JPH11260182A - 加飾透光性シート状キートップ - Google Patents

加飾透光性シート状キートップ

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JPH11260182A
JPH11260182A JP7307698A JP7307698A JPH11260182A JP H11260182 A JPH11260182 A JP H11260182A JP 7307698 A JP7307698 A JP 7307698A JP 7307698 A JP7307698 A JP 7307698A JP H11260182 A JPH11260182 A JP H11260182A
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JP
Japan
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oxide
film
key top
thin film
inorganic thin
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JP7307698A
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Toru Kimura
村 亨 木
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PORIMATEC KK
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PORIMATEC KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 虹彩色光沢を有する美観に優れた高級感のあ
る加飾透光性シート状キートップおよびその製造方法の
提供。 【解決手段】 成形された高分子樹脂からなるキートッ
プ本体の上面側に、フィルムが一体形成されてなる押釦
スイッチのシート状キートップにおいて、フィルムの表
側および/または裏側に、膜厚が2nm〜500nm、全光
線透過率が70%以上の無機物薄膜が形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話、携帯情
報端末、各種家電製品用リモコン、カードリモコンおよ
び各種キーボードなどに使用される美観に優れた高級感
のある加飾透光性シート状キートップおよびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、押釦スイッチのキートップ部分を
金属光沢やパール光沢調に加飾する方法および構成とし
ては、樹脂やゴム成分中に金属粉末やパール顔料を混合
して成形する方法、金属粉末やパール顔料を含む塗料を
スクリーン印刷あるいは吹き付け塗装する方法、キート
ップの表面に真空蒸着法あるいはスパッタリング法など
によってアルミニウムやクロム等の金属薄膜層を設ける
方法、メッキによる方法および各々の構成が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の金属粉末やパー
ル顔料を樹脂やゴムに混合して成形する方法は、粉体の
均一分散が困難なため、粉末の偏析によって縞模様や色
調むらが発生し、文字や記号が見ずらくなってしまう等
の問題がある。また、金属粉末やパール顔料を含む塗料
を印刷する方法でも、均一かつ質感の高い虹彩色光沢を
有する透光性の加飾キートップは得られていない。一
方、成形体の表面にアルミニウムやクロム等の金属薄膜
を真空蒸着法やスパッタリング法あるいは金属メッキに
よって得られるキートップは、金属光沢は呈するけれど
も、虹彩色光沢を有する透光性のものではない。
【0004】しかしながら、最近の携帯電話、携帯端末
機器、各種家電製品用リモコン、カードリモコンおよび
各種キーボードなどの樹脂キートップおよび押釦スイッ
チには、虹彩色光沢を有する美観に優れた高級感のある
ものの要求が非常に強くなってきている。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、キート
ップ本体の上面側に無機物薄膜を配することにより、虹
彩色光沢を有する美観に優れた加飾透光性シート状キー
トップおよびその製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、成形された高分子樹脂
からなるキートップ本体の上面側に、フィルムが一体形
成されてなる押釦スイッチのシート状キートップにおい
て、フィルムの表側および/または裏側に、膜厚が2nm
〜500nm、全光線透過率が70%以上の無機物薄膜が
形成されていることを特徴とする加飾透光性シート状キ
ートップである。
【0007】さらに本発明は、成形された高分子樹脂か
らなるキートップ本体の上面側に、フィルムが一体形成
されてなる押釦スイッチのシート状キートップにおい
て、フィルムの表側および/または裏側に、物理的蒸着
法あるいは化学的蒸着法によって膜厚が2nm〜500n
m、全光線透過率が70%以上の無機物薄膜を形成する
加飾透光性シート状キートップの製造方法である。
【0008】さらに本発明は、成形された高分子樹脂か
らなるキートップ本体の上面側に、フィルムが一体形成
されてなる押釦スイッチのシート状キートップに、膜厚
5μm〜60μmの高分子材料からなるベースコート
膜、さらにその表面に物理的蒸着法あるいは化学的蒸着
法によって膜厚が2nm〜500nm、全光線透過率が70
%以上の無機物薄膜が形成されていることを特徴とする
加飾透光性シート状キートップである。
【0009】さらに本発明は、成形された高分子樹脂か
らなるキートップ本体の上面側に、フィルムが一体形成
されてなる押釦スイッチのシート状キートップに、未硬
化の液状樹脂を積層して硬化させ、膜厚が5μm〜60
μmの高分子ベースコート膜を形成し、さらにその表面
に物理的蒸着法あるいは化学的蒸着法によって膜厚が2
nm〜500nm、全光線透過率が70%以上の無機物薄膜
を形成することを特徴とする加飾透光性シート状キート
ップの製造方法である。
【0010】さらに本発明は、無機物薄膜上に、さらに
膜厚が5μm〜60μmの高分子保護膜を有することを
特徴とする請求項1または請求項3または請求項6記載
の加飾透光性シート状キートップである。
【0011】さらにまた本発明は、無機物薄膜上にさら
に未硬化の液状樹脂を積層して硬化させ、膜厚が5μm
〜60μmの高分子保護膜を形成することを特徴とする
請求項3または請求項7記載の透光性加飾シート状キー
トップの製造方法である。
【0012】なお、本発明の全光線透過率は、JIS
K-7105による測定値を意味する。
【0013】以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0014】本発明で使用する樹脂キートップは、成形
された高分子樹脂からなるキートップ本体の上面側に、
フィルムが一体形成されてなる押釦スイッチのシート状
キートップである。さらに具体的には、所望のキートッ
プ形状の金型を使用し、あらかじめ表面および/または
裏面に文字、記号等の印刷をしたフィルムをセットし、
射出成形、圧縮成形、トランスファー成形、回転成形な
どによって加熱溶融させた樹脂あるいは液状の未硬化樹
脂をフィルムの裏面側より金型に充填させてから固化さ
せて製造することができる。
【0015】フィルムの組成や種類、弾性率、色調につ
いては特に限定しないけれども、透明性が良好なポリエ
ステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタ
ン、ポリアミド、シリコーン、1,2−ポリブタジエ
ン、ポリエチレンビニルアセテート、ポリビニルクロラ
イド、ポリビニルアルコールなどの熱可塑性フィルム
と、ポリアミドフィルム、ポリエチレンテレフタレート
フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネート
フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールフィ
ルム、またはセロハンフィルムが特に好ましい。
【0016】また、樹脂の組成や種類、弾性率、色調に
ついては特に限定しないけれども、透明性が良好なポリ
メタクリル酸メチル、ポリカーボネート、シリコーン樹
脂、アモルファスポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリアリレート、アモルファスポリオレフィ
ン、ポリメチルペンテン、アモルファスナイロン、ポリ
ウレタン、エステル系熱可塑性エラストマー、スチレン
系熱可塑性エラストマー、ナイロン系熱可塑性エラスト
マーが特に好ましい。ポリエチレン、ポリプロピレン、
ABS樹脂、PETやPBTなどの結晶性ポリエステ
ル、結晶性ナイロン、ポリフェニレンエーテル、ポリア
セタール、ポリアセタール、ポリサルホン、ポリエーテ
ルサルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、
ポリエーテル、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリ
エーテルイミド、液晶ポリマー、フッ素樹脂などの半透
明や若干着色した樹脂でもかまわない。また、シリコー
ン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエ
ステル、ジアリルフタレート、アクリル系樹脂、ウレタ
ン系樹脂などの熱硬化性、光硬化性、湿気硬化性などの
公知の樹脂を使用することも可能である。
【0017】また、金型中でフィルムを所望のキートッ
プ形状とする際、フィルム上の文字印刷層の伸び、歪み
等によって文字形状が変化することを抑えるために、文
字印刷層上にあらかじめ補強印刷層を積層することが好
ましい。積層する方法については、スクリーン印刷方式
のほか、スプレー塗布方式、ポッティング方式、ディス
ペンサー方式、パッド印刷方式および転写方式によるも
のなど特定するものではない。この際の液状樹脂として
は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン樹
脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレートなどの熱硬化
性、光硬化性、湿気硬化性の樹脂が挙げられる。
【0018】さらに、本発明では、成型したシート状の
高分子材料からなるキートップ基材上に未硬化の液状樹
脂をスプレー塗布するなどして積層し反応硬化させたシ
ート状キートップを使用すると、キートップ表面の平滑
性が向上し、特に美観に優れた虹彩色光沢を有す透光性
シート状キートップを得ることができる。
【0019】積層する方法については、スプレー塗布方
式のほか、ポッティング方式、ディスペンサー方式、パ
ッド印刷方式および転写方式によるものなど特定するも
のではない。この際の液状樹脂としては、アクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、
ジアリルフタレートなどの熱硬化性、光硬化性、湿気硬
化性の樹脂が挙げられる。高分子材料からなる基材とこ
れらの液状樹脂の密着性を向上させるためには、基材の
表面に、短波長紫外線照射やコロナ処理、あるいはカッ
プリング剤処理などを施すことが好ましい。例えば、特
開平6−5150号公報の樹脂キートップ付シリコーン
キースイッチの製造法によるもの、特開平6−5151
号公報の透明樹脂キートップ付キーシートの製造法によ
るものを応用することもできる。
【0020】本発明の加飾透光性キートップおよび押釦
スイッチは、上述の樹脂キートップの表面および/また
は裏面に、膜厚が2nm〜500nm、全光線透過率が
70%以上の無機物薄膜を積層することを特徴とする。
全光線透過率が70%未満であると、透光性が不十分に
なり、下地に印刷した文字や記号を認識することが困難
になる。好ましい全光線透過率は、75%以上、さらに
好ましくは80%以上である。無機物薄膜の膜厚が2n
mよりも薄いと虹彩色光沢が薄くなり、500nmを超
えると透光性が劣ってしまうので好ましくない。実際に
は、使用する樹脂の種類、屈折率、形状、および無機物
薄膜の材質、屈折率、色調などに依存するけれども、5
nm〜300nmの範囲のものが特に従来は得られなか
った赤色、黄色、青色、紫色などを主体とする虹彩色光
沢を有した美観に優れるものが得られる。
【0021】本発明の無機物薄膜の材質は、アルミニウ
ム、クロム、ニッケル、チタン、タングステン、ケイ
素、マグネシウム、コバルト、タンタル、ゲルマニウ
ム、モリブデン、錫、鉛、亜鉛、鉄、金、銀、白金、銅
などの金属あるいは合金、金属酸化物、金属窒化物、金
属弗化物、金属炭化物、金属硫化物およびこれらの混合
物または積層物が用いられる。特に好ましくは化学的に
安定な金属酸化物、金属窒化物、金属弗化物、金属炭化
物、金属硫化物が用いられる。具体的には、酸化チタ
ン、酸化ケイ素、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化タン
グステン、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化コバル
ト、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化スズ、酸化マ
ンガン、酸化ニッケル、酸化ジルコニウム、酸化バナジ
ウム、酸化セリウム、酸化ビスマス、酸化アンチモン、
酸化亜鉛および酸化ハフニウムなどの金属酸化物、窒化
ケイ素、窒化アルミニウムおよび窒化チタンなどの金属
窒化物、弗化マグネシウム、弗化セリウム、弗化鉛など
の金属弗化物、炭化ケイ素、炭化チタンなどの金属炭化
物、硫化亜鉛等の金属硫化物が好適である。なかでも、
酸化チタン、酸化鉄、酸化タングステン、酸化ケイ素、
弗化マグネシウム、硫化亜鉛の単一薄膜あるいはこれら
の2種以上の積層薄膜を使用すると虹彩色光沢を有する
非常に美観に優れた加飾透光性キートップが得られる。
【0022】これらの無機物薄膜は、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的蒸
着法あるいは熱CVD(Chemical Vapor Deposition)
法、プラズマCVD法、光CVD法などの化学的蒸着法
によって均一でむらが無く製膜することができる。蒸着
装置および蒸着条件は通常実施されているもので差し支
えないが、蒸着温度の高い無機物材料については、電子
ビーム加熱源を有する蒸着装置の使用が好ましい。さら
に、キートップ樹脂と無機物薄膜の密着性を向上する目
的で、イオンアシスト機構を含んだ蒸着装置を使用して
も良い。
【0023】また、金属酸化物には、酸化数の異なる材
料が存在し、酸化チタンを例にとるとTiO2の他にT
iO,Ti2O3,Ti3O5,Ti4O7等の材料が
知られている。これらの材料を用いることによって、材
料を加熱した際に材料中から酸素ガスが分解し蒸着圧力
を低下させる等の問題を抑えることが可能で、連続で安
定した蒸着を行うためにはこのような材料を使っても良
い。さらに金属酸化物あるいは金属窒化物等の積層の際
に、不足すると考えられる酸素、窒素等の気体を装置内
に導入して蒸着しても良い。製膜する前工程として、高
分子材料からなるシート状キートップにアンダーコート
剤などの公知の前処理を施して無機物薄膜の密着性を向
上させることもできる。使用するシート状キートップの
種類、製膜する無機物の材質にも依存するが、密着性、
温度および製造コストの点を考慮すると、真空蒸着法あ
るいはスパッタリング法による方法が経済的であり、目
的とする虹彩色光沢を有する美観に優れた高級感のある
透光性加飾シート状キートップを安価に得ることができ
る。なお、文字印刷されたキー天面以外の部分にも同様
に無機物薄膜を製膜してもかまわないが、マスキングを
施して必要な文字印刷されたキー天面部分のみを選択的
に製膜する方法が好ましい。
【0024】本発明は、上記の無機物薄膜が表面に露出
する構造の場合は、無機物薄膜上に、さらに未硬化の液
状樹脂を積層して硬化させた厚さが5μm〜60μmの
高分子保護膜を形成することによって、虹彩色の無機物
薄膜を物理的および化学的に安定化させることができ
る。液状樹脂の種類や塗布、硬化方法については特定す
るものではないけれども、熱硬化型や光硬化型、湿気硬
化型などのアクリル系、ウレタン系、シリコーン系、エ
ポキシ系、エステル系などのモノマーやオリゴマーを使
用し、スプレー塗布や各種印刷、ポッティングなどの方
法で積層して硬化し、5μm〜60μmの高分子保護膜
を形成できる。この高分子保護膜は、無色でもかまわな
いけれども、赤色や青色、黄色などの有色のものを使用
すると、さらに色調が変化するので任意の着色を施すこ
ともできる。膜厚が5μmよりも薄いと、高分子保護膜
の機械的性質が弱く無機物薄膜を十分に保護することが
不可能であり、一方、60μmよりも厚いと、虹彩色光
沢の鮮明さが薄れて美観を損ねてしまう。さらに好まし
い高分子保護膜の膜厚は、15μm〜45μmの範囲で
ある。また、複数の高分子保護膜を積層することもでき
る。
【0025】以下、実施例および比較例を示して本発明
を具体的に説明する。
【0026】
【実施例1】図1は本発明の実施例1の透光性シート状
キートップおよびその製造方法を示す縦断面図である。
【0027】ポリエチレンテレフタレートフィルム1の
裏面に所定の文字あるいは記号印刷層2をスクリーン印
刷し、さらにこのフィルムに補強印刷層3を積層した
後、キートップ部の形状に成型し、キートップ本体を成
型する金型にセットし、ポリカーボネート(パンライト
L1225L 帝人化成株式会社製)を射出成形して、ポリ
カーボネート4を充填した。この一体成形したシート状
キートップの表面をエタノールで洗浄し、ステンレス製
のマスク5にて蒸着が不要な箇所を覆い、イオンアシス
ト機構を有する電子ビーム真空蒸着装置中で、酸素ガス
を導入して蒸着圧力1×10−4torr、イオンビームを
照射しながら、製膜速度4nm/分で10分間、酸化チ
タン(Ti2O3)を真空蒸着して、膜厚40nm、全
光線透過率86%の酸化チタンからなる無機物薄膜6を
形成した。
【0028】得られたシート状キートップは、青色を主
体とする虹彩色光沢を有した透光性の美観に優れるもの
であった。
【0029】
【実施例2】図2は、本発明の実施例2の透光性シート
状キートップの縦断面を示す。
【0030】実施例1で製造した酸化チタン薄膜6を形
成して虹彩色光沢を有する加飾透光性シート状キートッ
プに、透明ウレタン系塗料(オリジプレートZ オリジ
ン電気株式会社製)を塗布、乾燥硬化させて、30μm
の膜厚の高分子保護層7を積層した。
【0031】この高分子保護層によって、蒸着した酸化
チタンからなる表面に露出した無機物薄膜を保護するこ
とができた。
【0032】
【実施例3】図3は本発明の実施例3の透光性シート状
キートップの縦断面を示す。
【0033】実施例1と同様に、一体成形したシート状
キートップをステンレス製のマスク5にて蒸着が不要な
箇所を覆い、紫外線硬化型アクリル系塗料(UR-1104 三
菱レイヨン株式会社製)をスプレー塗布し紫外線硬化し
て、ベースコート層8を形成した。さらに、真空蒸着法
によって膜厚140nm、全光線透過率84%の酸化タ
ングステンからなる無機物薄膜6を形成した。
【0034】得られた押釦スイッチの樹脂キートップ
は、紫色を主体とする虹彩色光沢を有した透光性の美観
に優れるものであった。
【0035】さらに、紫外線硬化型アクリル系塗料(UR
-3020 三菱レイヨン株式会社製)をスプレー塗布、紫外
線硬化させて、30μmの膜厚の高分子保護層7を積層
した。
【0036】この高分子保護層によって、蒸着した酸化
タングステンからなる表面に露出した無機物薄膜を保護
することができた。
【0037】
【実施例4】図4は本発明の実施例4の透光性シート状
キートップの縦断面を示す。
【0038】ポリエチレンテレフタレートフィルム1の
裏面に、所定の文字あるいは記号の抜き文字印刷層2を
スクリーン印刷した。さらにこのフィルムをスパッタリ
ング装置内で、スパッタガスをアルゴンとして、スパッ
タ圧力5×10−3torr、製膜速度5nm/分で10分
間、酸化チタンをスパッタリングして、膜厚50nm、
全線透過率82%の酸化チタンからなる無機物薄膜を6
を形成した。さらにこのフィルムに補強印刷層3を積層
した後、キートップ部の形状に成型し、キートップ本体
を成型する金型にセットし、ポリカーボネート(パンラ
イト L1225L 帝人化成株式会社製)を射出成形して、ポ
リカーボネート4を充填した。
【0039】得られたシート状キートップは、文字部分
のみが黄色を主体とする虹彩色光沢を有した透光性の美
観に優れるものであった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、成形された高分子樹脂
からなるキートップ本体の上面側に、同形状に湾曲させ
たフィルムが一体形成されてなる押釦スイッチのシート
状キートップにおいて、フィルムの表面および/または
裏面に、特定の無機物薄膜を積層することによって、従
来は得られなかった赤色、黄色、青色、紫色などを主体
とする虹彩色光沢を有する美観に優れた高級感のある透
光性加飾キートップおよび押釦スイッチならびにその製
造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の加飾透光性シート状キー
トップの製造方法を示した縦断面図である。
【図2】 本発明の実施例2の加飾透光性シート状キー
トップを付設した押釦スイッチを示した縦断面図であ
る。
【図3】 本発明の実施例3の加飾透光性シート状キー
トップの製造方法を示した縦断面図である。
【図4】 本発明の実施例4の加飾透光性シート状キー
トップを付設した押釦スイッチを示した縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 フィルム部 2 文字あるいは記号印刷層 3 補強印刷層 4 樹脂キートップ部 5 マスク 6 無機物薄膜 7 高分子保護膜 8 ベースコート層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 加飾透光性シート状キートップ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形された高分子樹脂からなるキートッ
    プ本体の上面側に、フィルムが一体形成されてなる押釦
    スイッチのシート状キートップにおいて、フィルムの表
    側および/または裏側に、膜厚が2nm〜500nm、全光
    線透過率が70%以上の無機物薄膜が形成されてなるこ
    とを特徴とする加飾透光性シート状キートップ。
  2. 【請求項2】 膜厚5μm〜60μmの高分子材料から
    なるベースコート膜を形成し、さらにその表面に無機物
    薄膜が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載
    の加飾透光性シート状キートップ。
  3. 【請求項3】 ベースコート膜が、未硬化の液状樹脂を
    積層して硬化させることにより形成されてなることを特
    徴とする請求項2に記載の加飾透光性シート状キートッ
    プ。
  4. 【請求項4】 無機物薄膜が、物理的蒸着法あるいは化
    学的蒸着法によって形成されてなることを特徴とする請
    求項1、2あるいは3に記載の加飾透光性シート状キー
    トップ。
  5. 【請求項5】 無機物薄膜が、酸化チタン、酸化ケイ
    素、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸
    化アルミニウム、酸化クロム、酸化コバルト、酸化タン
    タル、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ニッケル、酸化
    マンガン、酸化ジルコニウム、酸化バナジウム、酸化セ
    リウム、酸化ビスマス、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸
    化ハフニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チ
    タン、弗化マグネシウム、弗化セリウム、弗化鉛、炭化
    ケイ素、炭化チタン、硫化亜鉛、ケイ素およびゲルマニ
    ウムより選ばれる材質からなる請求項1、2、3あるい
    は4に記載の加飾透光性シート状キートップ。
  6. 【請求項6】 無機物薄膜上に、膜厚が5μm〜60μ
    mの高分子保護膜が積層されてなることを特徴とする請
    求項1、2、3、4または5に記載の加飾透光性シート
    状キートップ。
JP7307698A 1998-03-09 1998-03-09 加飾透光性シート状キートップ Pending JPH11260182A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7364649B2 (en) 2001-07-16 2008-04-29 Polymatech Co., Ltd. Method of producing the keytop for pushbutton switch
JP2009187832A (ja) * 2008-02-07 2009-08-20 Sunarrow Ltd 加飾層及びこれを備えたキーユニット

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