JPH11262613A - フィルタエレメント及びその逆洗方法 - Google Patents

フィルタエレメント及びその逆洗方法

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JPH11262613A
JPH11262613A JP10066966A JP6696698A JPH11262613A JP H11262613 A JPH11262613 A JP H11262613A JP 10066966 A JP10066966 A JP 10066966A JP 6696698 A JP6696698 A JP 6696698A JP H11262613 A JPH11262613 A JP H11262613A
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JP
Japan
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filter element
particles
backwashing
pulse
average particle
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Pending
Application number
JP10066966A
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English (en)
Inventor
Seizo Kobayashi
征三 小林
Toshiyuki Nashimoto
俊行 梨本
Hitoshi Otaka
仁志 大高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nittetsu Mining Co Ltd
Original Assignee
Nittetsu Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 逆洗時における払い落し作業を効率的に行
い、これによって逆洗作業毎に圧力損失を十分に低下さ
せ、長期連続使用を可能とすること。 【解決手段】 平均粒径が100〜200μm の超高分子量ポ
リエチレン粒子(A)と、平均粒径が200〜400μmのポリエ
チレン系粒子(B)を(A)/(B)=80/20〜30/70(重量%)の
範囲で混合し、加熱焼結させた焼結体の表面に、フッ素
樹脂粒子のコーティング層を形成させたフィルタエレメ
ント8において、その表面8aに付着した粉粒体ケーキを
払い落すための方法であって、逆洗のためのパルスエア
ー噴射時に、フィルタエレメント8の最大たわみ量を、
フィルタエレメント8の縦方向長さに対して0.01〜0.20
%とすることで、堆積した粉粒体を塊状のまま払い落す
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集塵装置、または
乾燥機、ボイラ、焼却炉等の排気中に含まれる粉塵を捕
集し、また粉粒体の製品を回収するためのフィルタ及び
その逆洗方法に関し、特にその逆洗作業を効率良く行う
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】工場等において発生する粉塵を捕集する
集塵手段や、粉粒体の製品を回収するための捕集手段と
して、バグフィルタや、フィルタエレメントが用いられ
ている。前者のバグフィルタは、繊維を編組した濾布を
袋状に縫製したものであり、後者のフィルタエレメント
は、合成樹脂粉体を焼結して連通する多孔質の板材とし
たものである。
【0003】ところが、バグフィルタは、乾式濾過処理
の場合、水分により繊維が膨潤して濾過効率が低下する
傾向にあり、これを防ぐためには処理流体を高度に乾燥
させる必要があり、処理コストを増加させる。また、濾
布表面に堆積した粒子を定期的に払い落すためにパルス
エアによる逆洗が行われるが、その際、粒子の払い落し
にムラを生じ易く、そのため部分的な目詰りを起し易く
なり、圧力損失の増加速度が速くなる。ここにおいて、
パルスエアによる逆洗とは、送風方向に対して逆方向の
送風を瞬間的に行うことで、表面に付着した粉粒体を払
い落す動作を言う。さらに濾過、洗浄を繰返し行うこと
で、濾布が疲労し、破損しやすいものとなる。また、湿
式濾過処理の場合、濾布表面に捕集された粒子を掻き取
り器により除去することが行われるが、これにより濾布
が摩耗して長期間にわたる使用に耐えない。
【0004】以上のように、バグフィルタは機械的強度
に劣ることから、近年では、これに代えて前述の焼結形
フィルタエレメントが多用化されるようになってきた。
このフィルタエレメントは、例えば特公平1−5934
号公報に示すように、ポリエチレンや、ポリプロピレン
およびこれらの混合粉体を焼結し、自立形状を有するフ
ィルタエレメントとしたもの、あるいは、特公平2−3
9926号公報に示すように、その表面にポリテトラフ
ルオロエチレンを粒子を接着剤と共にコーティングして
表面滑性を付与したもの、さらには、特公平7−210
81号公報に示すように、特定粒径の超高分子量ポリエ
チレンとポリオレフィン系樹脂とを適宜割合で配合した
焼結体からなるものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】いずれの焼結形フィル
タエレメントも、多孔体構造を形成する難流動性の樹脂
粒子と、樹脂粒子間を結着する易流動性の樹脂粒子から
なる混合粒子を金型に充填し、両樹脂の融点以上に加熱
することによって製造される。ところが、このように焼
結されたフィルタエレメントにあっては、その表面開孔
部に大きな気孔が存在するため、これをそのまま使用す
ると、特に粉粒体が微粒子である場合に、いわゆる目抜
けと呼ばれる不都合が生じる。そこで、気孔より小さい
フッ素組樹脂粒子を母材層の表面に付着させ、コーティ
ング層を形成することにより、粉粒体を高効率で捕集す
る方法が提案されている。
【0006】しかし、コーティング層の形成により、粉
粒体の捕集効率は高くなる反面、経時的に圧力損失の増
加率が高くなるため、処理量が減少するか、あるいは送
風動力が増大することになり、好ましくない。このよう
な場合、逆洗作業を頻繁に行うとかえって圧力損失が増
加することもあり、パルスエアによる定期的な逆洗作業
を行っても圧力損失が増加し続けることになるため、長
期連続使用ができないという問題があった。この圧力損
失が経時的に増大し続けることは、逆洗時にパルスエア
による払い落しが正常に遂行されないことが原因となっ
ている。そこで、良好な払い落しを行われるためには、
パルスエア噴射時に、フィルタエレメントの外側へのた
わみ量が多すぎても、少なすぎても好ましくなく、適度
なたわみが必要であることを究明した。
【0007】本発明は、以上の知見に基づいてなされた
ものであって、逆洗時における払い落し作業を効率的に
行い、これによって逆洗作業毎に圧力損失を十分に低下
させ、長期連続使用を可能としたフィルタエレメント及
びその逆洗方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、平均粒径が100〜200μm
の超高分子量ポリエチレン粒子(A)と、平均粒径が2
00〜400μmのポリエチレン系粒子(B)を(A)
/(B)=80/20〜30/70(重量%)の範囲で
混合し、加熱焼結させた焼結体の表面に、フッ素樹脂粒
子のコーティング層を形成させたフィルタエレメントに
おいて、フィルタエレメントの表面に付着した粉粒体を
払い落す逆洗のためのパルスエア噴射時に、前記フィル
タエレメントの最大たわみ量が、フィルタエレメントの
縦方向長さに対して0.01〜0.20%となるように
したことを特徴とするものである。また、請求項2の発
明は、平均粒径が100〜200μmの超高分子量ポリ
エチレン粒子(A)と、平均粒径が200〜400μm
のポリエチレン系粒子(B)を(A)/(B)=80/
20〜30/70(重量%)の範囲で混合し、加熱焼結
させた焼結体の表面に、フッ素樹脂粒子のコーティング
層を形成させたフィルタエレメントにおいて、その表面
に付着した粉粒体を払い落すための逆洗方法であって、
逆洗のためのパルスエア噴射時に、前記フィルタエレメ
ントの最大たわみ量が、フィルタエレメントの縦方向長
さに対して0.01〜0.20%とすることを特徴とす
るものである。
【0009】上記たわみ範囲においては、付着した粉粒
体は飛散することなくケーキ状に堆積したままの状態で
払い落され、高効率、かつ容易に払い落し作業を行うこ
とができ、これによりフィルタエレメントの長期使用が
可能となる。
【0010】そして、上述の適正なたわみ量を得られる
ためのパルスエアの条件として、そのパルス圧を3.0
〜6.0kgf/cm2の範囲とし、パルス噴射時間を
0.05秒〜1.0秒の範囲とし、パルス間隔20〜3
00秒に設定することが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
1〜図6を参照しながら粉塵の捕集を行う場合について
説明する。まず、フィルタエレメントを構成する樹脂素
材について説明する。本発明のフィルタエレメントを構
成する樹指Aは、超高分子量ポリエチレンである。この
超高分子量ポリエチレンの分子量は特に制限されるもの
ではなく、従来より焼結型フィルタエレメントに使用さ
れている超高分子量ポリエチレンと同等の分子量で構わ
ないが、以下の数値であることが好ましい。分子量は、
135℃ デカリン中における極限粘度[η]が5〜5
0dl/g、好ましくは8〜40dl/gのものであ
り、粘度平均分子量に換算して50万〜1200万、好
ましくは90万〜900万である。ここで、[η]が5
dl/g以下であると、フィルタエレメントである焼結
体に目詰まり部分が多数発生し、通気低抗が高くなり好
ましくない。また[η]が50dl/g以上であるとフ
ィルタエレメントの引張り強度が低下するため好ましく
ない。
【0012】本発明のフィルタエレメントを構成する樹
脂Bとして用いるポリエチレン系樹指の場合は、その樹
指組成や重合方法は特に制限されることはないが、得ら
れるフィルタエレメントの特性を考慮すると以下のもの
がより望ましい。MFR(メルトフローレート、AST
MD1238−65Tに準拠 190℃、2.16kg
荷重下)として0.01〜30g/10分、好ましくは
0.1〜10g/10分、極限粘度[η]に換算して
1.0〜4dl/g、好ましくは1.2〜3dl/gの
範囲にあることが好ましいとされており、本発明のエチ
レン系共重合体もこれらの値を満足することがより望ま
しい。
【0013】樹指組成に関してはエチレンホモポリマー
の他、エチレンと共重合可能なコモノマーとの共重合体
を広く使用することができる。好適なコモノマーとし
て、炭素数3〜8のα−オレフイン、例えばプロピレ
ン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−
1、オクテン−1等を挙げることができ、その含有量は
20モル%以下、更には15モル%以下であることが好
ましい。
【0014】また、エチレンービニルエステル共重合体
やエチレンーアクリル酸エステル共重合体等も好適に使
用でき、この場合コモノマー濃度は20重量%以下、更
には10重量%以下であることが好ましい。何れの樹脂
においても、コモノマー濃度が20重量%を越えると目
詰まり部分が増加し、通気抵抗が高くなる傾向にある。
また、強度的には高密度ポリエチレンが好ましいが、低
密度ポリエチレンや、中密度ポリエチレンでも構わな
い。さらに、これらのブレンドポリマーでも構わない。
【0015】製造に際して、両粒子の混合方法や金型へ
の充墳方法、また加熱方法等は特に制限されるものでは
なく、一般的なポリエチレン系樹脂からなる焼結型フィ
ルタエレメントの製造条件に準ずることができる。例え
ば、混合粒子を金型に充墳する際に金型に振動を加える
ことで、高い充填率をもって金型全体に均一に充填でき
る。加熱に関しては、金型を電気乾燥機、電気加熱炉等
に入れて行うか、あるいは熱源と金型との間で熱媒体を
循環し外側から加熱して行ってもよく、加熱条件は乾燥
機や加熱炉の構造の違いにより一概には規制されない
が、温度についてはおよそ150〜250℃の範囲、ま
た時間については30分〜4時間の範囲で行う。一般
に、温度が高すぎたり時間が長すぎる場合は目詰まり部
分が増加して通気抵抗が増加し、また温度が低かったり
時間が短すぎる場合は焼結が不十分となり、引張り強度
が低下する傾向にある。
【0016】また、得られるフィルタエレメントの形状
も特に制限されず、使用箇所や目的に応じた形状とする
ことができるが、濾過面積が広く有効に利用できること
から断面形状が波形形状ないし蛇腹形状であることが好
ましい。
【0017】本発明に係るフィルタエレメントは上記の
ように焼結成形して得られるが、その内部に比較的大き
な気孔が存在する。このような気孔は特に本発明のフィ
ルタエレメントに限ったことではなく、焼結型フィルタ
エレメントに共通して見られる。そこで、その気孔の大
きさよりも小さい粒子をフィルタエレメント表面に充填
してコーティング層を形成させる。
【0018】コーティング層は、フッ素樹脂粒子と接着
剤とを溶媒に分散させたスラリー液を、スプレーや刷毛
等の塗布手段により焼結成形後のフィルタエレメント表
面に所定膜厚となるように塗工し、接着剤を硬化させる
ことで得られる。フッ素樹脂粒子は、例えばポリテトラ
フロロエチレンやヘキサフロロエチレン、ポリクロロト
リフロロエチレン、テトラフロロエチレン・パーフロロ
アルキルビニルエーテル共重合体、テトラフロロエチレ
ン・ヘキサフロロプロピレン共重合体、エチレン・テト
ラフロロエチレン共重合体、エチレン・クロロトリフロ
ロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ
化ビニル等からなる平均粒径3〜10μmの粒子であ
る。接着剤は、ビニル系樹指やフェノール系樹脂、メラ
ミン系樹指、レゾルシノール系樹脂等からなる接着剤が
好ましい。また、溶媒はアルコール類の他に水が好適に
使用できる。
【0019】上記のように製作されたフィルタエレメン
トを組込んだ捕集装置1を図1に示す。本捕集装置1
は、略角形状の密閉されたケーシング2を有し、その内
部は区画壁である上部天板3によって下部の捕集室4と
上部の清浄空気室5とに分けられ、ケーシング2の中腹
に下部の捕集室4に連通する含塵空気の供給口6が設け
られている。また、ケーシング2の上部に清浄空気室5
に連通する清浄空気の排出口7が設けられている。さら
に、上部天板3の下面には中空扁平状のフィルタエレメ
ント8,8……が所定の間隔で取り付けられている。
【0020】フィルタエレメント8は、図2に示すよう
に上端に大径部9が形成され、大径部9はフレーム10
を収納するように膨らんだ形状に形成されている。大径
部9内に収納されたフレーム10の両端部は、締付ボル
ト11を介して大径部9と一体的に上部天板3に取り付
けられている。これにより、フィルタエレメント8が上
部天板3に吊り下げられる。尚、上部天板3とフレーム
10との間にはパッキン12が介装されている。
【0021】供給口6からケーシング2の捕集室4内に
供給された含塵空気は、中空で断面が例えば波形形状な
いし蛇腹形状に形成したフィルタエレメント8の濾過体
を通過して内側に流れ込む。このとき粉塵はフィルタエ
レメント8の表面に付着・堆積して捕集され、フィルタ
エレメント8の内側に流れ込んだ清浄空気は、フレーム
10の通路を経てケーシング2の上部の清浄空気室5に
入り、その排出口7から所定の場所に導かれる。
【0022】このように、フィルタエレメント8の表面
に粉塵が付着・堆積するとフィルタエレメント8の空気
通路が閉塞して圧力損失が増加する。このため、フィル
タエレメント8,8……をそれぞれ一定の時間間隔をお
いて順次逆洗し、フィルタエレメント8、8……の表面
に付着・堆積した粉塵を除去する。即ち、図1及び図3
に示すように、上部天板3の上方(二次側)には逆洗用
の噴射管13,13……が配設され、噴射管13,13
……は、それぞれ図示しない逆洗バルブ(噴射管13に
それぞれ対応する)を介して空気発生源に接続されてい
る。そして、タイマー制御等により一定の間隔をおいて
逆洗バルブを順次開閉して、それぞれの対応する噴射管
13の噴射ノズル14から逆洗のためのパルスエアを噴
射する。これにより、パルスエアがそれぞれのフィルタ
エレメント8の内側から外側に向かって逆流し、フィル
タエレメント8表面に付着・堆積した粉塵が払い落とさ
れる。
【0023】このように、パルスエアを逆流させて粉塵
もしくは粉塵の層をフィルタエレメントから剥離するよ
うに離すことにより、含塵空気の供給口6からケーシン
グ2内に供給された含塵空気は、圧力損失が好適に維持
された状態でフィルタエレメント8、8……を経て排出
口7から清浄空気として排気される。
【0024】次に、フィルタエレメント8の構成を説明
する。図4にフィルタエレメント8のP−P断面を表す
外観形状を示した。フィルタエレメント8は上端部が開
口した中空の室8aを複数形成しており、エレメントの
付着表面8bは断面が波形形状ないし蛇腹形状となって
付着面積を増大させている。前記中空の室8aは、波形
の数ピッチ毎に表裏の谷部同士を結合する結合部8cに
よって形成され、波形構造のピッチをコントロールした
り、結合部8cを設ける場所や数を適宜選択することに
よって、板厚方向の強度やたわみ量を調節することがで
きる。
【0025】また、フィルタエレメント8は、顕微鏡的
には図5に示すように、前述の素材A,Bからなる焼結
体粒子を骨格樹脂粒子Dとし、この骨格樹脂粒子Dの表
面をこれよりも小さなフッ素樹脂粒子からなるコーティ
ング層Eで覆った表面構造としている。図5はフィルタ
エレメント8の付着表面8bの拡大図である。骨格樹脂
粒子D間に形成された隙間が空気の通過を許容する気孔
8dとして機能し、コーティング層Eが、エレメント表
面側の気孔8dの開口部に付着して気孔8dの実質的な
開口径を微細化して、微小な粉塵の目抜けを防止する。
このコーティング層Eには4μm前後の空隙があり、粉
塵Fはこの表面コーティング層Eに殆どが付着して捕集
される。そして気孔8dを通過した空気は、中空の室8
aから清浄空気室5を経て排出口7から清浄空気となっ
て排気される。
【0026】粉塵Fがエレメントの表面8bに付着・堆
積すると、粉塵同士が二次凝集し、エレメントの波形断
面形状に沿ってケーキ状に固着するが、コーティング層
Eの剥離性によって、エレメントの表面から剥がれ易い
ものとしている。
【0027】次に、逆洗時のフィルタエレメントの作用
を説明する。図6は図4に示すフィルタエレメントのC
方向矢視図で、エレメント全体を示している。エレメン
ト8の表面に粉塵が付着・堆積することで目詰りが生じ
圧損が高くなると、図示しない洗浄バルブを開いて瞬間
的にパルスエアを噴射管13からフィルタエレメント8
の内側に噴出する。すると、図6の破線で示すように、
フィルタエレメントは、その噴気圧力により瞬間的に弾
性変形して外側方向にたわみ、次いで元の平板状に戻
る。そして、この瞬間的な弾性変形により、フィルタエ
レメント表面に付着・堆積した粉塵が、飛散することな
くケーキ状に堆積したままの状態で払い落とされる。払
い落されたケーキ状粉塵はケーシング2の底部における
ホッパ15を通じて回収される。
【0028】本発明においては、上記の逆洗時にフィル
タエレメント8の最大たわみ量△tを、フィルタエレメ
ントの縦方向長さに対して0.01〜0.20%とする
ことを特徴としている。
【0029】次に、前述の最大たわみ量の限定理由およ
びこれを満足する各種条件について項目別に説明する。
パルスエアの噴射により、フィルタエレメント上に堆積
した粉塵は払い落とされる。このとき生じるフィルタル
メントのたわみ変形は、気孔の拡大作用と相まって払い
落としを助長する重要な働きを担っている。即ち、最大
たわみ量が所定範囲内の過少な場合はこの作用および効
果が得られないため良好な払い落しが行われず、最大た
わみ量が過多の場合は以下の理由から払い落し効果が低
下して圧損が次第に増加するようになる。
【0030】まず、第1の理由としては、たわみ量が大
きいと実質的なパルス圧が減少することが挙げられる。
パルス発生時のエレメント内部の圧力変化を実際に測定
したところ、たわみ量が増えるとエレメント内部のパル
スによる内部圧力の変化は僅かずつ減少し、あるたわみ
量以上になると、圧力変化は初期の1/5程度に減少
(250mmAqから50mmAqに減少)することが
認められた。これはフィルタエレメントに変形を与える
ために噴射エネルギーが消費されてしまい、実際に粉塵
を払い落すために要するエネルギーが減少するためであ
ると考えられる。
【0031】第2の理由としては、フィルタエレメント
表面にケーキ状に堆積した粉塵は、たわみ量が適度な場
合にはケーキ状のまま形が崩壊せずに落下することが挙
げられる。逆にたわみ量が多すぎると、ケーキ状の形は
崩れて粉塵がバラバラになって浮遊するため、再度同じ
フィルタエレメント、あるいは隣のフィルタエレメント
の表面に付着する可能性が高くなり、払い落し効率が低
下することになる。したがって、フィルタエレメントを
適度なたわみ量を伴って逆洗することが重要となる。
【0032】ここにおいて、フィルタの逆洗は、捕集装
置に複数設置されているフィルタエレメントのうち、い
ずれか1つ又は複数個(通常は2つ)に対してのみ順次
行われる。つまり、通常の集塵動作は逆洗を行なわない
他のフィルタエレメントにより行い、装置の運転を停止
させることなく、集塵と逆洗を同時に行うことが一般的
である。尚、ここでは含塵空気中の粉塵を捕集する場合
について説明したが、爆発性があったり酸化を嫌う粉粒
体等を対象とする場合には、空気の代わりに窒素ガス等
を使用することもできる。
【0033】次に、たわみ量の調整方法について説明す
る。たわみ量が適度の範囲に入るように調整するには、
材料面と構造面、およびパルスエアの噴気方法等の様々
な方法がある。例えば、材料面に対しては、材料の形状
を変化させることにより、金型への充填量、即ち製品重
量を変化させて調整することができる。また、構造面に
対しては、波形構造のピッチをコントロールしたり、波
形構造の谷部を適宜結合した構造としたり、帯状のたわ
み抑制材を用いたりする方法がある。中でも、波形構造
の谷部を結合した構造とし、結合部を設ける場所や数を
適宜選択する方法がコスト面や効果の面からも好まし
い。
【0034】次に、逆洗時のパルス出力条件について説
明する。パルス圧は通常3.0〜6.0kgf/c
2、好ましくは3.5〜5.5kgf/cm2、さらに
好ましくは4.0〜5.0kg/cm2の範囲で払い落
しが行われる。パルス圧が6.0kgf/cm2を上回
った場合には、エネルギーの浪費となるばかりでなく、
フィルタエレメントの耐久性にも悪影響を及ぼす。また
3.0kgf/cm2以下の場合は圧力が低すぎて、十
分な払い落としが行われず、圧力損失が上昇する。
【0035】パルス噴射時間は、通常0.05秒〜1.
0秒、好ましくは0.1〜0.5秒の範囲に設定され
る。噴射時間が0.05秒を下回った場合、パルス圧を
適正値に設定してもパルス圧が所定値に達せず、払い落
しが不良となる。また、1.0秒を上回った場合には、
噴射が集中せず、分散してしまうため、所定パルス圧に
達せず、やはり払い落としが不良となる。
【0036】パルス間隔は、通常20〜300秒、好ま
しくは40〜120秒の範囲で行われる。パルス間隔が
20秒を下回る場合には、粉塵の種類によっても異なる
が、堆積した粉塵がケーキ状になる前に払い落しが行わ
れるため、粉塵は塊状として落下ぜずに飛散し、一部浮
遊した粉塵が隣のフィルタエレメント、あるいは同じフ
ィルタエレメントに再度付着する可能性が高くなり、払
い落とし効率が低下する。また300秒を上回る場合
は、粉塵の払い落とし量より蓄積量が多くなり、圧損が
上昇する。
【0037】他の条件としては、次に示すものがある。 ・超高分子量ポリエチレン粒子の粒径範囲を100〜2
00μmの範囲とする。これは、100μmより小さい
と目詰りが起こって圧損が高くなり、200μmより大
きいと空隙が大きくなり目抜けを生じて強度が低下する
ためである。 ・ポリエチレン系粉砕物粒子の粒径範囲を200〜40
0μmの範囲とする。これは、200μmより小さいと
目詰りが起こって圧損が高くなり、400μmより大き
いと空隙が大きくなり目抜けを生じて強度が低下するた
めである。 ・超高分子量ポリエチレン粒子/ポリエチレン系粉砕物
粒子の割合を80/20〜30/70(重量%)の範囲
とする。これは、超高分子量ポリエチレン粒子の量が8
0%より多くなると強度が低下し、30%より少なくな
ると目詰まりが起こり圧損が高くなるためである。・フ
ッ素樹脂粒径範囲を2〜10μmの範囲とする。これ
は、2μmより小さいと目詰まりが起こって圧損が高く
なり、10μmより大きくなると目抜けが起こるためで
ある。以上の条件を踏まえて、フィルタエレメントの逆
洗が好適に行える条件を確認するべく、各種条件下で逆
洗の効果を測定した。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。但し、本
発明は以下の実施例に限定されるものでない。 [実施例1]平均粒径150μmの極限粘度[η]が1
4.6の超高分子ポリエチレン粉末を60重量%と、M
FRが0.1の高密度ポリエチレンペレットを粉砕機
(35Meshスクリーン使用)により粉砕した平均粒
径320μmの粒子40重量%と、を混合した。上記混
合物を金型I(外形:1050×960×60、厚み:
3mm、断面形状:波状、合計32ピッチ、但し4ピッ
チ毎に上下の浪板の谷部が接含された構造)に振動を与
えながら充填し、この金型を230℃に調節された加熱
炉に2.5時間入れて焼結を行った。次いで加熱炉から
金型を取り出し、ファンにより空冷させた後、金型から
焼結体を取り出した。 次にポリテトラフルオロエチレ
ン粉末23重量%と酢酸ビニル系接着剤5重量%および
水72重量%をよく混合した懸濁液を上記焼結体表面に
スプレー法により塗布し、次いで常温にて硬化させた。
得られたフィルタエレメントを連続負荷試験機に取り付
け、以下の条件で負荷試験を実施した。
【0039】[実施例2]実施例1の場合とは別の金型
II(外形、厚みおよび波状の断面形状は金型I と同じ,
波状のピッチが金型I とは異なり、合計30ピッチで6
ピッチ毎に上下波板の谷部が接合された構造)を用いて
焼結体を成形する以外は実施例1と同様に行った。
【0040】[実施例3]実施例1および2とは異なる
金型III(外形、厚み、被状の所面形抜およびピッチは
金型I と同じ、但し上下波板の谷部の接合部がない)を
用いて焼結体を成形すること、およびフィルタエレメン
ト中央部に外帯(外径300mmφ、内径2mmのFR
Pパイプ)を取り付けて、パルス時のたわみ量を規制し
て、負荷試験を実施する以外は実施例1と同様に行っ
た。
【0041】[比較例1]実施例3において、フィルタ
エレメント中央部に外帯を取り付けない他は、実施例3
と同様に行った。
【0042】[比較例2]実施例1において、外帯とし
てステンレス製の角管(外形25×25mm、厚み1.
5mm)を2本、フィルタエレメント表面の2箇所(上
部から1/3および下部から1/3の高さ位置)に密着
させるように取り付けて負荷試験を行う以外は全て実施
例1と同様に行った。上記実施例および比較例の負荷試
*1における、100時間後の圧損値を表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】但し、 *1) 負荷試験条件:風速:1m/分、パルス条件:
圧カ5kgf/cm2、負荷時間0.2秒、負荷間隔8
0秒、使用粉体:タンカル粉末(325メッシュ全
通)、濃度10g/m3N *2) フィルタエレメントの中央部に近接してレーザ
変位センサを取り付け、パルス発生時の最大たわみ量を
測定。 *3) フィルタエレメントの縦方向長さ1500mm
に対する最大たわみ量の割合。 *4) フィルタエレメントの入ロ、出口の圧力差をマ
ノメータを用いて測定。
【0045】上記の表1に示す結果からも明らかなよう
に、本発明の条件を満足する実施例1,2,3は、比較
例に比してその圧力損失が低く、実用上好適であること
が判明した。また、特に実施例3と比較例2は、たわみ
量抑制のための帯板を結束したものであるが、比較例2
では抑制効果が過大となり、その結果、たわみ量が小さ
くなり、かえって圧損が高くなることを確認した。以上
のことから、フィルタエレメントの最大たわみ量は、フ
ィルタエレメントの縦方向長さに対して0.01〜0.
20%、好ましくは0.01〜0.10%、さらに好ま
しくは0.015〜0.05%に設定することが望まし
いと判明した。尚、上記各実施例による集塵処理後の排
気中の粉塵量は、いずれも0.01g/m3N以下であ
ることを確認している。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
逆洗のためのパルスエア噴射時に、フィルタエレメント
の最大たわみ量が、フィルタエレメントの縦方向長さに
対して0.01〜0.20%となるように設定すること
により、フィルタエレメント表面に付着・堆積したケー
キ状の粉粒体を飛散させることなく塊状のまま払い落と
すことができ、濾過抵抗の経時変化を極めて少なくする
ことができる。このため、効率的かつ容易に粉粒体除去
処理を行うことができると共に、フィルタエレメントを
安定して長期間連続使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を適用するフィルタエレメントを組
込んだ捕集装置の一部縦断面図である。
【図2】本発明に使用するフィルタエレメントの側面図
である。
【図3】本発明のフィルタエレメントの逆洗動作を説明
する詳細図である。
【図4】図2のP−P断面部分におけるフィルタエレメ
ントの断面斜視図である。
【図5】フィルタエレメント8の付着表面8bの拡大図
である。
【図6】フィルタエレメントの縦方向長さとたわみ量を
説明する図である。
【符号の説明】
1 捕集装置 2 ケーシング 3 上部天板(区画壁) 4 捕集室 5 清浄空気室 8 フィルタエレメント 8b 波形の付着表面 8c 結合部 9 大径部 13 噴射管 14 噴射ノズル D 骨格樹脂粒子 E コーティング層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が100〜200μmの超高分
    子量ポリエチレン粒子(A)と、平均粒径が200〜4
    00μmのポリエチレン系粒子(B)を(A)/(B)
    =80/20〜30/70(重量%)の範囲で混合し、
    加熱焼結させた焼結体の表面に、フッ素樹脂粒子のコー
    ティング層を形成させたフィルタエレメントにおいて、 フィルタエレメントの表面に付着した粉粒体を払い落す
    逆洗のためのパルスエア噴射時に、前記フィルタエレメ
    ントの最大たわみ量が、フィルタエレメントの縦方向長
    さに対して0.01〜0.20%となることを特徴とす
    るフィルタエレメント。
  2. 【請求項2】 平均粒径が100〜200μmの超高分
    子量ポリエチレン粒子(A)と、平均粒径が200〜4
    00μmのポリエチレン系粒子(B)を(A)/(B)
    =80/20〜30/70(重量%)の範囲で混合し、
    加熱焼結させた焼結体の表面に、フッ素樹脂粒子のコー
    ティング層を形成させたフィルタエレメントにおいて、
    その表面に付着した粉粒体を払い落すための逆洗方法で
    あって、 逆洗のためのパルスエア噴射時に、前記フィルタエレメ
    ントの最大たわみ量が、フィルタエレメントの縦方向長
    さに対して0.01〜0.20%とすることを特徴とす
    るフィルタエレメントの逆洗方法。
  3. 【請求項3】 パルスエアのパルス圧を3.0〜6.0
    kgf/cm2の範囲とし、パルス噴射時間を0.05
    秒〜1.0秒の範囲とし、パルス間隔20〜300秒に
    設定することを特徴とする請求項2記載のフィルタエレ
    メントの逆洗方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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