JPH11262399A - B型肝炎ウイルス検出用プライマー及びそれを用いたb型肝炎ウイルスの検出方法 - Google Patents

B型肝炎ウイルス検出用プライマー及びそれを用いたb型肝炎ウイルスの検出方法

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JPH11262399A
JPH11262399A JP10087977A JP8797798A JPH11262399A JP H11262399 A JPH11262399 A JP H11262399A JP 10087977 A JP10087977 A JP 10087977A JP 8797798 A JP8797798 A JP 8797798A JP H11262399 A JPH11262399 A JP H11262399A
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JP10087977A
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Masakazu Mukaide
雅一 向出
Shuichi Kaneko
周一 金子
Kazumasa Hikichi
一昌 引地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度に、かつヒト由来のDNAを増幅する
ことなく特異的にHBVを検出することができる、HB
Vの検出方法及びそのためのプライマーを提供するこ
と。 【解決手段】 配列表の配列番号1に示される塩基配列
若しくは該塩基配列に相補的な塩基配列のうち、連続す
る15塩基以上から成る塩基配列(ただし、TはUであ
ってもよい)又は該配列のうち10%以下の数の塩基が
置換、欠失、挿入若しくは付加された塩基配列を有し、
これをプライマーとして用いた核酸増幅法によりHBV
のX遺伝子の領域を増幅できる核酸から成り、かつ、該
核酸を構成する塩基のうち、70%以上が配列番号1に
示される塩基配列の1nt〜173nt又は199nt
〜256ntの領域又はその相補的領域内に存在する、
B型肝炎ウイルス検出用プライマーを提供した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、B型肝炎ウイルス
(以下、「HBV」ということがある)検出用プライマ
ー及びそれを用いたHBV検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、血清等の試料中のHBVの検
出は主として分岐DNAプローブ法により行われてい
る。この方法は、HBVDNAを相補的な配列を持つ合
成DNAでプレートに捕捉し、さらに枝分かれしたDN
A鎖を有する合成DNA(分岐DNA)をシグナル増幅
に用い、化学発光で検出する定量測定法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、ヒト由来のDNAも増幅されることがしばし
ばあり、HBV特異的バンドを見極めるのに時間がかか
り、また、検査結果を誤る原因にもなっている。
【0004】従って、本発明の目的は、高感度に、かつ
ヒト由来のDNAを増幅することなく特異的にHBVを
検出することができる、HBVの検出方法及びそのため
のプライマーを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、鋭意研
究の結果、HBVのX遺伝子中の特定の領域にハイブリ
ダイズする核酸プローブを用いて核酸増幅法を行うこと
により、ヒト由来の核酸を増幅することなく、特異的か
つ高感度にHBVを検出することができることを見出し
本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、配列表の配列番号1
に示される塩基配列若しくは該塩基配列に相補的な塩基
配列のうち、連続する15塩基以上から成る塩基配列
(ただし、TはUであってもよい)又は該配列のうち1
0%以下の数の塩基が置換、欠失、挿入若しくは付加さ
れた塩基配列を有する核酸から成り、かつ、該核酸を構
成する塩基のうち、70%以上が配列番号1に示される
塩基配列の1〜173nt又は199nt〜256nt
の領域又はその相補的領域内に存在する、B型肝炎ウイ
ルス検出用プライマーを提供する。また、本発明は、上
記本発明のプライマーであって、配列表の配列番号1に
示される塩基配列又は該配列のうち10%以下の数の塩
基が置換、欠失、挿入若しくは付加された塩基配列を有
するものをフォワード側プライマーとして用い、上記本
発明のプライマーであって、配列表の配列番号1に示さ
れる塩基配列と相補的な配列又は該配列のうち10%以
下の数の塩基が置換、欠失、挿入若しくは付加された塩
基配列を有するものをリバース側プライマーとして用
い、試料DNAを鋳型として用いた核酸増幅法により試
料DNAを増幅し、増幅されたDNAを検出することを
含む、B型肝炎ウイルスの検出方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】上記のように、本発明のHBV検
出用プライマーは、配列表の配列番号1に示される塩基
配列若しくは該塩基配列に相補的な塩基配列のうち、連
続する15塩基以上から成る塩基配列(ただし、TはU
であってもよい)から基本的に成る。配列番号1に示さ
れる塩基配列は、HBV遺伝子(Mukaide et al., The
complete nucleotide sequence of hepatitis B virus,
subtype adr (SRADR). Nucleic Acids Res 1992; 20:6
150, GenBank Accession No. D12980)の第1248番目
の塩基(本明細書において、第1248番目の塩基を
「1248nt」のように表わし、他の位置の塩基につ
いても同様に表わす)から1503ntに該当する。な
お、HBVのX遺伝子はHBV遺伝子の1248ntか
ら始まるので、配列番号1に示す塩基配列はHBVのX
遺伝子の1ntから256ntに相当する。配列番号1
に示す塩基配列において、174nt〜198ntは、
ヒトとの相同性が高く、この位置にハイブリダイズする
プライマーを用いると、ヒト由来の核酸も増幅される虞
があることを見出した。このため、本発明のプライマー
では、プライマーを構成する塩基のうち、70%以上、
好ましくは90%以上が配列番号1に示される塩基配列
の1〜173nt又は199nt〜256ntの領域又
はその相補的領域内に存在する。また、配列番号1にお
いて、1nt〜41ntの領域もヒトとの相同性がやや
高いことも見出した。従って、この領域もなるべく避け
ることが好ましく、プライマーを構成する塩基の70%
以上、さらに好ましくは90%以上が配列表の配列番号
1に示される塩基配列の42〜173nt若しくは19
9nt〜256ntの領域又はその相補的領域内に存在
することが好ましい。さらに、配列番号1の88nt〜
139ntの領域は、HBVの株間の変異が大きいの
で、全てのHBVを検査対象とする場合には、この領域
も避けた方が好ましく、従って、プライマーを構成する
塩基の70%以上、さらに好ましくは90%以上が配列
表の配列番号1に示される塩基配列の42〜87nt、
140〜173nt若しくは199nt〜256ntの
領域又はその相補的領域内に存在することが好ましい。
【0008】なお、プライマーは、HBVのX遺伝子の
上記領域にハイブリダイズすれば良いので、その塩基配
列が必ずしもHBVのX遺伝子の部分領域又はその相補
的領域の塩基配列と完全に一致している必要はなく、プ
ライマーとして用いた核酸増幅法によりHBVのX遺伝
子の領域を増幅できるものであれば、プライマーを構成
する塩基配列のうち10%以下の数の塩基が置換、欠
失、挿入若しくは付加された塩基配列を有するものであ
ってもよい。
【0009】プライマーのサイズは、15塩基以上であ
れば特に限定されないが、15塩基〜50塩基が好まし
く、18塩基〜35塩基がさらに好ましい。
【0010】本発明のプライマーのうち、フォワード側
プライマーとして特に好ましいものとして、配列番号1
に記載された塩基配列の31nt〜71nt、さらに好
ましくは38nt〜64nt、さらに好ましくは41n
t〜61ntの領域中の連続する15塩基以上から成る
塩基配列を有するものを挙げることができる。これらの
うち、特に好ましいものとして、配列番号2で示される
塩基配列を有するプライマー(MHBXF1)を挙げる
ことができる。また、フォワード側プライマーとして特
に好ましいものとして、配列番号1に記載された塩基配
列の48nt〜85nt、さらに好ましくは55nt〜
78nt、さらに好ましくは57nt〜75ntの領域
中の連続する15塩基以上から成る塩基配列を有するプ
ライマーを挙げることができる。これらのうち、特に好
ましいものとして、配列番号4で示される塩基配列を有
するプライマー(MHBXF2)を挙げることができ
る。
【0011】本発明のプライマーのうち、リバース側プ
ライマーとして特に好ましいものとして、配列番号1に
記載された塩基配列の185nt〜142nt、さらに
好ましくは178nt〜149nt、さらに好ましくは
175nt〜156nt又は171nt〜152ntの
領域と相補的な配列中の連続する15塩基以上から成る
塩基配列を有するものを挙げることができる。これらの
うち、特に好ましいものとして、配列番号3で示される
塩基配列を有するプライマー(MHBXR1)及び配列
番号5で示される塩基配列を有するプライマー(MHB
XR3)を挙げることができる。
【0012】本発明のHBVの検出方法は、試料DNA
を鋳型として用い、上記本発明のプライマーをフォワー
ド側プライマー及びリバース側プライマーとして用いて
常法により核酸増幅法を行い、増幅産物を検出すること
により行うことができる。試料は、肝組織等の生体組織
であってもよいし、血液や血清等の体液であってもよ
い。組織や体液からDNAを抽出する方法はこの分野に
おいて周知である。核酸増幅法自体は、この分野におい
て周知であり、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
により行うことができる。PCRを行うためのキット及
び装置は市販されており、それらを用いて容易に行うこ
とができる。核酸増幅法は、いわゆるnested形式
で行うこともできる。すなわち、第1の核酸増幅を行
い、その増幅産物を鋳型として第1の核酸増幅で用いた
一対のプライマーのうち少なくともいずれか一方は異な
るプライマーを用いて第2の核酸増幅を行うことができ
る。nested形式で行うことにより、検出の精度を
さらに高めることができる。なお、nested形式
は、3段階以上で行うことも可能である。
【0013】増幅産物の検出方法もこの分野において周
知であり、例えば、増幅産物をアガロースやポリアクリ
ルアミド等のゲルを媒体とするゲル電気泳動にかけ、エ
チジウムブロミドで染色して紫外線を照射することによ
り検出することができる。あるいは、増幅産物の検出
は、リアルタイムに行うこともできる。リアルタイム検
出PCRはこの分野において周知であり、そのためのキ
ット(Perkin Elmer TaqMan EZ RT-PCR Core Kit(商品
名、Perkin Elmer社製))も市販されているので、市販
のキットを用いて容易に行うことができる。また、SYBR
Green(製品名:Molecular Probe, Inc.)など2本鎖D
NAと結合し蛍光を発生する色素によってもリアルタイ
ム検出できる。なお、リアルタイム検出PCRの場合に
は、プローブも用いるが、プローブがハイブリダイズす
る領域も、上記したプライマーがハイブリダイズする領
域から選ぶことができる。すなわち、このようなプロー
ブは、配列表の配列番号1に示される塩基配列若しくは
該塩基配列に相補的な塩基配列のうち、連続する15塩
基以上から成る塩基配列(ただし、TはUであってもよ
い)又は該配列のうち10%以下の数の塩基が置換、欠
失、挿入若しくは付加された塩基配列を有する核酸から
成り、かつ、該核酸を構成する塩基のうち、70%以上
が配列番号1に示される塩基配列の1〜173nt又は
199nt〜256ntの領域又はその相補的領域内に
存在するものである。また、プライマーの場合と同様
に、配列番号1の1nt〜41nt、88nt〜139
nt又はその相補鎖とハイブリダイズするものは避ける
ことが好ましく、すなわち、これらの領域とハイブリダ
イズする部分はプローブを構成する塩基数の30%以下
であることが好ましい。なお、リアルタイム検出PCR
では、PCRのサイクル数と蛍光強度の関係から、試料
DNAを定量することが可能であり、従って、本明細書
で言う「検出」には定量も包含される。
【0014】本発明の方法によれば、ヒト由来のDNA
を非特異的に増幅することなく、正確かつ容易にHBV
を検出することができる。また、下記実施例において具
体的に記載するように、本発明の方法によれば、HBs
A g及びHBeAg陰性のC型肝臓癌患者の肝臓組織か
ら高頻度にHBVを検出することができた。従って、本
発明の方法により検出されるHBVはC型肝臓癌マーカ
ーとして利用し得る。HBsA g及びHBeAg陰性の
試料は、従来、遺伝子検査によってもHBVを検出する
ことができなかったものである。従来、HBsA g及び
HBeAg陰性で、かつ従来の遺伝子検査によってもH
BVを検出することができない肝臓を生体間移植した場
合にHBV感染を起こす場合があることが知られてお
り、本発明によりその原因が解明され、かつ、生体間移
植前に本発明の方法により移植肝臓のチェックを行うこ
とにより、移植された肝臓がHBV感染を起こし、さら
には、癌に進行することを防止することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的
に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定され
るものではない。
【0016】実施例1、比較例1〜3 肝臓癌患者12人の肝臓組織より常法であるプロテアー
ゼK/フェノール・クロロフォルム抽出法によってDN
Aを抽出し、さらにRNAse処理を行った。その各1
μgを鋳型として用い、本発明のプライマーである上記
MHBXF1(配列番号2)とMHBXR1(配列番号
3)をプライマーとして用いて第1段階のPCRを行
い、その増幅産物を鋳型として用い、本発明のプライマ
ーである上記MHBXF2(配列番号4)とMHBXR
3(配列番号5)をプライマーとして用いて第2段階の
PCRを行った(以下、このnested PCRを行った合計4
種類のプライマーのセット(用い方も上記と同様)を
「プライマーセット1」と呼ぶ)。PCRの条件は、第
1段階、第2段階とも、95℃、4分間インキュベート
した後、94℃30秒間の変性工程、55℃40秒間の
アニーリング工程、72℃、40秒間の伸長工程を35
サイクル繰り返し、最後に72℃10分間インキュベー
トした。反応液は、宝酒造社製の市販のPCRキットを
用い、キットの添付書類に記載されている方法に従い、
1xEX Taq buffer 、1xdNTP、20 pmol の各プライマー、
1.25 UのEX-Taqとし、総体積は50μlとした。一方、
対照として、Paterini P, et al., Hepatology 21, 313
-321, 1995に記載されたプライマーHBV24/26(配列番号
6、7)(比較例1)、HBV16/19(配列番号8、9)
(比較例2)又はHBVF1/F2(配列番号10、11)(比
較例3)を用いて上記と同様の条件でPCRを行った。
PCR産物は、常法によりアガロースゲル電気泳動にか
け、バンドを検出した。
【0017】その結果、本発明のプライマーセット1を
用いた場合、陽性例は12例中8例であり、比較例1〜
3の場合、陽性例は、いずれも0例であった。これらの
結果から、本発明のプライマーを用いた場合に、高感度
にHBVを検出することができることがわかる。特に、
抗HCV抗体(HCVab)陽性でHBs抗原陰性、H
Be抗原陰性例の9例では、本発明のプライマーを用い
た場合、6例が陽性であったのに対し(検出率67
%)、比較例のプライマーを用いた場合には、陽性例は
皆無であった。一方、HBeA g陽性又はHBsA g陽
性例では実施例1、比較例1〜3のいずれにおいても陽
性であった。
【0018】実施例2 プライマーセット1を用いた実施例1において、HBV
−X遺伝子を検出できなかった肝臓組織由来DNAでク
ローン化X遺伝子断片を希釈した系列を用い、プライマ
ーセット1を用いた実施例1の方法の感度テストを行っ
た。なお、クローン化X遺伝子断片は、プライマーセッ
ト1のMHBXF1(配列番号2)とMHBXR1(配
列番号3)でHBsA g陽性血清よりPCRを用いて増
幅した産物をpGEMT(商品名;プロメガ社製)ベク
ターに組込みpMM5439としたものを用い、また、
希釈系列はそのOD260nmからコピー数/mlを算
出して作製した。PCRの条件は、全て実施例1と同じ
であった。その結果、プライマーセット1の検出感度
は、DNA1μg当たり5コピーであった。6log cells
=1μgと概算して100万細胞当たりX遺伝子が5コピ
ー検出できる計算となる。また、増幅バンドはいずれの
場合も1本だけであり、大部分のDNAがヒト由来であ
るにも拘らず、特異的に正確に検出を行うことができ
た。
【0019】実施例3、比較例4〜6 HBsA g陰性、HCV抗体陽性のC型慢性肝炎患者の
肝臓組織を用いて試験を行った。用いたプライマーは、
上記プライマーセット1(実施例3)、第1段階のフォ
ワード側プライマーとしてMHBV1(配列番号12、
HBV遺伝子の1048nt〜1070nt)及びMH
BV2(配列番号13、HBV遺伝子の1057nt〜
1076nt)、リバース側プライマーとしてMHB2
14(配列番号14、HBV遺伝子の1483nt〜1
501nt)、第2段階のフォワード側プライマーとし
てMHBV3(配列番号15、HBV遺伝子の1111
〜1133nt)及びMHBV4(配列番号16、HB
V遺伝子の1137nt〜1160nt)、リバース側
プライマーとしてMHB214(比較例4)、又は第1
段階のフォワード側プライマーとしてMHB215(配
列番号17、HBV遺伝子の3146nt〜3164n
t)、リバース側プライマーとしてMHB6(配列番号
18、HBV遺伝子の132nt〜155nt)、第2
段階のフォワード側プライマーとしてMHB215、リ
バース側プライマーとしてMHB235(配列番号1
9、HBV遺伝子の140nt〜118nt)(比較例
5)であった。PCR条件は、実施例1と同じであっ
た。
【0020】さらに、比較例として、市販のリアルタイ
ムPCRによるHBV検出用キット(ABI7700 、Perkin
-Elmer社製)を用いて試験を行った(比較例6)。用い
たTaqMan(商品名)PCRプライマーは、フォワード側
がFX(配列番号20、HBV遺伝子の1084nt〜
1102nt)、リバース側がRX(配列番号21、H
BV遺伝子の1135nt〜1154nt)、一方、Ta
qMan(商品名)PCRプローブは、PX(配列番号2
2、HBV遺伝子の1109nt〜1133nt)であ
った。条件は、50mM KCl、10mM Tris-HC
l、0.01M EDTA、pH8.3、3.5mM
MgCl2 、200μM dATP、200μM dC
TP、200μM dGTP、200μM dUTP、
1.25 U AmpliTaq Gold(商品名、Perkin-Elmer社製)、
0.5 U AmpErase UNG(商品名、Perkin-Elmer) 、300
nM FX、300nM RX、200 nM PX、
50μlでPCRを行った。PCRサイクルは50℃2
分間、95℃12分間インキュベートした後、95℃1
5秒間、60℃1分間を75サイクル繰返した後、25
℃で保温し検出を行った。
【0021】その結果、陽性数は、実施例3が6例、比
較例4が3例、比較例5が4例、比較例6が4例であ
り、本発明の方法による場合が最も感度良く検出するこ
とができた。
【0022】実施例4、比較例7〜10 C型慢性肝炎患者15人の血清から、常法であるプロテ
アーゼK/フェノール・クロロフォルム抽出法によって
DNAを抽出し、さらにRNAse処理を行った。その
各1μgを鋳型として用い、上記プライマーセット1を
用いて実施例1と同様にnestedPCRを行った(実施例
4)。一方、比較例として、上記比較例6と同様なリア
ルタイム検出PCR(比較例7)、TMA法(中外製薬
社製キットを使用、比較例8)、市販のHBV野生株及
び変異株検出用キットであるCorePromotor (商品名、
住友金属社製、比較例9)及びPreC(商品名、住友金属
社製、比較例10)を用いて試験を行った。また、各血
清中のHBsA g及びHBeA gをRIA法により測定
した。結果を下記表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1に示されるように、実施例4の方法が
最も検出率が高かった。
【0025】
【発明の効果】本発明により、高感度に、かつヒト由来
のDNAを増幅することなく特異的にHBVを検出する
ことができる、HBVの検出方法及びそのためのプライ
マーが提供された。また、上記実施例1及び3から明ら
かなように、HBsAg、HBeAg陰性であるC型肝
臓癌例では、本発明の方法による陽性率が67%であ
り、一方、C型慢性肝炎では26.1%であり、C型癌
患者で高率にHBVが検出された。従って、本発明の方
法は、C型肝炎患者での癌マーカーとしても期待され
る。さらに、従来の方法ではHBVを検出することがで
きなかったB型肝炎抗原陰性検体からHBVを検出する
ことができるので、生体肝移植において、B型肝炎抗原
陰性ドナーを移植前に本発明の方法で調べることによ
り、生体肝移植によるHBVの伝染を防止することも可
能となる。
【0026】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:256 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 ATGGCTGCTC GGGTGTGCTG CCAACTGGAT CCTGCGCGGG ACGTCCTTTG TCTACGTCCC 60 GTCGGCGCTG AATCCCGCGG ACGACCCGTC TCGGGGCCGT TTGGGCCTCT ACCGTCCCCT 120 TCTTCATCTG CCGTTCCAGC CGACCACGGG GCGCACCTCT CTTTACGCGG TCTCCCCGTC 180 TGTGCCTTCT CATCTGCCGG TCCGTGTGCA CTTCGCTTCA CCTCTGCACG TCGCATGGAG 240 ACCACCGTGA ACGCCC 256
【0027】配列番号:2 配列の長さ:21 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 ACGTCCTTTG YCTACGTCCC G 21
【0028】配列番号:3 配列の長さ:20 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 GGAGTCCGCG TAAAGAGAGG 20
【0029】配列番号:4 配列の長さ:19 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 TCCCGTCGGC GCTGAATCC 19
【0030】配列番号:5 配列の長さ:20 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 ACCGCGTAAA GAGAGGTGCG 20
【0031】配列番号:6 配列の長さ:30 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 TGCCAACTGG ATCCTTCGCG GGACGTCCTT 30
【0032】配列番号:7 配列の長さ:19 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 GTTCACGGTG GTCTCCATG 19
【0033】配列番号:8 配列の長さ:18 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 GTCCTAGGAA TCCTGATG 18
【0034】配列番号:9 配列の長さ:18 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 GGGTCACCAT ATTCTTGG 18
【0035】配列番号:10 配列の長さ:19 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 AACCTTTGTG GTTCCTCTG 19
【0036】配列番号:11 配列の長さ:18 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 AAGAGCTTGG GCAAGACC 18
【0037】配列番号:12 配列の長さ:23 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 TGCCAAGTGT TTGCTGAYGC AAC 23
【0038】配列番号:13 配列の長さ:20 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 TTTGCTGACG CAACCCCCAC 20
【0039】配列番号:14 配列の長さ:19 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 CGTTCACGGT GGTCYCCAT 19
【0040】配列番号:15 配列の長さ:19 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 CTGACGCAAC CCCCACTGG 19
【0041】配列番号:16 配列の長さ:24 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 GATCCATACT GCGGAACTCC TAGC 24
【0042】配列番号:17 配列の長さ:18 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 TGCTGGTGGC TCCAGTTC 18
【0043】配列番号:18 配列の長さ:24 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 CTAGAAAATT GAGAGAAGTC CACC 24
【0044】配列番号:19 配列の長さ:23 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 AAGTCCACCA CGAGTCTAGA CTC 23
【0045】配列番号:20 配列の長さ:19 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 GGCTTGGCYA THGGCCATC 19
【0046】配列番号:21 配列の長さ:20 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 AGTTCCGCAG TATGGATCGG 20
【0047】配列番号:22 配列の長さ:25 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 鎖の数:一本鎖 配列 TGCGTGGRAC CTTTGTGKCT CCTCT 25

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号1に示される塩基配列
    若しくは該塩基配列に相補的な塩基配列のうち、連続す
    る15塩基以上から成る塩基配列(ただし、TはUであ
    ってもよい)又は該配列のうち10%以下の数の塩基が
    置換、欠失、挿入若しくは付加された塩基配列を有し、
    これをプライマーとして用いた核酸増幅法によりHBV
    のX遺伝子の領域を増幅できる核酸から成り、かつ、該
    核酸を構成する塩基のうち、70%以上が配列番号1に
    示される塩基配列の1nt〜173nt又は199nt
    〜256ntの領域又はその相補的領域内に存在する、
    B型肝炎ウイルス検出用プライマー。
  2. 【請求項2】 前記核酸を構成する塩基の70%以上が
    配列表の配列番号1に示される塩基配列の42〜173
    nt若しくは199nt〜256ntの領域又はその相
    補的領域内に存在する、請求項1記載のプライマー。
  3. 【請求項3】 前記核酸を構成する塩基の70%以上が
    配列表の配列番号1に示される塩基配列の42〜87n
    t、140〜173nt若しくは199nt〜256n
    tの領域又はその相補的領域内に存在する、請求項2記
    載のプライマー。
  4. 【請求項4】 配列表の配列番号1に示される塩基配列
    若しくは該塩基配列に相補的な塩基配列のうち、連続す
    る15塩基以上から成る塩基配列(ただし、TはUであ
    ってもよい)を有する核酸から成る請求項1ないし3の
    いずれか1項に記載のプライマー。
  5. 【請求項5】 プライマーを構成する塩基数が15〜5
    0である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のプラ
    イマー。
  6. 【請求項6】 配列表の配列番号1に記載された塩基配
    列の31nt〜71ntの領域中の連続する15塩基以
    上から成る塩基配列を有する請求項3記載のプライマ
    ー。
  7. 【請求項7】 配列表の配列番号2に記載された塩基配
    列を有する請求項6記載のプライマー。
  8. 【請求項8】 配列表の配列番号1に記載された塩基配
    列の185nt〜146ntの領域と相補的な配列中の
    連続する15塩基以上から成る塩基配列を有する請求項
    3記載のプライマー。
  9. 【請求項9】 配列表の配列番号3に記載された塩基配
    列を有する請求項8記載のプライマー。
  10. 【請求項10】 配列表の配列番号1に記載された塩基
    配列の48nt〜85ntの領域中の連続する15塩基
    以上から成る塩基配列を有する請求項3記載のプライマ
    ー。
  11. 【請求項11】 配列表の配列番号4に記載された塩基
    配列を有する請求項10記載のプライマー。
  12. 【請求項12】 配列表の配列番号1に記載された塩基
    配列の182nt〜142ntの領域と相補的な配列中
    の連続する15塩基以上から成る塩基配列を有する請求
    項3記載のプライマー。
  13. 【請求項13】 配列表の配列番号5に記載された塩基
    配列を有する請求項12記載のプライマー。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし5のいずれか1項に記
    載のプライマーであって、配列表の配列番号1に示され
    る塩基配列又は該配列のうち10%以下の数の塩基が置
    換、欠失、挿入若しくは付加された塩基配列を有するも
    のをフォワード側プライマーとして用い、請求項1ない
    し5のいずれか1項に記載のプライマーであって、配列
    表の配列番号1に示される塩基配列と相補的な配列又は
    該配列のうち10%以下の数の塩基が置換、欠失、挿入
    若しくは付加された塩基配列を有するものをリバース側
    プライマーとして用い、試料DNAを鋳型として用いた
    核酸増幅法により試料DNAを増幅し、増幅されたDN
    Aを検出することを含む、B型肝炎ウイルスの検出方
    法。
  15. 【請求項15】 請求項6又は7に記載のプライマーを
    フォワード側プライマーとして用い、請求項8又は9に
    記載のプライマーをリバース側プライマーとして用いて
    行う請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 請求項10又は11に記載のプライマ
    ーをフォワード側プライマーとして用い、請求項12又
    は13に記載のプライマーをリバース側プライマーとし
    て用いて行う請求項14記載の方法。
  17. 【請求項17】 請求項14記載の方法により増幅され
    た核酸を鋳型とし、請求項1ないし5のいずれか1項に
    記載のプライマーであって、配列表の配列番号1に示さ
    れる塩基配列又は該配列のうち10%以下の数の塩基が
    置換、欠失、挿入若しくは付加された塩基配列を有する
    ものをフォワード側プライマーとして用い、請求項1な
    いし5のいずれか1項に記載のプライマーであって、配
    列表の配列番号1に示される塩基配列と相補的な配列又
    は該配列のうち10%以下の数の塩基が置換、欠失、挿
    入若しくは付加された塩基配列を有するものをリバース
    側プライマーとして用いて鋳型DNAを増幅し、増幅さ
    れた核酸を検出するB型肝炎ウイルスの検出方法。
  18. 【請求項18】 請求項6又は7に記載のプライマーを
    フォワード側プライマーとして用い、請求項8又は9に
    記載のプライマーをリバース側プライマーとして用いて
    第1回目の核酸増幅を行い、請求項10又は11に記載
    のプライマーをフォワード側プライマーとして用い、請
    求項12又は13に記載のプライマーをリバース側プラ
    イマーとして用いて第2回目の核酸増幅を行う請求項1
    7記載の方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6682884B2 (en) * 2002-01-03 2004-01-27 Vijay Sharma Method and device for the rapid clinical diagnosis of hepatitis B virus (HBV) infection in biological samples
JP2012517804A (ja) * 2009-02-13 2012-08-09 ビッグテック プライベート リミテッド B型肝炎ウイルスの検出のためのオリゴヌクレオチドプローブ及びプライマー
CN105821156A (zh) * 2014-11-10 2016-08-03 台中荣民总医院 在体外检测或/及定量乙型肝炎病毒的方法及其所使用的引物、探针
CN109852731A (zh) * 2019-04-02 2019-06-07 重庆医科大学附属儿童医院 引物探针组合及其试剂盒在hbv检测中的应用

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