JPH11258848A - 熱圧力定着用カプセルトナー - Google Patents

熱圧力定着用カプセルトナー

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JPH11258848A
JPH11258848A JP6165098A JP6165098A JPH11258848A JP H11258848 A JPH11258848 A JP H11258848A JP 6165098 A JP6165098 A JP 6165098A JP 6165098 A JP6165098 A JP 6165098A JP H11258848 A JPH11258848 A JP H11258848A
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charge control
control agent
weight
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resin
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JP6165098A
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Inventor
Koji Akiyama
孝治 秋山
Yoshihiro Fukushima
善弘 福嶋
Kenichi Suenaga
憲一 末永
Takashi Yamaguchi
高司 山口
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境安定性に優れた熱圧力定着用カプセルトナ
ーを提供すること。 【解決手段】少なくとも熱可塑性樹脂を含有する熱溶融
性芯材と該熱溶融性芯材の表面を被覆するように設けた
親水性樹脂とから構成される熱圧力定着用カプセルトナ
ーにおいて、負帯電性荷電制御剤及び正帯電性荷電制御
剤を含有し、負帯電性荷電制御剤の含有量が前記親水性
樹脂100重量部に対して0.5〜25重量部であり、
正帯電性荷電制御剤の含有量が該負帯電性荷電制御剤1
00重量部に対して0.5〜30重量部である負帯電性
熱圧力定着用カプセルトナー、及び正帯電性荷電制御剤
の含有量が前記親水性樹脂100重量部に対して0.5
〜25重量部であり、負帯電性荷電制御剤の含有量が該
正帯電性荷電制御剤100重量部に対して0.5〜30
重量部である正帯電性熱圧力定着用カプセルトナー、並
びに該熱圧力定着用カプセルトナーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法等に用
いられる、環境安定性に優れた熱圧力定着用カプセルト
ナー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真法も省エネルギー化及び
定着機の小型化が進み、該分野に適したカプセルトナー
のさらなる改良が望まれている。
【0003】すなわち、特開平6−130713号公
報、特開平8−171231号公報等に記載の殻材とし
て非晶質ポリエステル又はハイブリッド樹脂等の親水性
樹脂を使用し、着色剤、芯材モノマー等と共にin s
itu重合法により製造されたカプセルトナーでは、均
質な外殻が形成されるため、外殻と相溶性の低いカーボ
ンブラック等の着色剤はトナー表面にほとんど存在せ
ず、表面抵抗が非常に高くなる欠点がある。そのため、
キャリアを用いる2成分現像剤では、トナーとキャリア
との摩擦帯電による電荷が低温低湿下でトナーに蓄積さ
れやすく、画像濃度が低下する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、環境安定性
に優れた熱圧力定着用カプセルトナーを提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、(1)
少なくとも熱可塑性樹脂を含有する熱溶融性芯材と該
熱溶融性芯材の表面を被覆するように設けた親水性樹脂
とから構成される熱圧力定着用カプセルトナーにおい
て、負帯電性荷電制御剤及び正帯電性荷電制御剤を含有
し、該負帯電性荷電制御剤の含有量が前記親水性樹脂1
00重量部に対して0.5〜25重量部であり、該正帯
電性荷電制御剤の含有量が該負帯電性荷電制御剤100
重量部に対して0.5〜30重量部である負帯電性熱圧
力定着用カプセルトナー、(2) 少なくとも熱可塑性
樹脂を含有する熱溶融性芯材と該熱溶融性芯材の表面を
被覆するように設けた親水性樹脂とから構成される熱圧
力定着用カプセルトナーにおいて、正帯電性荷電制御剤
及び負帯電性荷電制御剤を含有し、該正帯電性荷電制御
剤の含有量が前記親水性樹脂100重量部に対して0.
5〜25重量部であり、該負帯電性荷電制御剤の含有量
が該正帯電性荷電制御剤100重量部に対して0.5〜
30重量部である正帯電性熱圧力定着用カプセルトナ
ー、並びに(3) 少なくとも、熱可塑性樹脂の原料モ
ノマー、負帯電性荷電制御剤、正帯電性荷電制御剤及び
親水性樹脂を用いたin situ重合法を行うことに
よる、前記(1)又は(2)記載の熱圧力定着用カプセ
ルトナーの製造方法、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の熱圧力定着用カプセルト
ナーは、少なくとも熱可塑性樹脂を含有する熱溶融性芯
材と該熱溶融性芯材の表面を被覆するように設けた親水
性樹脂とから構成される熱圧力定着用カプセルトナーで
あって、負帯電性荷電制御剤及び正帯電性荷電制御剤を
含有するものである。
【0007】本発明においては、正帯電性及び負帯電性
の両方の荷電制御剤が含有されていることに1つの大き
な特徴がある。両者の荷電制御剤が含有されていること
により、高温高湿下及び低温低湿下においても帯電量が
安定化し、画像濃度が高く、かつかぶりのない画像を得
ることができる。
【0008】正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン
染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラ
ックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN
−01」、「ボントロンN−07」、「ボントロンN−
09」、「ボントロンN−11」(以上、オリエント化
学工業社製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリ
フェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例
えば「ボントロンP−51」(オリエント化学工業社
製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY
CHARGE PX VP435」(ヘキスト社製)等;ポリアミン樹
脂、例えば「AFP−B」(オリエント化学工業社製)
等;イミダゾール誘導体、例えば「PLZ−200
1」、「PLZ−8001」(以上、四国化成社製)等
が挙げられる。
【0009】負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ
染料、例えば「バリファーストブラック3804」、
「ボントロンS−31」(以上、オリエント化学工業社
製)、「T−77」(保土谷化学工業社製)、「ボント
ロンS−32」、「ボントロンS−34」、「ボントロ
ンS−36」(以上、オリエント化学工業社製)、「ア
イゼンスピロンブラックTRH」(保土谷化学工業社
製)等;銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル
誘導体の金属錯体、例えば「ボントロンE−81」、
「ボントロンE−82」、「ボントロンE−84」、
「ボントロンE−85」(以上、オリエント化学工業社
製)等;4級アンモニウム塩、例えば「COPY CHARGE NX
VP434」(ヘキスト社製)、ニトロイミダゾール誘導
体;ベンジル酸ホウ素錯体、例えば、「LR−147」
(日本カーリット社製)等が挙げられる。
【0010】本発明のカプセルトナーが負帯電性熱圧力
定着用カプセルトナーである場合、負帯電性荷電制御剤
の含有量は、親水性樹脂100重量部に対して、適度な
帯電量を得るために、0.5重量部以上、好ましくは1
重量部以上であり、高温高湿時における帯電量の低下を
抑制してかぶりのない優れた画像を得るために、25重
量部以下、好ましくは20重量部以下である。また、正
帯電性荷電制御剤の含有量は、該負帯電性荷電制御剤1
00重量部に対して、低温低湿下での帯電量の蓄積を防
ぐ観点から、0.5重量部以上、好ましくは1重量部以
上であり、帯電量の低下を抑制してかぶりのない優れた
画像を得るために、30重量部以下、好ましくは25重
量部以下である。
【0011】本発明のカプセルトナーが正帯電性熱圧力
定着用カプセルトナーである場合も前記と同様の理由に
より、正帯電性荷電制御剤の含有量は、親水性樹脂10
0重量部に対して、0.5重量部以上、好ましくは1重
量部以上であり、25重量部以下、好ましくは20重量
部以下である。また、該負帯電性荷電制御剤の含有量
は、該正帯電性荷電制御剤100重量部に対して、0.
5重量部以上、好ましくは1重量部以上であり、30重
量部以下、好ましくは25重量部以下である。
【0012】本発明において、熱可塑性樹脂としては、
ビニル重合系樹脂、ポリエステル・ポリアミド、ポリア
ミド等が挙げられ、これらの中では定着性及び保存安定
性の観点から、ビニル重合系樹脂が好ましい。
【0013】ビニル重合系樹脂の原料モノマーとして
は、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン又はス
チレン誘導体;エチレン、プロピレン等のエチレン性不
飽和モノオレフィン類;ブタジエン等のジオレフィン
類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル
酸等のエチレン性モノカルボン酸;(メタ)アクリル酸
のアルキル(炭素数1〜18)エステル、(メタ)アク
リル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリ
シジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等の
エチレン性モノカルボン酸のエステル;ビニルメチルエ
ーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等の
ビニリデンハロゲン化物;N−ビニルピロリドン等のN
−ビニル化合物類等が挙げられる。これらのなかでは、
スチレン、エチレン性不飽和モノオレフィン類、エチレ
ン性モノカルボン酸及びそのエステルが好ましい。
【0014】ビニル重合系樹脂の原料モノマーを重合さ
せる際には、アゾ系及びジアゾ系重合開始剤、過酸化物
系重合開始剤等の公知の重合開始剤、ジビニルベンゼ
ン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等
の公知の架橋剤等を必要に応じて使用してもよい。
【0015】本発明においては、熱溶融性芯材中に、必
要に応じて、着色剤、流動性向上剤、クリーニング性向
上剤、導電性物質、体質顔料、繊維状物質等の補強充填
剤、酸化防止剤、老化防止剤、オフセット防止剤等が適
宜含有されていてもよい。
【0016】本発明のカプセルトナーの外殻となる親水
性樹脂としては、ポリエステル、ハイブリッド樹脂、ポ
リアミド、ポリエステルアミド、ポリウレア等が挙げら
れ、これらの中では、定着性及び保存安定性の観点か
ら、ポリエステル及びハイブリッド樹脂が好ましい。
【0017】本発明に用いられるポリエステルは、例え
ば、特開平7−175260号公報に例示の化合物を用
い、同記載の方法を参考に製造できる。
【0018】ポリエステルの原料モノマーとして、2価
以上のアルコール成分と、2価以上のカルボン酸、カル
ボン酸無水物、カルボン酸エステル等のカルボン酸成分
が用いられる。
【0019】好ましい2価のアルコール成分は、ビスフ
ェノールAのアルキレン(炭素数2又は3)オキサイド
付加物(平均付加モル数1〜10)、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,6 −ヘキサンジオール、
ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等であ
る。
【0020】好ましい3価以上のアルコール成分は、ソ
ルビトール、1,4 −ソルビタン、ペンタエリスリトー
ル、グリセロール、トリメチロールプロパン等である。
【0021】また、2価のカルボン酸成分としては、各
種ジカルボン酸、炭素数1〜20のアルキル基又はアル
ケニル基で置換されたコハク酸、これらの酸の無水物及
びアルキル(炭素数1〜12)エステル等が挙げられ、
好ましくは、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸及び
炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸で
ある。
【0022】好ましい3価以上のカルボン酸成分は、1,
2,4 −ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)及び
その酸無水物、アルキル(炭素数1〜12)エステル等
である。
【0023】2価以上のアルコール成分及びカルボン酸
成分は、分子量調整のために1価のアルコール成分又は
カルボン酸成分と共に用いられることが好ましい。
【0024】ポリエステルの原料モノマーを重合させる
際には、反応を促進させるため、酸化ジブチル錫等の通
常使用されているエステル化触媒等を適宜使用してもよ
い。
【0025】本発明においてハイブリッド樹脂は、特開
平8−171231号公報に記載されているように、各
々独立した反応経路を有する二つの重合系の原料モノマ
ーの混合物を混合し、該二つの重合反応を同一反応容器
中で行わせて得られる。
【0026】前記二つの重合反応は、独立した反応経路
で進行するものであり、それぞれ縮重合系樹脂と付加重
合系樹脂を生ずる反応であることが好ましい。縮重合系
樹脂の代表例としては、ポリエステル、ポリエステル・
ポリアミド、ポリアミド等が挙げられ、付加重合系樹脂
の代表例としては、ラジカル重合反応により得られるビ
ニル重合系樹脂が挙げられる。
【0027】これらのうち、ポリエステル成分は、前記
と同様の2価以上のアルコール成分と2価以上のカルボ
ン酸、カルボン酸無水物、もしくはカルボン酸エステル
等のカルボン酸成分を原料モノマーとして得ることがで
きる。
【0028】また、ポリエステル・ポリアミド又はポリ
アミド中のアミド成分を形成するために用いる原料モノ
マーとしては、公知の各種ポリアミン、アミノカルボン
酸類、アミノアルコール等が挙げられ、好ましくはヘキ
サメチレンジアミン及びε−カプロラクタムである。
【0029】付加重合反応により得られるビニル重合系
樹脂を形成するために使用される原料モノマーとして
は、例えば、熱溶融性芯材に含有されるビニル重合系樹
脂の原料モノマーとして例示したモノマーが使用でき
る。
【0030】ハイブリッド樹脂は、縮重合系樹脂の原料
モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、重合開始剤
等を混合し、まず、50〜180℃で主としてラジカル
重合反応により縮重合反応が可能な官能基を有する付加
重合系樹脂成分を得、次いで190〜270℃に反応温
度を上昇させた後、主として縮重合反応により縮重合系
樹脂成分の形成を行わせて得られたものが好ましい。こ
のような一つの反応容器中で独立した二つの反応を進行
させる方法により二種類の樹脂の相溶性が向上した樹脂
を効率的に得ることができる。
【0031】縮重合系樹脂の付加重合系樹脂に対する重
量比、即ち縮重合系樹脂の原料モノマーの付加重合系樹
脂の原料モノマーに対する重量比は、付加重合系樹脂の
分散性の観点から、通常50/50〜95/5、好まし
くは60/40〜95/5であることが望ましい。
【0032】ハイブリッド樹脂は、二つの重合系樹脂の
原料モノマーのいずれとも反応し得る、例えば、アクリ
ル酸、フマル酸、メタクリル酸、シトラコン酸、マレイ
ン酸等の化合物(以下、両反応性化合物という)を更に
添加することにより、樹脂の分散性を向上させることが
できる。
【0033】本発明のカプセルトナーにおいて、親水性
樹脂の軟化点は、高温オフセット性、保存安定性、耐ス
トレス性及び低温定着性の観点から、90〜140℃で
あることが好ましく、ガラス転移点は、トナーの保存安
定性及び定着性の観点から、50〜80℃であることが
好ましい。
【0034】親水性樹脂の酸価は、トナーの保存安定性
及び製造安定性の観点から0.1〜30KOHmg/
g、好ましくは1〜20KOHmg/gであることが望
ましい。
【0035】親水性樹脂は、耐ブロッキング性及び熱溶
融性を得るために適度な厚さの外殻が必要とされること
から、熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜15重量
部程度使用されていることが好ましい。
【0036】本発明の熱圧力定着用カプセルトナーは、
製造設備や製造工程の簡素化という点から、少なくとも
熱可塑性樹脂の原料モノマー、負帯電性荷電制御剤、正
帯電性荷電制御剤及び親水性樹脂を用いたin sit
u重合法により製造することが好ましい。なお、本発明
におけるin situ重合法は、特開平6−3179
25号公報、特開平7−175260号公報、特開平9
−15900号公報等に詳細に開示されている重合法と
同様である。
【0037】このin situ重合法では、熱可塑性
樹脂の原料モノマー、負帯電性荷電制御剤、正帯電性荷
電制御剤、親水性樹脂等の混合液を分散媒中に乳化分散
させた際に、熱可塑性樹脂の原料モノマーと親水性樹脂
との溶解度指数の差によって混合液の液滴中で熱可塑性
樹脂の原料モノマーと親水性樹脂の分離が起こり、その
状態で重合が進行してカプセル構造が形成される。この
方法によると、外殻がほぼ均一な厚みを持った親水性樹
脂からなる層として芯材の表面に形成されるため、トナ
ーの帯電特性が均質になるという特長を有する。
【0038】本発明においては、混合液の液滴中で熱可
塑性樹脂の原料モノマーと親水性樹脂の分離が生じる際
には、荷電制御剤も比較的極性が高いために、親水性樹
脂と同様に芯材の表面に移動しやすい。従って、通常の
粉砕トナーとは異なり、トナー表面での荷電制御剤の存
在量は、荷電制御剤の使用量ばかりでなく、親水性樹脂
の使用量にも大きく依存する。荷電制御剤の使用量は、
負帯電性熱圧力定着用カプセルトナーを調製する場合
は、負帯電性荷電制御剤の使用量を親水性樹脂100重
量部に対して0.5〜25重量部、正帯電性荷電制御剤
の使用量を負帯電性荷電制御剤100重量部に対して
0.5〜30重量部とすることが好ましく、正帯電性熱
圧力定着用カプセルトナーを調製する場合は、正帯電性
荷電制御剤の使用量を親水性樹脂100重量部に対して
0.5〜25重量部、負帯電性荷電制御剤の使用量を正
帯電性荷電制御剤100重量部に対して0.5〜30重
量部とすることが好ましい。
【0039】芯材に含有される熱可塑性樹脂に由来する
本発明の熱圧力定着用カプセルトナーのガラス転移点
は、カプセルトナーの保存安定性及び定着強度を維持す
るために、20℃〜60℃であることが好ましい。
【0040】本発明の熱圧力定着用カプセルトナーの軟
化点は70〜160℃、平均粒子径(重量分布での中位
粒径)は通常3〜30μm程度であることが好ましい。
【0041】本発明の熱圧力定着用カプセルトナーは、
非磁性一成分系現像剤として、又はキャリアと混合して
二成分系の現像剤として用いることができる。
【0042】本発明の熱圧力定着用カプセルトナーは、
例えば、特開平2−190870号公報、特開平2−162356号
公報等に記載されているように、熱と圧力を併用して紙
等の記録材に定着させることにより形成した画像に良好
な定着強度を与えることができる。
【0043】
【実施例】実施例に記載されているガラス転移点、酸価
及び軟化点は、特に明示しない限り、以下に示す方法に
従って測定した。
【0044】〔ガラス転移点〕示差走査熱量計(セイコ
ー電子工業社製、DSC210)を用いて昇温速度10
℃/分で測定する。
【0045】〔酸価〕JIS K0070に準拠した方
法に従って測定する。
【0046】〔軟化点〕高化式フローテスター(島津製
作所製、CFT−500)を用い、樹脂の半分が流出す
る温度を軟化点とする(試料:1g、昇温速度:6℃/
分、荷重:20kg/cm2 、ノズル:1mmφ×1m
m)。
【0047】樹脂製造例1 ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン558g、ポリオキシエ
チレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン171g、テレフタル酸322g、及び
無水トリメリット酸7.5gを、窒素気流下で、220
℃で反応させ、ASTM E28−67に準拠した軟化
点が119℃に達したとき、反応を終了した。得られた
樹脂を樹脂Aとする。樹脂Aのガラス転移点は70℃、
酸価は7(KOHmg/g)であった。
【0048】樹脂製造例2 ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン1425g、ポリオキシ
エチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン273g、テレフタル酸790g及び
エステル化触媒としてジブチル錫オキシド5gを反応器
に入れた。反応器中の混合物を窒素雰囲気下、160℃
で撹拌しつつ、スチレン490g、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル73g、両反応性化合物としてアクリル酸2
5g及び重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオ
キサイド22gの混合物を滴下ロートから1時間かけて
滴下した。160℃で2時間保持した後、230℃に昇
温し、樹脂製造例1と同様に、軟化点が110℃に達し
たときに反応を終了させた。得られた樹脂を樹脂Bとす
る。樹脂Bのガラス転移点は、ピークが1本で65.2
℃、酸価は11(KOHmg/g)であった。
【0049】実施例1 スチレン70重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル3
0重量部、ジビニルベンゼン0.8重量部、樹脂A1
0.0重量部、負帯電性荷電制御剤として「アイゼンス
ピロンブラックTRH」(保土谷化学工業社製)1.0
重量部、正帯電性荷電制御剤として「ボントロンN−0
9」(オリエント化学化学工業社製)0.15重量部、
着色剤としてカーボンブラック「GPT505P」(菱
有工業社製)20.0重量部、2,2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル4.5重量部を添加し、TKホモミキサ
ー(特殊機化工業社製)で1時間分散し、重合性組成物
を得た。次に反応器中のリン酸三カルシウム4重量%の
水性コロイド溶液280gに前記重合性組成物120g
を添加し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)を用
いて、回転数10000rpmで3分間乳化分散させた
後、窒素雰囲気下、70℃で8時間反応させた。
【0050】冷却後、10%塩酸水溶液を加え、安定化
剤を溶解し、濾過、水洗を経て減圧乾燥させ、風力分級
機にて分級し、重量分布での中位粒径が7.5μmのカ
プセルトナーを得た。
【0051】ついで、このカプセルトナー100重量部
と「アエロジルシリカR972」(日本アエロジル社
製)1.0重量部とをヘンシェルミキサーで混合するこ
とにより、カプセルトナーに表面処理を施し、負帯電性
のトナー1を得た。トナー1の芯材中の熱可塑性樹脂に
由来するガラス転移点は40.1℃、軟化点は130.
6℃であった。
【0052】実施例2 実施例1において、樹脂Aの使用量を5重量部、「アイ
ゼンスピロンブラックTRH」の使用量を0.5重量部
とし、正帯電性荷電制御剤として「ボントロンN−0
9」の代わりに「P−51」(オリエント化学工業社
製)0.1重量部を用いた以外は、実施例1と同様にし
て表面処理まで行ない、負帯電性のトナー2を得た。ト
ナー2の芯材中の熱可塑性樹脂に由来するガラス転移点
は42.0℃、軟化点は132.5℃であった。
【0053】実施例3 実施例1において、「ボントロンN−09」の使用量を
2.0重量部とし、樹脂Aの代わりに樹脂B12重量部
を、「アイゼンスピロンブラックTRH」の代わりに
「T−77」(オリエント化学工業社製)0.3重量部
を用いた以外は、実施例1と同様にして表面処理まで行
ない、正帯電性のトナー3を得た。トナー3のガラス転
移点は39.4℃、軟化点は127.5℃であった。
【0054】比較例1 実施例1において、「ボントロンN−09」を用いず、
「アイゼンスピロンブラックTRH」の使用量を1.0
重量部とした以外は実施例1と同様にして表面処理まで
行ない、負帯電性の比較トナー1を得た。比較トナー1
の芯材中の熱可塑性樹脂に由来するガラス転移点は4
0.7℃、軟化点は130.1℃であった。
【0055】比較例2 実施例1において、「アイゼンスピロンブラックTR
H」の使用量を2.7重量部とした以外は実施例1と同
様にして表面処理まで行ない、負帯電性の比較トナー2
を得た。比較トナー2の芯材中の熱可塑性樹脂に由来す
るガラス転移点は37.8℃、軟化点は126.9℃で
あった。
【0056】比較例3 実施例1において、「アイゼンスピロンブラックTR
H」の使用量を1.0重量部とし、「ボントロンN−0
9」の使用量を0.4重量部とした以外は実施例1と同
様にして表面処理まで行ない、負帯電性の比較トナー3
を得た。比較トナー3の芯材中の熱可塑性樹脂に由来す
るガラス転移点は40.0℃、軟化点は129.5℃で
あった。
【0057】試験例 実施例1〜3及び比較例1〜3で得られたトナー各々5
重量部と平均粒子径80μmの粒度を有するスチレン/
メチルメタクリレート樹脂で被覆された球形フェライト
粉95重量部とを混合し、Vブレンダーにて約1時間攪
拌してそれぞれの現像剤を得た。それぞれの現像剤の極
性に応じ、市販の負帯電型OPC感光体を搭載したディ
ジタルコピア(トナー3以外)又はアナログ複写機(ト
ナー3)(印字速度:30枚/分)により印刷を行い、
常温常湿(25℃/相対湿度(RH)60%)、低温低
湿(10℃/RH30%)及び高温高湿(35℃/RH
80%)のそれぞれの環境下での初期及び1万枚耐刷後
の画像濃度及びかぶりを以下に示す方法に従って測定
し、評価した。それぞれの結果を表1及び表2に示す。
【0058】〔画像濃度〕マクベス濃度計(マクベス社
製、RD914)を用いて測定する。
【0059】〔かぶり〕色彩色差計(ミノルタ社製、C
R−321)を用いて印字前後での紙の反射率(Yxy
定法によるY値)の差により評価する。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】また、常温常湿、低温低湿及び高温高湿の
それぞれの環境下での初期及び1万枚耐刷後の帯電量
を、以下に示す方法に従って測定した。その結果を表3
に示す。
【0063】〔帯電量〕ブローオフ法による帯電量測定
器(エッピング社製、Q/mメーター)を用いて測定す
る。
【0064】
【表3】
【0065】以上の結果より、トナー1〜3は、1万枚
耐刷後においても、すべての環境下で、画像濃度も高
く、かぶりのない良好な画像が得られたのに対し、比較
トナー1は、負帯電性荷電制御剤しか用いられていない
ため、低温低湿下での帯電量が高くなり、画像濃度が低
下することがわかる。一方、負帯電性トナーで負帯電性
荷電制御剤が所定量よりも多量に使用された比較トナー
2は、高温高湿下での帯電量が低下し、かぶりの多い画
像が得られ、正帯電性荷電制御剤が所定量よりも多量に
使用された比較トナー3は、いずれの環境下においても
帯電量が低下し、かぶりの多い画像が得られることがわ
かる。
【0066】
【発明の効果】本発明により、環境安定性に優れた熱圧
力定着用カプセルトナーを提供することが可能となっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 高司 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも熱可塑性樹脂を含有する熱溶
    融性芯材と該熱溶融性芯材の表面を被覆するように設け
    た親水性樹脂とから構成される熱圧力定着用カプセルト
    ナーにおいて、負帯電性荷電制御剤及び正帯電性荷電制
    御剤を含有し、該負帯電性荷電制御剤の含有量が前記親
    水性樹脂100重量部に対して0.5〜25重量部であ
    り、該正帯電性荷電制御剤の含有量が該負帯電性荷電制
    御剤100重量部に対して0.5〜30重量部である負
    帯電性熱圧力定着用カプセルトナー。
  2. 【請求項2】 少なくとも熱可塑性樹脂を含有する熱溶
    融性芯材と該熱溶融性芯材の表面を被覆するように設け
    た親水性樹脂とから構成される熱圧力定着用カプセルト
    ナーにおいて、正帯電性荷電制御剤及び負帯電性荷電制
    御剤を含有し、該正帯電性荷電制御剤の含有量が前記親
    水性樹脂100重量部に対して0.5〜25重量部であ
    り、該負帯電性荷電制御剤の含有量が該正帯電性荷電制
    御剤100重量部に対して0.5〜30重量部である正
    帯電性熱圧力定着用カプセルトナー。
  3. 【請求項3】 親水性樹脂がポリエステル又はハイブリ
    ッド樹脂であり、該親水性樹脂の酸価が0.1〜30
    (KOHmg/g)である請求項1記載の負帯電性熱圧
    力定着用カプセルトナー。
  4. 【請求項4】 親水性樹脂がポリエステル又はハイブリ
    ッド樹脂であり、該親水性樹脂の酸価が0.1〜30
    (KOHmg/g)である請求項2記載の正帯電性熱圧
    力定着用カプセルトナー。
  5. 【請求項5】 少なくとも、熱可塑性樹脂の原料モノマ
    ー、負帯電性荷電制御剤、正帯電性荷電制御剤及び親水
    性樹脂を用いたin situ重合法を行うことによ
    る、請求項1〜4いずれか記載の熱圧力定着用カプセル
    トナーの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000058790A1 (fr) * 1999-03-26 2000-10-05 Nippon Zeon Co., Ltd. Toner destine au developpement d'images electrostatiques
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WO2016158802A1 (ja) * 2015-03-27 2016-10-06 三菱化学株式会社 静電荷像現像用トナー、現像剤、及び画像形成方法

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