JPH11255822A - オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合体の製造方法

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JPH11255822A
JPH11255822A JP1537799A JP1537799A JPH11255822A JP H11255822 A JPH11255822 A JP H11255822A JP 1537799 A JP1537799 A JP 1537799A JP 1537799 A JP1537799 A JP 1537799A JP H11255822 A JPH11255822 A JP H11255822A
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Michio Onishi
陸夫 大西
Masayuki Tsuruoka
雅之 鶴岡
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 未加硫状態でも実用性のある引張強度を有
し、柔軟性や低温特性が満足でき、表面粘着性が低く、
しかも製造コストの低いオレフィン重合体の製造方法を
提供する。 【解決手段】 無溶媒重合法によるオレフィン重合体の
製造方法であって、(A)(イ)予備重合法で得られた
結晶性ポリオレフィンと(ロ) マグネシウム、チタン
(四価)、ハロゲン原子および電子供与体からなる固体
触媒成分とから構成される固体成分と、(B)有機アル
ミニウム化合物と、(C)一般式 [式中のR1は炭素数1〜20のアルキル基;R2は炭素
数1〜10の炭化水素基;mは1〜6の整数;nは0〜
(6−m)の整数(ただし、nは(6−m)の整数では
ない。)である。]で表わされるアルコキシ基含有芳香
族化合物と、(D)電子供与性化合物と、から成る触媒
系を用いることを特徴とするオレフィン重合体の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオレフィン重合体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性エラストマーは、省エネルギー
あるいは省資源タイプのエラストマーとして、特に加硫
ゴムの代替品として、自動車部品、工業機械部品、電子
・電気部品、建材などに広く使用されている。オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー(TPO)は、一般に、ポリ
プロピレンとエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EP
DM)とを過酸化物の存在下で混練する方法によって製
造されている(例えば、特開昭61-217747 号公報)。し
かしながら、この方法には、操作が煩雑で製造コストが
高いという欠点があった。
【0003】一方、前記TPOの力学的特性と同様の特
性を有する高分子重合体を重合段階で直接的に製造する
ことにより、低コスト化を図る試みが従来から種々行な
われてきた。例えば、プロピレン−ヘキセン共重合体
(例えば、特開昭49-53983号および特公昭62-19444号各
公報)および弾性ポリプロピレン(例えば、特開昭61-1
79247 号公報)などが提案されている。しかしながら、
これらの高分子重合体は、いずれも低温特性が不十分で
あった。また、ポリプロピレンの低温特性を改良する方
法として、プロピレン/エチレン−プロピレン二段重合
法がよく知られているが(例えば、特開昭57-50804号公
報)、この方法では、柔軟性と実用性のある引張強さと
を兼ね備えた加硫ゴム状重合体を製造することが困難で
あった。
【0004】そこで、特開平1-297408号公報には、マグ
ネシウム、チタン、ハロゲン原子および電子供与体から
なる固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、特定
のアルコキシ基含有芳香族化合物とから成る触媒系を用
いることを特徴としたプロピレン系エラストマーの製造
方法が開示されている。この製造方法により得られたプ
ロピレン系エラストマーは、未加硫状態でも実用性のあ
る引張強度を有し、一定の柔軟性や低温特性を有するも
のの、表面粘着性がいまだ大きいという問題が見られ
た。すなわち、当該製造方法では、予備重合が行われて
おらず、しかも、外部ドナーとしての電子供与性化合物
が添加されていないために、いわゆるべたつき成分(低
立体規則性成分や低分子量成分等)が、表面に移行し
て、表面粘着性が大きくなる場合が見られた。さらに、
このように表面粘着性が大きいために、無溶媒重合を実
施した場合に、均一なパウダー状とすることが困難であ
るという問題が見られた。また、特開昭63-243107号公
報には、2段階重合によりオレフィン重合体を製造する
方法が開示されており、第1段階において、マグネシウ
ム、チタン、ハロゲン原子および電子供与体からなる固
体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、電子供与性
化合物とからなる触媒の存在下に、α−オレフィンを重
合し、第2段階において、特定のアルコキシ基含有芳香
族化合物を添加して、さらにα−オレフィンを重合する
ことを特徴としている。この製造方法により得られたオ
レフィン重合体は、未加硫状態でも実用性のある引張強
度を有するものの、第1段階において特定のアルコキシ
基含有芳香族化合物を添加せずに高立体規則性オレフィ
ン重合体を重合しているため、全体として柔軟性が低い
という問題が見られた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、未加硫状態
でも実用性のある引張強度を有し、柔軟性や低温特性が
満足でき、表面粘着性が低く、しかも製造コストの低い
オレフィン重合体の製造方法の提供を目的とするもので
ある。
【0006】本発明者らは、上記目的を達成するために
鋭意研究を重ねた結果、特定の触媒系を用いて重合体の
結晶性を制御することにより、架橋させなくても、TP
O(部分的に架橋されている)と同様の物性を有する加
硫ゴム状のオレフィン重合体が容易に得られることを見
出した。本発明は、この知見に基づくものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のオレ
フィン重合体の製造方法は、無溶媒重合法によるオレフ
ィン重合体の製造方法であって、(A)(イ)予備重合
法で得られた結晶性ポリオレフィンと(ロ) マグネシウ
ム、チタン(四価)、ハロゲン原子および電子供与体か
らなる固体触媒成分とから構成される固体成分と、
(B)有機アルミニウム化合物と、(C)一般式
【0008】
【化2】
【0009】[式中のR1は炭素数1〜20のアルキル
基;R2は炭素数1〜10の炭化水素基;mは1〜6の
整数;nは0または1の整数(ただし、nは(6−m)
の整数ではない。)である。](D)電子供与性化合物
と、から成る触媒系を用いた構成としてある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。まず、本発明に用いる触媒系について説明する。
本発明に用いられる触媒系における固体成分(A)は、
結晶性ポリオレフィン(イ)とマグネシウム、チタン
(四価)、ハロゲン原子および電子供与体からなる固体
触媒成分(ロ)とから構成されている。
【0011】この固体成分(A)の調製方法としては、
例えば、(1)前記固体触媒成分(ロ)と有機アルミニ
ウム化合物と必要に応じて用いられる電子供与性化合物
とを組み合せたものの存在下に、オレフィンを予備重合
させる方法(予備重合法)、(2)上記(1)の方法
と、粒径の揃った結晶性ポリプロピレンやポリエチレン
などの結晶性パウダーに、前記固体触媒成分(ロ)と必
要に応じて用いられる有機アルミニウム化合物と電子供
与性化合物(融点100℃以上)とを分散させる方法
(分散法)とを組み合わせる方法を用いることができ
る。
【0012】前記固体成分(A)における結晶性ポリオ
レフィン(イ)としては、例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテン、ポリ4−メチルペンテンなどの
炭素数2〜10のα−オレフィンから得られる結晶性ポ
リオレフィンが挙げられる。
【0013】この結晶性ポリオレフィン(イ)は、前記
調製法(1)に示すように、炭素数2〜10のα−オレ
フィンを用い、通常30〜80℃、好ましくは55〜7
0℃の範囲の温度において、予備重合を行なうことによ
り製造することができる。
【0014】この際、触媒系のアルミニウム/チタン原
子比は通常0.1〜100、好ましくは0.5〜5の範
囲で選ばれ、また電子供与性化合物/チタンのモル比は
0〜50、好ましくは0.1〜2の範囲で選ばれる。ま
た、結晶性ポリオレフィン(イ)として、前記調製法
(2)に示すように、あらかじめパウダー状の結晶性ポ
リオレフィンとして製造したものを用いてもよい。
【0015】なお、結晶性ポリオレフィン(イ)として
は、融点100℃以上のものが好ましい。
【0016】上記固体成分(A)の調製に用いられる有
機アルミニウム化合物としては、後で(B)成分の有機
アルミニウム化合物として例示するものを用いることが
できる。さらに、必要に応じて用いられる電子供与性化
合物としては、後で(D)成分の電子供与性化合物とし
て例示するものを用いることができる。
【0017】前記の固体成分(A)を構成する固体触媒
成分(ロ)は、マグネシウム、チタン(四価)、ハロゲ
ン原子および電子供与体を必須成分とするものであり、
マグネシウム化合物とチタン化合物と電子供与体とを接
触させることによって調製することができる。なお、こ
の場合ハロゲン原子はハロゲン化物としてマグネシウム
化合物および/またはチタン化合物などに含まれる。
【0018】該マグネシウム化合物としては、例えばマ
グネシウムジクロリドなどのマグネシウムジハライド、
酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタル
サイト、マグネシウムのカルボン酸塩、ジエトキシマグ
ネシウムなどのアルコキシマグネシウム、アリロキシマ
グネシウム、アルコキシマグネシウムハライド、アリロ
キシマグネシウムハライド、エチルブチルマグネシウム
などのアルキルマグネシウム、アルキルマグネシウムハ
ライド、あるいは有機マグネシウム化合物と電子供与
体、ハロシラン、アルコキシシラン、シラノールおよび
アルミニウム化合物などとの反応物などを挙げることが
できるが、これらの中でマグネシウムハライド、アルコ
キシマグネシウム、アルキルマグネシウム、アルキルマ
グネシウムハライドが好適である。また、これらのマグ
ネシウム化合物は一種だけで用いてもよいし、二種以上
を組み合せて用いてもよい。
【0019】また、該チタン化合物としては、一般式
が、Ti(OR3p4-p(式中R3は炭素数が1〜10
の炭化水素基、Xはハロゲン基、p は0〜4の整数)で
表わされるものを挙げることができる。例えば、テトラ
メトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−
プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テト
ラ−n−ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、
テトラシクロヘキシロキシチタン、テトラフェノキシチ
タンなどのテトラアルコキシチタン、四塩化チタン、四
臭化チタン、四ヨウ化チタンなどのテトラハロゲン化チ
タン、メトキシチタニウムトリクロリド、エトキシチタ
ニウムトリクロリド、プロポキシチタニウムトリクロリ
ド、n−ブトキシチタニウムトリクロリド、エトキシチ
タニウムトリブロミドなどのトリハロゲン化アルコキシ
チタン、ジメトキシチタニウムジクロリド、ジエトキシ
チタニウムジクロリド、ジプロポキシチタニウムジクロ
リド、ジ−n−プロポキシチタニウムジクロリド、ジエ
トキシチタニウムジブロミドなどのジハロゲン化ジアル
コキシチタン、トリメトキシチタニウムクロリド、トリ
エトキシチタニウムクロリド、トリプロポキシチタニウ
ムクロリド、トリ−n−ブトキシチタニウムクロリドな
どのモノハロゲン化トリアルコキシチタンなどが挙げら
れるが、これらの中で高ハロゲン含有チタン化合物、特
に四塩化チタンが好適である。これらのチタン化合物は
それぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を組み合せて
用いてもよい。
【0020】さらに、該ハロゲン原子としてはフッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる
が、これらのハロゲン原子は通常ハロゲン化物としてマ
グネシウム化合物および/またはチタン化合物などに含
まれて用いられる。また、該電子供与体としては、後で
(D)成分の電子供与性化合物として例示するもの用い
ることができる。
【0021】該固体触媒成分(ロ)の調製は、公知の方
法(特開昭53-43094号公報、特開昭55-135102 号公報、
特開昭55-135103 号公報、特開昭56-18606号公報)で行
なうことができる。例えば、(1)マグネシウム化合物
またはマグネシウム化合物と電子供与体との錯化合物
を、電子供与体および所望に応じて用いられる粉砕助剤
などの存在下に粉砕して、チタン化合物と反応させる方
法、(2)還元能を有しないマグネシウム化合物の液状
物と液状チタン化合物とを、電子供与体の存在下におい
て反応させて、固体状のチタン複合体を析出させる方
法、(3)前記(1)または(2)で得られたものにチ
タン化合物を反応させる方法、(4)前記(1)または
(2)で得られたものに、さらに電子供与体およびチタ
ン化合物を反応させる方法、(5)マグネシウム化合物
またはマグネシウム化合物と電子供与体との錯化合物
を、電子供与体、チタン化合物および所望に応じて用い
られる粉砕助材などの存在下で粉砕したのち、ハロゲン
またはハロゲン化合物で処理する方法、(6)前記
(1)〜(4)で得られた化合物をハロゲンまたはハロ
ゲン化合物で処理する方法、などによって調製すること
ができる。
【0022】さらに、これらの方法以外の方法(特開昭
56-166205 号公報、特開昭57-63309号公報、特開昭57-1
90004 号公報、特開昭57-300407 号公報、特開昭58-470
03号公報)によっても、前記固体触媒成分(ロ)を調製
することができる。
【0023】また、周期表II〜IV族に属する元素の酸化
物、例えば、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アル
ミニウムなどの酸化物、または周期表II〜IV族に属する
元素の酸化物の少なくとも一種を含む複合酸化物、例え
ば、シリカアルミナなどに前記マグネシウム化合物を担
持させた固形物と電子供与体とチタン化合物とを、溶媒
中で0〜200℃、好ましくは10〜150℃の範囲の
温度において2分〜24時間接触させることにより固体
触媒成分(ロ)を調製することができる。
【0024】また、固体触媒成分(ロ)の調製にあた
り、溶媒としてマグネシウム化合物、電子供与体および
チタン化合物に対して不活性な有機溶媒、例えば、ヘキ
サン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トル
エンなどの芳香族炭化水素、あるいは炭素数1〜12の
飽和または不飽和の脂肪族、脂環式および芳香族炭化水
素のモノおよびポリハロゲン化合物などのハロゲン化炭
化水素などを使用することができる。
【0025】このようにして調製された固体触媒成分
(ロ)の組成は、通常マグネシウム/チタン原子比が2
〜100、ハロゲン/チタン原子比が5〜200、電子
供与体/チタンモル比が0.1〜10の範囲にある。
【0026】前記の固体成分(A)における結晶性ポリ
オレフィン(イ)と固体触媒成分(ロ)との割合につい
ては、(ロ)成分に対する(イ)成分の重量比が、通常
0.33〜200、好ましくは0.10〜50の範囲に
なるように選ばれる。
【0027】本発明に用いられる触媒系における有機ア
ルミニウム化合物(B)としては、一般式 AlR4 p3-p (1) (式中のR4は炭素数1〜10のアルキル基;Xは塩
素、臭素などのハロゲン原子;p は1〜3の数である)
で表される化合物を挙げることができる。このようなア
ルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミ
ニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチ
ルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエ
チルアルミニウムモノクロリド、ジイソプロピルアルミ
ニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノク
ロリド、ジオクチルアルミニウムモノクロリドなどのジ
アルキルアルミニウムモノハライド、エチルアルミニウ
ムセスキクロリドなどのアルキルアルミニウムセスキハ
ライドなどを好適に使用することができる。これらのア
ルミニウム化合物は一種を用いてもよいし、二種以上を
組み合せて用いてもよい。
【0028】本発明に用いられる触媒系におけるアルコ
キシ基含有芳香族化合物(C)は、一般式
【0029】
【化3】
【0030】[式中のR1は炭素数1〜20のアルキル
基;R2は炭素数1〜10の炭化水素基;mは1〜6の
整数;nは0または1の整数(ただし、nは(6−m)
の整数ではない。)である。]で表される化合物であ
り、具体的には、式中、n+mが6以外の整数であるア
ルコキシ基含有芳香族化合物としては、例えば、m−メ
トキシトルエン、ビニルアニソール、p−(1−プロペ
ニル)アニソール、p−アリルアニソール、1,3−ビ
ス(p−メトキシフェニル)−1−ペンテンなどのモノ
アルコキシ化合物、o−ジメトキシベンゼン、m−ジメ
トキシベンゼン、p−ジメトキシベンゼン、3,4−ジ
メトキシトルエン、1−アリル−3,4−ジメトキシベ
ンゼンなどのジアルコキシ化合物および1,3,5−ト
リメトキシベンゼン、5−アリル−1,2,3−トリメ
トキシベンゼン、5−アリル−1,2,4−トリメトキ
シベンゼン、1,2,3−トリメトキシ−5−(1−プ
ロペニル)ベンゼン、1,2,4−トリメトキシ−5−
(1−プロペニル)ベンゼン、1,2,3−トリメトキ
シベンゼン、1,2,4−トリメトキシベンゼンなどの
トリアルコキシ化合物などが挙げられるが、これらの中
でジアルコキシ化合物およびトリアルコキシ化合物が好
適である。これらのアルコキシ基含有芳香族化合物は、
それぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を組み合せて
用いてもよい。すなわち、より具体的に説明すると、例
えば、一般式中、mが1〜6の整数であって、nが0で
あるアルコキシ基含有芳香族化合物としては、o−ジメ
トキシベンゼン、m−ジメトキシベンゼン、p−ジメト
キシベンゼン、1,3,5−トリメトキシベンゼン、
1,2,3−トリメトキシベンゼン、1,2,4−トリ
メトキシベンゼンなどが挙げられる。また、一般式中、
mが1〜6の整数であって、nが1であるアルコキシ基
含有芳香族化合物としては、m−メトキシトルエン、ビ
ニルアニソール、p−(1−プロペニル)アニソール、
p−アリルアニソール、1,3−ビス(p−メトキシフ
ェニル)−1−ペンテン、3,4−ジメトキシトルエ
ン、1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼン、5−ア
リル−1,2,3−トリメトキシベンゼン、5−アリル
−1,2,4−トリメトキシベンゼン、1,2,3−ト
リメトキシ−5−(1−プロペニル)ベンゼン、1,
2,4−トリメトキシ−5−(1−プロペニル)ベンゼ
ンなどが挙げられる。さらに、一般式中、n+mが2で
あるアルコキシ基含有芳香族化合物としては、m−メト
キシトルエン、ビニルアニソール、p−(1−プロペニ
ル)アニソール、p−アリルアニソール、1,3−ビス
(p−メトキシフェニル)−1−ペンテン、o−ジメト
キシベンゼン、m−ジメトキシベンゼン、p−ジメトキ
シベンゼンなどが挙げられる。また、n+mが3である
アルコキシ基含有芳香族化合物としては、3,4−ジメ
トキシトルエン、1−アリル−3,4−ジメトキシベン
ゼン、1,3,5−トリメトキシベンゼン、1,2,3
−トリメトキシベンゼン、1,2,4−トリメトキシベ
ンゼンなどが挙げられる。また、n+mが4であるアル
コキシ基含有芳香族化合物としては、5−アリル−1,
2,3−トリメトキシベンゼン、5−アリル−1,2,
4−トリメトキシベンゼン、1,2,3−トリメトキシ
−5−(1−プロペニル)ベンゼン、1,2,4−トリ
メトキシ−5−(1−プロペニル)ベンゼンなどが挙げ
られる。
【0031】本発明に用いられる触媒系における電子供
与性化合物(D)としては、酸素、窒素、リン、イオ
ウ、ケイ素などを含有する化合物であり、基本的にはプ
ロピレンの重合において、規則性の向上能を有するもの
が考えられる。
【0032】このような電子供与性化合物としては、例
えば、有機ケイ素化合物、エステル類、チオエステル
類、アミン類、ケトン類、ニトリル類、ホスフィン類、
エーテル類、チオエーテル類、酸無水物、酸ハライド
類、酸アミド類、アルデヒド類、有機酸類などを挙げる
ことができる。更には、例えば、ジフェニルジメトキシ
シラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジベンジルジメ
トキシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラフェノキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキ
シシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリ
エトキシシラン、ベンジルトリメトキシシランなどの有
機ケイ素化合物、フタル酸−n−ブチル、フタル酸ジイ
ソブチルなどの芳香族ジカルボン酸エステル、安息香
酸、p−メトキシ安息香酸、p−エトキシ安息香酸、ト
ルイル酸などの芳香族モノカルボン酸の炭素数1〜4の
アルキルエステル、イソプロピルメチルエーテル、イソ
プロピルエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、
t−ブチルエチルエーテル、t−ブチル−n−プロピル
エーテル、t−ブチル−n−ブチルエーテル、t−アミ
ルメチルエーテル、t−アミルエチルエーテルなどの非
対称エーテル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパ
ン)、2,2’−アゾビス(2−エチルプロパン)、
2,2’−アゾビス(2−メチルペンタン)、α,α’
−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス
(1−シクロヘキサンカルボン酸)、(1−フェニルメ
チル)−アゾジフェニルメタン、フェニルアゾ−2,4
−ジメチル−4−トリキシペンタンニトリルなどのアゾ
結合に立体障害置換基が結合して成るアゾ化合物などが
挙げられ、これらは一種を用いてもよいし、二種以上を
組み合せて用いてもよい。 具体的には、ジメチルフタ
レート、ジエチルフタレート、ジプロピルフタレート、
ジイソブチルフタレート、メチルエチルフタレート、メ
チルプロピルフタレート、メチルイソブチルフタレー
ト、エチルプロピルフタレート、エチルイソブチルフタ
レート、プロピルイソブチルフタレート、ジメチルテレ
フタレート、ジエチルテレフタレート、ジプロピルテレ
フタレート、ジイソブチルテレフタレート、メチルエチ
ルテレフタレート、メチルプロピルテレフタレート、メ
チルイソブチルテレフタレート、エチルプロピルテレフ
タレート、エチルイソブチルテレフタレート、プロピル
イソブチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、
ジエチルイソフタレート、ジプロピルイソフタレート、
ジイソブチルイソフタレート、メチルエチルイソフタレ
ート、メチルプロピルイソフタレート、メチルイソブチ
ルイソフタレート、エチルプロピルイソフタレート、エ
チルイソブチルイソフタレートおよびプロピルイソブチ
ルイソフタレートなどの芳香族ジカルボン酸ジエステ
ル、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピ
ル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸
エチル、酢酸エチル、吉草酸エチル、クロロ酢酸メチ
ル、ジクロロ酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロト
ン酸エチル、ピバリン酸エチル、マレイン酸ジメチル、
シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸エチル、安
息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、
安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸
ベンジル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、アニ
ス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、p−ブトキシ安
息香酸エチル、o−クロロ安息香酸エチルおよびナフト
エ酸エチルなどのモノエステル、γ−バレロラクトン、
クマリン、フタリド、炭酸エチレンなどの炭素数2〜1
8のエステル類、安息香酸、p−オキシ安息香酸などの
有機酸類、無水コハク酸、無水安息香酸、無水p−トル
イル酸などの酸無水物類、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾ
フェノン、ベンゾキノンなどの炭素数3〜15のケトン
類、アセトアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズア
ルデヒド、トルアルデヒド、ナフチルアルデヒドなどの
炭素数2〜15のアルデヒド類、アセチルクロリド、ベ
ンジルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリ
ドなどの炭素数2〜15の酸ハライド類、メチルエーテ
ル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチ
ルエーテル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、ア
ニソール、ジフェニルエーテル、エチレングリコールブ
チルエーテルなどの炭素数2〜20のエーテル類、酢酸
アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミドなどの酸ア
ミド類、トリブチルアミン、N,N’−ジメチルピペラ
ジン、2,2,6,6 −テトラメチルピペリジン、トリベンジ
ルアミン、アニリン、ピリジン、ピコリン、テトラメチ
ルエチレンジアミンなどのアミン類、アセトニトリル、
ベンゾニトリル、トルニトリルなどのニトリル類などを
挙げることができる。
【0033】これらの中で、有機ケイ素化合物、エステ
ル類、エーテル類、ケトン類および酸無水物が好まし
く、特に、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリ
エトキシシランなどの有機ケイ素化合物、フタル酸ジ−
n−ブチル、フタル酸ジイソブチルなどの芳香族ジカル
ボン酸ジエステル、安息香酸、p−メトシキ安息香酸、
p−エトキシ安息香酸、トルイル酸などの芳香族モノカ
ルボン酸の炭素数1〜4のアルキルエステルなどが好適
である。芳香族ジカルボン酸ジエステルは、触媒活性お
よび活性持続性を向上させるので特に好ましい。
【0034】本発明に用いる触媒系の各成分の使用量に
ついては、固体成分(A)は、チタン原子に換算して反
応容積1当り、通常0.0005〜1モルの範囲になる
ような量が用いられる。また、有機アルミニウム化合物
(B)は、アルミニウム/チタンの原子比が、通常1〜
3000、好ましくは40〜800になるような量が用
いられ、この量が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不十
分になるおそれがある。さらに、アルコキシ基含有芳香
族化合物(C)は、固体成分(A)中のチタン原子に対
するモル比が、通常0.01〜500、好ましくは1〜
300になるような割合で用いられ、この量が0.01
未満では生成ポリマーの物性が低下するおそれがある
し、500を超えると触媒活性が低下する傾向が生じ
る。電子供与性化合物(D)は、前記アルコキシ基含有
芳香族化合物(C)に対するモル比[(C)/(D)]
が、通常0.01〜100、好ましくは0.2〜100
になるような割合で用いられる。
【0035】次に、前述した触媒系を用いて行なわれる
本発明のオレフィン重合体の製造方法について説明す
る。本発明においては、前述した触媒系の存在下に、少
なくとも一種のα−オレフィンを重合させることによ
り、α−オレフィンホモ重合体(例えば、プロピレンホ
モ重合体など)または、α−オレフィン共重合体(例え
ば、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、エ
チレン−プロピレンブロック共重合体など)を製造す
る。
【0036】本発明において、原料として用いられるα
−オレフィンとしては、炭素数2〜30のものが好まし
く、例えばエチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテ
ン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ペプ
テン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1など
が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、
二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】重合形式としては、気相重合やバルク重合
などの無溶媒重合法が用いられるが、気相重合を用いる
ことが好ましい。
【0038】ここで、気相重合には、一段階で重合を行
なう場合(気相一段重合法)と、気相多段重合法により
行なう場合が含まれる。ここで、気相一段重合法は、α
−オレフィンホモ重合体(例えば、プロピレンホモ重合
体など)やプロピレン−α−オレフィンランダム共重合
体などを製造する場合に用いられる。また、気相多段重
合法は、エチレン−プロピレンブロック共重合体やエチ
レン−プロピレン−ポリエン三元ブロック共重合体など
を製造する場合に用いられる。
【0039】気相一段重合法により重合を行なう場合の
反応条件については、重合圧力は通常10〜45kg/
cm2、好ましくは20〜30kg/cm2、重合温度
は、通常40〜90℃、好ましくは60〜75℃の範囲
で適宜選ばれる。重合体の分子量調節は、公知の手段、
例えば、重合器中の水素濃度を調整することにより行な
うことができる。重合時間は原料のオレフィンの種類や
反応温度によって左右され、一概に定めることができな
いが、5分ないし10時間程度で十分である。
【0040】気相一段重合法により重合を行なう場合
に、原料として用いる特に好ましいα−オレフィンとし
ては、単独重合させる場合にはプロピレンが挙げられ、
共重合させる場合にはプロピレンと炭素数4〜30のα
−オレフィンが挙げられる。この共重合の場合、プロピ
レンに対するα−オレフィンのモル比は0.2〜20の
範囲が好ましい。
【0041】気相多段重合法で重合体を製造する場合
は、最初の重合(第1段重合)はα−オレフィンの単独
重合または共重合であり、プロピレンの単独重合または
プロピレンと炭素数4〜30のα−オレフィンとの共重
合が好ましい。分子量調節は公知の手段(例えば、水素
濃度の調節)によって行なうことができる。重合温度
は、通常40〜90℃、好ましくは60〜75℃であ
り、重合圧力は10〜45kg/cm2、好ましくは、
20〜30kg/cm2、そして重合時間は5分〜10
時間である。
【0042】第二回から最終回までの重合(第n段重
合)は、エチレン−プロピレン共重合またはエチレン−
プロピレン−ポリエン共重合である。ここで、ポリエン
としては、非共役ポリエンが好ましく、例えば、ジシク
ロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、5−メチル
−2,5−ノルボルナジエン、5−メチレン−2−ノル
ボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イ
ソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニ
ル−2−ノルボルネン、5−(1−ブテニン)−2−ノ
ルボルネン、シクロオクタジエン、ビニルシクロヘキセ
ン、1,5,9−シクロドデカトリエン、6−メチル−
4,7,8,9−テトラヒドロインデン、2−2’−ジ
シクロペンテニル、トランス−1,2−ジビニルシクロ
ブタン、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−
ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタ
ジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、
3,6−ジメチル−1,7−オクタジエン、4,5−ジ
メチル−1,7−オクタジエン、1,4,7−オクタト
リエン、5−メチル−1,8−ノナジエン、ノルボルナ
ジエン、ビニルノルボルネン等を挙げることができる。
これらの非共役ポリエンのうち、特にジシクロペンタジ
エン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,7−オ
クタジエンが好ましい。
【0043】各々の重合段階において、分子量調節は、
公知の手段(例えば、水素濃度の調節)によって行なう
ことができる。エチレン−プロピレン共重合体の場合
に、エチレン単位含有量の調節は、仕込みガス組成によ
り行なうことができる。また、エチレン−プロピレン−
ポリエン共重合体の場合にも、ポリエン単位含有量調節
は、ポリエン化合物の仕込量により行なうことができ
る。重合温度は20〜90℃,好ましくは40〜50℃
であり、重合圧力は5〜30kg/cm2、好ましくは
10〜20kg/cm2、そして重合時間は5分〜10
時間である。
【0044】なお、上記気相多段重合法によって、エチ
レン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピ
レン−ポリエン三元ブロック共重合体などが製造され
る。
【0045】また、上記した重合に際しては、触媒系を
構成する各成分、すなわち、(A)〜(D)成分を所定
の割合で混合し、接触させた後、ただちにオレフィンを
導入し、重合を開始してもよいし、接触後0.2〜3時
間程度熟成させた後、オレフィンを導入してもよい。さ
らに、この触媒成分は不活性溶媒やオレフィンなどに懸
濁して供給することができる。
【0046】本発明においては、重合後の後処理は常法
により行なうことができる。すなわち、気相重合法にお
いては、重合後、重合器から導出されるポリマー粉体
に、その中に含まれるオレフィンなどを除くために、窒
素気流などを通過させてもよい。また、所望に応じて押
出機によりペレット化してもよく、その際、触媒を完全
に失活させるために、少量の水、アルコールなどを添加
することもできる。また、バルク重合法においては、重
合後、重合器から導出されるポリマーから完全にモノマ
ーを分離したのち、ペレット化することもできる。
【0047】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。 [実施例1] (1)固体触媒成分(ロ)の調製 十分に窒素置換した内容積0.5リットルのガラス製耐
圧三ツ口フラスコに、精製ヘプタン20ml、Mg(O
Et)24gおよびフタル酸ジ−n−ブチル1.2gを
加え、系内を90℃に保ち、かきまぜながらTiCl4
4mlを滴下した後、更にTiCl4111mlを追加
投入して、系内の温度を110℃に昇温した。110℃
で2時間反応させた後、80℃の精製ヘプタンで洗浄し
た。得られた固相部にTiCl4115mlを加え、1
10℃でさらに2時間反応させた。反応終了後、生成物
を精製ヘプタン100mlで数回洗浄して、固体触媒成
分(ロ)とした。 (2)固体成分(A)の調製 十分に窒素置換した内容積2.5リットルのガラス製耐
圧三ツ口フラスコに精製ヘプタン1.7リットル、Al
Et30.07モル、ジフェニルジメトキシシラン(D
PDMS)0.05ミリモルおよび前記(1)で調製し
た固体触媒成分(ロ)120gを加えた。系内を30℃
に保ち、攪拌しながらプロピレンを連続的に供給し、内
圧を0.5kg/cm2に保った。この反応を1時間継
続した後精製ヘプタン1リットルで5回洗浄し、固体成
分(A)を得た。 (3)気相第1段重合 ポリプロピレンパウダー20gを含む5リットルのステ
ンレス製耐圧オートクレーブに、AlEt3 3ミリモ
ル、1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼン(ADM
B)0.15ミリモル、ジフェニルジメトキシシラン
(DPDMS)0.23ミリモルおよび前記(2)の固
体成分(A)100mg(Ti原子に換算して0.06
ミリモル)を含むヘプタン溶液20mlを加えた。系内
を5分間排気後、全圧が29kg/cm2になるまでプ
ロピレンガスを供給しながら70℃で1.7時間気相重
合を行なった。なお、1−アリル−3,4−ジメトキシ
ベンゼン(ADMB)は、アルコキシ含有芳香族化合物
を表す一般式において、n+mが3の例である。以上の
実施条件を第1表に示す。上記重合の結果、メルトイン
デックス(MI)が0.07(g/10分)のポリプロ
ピレンホモ重合体370gを得た。そのうち沸騰ヘプタ
ン可溶分(HSP分)は35.1wt%であり、固有粘
度([η])は1.95(dl/g)、嵩密度0.33
(g/dl)であり、パウダー性状も良好であった。こ
れらの結果を表1に示す。
【0048】[実施例2〜4]実施例1において、触媒
系の(C)成分である1−アリル−3,4−ジメトキシ
ベンゼン(ADMB)、(D)成分であるジメトキシジ
フェニルシラン(DMDPS)の量を変えた以外は実施
例1と同様に行なった。
【0049】[実施例5〜7]実施例1において、触媒
系の(C)成分および(D)成分の種類を変えた以外は
実施例1と同様に行なった。なお、実施例7で使用した
o−ジメトキシベンゼン(DMB)は、アルコキシ含有
芳香族化合物を表す一般式において、n+mが2の例で
ある。
【0050】[実施例8および9]実施例1において、
重合時に水素を加えた以外は実施例1と同様に行なっ
た。
【0051】[実施例10および11]実施例1におい
て、重合温度を変えた以外は実施例1と同様に行なっ
た。
【0052】[実施例12〜14]実施例1において、
触媒系の(A)成分の量および/または種類を変えた以
外は実施例1と同様に行なった。
【0053】[参考例1]実施例1において、固体成分
(A)の調製を以下のように変えた以外は実施例1と同
様に行なった。十分に窒素置換した内容積0.5リット
ルのガラス製耐圧三ツ口フラスコに精製ヘプタン0.4
リットル、ポリプロピレンパウダー90g、AlEt3
0.01モル、ジフェニルジメトキシシラン(DPDM
S)0.005モルおよび固体触媒成分(ロ)30gを
攪拌下投入した。15分間攪拌後、上澄を除去し、真空
乾燥して固体成分(A)を得た。
【0054】[比較例1]実施例1において、触媒系の
(D)成分(DMDPS)を加えない以外は実施例1と
同様に行なった。
【0055】[比較例2]実施例1において、触媒系の
(C)成分(ADMB)を加えない以外は実施例1と同
様に行なった。上記実施例2〜15および比較例1〜2
の実施条件および結果を表1に示す。
【0056】[実施例16] (1)固体触媒成分(ロ)の調製 上記実施例1における(1)と同様にして固体触媒成分
(ロ)を調製した。 (2)固体成分(A)の調製 上記実施例1における(2)と同様にして固体成分
(A)を調製した。 (3)気相第1段重合 上記実施例1における(3)と同様にして気相重合を行
なった。 (4)気相第2段重合 前記(3)の気相重合反応が終了した後、系内を脱圧、
排気した後、エチレン−プロピレン混合ガス(モル比1
/4)を11kg/cm2まで供給し、50℃で1.4
時間気相重合を行なった。以上の実施条件を表2に示
す。上記重合の結果、固有粘度([η])が3.86d
l/gであるポリプロピレンホモ重合体65重量%と、
固有粘度([η])が4.81dl/gなるエチレン−
プロピレンブロック共重合体35重量%とからなる、メ
ルトインデックス(MI)が0.1(g/10分)のエ
チレン−プロピレンブロック共重合体810gが得られ
た。これらの結果を表3に示す。
【0057】[実施例17〜19]実施例16におい
て、第2段目重合時間を変えた以外は実施例16と同様
に行なった。
【0058】[実施例20および21]実施例16にお
いて、第2段目のガス組成を変えた以外は実施例16と
同様に行なった。
【0059】[実施例22〜24]実施例16におい
て、重合時に水素を加えた以外は実施例16と同様に行
なった。
【0060】[比較例3]実施例16において、触媒系
の(C)成分(ADMB)を加えない以外は実施例16
と同様に行なった。上記実施例17〜24および比較例
3の実施条件を表2に、結果を表3に示す。
【0061】次に、上記実施例16〜24および比較例
3で得られた各重合体組成物について、メルトインデッ
クス(MI)ショア硬度、降伏応力、破断応力、破断伸
び、引張り弾性率およびアイゾット衝撃試験値などの物
性値の測定を行なった。その測定結果を表3に示す。
【0062】なお、各測定は以下の方法によって行なっ
た。メルトインデックス(MI)測定 測定条件として、試験温度230℃および試験荷重2.
16Kgfを用い、JIS−K7210に準拠して測定
した。ショア硬度D(デュロメーターD硬さ) 試験片として、厚さ3mm板(プレス成形品)を用い、
試験温度23℃の条件下で、JIS−K7215に準拠
して測定した。引張試験 試験片としてJIS2号型ダンベル(厚さ1mm、プレ
ス成形品)を用い、試験速度50mm/minおよび試
験温度23℃の条件下でJIS−K7113に準拠して
降伏応力、破断応力、破断伸びおよび引張り弾性率を測
定した。アイゾット衝撃試験 試験片として、JIS2号のA切欠き(厚さ3mm、プ
レス成形品)を用い、試験温度−20℃の条件下で、J
IS−K7110に準拠して測定した。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】本発明によると、未加硫状態でも実用性
のある引張強度を有し、柔軟性や低温特性が十分であ
り、表面粘着性が少なく、しかも製造コストの低いオレ
フィン重合体の製造方法が提供される。本発明により製
造される加硫ゴム状オレフィン重合体は、例えば、自動
車部品、工業機械部品、電子・電気部品、建材などの素
材として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオレフィン重合体の製造方法の工程を
示すフローチャート図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無溶媒重合法によるオレフィン重合体の
    製造方法であって、(A)(イ)予備重合法で得られた
    結晶性ポリオレフィンと(ロ)マグネシウム、チタン
    (四価)、ハロゲン原子および電子供与体からなる固体
    触媒成分とから構成される固体成分と、(B)有機アル
    ミニウム化合物と、(C)一般式 【化1】 [式中のR1は炭素数1〜20のアルキル基;R2は炭素
    数1〜10の炭化水素基;mは1〜6の整数;nは0ま
    たは1の整数(ただし、nは(6−m)の整数ではな
    い。)である。]で表わされるアルコキシ基含有芳香族
    化合物と、(D)電子供与性化合物と、から成る触媒系
    を用いることを特徴とするオレフィン重合体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記電子供与性化合物(D)の、前記ア
    ルコキシ基含有芳香族化合物(C)に対するモル比
    [(C)/(D)]を、0.01〜100の範囲内の値
    とすることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重
    合体の製造方法。
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