JPH11257789A - 熱電冷却装置及びそれを用いた構造物 - Google Patents

熱電冷却装置及びそれを用いた構造物

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JPH11257789A
JPH11257789A JP10058057A JP5805798A JPH11257789A JP H11257789 A JPH11257789 A JP H11257789A JP 10058057 A JP10058057 A JP 10058057A JP 5805798 A JP5805798 A JP 5805798A JP H11257789 A JPH11257789 A JP H11257789A
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thermoelectric
cooling device
heat
thermoelectric cooling
electrode
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JP10058057A
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English (en)
Inventor
Osamu Shiono
修 塩野
Mitsuo Hayashibara
光男 林原
Hiroshi Iwata
博 岩田
Kosuke Tanaka
孝介 田中
Katsumi Tominaga
克己 富永
Kuninari Araki
邦成 荒木
Tsuneo Takagi
恒雄 高木
Akira Ochikubo
晃 落久保
Satoru Kato
悟 加藤
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Chugoku Electric Power Co Inc
Hitachi Ltd
Original Assignee
Chugoku Electric Power Co Inc
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱電素子を用いた空調,保冷・保温システム
で,コンパクトかつエネルギー効率的に優れ,コスト的
に有利な熱電冷却装置を提供する。 【解決手段】熱伝導性を有する板材1の表面に電気絶縁
層10を介して形成した電極20を有する配線基板30と配線
基板30に配置した複数個の熱電素子40と熱電素子40を電
気的に接続する電極50とこれらに対向する板材60とを構
成要素とし,熱電素子40の高さ方向の寸法より長い支柱
材80を板材60と熱電素子40との間に少なくとも1つ以上
設け,かつ板材60と配線基板30に挟まれた空間に,断熱
材70が存在することを特徴とする熱電冷却装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は熱エネルギーと電気
エネルギーとを相互に変換可能な熱電素子を用いた熱電
冷却装置及びそれを用いた構造物に係り、特に、パネル
状の空調システム、保冷・保温システムに用いるのに適
した熱電冷却装置の構造とその製造方法に関する。
【従来の技術】熱電冷却装置の従来技術としては、例え
ば、特開昭64−63730号公報に記載の空調機器が
知られている。これはパーティションの一部に熱電素子
モジュールを埋め込み、素子が吸い込んだ熱をフィンに
よって放熱するものである。また、別の公知技術とし
て、特開昭63−73037号公報に記載のものが知ら
れている。これも、パーティションの一部に熱電素子モ
ジュールを組み込み、素子が吸い込んだ熱を多数の針状
フィンを通して放熱するものである。また、断熱材を構
成要素とした冷却パネルとして、特開平9−42801
号公報に記載のものがある。
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭64−63
730号公報や特開昭63−73037号公報に記載の
空調機器では、図22のように板材62の上に電気絶縁層
15を介して電極21を設置し、その上に熱電素子40を密集
させて実装する。熱電素子40を密集させて実装するた
め、放熱部の熱流束が大きく、パネル表面から自然放熱
できないので、図23のように放熱板となる板材62の上
に放熱フィン74を設ける必要があった。このフィンはか
なりのスペースを必要とするので、パーティッションの
占有面積が広がる、重くなる等の課題があった。また、
上記公知例ではいずれも複雑な形状をしており、部品点
数が多い、または製造工程が多い等のため、コスト高に
なる傾向があった。さらに、部品点数が多いことから随
所で熱抵抗が存在し、パネルの吸熱面から放熱面までの
熱損失が大きく、システムのエネルギー効率が悪い。上
記公知例では熱損失について十分考慮されていない。一
方、上記特開平9−42801号公報に記載冷却パネル
は、断熱材を介在させることにより熱電素子同士の間で
起こる熱の流れに起因する熱損失や放熱側から吸熱側へ
の輻射による熱損失を低減でき、システム効率を向上で
きる。しかし、例えば、断熱材を用いて熱の逆流を10
%以内に抑えるためには、20〜50mm程度の厚みの
断熱材が必要になる。そのため、熱電素子の長さもそれ
と同じ程度必要になる。したがって、通常市販されてい
る1〜2mm程度の熱電素子でパネルを構築しようとす
る場合、断熱材の厚みを十分にとることができず、断熱
材の持つ本来の特徴を十分に発揮させることは難しい。
本発明の目的は、熱電素子を用いた空調、保冷・保温シ
ステムで、軽量かつコンパクト、コスト的に有利であ
り、エネルギー効率的に優れる熱電冷却装置及びそれを
用いた構造物を提供することにある。本発明の他の目的
は、熱電冷却装置を用いて簡単に作成することができる
構造物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する第
1の発明は、熱伝導性を有する板材の表面に電気絶縁層
を介して形成した第1の電極を有する配線基板と該配線
基板に配置した複数個の熱電素子と該熱電素子を電気的
に接続する第2の電極とこれらに対向する板材とを構成
要素とし、熱電素子の高さ方向の寸法より長い支柱材を
板材と熱電素子との間に少なくとも1つ以上設け、かつ
板材と配線基板に挟まれた空間に、断熱材を設けること
である。上記の目的を達成する第2の発明は、前記熱電
冷却装置に於いて、板材と配線基板に挟まれた空間に、
真空領域を設けることである。上記の目的を達成する第
3の発明は、前記熱電冷却装置に於いて、板材と配線基
板に挟まれた空間に、気体吸着性ゲッター剤を充填し、
熱電冷却装置を金属−熱溶着性プラスチックラミネート
フィルム材で被覆することである。上記の目的を達成す
る第4の発明は、前記熱電冷却装置において、板材また
は配線基板と接触する熱電素子の断面積の総和が板材ま
たは配線基板の面積の1/500以下であるように、か
つ板材または配線基板の面積を100以下に分割した各
領域に、熱電素子を1つ以上配置することである。上記
の目的を達成する第5の発明は、前記熱電冷却装置に於
いて、配線基板に形成した第1電極の幅が板材と接触す
る熱電素子の断面の一辺の寸法より倍以上長いことを特
徴とする配線基板を用いることである。上記の目的を達
成する第6の発明は、前記熱電冷却装置に於いて、熱電
素子が接触する双方の面の接着材料の融点が異なるもの
を用いることである。上記の目的を達成する第7の発明
は、前記熱電冷却装置に於いて、板材と支柱材との間ま
たは第2電極と支柱材との間に電気絶縁層を設けること
である。上記の目的を達成する第8の発明は、前記熱電
冷却装置に於いて、支柱材と第2電極を一体化した、支
柱状電極を板材と熱電素子との間に少なくとも1つ以上
設けることである。上記の目的を達成する第9の発明
は、前記熱電冷却装置に於いて、少なくとも板材と接触
する支柱状電極の表面を電気絶縁層で被覆するか、また
は少なくとも支柱状電極と接触する板材の表面を電気絶
縁層で被覆することである。上記の目的を達成する第1
0の発明は、前記熱電冷却装置に於いて、熱電素子と接
触する支柱材の表面を電気絶縁層で被覆し、かつ熱電素
子側の電気絶縁層を介して第2電極を形成することであ
る。上記の目的を達成する第11の発明は、前記熱電冷
却装置に於いて、板材と支柱材とを一体化した凸型板材
の少なくとも熱電素子と接触する凸部の表面に電気絶縁
層を被覆し、電気絶縁層を介して第2電極を形成するこ
とである。上記の目的を達成する第12の発明は、前記
熱電冷却装置に於いて、板材と接触する面の支柱材また
は支柱状電極の断面積と熱電素子と接触する面の断面積
を異にすることである。上記の目的を達成する第13の
発明は、前記熱電冷却装置に於いて、板材面積と配線基
板の面積を異にすることである。上記の目的を達成する
第14の発明は、前記熱電冷却装置を少なくとも1つ以
上用いた構造物にある。本発明の熱電冷却装置によれ
ば、吸熱側の熱伝導性板と電極を通して熱電素子に吸い
上げられた熱は、放熱側の支柱材を通して板材に運ばれ
る。支柱材の断面積は熱電素子の熱流方向の断面積に比
べ大きく、また板材の表面積はこれらよりはるかに大き
いので、板材での熱流束が小さくなる。その結果、板材
がフィンとして働き、熱電素子によって板材へ運ばれた
熱は板材から自然放熱で外気へ放出される。また、熱電
素子の長さは通常1〜3mmであり、この素子を実装し
たパネルに断熱材を入れて熱の逆流を10%以内に抑え
ようとすると断熱材の厚みは20〜50mm程度必要で
ある。そのため、素子と断熱材との厚さにギャップが生
じる。支柱材はこのギャップを埋める役割も有する。こ
のようにパネル外壁が放熱板となるため、フィンが不要
で、占有スペースの小さな冷却・暖房手段を備えた構造
物を構築できる。また、本発明の熱電冷却装置によれ
ば、放熱フィンを必要としないため、軽量、コンパクト
でパネル厚を薄くすることができ、製造法も簡単化でき
る。さらに、熱電素子の実装密度を疎にしたため、使用
する素子の数を低減でき、コスト的に有利にすることが
できる。さらに、熱流束を小さくした装置や部品点数の
少ない装置を提供できるため、放熱側から受熱側への熱
の逆流や接触熱抵抗による熱損失を低減でき、熱電冷却
装置のエネルギー効率を向上できる。また、本発明の放
熱フィンの無い熱電冷却装置を複数枚用いることによ
り、冷蔵庫や保冷庫等の構造物の筺体を簡単に作成する
ことができる。
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施例を示
す。図1は本発明の第1実施例である。図1の(a)に
熱電冷却装置の外観図を、また(b)にその断面図を各
々示す。熱伝導性を有する板材1の表面に電気絶縁層10
を介して電極20を形成し、電極パターンを作成する。こ
の基板を配線基板30とする。熱伝導性を有する板材1の
材質はアルミニウム、銅、ステンレス、セラミクス等が
良い。電気絶縁層10の材質は例えば熱伝導性を有する板
材1が金属であれば、その材質の酸化物が挙げられる。
また、電気絶縁層の変わりに電気絶縁性を有する接着剤
でエポキシ系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、フッ
素系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、ゴム
系等を主成分とするものでも良い。なお、接着剤を使用
する場合は熱抵抗を小さくするためにアルミナ、シリ
カ、酸化亜鉛、窒化ほう素、中空状のガラス等の無機化
合物や銀、銅、アルミニウム等の金属を微細状にしたフ
ィラーを入れたものが良い。電極20の材質はアルミニウ
ムや銅等が挙げられる。熱電素子40は配線基板30の電極
20上に配置する。熱電素子40と電極20との接合には半田
や導電性接着剤を用いる。次に、電極50で熱電素子40を
電気的に接続する。接続に関しては、用途に応じて直列
接続または並列接続、またはその両方を組み合わせ、所
定の電圧−電流特性になるようにする。電極50の材質も
前述同様にアルミニウムや銅等であり、接合には半田や
導電性接着剤を用いる。電極50の上に1つの熱電素子の
高さ方向の寸法より長い支柱材80を配置する。支柱材80
の材質は金属や熱伝導性の良いセラミクスであり、接合
は前述と同様に半田や導電性接着剤を用いる。また、支
柱の形状は角柱や円柱等が挙げられる。次に、支柱材80
の上に板材60を配置する。板材の材質は金属やセラミク
ス等の熱伝導率の良いものである。ただし、材質が電気
伝導性を有する場合、後に示す実施例の様に電極の表面
または板材の表面を電気的に絶縁する。また、板材と電
極との接続に使用する接着剤の種類も接着する対象物の
材質により選定する。以上の構成物の板材60と配線基板
30との間に断熱材70を介在させ、熱電冷却装置とする。
断熱材70としては、ポリウレタンや発泡材等が良い。ま
た、真空断熱パック用コアー材に用いられる水発泡の連
続気泡硬質ウレタンフォームや圧縮連続気泡硬質ウレタ
ンフォーム等を用いても良い。断熱材の設置方法として
は図2のように、配線基板30、熱電素子40、電極50、支
柱材80から成る熱電冷却装置の骨組みに被せるように断
熱材71を配置し、その上に板材60をのせてパッケージン
グを行う方法やバッケージング後にその筺体内部に断熱
材を流し込む方法等が挙げられる。断熱材を介在させる
本構成にすると、熱電素子同士の間で起こる熱流の流れ
(熱損失)や放熱側から吸熱側への輻射による損失を低
減できるため、吸熱面から放熱面へ向かう熱流が増え、
システム効率を向上させることができる。また、外部か
ら力が加わった場合に破損する恐れのある熱電素子を保
護し、衝撃をやわらげる効果がある。従来の熱電冷却装
置に放熱フィンや放熱ファンが必要であったのは、放熱
部の熱流束が大きく効率良く放熱できないためである。
フィンがないと素子のジュール発熱、熱側から受熱側へ
熱伝導によって逆流する熱流が増加し、吸熱量が低下す
るため、性能が悪化する。フィンを用いずに放熱するに
は、無理なく放熱できるように熱流束を下げる必要があ
る。本発明の熱電冷却装置によれば、吸熱側の熱伝導性
板と電極を通して熱電素子に吸い上げられた熱は、放熱
側の支柱材を通して板材に運ばれる。支柱材の断面積は
熱電素子の熱流方向の断面積に比べ大きく、また板材の
表面積はこれらよりはるかに大きいので、板材での熱流
束が小さくなる。その結果、板材がフィンとして働き、
熱電素子によって板材へ運ばれた熱は板材から自然放熱
で外気へ放出される。また、熱電素子の長さは通常1〜
3mmであり、この素子を実装したパネルに断熱材を入
れて熱の逆流を10%以内に抑えようとすると断熱材の
厚みは20〜50mm程度必要である。そのため、素子
と断熱材との厚さにギャップが生じる。支柱材はこのギ
ャップを埋める役割も有する。このようにパネル外壁が
放熱板となるため、フィンが不要で、占有スペースの小
さな冷却・暖房手段が構築できる。図3は本発明の第2
実施例である。これは熱電冷却装置の板材60と配線基板
30の間に真空領域67を設けたものである。この例は熱電
冷却装置の骨組みを袋状容器99に入れ、袋内を真空引き
し、真空引き出し口を熱溶着させてパッケージンク化し
た例である。真空領域を設けることにより、前述の断熱
材を介在させたものと同様に、熱電素子同士で起こる熱
流の流れや放熱側から吸熱側への輻射による損失を低減
できるため、吸熱面から放熱面へ向かう熱流が増え、シ
ステム効率を向上させることができる。図4は本発明の
第3実施例である。これは板材60と配線基板30に挟まれ
た空間に、気体吸着性ゲッター剤65を充填し、その熱電
冷却装置を金属−熱溶着性プラスチックラミネートフィ
ルム材55で被覆したものである。気体吸着性ゲッター剤
は活性炭、合成ゼオライト、酸化カルシウム、酸素吸収
剤、エチレン吸収剤等が挙げられる。金属−熱溶着性プ
ラスチックラミネートフィルム材は金属面は熱伝導率の
良いアルミニウムやステンレス等の金属薄膜であり、フ
ィルム面は高密度のポリエチレン、ポリアクリロニトリ
ル、ポリビニールアルコール、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリプロピレンや低密度のポリエチレン、ポリア
ミド等の単一または複数枚組み合わせたものである。こ
の構造をとると、前述同様に外部から力が加わった場合
に破損する恐れのある熱電素子を保護し、衝撃をやわら
げる効果がある。次に、本発明の第4実施例としての熱
電素子の配置例を、図5に示す。従来の熱電冷却装置
は、図20(a)のように吸熱または放熱板となる板材
に素子を密に敷き詰めていた。そのため、フィンを用い
なければ放熱面の温度が上がり、放熱側から受熱側へ熱
伝導によって逆流する熱流が増加するので冷却効率(C
OP)が悪化する。フィンを用いずに自然放熱するため
には、先と同様に熱流束を低減する必要がある。本発明
では、素子の実装密度を疎にし、かつ板材を放熱板とし
て用いることにより、放熱板より放出されるエネルギー
密度を下げている。ここで、分散配置について説明す
る。ある面積の冷却面または放熱面45の上に熱電素子40
を配置する場合、例えば図24や図5に示すものが考え
られる。図24は従来例により素子を密に実装したもの
であり、図5は本発明に基づき疎に実装した例である。
図5はさらに、素子単位での分散(a)、素子群単位で
の分散(b)等がある。また、これ以外にも秩序良く素
子を並べたもの、無秩序に並べたもの等が考えられる。
これらの配列はすべて熱流束を低減する効果があるが、
素子を電気的に接続することを考慮すると配線の引き回
しが簡単なこと、無駄な電極材を使用せずコストが安い
こと等から秩序良く並べた方が良い。以下、図6、図7
により分散配置の効果を説明する。図6は冷却板または
放熱板となる板材に占める素子総断面積の割合と吸熱量
の関係を示したものである。図より、吸熱量は冷却板ま
たは放熱板となる板材に占める素子総断面積の割合が5
×10-4(2000分の1)から1×10-3(1000分の
1)位までは急激に増加し、およそ1.67×10-3(600
分の1)近傍で最大になる。さらに1.67×10-3から先で
は吸熱量は徐々に減少する。図中の接触部熱抵抗は冷却
面から放熱面に熱流が通過する際に、電気絶縁層、電
極、接着層(半田や接着剤等)等で生じる熱抵抗の総和
である。接触部熱抵抗の値が大きくなると吸熱量のピー
クは平坦になること、コストの観点から使用する素子の
量は極力少ない方がよいこと等から吸熱量は冷却板また
は放熱板となる板材に占める素子総断面積の割合は50
0分の1以下、特に、1000分の1から500分の1
の範囲で熱電冷却装置を作るのが良い。図7(a)、
(b)は300mm×300mm×0.5mmの板材に、長さ
2mm、素子の総断面積を1.5cm2(冷却板または放熱
板となる板材に占める素子総断面積の割合:600分の
1)とした熱電素子を分散配置し、電力を投入したとき
の素子分割数と吸熱量の関係を示したものである。尚、
図7(a)は投入電力2W時の、図7(b)は投入電力
10W時のものである。ここで、素子分割数とは例え
ば、素子分割数100というのは、1個の熱電素子の断
面積を総断面積の100分の1とし、それらを冷却板ま
たは放熱板となる板材の面積を100分割した各領域に
配置するということを表す(素子単位)。なお、素子群
単位では総断面積を100分の1にした面積に相当する
素子の個数は2個以上でも良い。図7(a)、(b)よ
り、素子分割数を上げていくに従い吸熱量は増加し、こ
の結果から熱電素子を一箇所に集中配置するよりも分散
配置する方が性能的に有利であることが分かる。また、
素子分割数は100分割までにほぼ吸熱量が飽和する傾
向にあることが分かる。図7(a)、(b)に示すよう
に、この飽和領域は、投入電力により変動するが、基板
に実装する熱電素子の総断面積が受熱面または放熱面と
なる板材の面積に対して20%までの場合は投入電力に
よらず100分割までに現れる。この吸熱量が飽和し、
低下しないということは逆流する熱流の影響が小さいと
いうことである。素子分割数は熱電冷却装置の製作のし
易さや、素子の使用量、パネル重量等を考慮すると少な
い方が良い。空調あるいは冷蔵用の熱電素子としては一
般にビスマスーテルル系の材料が用いられる。この材料
は高価であり、コストを低減するためには素子の使用量
を減らすことが効果的である。本発明によれば、素子ま
たは素子群を分散配置化することにより、図5のように
ベースとなる基板の面積に比べ、熱電素子の総和面積は
非常に小さくなる。つまり、素子の使用量が減るので、
低コスト化を実現できる。また、図5の配置の素子を電
気的に接続するための配線パターンは図8に示す熱伝導
性を有する板材1の表面に電気絶縁層10を介して電極20
を形成した配線基板30を用いる。図8(a,b)(素子
単位)、図8(c,d)(素子群単位)の配線基板はと
もに吸熱または放熱板となるどちらか一方側の板材に設
ければ良く、製造工程を簡単化できるため、熱電冷却装
置のコストを低減することができる。図9、図10に配
線基板の作成例を示す。図9(a)は熱伝導性を有する
板材1に電気絶縁層10を介して電極20となる金属板85を
張り付けた板をベースに金属板85にマスキング処理を施
し、エッチングにより電極パターンを形成する例であ
る。エッチングは図のように電極となる金属板85のみま
たは電気絶縁層10まで行う。この場合の電気絶縁層10は
電気絶縁性の良好な接着剤である。なお、接着剤の熱伝
導率は大きいものが良い。この作成方法は電極となる金
属小片を張り付ける必要がないため、配線基板の製造工
程を簡単化できる。図9(b)は熱伝導性を有する板材
1をベースとして配線基板を作成する方法である。左図
は熱伝導性を有する板材1の表面に電気絶縁層11を形成
し、その上に金属20を堆積させ、電極パターンを形成す
るものである。アルマイト処理のように電気絶縁層11に
金属の酸化物を使用する場合、金属の堆積方法としては
蒸着、スパッタリング、スクリーン印刷、鍍金等が挙げ
られる。また、電気絶縁層11に電気絶縁性の接着剤を用
いる場合は粘着性のあるシート状のものが良く、その上
から金属小片を張り付ける。この場合の接着剤としては
熱伝導性の良好なものが良い。右図は前述の粘着シート
を電極20にくっつけ、これを金属板表面に張り付けたも
のである。この作成方法は図9(a)に示した電極作成
をエッチングにより行う方法に比べ、電極を無駄に廃材
とすることがないので、原料コストを低減することがで
きる。熱電素子を実装するこれらの配線基板の電極パタ
ーンは電気的には非連続である。電極形成に鍍金を使用
する場合、無電解鍍金(化学鍍金)は電気的に非連続な
配線パターンを作成できるが、電気鍍金では製作が難し
い。しかし例えば、図10(a)のように電気的に連続
な電極21を電気鍍金で作成し、レーザ切断機75を用いて
後から切り離すことは可能である。この図はレーザ切断
機75を用いた加工例であるが、放電加工や機械加工等を
用いても良い。なお、電極一体型基板に熱電素子を接着
した後で電極を加工しても良い。また、切離し易くする
ため、図10(b)の様に継手部76を設けても良い。次
に、本発明の第5実施例を図11に示す。素子を冷却面
または放熱面に敷き詰めたものでは1個当たりの電極面
積が小さくなるため、板材との接触面積が小さくなる傾
向がある。一般に、板材との接触面積が小さい場合、電
極と電気絶縁層とで剥離する可能性が高くなる。図11
に示す本発明の配線基板31では熱電素子40の実装密度が
小さいため素子と素子との間隔が広く、同じ容積で電極
51の幅を広くでき、接触面積を大きくすることができ
る。この電極51は一種の熱伝導板の役目をするため、電
極の接触面積が大きいと受熱面または放熱面の表面温度
を均一にすることができる。また、電極の幅を広くする
ことにより、電極の断面積も大きくなるので電流を流す
ことにより電極で生じるジュール発熱の影響を低減する
ことができる。次に、本発明の第6実施例について説明
する。パネル状の熱電冷却装置を作成する場合、1つの
ヒータを用いて、板材に熱電素子を接着した後、板をひ
っくり返して他のもう1枚の板材の上に配置し、同様に
接着して作成するか、ヒータを2つ用いてサンドイッチ
状にして作成する。これらの方法は製造設備や製造工程
が大規模になりがちである。本発明は図1において熱電
素子40と電極20との間、熱電素子40と電極50との間に使
用する接着剤の融点を異なるものにしたものである。接
着剤としては、半田材や導電性接着剤等である。冷却用
に用いられる熱電素子の接続に使われる半田材の融点は
高くても150〜170℃程度の低温半田で十分なの
で、ヒーターを150〜200℃程度にしておけば、伝
熱過程での温度低下の影響を考慮しなくても十分半田を
溶解することができる。この方法を用いると、接着剤を
溶かすためのヒータは高融点の接着剤を使用する側に1
つあればよく、低融点の接着剤側は高融点の接着剤から
熱電素子を経て伝ってきた熱により溶かすことができ、
製造設備や製造工程を簡単化できる。次に、本発明の第
7実施例を図12に示す。一般に、効率良く熱を吸熱及
び放熱するために、板材や支柱材の材質には熱伝導率の
大きい金属を用いることが多い。電極も金属であるた
め、これらの材質で熱電冷却装置を組み立てるには板材
と電極との間を電気的に絶縁する必要がある。本発明
は、板材と支柱材との間または電極と支柱材との間に電
気絶縁層を介在させたものである。図12に示すよう
に、電気絶縁層は少なくとも板材60と支柱材80が接触す
る板材60側の表面か(a)、または支柱材80側の表面に
形成するか(b)、電極50と支柱材80が接触する電極50
側の表面か(c)、または支柱材80側の表面(c)に形
成する。なお、板材と支柱材との間に電気絶縁性の接着
剤を挿入しても良い。図13、図14に本発明の第8実
施例を示す。図13の(a)に熱電冷却装置の外観図
を、また、図13の(b)にその断面図を、図14に支
柱状電極の形状を示す斜視図を、各々示す。これは、支
柱材と電極を一体化した支柱状電極90を板材60と熱電素
子40との間に少なくとも1つ以上設けたものである。支
柱状電極90の形状は図14に示すように柱状91(a)や
円筒状92等(b)が挙げられる。材質は電気伝導性の良
い金属やセラミクスが良い。この構造をとると、部品点
数が減るので、パネルの吸熱面から放熱面までの接触箇
所を少なくできる。そのため、接触熱抵抗による熱損失
を低減できるので、システムのエネルギー効率が改善さ
れる。図15は本発明の第9実施例である。電極を兼ね
る支柱状電極は電気伝導性を有する。そのため、板材の
材質が電気伝導性の良いものであれば、先に示した第7
実施例と同様に板材と支柱状電極との間を電気的に絶縁
する必要がある。図15の(a)は少なくとも板材60に
接触する支柱状電極90の表面を電気絶縁層12で被覆した
ものである。電気絶縁層12は支柱状電極90の材質の酸化
物や熱伝導率の大きい接着剤または粘着性シート等が挙
げられる。また、電気絶縁層の被覆は熱電素子40と接触
する部分以外であれば、すべての表面について行っても
良い。次に、図15(b)は支柱状電極90と接触する板
材60の表面を電気絶縁層13で被覆したものである。電気
絶縁層13は板材60の材質の酸化物や熱伝導率の大きい接
着剤または粘着性シート等である。また、電気絶縁層の
被覆は板面の全面に行っても良い。なお、板材と支柱状
電極との間に電気絶縁性の接着剤を挿入しても良い。図
16は本発明の第10実施例である。これは図16
(a)に示すように、熱電素子40に接触する面側の支柱
材80の表面を電気絶縁層12で被覆し、その電気絶縁層12
の表面に電極50を形成したものと配線基板30とを用いた
ものである。電気絶縁層12は前述同様、支柱材80の材質
の酸化物や熱伝導率の大きい接着剤または粘着性シート
等である。尚、電気絶縁層の被覆は支柱のすべての表面
について行っても良い。また、板材60に電気絶縁被覆を
行っても良い。2つの熱電素子(例えば、P型とN型素
子)をつなぐ電極は、1つの支柱材に対して1つ以上あ
れば良い。図16(b)は支柱材80に電極50を2つ設け
た例である。この構造にすると、支柱材の数量を低減す
ることができ、部品点数が減る。そのため、接触熱抵抗
が減るので、システム効率を向上できる。図17は本発
明の第11実施例である。これは板材と支柱材とを一体
化した凸部板材77を用いたものである。なお、電気絶縁
被覆は熱電素子40をつなぐ電極50の表面、または電極50
と接触する凸部板材77の表面、または凸部板材77の全面
に行っても良い。また、上記の電気絶縁を施した後に、
凸部板材77の凸部に電極50を形成しても良い。さらに、
先に示したように、凸部板材77の凸部の表面には電極50
を複数設けても良い。電極50と熱電素子40との接続は半
田または導電性接着剤を用いる。この構造にすると、前
述と同様に部品点数が減り、板材と支柱状電極との間の
接触抵抗を省ける。そのため、接触熱抵抗が減るので、
システム効率を向上できる。図18は本発明の第12実
施例である。これは、板材60と接触する側の支柱状電極
93の断面積を熱電素子40と接触する側の断面積より大き
くしたものである。断面の形状は円状や四角状等であ
る。この構造にすると例えば、配線基板側を冷却面とす
ると、冷却面から熱電素子を経て放熱面に流れる放出エ
ネルギーは支柱状電極の部分で密度を小さくすることが
できる。そのため、放熱面での熱流束が低減するので、
自然放熱を効率良く行うことができる。図19は本発明
の第13実施例である。図19(a)に熱電冷却装置の
外観図を、図19(b)にその断面図を各々示す。これ
は板材60の面積と配線基板30の面積の大きさを異にした
ものである。図中では台形状のパネル状熱電冷却装置の
例を示してある。製作法としては配線基板30と熱電素子
40と支柱材または支柱状電極90からなる骨組みにプレス
加工を施し台形状に成形した板材60を被せる方法が挙げ
られる。この構成をとると、放熱面の面積を受熱面の面
積より大きくできる。そのため、放熱面での熱流束を低
減でき、効率良く放熱することができる。さらに、板材
と配線基板の側面の角度を20〜45度とし、台形状の
パネル状熱電冷却装置を作成すれば、複数枚用いて容易
に筺体を組み立てることができる。次に、本発明の第1
4実施例を示す。これは前述までに示した熱電冷却装置
を少なくとも1つ以上用いて構造物を組んだものであ
る。図20(a)は平行板状のパネル状熱電冷却装置52
を6枚用いて筺体とした例である。また、図20(b)
は先に示した台形状のパネル状熱電冷却装置53を6枚用
いて筺体とした例である。台形のなす角が45度である
とパネル状熱電冷却装置の側面同士が接触し合い、ガイ
ドや補助器具等を用いずに容易に筺体を組み立てること
ができる。パネル状熱電冷却装置だけの強度では外力に
対して不安な場合は、台形のなす角度を20〜45度程
度にし、その間に図21に示すような補強材86〜88を挿
入しても良い。このように、本発明の熱電冷却装置は放
熱フィンが存在しないため、外観がシンプルであり、使
用する熱電素子の数も少ない。また、本発明の熱電冷却
装置を複数枚用いることにより、冷蔵庫や保冷庫等の構
造物の筺体を簡単に作成することができる。
【発明の効果】本発明の熱電冷却装置によれば、フィン
を必要としないため、軽量、コンパクトでパネル厚を薄
くすることができ、製造法も簡単化できる。また、熱電
素子の実装密度を疎にしたため、使用する素子の数を低
減でき、コスト的に有利にすることができる。さらに、
熱流束を小さくした装置や部品点数の少ない装置を提供
できるため、放熱側から受熱側への熱の逆流や接触熱抵
抗による熱損失を低減でき、熱電冷却装置のエネルギー
効率を向上できる。また、本発明の熱電冷却装置を複数
枚用いることにより、冷蔵庫や保冷庫等の構造物の筺体
を簡単に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す熱電冷却装置の外観
図及び縦断面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す熱電冷却装置の断熱
材の設置例である。
【図3】本発明の第2実施例を示す熱電冷却装置の外観
図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す熱電冷却装置の断面
図である。
【図5】本発明の第4実施例を示す熱電素子の配置例で
ある。
【図6】冷却面または放熱面となる板材に占める熱電素
子総断面積の割合と吸熱量の関係を示す解析結果であ
る。
【図7】熱電素子の分散化による効果を示す解析結果で
ある。
【図8】本発明の熱電冷却装置の配線基板の一例であ
る。
【図9】本発明の熱電冷却装置の配線基板の一例であ
る。
【図10】本発明の熱電冷却装置の配線基板の作製例を
示す図である。
【図11】本発明の第5実施例を示す配線パターンの一
例である。
【図12】本発明の第7実施例を示す熱電冷却装置の断
面図である。
【図13】本発明の第8実施例を示す熱電冷却装置の外
観図及び縦断面図である。
【図14】本発明の第8実施例の支柱状電極の外観図で
ある。
【図15】本発明の第9実施例を示す熱電冷却装置の断
面図である。
【図16】本発明の第10実施例を示す熱電冷却装置の
断面図及び外観図である。
【図17】本発明の第11実施例を示す熱電冷却装置の
断面図である。
【図18】本発明の第12実施例を示す熱電冷却装置の
断面図である。
【図19】本発明の第13実施例を示す熱電冷却装置の
外観図及び断面図である。
【図20】本発明の第14実施例を示す熱電冷却装置の
外観図である。
【図21】第14実施例の要部説明図である。
【図22】従来の熱電冷却装置の外観図である。
【図23】従来の熱電冷却装置の縦断面図である。
【図24】従来の熱電素子の配置例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・・・・熱伝導板、 10〜16・・・・・・電気絶縁層、 20、2
1、50、51・・・・・・電極、 30〜32、・・・・・・配線基板、 4
0・・・・・・熱電素子、 45・・・・・・冷却面または放熱面、52
〜54・・・・・・パネル状熱電冷却装置、 55・・・・・・金属−熱
溶着性プラスチックラミネートフィルム、 60〜62・・・・
・・板材、 65・・・・・・気体吸着性ゲッター剤、 67 ・・・・・
・真空領域、 70、71・・・・・・断熱材、 74・・・・・・放熱フ
ィン、 75・・・・・・レーザ切断機、 76・・・・・・継手部、
77・・・・・・凸部板材、 80・・・・・・支柱材、 85・・・・・・金属
板、 86〜88・・・・・・補強材、 90〜93・・・・・・支柱状電
極、99・・・・・・袋状容器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 熱電冷却装置及びそれを用いた構造物
【特許請求の範囲】
【0001】
【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は熱エネルギーと電気
エネルギーとを相互に変換可能な熱電素子を用いた熱電
冷却装置及びそれを用いた構造物に係り、特に、パネル
状の空調システム、保冷・保温システムに用いるのに適
した熱電冷却装置の構造とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱電冷却装置の従来技術としては、例え
ば、特開昭64−63730号公報に記載の空調機器が
知られている。これはパーティションの一部に熱電素子
モジュールを埋め込み、素子が吸い込んだ熱をフィンに
よって放熱するものである。また、別の公知技術とし
て、特開昭63−73037号公報に記載のものが知ら
れている。これも、パーティションの一部に熱電素子モ
ジュールを組み込み、素子が吸い込んだ熱を多数の針状
フィンを通して放熱するものである。また、断熱材を構
成要素とした冷却パネルとして、特開平9−42801
号公報に記載のものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭64−63
730号公報や特開昭63−73037号公報に記載の
空調機器では、図22のように板材62の上に電気絶縁層
15を介して電極21を設置し、その上に熱電素子40を密集
させて実装する。熱電素子40を密集させて実装するた
め、放熱部の熱流束が大きく、パネル表面から自然放熱
できないので、図23のように放熱板となる板材62の上
に放熱フィン74を設ける必要があった。このフィンはか
なりのスペースを必要とするので、パーティッションの
占有面積が広がる、重くなる等の課題があった。また、
上記公知例ではいずれも複雑な形状をしており、部品点
数が多い、または製造工程が多い等のため、コスト高に
なる傾向があった。さらに、部品点数が多いことから随
所で熱抵抗が存在し、パネルの吸熱面から放熱面までの
熱損失が大きく、システムのエネルギー効率が悪い。上
記公知例では熱損失について十分考慮されていない。
【0004】 一方、上記特開平9−42801号公報に
記載冷却パネルは、断熱材を介在させることにより熱電
素子同士の間で起こる熱の流れに起因する熱損失や放熱
側から吸熱側への輻射による熱損失を低減でき、システ
ム効率を向上できる。しかし、例えば、断熱材を用いて
熱の逆流を10%以内に抑えるためには、20〜50m
m程度の厚みの断熱材が必要になる。そのため、熱電素
子の長さもそれと同じ程度必要になる。したがって、通
常市販されている1〜2mm程度の熱電素子でパネルを
構築しようとする場合、断熱材の厚みを十分にとること
ができず、断熱材の持つ本来の特徴を十分に発揮させる
ことは難しい。
【0005】 本発明の目的は、熱電素子を用いた空調、
保冷・保温システムで、軽量かつコンパクト、コスト的
に有利であり、エネルギー効率的に優れる熱電冷却装置
及びそれを用いた構造物を提供することにある。
【0006】 本発明の他の目的は、熱電冷却装置を用い
て簡単に作成することができる構造物を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する第
1の発明は、熱伝導性を有する板材の表面に電気絶縁層
を介して形成した第1の電極を有する配線基板と該配線
基板に配置した複数個の熱電素子と該熱電素子を電気的
に接続する第2の電極とこれらに対向する板材とを構成
要素とし、熱電素子の高さ方向の寸法より長い支柱材を
板材と熱電素子との間に少なくとも1つ以上設け、かつ
板材と配線基板に挟まれた空間に、断熱材を設けること
である。
【0008】 上記の目的を達成する第2の発明は、前記
熱電冷却装置に於いて、板材と配線基板に挟まれた空間
に、真空領域を設けることである。
【0009】 上記の目的を達成する第3の発明は、前記
熱電冷却装置に於いて、板材と配線基板に挟まれた空間
に、気体吸着性ゲッター剤を充填し、熱電冷却装置を金
属−熱溶着性プラスチックラミネートフィルム材で被覆
することである。
【0010】 上記の目的を達成する第4の発明は、前記
熱電冷却装置において、板材または配線基板と接触する
熱電素子の断面積の総和が板材または配線基板の面積の
1/500以下であるように、かつ板材または配線基板
の面積を100以下に分割した各領域に、熱電素子を1
つ以上配置することである。
【0011】 上記の目的を達成する第5の発明は、前記
熱電冷却装置に於いて、配線基板に形成した第1電極の
幅が板材と接触する熱電素子の断面の一辺の寸法より倍
以上長いことを特徴とする配線基板を用いることであ
る。
【0012】 上記の目的を達成する第6の発明は、前記
熱電冷却装置に於いて、熱電素子が接触する双方の面の
接着材料の融点が異なるものを用いることである。
【0013】 上記の目的を達成する第7の発明は、前記
熱電冷却装置に於いて、板材と支柱材との間または第2
電極と支柱材との間に電気絶縁層を設けることである。
【0014】 上記の目的を達成する第8の発明は、前記
熱電冷却装置に於いて、支柱材と第2電極を一体化し
た、支柱状電極を板材と熱電素子との間に少なくとも1
つ以上設けることである。
【0015】 上記の目的を達成する第9の発明は、前記
熱電冷却装置に於いて、少なくとも板材と接触する支柱
状電極の表面を電気絶縁層で被覆するか、または少なく
とも支柱状電極と接触する板材の表面を電気絶縁層で被
覆することである。
【0016】 上記の目的を達成する第10の発明は、前
記熱電冷却装置に於いて、熱電素子と接触する支柱材の
表面を電気絶縁層で被覆し、かつ熱電素子側の電気絶縁
層を介して第2電極を形成することである。
【0017】 上記の目的を達成する第11の発明は、前
記熱電冷却装置に於いて、板材と支柱材とを一体化した
凸型板材の少なくとも熱電素子と接触する凸部の表面に
電気絶縁層を被覆し、電気絶縁層を介して第2電極を形
成することである。
【0018】 上記の目的を達成する第12の発明は、前
記熱電冷却装置に於いて、板材と接触する面の支柱材ま
たは支柱状電極の断面積と熱電素子と接触する面の断面
積を異にすることである。
【0019】 上記の目的を達成する第13の発明は、前
記熱電冷却装置に於いて、板材面積と配線基板の面積を
異にすることである。
【0020】 上記の目的を達成する第14の発明は、前
記熱電冷却装置を少なくとも1つ以上用いた構造物にあ
る。
【0021】 本発明の熱電冷却装置によれば、吸熱側の
熱伝導性板と電極を通して熱電素子に吸い上げられた熱
は、放熱側の支柱材を通して板材に運ばれる。支柱材の
断面積は熱電素子の熱流方向の断面積に比べ大きく、ま
た板材の表面積はこれらよりはるかに大きいので、板材
での熱流束が小さくなる。その結果、板材がフィンとし
て働き、熱電素子によって板材へ運ばれた熱は板材から
自然放熱で外気へ放出される。また、熱電素子の長さは
通常1〜3mmであり、この素子を実装したパネルに断
熱材を入れて熱の逆流を10%以内に抑えようとすると
断熱材の厚みは20〜50mm程度必要である。そのた
め、素子と断熱材との厚さにギャップが生じる。支柱材
はこのギャップを埋める役割も有する。このようにパネ
ル外壁が放熱板となるため、フィンが不要で、占有スペ
ースの小さな冷却・暖房手段を備えた構造物を構築でき
る。
【0022】 また、本発明の熱電冷却装置によれば、放
熱フィンを必要としないため、軽量、コンパクトでパネ
ル厚を薄くすることができ、製造法も簡単化できる。さ
らに、熱電素子の実装密度を疎にしたため、使用する素
子の数を低減でき、コスト的に有利にすることができ
る。さらに、熱流束を小さくした装置や部品点数の少な
い装置を提供できるため、放熱側から受熱側への熱の逆
流や接触熱抵抗による熱損失を低減でき、熱電冷却装置
のエネルギー効率を向上できる。
【0023】 また、本発明の放熱フィンの無い熱電冷却
装置を複数枚用いることにより、冷蔵庫や保冷庫等の構
造物の筺体を簡単に作成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施例を示
す。図1は本発明の第1実施例である。図1の(a)に
熱電冷却装置の外観図を、また(b)にその断面図を各
々示す。
【0025】 熱伝導性を有する板材1の表面に電気絶縁
層10を介して電極20を形成し、電極パターンを作成す
る。この基板を配線基板30とする。熱伝導性を有する板
材1の材質はアルミニウム、銅、ステンレス、セラミク
ス等が良い。電気絶縁層10の材質は例えば熱伝導性を有
する板材1が金属であれば、その材質の酸化物が挙げら
れる。また、電気絶縁層の変わりに電気絶縁性を有する
接着剤でエポキシ系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹
脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹
脂、ゴム系等を主成分とするものでも良い。なお、接着
剤を使用する場合は熱抵抗を小さくするためにアルミ
ナ、シリカ、酸化亜鉛、窒化ほう素、中空状のガラス等
の無機化合物や銀、銅、アルミニウム等の金属を微細状
にしたフィラーを入れたものが良い。電極20の材質はア
ルミニウムや銅等が挙げられる。
【0026】 熱電素子40は配線基板30の電極20上に配置
する。熱電素子40と電極20との接合には半田や導電性接
着剤を用いる。次に、電極50で熱電素子40を電気的に接
続する。接続に関しては、用途に応じて直列接続または
並列接続、またはその両方を組み合わせ、所定の電圧−
電流特性になるようにする。電極50の材質も前述同様に
アルミニウムや銅等であり、接合には半田や導電性接着
剤を用いる。電極50の上に1つの熱電素子の高さ方向の
寸法より長い支柱材80を配置する。支柱材80の材質は金
属や熱伝導性の良いセラミクスであり、接合は前述と同
様に半田や導電性接着剤を用いる。また、支柱の形状は
角柱や円柱等が挙げられる。次に、支柱材80の上に板材
60を配置する。板材の材質は金属やセラミクス等の熱伝
導率の良いものである。ただし、材質が電気伝導性を有
する場合、後に示す実施例の様に電極の表面または板材
の表面を電気的に絶縁する。また、板材と電極との接続
に使用する接着剤の種類も接着する対象物の材質により
選定する。
【0027】 以上の構成物の板材60と配線基板30との間
に断熱材70を介在させ、熱電冷却装置とする。断熱材70
としては、ポリウレタンや発泡材等が良い。また、真空
断熱パック用コアー材に用いられる水発泡の連続気泡硬
質ウレタンフォームや圧縮連続気泡硬質ウレタンフォー
ム等を用いても良い。
【0028】 断熱材の設置方法としては図2のように、
配線基板30、熱電素子40、電極50、支柱材80から成る熱
電冷却装置の骨組みに被せるように断熱材71を配置し、
その上に板材60をのせてパッケージングを行う方法やバ
ッケージング後にその筺体内部に断熱材を流し込む方法
等が挙げられる。断熱材を介在させる本構成にすると、
熱電素子同士の間で起こる熱流の流れ(熱損失)や放熱
側から吸熱側への輻射による損失を低減できるため、吸
熱面から放熱面へ向かう熱流が増え、システム効率を向
上させることができる。また、外部から力が加わった場
合に破損する恐れのある熱電素子を保護し、衝撃をやわ
らげる効果がある。
【0029】 従来の熱電冷却装置に放熱フィンや放熱フ
ァンが必要であったのは、放熱部の熱流束が大きく効率
良く放熱できないためである。フィンがないと素子のジ
ュール発熱、熱側から受熱側へ熱伝導によって逆流する
熱流が増加し、吸熱量が低下するため、性能が悪化す
る。フィンを用いずに放熱するには、無理なく放熱でき
るように熱流束を下げる必要がある。
【0030】 本発明の熱電冷却装置によれば、吸熱側の
熱伝導性板と電極を通して熱電素子に吸い上げられた熱
は、放熱側の支柱材を通して板材に運ばれる。支柱材の
断面積は熱電素子の熱流方向の断面積に比べ大きく、ま
た板材の表面積はこれらよりはるかに大きいので、板材
での熱流束が小さくなる。その結果、板材がフィンとし
て働き、熱電素子によって板材へ運ばれた熱は板材から
自然放熱で外気へ放出される。また、熱電素子の長さは
通常1〜3mmであり、この素子を実装したパネルに断
熱材を入れて熱の逆流を10%以内に抑えようとすると
断熱材の厚みは20〜50mm程度必要である。そのた
め、素子と断熱材との厚さにギャップが生じる。支柱材
はこのギャップを埋める役割も有する。このようにパネ
ル外壁が放熱板となるため、フィンが不要で、占有スペ
ースの小さな冷却・暖房手段が構築できる。
【0031】 図3は本発明の第2実施例である。これは
熱電冷却装置の板材60と配線基板30の間に真空領域67を
設けたものである。この例は熱電冷却装置の骨組みを袋
状容器99に入れ、袋内を真空引きし、真空引き出し口を
熱溶着させてパッケージンク化した例である。真空領域
を設けることにより、前述の断熱材を介在させたものと
同様に、熱電素子同士で起こる熱流の流れや放熱側から
吸熱側への輻射による損失を低減できるため、吸熱面か
ら放熱面へ向かう熱流が増え、システム効率を向上させ
ることができる。
【0032】 図4は本発明の第3実施例である。これは
板材60と配線基板30に挟まれた空間に、気体吸着性ゲッ
ター剤65を充填し、その熱電冷却装置を金属−熱溶着性
プラスチックラミネートフィルム材55で被覆したもので
ある。気体吸着性ゲッター剤は活性炭、合成ゼオライ
ト、酸化カルシウム、酸素吸収剤、エチレン吸収剤等が
挙げられる。金属−熱溶着性プラスチックラミネートフ
ィルム材は金属面は熱伝導率の良いアルミニウムやステ
ンレス等の金属薄膜であり、フィルム面は高密度のポリ
エチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニールアルコ
ール、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンや
低密度のポリエチレン、ポリアミド等の単一または複数
枚組み合わせたものである。この構造をとると、前述同
様に外部から力が加わった場合に破損する恐れのある熱
電素子を保護し、衝撃をやわらげる効果がある。
【0033】 次に、本発明の第4実施例としての熱電素
子の配置例を、図5に示す。
【0034】 従来の熱電冷却装置は、図20(a)のよ
うに吸熱または放熱板となる板材に素子を密に敷き詰め
ていた。そのため、フィンを用いなければ放熱面の温度
が上がり、放熱側から受熱側へ熱伝導によって逆流する
熱流が増加するので冷却効率(COP)が悪化する。フ
ィンを用いずに自然放熱するためには、先と同様に熱流
束を低減する必要がある。本発明では、素子の実装密度
を疎にし、かつ板材を放熱板として用いることにより、
放熱板より放出されるエネルギー密度を下げている。
【0035】 ここで、分散配置について説明する。ある
面積の冷却面または放熱面45の上に熱電素子40を配置す
る場合、例えば図24や図5に示すものが考えられる。
図24は従来例により素子を密に実装したものであり、
図5は本発明に基づき疎に実装した例である。図5はさ
らに、素子単位での分散(a)、素子群単位での分散
(b)等がある。また、これ以外にも秩序良く素子を並
べたもの、無秩序に並べたもの等が考えられる。これら
の配列はすべて熱流束を低減する効果があるが、素子を
電気的に接続することを考慮すると配線の引き回しが簡
単なこと、無駄な電極材を使用せずコストが安いこと等
から秩序良く並べた方が良い。
【0036】 以下、図6、図7により分散配置の効果を
説明する。
【0037】 図6は冷却板または放熱板となる板材に占
める素子総断面積の割合と吸熱量の関係を示したもので
ある。図より、吸熱量は冷却板または放熱板となる板材
に占める素子総断面積の割合が5×10-4(2000分の
1)から1×10-3(1000分の1)位までは急激に増
加し、およそ1.67×10-3(600分の1)近傍で最大に
なる。さらに1.67×10-3から先では吸熱量は徐々に減少
する。図中の接触部熱抵抗は冷却面から放熱面に熱流が
通過する際に、電気絶縁層、電極、接着層(半田や接着
剤等)等で生じる熱抵抗の総和である。接触部熱抵抗の
値が大きくなると吸熱量のピークは平坦になること、コ
ストの観点から使用する素子の量は極力少ない方がよい
こと等から吸熱量は冷却板または放熱板となる板材に占
める素子総断面積の割合は500分の1以下、特に、1
000分の1から500分の1の範囲で熱電冷却装置を
作るのが良い。
【0038】 図7(a)、(b)は300mm×300mm
×0.5mmの板材に、長さ2mm、素子の総断面積を1.
5cm2(冷却板または放熱板となる板材に占める素子総
断面積の割合:600分の1)とした熱電素子を分散配
置し、電力を投入したときの素子分割数と吸熱量の関係
を示したものである。尚、図7(a)は投入電力2W時
の、図7(b)は投入電力10W時のものである。ここ
で、素子分割数とは例えば、素子分割数100というの
は、1個の熱電素子の断面積を総断面積の100分の1
とし、それらを冷却板または放熱板となる板材の面積を
100分割した各領域に配置するということを表す(素
子単位)。なお、素子群単位では総断面積を100分の
1にした面積に相当する素子の個数は2個以上でも良
い。図7(a)、(b)より、素子分割数を上げていく
に従い吸熱量は増加し、この結果から熱電素子を一箇所
に集中配置するよりも分散配置する方が性能的に有利で
あることが分かる。また、素子分割数は100分割まで
にほぼ吸熱量が飽和する傾向にあることが分かる。図7
(a)、(b)に示すように、この飽和領域は、投入電
力により変動するが、基板に実装する熱電素子の総断面
積が受熱面または放熱面となる板材の面積に対して20
%までの場合は投入電力によらず100分割までに現れ
る。この吸熱量が飽和し、低下しないということは逆流
する熱流の影響が小さいということである。素子分割数
は熱電冷却装置の製作のし易さや、素子の使用量、パネ
ル重量等を考慮すると少ない方が良い。
【0039】 空調あるいは冷蔵用の熱電素子としては一
般にビスマスーテルル系の材料が用いられる。この材料
は高価であり、コストを低減するためには素子の使用量
を減らすことが効果的である。本発明によれば、素子ま
たは素子群を分散配置化することにより、図5のように
ベースとなる基板の面積に比べ、熱電素子の総和面積は
非常に小さくなる。つまり、素子の使用量が減るので、
低コスト化を実現できる。また、図5の配置の素子を電
気的に接続するための配線パターンは図8に示す熱伝導
性を有する板材1の表面に電気絶縁層10を介して電極20
を形成した配線基板30を用いる。図8(a,b)(素子
単位)、図8(c,d)(素子群単位)の配線基板はと
もに吸熱または放熱板となるどちらか一方側の板材に設
ければ良く、製造工程を簡単化できるため、熱電冷却装
置のコストを低減することができる。
【0040】 図9、図10に配線基板の作成例を示す。
図9(a)は熱伝導性を有する板材1に電気絶縁層10を
介して電極20となる金属板85を張り付けた板をベースに
金属板85にマスキング処理を施し、エッチングにより電
極パターンを形成する例である。エッチングは図のよう
に電極となる金属板85のみまたは電気絶縁層10まで行
う。この場合の電気絶縁層10は電気絶縁性の良好な接着
剤である。なお、接着剤の熱伝導率は大きいものが良
い。この作成方法は電極となる金属小片を張り付ける必
要がないため、配線基板の製造工程を簡単化できる。
【0041】 図9(b)は熱伝導性を有する板材1をベ
ースとして配線基板を作成する方法である。左図は熱伝
導性を有する板材1の表面に電気絶縁層11を形成し、そ
の上に金属20を堆積させ、電極パターンを形成するもの
である。アルマイト処理のように電気絶縁層11に金属の
酸化物を使用する場合、金属の堆積方法としては蒸着、
スパッタリング、スクリーン印刷、鍍金等が挙げられ
る。また、電気絶縁層11に電気絶縁性の接着剤を用いる
場合は粘着性のあるシート状のものが良く、その上から
金属小片を張り付ける。この場合の接着剤としては熱伝
導性の良好なものが良い。右図は前述の粘着シートを電
極20にくっつけ、これを金属板表面に張り付けたもので
ある。この作成方法は図9(a)に示した電極作成をエ
ッチングにより行う方法に比べ、電極を無駄に廃材とす
ることがないので、原料コストを低減することができ
る。
【0042】 熱電素子を実装するこれらの配線基板の電
極パターンは電気的には非連続である。電極形成に鍍金
を使用する場合、無電解鍍金(化学鍍金)は電気的に非
連続な配線パターンを作成できるが、電気鍍金では製作
が難しい。しかし例えば、図10(a)のように電気的
に連続な電極21を電気鍍金で作成し、レーザ切断機75を
用いて後から切り離すことは可能である。この図はレー
ザ切断機75を用いた加工例であるが、放電加工や機械加
工等を用いても良い。なお、電極一体型基板に熱電素子
を接着した後で電極を加工しても良い。また、切離し易
くするため、図10(b)の様に継手部76を設けても良
い。
【0043】 次に、本発明の第5実施例を図11に示
す。素子を冷却面または放熱面に敷き詰めたものでは1
個当たりの電極面積が小さくなるため、板材との接触面
積が小さくなる傾向がある。一般に、板材との接触面積
が小さい場合、電極と電気絶縁層とで剥離する可能性が
高くなる。図11に示す本発明の配線基板31では熱電素
子40の実装密度が小さいため素子と素子との間隔が広
く、同じ容積で電極51の幅を広くでき、接触面積を大き
くすることができる。この電極51は一種の熱伝導板の役
目をするため、電極の接触面積が大きいと受熱面または
放熱面の表面温度を均一にすることができる。また、電
極の幅を広くすることにより、電極の断面積も大きくな
るので電流を流すことにより電極で生じるジュール発熱
の影響を低減することができる。
【0044】 次に、本発明の第6実施例について説明す
る。パネル状の熱電冷却装置を作成する場合、1つのヒ
ータを用いて、板材に熱電素子を接着した後、板をひっ
くり返して他のもう1枚の板材の上に配置し、同様に接
着して作成するか、ヒータを2つ用いてサンドイッチ状
にして作成する。これらの方法は製造設備や製造工程が
大規模になりがちである。本発明は図1において熱電素
子40と電極20との間、熱電素子40と電極50との間に使用
する接着剤の融点を異なるものにしたものである。接着
剤としては、半田材や導電性接着剤等である。冷却用に
用いられる熱電素子の接続に使われる半田材の融点は高
くても150〜170℃程度の低温半田で十分なので、
ヒーターを150〜200℃程度にしておけば、伝熱過
程での温度低下の影響を考慮しなくても十分半田を溶解
することができる。この方法を用いると、接着剤を溶か
すためのヒータは高融点の接着剤を使用する側に1つあ
ればよく、低融点の接着剤側は高融点の接着剤から熱電
素子を経て伝ってきた熱により溶かすことができ、製造
設備や製造工程を簡単化できる。
【0045】 次に、本発明の第7実施例を図12に示
す。
【0046】 一般に、効率良く熱を吸熱及び放熱するた
めに、板材や支柱材の材質には熱伝導率の大きい金属を
用いることが多い。電極も金属であるため、これらの材
質で熱電冷却装置を組み立てるには板材と電極との間を
電気的に絶縁する必要がある。本発明は、板材と支柱材
との間または電極と支柱材との間に電気絶縁層を介在さ
せたものである。図12に示すように、電気絶縁層は少
なくとも板材60と支柱材80が接触する板材60側の表面か
(a)、または支柱材80側の表面に形成するか(b)、
電極50と支柱材80が接触する電極50側の表面か(c)、
または支柱材80側の表面(c)に形成する。なお、板材
と支柱材との間に電気絶縁性の接着剤を挿入しても良
い。
【0047】 図13、図14に本発明の第8実施例を示
す。図13の(a)に熱電冷却装置の外観図を、また、
図13の(b)にその断面図を、図14に支柱状電極の
形状を示す斜視図を、各々示す。これは、支柱材と電極
を一体化した支柱状電極90を板材60と熱電素子40との間
に少なくとも1つ以上設けたものである。支柱状電極90
の形状は図14に示すように柱状91(a)や円筒状92等
(b)が挙げられる。材質は電気伝導性の良い金属やセ
ラミクスが良い。この構造をとると、部品点数が減るの
で、パネルの吸熱面から放熱面までの接触箇所を少なく
できる。そのため、接触熱抵抗による熱損失を低減でき
るので、システムのエネルギー効率が改善される。
【0048】 図15は本発明の第9実施例である。電極
を兼ねる支柱状電極は電気伝導性を有する。そのため、
板材の材質が電気伝導性の良いものであれば、先に示し
た第7実施例と同様に板材と支柱状電極との間を電気的
に絶縁する必要がある。図15の(a)は少なくとも板
材60に接触する支柱状電極90の表面を電気絶縁層12で被
覆したものである。電気絶縁層12は支柱状電極90の材質
の酸化物や熱伝導率の大きい接着剤または粘着性シート
等が挙げられる。また、電気絶縁層の被覆は熱電素子40
と接触する部分以外であれば、すべての表面について行
っても良い。次に、図15(b)は支柱状電極90と接触
する板材60の表面を電気絶縁層13で被覆したものであ
る。電気絶縁層13は板材60の材質の酸化物や熱伝導率の
大きい接着剤または粘着性シート等である。また、電気
絶縁層の被覆は板面の全面に行っても良い。なお、板材
と支柱状電極との間に電気絶縁性の接着剤を挿入しても
良い。
【0049】 図16は本発明の第10実施例である。こ
れは図16(a)に示すように、熱電素子40に接触する
面側の支柱材80の表面を電気絶縁層12で被覆し、その電
気絶縁層12の表面に電極50を形成したものと配線基板30
とを用いたものである。電気絶縁層12は前述同様、支柱
材80の材質の酸化物や熱伝導率の大きい接着剤または粘
着性シート等である。尚、電気絶縁層の被覆は支柱のす
べての表面について行っても良い。また、板材60に電気
絶縁被覆を行っても良い。2つの熱電素子(例えば、P
型とN型素子)をつなぐ電極は、1つの支柱材に対して
1つ以上あれば良い。図16(b)は支柱材80に電極50
を2つ設けた例である。この構造にすると、支柱材の数
量を低減することができ、部品点数が減る。そのため、
接触熱抵抗が減るので、システム効率を向上できる。
【0050】 図17は本発明の第11実施例である。こ
れは板材と支柱材とを一体化した凸部板材77を用いたも
のである。なお、電気絶縁被覆は熱電素子40をつなぐ電
極50の表面、または電極50と接触する凸部板材77の表
面、または凸部板材77の全面に行っても良い。また、上
記の電気絶縁を施した後に、凸部板材77の凸部に電極50
を形成しても良い。さらに、先に示したように、凸部板
材77の凸部の表面には電極50を複数設けても良い。電極
50と熱電素子40との接続は半田または導電性接着剤を用
いる。この構造にすると、前述と同様に部品点数が減
り、板材と支柱状電極との間の接触抵抗を省ける。その
ため、接触熱抵抗が減るので、システム効率を向上でき
る。
【0051】 図18は本発明の第12実施例である。こ
れは、板材60と接触する側の支柱状電極93の断面積を熱
電素子40と接触する側の断面積より大きくしたものであ
る。断面の形状は円状や四角状等である。この構造にす
ると例えば、配線基板側を冷却面とすると、冷却面から
熱電素子を経て放熱面に流れる放出エネルギーは支柱状
電極の部分で密度を小さくすることができる。そのた
め、放熱面での熱流束が低減するので、自然放熱を効率
良く行うことができる。
【0052】 図19は本発明の第13実施例である。図
19(a)に熱電冷却装置の外観図を、図19(b)に
その断面図を各々示す。これは板材60の面積と配線基板
30の面積の大きさを異にしたものである。図中では台形
状のパネル状熱電冷却装置の例を示してある。製作法と
しては配線基板30と熱電素子40と支柱材または支柱状電
極90からなる骨組みにプレス加工を施し台形状に成形し
た板材60を被せる方法が挙げられる。この構成をとる
と、放熱面の面積を受熱面の面積より大きくできる。そ
のため、放熱面での熱流束を低減でき、効率良く放熱す
ることができる。さらに、板材と配線基板の側面の角度
を20〜45度とし、台形状のパネル状熱電冷却装置を
作成すれば、複数枚用いて容易に筺体を組み立てること
ができる。
【0053】 次に、本発明の第14実施例を示す。これ
は前述までに示した熱電冷却装置を少なくとも1つ以上
用いて構造物を組んだものである。図20(a)は平行
板状のパネル状熱電冷却装置52を6枚用いて筺体とした
例である。また、図20(b)は先に示した台形状のパ
ネル状熱電冷却装置53を6枚用いて筺体とした例であ
る。台形のなす角が45度であるとパネル状熱電冷却装
置の側面同士が接触し合い、ガイドや補助器具等を用い
ずに容易に筺体を組み立てることができる。パネル状熱
電冷却装置だけの強度では外力に対して不安な場合は、
台形のなす角度を20〜45度程度にし、その間に図2
1に示すような補強材86〜88を挿入しても良い。
【0054】 このように、本発明の熱電冷却装置は放熱
フィンが存在しないため、外観がシンプルであり、使用
する熱電素子の数も少ない。また、本発明の熱電冷却装
置を複数枚用いることにより、冷蔵庫や保冷庫等の構造
物の筺体を簡単に作成することができる。
【0055】
【発明の効果】本発明の熱電冷却装置によれば、フィン
を必要としないため、軽量、コンパクトでパネル厚を薄
くすることができ、製造法も簡単化できる。また、熱電
素子の実装密度を疎にしたため、使用する素子の数を低
減でき、コスト的に有利にすることができる。さらに、
熱流束を小さくした装置や部品点数の少ない装置を提供
できるため、放熱側から受熱側への熱の逆流や接触熱抵
抗による熱損失を低減でき、熱電冷却装置のエネルギー
効率を向上できる。
【0056】 また、本発明の熱電冷却装置を複数枚用い
ることにより、冷蔵庫や保冷庫等の構造物の筺体を簡単
に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す熱電冷却装置の外観
図及び縦断面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す熱電冷却装置の断熱
材の設置例である。
【図3】本発明の第2実施例を示す熱電冷却装置の外観
図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す熱電冷却装置の断面
図である。
【図5】本発明の第4実施例を示す熱電素子の配置例で
ある。
【図6】冷却面または放熱面となる板材に占める熱電素
子総断面積の割合と吸熱量の関係を示す解析結果であ
る。
【図7】熱電素子の分散化による効果を示す解析結果で
ある。
【図8】本発明の熱電冷却装置の配線基板の一例であ
る。
【図9】本発明の熱電冷却装置の配線基板の一例であ
る。
【図10】本発明の熱電冷却装置の配線基板の作製例を
示す図である。
【図11】本発明の第5実施例を示す配線パターンの一
例である。
【図12】本発明の第7実施例を示す熱電冷却装置の断
面図である。
【図13】本発明の第8実施例を示す熱電冷却装置の外
観図及び縦断面図である。
【図14】本発明の第8実施例の支柱状電極の外観図で
ある。
【図15】本発明の第9実施例を示す熱電冷却装置の断
面図である。
【図16】本発明の第10実施例を示す熱電冷却装置の
断面図及び外観図である。
【図17】本発明の第11実施例を示す熱電冷却装置の
断面図である。
【図18】本発明の第12実施例を示す熱電冷却装置の
断面図である。
【図19】本発明の第13実施例を示す熱電冷却装置の
外観図及び断面図である。
【図20】本発明の第14実施例を示す熱電冷却装置の
外観図である。
【図21】第14実施例の要部説明図である。
【図22】従来の熱電冷却装置の外観図である。
【図23】従来の熱電冷却装置の縦断面図である。
【図24】従来の熱電素子の配置例を示す図である。
【符号の説明】 1・・・・・・熱伝導板、 10〜16・・・・・・電気絶縁層、 20、2
1、50、51・・・・・・電極、 30〜32、・・・・・・配線基板、 4
0・・・・・・熱電素子、 45・・・・・・冷却面または放熱面、52
〜54・・・・・・パネル状熱電冷却装置、 55・・・・・・金属−熱
溶着性プラスチックラミネートフィルム、 60〜62・・・・
・・板材、 65・・・・・・気体吸着性ゲッター剤、 67 ・・・・・
・真空領域、 70、71・・・・・・断熱材、 74・・・・・・放熱フ
ィン、 75・・・・・・レーザ切断機、 76・・・・・・継手部、
77・・・・・・凸部板材、 80・・・・・・支柱材、 85・・・・・・金属
板、 86〜88・・・・・・補強材、 90〜93・・・・・・支柱状電
極、99・・・・・・袋状容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 博 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 田中 孝介 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 富永 克己 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 荒木 邦成 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 高木 恒雄 広島県広島市中区小町4番33号 中国電力 株式会社内 (72)発明者 落久保 晃 広島県広島市中区小町4番33号 中国電力 株式会社内 (72)発明者 加藤 悟 広島県広島市中区小町4番33号 中国電力 株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱伝導性を有する板材の表面に電気絶縁層
    を介して形成した第1の電極を有する配線基板と該配線
    基板に配置した複数個の熱電素子と該熱電素子を電気的
    に接続する第2の電極とこれらに対向する板材とを構成
    要素とし、熱電素子の高さ方向の寸法より長い支柱材を
    板材と熱電素子との間に少なくとも1つ以上設け、かつ
    板材と配線基板に挟まれた空間に、断熱材が存在するこ
    とを特徴とする熱電冷却装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の熱電冷却装置に於いて、板
    材と配線基板に挟まれた空間に、真空領域が存在するこ
    とを特徴とした熱電冷却装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の熱電冷却装置に於
    いて、板材と配線基板に挟まれた空間に、気体吸着性ゲ
    ッター剤を充填し、前記熱電冷却装置を金属−熱溶着性
    プラスチックラミネートフィルム材で被覆したことを特
    徴とする熱電冷却装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載の熱電
    冷却装置において、板材または配線基板と接触する熱電
    素子の断面積の総和が該板材または配線基板の面積の1
    /500以下であり、かつ板材または配線基板の面積を
    100以下に分割した各領域に、熱電素子が1つ以上あ
    ることを特徴とする熱電冷却装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかに記載の熱電
    冷却装置に於いて、前記配線基板に形成した第1の電極
    の幅が板材と接触する熱電素子の断面の一辺の寸法より
    倍以上長いことを特徴とする該配線基板を用いた熱電冷
    却装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載の熱電
    冷却装置に於いて、熱電素子が接触する双方の面の接着
    材料の融点が異なることを特徴とする熱電冷却装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれかに記載の熱電
    冷却装置に於いて、板材と支柱材との間または第2電極
    と支柱材との間に電気絶縁層が存在することを特徴とす
    る熱電冷却装置。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7のいずれかに記載の熱電
    冷却装置に於いて、支柱材と第2電極を一体化した支柱
    状電極を板材と熱電素子との間に少なくとも1つ以上設
    けることを特徴とする熱電冷却装置。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の熱電冷却装置に於いて、
    少なくとも板材と接触する支柱状電極の表面を電気絶縁
    層で被覆するか、または少なくとも支柱状電極と接触す
    る板材の表面を電気絶縁層で被覆したことを特徴とする
    熱電冷却装置。
  10. 【請求項10】請求項1ないし9のいずれかに記載の熱
    電冷却装置に於いて、熱電素子と接触する支柱材の表面
    を電気絶縁層で被覆し、かつ熱電素子側の該電気絶縁層
    を介して第2の電極を形成したことを特徴とする熱電冷
    却装置。
  11. 【請求項11】請求項1ないし10のいずれかに記載の
    熱電冷却装置に於いて、板材と支柱材とを一体化した凸
    型板材の少なくとも熱電素子と接触する凸部の表面に電
    気絶縁層を被覆し、該電気絶縁層を介して第2の電極を
    形成したことを特徴とする熱電冷却装置。
  12. 【請求項12】請求項8ないし11のいずれかに記載の
    熱電冷却装置に於いて、板材と接触する面の支柱材また
    は支柱状電極の断面積と熱電素子と接触する面の断面積
    の大きさが異なることを特徴とする熱電冷却装置。
  13. 【請求項13】請求項1ないし12のいずれかに記載の
    熱電冷却装置に於いて、板材の面積と配線基板の面積が
    異なることを特徴とした熱電冷却装置。
  14. 【請求項14】請求項1ないし13のいずれかに記載の
    熱電冷却装置を少なくとも1つ以上用いて成る構造物。
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