できるという特
長を有する。
【0003】ところで、船舶は、近年、プロペラの推進
効率向上の見地から、プロペラの回転数を従前のものに
比べて著しく低下させて使用する傾向にあり、このた
め、舶用の主機関は定格回転数の低いものが求められ
る。この要求に対して機関出力を低下させることなく対
応するためには、ピストン行程のロングストローク化を
計る必要がある。
【0004】上記クロスヘッド形のディーゼル機関は、
クロスヘッドを有することに起因して、ピストンのロン
グストローク化を計ることは機構上容易であり、現在、
S/D比(ストローク/ボアの比をいう)≒3 .8のロン
グストロークタイプのものが実用化されている。一方、
上記トランクピストン形のディーゼル機関は、上述した
構成上の特徴より、S/D比=2.0程度が実際上の限度
となっている。この分野の研究者として著名なG.Wolf氏
等によって指摘されているように、トランクピストン形
のディーゼル機関のS/D比を大きく (ロングストロー
ク化) しようとすると、図7に示すように、S/D比に
対し連接棒の長さが二次曲線的に増加し、かかる場合に
は、図8の破線e′と細線fで対比して示すように、S
/D比が2.5 程度を境にして機関の全高がクロスヘッド
形のディーゼル機関よりむしろ増加して、上述したトラ
ンクピストン形ディーゼル機関の特長,メリットを損な
わせることになる。さらに、座屈強度を上げるため連接
棒の横断面を非常に大きくしなければならず、その結
果、機関全長も増大し、運用効率の低下を意味する機関
占有容積(機関外形)、重量の増加等の新たな問題を惹
起することとなる。このため、S/D比2.0 以上のロン
グストローク化は実現していないトランクピストン形デ
ィーゼル機関の場合には、価格的に高価で且つ重量的に
も重い減速機を機関に付設することにより、上記要望に
対応しているのが現状である。
【0005】本発明は、上述のような状況のもとになさ
れたものであって、上述のような問題を伴わない、ロン
グストローク4サイクルトランクピストン形ディーゼル
機関を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる4サイク
ルトランクピストン形ディーゼル機関は、上部ピストン
部下端に下部ピストン部を少なくともシリンダ径以上に
長さにわたって延設するとともに、シリンダ部分を少な
くとも上記下部ピストン部の長さ分だけ寸法的に長く延
設し、このシリンダ部分に上記上部ピストン部と下部ピ
ストン部を往復動可能に配置し、上記シリンダ部分の下
部の、下部ピストン部が爆発行程においてシリンダ部分
に作用する側圧力が顕著に低下する領域に相当する部位
に、少なくとも連接棒の厚み以上の幅の干渉防止用の凹
部を形成したことを特徴とする。
【0007】
【作用】しかして、本発明にかかる4サイクルトランク
ピストン形ディーゼル機関は、シリンダ部分を上記長さ
にわたって延設(形成)してこの中を上部ピストン部と
下部ピストン部が行程的に重複して往復動するため、ま
た、シリンダ下部に干渉防止用の凹部を形成しているこ
とよりストロークの長さに比して連接棒の長さを短くで
きるため、ピストン行程をロングストロークにしても、
図8の太線eと細線fに図示するように、クロスヘッド
形ディーゼル機関に比して、機関の全高を低くすること
ができる。そして、ピストン全体の長さが上部ピストン
の長さに加えて少なくともシリンダ径以上の長さにわた
って延設されているため、該ピストンの単位面積当たり
の側圧力が低減され、機関の全高の低減に寄与するシリ
ンダの凹部の形成を可能にする。
【0008】しかも、本発明にかかる、トランクピスト
ン形ディーゼル機関では、上記干渉防止用の凹部が、ピ
ストンの側圧力が低くなるシリンダ部分の部位に形成さ
れているため、また上述したようにピストン全体の長さ
が長く構成されていることに起因して該ピストンの単位
面積当たりの側圧力が低減されるため、通常の運転期間
にわたって、機関の円滑な運転に支障をきたすことはな
い。
【0009】
【実施例】以下、本発明にかかる実施例を図面を参照し
ながら説明する。図1は本発明の実施例にかかるトラン
クピストン形ディーゼル機関の全体の構成を示す断面図
で、図1において、1は上部ピストン部、2は下部ピス
トン部、7はシリンダ、7aはシリンダ7に形成された
凹部である。つまり、本発明の実施例にかかるトランク
ピストン形ディーゼル機関では、ピストンは、上部ピス
トン部1の下端に下部ピストン部2を少なくともシリン
ダ径以上の長さにわたって延設している。そして、シリ
ンダ7部分を、少なくとも上記下部ピストン部2の長さ
分だけ寸法的に長く延設し、このシリンダ7部分に上記
上部ピストン部1と下部ピストン部2を往復動可能に配
置し、上記シリンダ7部分の下部の、下部ピストン部2
が爆発行程においてシリンダ7部分に作用する側圧力が
顕著に低下する領域に相当する部位に、少なくとも連接
棒の厚み以上の幅の干渉防止用の凹部7aを形成してい
る。この図1のトランクピストン形ディーゼル機関のそ
の他の構成について、ピストン以外の部分において同じ
構成を有する参考例にかかるトランクピストン形ディー
ゼル機関を示す図2〜図6を参照して、以下説明する。
図2(a) はピストンを除くその他の構成において同じ構
成を具備したトランクピストン形ディーゼル機関の、ピ
ストンが上死点位置での断面図、図2(b) はシリンダラ
イナのスリットの幅を示す図2(a) のA−A矢視図、図
3は同ピストンが下死点位置での断面図である。図2,
図3において、1′は上部ピストン、2′は下部ピスト
ンを示すが、本発明にかかる図1に示す実施例では、こ
れらが一体のピストンに形成されている。つまり、本発
明にかかるトランクピストン形ディーゼル機関では、上
述したように、図2〜図4に示すトランクピストン形デ
ィーゼル機関において、上部ピストン1′と下部ピスト
ン2′に相当する上部ピストン部1と下部ピストン部2
が一体に構成されている。図2において、3はピストン
ピン、4はロッド、5は連接棒、6はクランク軸、7は
シリンダ、8はシリンダライナを示す。このトランクピ
ストン形ディーゼル機関では、上記シリンダ7およびシ
リンダライナ8は通常のトランクピストン形ディーゼル
機関のものより少なくとも上部ピストン1′の下端より
下部ピストン2′の下端までの長さx分だけ寸法的に長
く構成されている。つまり、上部ピストン1′の下端に
下部ピストン2′を少なくともシリンダ径以上の長さに
わたって延設している。そして、このシリンダライナ8
内には、この参考例では、上部ピストン1′とその下方
に下部ピストン2′が配設され、これらはロッド4で一
体的に往復動可能に、且つ下部ピストン2′と上部ピス
トン1′はロッド4下端の連結部で回動可能に構成され
ている。従って、上部ピストン1′と下部ピストン2′
との間(ロッド4の中間部の周囲)には空隙Kが形成さ
れる。また、上記上部ピストン1′には、圧縮リングR
とその下方に油掻きリングrが配設され、また、上記下
部ピストン2′には、油掻きリングrが配設されるとと
もにその下方に油溝Qが形成されている。そして、上記
下部ピストン2′と連接棒5の小端部5aはピストンピン
3で回動可能に連結され、連接棒5の大端部5bはクラン
ク軸6に回動自在に連結されている。そして、本参考例
では、上記シリンダ7の下部の、機関の爆発行程におけ
るピストン1′,2′のシリンダライナ8に対する側圧
が小さくなっている部位、つまりクランク角で90°付近
から270 °付近にかけて下部ピストン2′が当接する部
分に、幅が上記連接棒5の厚みよりやや広い凹部7aが形
成されている。そして、上記シリンダ7の凹部7aに対応
するシリンダライナ8には、略同じ幅のスリット8aが形
成されている。つまり、上記シリンダ部分 (シリンダ7
とシリンダライナ8)の下部に、連接棒5が干渉するこ
とを防止するための干渉防止用の凹部(凹部7a, スリッ
ト8a) が形成されている。また、本参考例では、上記連
接棒5は、機関のオーバーホールの際のピストン抜き出
し高さを減少するため、上部にフランジ部分5cを設けて
脱着自在に連結することにより、分解可能に構成されて
いる。そして、図1および図2〜4に示すディーゼル機
関は、図5(a) に図示するように、上記シリンダライナ
8の下端8bは、シリンダ7側に押さえ金具9で固定さ
れ、上記スリット8a形成による強度低下を補うよう構成
されている。この押さえ金具9は、図5(b) に図示する
ように、シリンダライナ8の下端下方に隙間(ぬすみ)
15を備え、シリンダライナ8の熱膨張に対処可能に構成
されている。また、押さえ金具9のシリンダ7側への取
着孔9a表面がシリンダ7側で浅くなった傾斜面(テーパ
面)に形成されるとともに、これに対応するテーパ座金
(こうばい付座金)14を介して、シリンダライナ8の下
端が、取着ボルト10によって、シリンダ7側に引っ張り
勝手に取着されている。また、上記構成に代えて、押さ
え金具は、図6(a),(b),(c) に図示するよう、シリンダ
ライナ8のスリット8a側面およびシリンダ7の凹部7aの
側面に、押さえ金具11配設用の凹部7b,8c が形成され、
この凹部7b,8c に別の押さえ金具11がボルト12により取
着され、シリンダライナ8のスリット8aの側端面がシリ
ンダ7の凹部7aの側端面と一致した状態でシリンダ7側
に保持されるよう構成されていてもよい。そして、この
押さえ機構は、また、図6(c) に図示するように、押さ
え金具11のシリンダ7側の端部11a が突出状に形成さ
れ、この突出状の端部11a を支点として、下方に隙間13
を有する状態で螺着されたボルト12による押圧力が、シ
リンダライナ8と当接する押さえ金具11のシリンダライ
ナ8側の端部11b に作用するよう構成されている。従っ
て、この構成の場合にも、シリンダライナ8の熱膨張に
対処可能な構成となる。
【0010】そして、上記説明に用いた参考例のトラン
クピストン形ディーゼル機関では、専ら上部ピストン1
と下部ピストン2を別体に構成しこれらをロッド4で連
結したものについて説明しているが、本願発明の実施例
では、上述したように、図1に図示する如く、上部ピス
トン部1の下端に少なくともシリンダ径以上にわたって
下部ピストン部2を延設した長さ的に長いピストンに形
成する。
【0011】しかして、このように構成された本トラン
クピストン形ディーゼル機関は、以下のように作用す
る。即ち、参考例にそって説明すると、このディーゼル
機関は、図2(a) に示す上部ピストン1′と下部ピスト
ン2′がシリンダ7の上部に位置する圧縮状態 (上死点
位置) から、図4に示す上記各ピストン1′,2′がシ
リンダ7の中間に位置する膨張状態を経て、図3に示す
上記各ピストン1′,2′がシリンダ7の下部に位置す
る状態 (下死点位置) まで、上部ピストン1′と下部ピ
ストン2′は、シリンダライナ8内を互いの行程 (シリ
ンダ部分の長さ方向の摺動領域) が部分的に重複して一
体的に往復動するため、ピストンのストローク量のわり
にはシリンダ7(シリンダライナ8)の寸法が短くな
り、またシリンダライナ8にはスリット8aが、シリンダ
7には凹部7aが形成されているため、連接棒5を短くし
てシリンダ7の長手方向に対して該連接棒5の傾斜角度
を大きくしても、連接棒5がシリンダ7及びシリンダラ
イナ8と干渉することはない。このため、本ディーゼル
機関は、ロングストロークになっても、クロスヘッド形
ディーゼル機関に比して、図8の本ディーゼル機関とク
ロスヘッド形ディーゼル機関のそれぞれの全高を示す太
線e(本ディーゼル機関の全高を表す)と細線f(従来
のクロスヘッド形ディーゼル機関の全高を表す)に示す
ように、機関の全高を低くすることが可能となり、従来
のトランクピストン形ディーゼル機関の特長を損なうこ
となくロングストロークタイプ(S/D比≒4程度)の
ディーゼル機関を提供することができる。そして、本デ
ィーゼル機関は、シリンダライナ8にスリット8aを形成
しているが、図5,図6の各図に図示するように、上記
押さえ金具9、11によって下端部が強固な構造を有する
シリンダ7側に保持(取着)されているため、且つ、下
部ピストンがシリンダライナ8の上記スリット8a部分を
通過する際(クランク角で90°〜270 °の領域) の側圧
力が図10に図示するように、顕著に低下しているた
め、上記スリット8aの形成にかかわらず従来の機関に比
べて受圧面積当たりの側圧力は変化(増大)することな
く、またシリンダとシリンダライナの密着性も低下する
ことはない。従って、従来の機関と同じように、長時間
にわたって円滑な運転を維持することができる。上記参
考例では、専ら上部ピストン1′と下部ピストン2′を
別体に構成しこれらをロッド4で連結したものについて
説明したが、図1に図示する本願発明にかかる実施例の
ように、上部ピストン部1の下端に下部ピストン部2を
延設した長さの長いピストンの場合にも、上記参考例に
示すディーゼル機関の基本的な作用効果である「機関の
全高を無用に高くすることなくピストン行程をロングス
トロークにする」ことができ、かかる場合には、上述の
参考例の場合よりピストンの構造をより簡単にすること
ができるという別の利点をも有する。
【0012】図9は縦軸にスリットの長さbと凹部の最
大深さ(シリンダ下端での深さ)a(図3参照)をボア
径Dを単位にして表し横軸にストローク・ボア比(S/
D)をとって、これらの関係を示した図である。
【0013】なお、本参考例にかかるディーゼル機関で
は、上部ピストン1′の下方に下部ピストン2′が位置
しているため、またそれらピストン1′,2′の中間に
空隙Kが設けられているため、圧縮リングR等に異常が
生じ、燃焼室から燃焼ガスの一部がクランク室側に漏洩
しようとする際にも、この洩出ガスは上記空隙Kで一旦
膨張した後クランク室側に入るため、従来生じていた火
炎の吹き抜けによる機関の爆発事故等が防止できるとい
う二次的効果が得られる。さらに、この参考例にかかる
ディーゼル機関では、上部ピストン1′はシリンダ注油
器(図示せず)によって潤滑されるが、連接棒5内の通
路(図示せず)を通って供給される上部ピストン1′の
冷却用(潤滑用)油の一部が、下部ピストン2′の油溝
Qより供給されて、下部ピストン側面を潤滑する。下部
ピストン2′を潤滑した潤滑油は、該下部ピストン2′
の油掻きリングr及び空隙Kによって、さらには上部ピ
ストン1′の油掻きリングrにより燃焼室側への上昇が
阻止されるため、下部ピストン2′の十分な潤滑を行う
にも係らず、過剰な潤滑油消費を生ずることはない。
【0014】
【発明の効果】しかして、本発明によれば、機関の全高
を高くすることなく、トランクピストン形ディーゼル機
関のロングストローク化が可能となり、従来不可能であ
った定格回転数の低いトランクピストン形ディーゼル機
関を提供することができる。即ち、本ディーゼル機関
は、従来定格回転数を低くすることが可能であった2サ
イクルクロスヘッド形ディーゼル機関に比べて、クロス
ヘッド,スタフィンボックス,掃気用補助ブロア等が不
用となること等に起因して構成が大幅に簡単にでき、安
価に提供できるとともに、低負荷運転,負荷追従性,燃
料消費の点等諸性能に優れたディーゼル機関となる。ま
た、本発明によれば、上述のようにクロスヘッド形ディ
ーゼル機関に比べて、機関の全高が低くできることよ
り、船舶にこの機関を搭載した場合には、船舶の運行に
とって非常に重要な要素である船舶の運搬有効容積が大
きくなり該船舶の運用効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例にかかるトランクピストン形
ディーゼル機関の要部の構成を示すピストンが上死点位
置での断面図である。
【図2】 (a) はピストンが2つの部分から構成されて
いることを除いて本発明と同じ構成を具備した参考例に
かかるトランクピストン形ディーゼル機関の要部の構成
を示すピストンが上死点位置での断面図、(b) はシリン
ダライナのスリットの幅を示す(a) のA−A矢視断面図
である。
【図3】 図2の参考例にかかるトランクピストン形デ
ィーゼル機関の要部の構成を示すピストンが下死点位置
での断面図である。
【図4】 図2の参考例にかかるトランクピストン形デ
ィーゼル機関の要部の構成を示すピストンが上死点と下
死点の中間位置での断面図である。
【図5】 (a) はシリンダライナの下端部分での押さえ
金具の取着構造を示す斜視図、(b) は同じく取着構造を
示す(a) のB−B矢視断面図である。
【図6】 (a) はシリンダライナの下端のスリット部分
での押さえ金具の取着構造を示す斜視図、(b) は同じく
取着構造を示す(a) の押さえ金具表面から見たスリット
側壁表面の図、(c) は(a) のC−C矢視断面図である。
【図7】 縦軸に連接棒長さをボア径で除した数値で連
接棒長さをとり、横軸にストローク(S)・ボア径
(D)比をとって、連接棒の長さとストローク・ボア径
比の関係を示す表図である。
【図8】 縦軸に機関高さHをボア径Dで除した数値で
機関高さをとり、横軸にストローク(S)・ボア径
(D)比をとって、機関高さとストローク・ボア径比の
関係を示す表図である。
【図9】 縦軸に下部ピストンのスリット部分を通過す
る行程(長さ)をボア径Dで表し、横軸にストローク
(S)・ボア径(D)比をとって、図2に示すスリット
の長さbと深さaの寸法とストローク・ボア径比の関係
を示す表図である。
【図10】 縦軸にシリンダに作用する側圧力をとり、
横軸に機関のクランク角をとって、側圧力とクランク角
との関係を示した表図である。
【符号の説明】
1…上部ピストン部 2…下部ピストン部 7…シリンダ 7a…凹部 (干渉防止用の凹部)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部ピストン部下端に下部ピストン部を
    少なくともシリンダ径以上の長さにわたって延設すると
    ともに、シリンダ部分を少なくとも上記下部ピストン部
    の長さ分だけ寸法的に長く延設し、このシリンダ部分に
    上記上部ピストン部と下部ピストン部を往復動可能に配
    置し、上記シリンダ部分の下部の、下部ピストン部が爆
    発行程においてシリンダ部分に作用する側圧力が顕著に
    低下する領域に相当する部位に、少なくとも連接棒の厚
    み以上の幅の干渉防止用の凹部を形成したことを特徴と
    する4サイクルトランクピストン形ディーゼル機関。
JP2390899A 1999-02-01 1999-02-01 トランクピストン形ディ―ゼル機関 Pending JPH11264342A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009082033A1 (ja) * 2007-12-25 2009-07-02 Nippon Oil Corporation クロスヘッド型ディーゼル機関用シリンダー潤滑油組成物
CN115111086A (zh) * 2022-06-28 2022-09-27 中国北方发动机研究所(天津) 一种活塞往复式发动机分体式活塞组件

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