JPH07328811A - 耐摩耗性のすぐれた表面被覆高速度鋼製切削工具 - Google Patents
耐摩耗性のすぐれた表面被覆高速度鋼製切削工具Info
- Publication number
- JPH07328811A JPH07328811A JP14718694A JP14718694A JPH07328811A JP H07328811 A JPH07328811 A JP H07328811A JP 14718694 A JP14718694 A JP 14718694A JP 14718694 A JP14718694 A JP 14718694A JP H07328811 A JPH07328811 A JP H07328811A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- cutting tool
- speed steel
- layer thickness
- nitride
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
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- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- Drilling Tools (AREA)
- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高速切削でもすぐれた耐摩耗性を長期に亘っ
て発揮する表面被覆高速度鋼製切削工具を提供する。 【構成】 表面被覆高速度鋼製切削工具が、高速度鋼基
体の表面に、炭化チタン、窒化チタン、および炭窒化チ
タンのうちの１種の単層または２種以上の複層からなる
平均層厚：０．５〜５μｍの下部層と、ＴｉとＡｌの複
合窒化物からなる平均層厚：０．５〜５μｍの中間層
と、ＴｉとＡｌの複合酸窒化物からなる平均層厚：０．
５〜５μｍの上部層で構成された硬質被覆層を形成して
なる。
て発揮する表面被覆高速度鋼製切削工具を提供する。 【構成】 表面被覆高速度鋼製切削工具が、高速度鋼基
体の表面に、炭化チタン、窒化チタン、および炭窒化チ
タンのうちの１種の単層または２種以上の複層からなる
平均層厚：０．５〜５μｍの下部層と、ＴｉとＡｌの複
合窒化物からなる平均層厚：０．５〜５μｍの中間層
と、ＴｉとＡｌの複合酸窒化物からなる平均層厚：０．
５〜５μｍの上部層で構成された硬質被覆層を形成して
なる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、耐摩耗性のすぐれた
表面被覆高速度鋼製切削工具に関するものである。
表面被覆高速度鋼製切削工具に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、表面被覆高速度鋼製切削工具とし
て、例えば特開平１−２５２３０４号公報に記載される
通り高速度鋼基体の表面に、炭化チタン、窒化チタン、
および炭窒化チタン（以下、それぞれＴｉＣ，ＴｉＮ、
およびＴｉＣz Ｎ1-z で示す）のうちの１種の単層また
は２種以上の複層からなる平均層厚：０．１〜１０μｍ
の下部層と、ＴｉとＡｌの複合炭化物、複合炭化物、お
よび複合炭窒化物のうちの１種の単層または２種以上の
複層からなる平均層厚：０．５〜５μｍの上部層で構成
された硬質被覆層を形成してなるものが知られており、
これがエンドミルや各種ドリル、さらにスローアウェイ
チップなどとして実用に供されている。
て、例えば特開平１−２５２３０４号公報に記載される
通り高速度鋼基体の表面に、炭化チタン、窒化チタン、
および炭窒化チタン（以下、それぞれＴｉＣ，ＴｉＮ、
およびＴｉＣz Ｎ1-z で示す）のうちの１種の単層また
は２種以上の複層からなる平均層厚：０．１〜１０μｍ
の下部層と、ＴｉとＡｌの複合炭化物、複合炭化物、お
よび複合炭窒化物のうちの１種の単層または２種以上の
複層からなる平均層厚：０．５〜５μｍの上部層で構成
された硬質被覆層を形成してなるものが知られており、
これがエンドミルや各種ドリル、さらにスローアウェイ
チップなどとして実用に供されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削機械
の高性能化およびＦＡ化はめざましく、これに伴ない切
削加工は高速化の傾向にあるが、上記従来表面被覆高速
度鋼製切削工具を高速切削に用いた場合、切刃の摩耗進
行が相対的に速く、このため比較的短時間で使用寿命に
至るのが現状である。
の高性能化およびＦＡ化はめざましく、これに伴ない切
削加工は高速化の傾向にあるが、上記従来表面被覆高速
度鋼製切削工具を高速切削に用いた場合、切刃の摩耗進
行が相対的に速く、このため比較的短時間で使用寿命に
至るのが現状である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、耐摩耗性のすぐれた表面被覆高
速度鋼製切削工具を開発すべく、上記の従来表面被覆高
速度鋼製切削工具に着目し研究を行なった結果、上記従
来表面被覆高速度鋼製切削工具の硬質被覆層を構成する
上部層を、ＴｉとＡｌの複合窒化物（以下、（Ｔｉx Ａ
ｌ1-x ）Ｎで示す）に特定した上で、これにＴｉとＡｌ
の複合酸窒化物（以下、（Ｔｉx Ａｌ1-x ）Ｏy Ｎ1-y
で示す）を上部層として０．５〜５μｍの平均層厚で形
成すると、前記（Ｔｉx Ａｌ1-x ）Ｏy Ｎ1-y からなる
上部層は、中間層となる前記（Ｔｉx Ａｌ1-x ）Ｎ層と
きわめて強固に密着し、かつ自身が著しく化学的に安定
であることから、この結果の表面被覆高速度鋼製切削工
具は、高速切削で長期に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮
するようになるという研究結果を得たのである。
上述のような観点から、耐摩耗性のすぐれた表面被覆高
速度鋼製切削工具を開発すべく、上記の従来表面被覆高
速度鋼製切削工具に着目し研究を行なった結果、上記従
来表面被覆高速度鋼製切削工具の硬質被覆層を構成する
上部層を、ＴｉとＡｌの複合窒化物（以下、（Ｔｉx Ａ
ｌ1-x ）Ｎで示す）に特定した上で、これにＴｉとＡｌ
の複合酸窒化物（以下、（Ｔｉx Ａｌ1-x ）Ｏy Ｎ1-y
で示す）を上部層として０．５〜５μｍの平均層厚で形
成すると、前記（Ｔｉx Ａｌ1-x ）Ｏy Ｎ1-y からなる
上部層は、中間層となる前記（Ｔｉx Ａｌ1-x ）Ｎ層と
きわめて強固に密着し、かつ自身が著しく化学的に安定
であることから、この結果の表面被覆高速度鋼製切削工
具は、高速切削で長期に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮
するようになるという研究結果を得たのである。
【０００５】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、高速度鋼基体の表面に、Ｔｉ
Ｃ，ＴｉＮ、およびＴｉＣz Ｎ1-z のうちの１種の単層
または２種以上の複層からなる平均層厚：０．５〜５μ
ｍの下部層、（Ｔｉx Ａｌ1-x ）Ｎからなる平均層厚：
０．５〜５μｍの中間層、および（Ｔｉx Ａｌ1-x ）Ｏ
y Ｎ1-y からなる平均層厚：０．５〜５μｍの上部層、
で構成された硬質被覆層を形成してなる、耐摩耗性のす
ぐれた表面被覆高速度鋼製切削工具に特徴を有するもの
である。
なされたものであって、高速度鋼基体の表面に、Ｔｉ
Ｃ，ＴｉＮ、およびＴｉＣz Ｎ1-z のうちの１種の単層
または２種以上の複層からなる平均層厚：０．５〜５μ
ｍの下部層、（Ｔｉx Ａｌ1-x ）Ｎからなる平均層厚：
０．５〜５μｍの中間層、および（Ｔｉx Ａｌ1-x ）Ｏ
y Ｎ1-y からなる平均層厚：０．５〜５μｍの上部層、
で構成された硬質被覆層を形成してなる、耐摩耗性のす
ぐれた表面被覆高速度鋼製切削工具に特徴を有するもの
である。
【０００６】なお、この発明の切削工具において、下部
層および中間層の平均層厚をそれぞれ０．５〜５μｍと
定めたのは、その平均層厚がいずれも０．５μｍ未満で
は、硬質被覆層の基体に対する接合並びに構成層間の接
合に所望の高い密着性を確保することができず、一方そ
の平均層厚がいずれも５μｍを越えると、相対的に硬質
被覆層が厚くなりすぎ、切刃部分に欠けやチッピング
（微小欠け）が発生し易くなるという理由によるもので
あり、また上部層の平均層厚を０．５〜５μｍと定めた
のは、その平均層厚が０．５μｍ未満では所望のすぐれ
た耐摩耗性を確保することができず、一方その平均層厚
が５μｍを越えると切刃部分に欠けやチッピングが発生
し易くなるという理由によるものである。
層および中間層の平均層厚をそれぞれ０．５〜５μｍと
定めたのは、その平均層厚がいずれも０．５μｍ未満で
は、硬質被覆層の基体に対する接合並びに構成層間の接
合に所望の高い密着性を確保することができず、一方そ
の平均層厚がいずれも５μｍを越えると、相対的に硬質
被覆層が厚くなりすぎ、切刃部分に欠けやチッピング
（微小欠け）が発生し易くなるという理由によるもので
あり、また上部層の平均層厚を０．５〜５μｍと定めた
のは、その平均層厚が０．５μｍ未満では所望のすぐれ
た耐摩耗性を確保することができず、一方その平均層厚
が５μｍを越えると切刃部分に欠けやチッピングが発生
し易くなるという理由によるものである。
【０００７】
【実施例】つぎに、この発明の切削工具を実施例により
具体的に説明する。高速度鋼基体として、表１に示され
る成分組成を有し、かつ直径：１２mmφの４枚刃エンド
ミルＡ〜Ｅを用意し、これら基体の表面に、通常のアー
クイオンプレーティング装置を用い、表２，３に示され
る組成および平均層厚の硬質被覆層を形成することによ
り本発明表面被覆高速度鋼製切削工具（以下、本発明切
削工具という）１〜１０、および（Ｔｉx Ａｌ1-x ）Ｏ
y Ｎ1-y 層の形成がない従来表面被覆高速度鋼製切削工
具（以下、従来切削工具という）１〜１０をそれぞれ製
造した。
具体的に説明する。高速度鋼基体として、表１に示され
る成分組成を有し、かつ直径：１２mmφの４枚刃エンド
ミルＡ〜Ｅを用意し、これら基体の表面に、通常のアー
クイオンプレーティング装置を用い、表２，３に示され
る組成および平均層厚の硬質被覆層を形成することによ
り本発明表面被覆高速度鋼製切削工具（以下、本発明切
削工具という）１〜１０、および（Ｔｉx Ａｌ1-x ）Ｏ
y Ｎ1-y 層の形成がない従来表面被覆高速度鋼製切削工
具（以下、従来切削工具という）１〜１０をそれぞれ製
造した。
【０００８】なお、上記本発明切削工具１〜１０におい
て、これの硬質被覆層を構成する上部層、すなわち（Ｔ
ｉx Ａｌ1-x ）Ｏy Ｎ1-y 層の形成は、あらかじめ厚め
の（Ｔｉx Ａｌ1-x ）Ｎからなる中間層を形成してお
き、これに高周波プラズマ内でＡｒアタックを加えて前
記中間層の表面部に所定厚さに亘って脱窒素層を形成
し、この状態で酸化処理を施すことにより形成すること
ができる。
て、これの硬質被覆層を構成する上部層、すなわち（Ｔ
ｉx Ａｌ1-x ）Ｏy Ｎ1-y 層の形成は、あらかじめ厚め
の（Ｔｉx Ａｌ1-x ）Ｎからなる中間層を形成してお
き、これに高周波プラズマ内でＡｒアタックを加えて前
記中間層の表面部に所定厚さに亘って脱窒素層を形成
し、この状態で酸化処理を施すことにより形成すること
ができる。
【０００９】ついで、この結果得られた各種の切削工具
について、 被削材：ＪＩＳ・ＳＫＤ６１（硬さ：ＨB ３２０）、 切削速度：２３ｍ／sec.（６１０r.p.m.) 、 切込み：３mm、 送り：０．０２９mm／刃、 切削長：５０ｍ、 の条件で鋼の湿式高速エンドミル加工を行ない、外周２
番摩耗幅を測定した。これらの測定結果を表２，３に示
した。
について、 被削材：ＪＩＳ・ＳＫＤ６１（硬さ：ＨB ３２０）、 切削速度：２３ｍ／sec.（６１０r.p.m.) 、 切込み：３mm、 送り：０．０２９mm／刃、 切削長：５０ｍ、 の条件で鋼の湿式高速エンドミル加工を行ない、外周２
番摩耗幅を測定した。これらの測定結果を表２，３に示
した。
【００１０】
【表１】
【００１１】
【表２】
【００１２】
【表３】
【００１３】
【発明の効果】表２，３に示される結果から、本発明切
削工具１〜１０は、いずれも高速切削にもかかわらず、
従来切削工具１〜１０に比して著しくすぐれた耐摩耗性
を示すことが明らかである。上述のように、この発明の
表面被覆高速度鋼製切削工具は、高速切削でもすぐれた
耐摩耗性を著しく長期に亘って発揮するので、切削加工
の高速化およびＦＡ化に十分満足に対応することができ
るものである。
削工具１〜１０は、いずれも高速切削にもかかわらず、
従来切削工具１〜１０に比して著しくすぐれた耐摩耗性
を示すことが明らかである。上述のように、この発明の
表面被覆高速度鋼製切削工具は、高速切削でもすぐれた
耐摩耗性を著しく長期に亘って発揮するので、切削加工
の高速化およびＦＡ化に十分満足に対応することができ
るものである。
Claims (1)
- 【請求項１】 高速度鋼基体の表面に、 炭化チタン、窒化チタン、および炭窒化チタンのうちの
１種の単層または２種以上の複層からなる平均層厚：
０．５〜５μｍの下部層、 ＴｉとＡｌの複合窒化物からなる平均層厚：０．５〜５
μｍの中間層、 およびＴｉとＡｌの複合酸窒化物からなる平均層厚：
０．５〜５μｍの上部層、で構成された硬質被覆層を形
成してなる、耐摩耗性にすぐれた表面被覆高速度鋼製切
削工具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14718694A JPH07328811A (ja) | 1994-06-06 | 1994-06-06 | 耐摩耗性のすぐれた表面被覆高速度鋼製切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14718694A JPH07328811A (ja) | 1994-06-06 | 1994-06-06 | 耐摩耗性のすぐれた表面被覆高速度鋼製切削工具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07328811A true JPH07328811A (ja) | 1995-12-19 |
Family
ID=15424516
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14718694A Withdrawn JPH07328811A (ja) | 1994-06-06 | 1994-06-06 | 耐摩耗性のすぐれた表面被覆高速度鋼製切削工具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07328811A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000014300A1 (en) * | 1998-09-02 | 2000-03-16 | Unaxis Trading Ag | Wear-resistant workpiece and method for producing same |
| US6254984B1 (en) | 1998-03-16 | 2001-07-03 | Hitachi Tool Engineering, Ltd. | Members with multi-layer coatings |
| US8003231B2 (en) * | 2007-11-15 | 2011-08-23 | Kobe Steel, Ltd. | Wear-resistant member with hard coating |
| CN103212728A (zh) * | 2012-01-23 | 2013-07-24 | 三菱综合材料株式会社 | 硬质包覆层维持优异耐热性及耐磨性的表面包覆切削工具 |
-
1994
- 1994-06-06 JP JP14718694A patent/JPH07328811A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6254984B1 (en) | 1998-03-16 | 2001-07-03 | Hitachi Tool Engineering, Ltd. | Members with multi-layer coatings |
| WO2000014300A1 (en) * | 1998-09-02 | 2000-03-16 | Unaxis Trading Ag | Wear-resistant workpiece and method for producing same |
| US8003231B2 (en) * | 2007-11-15 | 2011-08-23 | Kobe Steel, Ltd. | Wear-resistant member with hard coating |
| CN103212728A (zh) * | 2012-01-23 | 2013-07-24 | 三菱综合材料株式会社 | 硬质包覆层维持优异耐热性及耐磨性的表面包覆切削工具 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010904 |