JPH11257850A - 誘電加熱方法及び装置 - Google Patents

誘電加熱方法及び装置

Info

Publication number
JPH11257850A
JPH11257850A JP5853698A JP5853698A JPH11257850A JP H11257850 A JPH11257850 A JP H11257850A JP 5853698 A JP5853698 A JP 5853698A JP 5853698 A JP5853698 A JP 5853698A JP H11257850 A JPH11257850 A JP H11257850A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating
unit
time
drying
variable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5853698A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3155241B2 (ja
Inventor
Koji Ono
広治 小野
Yasuhiro Teranishi
康浩 寺西
Reiko Okinaka
玲子 沖中
Koji Yamamoto
康二 山本
Tsuneo Nagata
恒雄 永田
Junichi Kodama
順一 児玉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamamoto Vinita Co Ltd
Nara Prefecture
Original Assignee
Yamamoto Vinita Co Ltd
Nara Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamamoto Vinita Co Ltd, Nara Prefecture filed Critical Yamamoto Vinita Co Ltd
Priority to JP05853698A priority Critical patent/JP3155241B2/ja
Publication of JPH11257850A publication Critical patent/JPH11257850A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3155241B2 publication Critical patent/JP3155241B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of High-Frequency Heating Circuits (AREA)
  • Drying Of Solid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インピーダンス変化の大きい加熱対象物に対
する誘電加熱処理に当たり、人手も高価な電力計も不要
にし、処理時間の短縮と省電を図る。 【解決手段】 制御部4のデータ記憶部40aには木材
種類等の乾燥条件が設定された内容に基づく各乾燥パタ
ーンにおけるL長さデータが時間データとともに格納さ
れ、後の同じ乾燥パターンによる乾燥処理に当っては、
このL長さデータを経過時間に対応させて順次出力させ
て可変インダクタンス回路部47のインダクタンスを常
時整合状態となるように自動補正させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材の乾燥、接着
剤による積層材の製造その他、冷凍食品(冷凍食肉や冷
凍惣菜、その他冷凍食材等)の解凍等、加熱に応じた水
分の蒸発や氷から水への相変移に起因して加熱対象物の
インピーダンスが大きく変化する加熱対象物の誘電加熱
方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】木材は自然乾燥の進行に伴って変形する
ことが知られており、したがって未乾燥の木材を加工し
てそのまま使用すると、後に寸法狂いが生じて工作物に
歪みを発生する虞れがあることから、使用に先立って乾
燥処理が施されるのが一般的である。未乾燥の木材の乾
燥処理に際しては、自然乾燥に対する時間的節約から今
日では数十時間〜数日程度の処理で済む人工乾燥処理が
採用されている。
【0003】近年の木材乾燥は、製材された長尺の木材
を通風性確保用の桟木を介して積層した状態で乾燥炉
(ハウジング)内の一対の電極板間に挟持させて高周波
を印加する誘電加熱方式が提供されるに至っている。
【0004】図9は、かかる高周波乾燥装置の概略構成
を示す。この図において、電源部101は商用交流電源
の3相200Vから電力供給を受けて所望するレベルの
直流電源に変換するもので、高周波発振回路102は例
えば周波数13.56MHz、20KW(KVA)の高
周波を出力するものである。生成された高周波出力は自
動同調回路103、インダクタンス部104を経て、一
対の電極板間105に供給されるようになっている。乾
燥対象の木材は両電極板105間に各層毎に桟木を介し
て積層された状態で加熱炉106内に装填される。この
状態で電極板106間に高周波が印加されると誘電加熱
によって木材内部の水分の加熱が進行し、材内部の水分
が表層部へ圧出され、その水分を所要の温度、湿度にコ
ントロールされた熱風にて蒸気させ乾燥が促進される。
【0005】木材は種類にもよるが、一般的には初期含
水率が100%程度乃至はそれ以上であり、乾燥処理で
含水率をユーザーの要求等に応じて15%程度あるいは
それ以下にまで低下させるようにしている。初期含水率
が100%を超える如き加熱対象物を15%以下の含水
率まで低下させると、高周波発振回路102から見た負
荷側のインピーダンスが大きく変化することとなる。自
動同調回路103はLC素子で構成され、インピーダン
ス変化に伴う整合ずれ(周波数ずれ)を自動補正するた
めに設けられており、インピーダンス変化に伴う整合ず
れを制御部103aで検出し、可動部分に接触部を有し
ない可変コンデンサ103cの容量(キャパシタンス)
をモータ103bで調整(例えば離間状態で対向する電
極板の対向面積を変更)する整合用フィードバック制御
を実現している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ようにインピーダンスが大きく変化する木材乾燥におい
ては、キャパシタンスのみでは整合範囲を充分にカバー
することは容易ではない。図10は、乾燥処理のタイム
チャートで、高い含水率を有する木材の乾燥が進行して
含水率が低下すると、インピーダンス整合が徐々に取り
づらくなるにしたがって電流が徐々に減少し、木材内部
に実効的な電力が供給され難くなって(反射電力の増
大)効率低下を招来していることが分かる。一方、これ
に伴って電極板間の電圧は上昇しており、スパーク発生
の危険性が高くなっている。
【0007】しかも、誘電乾燥装置は、数〜数十キロワ
ット(KW)という大電力を必要とするものであること
から、この電力ロスは乾燥効率の低下に起因する乾燥時
間の長大化を伴い、さらなる電力料金を要し不経済であ
り、かつ電力生産に伴う環境問題にも派生する。
【0008】そこで、インダクタンス部104を可変式
として整合補正可能な構成とすることが考えられる。可
変コンデンサのみによる補正に限界が存する要因として
は、さらに積層木材に対して各層毎に桟木を介在させた
桟組み構造としている結果、高周波(電界)的に誘電率
の異なる不連続な空間(すなわち木材と空間の交互配
置)が形成されており、この不連続空間の存在が不整合
をより助長するとも考えられる。
【0009】したがって、加熱処理に際しインピーダン
スが徐々に変化して可変コンデンサの補正範囲を超える
頃から、作業者によるインダクタンス部のインダクタン
ス調整のための手作業が必要となる。そのために、高周
波発振回路102の負荷側に反射電力の検出が可能な公
知の電力計(SWR)等を接続し、このメータを観察し
て、整合がずれて反射電力が大きくなることが観察され
ると、その都度(昼夜を問わず)反射電力を低減させる
方向にインダクタンスを調整しなければならないといっ
た煩雑かつ過酷な作業が強いられることとなると共に人
手も必要となる。
【0010】また、木材乾燥では数KW〜数十KWの大
電力を使用することから、かかる大電力用の反射電力が
測定可能な大型の反射型電力計が必要であるが、このよ
うな大型の電力計が高価であるといった問題もある。
【0011】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
例えば乾燥用木材等のようにインピーダンス変化の大き
い加熱対象物に対する誘電加熱処理に当たり、人手も高
価な電力計も不要し、さらに処理時間の短縮と省電を可
能にする誘電加熱方法及びその装置を提供することを目
的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
インピーダンス変化の大きい加熱対象物に電磁波発生部
からの電磁波を、LC素子の一方の素子を可変式として
構成された自動同調回路を介して印加部より印加するこ
とにより誘電加熱を施す誘電加熱装置であって、前記電
磁波発生部と印加部間に前記LC素子の他方の素子と同
一種類の素子がその成分を変化可能にして介設された可
変回路部と、加熱対象物に対して設定された加熱条件に
応じて加熱中における経時方向の加熱対象物のインピー
ダンス変化分を前記可変回路部の可変量データとして時
間に対応させて格納した記憶部と、加熱時間を計測する
タイマと、設定された加熱条件で加熱対象物を加熱する
ときは前記タイマからの加熱時間に応じて読み出される
前記記憶部からの可変量データに応じて前記可変回路部
の成分を可変させる駆動部とを有するものである。
【0013】また、請求項7記載の方法発明は、インピ
ーダンス変化の大きい加熱対象物に電磁波発生部からの
電磁波を、LC素子の一方の素子を可変式として構成さ
れた自動同調回路を介して印加部より印加して誘電加熱
を施す誘電加熱方法であって、前記電磁波発生部と印加
部間に前記LC素子の他方の素子と同一種類の素子がそ
の成分を変化可能にして介設された可変回路部と、前記
可変回路部の成分を可変させる駆動部と、加熱時間を計
測するタイマと、記憶部とを有してなり、加熱対象物に
対して設定された加熱条件に応じて加熱中における経時
方向の加熱対象物のインピーダンス変化分を前記可変回
路部の可変量データとして時間に対応させて予め得て前
記記憶部に取り込み、設定された加熱条件で加熱対象物
を加熱するときは前記タイマからの加熱時間に応じて前
記記憶部から可変量データを読み出して前記駆動部に導
き、前記可変回路部の成分を可変させるものである。
【0014】これらの構成によれば、まず、加熱対象物
に応じて設定された加熱条件で加熱対象物に誘電加熱処
理を行う。この加熱処理は実験的に行うものでも、ある
いはある種の加熱対象物に対する最初の乾燥処理の際で
もよい。そして、この処理の際に加熱中における経時方
向の加熱対象物のインピーダンス変化分をLC素子から
なりその一方の素子(キャパシタンス素子又はインダク
タンス素子)がその成分を変更可能にされた前記可変回
路部の可変量データとして時間に対応させて予め得る。
すなわち、例えば木材の種類に応じて乾燥処理を施すに
際し、その時に反射型電力計を観察しながらメータの振
れ(デジタル式では数値)が最小となるように可変回路
部の成分を最適状態に逐次調整し、その調整量を時間デ
ータと対応付けて記憶部に取り込む。後に、同種の加熱
対象物に、既に設定された加熱条件で加熱処理を施する
ときは、タイマからの加熱時間に応じて前記記憶部から
前記調整量つまり可変量データが読み出されて駆動部に
導かれ、この可変量データに従って可変回路部の成分が
可変され、これにより加熱処理中適正な整合状態で効率
良い加熱処理が行われる。適用分野として、木材の乾
燥、接着剤を介在した積層材の接着による積層材の製
造、あるいは解凍用の冷凍食品、食材の解凍等に適用し
て好適である。乾燥木材や積層材の生成では内部水分や
接着剤の水分の蒸発によるインピーダンスの変化が大き
く、食材解凍では氷から水への相変移に伴う氷と水の誘
電率(すなわちインピーダンス)の大幅な変化に対応可
能となる。
【0015】請求項2、8記載の発明は、前記一方の素
子はキャパシタンス素子であり、前記他方の素子はイン
ダクタンス素子である。自動同調はキャパシタンス素子
で行われる一方、インダクタンスを可変することで適正
な整合が維持される。
【0016】請求項3記載の発明は、前記可変回路部
は、互いに離間して配設され、一方が電磁波発生部側に
接続され、他方が加熱対象物側に接続された導電部材
と、両導電部材に接した導電材からなる中継部材とから
構成され、前記駆動部は前記中継部材の少なくとも一方
の導電部材との接部分を該導電部材上で移動させてイン
ダクタンスを可変するものであることを特徴とする。こ
の構成によれば、可変回路部は両導電部材間の短絡位置
が中継部材の移動に伴って変化し、すなわち電磁波発生
部と電極部材間の長さが変化し、これによってインダク
タンスの変更が行われる。
【0017】請求項4記載の発明は、上記両導電部材は
板材であって互いに平行配置され、前記中継部材は両導
電板間にU字状に弾性変形された状態で介設され、前記
駆動部は、前記中継部材を導電板の面に平行な正逆方向
に摺動させてインダクタンスを増減可変するものである
ことを特徴とする。この構成によれば、単に中継部材を
平行移動させるという簡易な作動により整合を得ること
が可能となる。
【0018】請求項5記載の発明は、前記前記電磁波発
生装置は、高周波電界を2枚の電極板間に発生させるも
ので、加熱対象物は前記2枚の電極板間に介設されるも
のであることを特徴とする。この構成によれば、加熱対
象物が例えば一対の電極板間に挟持状態で介設される
と、例えば数100KHz〜数100MHz程度の高周
波電界によって誘電加熱が行われる。
【0019】請求項6記載の発明は、加熱対象物を収納
する加熱用ハウジングと、該加熱用ハウジング内に高温
多湿雰囲気を生成する手段とをさらに有し、上記加熱対
象物は前記2枚の電極板間に積層状態で介在され、乾燥
処理を施される木材であることを特徴とする。高温多湿
雰囲気内で誘電加熱を施すことで好適な木材乾燥が可能
となる。温度湿度は加熱対象物に応じて適宜設定され
る。温度は50℃〜100℃前後の範囲が好ましく、湿
度も60%〜90%程度が好ましく、また乾燥の進捗に
応じて適宜微調整されるのも好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る誘電加熱装
置が適用される木材乾燥装置の一例を示す一部切欠き斜
視図で、図中、高周波発生装置は省略してある。また、
図2は図1のA−A線断面図で、図中、ファン部分は省
略してある。図3は本装置のブロック構成図である。
【0021】これらの図に示すように、木材乾燥装置1
は、好ましくは運搬可能なユニット構造物2からなる構
造を備えている。このユニット構造物2は、図1に示す
ように、6面が壁で包囲された直方体状の箱体によって
形成されている。ユニット構造物2の稜線部分およびそ
の他の適所には金属製のフレーム材21が配筋され、こ
れらのフレーム材21によって直方体の骨格が形成され
ている。上記骨格の一側部にはドアフレーム22が設け
られており、このドアフレーム22によってユニット構
造物2に対する製材(木材)Rの出入口が形成されてい
る。またこのドアフレーム22に断熱構造のドア23が
開閉自在に取り付けられている。ドア23には換気用の
小孔23aが穿設されている。そして、上記骨格にはフ
レーム材21を挟持するように金属製の薄板からなる外
壁板24および内壁板25が取り付けられており、これ
ら外壁板24および内壁板25間に断熱材26が充填さ
れている。本実施形態おいては、上記外壁板24および
内壁板25に亜鉛メッキのカラー鋼板が適用されている
とともに、断熱材26としては50mm厚のグラスウー
ルが用いられている。
【0022】ユニット構造物2の内部には、床面2a、
内壁面2bおよび天井面2cに囲まれた乾燥室20(乾
燥ハウジング)が形成され、この乾燥室20のドア23
の上縁部よりも上方に機器配置室20aが設けられてい
るとともに、この機器配置室20aの下部に製材Rを乾
燥処理するための乾燥空間20bが設けられている。ユ
ニット構造物2の外寸法は、例えば間口(ドア23が設
けられている側)1.8m、奥行き4.5m、高さ1.
8mに設定され、乾燥空間20bの高さは1mに設定さ
れている。
【0023】機器配置室20aには、天井面2cから仕
切り板27が垂下され、この仕切り板27によって機器
配置室20aが長手方向に二等分され、それぞれに分室
200aが形成されている。そして、各分室200aに
は内壁面2b間に、中央部には送風口28aの穿設され
た遮蔽板28が立設されている。
【0024】遮蔽板28には送風口28aに対向して送
風用のファン3が取り付けられている。ファン3を駆動
させることによって、後述する蒸気は送風口28aから
乾燥空間20b内に吹き出され、乾燥空間20b内で桟
木で形成された製材Rの隙間を通り抜けた後、遮蔽板2
8の裏側に戻され乾燥室20内を循環する。本実施形態
においては、上記ファン3は0.75KWのものが2台
設けられ、2台で60〜180m3/minの範囲内の
送風量調節が可能になっている。
【0025】本装置には、高周波による誘電加熱用とし
ての高周波発生装置4が設けられている。この高周波発
生装置4の構成は図4に詳細を示されている。ユニット
構造部2の内部には、高周波発生装置4からの高周波出
力が出力線を介して供給される一対の電極板41、42
が装填可能にされており、電極板41、42間に製材R
が積層状態で挟持されるようになっている。製材Rは一
段毎に井桁状に桟木Rsで桟組みされて通風性が確保さ
れている。下側の電極板42は製材Rの搬入搬出の便利
を考慮して下面にコロ(キャスタ)42a(図1参照)
等が必要に応じて設けられ、あるいは取付け可能にされ
ている。
【0026】また、ユニット構造物2の外部適所には、
電気加熱方式のボイラ5が取り付けられている。このボ
イラ5から発生した蒸気は蒸気配管51を通ってユニッ
ト構造物2の上面部中央に設けられた圧力ポンプ52に
導入され、この圧力ポンプ52で加圧され、一対の蒸気
支管53を介して各機器配置室20a内に供給され、乾
燥室20内を高温高湿度の雰囲気(例えば、温度70〜
100℃前後、湿度50〜90%程度)にするようにな
っている。なお、ボイラ5には図略の安全弁が設けられ
ており、ボイラ5の蒸気発生量が圧力ポンプ52から乾
燥室20内に供給される蒸気量よりも多いときは余剰の
蒸気が安全弁から外部に放出されるようになっている。
本実施形態の場合、ボイラ5には3.4KWの容量のヒ
ータが内蔵されており、このヒータで水を加熱すること
により、最大3kg/cm2Gの圧力の蒸気を5.1k
g/hrの割合で発生させることができるようになって
いる。このようなボイラ5には、所定のホース等を介し
て水道水や井戸水が直接供給されるようになっている。
なお、5〜10リットルの容量を有するカートリッジ式
の水槽を設けるようにしてもよい。
【0027】なお、ユニット構造物2の上面一隅部に
は、乾燥室20内に連通した排気筒(排気孔)60が設
けられ、乾燥室20内の雰囲気空気を排出するようにな
っている。排気筒60の内部には、水平軸61回りに共
回りして排気筒60の開度を調節するダンパ62が設け
られている。また、ユニット構造物2の上面部には、上
記水平軸61を軸心回りに回動させてダンパ62の開度
を変更するアクチュエータ63が設けられており、この
アクチュエータ63を作動させることによりダンパ62
の開度が調節されるようになっている。そして、排気筒
60の下部には、排気ファン6が設けられており、この
排気ファン6を稼働させることによって乾燥室20内の
雰囲気空気を強制排気することができるようになってい
る。本実施形態では、排気ファン6はモータ容量が65
Wのものが設けられ、18m3/minの能力で排気す
るようになっている。
【0028】また、上記ユニット構造物2の上面部には
制御装置7が設けられ、この制御装置7によって、経時
的に乾燥空間20b内の湿度が所定値に、あるいは予め
記憶された所定の制御プログラムに基づいて自動制御さ
れるようになっている。
【0029】リード線8は先端にコンセント81を有
し、コンセント81を現場に設けられた所定の電源に接
続することにより木材乾燥装置1が稼働するのに必要な
エネルギーが賄えるようになっている。その他、ガスや
石油等のエネルギー源を利用して発電するようにしても
よい。
【0030】乾燥室20内の湿度はユニット構造物2に
付設された制御装置7によって自動的に制御される。自
動制御を行うために、乾燥室20内には図略の温度セン
サや湿度センサが設けられ、これらセンサが検出した温
度、湿度は常に制御装置7に入力されるようになってい
る。制御装置7は制御プログラムに基づいてファン3、
ボイラ5、圧力ポンプ52およびアクチュエータ63に
制御信号を出力する。
【0031】次に、高周波発生装置について図4のブロ
ック図を用いて説明する。高周波発生装置4はコンピュ
ータを内蔵する制御部40を有してなり、制御部40は
乾燥条件(加熱条件)等を入力するために必要なキー、
例えば指示用キーやテンキー等を備えた制御装置7の操
作部71からの入力内容を受け取り可能にされ、あるい
は高周波部専用の操作部を具備しており、乾燥予定の木
材4に対する乾燥条件をこの操作部71等を介して入力
する。
【0032】乾燥条件としては少なくとも初期含水率
(120〜80%等)や乾燥時間(50〜200h「時
間」等)が採用され、さらに仕上含水率(20〜15%
等)が重要である。木材の種類は、材種により含水率に
多少の違いがあり、また内部組織や形状に多少の差異が
あって水分の通路径が違う等も考えられるが、一概には
言えないことから、乾燥条件として必ずしも採用しなく
てもよい。電力は処理期間中一定(例えば定格値)であ
る必要はなく、時間経過に応じて変更設定されているも
のでもよい。その他の要因として木材の段面積、長さ、
本数(以上をまとめて積載量として扱ってもよい)、乾
燥用ハウジング(加熱炉)内で乾燥する装置にあって
は、積層段数、湿度(蒸気供給量)、温度も採用可能で
ある。同種木材間でも産地等に起因する初期含水率の差
によって異なる可変量データを取得する場合には、より
効率良い乾燥処理が提供可能となる。
【0033】このようにして設定された内容に対して連
続番号(記号でもよい)等を付して制御部40内又は付
設された書込可能なROMやRAM等のデータ記憶部4
0aに登録(格納)できるようになっている。また、C
RTやLCD(液晶)表示部を設け、登録内容をデータ
記憶部40aから読み出して視認可能に表示するように
してもよく、このようにすれば登録内容を必要時に確認
することができるという利点がある。
【0034】電源回路44は例えば3相200V等の商
用電源から供給を受け、この電力を所要レベルの直流に
変換して出力するものである。高周波発振回路45は内
部に発振器等を有し、電源回路44からの直流電源を所
要周波数の高周波に変換して例えば定格パワーとして出
力するものである。自動同調回路46はLC素子から構
成され、LC素子の少なくとも一方の素子がその成分を
調整可能に構成されており、負荷(製材R)との整合を
図って所定の整合状態で電力供給を行わせるものであ
る。すなわち、木材の乾燥に伴い内部水分が蒸発して外
部に抜け出すと、これにより負荷側の誘電率が変化すな
わちインピーダンスが変化するので、この時の電力(陽
極電流レベル)の変化を検出して例えば可変コンデンサ
のキャパシタンスを調整して整合条件を維持するように
フィードバック補正させるものである。制御部40は乾
燥室20内部に温度センサが設けられている態様では、
検出した内部温度から高周波の印加をオンオフ制御して
材の過加熱の防止を効果的に図れるようにすることが好
ましい。
【0035】可変インダクタンス回路47は高周波発振
回路45と電極板41(印加部)との間に少なくとも介
設され、自動同調回路46の補正範囲外に対しても整合
維持を可能にするためのもので制御部40からの作動信
号に基づいてインダクタンスの変更が行われるように構
成されている。
【0036】図5は、可変インダクタンス回路部の一実
施形態を示す構成図で、(a)は側面図、(b)は正面
図である。可変インダクタンス回路部47は樹脂から構
成されるハウジング471内に所定距離だけ離間して平
行配置された所要厚みを有する樹脂板472が上下側か
ら樹脂性のネジによって固定配置され、この樹脂板47
2の対向面に、本実施形態では並列に導電材としての3
列の帯状のアルミ材板473がその上下位置でビス等に
よって固設されている。図5(a)において、対向する
アルミ板材473のうち、左側のアルミ板材473の3
本は上部適所P1(接位置)で自動同調回路46の出力
側に接続され、右側のアルミ板材473の3本は上部適
所P2(接位置)で電極板41に接続されている。
【0037】また、これら対向するアルミ板473の両
内面に摺接する形で、例えば断面視U字状に弾性変形さ
れた導電性を有するアルミ材からなる中継片474(中
継部材)が介設されている。中継片474は3本のアル
ミ板材473に摺接する幅を有している。また、中継片
474の下端位置には幅方向に少なくとも中継片474
の幅以上に延設された非導電性の支持部材475が固定
され、その両端には雌ネジが螺設された噛合部475a
が形成されている。
【0038】一方、ハウジング471の幅方向両側に
は、図5(b)に示すように一対の雄ネジが螺設された
ネジ棒476が上下に亘って回動自在に軸支状態で配設
され、上記支持部材475の両端の噛合部475aがこ
のネジ棒476に螺合されている。従って、ネジ棒47
6が正逆方向に回動すると、支持部材475すなわち中
継片474が連動的に昇降するようになっている。例え
ば、中継片474が上昇すると、中継片474を介して
位置P1と位置P2間の短絡長が短くなってインダクタ
ンスが小さくなる方に変化し、逆に中継片474が下降
すると、中継片474を介しての位置P1と位置P2間
の短絡長が長くなってインダクタンスが大きくなる方に
変化し、これによってインダクタンスを可変することが
可能とされている。ネジ棒476の上端は主にギア群か
ら構成される回動伝達機構部477(破線で示す)及び
その伝達最上流位置の回動軸にモータ軸が噛合等によっ
て連結された駆動源としてのモータ478がハウジング
471に配設されている。モータ478は制御部40か
らの作動信号によって回動量が設定され、このモータ4
78が所定量だけ正、逆方向回転することによって一対
のネジ棒476が対応して正逆回転するようにされ、こ
の結果、中継片474を所定量だけ昇降させるようにな
っている。
【0039】次に、インダクタンス調整について図6を
用いて説明する。図6は、木材乾燥処理における木材の
含水率、入射(入力)電力と反射電力及びインダクタン
ス調整量(移動量)の関係を示すタイムチャートであ
る。
【0040】図6において、横軸に乾燥時間(h
「時」)を、左縦軸に電力(KW)を、右縦軸に中継片
474の移動量(cm「L長さ」)を設定している。こ
の実施形態では、乾燥予定の木材の種類は「杉」で、1
00%を多少超えた初期含水率を有するものが採用さ
れ、それぞは小口面形状が120mm×120mm、長
さ170cm、一段に6個を並べ、積層段数8段とし、
さらに入力電力として10KW程度を、乾燥時間として
80hを設定している。
【0041】図6を参照して移動量データの取得手順に
ついて説明する。このときは、反射型の電力計を回路に
接続してメータの振れを観察している。なお、インダク
タンス長(L長さ:可変量データ)の初期位置は0cm
であり、乾燥開始の初期の所定時間位置(図6では開始
から16時間程度を経過した頃)から、すなわちリアク
タンス分による補正による整合調整が好適な範囲を超え
ると見做せる手前頃からインダクタンス補正が作動する
ようにしている。
【0042】まず、乾燥対象となる木材を本木材乾燥装
置1の電極板41、42間に装填して乾燥動作を開始す
る。この開始によって内蔵するタイマ40bが経時動作
を開始する。
【0043】高周波の印加初期では木材の内部温度上昇
に高周波電力が消費され、含水率はさほど低下しないた
め、入射電力も反射電力もさほどの変化は見られない。
なお反射電力が多少に高いのは、初期の過渡期特有のも
のと思われる。ある程度の時間経過後から含水率が低下
し始めると、これに応じて反射電力が漸増し始め、L長
さの調整動作が開始される。L長さの調整時点は所定時
間間隔、例えば1時間とか30分間隔でもよいが、整合
精度を上げるために10分間隔等の細かい時間間隔に設
定してもよい。この調整時間の間隔は固定でもよいが、
電力計の変動が大きい時はその都度設定するようにすれ
ばより整合精度がアップするし、逆に変動が微量の期間
は設定を保留してデータ数を少なくすることもできる。
いずれにしても調整時点におけるタイマ40bの時間情
報が調整データと共に、図7に示すデータ記憶部40a
に取り込まれる。L長さの調整は、電力計の振れを見な
がら(デジタル表示の場合には数値を見ながら)操作部
71あるいは高周波部側の所定の操作部からモータ47
8に正逆方向の作動信号を伝送して中継片474を正逆
方向に移動させることで可能である。
【0044】この後、含水率が時間の経過とともに減少
し、L長さを調整せずそのままにしておけば、従来の図
10に示すように整合が徐々にずれることによって供給
電流が減少かつ印加電圧が増大、すなわち反射電力が増
大し、入力電力が減少することとなるが、L長さをその
都度、電力計において反射電力が最小となる位置にL長
さを設定調整する。そして、80(h)後に、目的に近
いほぼ15%の含水率の乾燥木材が得られた。このよう
に逐次調整を行ったL長さの結果は図6に示すように、
時間に応じて右上がり(インダクタンスを減少させる方
向)となる。
【0045】操作部71または他の作動部で指示した作
動量がL長さデータとしてデータ記憶部40aに逐次取
り込まれる。あるいは調整時間と調整量とを対応させて
記録を取っておき、後にこの記録をデータ記憶部40a
に1つのパターンナンバーを付してマニュアルで入力す
るようにしてもよい。
【0046】図7は、データ記憶部40aに記録された
L長さデータのデータマップの一例を示している。図7
では設定された乾燥条件に基づく乾燥パターンを示す各
パターンナンバーに対応して逐次時間と移動量とが関連
して書き込まれている。パターンナンバー1では、L長
さを初期位置(0cm)からの長さ寸法として、t1〜
tiまでは0cm、t(i+1)で初めて調整されたデ
ータである0.5cm、最終のtnでは28.0cmと
なっており、パターンナンバー2では、τ1〜τnに対
応するL長さが記憶されている。各パターンナンバーに
おける時間は同一タイミングでもよいが、各乾燥パター
ン毎に独自であってもよい。なお、L長さデータは初期
位置からの長さで規定してもよいが、モータ478が例
えばパルスモータ等である場合、直前の位置と次位置と
の長さを例えばパルス数で規定してもよい。
【0047】この後、例えば後日において乾燥作業を行
うに当っては、作業は以下の手順で実行される。図8
は、乾燥作業の手順を示すフローチャートである。
【0048】電源が投入されると、本フローチャートが
スタートし、先ず、操作部71の所定のキーが操作され
たかどうかが判断される(ステップS1)。所定のキー
が操作されず、他のキーがオンされたのであれば、登録
された乾燥パターンを用いない通常の乾燥処理であると
してコンピュータは特別な関与はしない。但し、図略の
温度センサや湿度センサ等を利用してボイラ5の動作の
オンオフ制御等の通常の制御は制御装置7が実行する。
データ記憶部40aを利用しない場合の入力内容として
は、より簡単な条件(例えば供給電力と乾燥時間)であ
ってもよく、さらには条件無設定(この場合は、装置に
設定された定格出力が供給され、乾燥時間は作業者がパ
ワーオフ操作をするまで継続される)であってもよい。
【0049】また、新たな加熱パターンによるデータ取
得も兼ねて乾燥処理を行うためのキー入力の受付も行わ
せるようにしてもよい。また、既に加熱パターンが登録
されたものと同一の乾燥条件で乾燥処理を行う場合であ
っても、通常の乾燥処理で乾燥を行えるように両者を選
択可能としても良い。このようにして、スタートキーが
オンされて通常乾燥が実行される。
【0050】ステップS1において、所定のキーが押さ
れ(操作され)たのであれば、続いて操作部71から該
当するパターンナンバーをテンキーを押して入力指示す
る(ステップS3)。あるいは所定キーと共にテンキー
を押してもよい。パターンナンバーの指示によってパタ
ーンナンバーのデータがセットすなわち読出可能な状態
に設定され、あるいは処理用のRAMに逐次読出可能に
するべく転送される(ステップS5)。続いて、スター
トキーがオンされたかどうかが判断され(ステップS
7)、オンされると、本パターンナンバーの乾燥パター
ンのうちの電力等を用いて乾燥処理が開始されるととも
に、タイマ40bがオンする(ステップS9)。次い
で、タイマ40bが設定されたパターンナンバーの最初
の調整時間に達したかどうかが判断される。
【0051】今、ステップS3でパターンナンバー1が
指定されたものとして説明する。乾燥開始から時間t1
が経過すると(ステップS11でYES)、L長さ0c
mが読み出されて作動信号として出力される(ステップ
S13)。そして、乾燥終了かどうかが判断され(ステ
ップS15)、終了でなければ、ステップS11に戻っ
て、次の調整時間に達したかどうかが判断され、前述と
同様にL長さデータが読み出され、以後、ステップS1
1〜ステップS15のループが繰り返され、乾燥時間が
乾燥条件の1つであるときは(乾燥条件でないときは別
途入力されている)、乾燥時間に達すると、ステップS
15で乾燥終了と判断し(ステップS15でYES)、
電源オフされて乾燥処理が終了する。なお、乾燥終了の
条件として含水率が設定されている態様では、含水率セ
ンサを設けておき、センサ出力から乾燥終了制御すれば
よい。含水率センサとしては重量計等があり、初期重量
に対する変化分に基づいて抜けた水分を計測することで
含水率を求めることができる。
【0052】本発明は、さらに以下の実施形態も適用可
能である。 (1)上記実施形態では、高温蒸気による外部加熱と誘
電加熱とを併用したものであるが、本発明は真空乾燥炉
(乾燥ハウジング)を用いて脱気状態で乾燥処理するタ
イプの木材乾燥装置にも適用可能である。この場合に
は、材によって真空度が設定される場合には設定真空度
も乾燥条件とすればよい。
【0053】(2)本発明は乾燥処理に限定されず、単
板積層材の製造にも適用可能である。単板積層材は所要
厚みの単板に接着剤を介在させて所要枚数積層した状態
とし、これをプレス状態で誘電加熱することによって接
着剤で一体化させるものである。この場合の加熱条件と
しては単板の厚み、積層段数、接着剤(硬化温度や含水
率)の種類等が考えられる。
【0054】(3)本発明はまた、冷凍食材の解凍のた
めの誘電加熱装置にも適用可能である。例えばハンバー
グの原料となる牛肉、豚肉、鶏肉等は−20〜−25℃
程度で冷凍保管されており、これを誘電加熱装置を用い
て−3〜+3℃程度まで解凍して、次の製造工程で下降
され最終製品であるハンバーグとなる。この場合、冷凍
状態では含水水分が凍結して氷となっており、これが解
凍によって水分に戻ることとなるが、氷の誘電率と水の
誘電率とが大きく異なることから、解凍処理が進行する
に従って整合ずれが顕著であり、インダクタンスの自動
補正を行うことで効率の高い解凍処理が可能となる。
【0055】(4)可変インダクタンス回路部の構成は
上記実施形態に限定されず、導電板473は少なくとも
各1本あればよい。また、中継片474は両端移動対応
に限定されず、一端側は固定されているものでもよく、
要するに2枚の導電板473間で中継片が両者に接続し
た状態で位置移動した結果インダクタンス長さが可変で
きる構造であればよい。さらに、一枚の導電性平板とそ
の一面上を長手方向に摺動する導電性摺動子とからな
り、導電性平板の一端が自動同調回路46に、導電性摺
動子を電極板41に接続した構成をなすものでもよい。
【0056】(5)本発明は、対向電極を用いた高周波
によるものに限定されず、一方向に平行配設されたグリ
ッド電極に交互に正負極の高周波を供給して主に薄い積
層材(木材その他)を、介在された接着剤で一体に接着
させて製造するものにも適用でき、またマイクロ波照射
室にマイクロ波を照射するものでもよい。
【0057】(6)本実施形態では、桟木を介設して木
材を積層しているが、これに限定されず、そのまま積層
したものにも適用可能である。なお、桟木を設けた構成
では高周波電界が桟木部分に多少集中する可能性がある
が、整合が高精度で確保されている場合には、そうでな
い場合に比して電力ロスはかなり低減されるという利点
がある。
【0058】(7)また、電極板も積層材の上下側にも
に配設したものに限定されず、途中に所要枚数の電極板
を介設し、互いに隣接する電極板間に所定時間ずつ順番
に高周波を印加する動作を繰返すものにも適用可能であ
る。
【0059】(8)L長さ(インダクタンス)の調整は
コンピュータ制御によらず、シーケンス処理によって実
現することも可能である。
【0060】(9)本実施形態では、L長さは時間方向
に比例したものとなっており、乾燥条件によってその勾
配が異なるものになっているが、加熱対象物によっては
必ずしも線形変化するとはいえず、本発明はそのような
ものにも十分適用可能である。
【0061】(10)上記実施形態では、自動同調回路
46の調整可能な素子をコンデンサとし、加熱条件で調
整される素子をインダクタンス素子(可変回路部)とし
て採用したが、この加熱条件で調整される可変回路部
は、自動同調回路46の可変素子と必ずしも異なる種類
の成分素子とする必要はなく、同一種類の成分素子であ
ってもよい。可変インダクタンス回路部47に変えて可
変コンデンサを採用する態様では、高周波発振回路45
と電極(印加部)間に直列あるいは並列に介在させても
よい。
【0062】(11)また、本実施形態では、インダク
タンス回路部47として板材としてのアルミ材板473
を採用したが、本発明はかかるインダクタンス回路の構
成に限定されず、導電性のパイプ状部材を所要間隔だけ
離間して平行配置し、その間を電気的に接続した状態で
中継棒材で掛け渡した構造を採用し、この掛け渡し棒材
をパイプ長手方向に移動可能にすることでインダクタン
スを変更調整可能にしたものでもよい。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、インピーダンス変化の
大きい加熱対象物に対する誘電加熱処理を予め得た可変
量データで自動補正できるようにしたので、加熱作業に
人手を要することなく、かつ高価な電力計も不要とし、
さらに処理時間の短縮化、省電化が図れる。
【0064】請求項2、8記載の発明によれば、インダ
クタンス素子のインダクタンスを調整することで整合ず
れの補正が可能となる。
【0065】請求項3、4記載の発明によれば、中継部
材の移動させることでインダクタンス変更を行うことが
できる。
【0066】請求項5記載の発明によれば、高周波を用
いた装置に適用でき、加熱対象物を電極板間に介設する
ことで加熱処理が施せる。
【0067】請求項6記載の発明によれば、高温多湿雰
囲気内で積層木材を効率良く乾燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る誘電加熱装置が適用される木材乾
燥装置の一例を示す一部切欠き斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】木材乾燥装置の制御ブロック図である。
【図4】高周波発生装置のブロック図である。
【図5】可変インダクタンス回路部の一実施形態を示す
構成図で、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図6】木材乾燥処理における木材の含水率、入射(入
力)電力と反射電力及びインダクタンス調整量(移動
量)の関係を示すタイムチャートである。
【図7】L長さデータのデータマップを示す図である。
【図8】乾燥作業の手順を示すフローチャートである。
【図9】従来の高周波乾燥装置の概略構成を示す図であ
る。
【図10】従来装置による乾燥処理のタイムチャートで
ある。
【符号の説明】
1 木材乾燥装置 2 ユニット構造物 20 乾燥室 3 ファン 5 ボイラ 7 制御装置 71 操作部 4 高周波発生装置 40 制御部 40a データ記憶部 40b タイマ 41,42 電極板 44 電源回路 45 高周波発振回路 46 自動同調回路 47 可変インダクタンス回路部(可変回路部) 473 アルミ材板473(導電部材、導電板) P1,P2 上部適所(接位置) 474 中継片(中継部材) 475 支持部材 475a 噛合部 476 ネジ棒 477 回動伝達機構部 478 モータ(駆動部) R 製材(木材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 康二 大阪市天王寺区上汐6丁目3番12号 山本 ビニター株式会社内 (72)発明者 永田 恒雄 大阪市天王寺区上汐6丁目3番12号 山本 ビニター株式会社内 (72)発明者 児玉 順一 大阪市天王寺区上汐6丁目3番12号 山本 ビニター株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インピーダンス変化の大きい加熱対象物
    に電磁波発生部からの電磁波を、LC素子の一方の素子
    を可変式として構成された自動同調回路を介して印加部
    より印加することにより誘電加熱を施す誘電加熱装置で
    あって、前記電磁波発生部と印加部間に前記LC素子の
    他方の素子と同一種類の素子がその成分を変化可能にし
    て介設された可変回路部と、加熱対象物に対して設定さ
    れた加熱条件に応じて加熱中における経時方向の加熱対
    象物のインピーダンス変化分を前記可変回路部の可変量
    データとして時間に対応させて格納した記憶部と、加熱
    時間を計測するタイマと、設定された加熱条件で加熱対
    象物を加熱するときは前記タイマからの加熱時間に応じ
    て読み出される前記記憶部からの可変量データに応じて
    前記可変回路部の成分を可変させる駆動部とを有するこ
    とを特徴とする誘電加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記一方の素子はキャパシタンス素子で
    あり、前記他方の素子はインダクタンス素子であること
    を特徴とする請求項1記載の誘電加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記可変回路部は、互いに離間して配設
    され、一方が電磁波発生部側に接続され、他方が加熱対
    象物側に接続された導電部材と、両導電部材に接した導
    電材からなる中継部材とから構成され、前記駆動部は前
    記中継部材の少なくとも一方の導電部材との接部分を該
    導電部材上で移動させてインダクタンスを可変するもの
    であることを特徴とする請求項2記載の誘電加熱装置。
  4. 【請求項4】 上記両導電部材は板材であって互いに平
    行配置され、前記中継部材は両導電板間にU字状に弾性
    変形された状態で介設され、前記駆動部は、前記中継部
    材を導電板の面に平行な正逆方向に摺動させてインダク
    タンスを増減可変するものであることを特徴とする請求
    項3記載の誘電加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記前記電磁波発生装置は、高周波電界
    を2枚の電極板間に発生させるもので、加熱対象物は前
    記2枚の電極板間に介設されるものであることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載の誘電加熱装置。
  6. 【請求項6】 加熱対象物を収納する加熱用ハウジング
    と、該加熱用ハウジング内に高温多湿雰囲気を生成する
    手段とをさらに有し、上記加熱対象物は前記2枚の電極
    板間に積層状態で介在され、乾燥処理を施される木材で
    あることを特徴とする請求項5記載の誘電加熱装置。
  7. 【請求項7】 インピーダンス変化の大きい加熱対象物
    に電磁波発生部からの電磁波を、LC素子の一方の素子
    を可変式として構成された自動同調回路を介して印加部
    より印加して誘電加熱を施す誘電加熱方法であって、前
    記電磁波発生部と印加部間に前記LC素子の他方の素子
    と同一種類の素子がその成分を変化可能にして介設され
    た可変回路部と、前記可変回路部の成分を可変させる駆
    動部と、加熱時間を計測するタイマと、記憶部とを有し
    てなり、加熱対象物に対して設定された加熱条件に応じ
    て加熱中における経時方向の加熱対象物のインピーダン
    ス変化分を前記可変回路部の可変量データとして時間に
    対応させて予め得て前記記憶部に取り込み、設定された
    加熱条件で加熱対象物を加熱するときは前記タイマから
    の加熱時間に応じて前記記憶部から可変量データを読み
    出して前記駆動部に導き、前記可変回路部の成分を可変
    させることを特徴とする誘電加熱方法。
  8. 【請求項8】 前記一方の素子としてキャパシタンス素
    子を用い、前記他方の素子としてインダクタンス素子を
    用いていることを特徴とする請求項7記載の誘電加熱方
    法。
JP05853698A 1998-03-10 1998-03-10 誘電加熱方法及び装置 Expired - Fee Related JP3155241B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05853698A JP3155241B2 (ja) 1998-03-10 1998-03-10 誘電加熱方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05853698A JP3155241B2 (ja) 1998-03-10 1998-03-10 誘電加熱方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11257850A true JPH11257850A (ja) 1999-09-24
JP3155241B2 JP3155241B2 (ja) 2001-04-09

Family

ID=13087172

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05853698A Expired - Fee Related JP3155241B2 (ja) 1998-03-10 1998-03-10 誘電加熱方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3155241B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004063308A (ja) * 2002-07-30 2004-02-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高周波解凍装置
JP2004247128A (ja) * 2003-02-13 2004-09-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高周波加熱装置
WO2009125645A1 (ja) 2008-04-09 2009-10-15 新日本製鐵株式会社 誘導加熱装置及び誘導加熱方法
JP2012038462A (ja) * 2010-08-04 2012-02-23 Nissei Co Ltd 生分解性容器の製造方法およびその方法に用いる誘電加熱装置
CN105276926A (zh) * 2015-11-02 2016-01-27 山东省林业科学研究院 一种木材单板微波干燥装置及干燥方法
CN105333695A (zh) * 2015-11-02 2016-02-17 山东省林业科学研究院 一种木材单板微波干燥方法
CN106369991A (zh) * 2016-10-13 2017-02-01 广东芬尼克兹节能设备有限公司 烘干控制方法
CN112556294A (zh) * 2019-09-25 2021-03-26 博西华电器(江苏)有限公司 加热装置及包括其的冰箱
CN112984934A (zh) * 2019-12-16 2021-06-18 博西华电器(江苏)有限公司 解冻装置及冰箱
WO2023017814A1 (ja) * 2021-08-10 2023-02-16 株式会社アツミテック 固体酸化物型燃料電池
WO2023017815A1 (ja) * 2021-08-10 2023-02-16 株式会社アツミテック 固体酸化物型燃料電池

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6400819B1 (en) 1996-03-28 2002-06-04 Hitachi, Ltd. Method and apparatus for executing communication in real-time and data structure for real-time data communication

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004063308A (ja) * 2002-07-30 2004-02-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高周波解凍装置
JP2004247128A (ja) * 2003-02-13 2004-09-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高周波加熱装置
WO2009125645A1 (ja) 2008-04-09 2009-10-15 新日本製鐵株式会社 誘導加熱装置及び誘導加熱方法
US8420990B2 (en) 2008-04-09 2013-04-16 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Induction heating apparatus and induction heating method
JP2012038462A (ja) * 2010-08-04 2012-02-23 Nissei Co Ltd 生分解性容器の製造方法およびその方法に用いる誘電加熱装置
CN105333695A (zh) * 2015-11-02 2016-02-17 山东省林业科学研究院 一种木材单板微波干燥方法
CN105276926A (zh) * 2015-11-02 2016-01-27 山东省林业科学研究院 一种木材单板微波干燥装置及干燥方法
CN105276926B (zh) * 2015-11-02 2020-05-08 山东省林业科学研究院 一种木材单板微波干燥装置及干燥方法
CN106369991A (zh) * 2016-10-13 2017-02-01 广东芬尼克兹节能设备有限公司 烘干控制方法
CN112556294A (zh) * 2019-09-25 2021-03-26 博西华电器(江苏)有限公司 加热装置及包括其的冰箱
CN112556294B (zh) * 2019-09-25 2023-12-22 博西华电器(江苏)有限公司 加热装置及包括其的冰箱
CN112984934A (zh) * 2019-12-16 2021-06-18 博西华电器(江苏)有限公司 解冻装置及冰箱
CN112984934B (zh) * 2019-12-16 2024-01-12 博西华电器(江苏)有限公司 解冻装置及冰箱
WO2023017814A1 (ja) * 2021-08-10 2023-02-16 株式会社アツミテック 固体酸化物型燃料電池
WO2023017815A1 (ja) * 2021-08-10 2023-02-16 株式会社アツミテック 固体酸化物型燃料電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP3155241B2 (ja) 2001-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3155241B2 (ja) 誘電加熱方法及び装置
CA1081796A (en) Controlled heating microwave ovens using different operating frequencies
US5436433A (en) Automatic thawing device of microwave oven and control method thereof
WO1997013102A1 (fr) Appareil de chauffage a micro-ondes
US5556567A (en) System and process for controlling dielectric ovens
JP2004247128A (ja) 高周波加熱装置
WO2021213441A1 (zh) 用于加热装置的解冻方法及加热装置
JP2003024025A (ja) 解凍装置
JP2020145114A (ja) 高周波解凍装置
JP3302952B2 (ja) 木材の乾燥方法および装置
KR100241445B1 (ko) 복합조리기의 구동 제어장치 및 방법
JP2563669B2 (ja) 減圧加熱装置
KR0168128B1 (ko) 전자렌지의 제어장치
JP2563668B2 (ja) 減圧高周波加熱装置
KR0138606B1 (ko) 전자렌지의 조리제어장치 및 그 방법
JP2003187957A (ja) 電子レンジ
KR100314441B1 (ko) 가열장치의온도제어방법
KR100320715B1 (ko) 전자레인지의부하정합방법
KR0127659Y1 (ko) 고주파가열장치
JP2002137210A (ja) 木材の乾燥方法および装置
JPH0638359B2 (ja) 高周波加熱装置
JP2001221446A (ja) 加熱調理器
JPH05326136A (ja) 高周波加熱装置
JPH0425447B2 (ja)
JPS63172830A (ja) 調理器

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010109

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090202

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090202

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100202

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110202

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120202

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130202

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140202

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees