JPH11259583A - 調剤診療ケア情報の空間伝送ネットワークシステム - Google Patents

調剤診療ケア情報の空間伝送ネットワークシステム

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JPH11259583A
JPH11259583A JP5798498A JP5798498A JPH11259583A JP H11259583 A JPH11259583 A JP H11259583A JP 5798498 A JP5798498 A JP 5798498A JP 5798498 A JP5798498 A JP 5798498A JP H11259583 A JPH11259583 A JP H11259583A
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JP
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information carrier
fixed port
data
unit
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JP5798498A
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Shiro Omura
司郎 大村
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TOSHO KK
Original Assignee
TOSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高性能の処理装置を必要とせず、設備の拡張
や変更に柔軟かつ容易に対応でき、また、効率的かつ誤
りなく調剤診療業務を支援できる調剤診療ケア情報の空
間伝送ネットワークシステムを提供する。 【解決手段】 調剤ライン上を移動する薬剤トレイに情
報キャリア21を付し、通信路3に接続された処方指示
ユニット30の固定ポート31との間で空間伝送による
データコミュニケーションを行う。情報キャリア21
は、CPU215とE2 PROM216とを備える。E
2 PROM216には、処理プログラムのほか、処方デ
ータ等の調剤情報や、工程順序情報、予定所要時間情報
および処理状況情報等の調剤診療管理情報を格納する。
情報キャリア21と固定ポート31との間の空間伝送や
2 PROM216に対するデータの読み書きは自律的
に行われる。情報キャリア21は、通信路3を介して他
の処理ユニットとデータ通信を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は病院薬局等における
調剤業務や患者の診療ケア業務を支援するための調剤診
療ケア情報の空間伝送ネットワークシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、病院薬局等においては、患者
に投与する薬剤を1回分ずつ分包するために各種の薬剤
分包機が用いられているが、特に大規模病院の薬局等に
おいては全自動型の薬剤分包機が用いられ、省力化が図
られている。このような薬剤分包機を用いて薬剤分包を
行った場合においても、何らかの原因で分包錠数等の誤
りが発生する可能性もあるので、患者への誤投与を避け
るべく、薬剤師によってそれらの各分包袋に処方箋通り
の適正な種類および錠数の薬剤が収容されているか否か
を確認する作業(以下、薬剤監査作業という。)が行わ
れている。ここで、薬剤には、錠剤、散剤、水剤のほ
か、注射液やカプセル、錠剤のPTP、外用薬等の多種
多様なものがあるため、特に大病院のように多数の患者
に対する処方薬を取り扱う薬局においては、薬剤の種類
ごとに調剤作業を分けるようにした方が効率的である。
【0003】そこで、例えば、特開平7−81737号
公報にあるように、薬局内にコンベアラインを設け、そ
の上を移動するバケット内に、薬剤種ごとに調剤された
分包袋を順序投入し、最後にバケット内のすべての分包
袋の内容について処方箋との照合作業(監査)を行った
上で、これらを薬袋に入れて患者に手渡すようにするこ
とが行われている。この方法では、コンベアラインの移
動タイミングや各薬剤分包装置等における動作制御およ
び患者ごとの調剤情報の管理等は、すべて、中央部に設
けられた中央制御装置およびシーケンサによって統括的
に行われるようになっていた。
【0004】また、特に総合病院等のような規模の大き
い病院においては、来院患者や入院患者についての各種
の処置管理が効率的かつ確実に行われるようにするた
め、患者ごとにID(識別)カードを作成し、これを基
に病院内の各部門での業務進行と患者管理とを行う診療
ケアシステムを採用しているケースが多い。このIDカ
ードとしては、従来より、プラスチック製のカードに文
字情報を表す凹凸を形成しこれを専用紙に転写できるよ
うにしたエンボッサタイプのものや、バーコードを印刷
したカード等が用いられており、このIDカードに患者
の個人情報を記録すると共に、各部門でそれを肉眼また
はバーコードリーダ等によって読み取って業務の用に供
するようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の調剤システムでは、コンベアラインや各薬剤分包装置
等と中央制御装置との間は、それぞれ個別に制御用の配
線ケーブルによって接続され、これらの各装置の制御は
すべて中央集中方式で(すなわち、中央処理装置からの
指令に基づいて)行われるようになっていた。このた
め、制御対象の装置が多い場合には配線ケーブルの数が
多数となって配線が複雑化すると共に、配線スペースも
増大するという問題があった。
【0006】また、例えば、コンベアラインに沿って配
置した薬剤分包装置等の種類や台数を増減変更したり配
置変えをする場合には、そのような増設変更の対象とな
るすべての装置と中央制御装置との間を結ぶ配線ケーブ
ル全体を布設し直さなければならないので、膨大な手間
がかかることとなる。また、例えば薬剤分包装置にセッ
トする薬剤の種類や数を変更追加しようとする場合に
は、中央制御装置やシーケンサのメインプログラムを書
き換えなければならないので、その書き換えの作業が大
掛かりとなって大きな労力と時間とを要し、しかも、書
き換え作業中は調剤システムの運転を中断しなければな
らなかった。すなわち、システムの拡張や変更に柔軟に
対応することは容易でなかった。
【0007】さらに、従来は、中央制御装置が調剤シス
テム全体の管理、監視および制御を一手に行うようにな
っていたことから、その処理負荷が大きく、それに見合
う高性能のマイクロプロセッサを搭載した装置が必要
で、コスト的にも不利であった。
【0008】一方、上記したように、従来の診療ケアシ
ステムで用いていたIDカードは、エンボッサタイプや
バーコードタイプ等の一般に広く流通しているものであ
るため、安価であり、また、軽くて持ち運びにも便利で
あるという利点はあるものの、その一方、記録できる情
報量が数バイト〜数十バイト程度と少ないことから、患
者ID番号の管理程度しかできず、十分な患者管理がで
きなかった。また、従来のIDカードには、再利用がで
きないこと、汚れ等によって読み取り困難となるおそれ
があること、あるいは印字プリンタ等のランニングコス
トが無視できないこと等の不利な点もあり、さらに、特
にバーコードタイプの場合には、患者に対して「自分が
物であるかのような印象」を与えるという問題もあっ
た。
【0009】さらに、この種のIDカードは、患者と共
に一人歩きするという性質をもつため、果たして患者が
適切な順序に従って適切な診療ケアを受けているかとい
うことをIDカードによって把握することは困難であっ
た。
【0010】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その第1の目的は、調剤システム構築に必要な配
線ケーブルを極力減らしてシステム構成の拡張変更にも
柔軟かつ容易に対応できるような環境を実現することを
可能とする調剤診療ケア情報の空間伝送ネットワークシ
ステムを提供することにある。また、本発明の第2の目
的は、病院薬局等における調剤業務や患者の診療ケア業
務の効率的な支援と、患者が心地よく治療等を受けられ
るような医療環境の実現とを可能とする調剤診療ケア情
報の空間伝送ネットワークシステムを提供することにあ
る。さらに、本発明の第3の目的は、調剤処理または診
療ケアを行うに際し、処理の確実性を担保することがで
きる調剤診療ケア情報の空間伝送ネットワークシステム
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る調剤診療ケ
ア情報の空間伝送ネットワークシステムは、所定の通信
プロトコルによる通信が行われる通信網と、処方データ
を含む調剤情報もしくは診療ケア情報と調剤もしくは診
療の順序および所要時間を管理するための調剤診療管理
情報とを記憶する記憶手段ならびに空間伝送を行う伝送
手段を有する可搬型の情報キャリアと、情報キャリアと
の間で空間伝送を行う手段を有する固定ポートとを備
え、固定ポートを通信網に接続するように構成したもの
である。ここで、調剤情報は病院薬局等における調剤業
務に直接関係するすべての情報を含み、また、診療ケア
情報は病院等に来院または入院した患者に直接関係する
すべての情報を含む。
【0012】この調剤診療ケア情報の空間伝送ネットワ
ークシステムでは、必要に応じて、可搬性のある情報キ
ャリアを通信網に接続された固定ポートにセットするこ
とにより、固定ポートと情報キャリアとの間で空間伝送
によるデータコミュニケーションが行われる。具体的に
は、固定ポートは、情報キャリアに調剤情報、診療ケア
情報および調剤診療管理情報を適宜記録したり、情報キ
ャリアからこれらの情報を読み出すことが可能である。
例えば、本発明に係る調剤診療ケア情報の空間伝送ネッ
トワークシステムを調剤部門に適用する場合には、情報
キャリアを調剤トレイに装着して調剤工程の管理等に利
用することができる。また、例えば、本発明に係る調剤
診療ケア情報の空間伝送ネットワークシステムを医療部
門に適用する場合には、情報キャリアを各患者に持たせ
て病院内における各種の業務管理や患者管理に利用する
ことが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。 [第1の実施の形態]図1は本発明の第1の実施の形態
に係る調剤診療ケア情報の空間伝送ネットワークシステ
ムの概略構成を表すもので、病院薬局の調剤部門で用い
られる調剤システムとして構成されている。この調剤シ
ステムは、このシステムに対するデータ入力端末および
データサーバとして機能する操作卓ユニット10と、情
報を蓄積可能な情報キャリア21を備えると共に調剤さ
れた薬剤(後述する分包袋)を収容して搬送路1上を移
動するトレイ20と、操作卓ユニット10から入力され
た処方データをトレイ20の情報キャリア21に書き込
む処理を行う処方指示ユニット30と、多種類の錠剤を
格納すると共に処方指示ユニット30により指示された
処方データに基づいて必要な錠剤を自動的に分包して分
包袋の形でトレイ20中に投入する錠剤分包ユニット4
0と、多種類の散剤を格納すると共に上記の処方データ
に基づいて必要な散剤を自動的に分包して分包袋の形で
トレイ20中に投入する散剤分包ユニット50と、多種
類の水剤を格納すると共に上記の処方データに基づいて
必要な水剤を自動的に分包して分包袋の形でトレイ20
中に投入する水剤分包ユニット60と、トレイ20内に
投入された各種類の分包袋を患者に手渡す際に用いられ
る収容袋である薬袋に必要な情報を印字してトレイ20
中に投入する薬袋供給ユニット70と、患者に手渡され
る薬剤が処方データ通りのものか否かを薬剤師が確認す
る監査作業を支援するための監査支援ユニット80とを
備えている。これらの各ユニットは搬送路駆動ユニット
90によって駆動される搬送路1に沿って配置されてい
る。
【0014】これらの各ユニット間は通信路3によって
相互接続されているが、各ユニットは操作卓ユニット1
0によって統括制御されるのではない。各ユニットは、
後述するように、個別にCPUおよび制御プログラムを
保有しており、それぞれ自律的に動作し、必要に応じて
他のユニットとの間で相互にデータ通信を行うことによ
って、全体として秩序ある動作を行うようになってい
る。ここで、自律的に動作する、とは、少なくとも、必
要な処理内容を表す処理プログラムを保有し、かつ、こ
の処理プログラムを実行する手段(例えば、マイクロプ
ロセッサ等)を備えていることを意味する。ここで、通
信路3が本発明における「通信網」に対応し、情報キャ
リア21が本発明における「情報キャリア」に対応す
る。
【0015】操作卓ユニット10は、図2に示したよう
に、CPU(中央処理装置)111、ハードディスク装
置(HDD)112、メモリ113部および通信メディ
アドライバ114を含んで構成された制御本体部11
と、必要な情報を表示するための表示装置12と、必要
な情報(処方データ等)を入力するためのキーボード1
3とを備えている。
【0016】本体制御部11の各部と表示装置12およ
びキーボード13との間は内部バス14によって接続さ
れている。メモリ部113は処理プログラムを格納する
ほか、CPU111が必要な処理を行う際のワークメモ
リとして使用されるものである。ハードディスク装置1
12には、図3および図4に示したように、キーボード
13から入力された患者ごとの処方データを含んで構築
されたデータベースが格納され、必要に応じてCPU1
11によって参照されるようになっている。CPU11
1は、通信メディアドライバ114により、通信路3を
介して他のユニット(処方指示ユニット30、薬袋供給
ユニット40等)との間でデータ通信ができるようにな
っており、これらの各ユニットに対してハードディスク
112のデータベースの内容を適宜送ることができるよ
うになっている。
【0017】図3は、ハードディスク装置112に格納
されたデータベースのうち、処方データを含む調剤情報
の内容を表すものである。この図に示したように、この
データベースには、処方コードに対応付けて、患者コー
ドおよび患者名のほか、処方薬、用法、分包数等の処方
データやその他の関連データが格納されている。このう
ち、処方薬の欄には、患者に投与すべき1または複数の
薬品の薬品コードが格納されている。この薬品コード
は、例えば図4に示したような薬剤情報を含む薬剤デー
タベースに、薬品名、形状データ格納アドレス、表示記
号、薬効およびその他の情報と対応付けられて登録され
ている。ここで、形状データ格納アドレスは、各薬品の
形状を表す画像データが格納されている領域の先頭アド
レスを意味している。この薬品形状画像データもまたハ
ードディスク装置112内の所定の領域(図示せず)に
格納されている。
【0018】なお、図3におけるその他の関連データと
しては、例えば処方年月日、患者の住所、年齢、性別、
何日分の薬かを表すデータ、初診日、健康保険の種類や
番号等の付帯情報がある。また、図4におけるその他の
データとは、例えば薬品の取扱上の注意、薬品メーカ等
の付帯情報を含む。
【0019】図5は、搬送路駆動ユニット90の概略構
成を表すものである。このユニットは、本ユニット全体
の制御を行うCPU91と、CPU91が実行する制御
プログラムを格納するプログラム領域92aおよび制御
に必要なデータ(駆動パラメータ等)を格納するデータ
領域92bを有するE2 PROM(電気的消去書換可能
型リード・オンリ・メモリ)92と、通信路3との間で
通信インタフェイス制御を行う通信メディアドライバ9
3と、制御信号の入出力制御を行うI/O(入出力)ポ
ート94とを備え、内部バス98によって相互に接続さ
れている。I/Oポート94は駆動制御部95を介して
駆動モータ96に接続されると共に、この駆動モータ9
6の駆動状態を検出する回転センサ97に接続されてい
る。そして、CPU91は、通信路3を介して他のユニ
ットから随時与えられるコマンドに応じて駆動モータ9
6によって搬送路1を駆動すると共に、必要に応じて駆
動状態を表すデータを各ユニットに送出するという制御
を行うようになっている。
【0020】図6は、ある時点における処方指示ユニッ
ト30とトレイ20との位置関係を表すものである。こ
の図に示したように、処方指示ユニット30は、トレイ
20の情報キャリア21との間で空間データ伝送を行う
固定ポート31を備えている。この固定ポート31は通
信路3に接続されている。トレイ20は、搬送路1上を
矢印方向に移動し、情報キャリア21が処方指示ユニッ
ト30の固定ポート31に対向する位置に達した所で停
止するようになっている。ここで、固定ポート31が本
発明における「固定ポート」に対応する。
【0021】図7は、処方指示ユニット30の固定ポー
ト31およびトレイ20の情報キャリア21の内部構成
を表すものである。この図に示したように、この固定ポ
ート31は、空間伝送による送受信を行う磁気コア31
1と、送信データを変調する変調器312aおよび受信
データを復調する復調器312bを備えたトランシーバ
312と、変調された送信データに重畳して送出される
電力を供給するための電力供給用インバータ313と、
電力供給用インバータ313の動作を監視するドライブ
モニタ319とを備えている。
【0022】この固定ポート31はまた、トランシーバ
312に接続され、受信したアナログデータのディジタ
ルデータへの変換や送信するディジタルデータのアナロ
グデータへの変換等の入出力信号の制御を行うI/Oポ
ート314と、CPU315と、CPU315が実行す
る処理プログラムを格納するプログラム領域316aお
よび処理に必要なデータを格納するデータ領域316b
を有するE2 PROM316と、処理に必要なワークメ
モリとしてのRAM(ランダム・アクセス・メモリ)3
17と、通信路3との間で通信インタフェイス制御を行
う通信メディアドライバ318と、計時動作を行うと共
にCPU315からの問い合わせに応じて計時データを
出力するタイムカウンタ322とを備えている。これら
の各部間は内部バス320によって相互に接続されてい
る。I/Oポート314には、トレイ20を検出するた
めのトレイセンサ321から検出信号が入力されるよう
になっており、この検出信号の入力に応じて、CPU3
15が通信路3を介して搬送路駆動ユニット90(図
1,図5)に停止信号を送出するようになっている。
【0023】一方、トレイ20の情報キャリア21は、
図7に示したように、固定ポート31の磁気コア311
との間で空間伝送による送受信を行う磁気コア211
と、送信データを変調する変調器212aおよび受信デ
ータを復調する復調器212bを備えたトランシーバ2
12と、受信データに重畳して送られてきた電力を抽出
して直流5Vの動作電圧を出力する電力抽出部213と
を備えている。ここで、主として磁気コア211が本発
明における「伝送手段」に対応する。
【0024】この情報キャリア21はまた、トランシー
バ212に接続されると共にここから受信したアナログ
データのディジタルデータへの変換や送信するディジタ
ルデータのアナログデータへの変換等の入出力信号制御
を行うI/Oポート214と、CPU215と、CPU
215が実行する処理プログラムを格納するプログラム
領域216aおよび処理に必要なデータを格納するデー
タ領域216bを有するE2 PROM216とを備えて
いる。これらの各部間は内部バス217によって相互に
接続されている。ここで、E2 PROM216が本発明
における「記憶手段」に対応する。
【0025】固定ポート31の磁気コア311および情
報キャリア21の磁気コア211は、共にいわゆるパル
ストランスによって構成され、両者間が高周波磁界によ
って磁気的に結合されて空間伝送が行われるようになっ
ている。なお、これらの磁気コアに代えて、アンテナを
使用し、VHF(Very High Frequency) やUHF(Ultra
High Frequency)等の電磁波を媒体として空間伝送を行
う方法、あるいは光によって空間伝送を行う方法等も考
えられる。
【0026】以上のような図7の構成において、固定ポ
ート31側と情報キャリア21側との間では、通信路3
上の通信プロトコル(すなわち各ユニット間での通信プ
ロトコル)と同一の通信プロトコルを用いて空間伝送が
行われるようになっている。
【0027】図8は、情報キャリア21におけるE2
ROM216のデータ領域216bに格納されたデータ
の一例を表すもので、操作卓ユニット10から入力され
た調剤データのうちの必要なものが処方指示ユニット3
0によって書き込まれたものである。この図に示したよ
うに、情報キャリア21には、患者コードおよび処方コ
ードのほか、薬袋供給工程、錠剤、散剤および水剤の各
調剤工程、および監査工程のそれぞれにおいて必要とな
る処方データが記録されるようになっている。これらの
工程のうち、錠剤、散剤および水剤の各調剤工程につい
ては、それぞれ分包数、薬品コードが記録されるように
なっている。また、これらの5工程のそれぞれに対し
て、工程順序情報、予定所要時間情報、処理状況情報が
記録され、さらに最終的な監査結果も記録されるように
なっている。
【0028】ここで、工程順序情報とは、上記の5工程
がどのような順序で実行されるべきかを表す情報であ
り、本例では、薬袋、錠剤、散剤、水剤、監査の順で工
程が実行されるように設定されている。予定所要時間情
報とは、処方指示ユニット30によって情報キャリア2
1へのデータ書き込みが行われた時点を起算点としたと
きの各工程の終了時点までの予定所要時間を表す情報で
あり、本例では、各工程に対してそれぞれa分,b分,
c分,d分,e分という設定がなされている。
【0029】また、処理状況情報とは、各工程の処理状
況を表すもので、例えば、“0”は未処理の状態(すな
わち、分包処理やトレイ20中への投入等が未だ行われ
ていない状態)を表し、“1”および“2”は処理済の
状態(すなわち、分包処理やトレイ20中への投入等が
済んでいる状態)を表す。但し、“1”は、その工程で
の処理が正常に行われた場合、すなわち、工程順序情報
により指示された正しい工程順序に従って予定所要時間
情報により指示された時間内にその工程での処理が終了
した場合を表し、“2”は、その工程がタイムオーバし
て行われた場合、すなわち、工程順序情報により指示さ
れた正しい工程順序に従ってはいるが予定所要時間情報
により指示された時間内に処理が終了しなかった場合を
表す。また、“3”は、当該薬剤が処方されておらず、
その工程を行う必要がないこと、すなわち、処理不要を
表す。“4”は、処理不能であることを表し、例えば、
薬剤切れ、薬袋切れ、薬袋印字用プリンタのインク切
れ、あるいはその他の装置トラブル等により、その工程
で行うべき処理ができなかった場合が該当する。また、
“5”および“6”は、監査工程の処理状況情報として
のみ使用されるものであり、このうち、“5”は前工程
のいずれかで工程所要時間異常が発生していることを示
し、“6”は前工程のいずれかで工程抜け異常が発生し
ていることを示す。これらの各工程ごとの処理状況情報
は、トレイ20が搬送路1上を搬送されて各ユニットの
固定ポートに対向して停止したときに書き込まれるよう
になっている。ここで、図8に示したデータのうち、患
者コード、処方コード、分包数、薬品コードが本発明に
おける「処方データを含む調剤情報」に対応し、工程順
序情報、予定所要時間情報および処理状況情報が本発明
における「調剤診療管理情報」に対応する。
【0030】図9は、錠剤分包ユニット40の正面外観
を表すものである。この錠剤分包ユニット40は、把手
46aを引くことによって手前に引き出し可能な複数の
引出体46と、各引出体46に設置された多数の錠剤フ
ィーダ(図10および図11で後述)と、錠剤フィーダ
から排出され図示しないシュートを通って落下した錠剤
を中央部に集めるためのホッパ47と、ホッパ47によ
って集められた1組(1服用分)の錠剤を分包して連続
的に分包袋を形成し機外に排出する包装装置41とを備
えている。
【0031】図10は錠剤分包ユニット40の内部構成
を図式的に表すものである。図9に示した引出体46
は、複数(n個)のフィーダベース42−1〜42−n
を収容し、それぞれに対応して錠剤フィーダ44−1〜
44−nが着脱自在に装着されている。錠剤フィーダ4
4−1は、収容している錠剤の数量管理に係る各種のデ
ータを記憶する情報キャリア44a−1を備え、フィー
ダベース42−1は、情報キャリア44a−1との間で
データのやり取りを行う固定ポート42a−1を備えて
いる。
【0032】図11は錠剤フィーダ44−1とフィーダ
ベース42−1の外観構成を表すものである。この図に
示したように、固定ポート42a−1はフィーダベース
42−1の底部に固設された制御基板42b−1上に設
けられ、通信ケーブル42c−1によって通信路3に接
続されている。このフィーダベース42−1はまた、モ
ータおよびモータドライバ等(図示せず)からなるフィ
ード機構駆動部42d−1と、装着部42e−1とを備
えている。
【0033】一方、情報キャリア44a−1は錠剤フィ
ーダ44−1の底部下側に配置されている。この錠剤フ
ィーダ44−1は、フィーダベース42−1の装着部4
2e−1に嵌合する装着部44b−1と、錠剤を収容す
るための錠剤収容部44c−1と、錠剤収容部44c−
1に収容された錠剤を必要数だけ排出するためのフィー
ド機構44d−1と、入出力デバイス44e−1,44
f−1,44g−1とを備えている。ここで入出力デバ
イス42e−1,42f−1,42g−1とは、例え
ば、電源が正常に供給されていることを表示するための
LED、空間伝送異常や錠剤フィード異常等を知らせる
ための警報ブザーまたは警報ランプ、およびフィーダベ
ース42−1への錠剤フィーダ44−1の装着状態を検
知するためのマイクロスイッチ等である。
【0034】装着部44b−1がフィーダベース42−
1の装着部42e−1に嵌合するようにして錠剤フィー
ダ44−1をフィーダベース42−1に装着すると、フ
ィード機構駆動部42d−1のモータ軸(図示せず)が
フィード機構44d−1の駆動軸(図示せず)と嵌合
し、フィード機構駆動部42d−1からフィード機構4
4d−1へと駆動力が伝達されるようになっている。ま
た、この状態で、固定ポート42a−1と情報キャリア
44a−1とは空間を隔てて間近に対向配置されるよう
になっており、両者間で調剤情報や各種の制御データあ
るいは制御用プログラム等の空間伝送が可能になってい
る。そして、フィード機構駆動部42d−1から伝達さ
れる駆動力によってフィード機構44d−1が作動し、
必要な数の錠剤が排出されるようになっている。
【0035】なお、他のフィーダベース42−2〜42
−nおよび錠剤フィーダ44−2〜44−nもまた、フ
ィーダベース42−1および錠剤フィーダ44−1とそ
れぞれ同様に構成されている。
【0036】図10に示したように、各錠剤フィーダ4
4−1〜44−nから排出された錠剤は、それぞれ、シ
ュート45−1〜45−nを通ってホッパ47(図9)
によって包装装置41に集められ、包装制御部41bが
制御する包装機構41cによって分包されるようになっ
ている。
【0037】包装装置41は、上記の包装制御部41b
のほかに、通信路3に接続された固定ポート41aを備
えている。この固定ポート41aは、搬送路1上を移動
してきて停止したトレイ20の情報キャリア21との間
で、調剤データ、制御データあるいは制御プログラム等
の空間伝送を行うためのものである。
【0038】包装装置41から排出された分包袋49
は、例えば図12のようになっている。この図に示した
ように、錠剤49bは、図示しないロールから繰り出さ
れて2つに縦折りされたテープ状の透明な分包紙49a
の内側に一定間隔で1回分ずつ配置された後、この分包
紙49aの開放端部が熱圧着等により閉じられ、さらに
一定間隔で形成される圧着部49cによって密封される
ようになっている。そして、錠剤分包ユニット40から
排出された分包袋49は、トレイ20内に投入されるよ
うになっている。
【0039】図13は、フィーダベース42−1の固定
ポート42a−1および錠剤フィーダ44−1の情報キ
ャリア44a−1の内部構成と、その周辺部の構成を表
すものである。この図に示したように、フィーダベース
42−1の固定ポート42a−1は、トレイセンサ32
1およびタイムカウンタ322がない点を除き、図7に
示した処方指示ユニット30の固定ポート31と同様に
構成されており、磁気コア421と、変調器422aお
よび復調器422bを備えたトランシーバ422と、電
力供給用インバータ423と、ドライブモニタ429と
を備えている。これらの各部の機能は図7で説明した各
対応部の機能と同様であるので説明を省略する。固定ポ
ート42a−1は、さらにフィード機構駆動部42d−
1(図11)に接続されたI/Oポート424と、CP
U425と、プログラム領域426aおよびデータ領域
426bを有するE2 PROM426と、RAM427
と、通信路3に接続された通信メディアドライバ428
とを備えている。これらの各部間は内部バス460によ
って相互に接続されている。これらの各部の機能は図7
で説明した各対応部の機能と同様であるので説明を省略
する。
【0040】一方、錠剤フィーダ44−1の情報キャリ
ア44a−1は、図7に示したトレイ20の情報キャリ
ア21と同様に構成されており、磁気コア441と、変
調器442aおよび復調器442bを備えたトランシー
バ442と、電力抽出部443とを備えている。情報キ
ャリア44a−1はまた、入出力デバイス44e−1〜
44g−1(図11)およびトランシーバ442に接続
されたI/Oポート444と、CPU445と、プログ
ラム領域446aおよびデータ領域446bを有するE
2 PROM446とを備えている。これらの各部間は内
部バス447によって相互に接続されている。これらの
各部の機能は図7で説明した各対応部の機能と同様であ
るので説明を省略する。
【0041】以上のような図13の構成において、固定
ポート42a−1と情報キャリア44a−1との間で行
われる空間伝送には、通信路3上の通信プロトコル(す
なわち各ユニット間での通信プロトコル)と同一の通信
プロトコルが用いられるようになっている。
【0042】図14は、図13に示した情報キャリア4
4a−1のE2 PROM446におけるデータ領域44
6bの内容を表すものである。このデータ領域には、そ
の錠剤フィーダ44−1に収容されている薬品(錠剤)
の種類を表す薬品コードが登録されると共に、その錠剤
フィーダ44−1における錠剤の入出庫履歴データおよ
び残数データが記録されている。入出庫履歴データとし
ては、入庫(“0”)または出庫(“1”)の別を表す
データと、入出庫された錠数を表すデータとがあり、ま
た、出庫については、出庫(錠剤フィード)がいずれの
処方データに基づいて行われたのかを示す処方コードも
記録されるようになっている。これらの入出庫履歴デー
タのうち、出庫に関するデータは錠剤フィーダ44−1
から錠剤がフィードされるごとに、CPU445(図1
3)によって書き加えられるようになっている。また、
入庫に関するデータは、錠剤フィーダ44−1をフィー
ダベース42−1から取り外し、図示しない錠剤補充装
置に接続して錠剤を補充するときに書き加えられるよう
になっている。残数データは、CPU445が前回の残
数と入出庫数とから演算して逐次書き込まれるようにな
っている。
【0043】なお、図10に示した他の情報キャリア4
4a−2〜44a−nに設けられたE2 PROMもま
た、上記の情報キャリア44a−1のE2 PROM44
6と同様の構成になっている。
【0044】図15は、図10に示した包装装置41の
要部構成およびトレイ20の情報キャリア21の内部構
成を表すものである。なお、トレイ20の情報キャリア
21は図7に示したものと同一のものである。この図に
示したように、包装装置41の固定ポート41aは、図
7に示した処方指示ユニット30の固定ポート31と同
様に構成され、磁気コア411と、変調器412aおよ
び復調器412bを備えたトランシーバ412と、電力
供給用インバータ413と、ドライブモニタ419とを
備えている。固定ポート41aはまた、I/Oポート4
14と、CPU415と、プログラム領域416aおよ
びデータ領域416bを有するE2 PROM416と、
RAM417と、通信メディアドライバ418とを備
え、これらの各部間は内部バス420によって相互に接
続されている。I/Oポート414には、トレイ20を
検出するトレイセンサ421からの検出信号が入力され
るようになっており、この検出信号に応じてCPU41
5が通信路3を介して搬送路駆動ユニット90に停止信
号を送出するようになっている。I/Oポート414は
また、包装制御部41bにも接続されている。
【0045】以上のような図15の構成において、固定
ポート41a側と情報キャリア21側との間の空間伝送
は、通信路3上の通信プロトコル(すなわち各ユニット
間での通信プロトコル)と同一の通信プロトコルを用い
て行われるようになっている。
【0046】図16は、薬袋供給ユニット70の要部構
成およびトレイ20の情報キャリア21の内部構成を表
すものである。なお、トレイ20の情報キャリア21は
図7に示したものと同一のものである。この薬袋供給ユ
ニット70は、トレイ20に収容された分包袋を患者に
手渡す際に用いる薬袋を供給するためのもので、表面に
必要なデータを印字した薬袋をトレイ20内に投入する
ようになっている。この図に示したように、薬袋供給ユ
ニット70は、固定ポート71と、プリンタドライバ7
2によって固定ポート71に接続され薬袋に必要なデー
タを印字する薬袋プリンタ73と、ロール状に巻かれた
薬袋(図示せず)を順次繰り出してカットする薬袋供給
駆動部74とを備えている。
【0047】このうち、固定ポート71は、図7に示し
た処方指示ユニット30の固定ポート31と同様に構成
され、磁気コア711と、変調器712aおよび復調器
712bを備えたトランシーバ712と、電力供給用イ
ンバータ713と、ドライブモニタ719とを備えてい
る。固定ポート71はまた、I/Oポート714と、C
PU715と、プログラム領域716aおよびデータ領
域716bを有するE2 PROM716と、RAM71
7と、通信メディアドライバ718とを備え、これらの
各部間は内部バス720によって相互に接続されてい
る。I/Oポート714には、トレイ20を検出するト
レイセンサ721からの検出信号が入力されるようにな
っており、この検出信号に応じてCPU715が通信路
3を介して搬送路駆動ユニット90に停止要求信号を送
出するようになっている。I/Oポート714はまた、
プリンタドライバ72および薬袋供給駆動部74に接続
されている。
【0048】以上のような図16の構成において、固定
ポート71側と情報キャリア21側との間の空間伝送
は、通信路3上の通信プロトコル(すなわち各ユニット
間での通信プロトコル)と同一の通信プロトコルを用い
て行われるようになっている。
【0049】図17は、監査支援ユニット80の要部構
成およびトレイ20の情報キャリア21の内部構成を表
すものである。なお、トレイ20の情報キャリア21は
図7に示したものと同一のものである。この監査支援ユ
ニット80は、すべての調剤処理が終了したトレイ20
の内容の最終チェックを行う監査作業を容易にするため
のものである。この図に示したように、監査支援ユニッ
ト80は、固定ポート81と、表示装置82とを備えて
いる。
【0050】このうち、固定ポート81は、図7に示し
た処方指示ユニット30の固定ポート31と同様に構成
され、磁気コア811と、変調器812aおよび復調器
812bを備えたトランシーバ812と、電力供給用イ
ンバータ813と、ドライブモニタ819とを備えてい
る。固定ポート81はまた、I/Oポート814と、C
PU815と、プログラム領域816aおよびデータ領
域816bを有するE2 PROM816と、RAM81
7と、通信メディアドライバ818とを備え、これらの
各部間は内部バス820によって相互に接続されてい
る。I/Oポート814にはまた、トレイ20を検出す
るトレイセンサ821からの検出信号が入力されるよう
になっており、この検出信号に応じてCPU815が通
信路3を介して搬送路駆動ユニット90に停止信号を送
出するようになっている。内部バス820には表示装置
82が接続されている。この表示装置82は、薬剤監査
に必要な処方データを表示するためのもので、例えばC
RTが用いられる。
【0051】以上のような図17の構成において、固定
ポート81側と情報キャリア21側との間の空間伝送
は、通信路3上の通信プロトコル(すなわち各ユニット
間での通信プロトコル)と同一の通信プロトコルを用い
て行われるようになっている。
【0052】散剤分包ユニット50および水剤分包ユニ
ット60もまた錠剤分包ユニット40(図13)と同様
に構成されており、各種類の散剤または水剤を収容する
薬剤フィーダを多数収容した構成となっている。これら
の各薬剤フィーダもまた、個別のCPUと処理プログラ
ムとを保有する情報キャリアをそれぞれ備えている。な
お、図1において、散剤分包ユニット50および薬袋供
給ユニット70は、便宜上、搬送路1について他のユニ
ットと反対側に配置したように描いているが、実際に
は、錠剤分包ユニット40等と同じように、トレイ20
の情報キャリア21に対して同じ側からアクセスできる
ような位置に配置されている。
【0053】以上のように、各ユニットにおける固定ポ
ートおよび各薬剤フィーダにおける固定ポートと各情報
キャリアとの間では、通信路3上の通信プロトコルと同
一の通信プロトコルが用いられているので、結局、ネッ
トワーク内のすべての部分における通信プロトコルが統
一化されていることになる。
【0054】次に、以上のような構成の調剤診療ケア情
報の空間伝送ネットワークシステムの動作を図18およ
び図19を参照して説明する。なお、図18は、トレイ
20のE2 PROM216のデータ領域216aにおけ
る処理状況フラグの一変化例を表すものであり、図19
は他の変化例を表すものである。ここで、図示のよう
に、これらの2つの例の状況A〜Cは同一としている。
なお、状況Aは初期状態(図8に示した状態と同じ状
態)を表すものである。
【0055】図1において、薬剤師等が操作卓ユニット
10のキーボード13から、ある患者の処方箋を基に処
方データを入力すると、この処方データは図2に示した
ハードディスク112に図3のような形で格納される。
【0056】搬送路駆動ユニット90は搬送路1を駆動
し、トレイ20は矢印の方向に移動する。トレイ20が
処方指示ユニット30の前に差しかかると、処方指示ユ
ニット30の固定ポート31のトレイセンサ321(図
7)がトレイ20を検知して、検知信号をI/Oポート
314を介してCPU315に送る。CPU315は、
所定の通信プロトコルに従った搬送停止コマンドを搬送
路駆動ユニット90に宛てて通信メディアドライバ31
8を介して通信路3上に送出する。図5に示した搬送路
駆動ユニット90のCPU91は、搬送停止コマンドを
受け取ると、I/Oポート94を介して駆動制御部95
を制御し、駆動モータ96の回転を停止させると共に、
所定の通信プロトコルに従った停止完了メッセージを処
方指示ユニット30に返送する。
【0057】処方指示ユニット30における固定ポート
31のCPU315は、搬送路駆動ユニット90から停
止完了メッセージを受け取ると、操作卓ユニット10に
対して処方データの転送を要求する。この要求を受けた
操作卓ユニット10のCPU111は、要求された処方
データをハードディスク112から読み出し、所定の通
信プロトコルに従い、通信メディアドライバ114によ
って処方指示ユニット30に宛てて通信路3上に送出す
る。操作卓ユニット10からの処方データは、処方指示
ユニット30によって受け取られ、そのままの形でE2
PROM316のデータ領域316bに一旦格納された
後、I/Oポート314およびトランシーバ312を介
し、磁気コア311からトレイ20の情報キャリア21
に向けて送出される。このとき、トランシーバ312の
変調器312aは、通信路3から受信したデータを受信
時の形のまま変調し、磁界信号に変換する。この磁界信
号には、電力供給用インバータ313による電力成分が
重畳されて一緒に送出される。
【0058】固定ポート31側から送られてきた磁界信
号は、トレイ20の情報キャリア21の磁気コア211
によって受信される。電力抽出部213は、受信信号か
ら電力成分を分離抽出し、情報キャリア21の動作電源
となる5Vの直流電圧を出力する。一方、トランシーバ
212の復調器212bは受信信号を復調する。CPU
215は、I/Oポート214を介して得た受信データ
から必要な部分(処方データの部分)を抽出してE2
ROM216のデータ領域216bに格納する。これに
より、トレイ20の情報キャリア21には、図8に示し
たような形で処方データが格納されることとなる。
【0059】このとき、CPU215は、図8(または
図18の状況A)に示したように、処理状況フラグをす
べて“0”にセットする。ただし、図8に示した水剤の
ように、分包数が0であって処理が必要ない工程につい
ては、処理不要フラグ“3”をセットする。
【0060】このようにしてトレイ20の情報キャリア
21への処方データの格納が終了すると、情報キャリア
21のCPU215は、搬送路駆動ユニット90に宛て
て、所定の通信プロトコルに従った搬送開始コマンドを
送出する。このコマンドは、処方指示ユニット30の固
定ポート31を通り、さらに通信路3を経由して搬送路
駆動ユニット90に送られる。これを受けた搬送路駆動
ユニット90は、駆動制御部95を制御して駆動モータ
96を回転させ、搬送路1の駆動を再開する。
【0061】再びトレイ20が移動を開始し、薬袋供給
ユニット70(図1)に差しかかると、上記と同様にし
て、薬袋供給ユニット70(図16)の固定ポート71
のトレイセンサ721がトレイ20を検知し、搬送停止
コマンドを搬送路駆動ユニット90に送出する。これに
より、トレイ20は移動を停止し、固定ポート71によ
ってトレイ20の情報キャリア21から処方データ(図
8)が読み出される。固定ポート71のCPU715
は、読み出した処方コードを基に、通信路3を介し、操
作卓ユニット10に対して、より詳細な処方データを要
求する。これを受けた操作卓ユニット10は、ハードデ
ィスク112から患者名、用法等の詳細な処方データを
読み出して薬袋供給ユニット70に送出する。薬袋供給
ユニット70は、操作卓ユニット10から詳細な処方デ
ータを受け取ると、薬袋供給駆動部74によって薬袋ロ
ールを駆動すると共に、プリンタドライバ72(図1
6)によって薬袋に患者名、用法等の情報を印字した上
で1袋の薬袋をカットし、トレイ20内に投入する。
【0062】さらに、固定ポート71のCPU715
は、トレイ20における情報キャリア21のE2 PRO
M216に記録されている薬袋供給工程の工程順序情報
(図18の例では、“第1番目”という情報)と、予定
所要時間情報(図18の例では、“a分”という情報)
と、直前の状況Aにおける処理状況フラグ(図18の例
では、“0,0,0,3,0”)とを参照すると共に、
通信路3を介して処方指示ユニット30のタイムカウン
タ322(図7)からカウント値(すなわち、処方指示
時点から薬袋供給終了までの時間)を取得し、これらの
情報を基に、この薬袋供給工程における処理状況を判定
し、この判定結果を表す処理状況フラグをトレイ20の
情報キャリア21に送る。
【0063】例えば図18の例では、直前の状況Aにお
ける処理状況フラグは、処理不要な水剤分包工程を除い
てすべて“0”になっていることから、この薬袋供給工
程が第1番目に行われた工程であることが判かる。した
がって、薬袋供給ユニット70のCPU715は、薬袋
供給工程が予め設定された正しい順序(第1番目)で行
われたものと判定する。さらに、CPU715は、処方
指示時点から薬袋供給終了までの時間が予定所要時間
(ここでは“a分”)以下だった場合には、予定時間内
に処理が行われたと判断する。そして、この場合には、
トレイ20の情報キャリア21に対し、薬袋供給工程用
の処理状況フラグとして、正常終了を表す“1”を送出
する。
【0064】なお、薬袋供給工程は予め設定された正し
い順序(第1番目)で行われたものの、処方指示時点か
ら薬袋供給終了までの時間が予定所要時間(ここでは
“a分”)を超えていた場合には、予定時間内に薬袋供
給処理が終了しなかったと判断して、トレイ20の情報
キャリア21に対し、薬袋供給工程用の処理状況フラグ
として、タイムオーバー終了を表す“2”を送出する。
【0065】これを受けたトレイ20における情報キャ
リア21のCPU215は、図18の状況Bに示したよ
うに、E2 PROM216内の薬袋供給工程に関する処
理状況フラグを“0”から“1”に書き替える。
【0066】このようにして薬袋供給処理が終了する
と、薬袋供給ユニット70は搬送路駆動ユニット90に
対して搬送再開を要求する。そして、再びトレイ20が
移動を開始し、錠剤分包ユニット40に差しかかると、
上記と同様にして、錠剤分包ユニット40(図10)に
おける包装装置41の固定ポート41aのトレイセンサ
421(図15)がトレイ20を検知し、CPU415
が搬送停止コマンドを送出する。これにより、搬送路駆
動ユニット90の搬送動作が停止し、トレイ20が移動
を停止する。そして、錠剤分包ユニット40の固定ポー
ト41aによってトレイ20の情報キャリア21から処
方データが読み出される。図8に示した例では、錠剤の
分包数は21である。そこで、包装装置41の固定ポー
ト41aのCPU415は、通信路3を介して、フィー
ダベース42−1〜42−nのうち、処方された薬品コ
ードの錠剤を収容している錠剤フィーダ(例えば、図1
0の錠剤フィーダ44−1)が装着されたフィーダベー
ス(例えば、フィーダベース42−1)にフィード要求
コマンドを送ると共に、包装制御部41bを制御して分
包処理の準備を行う。
【0067】フィード要求コマンドを受けた錠剤フィー
ダ(ここでは、錠剤フィーダ44−1)における情報キ
ャリア44a−1のCPU425(図13)は、フィー
ド機構駆動部42d−1(図13,図11)を制御して
フィード機構44d−1(図11)を駆動し、指示され
た数の錠剤を排出させる。同様にして、錠剤供給を要求
された他の錠剤フィーダ44−2〜42−nにおいて
も、それぞれ指示された数の錠剤が排出される。このと
きの排出動作はすべての錠剤フィーダにおいて同期して
行われる。排出された錠剤はホッパー47(図9)によ
って包装装置41の包装機構41c(図10)に集めら
れ、図12に示したような分包袋の形に順次分包され
る。図8に示した例では、錠剤分包工程の分包数データ
に従って21袋の連続した分包袋が形成される。そし
て、これらの分包袋はトレイ20の中に投入される。
【0068】次に、包装装置41における固定ポート4
1aのCPU415は、薬袋供給工程の場合と同様に、
トレイ20における情報キャリア21のE2 PROM2
16に記録されている錠剤分包工程の工程順序情報(図
18の例では、“第2番目”という情報)と、予定所要
時間情報(図18の例では、“b分”という情報)と、
直前の状況Bにおける処理状況フラグ(図18の例で
は、“1,0,0,3,0”)とを参照すると共に、通
信路3を介して処方指示ユニット30のタイムカウンタ
322(図7)からカウント値(すなわち、処方指示時
点から薬袋供給終了までの時間)を取得し、これらの情
報を基に、この錠剤分包工程における処理状況を判定
し、この判定結果を表す処理状況フラグをトレイ20の
情報キャリア21に送る。
【0069】例えば図18の例では、直前の状況Bにお
ける処理状況フラグは、既に“1”が書き込まれている
薬袋供給工程と処理不要な水剤分包工程とを除いてすべ
て“0”であることから、この錠剤分包工程が第2番目
に行われた工程であることが判かるので、錠剤分包ユニ
ット40のCPU415は、錠剤分包工程が予め設定さ
れた正しい順序(第2番目)で行われたものと判定す
る。さらに、CPU415は、処方指示時点から錠剤分
包終了までの時間が予定所要時間(ここでは“b分”)
以下だった場合には、予定時間内に処理が行われたと判
断する。そして、この場合には、トレイ20の情報キャ
リア21に対し、錠剤工程用の処理状況フラグとして、
正常終了を表す“1”を送出する。
【0070】これを受けたトレイ20における情報キャ
リア21のCPU215は、図18の状況Cに示したよ
うに、E2 PROM216内の錠剤分包工程に関する処
理状況フラグを“0”から“1”に書き替える。
【0071】なお、錠剤分包工程は予め設定された正し
い順序(第2番目)で行われたものの、処方指示時点か
ら錠剤分包終了までの時間が予定所要時間(ここでは
“b分”)を超えていた場合には、予定時間内に錠剤分
包処理が終了しなかったと判断して、トレイ20の情報
キャリア21に対し、錠剤分包工程用の処理状況フラグ
として、タイムオーバー終了を表す“2”を送出する。
【0072】一方、錠剤フィーダ44−1における情報
キャリア44a−1のCPU445(図13)は、排出
した錠数をカウントしておき、フィード終了後、そのカ
ウント数をそのときの年月日時分および処方コードと共
にE2 PROM446に書き込み、さらに残数を演算し
て、その結果を書き込む。これにより、E2 PROM4
46のデータ領域446bには、図14に示したような
入出庫履歴データが順次蓄積されていくこととなる。
【0073】このようにして、錠剤分包ユニット40に
よる必要数の分包処理が終了すると、包装装置41にお
ける固定ポート41aのCPU415は、搬送路駆動ユ
ニット90に対して搬送再開を要求する。
【0074】再びトレイ20が移動を開始し、散剤分包
ユニット50に差しかかると、上記と同様にして、散剤
分包ユニット50の固定ポートのトレイセンサ(図示せ
ず)がトレイ20を検知し、搬送停止コマンドを搬送路
駆動ユニット90に送出することでトレイ20を停止さ
せる。そして、散剤分包ユニット40の固定ポートによ
ってトレイ20の情報キャリア21から処方データが読
み出され、以下上記の場合(錠剤分包ユニット40)と
同様にして必要数の分包処理が行われ、形成された分包
袋がトレイ20に投入される。このとき、散剤フィーダ
の情報キャリア(図示せず)への入出庫履歴データの書
き込みも上記の場合と同様に行われる。
【0075】また、この散剤分包工程においても、上記
と同様に、トレイ20の情報キャリア21における散剤
工程の処理状況フラグを書き替える。例えば、散剤分包
工程は予め設定された正しい順序(第3番目)で行われ
たものの、処方指示時点から散剤分包終了までの時間が
予定所要時間(ここでは“c分”)を超えていた場合に
は、予定時間内に散剤分包処理が終了しなかったと判断
して、図18の状況Dに示したように、トレイ20の情
報キャリア21の散剤分包工程用の処理状況フラグとし
て、タイムオーバー終了を表す“2”を書き込む。ま
た、例えば、指示された散剤フィーダに収容されていた
散剤がなくなってしまって分包処理ができなかったとき
は、図19の状況Dに示したように、散剤分包工程用の
処理状況フラグとして、処理不能を表す“4”を書き込
む。
【0076】このようにして、散剤分包ユニット50に
おいて必要数の分包処理が終了すると、散剤分包ユニッ
ト50は搬送路駆動ユニット90に対して搬送再開を要
求する。
【0077】トレイ20が移動を再開し、水剤分包ユニ
ット60に差しかかると、上記の場合(処方指示ユニッ
ト30の場合)と同様にして、水剤分包ユニット60の
固定ポート(図示せず)のトレイセンサの検知に応じて
搬送停止コマンドを搬送路駆動ユニット90に出力する
ことによってトレイ20を停止させる。この後、薬袋供
給ユニット70の固定ポートによってトレイ20の情報
キャリア21から処方データを読み出すが、図18に示
した例では、水剤分包工程については処理不要を示す処
理状況フラグ“3”が立っているので、水剤分包処理は
行わず、そのまま搬送路駆動ユニット90に対して搬送
再開を要求する。この場合、処理状況フラグの書き替え
は行わない。
【0078】再びトレイ20が移動を開始し、監査支援
ユニット80(図1)に差しかかると、上記と同様にし
て、監査支援ユニット80(図17)の固定ポート81
のトレイセンサ821がトレイ20を検知し、搬送停止
コマンドを搬送路駆動ユニット90に送出することでト
レイ20を停止させる。そして、固定ポート81によっ
てトレイ20の情報キャリア21から処方データ(図
8)を読み出す。固定ポート81のCPU815は、読
み出した処方コードを基に、通信路3を介し、操作卓ユ
ニット10に対して、より詳細な処方データを要求す
る。これを受けた操作卓ユニット10は、ハードディス
ク112のデータベース(図3および図4)から患者
名、用法のほか、該当する薬品名、形状データ、表示記
号および薬効等の詳細な監査用データを読み出して監査
支援ユニット80に送出する。監査支援ユニット80
は、操作卓ユニット10から詳細な監査用データを受け
取ると、表示装置82にそれらの監査用データを表示す
る。このとき、表示装置82には、受け取った形状デー
タに基づき薬品の形状も大きく画像表示される。
【0079】薬剤師は、表示装置82の表示を見なが
ら、トレイ20内の分包袋をチェックし、各薬剤ごとに
数や種類等を監査する。このとき、監査支援ユニット8
0における固定ポート81のCPU815は、トレイ2
0の情報キャリア21から読み出した処理状況フラグ
(図18)をチェックする。この結果、薬袋供給工程か
ら水剤分包工程までの処理状況フラグが“1”または
“3”になっていたときは、工程抜け異常およびタイム
オーバー異常がなかったことを表示装置82に表示す
る。一方、薬袋供給工程から水剤分包工程までの処理状
況フラグに“0”が含まれていたときは、工程抜け異
常、すなわち、処理状況フラグが“0”となっている工
程が未処理である旨を表示装置82に表示する。処理状
況フラグに“2”が含まれていたときには、その該当工
程にタイムオーバー異常が発生したことを表示する。ま
た、処理状況フラグに“4”が含まれていたときは、そ
の項目に該当するユニットに何らかの障害(薬剤切れ、
薬袋切れ、印字インク切れ等)が発生している旨を表示
する。
【0080】次に、薬剤師は、監査結果を図示しないキ
ーボードから入力する。この監査結果データは、固定ポ
ート81からトレイ20の情報キャリア21に対して、
処理状況フラグと共に送られる。これを受けたトレイ2
0の情報キャリア21は、E2 PROM216内の監査
に関する処理状況フラグ(図18)を変更すると共に、
監査結果を書き込む。監査結果の内容は、例えば、正常
分包、分包数異常、分包袋内の薬剤数異常等である。
【0081】監査工程における処理状況フラグの書き替
えは、次のように行われる。例えば、薬袋供給工程から
水剤分包工程までの処理状況フラグに“2”が含まれて
いたときには、図18に示したように、監査工程用の処
理状況フラグとして、工程所要時間異常を示す“5”を
書き込み、また、薬袋供給工程から水剤分包工程までの
処理状況フラグに“0”または“4”が含まれていたと
きには、図19に示したように、監査工程用の処理状況
フラグとして、工程抜け異常を示す“6”を書き込む。
一方、薬袋供給工程から水剤分包工程までの処理状況フ
ラグが“1”または“3”になっていたときは、監査工
程用の処理状況フラグとして、正常終了を示す“1”を
書き込む。
【0082】この後、トレイ20は、情報キャリア21
に処方関連情報を保持した状態で搬送路1を離れ、さら
に、薬剤師による必要な処理の対象となる。
【0083】このように、本実施の形態では、調剤用の
トレイや各分包ユニットの薬剤フィーダに情報キャリア
を設けると共に、この情報キャリアに対するデータアク
セス(調剤情報等の読み書き)を、ネットワーク(通信
路3)に接続した固定ポートから行うようにしている。
すなわち、各ユニットと中央制御装置との間は従来のよ
うにそれぞれ個別に配線されているのではなく、1つの
通信路によって各ユニットの固定ポート間を相互接続す
るようにしている。このため、配線ケーブルの数が少な
く配線作業も容易で、配線スペースも低減できる。ま
た、ユニットの種類や台数を増減変更したり配置変えを
する等のシステム変更を行う場合にも再配線が容易であ
り、柔軟な対応が可能である。
【0084】また、本実施の形態では、各情報キャリア
内に個別に、CPU、メモリおよび処理プログラムを搭
載したので、トレイ自体、あるいは薬剤フィーダ自体が
インテリジェント化されたステーションとして機能する
こととなる。ここで、「インテリジェント化された」と
は、「自律的に動作する機能を備えた」と同義である。
すなわち、トレイは自律的に調剤管理を行い、薬剤フィ
ーダも自律的に薬剤入出庫管理を行うことが可能とな
る。この場合、各情報キャリアは、操作卓ユニット10
の指示を逐一仰ぐことなく、他ユニットとの間で個別に
通信を行うことにより、必要な処理を行うことができ
る。このため、業務の分散処理が可能となって、操作卓
ユニット10の負荷を低減でき、高性能の中央制御装置
が不要となる。
【0085】さらに、本実施の形態では、トレイに設け
た情報キャリアに、予め、調剤情報のほかに、調剤工程
の順序を管理するための工程順序情報および所要時間を
管理するための予定所要時間情報を記憶させておくと共
に、その情報キャリアに、各処理工程における処理状況
を処理状況情報として順次記録していくようにしたの
で、工程抜けや工程タイムオーバー等の異常を確実に発
見することができる。例えば、搬送路1や各ユニット3
0〜90に種々の機械的トラブルが生じて装置全体が一
旦停止し、これに対する回復処置を行ってからトレイ2
0を手動で適切な位置に移動させ、処理を再開させたよ
うな場合においても、各トレイに対してどこまでの処理
が済んでいてどこからの処理がまだ行われていないの
か、を示す調剤診療管理情報が各トレイに記録されてい
ることから、この情報を装置側が参照することにより、
工程抜けという異常を容易に発見することができる。ま
た、例えば、搬送路1の搬送速度異常や、各ユニットに
おける薬剤フィード機構のトラブル等による薬剤フィー
ド速度異常等が発生し、各工程について予定されている
処理終了時間を超えたような場合にも、その事実を確実
かつ容易に知ることができる。このため、より重大な装
置故障に発展する前にそれらの異常を検知することがで
き、装置トラブルの未然防止が可能となる。
【0086】また、本実施の形態では、各情報キャリア
や固定ポートに内蔵させる処理プログラムや固有のデー
タは、いずれも電気的に消去および書換えが可能な不揮
発性メモリ(E2 PROM216等)に格納するように
しているので、必要に応じ、通信路を通じて遠隔からそ
の内容が変更可能である。このため、病院薬局の増改築
等に伴う設備の変更を行う場合や、各分包ユニットに収
容する薬剤の種類等を変更する場合等のように、調剤シ
ステムの拡張・変更に対して極めて柔軟に対応すること
ができる。
【0087】さらに、本実施の形態では、固定ポートと
情報キャリアとの間の空間伝送には、通信路3上で使用
している通信プロトコルと同じプロトコルを用いるよう
にしているので、結局、調剤診療ケア情報の空間伝送ネ
ットワークシステム全体が同一の通信プロトコルで統一
されていることになる。したがって、ネットワークシス
テムとしての一貫性に富み、システム管理上、およびシ
ステムの拡張・変更を考慮する上で極めて有利である。
【0088】なお、上記の実施の形態では、固定ポート
および情報キャリアの双方をインテリジェント化させる
構成としたが、これに限らず、固定ポートまたは情報キ
ャリアのいずれか一方のみをインテリジェント化する構
成としてもよい。
【0089】例えば、図20に示したように、図13に
示した錠剤分包ユニット40におけるフィーダベースの
固定ポート42a−1から、CPU425、E2 PRO
M426およびRAM427等のインテリジェント要素
を除くと共に、通信メディアドライバ418とトランシ
ーバ412とを直結して固定ポート42a−1′を構成
するようにしてもよい。この図のその他の構成は図13
と同様である。この場合、固定ポート42a−1′は、
図13に示した固定ポート42a−1のようなインテリ
ジェント機能はもたず、単なるデータ空間伝送の中継地
点としてのみ機能することとなる。
【0090】また、例えば図21に示したように、図1
3に示した錠剤分包ユニット40における錠剤フィーダ
の情報キャリア44a−1から、CPU445およびE
2 PROM446等のインテリジェント要素を除く一
方、不揮発性のシリアルメモリ448を設け、このシリ
アルメモリ448をトランシーバ442に直結して情報
キャリア44a−1′を構成するようにしてもよい。こ
の図のその他の構成は図13と同様である。この場合、
情報キャリア44a−1′は、図13に示した情報キャ
リア44a−1のようなインテリジェント機能はもた
ず、単なるデータキャリアとしてのみ機能し、固定ポー
ト42a−1のCPU425がシリアルメモリ458へ
のアクセス制御を直接行うようにする。
【0091】また、固定ポートおよび情報キャリアの双
方から、CPU、メモリおよび処理プログラムを除き、
インテリジェント機能を省いた構成とすることも可能で
ある。但し、この場合、固定ポートは単なるデータ空間
伝送の中継地としてのみ機能する一方、情報キャリアは
単なるデータキャリアとしてのみ機能するので、これら
はすべて操作卓ユニット10によって統括的に制御され
ることとなる。
【0092】もちろん、このように固定ポートまたは情
報キャリアのいずれか一方のみをインテリジェント化す
る構成、あるいはこれらのいずれもインテリジェント化
しない構成は、錠剤分包ユニット40に限らず、他のユ
ニット(処方指示ユニット30、薬袋供給ユニット7
0、監査支援ユニット80、散剤分包ユニット50、お
よび水剤分包ユニット60)にも適用可能である。
【0093】なお、本実施の形態では、工程抜け異常や
工程タイムオーバー異常が発生したときには、これらの
異常を表す情報がトレイの情報キャリアに記録され、こ
れが監査工程でチェックされることで初めて装置異常が
判ることとしたが、これに加えて、各工程のユニットに
おいて異常を検知した時点で直ちに例えばブザー等によ
り警報を出力するようにしてもよい。
【0094】また、上記実施の形態では、監査支援ユニ
ット80の表示装置82には、患者名、薬品名、薬品表
示(薬品の形状および記号)、薬効、用法、および分包
数等の処方箋に関するデータを表示するようにしたが、
必要に応じて取捨選択して表示するようにしてもよい。
逆に、これらのデータに加えて、図3において説明した
患者の住所、年齢、性別、何日分の薬かを表すデータ、
初診日、健康保険の種類等の付帯情報や、さらに図4に
おいて説明した薬品の取扱上の注意や薬品メーカ等の付
帯情報をも併せて表示することにより、監査作業の便宜
に資するようにしてもよい。
【0095】また、本実施の形態では、分包対象の薬剤
として錠剤、散剤および水剤を例に説明したが、本発明
はこれらに限定されるものではなく、他のタイプの薬剤
(例えば、アンプルに入れられた注射液やカプセル、錠
剤のPTP、外用薬等)に適用することも可能である。
【0096】[第2の実施の形態]次に、本発明の第2
の実施の形態を説明する。
【0097】図22は、本発明の第2の実施の形態に係
る調剤診療ケア情報の空間伝送ネットワークシステムの
概略構成を表すもので、より具体的には、総合病院にお
ける外来患者の診療ケアシステムを表すものである。こ
のシステムは、外来患者の受付業務を行う外来受付部門
1000と、患者に関するすべての診療ケア情報を蓄積
したデータベースを含むサーバ1010と、科目別(内
科、小児科、外科等)に設けられた診察部門1020
と、各種の検査業務を行う検査部門1030と、外来患
者を含む来院者に食事を提供する食堂部門1040と、
診療報酬の計算や収納あるいはレセプト発行等の会計業
務を行う会計部門1050と、処方箋に従って調剤を行
って患者に処方薬を提供する薬局部門1060とを含ん
で構成されている。
【0098】外来受付部門1000には、固定ポート1
001およびこれに接続された操作卓1002が配置さ
れている。同様に、診察部門1020、検査部門103
0、食堂部門1040、会計部門1050および薬局部
門1060にも、それぞれ、固定ポート1021,10
31,1041,1051,1061、およびこれらに
対応してそれぞれ接続された操作卓1022,103
2,1042,1052,1062が配置されている。
そして、各部門の固定ポート1001,1021,10
31,1041,1051,1061、およびサーバ1
010は、いずれも、所定の通信プロトコルでデータ通
信が行われる通信路1070に接続されている。
【0099】外来受付部門1000の固定ポート100
1は、この外来受付部門1000において外来の患者に
手渡される情報キャリア1100に対して空間伝送によ
り必要な診療ケア情報を書き込むことができると共に、
逆に情報キャリア1100から必要な診療ケア情報を読
み取ることができるようになっている。この固定ポート
1001は、例えば図7に示した固定ポート31と同様
に構成され、また、情報キャリア1100は同図に示し
た情報キャリア21と同様に構成されているが、ここで
は、説明を省略する。そして、両者がそれぞれ備える磁
気コア間で、高周波磁界による磁気結合によって空間伝
送が行われ、診療ケア情報の授受が行われるようになっ
ている。なお、固定ポート1001と情報キャリア11
00との間の通信プロトコルは、通信路1070上の通
信プロトコルと同一とするのが好ましい。ここで、固定
ポート1021等が本発明における「固定ポート」に対
応し、情報キャリア1100が本発明における「情報キ
ャリア」に対応し、通信路1070が本発明における
「通信網」に対応する。
【0100】外来受付部門1000の操作卓1002
は、キーボードやマウス等のデータ入力装置と、CRT
ディスプレイ等の表示装置と、印字出力用のプリンタ
(いずれも図示せず)とを含んで構成されている。これ
らの各装置は固定ポート1001における図示しないI
/Oポート(図7ではI/Oポート314に相当)に接
続されている。上記の図示しないデータ入力装置は、こ
の外来受付部門1000で発生したデータをサーバ10
10に登録したり固定ポート1001によって情報キャ
リア1100に書き込む際に用いられる。上記の図示し
ない表示装置は、データ入力装置から入力したデータ
や、固定ポート1001によって情報キャリア1100
から読み出したデータ、あるいはサーバ1010から読
み出したデータを表示する際に用いられる。上記の図示
しないプリンタは、必要に応じて印字出力を得る際に用
いられる。
【0101】他の部門(診察部門1020等)における
固定ポートおよび操作卓も、外来受付部門1000にお
ける固定ポート1001および操作卓1002と同様の
構成および機能を有している。
【0102】サーバ1010は、来院および入院したす
べての患者に関する診療ケア情報を蓄積すると共に、他
の部門からの照会に応じて必要なデータを通信路107
0を介して提供する機能を有するもので、例えば図23
に示したような診療ケア情報を保有している。この図
は、サーバ1010に蓄積された1患者分の診療ケア情
報を表すものであリ、患者コード、性別、氏名、生年月
日、住所、健康保健番号等の患者固有情報のほか、来院
歴、入院歴、薬物副作用歴、病歴、および、その他の必
要な情報からなっている。来院歴には、来院年月日、科
名、担当医、病名、処置内容等のデータが含まれ、入院
歴には、入院期間、科名、担当医、病名、処置内容等の
データが含まれる。ここで、来院歴における処置内容の
項目としては、診察、検査、処方薬、手術、および注射
施用等の各処置の具体的内容が記録され、また、入院歴
における処置内容の項目としては、検査、処方薬、手
術、注射施用、看護、栄養等の各処置の具体的内容が記
録されている。なお、診察には、例えば問診、触診、血
圧測定等が含まれ、検査には、血液や尿等の検体検査、
心電図測定、内視鏡検査、放射線による検査、CTスキ
ャン検査等の各種の検査が含まれる。また、注射施用に
は、点滴、輸液、皮下注射、静脈注射等が含まれる。
【0103】図24〜図29は、情報キャリア1100
の図示しない不揮発性メモリ(図7ではE2 PROM2
16に相当)に記録された診療ケア情報および工程管理
情報を表すものである。これらの情報は、患者が図22
に示した各部門で処置を受けるごとに、各部門の固定ポ
ートによって情報キャリア1100から読み出され、ま
たは書き込まれるようになっている。これらの図のう
ち、例えば図24は、外来受付部門1000において受
付を行った患者に支給された情報キャリア1100の記
録内容の一例を表すものである。この図に示したよう
に、情報キャリア1100には、患者コード、性別、氏
名、生年月日、住所および健康保健番号等を含む患者固
有情報と、受診科名、担当医、初診/再診の別、来院日
および受付時刻等を含む受付情報1102とが記録さ
れ、さらに、診療、検査、食堂、会計、薬局の各部門ご
とに、患者が訪れるべき部門の順番を表す順番フラグ、
各部門で行われる処置内容を表す処置内容情報、各部門
での処置状況を表す処置状況フラグおよび各部門での処
置の終了時刻を表す処置終了時刻情報が記録されるよう
になっている。ここで、患者固有情報1101、受付情
報1102および処置内容情報が本発明における「診療
ケア情報」に対応し、順番フラグ、処置状況フラグおよ
び処置終了時刻情報が本発明における「調剤診療管理情
報」に対応する。
【0104】次に、図24〜図29を参照して、以上の
ような構成の調剤診療ケア情報の空間伝送ネットワーク
システムの動作または作用を説明する。ここでは、ある
患者が来院してから病院をあとにするまでの流れに沿っ
て説明するものとする。
【0105】来院した患者は、まず、外来受付部門10
00において所定の受付手続を行う。具体的には、初診
の場合は、受付用紙に患者固有情報を記入すると共に問
診票に必要事項を記入し、これらを健康保険証と共に窓
口に提出する。一方、再診の場合は、診察券を窓口に提
出する。
【0106】外来受付部門1000では、その患者が初
診の場合、受付用紙および問診票の記載事項を操作卓1
002から入力し、サーバ1010に記録すると共に、
情報キャリア1100を固定ポート1001の所にセッ
トし、患者固有情報1101と、受付情報1102とを
情報キャリア1100に書き込む。一方、再診の場合に
は、診察券の患者コードを操作卓1002から入力し、
この患者コードを基にサーバ1010を検索して該当す
る患者固有情報を読み出し、これを受診科名、担当医お
よび初診/再診の別と共に、固定ポート1001によっ
て情報キャリア1100に書き込む。本例において、こ
の外来受付部門1000では、さらに、順番フラグとし
て、例えば診察部門1020を“1”、会計部門105
0を“2”にセットすると共に、他の部門の順番につい
ては、任意または不定を表すデータ“*”をセットす
る。また、処置状況フラグとして、未処置を表す“0”
をすべての部門についてセットする。そして、これらの
セットした情報を情報キャリア1100に書き込む。な
お、本例で、検査、食堂および薬局の各部門の順番を任
意または不定としているのは、患者は、これらの部門で
は必ずしも処置またはサービスを受けるとは限らないか
らである。但し、検査および薬局については、診察部門
1020における診察結果によって必要となることもあ
るので、その時点で適宜順番が付与される。
【0107】このようにして外来受付部門1000で必
要な情報を書き込まれた情報キャリア1100はその患
者に手渡され、それ以降、病院内の各部門においてその
患者が診療ケアを受ける際に常に提示を要求されること
となる。なお、情報キャリア1100は、紛失を防ぐた
め、首から下げるペンダントタイプや手首に装着するブ
レスレットタイプとするのが好ましいが、そのほか、カ
ード型等であってもよい。
【0108】外来受付部門1000で受付を終え、情報
キャリア1100を受け取った患者は、外来受付部門1
000での指示に従って、まず、診察部門1020に行
き、その窓口に設置された固定ポート1021に情報キ
ャリア1100をセットする。すると、固定ポート10
21の図示しないCPU(図7におけるCPU315に
相当するもの。以下、単に固定ポートという。)は情報
キャリア1100を検知して、空間伝送動作を開始し、
情報キャリア1100から必要な情報(ここでは、患者
固有情報1101、受付情報1102および診察部門の
順番フラグ)を読み取る。図24の場合、読み取ったデ
ータのうち、すべての処置状況フラグが“0”になって
いるので、固定ポート1021は、この診察部門が第1
番目にアクセスされたことを認識し、正しい順番である
と判断する。そして、必要なメッセージを、例えば図示
しない電光表示板等に表示し、または図示しない音声装
置によって出力する。このメッセージは、例えば、「約
××分ほどお席でお待ち下さい。」等である。
【0109】なお、例えば再診の患者においては診察を
受けずに検査のみを受けるような場合もあるが、この場
合には、外来受付部門1000において情報キャリア1
100の診察部門の処置状況フラグに処置不要を表す
“2”がセットされると共に、検査部門の順番が“1”
にセットされている。したがって、この場合に患者が診
察部門1020を訪れてそこの固定ポート1021に情
報キャリア1100をセットすると、固定ポート102
1は、情報キャリア1100から読み取った情報を基
に、この診察部門への来訪が不適切であると判断し、例
えば、「今日は診察を受けずに直接検査部門においでく
ださい。」というメッセージを出力する。
【0110】また、再診の患者においては検査を受けて
から診察を行う場合もあるが、この場合には、外来受付
部門1000において情報キャリア1100の検査部門
の順番が“1”、診察部門の順番が“2”にセットされ
ている。したがって、この場合に患者が診察部門102
0を最初に訪れてそこの固定ポート1021に情報キャ
リア1100をセットすると、固定ポート1021は、
情報キャリア1100から読み取った情報を基に、この
診察部門への来訪の順番が不適切であると判断し、例え
ば、「今日の診察は検査を受けてからになりますので、
まず検査部門においでください。」というメッセージを
出力する。
【0111】さて、図24の例に戻って説明を続ける。
診察の順番が到来すると、固定ポート1021は、例え
ば「××さん、××番にお入り下さい。」というメッセ
ージを電光表示板および音声装置によって出力する。
【0112】呼び出しを受けた患者は、診察室に入り、
担当医によって必要な診察を受ける。固定ポート102
1は、情報キャリア1100から読み取った患者コード
を基に、通信路1070を介してサーバ1010(図2
2)から必要な診療ケア情報(来院歴、入院歴、薬物副
作用歴、病歴およびその他の情報)を読み出す。担当医
は、これらの診療ケア情報を参考にして診察および必要
な処置を行う。初診の場合には、カルテを作成する。こ
こで、例えば問診・触診および血圧測定という処置を行
ったとすると、これらの処置を行ったことを示すデータ
を操作卓1022から入力する。すると、図25に示し
たように、固定ポート1021は、情報キャリア110
0の該当する診察項目の処置状況フラグとして“1”を
書き込む。このとき、他の処置項目(例えば点滴や投薬
等)についての処置状況フラグは、後述のようにさらに
何らかの検査を行う場合に検査結果に応じてその診察項
目の処置を行うこともあり得るので、この段階では未処
置を示す“0”のままにしておく。
【0113】診察の結果、何らかの検査が必要であり、
さらに、その検査の後に再び診察を行おうとする場合に
は、担当医は操作卓1022の指示に従ってその検査項
目を入力する。すると、固定ポート1021は、図25
に示したように、情報キャリア1100の検査部門の順
番フラグを“*”から“2”に、診察部門の順番フラグ
を“1”から“3”に、会計部門の順番フラグを“2”
から“4”に書き替える。なお、薬局部門の順番フラグ
は、その時点では未だ投薬を要するか否か未定であるの
で、“*”のままにしておく。また、担当医が検査を要
すると判断した検査項目(例えば、尿検査、血液検査お
よび胃カメラ等)については、それらの検査順番を表す
順番フラグを情報キャリア1100の該当欄に書き込
む。図25の例では、尿検査が“2−1”、血液検査が
“2−2”、胃カメラが“2−3”にセットされてい
る。また、検査を要しない項目(この例では、心電図、
胸部X線撮影、CTスキャン(断層撮影)等)について
は、検査不要を表す処置状況フラグとして“2”を書き
込む。最後に、固定ポート1021は、同図に示したよ
うに、一応の診察が終了した時刻を処置終了時刻情報と
して情報キャリア1100に書き込む。
【0114】一方、検査をまったく要しない場合には、
処置を行わなかったすべての診察項目(例えば点滴や投
薬等)の処置状況フラグを“0”のまま保留せず、直ち
に、処置不要を示す“2”に書き替えると共に、診察全
体の処置状況フラグを“0”から“1”に書き替える。
また、この場合には、検査を行うこととしたときのよう
な各部門の順番フラグの書き替えは行わない。但し、投
薬を行うときには、図24における薬局部門の順番フラ
グを“*”から“3”に書き替える。患者は、そのまま
会計部門1050に行き、後述するような会計手続きを
することとなる。
【0115】検査が必要であるとされた場合、患者は検
査部門1030に行き、そこの固定ポート1031に情
報キャリア1100をセットする。すると、情報キャリ
ア1100から必要な検査項目(この例では、尿検査、
血液検査および胃カメラ)がそれぞれに付された順番フ
ラグと共に固定ポート1031に読み出される。固定ポ
ート1031は、読み出した順番フラグに基づき、例え
ば、「最初に採尿してから、血液検査と胃カメラ検査を
お受け下さい。」というメッセージを視覚的および音声
的に出力する。患者はこのメッセージに従って順次検査
を受ける。なお、検査部門が混んでいる場合には、固定
ポート1031は、例えば「最初に採尿してから、お呼
びするまでしばらくお待ち下さい。」というようなメッ
セージを出力する。検査部門1030の看護婦または検
査員は、患者が各検査項目を終了するごとに、固定ポー
ト1031に情報キャリア1100をセットする。する
と、固定ポート1031は、図26に示したように、情
報キャリア1100内の該当する検査項目のフラグを
“0”から“1”へと変更すると共に、そのときの時刻
を、該当する検査項目の終了時刻として記録する。最後
に、固定ポート1031は、予定した検査項目がすべて
終了したことを確認すると、同図に示したように、検査
部門全体の処置状況フラグを“0”から処置済みを表す
“1”に書き替えると共に、そのときの時刻を検査部門
全体の処置終了時刻情報として情報キャリア1100に
書き込む。こうして検査を終了した患者は、自己の情報
キャリア1100を受け取り、看護婦等の指示に従って
再び診察部門1020に向かう。なお、図26に示した
ように、固定ポート1031が情報キャリア1100か
ら読み出した情報のうち、診察部門の順番フラグが
“3”になっていることから、固定ポート1031は操
作卓1032の図示しない表示部に、検査後に再度診察
を受ける必要がある旨を表示する。これにより、看護婦
等は、患者に対し、再び診察部門1020に行くように
と指示することができる。
【0116】検査部門1030での検査が終了して再び
診察部門1020に戻った患者は、そこの固定ポート1
021に情報キャリア1100をセットする。すると、
固定ポート1021は、情報キャリア1100から情報
を読み出し、例えば、「検査結果が出るまで××分程度
お待ち下さい。」というようなメッセージを視覚的およ
び音声的に出力する。なお、情報キャリア1100から
読み取った検査項目の処置状況フラグのいずれかが未処
置を示す“0”であったときには、固定ポート1021
は、例えば、「検査が済んでおりません。検査部門にお
戻り下さい。」というようなメッセージを出力する。
【0117】検査結果が出るまでの待ち時間の間、患者
は例えば食堂部門1040に行き、そこで昼食や喫茶を
とる等して過ごすことができる。この場合の食事や喫茶
の代金は現金で支払う必要はなく、患者が食堂部門10
40の固定ポート1041に情報キャリア1100をセ
ットすることにより、図27に示したように、そこでの
食事喫茶代データ(この例では、[Aランチ]、[コー
ヒー])が情報キャリア1100に書き込まれる。その
代金は、最後に会計部門1050において清算される。
このとき、固定ポート1041はまた、情報キャリア1
100の食堂部門の処置状況フラグを“0”から“1”
に書き替えると共に、処置終了時刻情報として食堂を利
用した時刻を書き込む。また、食堂部門の順番フラグを
“*”から“3”に書き替えると共に、診察部門および
会計部門の順番フラグをそれぞれ1ずつインクリメント
させる書き替えを行う。
【0118】その後、患者は再び診察部門1020に戻
り、自分の順番を待つ。そして、順番が到来すると、視
覚的および音声的メッセージが出力されるので、これに
従って指定された番号の診察室に入る。担当医は、通信
路1070を介し操作卓1022によって検査部門10
30から検査結果を入手しており、これを参考にして診
断を行う。そして、必要に応じ、必要な治療を行う。こ
こで、例えば点滴や皮下注射等の注射施用および投薬を
行ったとすると、図28に示したように、固定ポート1
021は、情報キャリア1100の診察部門の点滴・注
射および投薬の項目についての処置状況フラグを“0”
から“1”に書き替えると共に、残りの診察項目につい
ての処置状況フラグをすべて“2”に書き替え、さら
に、診察部門全体の処置状況フラグを“1”に書き替え
る。また、本例では投薬処置を行うこととしているの
で、同図に示したように、情報キャリア1100の薬局
部門の順番フラグを“*”から“6”に書き替える。
【0119】また、担当医等によって次回の診療予約日
および予約コードが操作卓1022から入力された場合
には、同図に示したように、固定ポート1021は、こ
れらの情報を情報キャリア1100の会計部門の欄に書
き込む。さらに、担当医が作成した処方箋に基づき、処
方内容とそれに対応した薬剤処方コードとが操作卓10
22から入力されると、固定ポート1021は、直ちに
これらの情報を通信路1070経由で薬局部門1060
に送る。また、このうち薬剤処方コードは、同図に示し
たように、固定ポート1021によって情報キャリア1
100の薬局部門の欄に書き込まれる。そして、最後
に、固定ポート1021は、そのときの時刻を診察部門
全体の処置終了時刻として情報キャリア1100に書き
込む。したがって、本例では、図28に示したように、
診察部門の処置終了時刻は2つ記録されることとなる。
【0120】こうして再度の診察を終了した患者は、自
己の情報キャリア1100を受け取り、看護婦等の指示
に従って会計部門1050に向かう。会計部門1050
を訪れた患者は、そこの固定ポート1051に情報キャ
リア1100をセットする。すると、情報キャリア11
00から、診療内容、検査内容、薬剤処方コード、およ
び食堂における購買情報等が読み出され、これらの情報
を基に請求金額が計算される。この請求金額は、操作卓
1052のプリンタによって発行される領収書に印刷さ
れ、支払いの済んだ患者に手渡される。また、情報キャ
リア1100からは次回予約日と予約コードも読み出さ
れ、予約票として印刷出力され、患者に手渡される。そ
して、固定ポート1051は、図29に示したように、
情報キャリア1100の会計部門の処置状況フラグを
“0”から“1”に書き替えると共に、その時点の時刻
を処置終了時刻として記録する。
【0121】会計部門1050において情報キャリア1
100を受け取った患者は、次に、薬局部門1060に
行き、そこの固定ポート1061に情報キャリア110
0をセットする。すると、固定ポート1061は、情報
キャリア1100から薬剤処方コードを読み出し、その
コードの薬剤の調剤状況に応じて、例えば「あと約××
分程度お待ち下さい。」というメッセージを視覚的およ
び音声的に出力する。そして、その処方コードの調剤が
完了すると、「××さん、薬局窓口までおいで下さ
い。」というメッセージを出力する。患者は、薬局窓口
で情報キャリア1100と交換に薬袋を受け取り、病院
をあとにする。
【0122】その後、薬局部門1060では、受け取っ
た情報キャリア1100を固定ポート1061にセット
すると、固定ポート1021は、情報キャリア1100
の薬局部門の処置状況フラグを“0”から“1”に書き
替えると共に、その時点の時刻を処置終了時刻として記
録する。さらに、固定ポート1061は、情報キャリア
1100に記録された情報のうちの必要な情報を来院歴
情報として抽出し、通信路1070を介してサーバ10
10に送り記録する。また、情報キャリア1100から
読み出された処置内容(診療内容、検査内容、処方薬
剤)の情報は、医療報酬の計算、すなわちレセプト作成
の基礎資料となる。そして、これらの必要な処理の後、
情報キャリア1100は、内容がクリアされて再利用さ
れる。
【0123】このように、本実施の形態では、来院した
患者に情報キャリアを渡し、患者はこの情報キャリアを
提示した上で各部門でのサービスを受けるようにすると
共に、通信路に接続された固定ポートを各部門に配置
し、この固定ポートによって処置内容情報等の診療ケア
情報を患者の情報キャリアに記録し、また、これらの情
報の参照を行うようにしたので、外来患者の診療ケア業
務を効率的かつ誤りなく支援できると共に、外来患者が
円滑に心地よく治療等を受けられる医療環境を実現する
ことができる。さらに、情報キャリアには、順番フラ
グ、処置状況フラグおよび処置終了時刻情報等の工程管
理情報をも記録して各部門で適宜参照できるようにした
ので、病院内における患者の移動の様子を的確に把握す
ることができると共に、各部門において患者に的確な指
示を行うことができる。さらに、返還された多くの情報
キャリアから各部門ごとの処置終了時刻情報を読み出し
て、集計することにより、病院内における各部門でのサ
ービスの平均所要時間を割り出すことも可能であり、こ
の情報を基に、外来患者に時間的負担を掛けずに済むよ
うにシステムを変更する等、より効率的な病院運営を図
ることが可能となる。
【0124】また、情報キャリアには、従来の磁気また
はバーコード等を用いたIDカードよりも多くのデータ
を記録できるので、各部門では、情報キャリアへのアク
セスのみによって必要な情報を得ることも可能であり、
サーバ1010にアクセスする頻度を少なくすることが
でき、診療ケア業務を効率的に支援することができる。
さらに、固定ポート1001等をインテリジェント化し
て各部門での分散処理を可能としたので、ネットワーク
全体を統括制御するホストコンピュータが不要となる。
また、仮にホストコンピュータを設けるにしても、さほ
ど高性能のホストコンピュータを必要としない。
【0125】[第3の実施の形態]次に、本発明の第3
の実施の形態を説明する。
【0126】図31は、本発明の第3の実施の形態に係
る調剤診療ケア情報の空間伝送ネットワークシステムの
全体構成を表すもので、より具体的には、総合病院にお
ける入院患者の診療ケアシステムを表すものである。こ
のシステムは、患者の入院および退院の受付業務を行う
入退院受付部門2000と、患者に関するすべての診療
ケア情報を蓄積したデータベースを含むサーバ2010
と、科目別(内科、小児科、外科等)に設けられた治療
部門2020と、各種の検査業務を行う検査部門203
0と、入院患者に食事を提供する給食部門2040と、
常時看護婦が詰めているナースステーション2050
と、各科別の病棟部門2060と、処方箋に従って調剤
を行い患者に処方薬を提供する薬局部門2070と、医
療報酬の計算や収納あるいはレセプト発行等の会計業務
を行う会計部門2080とを含んで構成されている。
【0127】上記の実施の形態と同様に、各部門にはそ
れぞれ、固定ポート2001等とこれに接続された操作
卓2002等とが配置されている。但し、病棟部門20
60には、各病室ごとまたは各ベッドごとに固定ポート
2061等が配置されている。そして、各固定ポート2
001等は、いずれも、所定の通信プロトコルでデータ
通信が行われる通信路2090に接続されている。ここ
で、固定ポート2001等が本発明における「固定ポー
ト」に対応し、通信路2090が本発明における「通信
網」に対応する。
【0128】各部門の固定ポート2001等および操作
卓2002等は、上記の実施の形態(図22)における
固定ポート1001等および操作卓1022等と同様の
構成および機能を有し、サーバ2010もまた図22に
おけるサーバ1010と同様の構成なので、ここでは説
明を省略する。
【0129】このような構成の調剤診療ケア情報の空間
伝送ネットワークシステムは、基本的には上記の実施の
形態に係る調剤診療ケア情報の空間伝送ネットワークシ
ステム(図22)と同様に機能する。すなわち、入院患
者はそれぞれ情報キャリア2100を持ち、この情報キ
ャリア2100を提示した上で各部門でのサービスを受
けることができるようになっている。ここで、情報キャ
リア2100が本発明における「情報キャリア」に対応
する。通信路2090に接続された各部門の固定ポート
は、情報キャリアに対し、患者に関する各種の診療ケア
情報や管理情報を記録したり、これらの情報を適宜参照
することができるようになっている。これにより、各部
門における入院患者の診療ケア業務を効率的かつ誤りな
く支援できると共に、入院患者が円滑に心地よく治療等
を受けられる医療環境を実現できる。なお、本システム
の作用の詳細な説明は省略する。
【0130】なお、図31では、例えば病棟部門206
0の固定ポート2061等はすべて通信路2090に固
定的に接続されているものとしたが、必要に応じて切り
離しても動作可能となるように構成してもよい。この場
合には、固定ポートごとにバッテリを内蔵させておき、
通信路2090から切り離して使用するときは、この内
蔵バッテリで動作するように構成すればよい。
【0131】この場合、例えば、図32に示したよう
に、固定ポート2061′をコネクタ2063によって
通信路2090に脱着可能に接続しておく。そして、必
要に応じて看護婦等がこれを切り離して各患者A,B,
…Nのベッドの所まで持って行き、各患者の情報キャリ
ア2100a,2100b,…2100nに対して診療
ケア情報を書き込んだり、あるいは情報キャリア210
0a等から診療ケア情報を読み出すようにする。このよ
うにすれば、例えば寝たきりの患者のように、自ら固定
ポートの所まで移動出来ない患者についても円滑な診療
ケアが可能になる。この場合、各患者の情報キャリア2
100a等から読み出した情報は、固定ポート206
1′の図示しない不揮発性メモリに一旦記憶されるが、
その後に固定ポート2061′を通信路2090に接続
することで通信路2090を介して他の部門に転送する
ことができる。逆に、固定ポート2061′を通信路2
090に接続したときには他の部門から各患者に関する
診療ケア情報を入手することができる。これらの入手し
た情報は固定ポート2061′の図示しない不揮発性メ
モリに一旦記憶されるが、その後、固定ポート206
1′を各患者の所に持って行って、これに情報キャリア
2100a等をセットすることにより、情報キャリア2
100a等に診療ケア情報を書き込むことができる。
【0132】以上、実施の形態を挙げて本発明を説明し
たが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもので
はなく、その均等の範囲で種々変形可能である。
【0133】例えば、上記の各実施の形態では、各固定
ポートと情報キャリアとの間の空間伝送によるコミュニ
ケーションは、通信路上の通信プロトコルと同一の通信
プロトコルをそのまま用いて行うようにしたが、これに
限らず、この区間は通信路上の通信プロトコルと異なる
プロトコルを使用するようにしてもよい。但し、通信網
(通信路3,1070,2090)で使用している通信
プロトコルと、情報キャリアと固定ポートとの間の空間
伝送プロトコルとを同一にした場合には、上記したよう
に、ネットワークシステム全体を同一の通信プロトコル
で統一することができるので、システム管理上、および
システムの拡張・変更を考慮する上で有利である。
【0134】また、上記の各実施の形態では、情報キャ
リアに設ける不揮発性メモリとしてE2 PROMを用い
ることとしたが、他の種類の不揮発性メモリでもよい。
【0135】また、上記の各実施の形態では、情報キャ
リアは、固定ポートから空間伝送によって供給される電
力によって動作するものとしたが、本発明はこれには限
られず、情報キャリアにバッテリを内蔵させ、これによ
って動作するようにしてもよい。バッテリ内蔵とした場
合、情報キャリアは固定ポートにセットされていない状
態でも動作可能であるので、例えば第2および第3の実
施の形態の変形例として、情報キャリアに無線受発信器
を内蔵させ、無線によって例えばブザー、振動やLED
等による患者の呼び出しを行ったり、定期的に患者の位
置を知らせる発信を行うようにすることで、患者の行動
を管理することも可能である。
【0136】また、上記の各実施の形態で説明したシス
テムをそれぞれ独立したものとして構成するのでなく、
各システムにおけるすべての固定ポートを同一の通信路
に接続して、1つの統合化された医療管理システムとし
て構成することも可能である。
【0137】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る調剤
診療ケア情報の空間伝送ネットワークシステムによれ
ば、従来のように各ユニットを中央制御装置にそれぞれ
個別に配線するのではなく、1つの通信路によって各ユ
ニットの固定ポート間を相互接続し、この固定ポートと
情報キャリアとの間で空間伝送によるデータコミュニケ
ーションを行うようにしているので、配線ケーブルの数
が少なくて配線作業が容易であり、また、配線スペース
も低減できる。また、ユニットの種類や台数を増減変更
したり配置変えをする等のシステム変更を行う場合にも
再配線が容易であり、柔軟な対応が可能である。
【0138】また、本発明に係る調剤診療ケア情報の空
間伝送ネットワークシステムによれば、処方データを含
む調剤情報もしくは診療ケア情報を情報キャリアに記憶
させて利用可能にしたので、病院薬局等における調剤業
務や病院内での患者の診療ケア業務を効率的に支援する
ことができると共に、患者が心地よく治療等を受けられ
るような医療環境を実現することができる。さらに、調
剤もしくは診療の順序および所要時間を管理するための
調剤診療管理情報をも情報キャリアに記憶させて利用可
能にしたので、調剤または診療ケアを行うに際し、処理
または処置の確実性を担保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る調剤診療ケア
情報の空間伝送ネットワークシステムの全体構成を表す
ブロック図である。
【図2】操作卓ユニットの概略構成を表すブロック図で
ある。
【図3】操作卓ユニットのハードディスク装置に格納さ
れたデータベース(処方データを含む調剤情報)の内容
の一例を表す図である。
【図4】操作卓ユニットのハードディスク装置に格納さ
れたデータベース(薬剤情報)の内容の一例を表す図で
ある。
【図5】搬送路駆動ユニットの概略構成を表すブロック
図である。
【図6】図1の処方指示ユニットとトレイとの位置関係
を表すブロック図である。
【図7】図6における処方指示ユニットの固定ポートお
よびトレイの情報キャリアの回路構成例を表すブロック
図である。
【図8】トレイの情報キャリア内に格納された処方デー
タの一例を表す図である。
【図9】図1の錠剤分包ユニットの外観構成を表す正面
図である。
【図10】図1の錠剤分包ユニットの概略構成を表すブ
ロック図である。
【図11】ロータカセットとカセットホルダとの配置関
係を表す側面図である。
【図12】錠剤分包ユニットによって分包された分包袋
の状態を表す図である。
【図13】図8の錠剤分包ユニットにおける錠剤フィー
ダの情報キャリアおよびフィーダベースの固定ポートの
回路構成例を表すブロック図である。
【図14】錠剤分包ユニットにおける錠剤フィーダの情
報キャリア内に格納された錠剤入出庫データの一例を表
す図である。
【図15】図8の錠剤分包ユニットにおける包装装置の
固定ポートおよびトレイの情報キャリアの回路構成例を
表すブロック図である。
【図16】図1の薬袋供給ユニットにおける固定ポート
およびトレイの情報キャリアの回路構成例を表すブロッ
ク図である。
【図17】図1の監査支援ユニットにおける固定ポート
およびトレイの情報キャリアの回路構成例を表すブロッ
ク図である。
【図18】トレイに付加された情報キャリアの処理状況
フラグの一変化例を説明するための説明図である。
【図19】トレイに付加された情報キャリアの処理状況
フラグの他の変化例を説明するための説明図である。
【図20】錠剤分包ユニットにおける錠剤フィーダの情
報キャリアおよびフィーダベースの固定ポートの他の回
路構成例を表すブロック図である。
【図21】錠剤分包ユニットにおける錠剤フィーダの情
報キャリアおよびフィーダベースの固定ポートのさらに
他の回路構成例を表すブロック図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態に係る調剤診療ケ
ア情報の空間伝送ネットワークシステムの全体構成を表
すブロック図である。
【図23】図22に示したサーバの記録内容の一例を表
す図である。
【図24】図22の外来受付部門で患者に手渡された情
報キャリアの記録内容の一例を表す図である。
【図25】図22の診察部門で患者に返却された情報キ
ャリアの記録内容の一例を表す図である。
【図26】図22の検査部門で患者に返却された情報キ
ャリアの記録内容の一例を表す図である。
【図27】図22の食堂部門で情報書き替えが行われた
ときの情報キャリアの記録内容の一例を表す図である。
【図28】図22の診察部門で患者に返却された情報キ
ャリアの記録内容の一例を表す図である。
【図29】図22の会計部門で患者に返却された情報キ
ャリアの記録内容の一例を表す図である。
【図30】図22の薬局部門で患者から回収した情報キ
ャリアの記録内容の一例を表す図である。
【図31】本発明の第3の実施の形態に係る調剤診療ケ
ア情報の空間伝送ネットワークシステムの全体構成を表
すブロック図である。
【図32】図31に示した調剤診療ケア情報の空間伝送
ネットワークシステムの変形例を表す図である。
【符号の説明】
1 搬送路 3,1070,2090 通信路 10 操作卓ユニット 20 トレイ 21,44a−1〜44a−n,44a−1′,110
0,2100 情報キャリア 30 処方指示ユニット 31,41a,42a−1〜42a−n,42a−
1′,71,81,1001,1021,1031,1
041,1051,1061,2001,2021,2
031,2041,2051,2061,2071,2
081 固定ポート 40 錠剤分包ユニット 41 包装装置 42−1〜42−n フィーダベース 44−1〜44−n 錠剤フィーダ 50 散剤分包ユニット 60 水剤分包ユニット 70 薬袋供給ユニット 80 監査支援ユニット 90 搬送路駆動ユニット 215,315 CPU 216,316 E2 PROM 211,311 磁気コア 1002,1022,1032,1042,1052,
1062,2002,2022,2032,2042,
2052,2062,2072,2082 操作卓 1010,2010 サーバ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の通信プロトコルによる通信が行わ
    れる通信網と、 処方データを含む調剤情報もしくは診療ケア情報と、調
    剤もしくは診療の順序および所要時間を管理するための
    調剤診療管理情報とを記憶する記憶手段、ならびに空間
    伝送を行う伝送手段を有する可搬型の情報キャリアと、 前記情報キャリアとの間で空間伝送を行う手段を有する
    固定ポートとを備え、 前記固定ポートは前記通信網に接続されることを特徴と
    する調剤診療ケア情報の空間伝送ネットワークシステ
    ム。
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