JPH11256337A - 被覆硬質合金 - Google Patents
被覆硬質合金Info
- Publication number
- JPH11256337A JPH11256337A JP8038198A JP8038198A JPH11256337A JP H11256337 A JPH11256337 A JP H11256337A JP 8038198 A JP8038198 A JP 8038198A JP 8038198 A JP8038198 A JP 8038198A JP H11256337 A JPH11256337 A JP H11256337A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- aluminum oxide
- hard alloy
- coated
- type aluminum
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
および被覆層界面の剥離を改善し、チッピングが生じ難
い被覆硬質合金を提供する。 【構成】 炭化チタン等からなる内層、並びに酸化アル
ミニウム層を被覆した被覆硬質合金において、酸化アル
ミニウム層の基体側は内層と接するように設け、酸化ア
ルミニウム層の基体側は平均厚さ0.01〜0.4μm
のθ型酸化アルミニウムを主体とする層とし、それ以外
の部分はκ型酸化アルミニウムを主体とする。
Description
される耐チッピング性・密着性に優れた被覆硬質合金に
関する。
した被覆超硬合金は被覆層の高温強度、耐酸化性等に優
れるため鋼の切削用の工具などとして一般に用いられて
いる。特開平3−150364号公報には炭化チタン被
覆層の上にさらに酸化アルミニウムを被覆した超硬合金
においてκ型、θ型酸化アルミニウム被覆層をエピタキ
シャルとした記載がある。
θ型酸化アルミニウムを被覆したものは高温硬さが低く
耐摩耗性に難点があった。κ型酸化アルミニウムのもの
は耐摩耗性、耐酸化性、切粉処理に優れた性能を有して
いるが、鋼の強断続切削に使用すると被覆層剥離が生じ
チッピングに至ってしまう。そこで、被覆層の剥離から
チッピングに至る過程を詳細に検討したところ、断続の
鋼切削時に炭化チタンと酸化アルミニウムの界面より剥
離が進行してチッピングに至ってしまう事がわかった。
特に鋼の断続切削では酸化アルミニウムを厚く被覆する
傾向にある。しかしながら、酸化アルミニウムを厚膜化
すると断続切削中に酸化アルミニウムに微細クラックが
発生し、そのクラックが酸化アルミニウムの下層である
炭化チタン等の層、あるいはそのさらに下層、ひいては
硬質合金基体にまで進展してしまい、被覆層の剥離を生
じてしまう。その被覆層剥離がチッピングとなりそこか
ら急激に摩耗が進行して工具の寿命へと至ってしまう。
あるいはいくつものクラックが進展すると同時に、クラ
ック同士が連続となって、その部分の被覆層が剥離しチ
ッピングが生じるばあいもある。
覆層界面の剥離に着目し、この点を改善することにより
チッピングが生じ難い優れた被覆硬質合金を提供するこ
とを目的とする。
成とすることで上記目的を達成できることを見いだし
た。即ち、超硬合金、サーメットなど硬質相と結合相か
らなる硬質合金基体表面に周期律表の4a、5a、6a
族金属の炭化物、窒化物、酸化物およびこれらの固溶
体、混合体のいずれか一種の単層または二種以上の多層
からなる内層、並びに酸化アルミニウム層を被覆した被
覆硬質合金において、前記酸化アルミニウムの基体側は
前記内層と接するように設け、前記酸化アルミニウム層
の基体側はθ型酸化アルミニウムを主体とする層であ
り、それ以外の部分はκ型酸化アルミニウムを主体とす
る層であることを特徴とする被覆硬質合金であり、好ま
しくは前記θ型酸化アルミニウムを主体とする層の平均
厚さを0.01〜0.4μmとする。このようにするこ
とで内層と酸化アルミニウム層の密着性が著しく改善さ
れチッピングの発生が少なく優れた性能を発揮すること
ができる。尚、内層のうち酸化アルミニウム層と接する
層は粒状結晶のチタンの炭化物、窒化物、炭窒化物とす
るとすると、より強い密着力が得られ好ましい。κ型酸
化アルミニウムを主体とする層にはκ型酸化アルミニウ
ムだけでなくα型酸化アルミニウムが含まれていても良
い。
被覆硬質合金の特性が優れる理由は明確ではないが次の
ことが考えられる。前記の内層とκ型酸化アルミニウム
の間にκ型酸化アルミニウムよりも軟質なθ型酸化アル
ミニウムを介在させることでθ型酸化アルミニウムが緩
衝層となり、微細なクラックの進展を防ぐ役割を果たし
ているものと考えられる。
1μmより薄いと層間の密着性に効果がなく0.4μm
より厚いとθ型酸化アルミニウムは高温での安定性に欠
ける為、高温での強度に問題が発生する場合がある。例
えば、切削工具として連続切削に供する場合は、刃先が
800℃以上の高温となるためθ型酸化アルミニウムか
ら破壊する場合がある。
て具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の範囲に
限定されるものでない JIS M20種相当のCNMG120412型スロー
アウェイチップを基体とし、化学蒸着法により被覆層を
形成した。化学蒸着法で基体表面側より、第1層として
窒化チタンを0.5μm、第2層としてアセトニトリル
を使用した柱状晶の炭窒化チタンを10μm、第3層と
して粒状結晶の炭化チタンを1μm、第4層として酸化
アルミニウムを1μm、第5層として窒化チタンを0.
3μm、をそれぞれ蒸着した。この時、炭化チタンと酸
化アルミニウムの成膜条件を表1に示すように変化させ
本発明例1〜4および比較例5〜6を作製した。
試料を作成し、加速電圧200KVにて透過型電子顕微
鏡観察を行い、電子線回折像よりθ型酸化アルミニウム
を同定した。4万倍の透過型電子顕微鏡写真よりθ型酸
化アルミニウム層の厚さを測定した結果を表1に併記す
る。
層と炭化チタン層の間にθ型酸化アルミニウムが形成さ
れている。本発明例1の透過型電子顕微鏡写真を図1
に、図1を説明する模式図を図2に示す。酸化アルミニ
ウム層の炭化チタン層側に層厚約0.05μmのθ酸化
アルミニウムが観察される。特に本発明例4では層厚が
0.5μmと厚くなっていた。対して、比較例5〜7に
はθ型酸化アルミニウムが形成されていない。
た。テスト1、2は連続切削による耐摩耗テストである
が、酸化アルミニウム層の耐熱性が大きく影響すると思
われる。テスト3は断続切削による耐衝撃テストであ
る。テスト1として被削材S53C丸棒、切削速度25
0m/min、送り0.4mm/rev、切り込み2m
m、湿式、にて20分間の切削を行った後のインサート
の逃げ面の摩耗幅を測定した。テスト2として被削材:
FCD700丸棒、切削速度:150m/min、送
り:0.3mm/rev、切り込み:2mm、乾式、に
て15分間の切削を行った後のインサートの逃げ面の摩
耗幅を測定した。テスト3として被削材SCM435
4ツ溝丸棒、切削速度150m/min、送り0.3m
m/rev、切り込み2mm、湿式、にて30秒間切削
を行った。これを10回行って欠損、チッピングした個
数を調べた。以上の結果をまとめて表2に示す。
の剥離、チッピングを起こし、0.4mm以上の大きな
摩耗幅となった。これに対し本発明例1〜3はテスト
1、2において被覆層の剥離、チッピングが発生せず、
正常な摩耗形態を示した。本発明例4はθ型酸化アルミ
ニウム層が厚いために、テスト2において剥離が起こ
り、他の発明例と比べ大きな摩耗を示した。テスト3で
は比較例と比べ本発明例は明らかにチッピングが少な
く、良好な結果となった。
撃性、耐熱性に優れ切削工具材料として用いた場合には
強断続切削、長時間の連続切削に耐え、切削加工の省力
・無人化に適した信頼性の高い切削工具として優れた性
能を発揮するものである。なお、本発明の用途は切削工
具に限るものではなく、耐摩耗材や金型、溶湯部品等に
適用しても優れた効果が期待できる。
鏡による金属組織写真を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 超硬合金、サーメットなど硬質相と結合
相からなる硬質合金基体表面に周期律表の4a、5a、
6a族金属の炭化物、窒化物、酸化物およびこれらの固
溶体、混合体のいずれか一種の単層または二種以上の多
層からなる内層、並びに酸化アルミニウム層を被覆した
被覆硬質合金において、前記酸化アルミニウム層の基体
側は前記内層と接するように設け、前記酸化アルミニウ
ム層の基体側はθ型酸化アルミニウムを主体とする層で
あり、それ以外の部分はκ型酸化アルミニウムを主体と
する層であることを特徴とする被覆硬質合金。 - 【請求項2】 請求項1記載の被覆硬質合金において、
θ型酸化アルミニウムを主体とする層の平均厚さが0.
01〜0.4μmであることを特徴とする被覆硬質合
金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08038198A JP4033544B2 (ja) | 1998-03-12 | 1998-03-12 | 被覆硬質合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08038198A JP4033544B2 (ja) | 1998-03-12 | 1998-03-12 | 被覆硬質合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11256337A true JPH11256337A (ja) | 1999-09-21 |
JP4033544B2 JP4033544B2 (ja) | 2008-01-16 |
Family
ID=13716717
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08038198A Expired - Fee Related JP4033544B2 (ja) | 1998-03-12 | 1998-03-12 | 被覆硬質合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4033544B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109570562A (zh) * | 2018-12-25 | 2019-04-05 | 北京理工大学 | 一种超高强韧钢深孔镗削专用刀具组配方法 |
-
1998
- 1998-03-12 JP JP08038198A patent/JP4033544B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109570562A (zh) * | 2018-12-25 | 2019-04-05 | 北京理工大学 | 一种超高强韧钢深孔镗削专用刀具组配方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4033544B2 (ja) | 2008-01-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6395379B1 (en) | Workpiece with wear-protective coating | |
JP4966580B2 (ja) | 被覆工具 | |
KR20120140642A (ko) | 고속 기계가공 방법 및 피복 절삭공구 | |
KR101616600B1 (ko) | 경질 피막 피복 공구 | |
RU2096518C1 (ru) | Многослойное композиционное покрытие на режущий и штамповый инструмент | |
JPH0196083A (ja) | 切削工具用表面被覆立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料 | |
JP3724170B2 (ja) | 被覆超硬合金製切削工具 | |
EP4041931A1 (en) | A coated cutting tool | |
JPH11347806A (ja) | 硬質被覆層に層間剥離の発生がない表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削チップ | |
JP3333081B2 (ja) | 結晶配向性高強度被覆部材 | |
JP2002337006A (ja) | 被覆切削工具 | |
JPH11256337A (ja) | 被覆硬質合金 | |
JP2556088B2 (ja) | 表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削チップ | |
JPH11320214A (ja) | 被覆硬質工具 | |
JP2000210801A (ja) | 酸化アルミニウム被覆工具部材 | |
JP3333080B2 (ja) | 整合性界面を有した高強度被覆部材 | |
JPH1076407A (ja) | 多層被覆硬質工具 | |
JPH11229143A (ja) | 耐欠損性のすぐれた表面被覆超硬合金製エンドミル | |
JP3358530B2 (ja) | 耐欠損性のすぐれた表面被覆超硬合金製スローアウエイ切削チップ | |
JPH07328811A (ja) | 耐摩耗性のすぐれた表面被覆高速度鋼製切削工具 | |
JP3679078B2 (ja) | 硬質皮膜被覆工具 | |
JPH11236671A (ja) | 耐欠損性のすぐれた表面被覆超硬合金製スローアウエイ切削チップ | |
JP3679076B2 (ja) | 硬質皮膜被覆工具 | |
JP3679077B2 (ja) | 硬質皮膜被覆工具 | |
JP3779951B2 (ja) | 硬質皮膜被覆工具 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20050221 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20070711 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070718 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20070914 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071019 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071023 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 3 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 3 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 3 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R370 | Written measure of declining of transfer procedure |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 3 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 4 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111102 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |