JPH11262632A - 炭酸ガス吸収部材 - Google Patents

炭酸ガス吸収部材

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JPH11262632A
JPH11262632A JP10068664A JP6866498A JPH11262632A JP H11262632 A JPH11262632 A JP H11262632A JP 10068664 A JP10068664 A JP 10068664A JP 6866498 A JP6866498 A JP 6866498A JP H11262632 A JPH11262632 A JP H11262632A
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gas
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俊之 大橋
Kazuaki Nakagawa
和明 中川
Hideyuki Ozu
秀行 大図
Yoshihiro Akasaka
芳浩 赤坂
Morohiro Tomimatsu
師浩 富松
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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Gas Separation By Absorption (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し使用においても高い炭酸ガス吸収能
力を有する炭酸ガス吸収部材を提供するものである。 【解決手段】 ハニカム形状の耐熱構造基材の表面にガ
ス吸収材層を形成した構成を有し、かつ前記ガス吸収材
が特定の温度領域でリチウムの化学反応により炭酸ガス
を吸収し、かつ前記特定温度領域より高温の領域で炭酸
ガスを放出する反応を生じる物質であることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素を主成分
とする燃料を利用するエネルギープラントや化学プラン
ト、自動車から発生する排気ガス中の炭酸ガスを分離回
収するシステム、または燃料供給部におけるガスの生成
に利用される炭酸ガス吸収部材に関し、特に500℃を
越える高温で繰り返し利用できる炭酸ガス吸収部材に係
わる。
【0002】
【従来の技術】例えば排ガス中からの炭酸ガス分離方法
としては、アルカノールアミン系溶媒による化学吸収プ
ロセスや、圧力スィング法、深冷分離法、膜分離法等が
知られている。
【0003】しかしながら、いずれの方法も使用される
膜や溶媒などの材料の耐熱性から導入ガス温度の上限を
200℃程度に抑える必要がある。したがって、高温の
排気ガスを排出するシステムから分離した炭酸ガスを、
他の高温系にリサイクルして利用しようとしても、熱交
換等による冷却を必要とし、結果的に炭酸ガス分離のた
めに消費するエネルギーが大きくなるため、幅広い利用
が妨げられていた。
【0004】このようなことから、本出願人はリチウム
化ジルコニアを用いた炭酸ガスの分離方法(特開平9−
99214号)を提案した。この方法は、高温の排気ガ
ス中から冷却工程を経ずに炭酸ガスの分離を行うことが
できる。この方法による炭酸ガスの分離は、取り扱いの
点からペレット状の吸収材を用いることが検討されてい
る。
【0005】しかしながら、ペレット状のリチウム化ジ
ルコニアを炭酸ガスの吸収分離に適用した場合、短時間
の大きな温度変動に伴なう熱衝撃に耐えることが困難
で、繰り返し使用すると炭酸ガスの分離能力が低下する
という問題があった。また、前記ペレットを反応容器に
充填した場合、圧力損失が増大する。特に、このような
圧力損失の増大は自動車のエンジンの排気系に適用した
場合の効率低下の要因になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、繰り返し使
用においても高い炭酸ガス吸収能力を有する炭酸ガス吸
収部材を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる炭酸ガス
吸収部材は、ハニカム形状の耐熱構造基材の表面にガス
吸収材層を形成した構成を有し、かつ前記ガス吸収材が
特定の温度領域でリチウムの化学反応により炭酸ガスを
吸収し、かつ前記特定温度領域より高温の領域で炭酸ガ
スを放出する反応を生じる物質であることを特徴とする
ものである。
【0008】前記ハニカム形状の耐熱構造基材を構成す
る1セルの開口部の一辺の長さをd、前ガス吸収材層の
厚さをLとしたとき、L/dの値が0.04<L/d<
0.3の関係を満たすことが好ましい。
【0009】本発明に係わる別の炭酸ガス吸収部材は、
ハニカム形状の耐熱構造基材の表面に多孔質のガス吸収
材層を形成した構成を有し、かつ前記ガス吸収材が特定
の温度領域でリチウムの化学反応により炭酸ガスを吸収
し、かつ前記特定温度領域より高温の領域で炭酸ガスを
放出する反応を生じる物質であることを特徴とするもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる炭酸ガス吸
収部材を詳細に説明する。この炭酸ガス吸収部材は、ガ
ス吸収材層をハニカム形状の耐熱構造基材の表面に形成
した構成を有する。前記ガス吸収材は、特定の温度領域
でリチウムの化学反応により炭酸ガスを吸収し、かつ前
記特定温度領域より高温の領域で炭酸ガスを放出する反
応を生じる物質である。
【0011】このような炭酸ガス吸収部材は、例えば図
1に示す円柱状または図2に示す角柱状のハニカム構造
基材1の複数のセル2内面を含む表面に図3に示すよう
にガス吸収材層3を形成した構造を有する。ここで、ハ
ニカム形状は通常1平方インチ当たりの孔(セル)の数
により規定され、例えば1平方インチ当たりのセル数が
100個であるならば100セル/inch2 のように記述
する。
【0012】前記ガス吸収材としては、例えばリチウム
と無機酸化物の化合物が挙げられる。この化合物は、リ
チウムが特定の温度領域で炭酸ガスと反応して炭酸リチ
ウム(Li2 CO3 )を生成し、前記特定温度領域より
高温領域で炭酸リチウムから再びリチウムと無機酸化物
よりなる化合物に戻る。例えば、前記化合物がリチウム
化ジルコニア(Li2 ZrO3 )である場合には、下記
式によって炭酸ガスを吸収し、それより高い温度領域で
下記式の右側から左側への反応が生じてリチウム化ジル
コニアに戻る。
【0013】Li2 ZrO3 (s )+CO2 (g )→Zr
2 (s )+Li2 CO3(l) 前記無機酸化物としては、例えばZrO2 ,Al2
3 ,MgO,CaO,Fe23 ,CeO2 等を挙げる
ことができる。
【0014】前記炭酸ガスの吸収・放出の温度領域は、
使用するリチウムと無機酸化物からなる化合物の種類に
より異なる。例えば、LiとZrO2 との複合酸化物で
あるLi2 ZrO3 は炭酸ガス吸収反応が400〜58
0℃で起こり、炭酸ガス放出反応は600℃以上の温度
で起こる。
【0015】前記炭酸ガス吸収層は、前述した化合物以
外の成分としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金
属の化合物、炭酸塩、水和物を用いることができる。具
体的には、Li2 CO3 ,Na2 CO3 ,K2 CO3
MgO等を挙げることができる。このような成分を配合
することにより炭酸ガスの吸収能力がより向上されたガ
ス吸収材層を実現できる。前記ガス吸収材層に占める化
合物と他の成分との配合比率は、重量割合にて化合物4
0〜100%、他の成分0〜60%、より好ましくは化
合物60〜98%、他の成分2〜40%にすることが望
ましい。
【0016】前記ガス吸収材層の性状は、特に規制され
ないが、気孔率が20〜60%である多孔質構造を有す
ることが好ましい。ここで、気孔率とは内部への経路と
して存在する「気孔」の体積の吸収材層全体積に対する
割合を意味する。このような気孔率が20〜60%であ
るガス吸収材層は、優れた炭酸ガス吸収能力と繰り返し
と特性とを安定的に保持する。また、前記範囲の気孔率
を有する吸収材層は炭酸ガスの吸収に伴う体積変化の緩
和に寄与する。より好ましい気孔率は、30〜40%で
ある。
【0017】前記ハニカム形状の耐熱構造基材として
は、耐熱衝撃性に優れた材料から作られることが好まし
く、例えばムライト、コーディエライト、アルミナ、ジ
ルコニア等の無機酸化物またはNi,Co,Crを主成
分とする金属または合金等が望ましい。
【0018】前記ハニカム形状の耐熱構造基材に形成さ
れる前記ガス吸収材層の厚さは、図3に示すように前記
ハニカム形状の耐熱構造基材を構成するセル2の開口部
の一辺の長さをd、前ガス吸収材層3の厚さをLとした
とき、L/dの値が0.04<L/d<0.3の関係を
満たすことが好ましい。L/dの値を0.04以下にす
ると吸収材の絶対量が少なくなるため、炭酸ガス吸収効
率が低下する恐れがある。一方、L/dの値が0.3以
上になるとセルの開口部に対する吸収材層の体積割合が
増大するため、吸収材層の比表面積の低下を招く恐れが
ある。また、セルの開口部そのものが小さくなるため、
結果として炭酸ガスの吸収効率の低下を招く恐れがあ
る。より好ましいL/dの値は、0.07<L/d<
0.3である。
【0019】次に、本発明に係わる炭酸ガス吸収材部材
の製造方法の一例を説明する。炭酸ガス吸収材の粉末を
含み、エタノール、アセトン、水等の溶媒で分散させた
スラリーをハニカム形状の耐熱構造基材に塗布した後、
酸素を含む雰囲気もしくは不活性ガス雰囲気中で焼成す
ることによりガス吸収材層を前記基材上に形成して炭酸
ガス吸収部材を製造する。
【0020】前記スラリーの調製において、炭酸ガス吸
収材に対して有機化合物を例えば7〜30wt%混合す
ることにより、耐熱構造基材に形成されたガス吸収材層
を例えば気孔率が20〜60%である多孔質構造にする
ことが可能にである。前記有機化合物は、酸素雰囲気中
での焼成に際し、気散してガス吸収材層の内部および表
面に気孔を形成する役目をなす。前記有機化合物として
は、例えばポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート等を用い
ることができる。これらの有機化合物は、粉末状、繊維
状、粒状の形態で使用される。
【0021】前記焼成は、300〜1000℃の温度で
行うことが好ましい。前記スラリーを耐熱構造材に塗布
する前に、前記基材表面にアルミナのような多孔質物層
を被覆してもよい。
【0022】なお、前記ガス吸収層を前記ハニカム形状
の耐熱基材に形成する方法は、塗布法に限らず、プラズ
マ溶射法、ガス溶射法、スパッタ法または化学気相蒸着
法等を用いて行ってもよい。
【0023】以上説明したように本発明に係わる炭酸ガ
ス吸収部材は、ハニカム形状の耐熱構造基材の表面に特
定の温度領域でリチウムの化学反応により炭酸ガスを吸
収し、かつ前記特定温度領域より高温の領域で炭酸ガス
を放出する反応を生じるガス吸収材層を形成した構造を
有する。
【0024】このような炭酸ガス吸収部材は、例えばペ
レット状の炭酸ガス吸収材のみでは活性が維持し得ない
ガス流速の速い領域におけるガス分離において長期間に
わたって安定した炭酸ガス吸収性能を発揮することがで
きる。
【0025】また、前記ハニカム形状の耐熱構造基材に
形成される前記ガス吸収材層の厚さは、図3に示すよう
に前記ハニカム形状の耐熱構造基材を構成するセル2の
開口部の一辺の長さをd、前ガス吸収材層3の厚さをL
としたとき、L/dの値が0.04<L/d<0.3の
関係を満たすようにすることによって、ガス流速の速い
領域におけるガス分離において長期間にわたってより一
層安定した炭酸ガス吸収性能を発揮することができる。
【0026】さらに、前記耐熱構造基材に形成されるガ
ス吸収層を多孔質構造にすることによって、ガス流速の
速い領域におけるガス分離において長期間にわたって安
定した高い炭酸ガス吸収性能を発揮できる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を説明する。 (実施例1)まず、純度99.9%、平均粒径0.5μ
mのLi2 CO3 粉末と純度99.9%、平均粒径0.
5μmの9モル%MgO固溶ZrO2 粉末と純度99.
9%、平均粒径0.5μmのK2 CO3 粉末とを重量比
で29:49:22となるように秤量して出発原料を調
製した。つづいて、この出発原料を蒸留水を用いて湿式
混合した後、乾燥させ、900℃で10時間大気中で熱
処理して炭酸ガス吸収材を合成した。
【0028】次いで、直径30mm、長さ100mm
で、1平方インチ当たり100個のセルを有する円柱状
のコーディエライトからなるハニカム耐熱構造基材上に
前記ガス吸収材を含むスラリーを塗布し、大気中、80
0℃で焼成することにより炭酸ガス吸収部材を製造し
た。
【0029】得られた炭酸ガス吸収部材のガス吸収層の
重量、気孔率、厚さおよびL/d(L;吸収その厚さ、
d;セルの一辺の長さ)を測定した。その結果を下記表
1に示す。
【0030】(比較例1)実施例1と同様な炭酸ガス吸
収材の粉末をプレス圧500kgf/cm2 で成形し、
円柱状ペレット(直径約20mm,厚さ3mm)に加工
した。
【0031】得られた炭酸ガス吸収材の気孔率を調べ
た。その結果を下記表1に示す。 (実施例2)まず、純度99.9%、平均粒径0.5μ
mのLi2 CO3 粉末と純度99.9%、平均粒径0.
5μmの9モル%MgO固溶ZrO2 粉末と純度99.
9%、平均粒径0.5μmのNa2 CO3 粉末とを重量
比で29:49:22となるように秤量して出発原料を
調製した。つづいて、この出発原料を蒸留水を用いて湿
式混合した後、乾燥させ、900℃で10時間大気中で
熱処理して炭酸ガス吸収材を合成した。つづいて、この
出発原料を蒸留水を用いて湿式混合した後、乾燥させ、
900℃で10時間大気中で熱処理して炭酸ガス吸収材
を合成した。
【0032】次いで、実施例1と同様な円柱状のコーデ
ィエライトからなるハニカム耐熱構造基材上に前記ガス
吸収材を含むスラリーを塗布し、大気中、800℃で焼
成することにより炭酸ガス吸収部材を製造した。
【0033】得られた炭酸ガス吸収部材のガス吸収層の
重量、気孔率、厚さおよびL/d(L;吸収その厚さ、
d;セルの一辺の長さ)を測定した。その結果を下記表
1に示す。
【0034】(実施例3〜5)まず、純度99.9%、
平均粒径0.5μmのLi2 CO3 粉末と純度99.9
%、平均粒径0.5μmの8モル%Y23 固溶ZrO
2 粉末と純度99.9%、平均粒径0.5μmのK2
3 粉末と純度99.9%とを重量比で26:44:3
0となるように秤量して出発原料を調製した。つづい
て、この出発原料を蒸留水を用いて湿式混合した後、乾
燥し、大気中、900℃で10時間焼成することにより
炭酸ガス吸収材を合成した。
【0035】次いで、実施例1と同様な円柱状のコーデ
ィエライトからなるハニカム耐熱構造基材上に前記ガス
吸収材を含むスラリーを厚さを異ならせてそれぞれ塗布
し、大気中、800℃で焼成することにより3種の炭酸
ガス吸収部材を製造した。
【0036】得られた各炭酸ガス吸収部材のガス吸収層
の重量、気孔率、厚さおよびL/d(L;吸収その厚
さ、d;セルの一辺の長さ)を測定した。その結果を下
記表1に示す。
【0037】実施例1〜5の炭酸ガス吸収部材、比較例
1の炭酸ガス吸収材および実施例1で得られた炭酸ガス
吸収材の粉末(60g)[比較例2]をそれぞれ反応容
器に充填した後、反応容器の入口側から図4に示す温度
プログラムにしたがって昇温させながら、500℃にな
った時点で、ガスをCO2 50%(窒素バランス)ガス
に切り替え、1L/minの条件で1時間流通させた。
1時間経過後、ガスを再び不活性ガスにし、反応容器を
閉塞系とし、図4に示す温度プログラムに従って700
℃まで昇温した。その後、反応容器の出口側のガス成分
を質量分析により測定した。この昇温時に質量分析計で
得られたガス成分中の二酸化炭素分圧低下の割合を求
め、炭酸ガス吸収材の分離量(1サイクル目)を算出し
た。
【0038】また、図4に示す温度プログラムに従って
昇・降温を50回繰り返した後(51サイクル目)の炭
酸ガス吸収材の分離量を算出した。これらの結果を下記
表1に併記する。
【0039】
【表1】
【0040】前記表1から明らかなようにハニカム耐熱
構造基材に所定のガス吸収材層を形成した実施例1〜5
の炭酸ガス吸収部材は、合成したガス吸収材をペレット
状にした比較例1および合成したガス吸収材を粉末状に
した比較例2に比べて炭酸ガスの分離能力が高く、かつ
51サイクル目における炭酸ガスの分離能力も高いこと
がわかる。
【0041】特に、L/d(L;吸収その厚さ、d;セ
ルの一辺の長さ)が0.04<L/d<0.3の関係を
満たす実施例1〜3の炭酸ガス吸収部材は51サイクル
目における炭酸ガスの分離能力も極めて高いことがわか
る。
【0042】なお、51サイクル目の炭酸ガスの分離を
行った後の比較例1のペレット状炭酸ガス吸収材を反応
容器から取り出し、外観を観察したところ、約2/3の
ペレットが破壊されていた。また、反応容器を調べたと
ころ、その反応容器内の下流側にペレットの破片が凝縮
していることが確認された。
【0043】(実施例6)まず、純度99.9%、平均
粒径0.5μmのLi2 CO3 粉末と純度99.9%、
平均粒径0.5μmの9モル%MgO固溶ZrO2 粉末
と純度99.9%、平均粒径0.5μmのK2 CO3
末と平均粒径10μmのポリエステル粉末とを重量比で
26:44:19:11となるように秤量して出発原料
を調製した。つづいて、この出発原料を蒸留水を用いて
湿式混合した後、乾燥させ、大気中、900℃で10時
間焼成することにより炭酸ガス吸収材を合成した。
【0044】次いで、直径30mm、長さ100mm
で、1平方インチ当たり100個のセルを有する円柱状
のコーディエライトからなるハニカム耐熱構造基材上に
前記ガス吸収材を含むスラリーを塗布し、大気中、80
0℃で焼成することにより炭酸ガス吸収部材を製造し
た。
【0045】得られた炭酸ガス吸収部材のガス吸収層の
重量、気孔率、厚さおよびL/d(L;吸収その厚さ、
d;セルの一辺の長さ)を測定した。その結果を下記表
2に示す。
【0046】(比較例3)実施例6と同様な炭酸ガス吸
収材の粉末をプレス圧500kgf/cm2 で成形し、
円柱状ペレット(直径約20mm,厚さ3mm)に加工
した。
【0047】得られた炭酸ガス吸収材の気孔率を調べ
た。その結果を下記表2に示す。 (実施例7)まず、純度99.9%、平均粒径0.5μ
mのLi2 CO3 粉末と純度99.9%、平均粒径0.
5μmの9モル%MgO固溶ZrO2 粉末と純度99.
9%、平均粒径0.5μmのNa2 CO3 粉末と平均粒
径50μmのポリビニルアルコール粉末とを重量比で2
5:41:18:16となるように秤量して出発原料を
調製した。つづいて、この出発原料のうちLi2 CO3
粉末と9モル%MgO固溶ZrO2 粉末とNa2 CO3
粉末の3つの成分をエタノール中で湿式混合し、乾燥さ
せた後、ポリビニルアルコールを添加し、大気中、10
00℃で10時間焼成することにより炭酸ガス吸収材を
合成した。
【0048】次いで、実施例6と同様な円柱状のコーデ
ィエライトからなるハニカム耐熱構造基材上に前記ガス
吸収材を含むスラリーを塗布し、大気中、800℃で焼
成することにより炭酸ガス吸収部材を製造した。
【0049】得られた炭酸ガス吸収部材のガス吸収層の
重量、気孔率、厚さおよびL/d(L;吸収その厚さ、
d;セルの一辺の長さ)を測定した。その結果を下記表
2に示す。
【0050】(実施例8〜10)まず、純度99.9
%、平均粒径0.5μmのLi2 CO3 粉末と純度9
9.9%、平均粒径0.5μmの8モル%Y23 固溶
ZrO2 粉末と純度99.9%、平均粒径0.5μmの
2 CO3 粉末と純度99.9%と平均粒径10μmの
ポリエステル粉末とを重量比で22:37:25:16
となるように秤量して出発原料を調製した。つづいて、
この出発原料を蒸留水を用いて湿式混合した後、乾燥さ
せ、大気中、900℃で10時間焼成することにより炭
酸ガス吸収材を合成した。
【0051】次いで、実施例6と同様な円柱状のコーデ
ィエライトからなるハニカム耐熱構造基材上に前記ガス
吸収材を含むスラリーを厚さを異ならせてそれぞれ塗布
し、大気中、800℃で焼成することにより3種の炭酸
ガス吸収部材を製造した。
【0052】得られた各炭酸ガス吸収部材のガス吸収層
の重量、気孔率、厚さおよびL/d(L;吸収その厚
さ、d;セルの一辺の長さ)を測定した。その結果を下
記表2に示す。
【0053】実施例6〜10の炭酸ガス吸収部材、比較
例3の炭酸ガス吸収材および実施例6で得られた炭酸ガ
ス吸収材の粉末(60g)[比較例4]をそれぞれ反応
容器に充填した後、反応容器の入口側から図4に示す温
度プログラムにしたがって昇温させながら、500℃に
なった時点で、ガスをCO2 50%(窒素バランス)ガ
スに切り替え、1L/minの条件で1時間流通させ
た。1時間経過後、ガスを再び不活性ガスにし、反応容
器を閉塞系とし、図4に示す温度プログラムに従って7
00℃まで昇温した。その後、反応容器の出口側のガス
成分を質量分析により測定した。この昇温時に質量分析
計で得られたガス成分中の二酸化炭素分圧低下の割合を
求め、炭酸ガス吸収材の分離量(1サイクル目)を算出
した。
【0054】また、図4に示す温度プログラムに従って
昇・降温を50回繰り返した後(51サイクル目)の炭
酸ガス吸収材の分離量を算出した。これらの結果を下記
表2に併記する。
【0055】
【表2】
【0056】前記表2から明らかなようにハニカム耐熱
構造基材に多孔質のガス吸収材層を形成した実施例6〜
10の炭酸ガス吸収部材は、合成したガス吸収材をペレ
ット状にした比較例3および合成したガス吸収材を粉末
状にした比較例4に比べて炭酸ガスの分離能力が高く、
かつ51サイクル目における炭酸ガスの分離能力も高い
ことがわかる。
【0057】特に、L/d(L;吸収その厚さ、d;セ
ルの一辺の長さ)が0.04<L/d<0.3の関係を
満たす実施例6〜8の炭酸ガス吸収部材は51サイクル
目における炭酸ガスの分離能力も極めて高いことがわか
る。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、繰
り返し使用においても高い炭酸ガス吸収能力を有し、エ
ネルギープラントや化学プラント、自動車から発生する
排気ガス中の炭酸ガスを分離回収するシステム等に有効
に利用することができる炭酸ガス吸収部材を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる炭酸ガス吸収部材を示す斜視
図。
【図2】本発明に係わる炭酸ガス吸収部材の別の形態を
示す斜視図。
【図3】図1または図3の要部拡大図。
【図4】実施例の炭酸ガス分離を行う際の反応容器の温
度プログラムを示す図。
【符号の説明】
1…ハニカム耐熱構造基材、 2…セル、 3…ガス吸収材層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤坂 芳浩 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 富松 師浩 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハニカム形状の耐熱構造基材の表面にガ
    ス吸収材層を形成した構成を有し、かつ前記ガス吸収材
    が特定の温度領域でリチウムの化学反応により炭酸ガス
    を吸収し、かつ前記特定温度領域より高温の領域で炭酸
    ガスを放出する反応を生じる物質であることを特徴とす
    る炭酸ガス吸収部材。
  2. 【請求項2】 前記ハニカム形状の耐熱構造基材を構成
    する1セルの開口部の一辺の長さをd、前ガス吸収材層
    の厚さをLとしたとき、L/dの値が0.04<L/d
    <0.3の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載
    の炭酸ガス吸収部材。
  3. 【請求項3】 ハニカム形状の耐熱構造基材の表面に多
    孔質のガス吸収材層を形成した構成を有し、かつ前記ガ
    ス吸収材が特定の温度領域でリチウムの化学反応により
    炭酸ガスを吸収し、かつ前記特定温度領域より高温の領
    域で炭酸ガスを放出する反応を生じる物質であることを
    特徴とする炭酸ガス吸収部材。
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