JPH11254666A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JPH11254666A
JPH11254666A JP5707698A JP5707698A JPH11254666A JP H11254666 A JPH11254666 A JP H11254666A JP 5707698 A JP5707698 A JP 5707698A JP 5707698 A JP5707698 A JP 5707698A JP H11254666 A JPH11254666 A JP H11254666A
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JP
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ink
vibration
signal
generating means
recording
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Application number
JP5707698A
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English (en)
Inventor
Yasushi Oki
靖 大木
Yuji Suemitsu
裕治 末光
Hiroaki Sato
博昭 佐藤
Yasushi Suwabe
恭史 諏訪部
Susumu Hiragata
進 平潟
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微小なインク滴を吐出可能にして、高解像度
の画像を記録できる記録装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 記録装置11は、弾性部材12が基端部
14において振動発生手段16に支持された片持ち梁構
造である。したがって、振動発生手段16を所定の振動
数で振動させることにより、弾性部材12が共振し、先
端部18近傍の振動面からインク滴が吐出して記録用紙
にドットを記録する。このように、微小なインク滴によ
って高解像度の画像を記録することができる。この際、
信号発生手段44から振動発生手段16に印加される駆
動信号の前に予備信号を印加することにより、振動発生
手段16の振動が瞬時に立ち上がり安定状態になる。し
たがって、駆動信号を短くでき、画像記録の高速化も達
成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体上にイン
ク滴などの液滴を吐出して画像記録を行う記録装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】記録媒体に液滴、特にインク滴を吐出し
て印字を行うインクジェット記録方式の代表的なものと
して、ノズルを用いる方式があり、そのノズル式の記録
方式として、従来、オンデマンド型と連続流型とが知ら
れている。
【0003】オンデマンド型は、記録情報に対応してノ
ズルから間欠的にインクを吐出させて印字を行う方式で
あり、代表的なものとしてピエゾ振動子型とサーマル型
とがある。ピエゾ振動子型は、インク室に付設した圧電
素子にパルス電圧を印加して圧電素子を変形させること
によりインク室内のインク液圧を変化させ、ノズルから
インク滴を吐出させて記録紙上にドットを記録するもの
である。サーマル型は、インク室内に設けた加熱素子に
よりインクを加熱し、これにより発生したバブルにより
ノズルからインク滴を吐出させて、記録紙上にドットを
記録するものである。
【0004】一方、連続流型は、インクに圧力を加えて
ノズルから連続的にインクを吐出させると同時に、ピエ
ゾ振動子などにより振動を加えて突出インク柱を液滴化
し、さらに液滴に対して選択的に帯電、偏向を行うこと
によって記録を行うものである。
【0005】しかし、最近では画像記録に対して600
〜720dpi(ドット/インチ)というような高解像
度が要求されてきている。そのような要求を満たすため
には、記録媒体上のドット径を小さくする必要があり、
上記のノズル式の記録方式では、ノズル径を小さくして
吐出されるインク滴径を小さくする必要がある。
【0006】しかしながら、ノズル径を小さくすると、
ゴミやチリによるノズル詰まりや、ノズル内のインク表
面の乾燥によるノズル詰まり、またそれらが原因である
インク吐出方向の変化を生じやすくなり、記録媒体上の
画質に欠陥を生じる。そのため、ノズル径を小さくする
ことによって、要求される解像度に対応したドット径を
達成することは困難である。
【0007】そこで、このようなノズルに起因する問題
を解決する方法として、ノズルを用いないで、振動また
は音響波を用いて、被印字面にインク滴を吐出して印字
を行う記録方式が、いくつか提案されている。
【0008】ノズルを用いない第1の記録方式として
は、例えば、米国特許第4308547号明細書に示さ
れているように、凹状にカーブした球面形状の圧電体シ
ェルをインク中に配置し、この圧電体シェルに電極を介
して電圧を印加する記録方式がある。この方式では、圧
電体シェルからインク中に放射された縦波がインク自由
表面の一点に集められ、インク自由表面からインク滴が
吐出される。
【0009】また、特公平6−45233号公報に示さ
れているように、ガラスなどの基板上に球面状の凹部を
設けてこれを音響レンズとし、基板の裏面に圧電体、お
よびこれに電圧を印加するための電極からなる振動子を
形成して、この振動子をインク中に配置する記録方式も
ある。
【0010】さらに、特開平3−200199号公報に
は、より安価で、よりシャープに焦点を合わせられるレ
ンズとして、凹状レンズの代わりに薄膜平板状の位相フ
レネルレンズを基板上に設けた記録方式が示されてい
る。
【0011】上述における、縦波をインク自由表面に集
束させてインク自由表面からインク滴を吐出させる方式
では、インク滴の径は縦波の集束径にほぼ等しく、その
集束径dは、振動子の駆動周波数をf、レンズのF値を
Fとすると、d〜F/fとなる。なお、インク中を伝搬
する縦波の波長をλ、その伝搬速度をvとすると、これ
らと振動子の駆動周波数fとの間には、v=f・λの関
係がある。
【0012】したがって、例えば、インク滴の径(集束
径)dが15μm程度の非常に小さなインク滴を吐出さ
せようとする場合には、レンズのF値を1とすると、従
来の低粘度・水性インク中の縦波の伝搬速度vは、ほぼ
1500m/sであるので、振動子の駆動周波数fを約
100MHzというような非常に高い周波数にしなけれ
ばならない。レンズのF値は、種々の問題から著しく小
さくすることは実際上困難であるため、インク滴の径d
をより小さくしようとすると、一般にはより高い周波数
で振動子を駆動させなければならないことになる。
【0013】このように、ノズルを用いない第1の記録
方式では、100MHz前後の高い周波数で複数の振動
子を駆動しなければならないため、一般に駆動手段が高
価になるというコスト上の問題を生じるとともに、発熱
によりインク粘度が変化してドロップ径が変動したり、
記録装置内でインク自体の乾燥や固化を生じてインクを
吐出できなくなることがあるという重大な問題を生じ
る。
【0014】ノズルを用いない第2の記録方式として
は、振動発生手段で発生した振動を音響ホーンでインク
自由表面の一点に集束させてインク滴を吐出させるもの
がある。
【0015】例えば、上記の米国特許第4308547
号明細書には、凹状レンズの代わりに振動発生手段上に
形成した音響ホーンにより振動を集束させ、音響ホーン
先端に接触させたベルト上を搬送されてくるインク薄膜
に、この振動を作用させてインク滴を吐出させることが
示されている。ここでは、音響ホーン先端に吐出力が生
成されることになる。
【0016】また、同様の従来技術として、特開平4−
168050号公報には、図13に示すように、集音体
80を振動発生手段82上に設ける記録装置83が示さ
れている。振動発生手段82は、圧電体84およびこれ
に電圧を印加するための電極86a、86bから形成さ
れ、集音体80とともにインク88を保持したインクリ
ザーバ90内に配設される。インク88中に沈んでいる
集音体80は、図13に示すように、先細りの形状に形
成された先端部をインク自由表面92に向けて配設され
ている。
【0017】ここで、振動発生手段82から集音体80
の底部に振動が入射されると、集音体80内を伝搬する
のに伴ってその振幅が増幅され、集音体80で集められ
た大振幅の波がインク88を叩いて、そこで生じた縦波
がインク自由表面92を押し上げ、インク滴94が吐出
されるとしている。
【0018】ただし、米国特許第4308547号明細
書や、特開平4−168050号公報では、集音体また
は音響ホーンを用いるとするものの、その大きさや駆動
条件、振動モードなどは、さらには小径のインク滴を形
成できるか否かについては、述べられていない。
【0019】音響ホーンに関しては、一般に音響学の分
野においては、共振により集音体(または音響ホーン)
の先端の振幅が大きくなるように振動させてインク滴の
吐出力を得ようとする場合、集音体の垂直断面方向の長
さ(高さ)は振動波の波長の1/ 2の整数倍でなければ
ならないことが知られている。
【0020】したがって、図13に示したような従来の
方式において、高密度の記録素子を作製するために集音
体80を小さくしようとすると、振動波の波長も短くし
なければならず、振動発生手段82の駆動周波数を高く
しなければならない。
【0021】したがって、現実的な密度の記録素子を作
製するためには、上述したノズルを用いない第1の記録
方式と同様に、数10MHzから100MHz前後とい
う高い周波数で振動発生手段を駆動する必要がある。こ
のため、インク中のエネルギー減衰が大きいとともに、
駆動回路が高価なものとなる。また、米国特許第430
8547号明細書に開示されているように音響ホーン先
端に接触させたベルトでインク薄膜を安定に搬送するこ
とは、実際上困難であり、吐出するインク滴径もばらつ
きやすい。
【0022】さらに、ノズルを用いない第3の記録方式
として、吐出力として静電力を用いる、いわゆる静電吸
引方式があり、さらにそのインクメニスカス(インク隆
起)を形成するために振動を用いるものが知られてい
る。
【0023】例えば、特開昭62−222853号公報
には、記録針をインク表面から突出させて、これに軸方
向に伝搬する超音波エネルギーを与えることが示されて
いる。これによると、超音波流動(acoustic streamin
g)現象により、記録針に接するインクは記録針の先端
方向に移動して、記録針の先端に凸状のインクメニスカ
スが形成される。その状態で、記録針と背面電極との間
に静電界を印加してインクを引きちぎり、記録針と背面
電極との間に配置された記録媒体上にインク滴を着弾さ
せる。この方式によれば、記録針の先端にインクメニス
カスを形成するため、従来の静電吸引方式に比べて、よ
り小さいインク滴を形成できるとしている。
【0024】しかしながら、静電吸引方式では、湿度な
どによる記録媒体の誘電体の厚みの変動や、記録媒体の
表面の粗さのばらつきなどによって、形成されるドロッ
プ径が変動するという問題を生じる。さらに、静電吸引
方式では、帯電したインク滴を吐出させることで、記録
媒体上の先行ドットの残留電荷によりドット位置ばらつ
きが大きくなるという問題を生じる。
【0025】上記以外の従来技術として、特開平6−3
40070号公報において、新規のオンデマンド型の記
録方式が開示されている。これは、片持ち梁構造の梁を
曲げ振動で共振させて、梁の先端に十分な振幅を発生さ
せ、インクを飛翔させるものであり、比較的低い励振周
波数および低い電圧でインクを吐出できる可能性を有す
る記録方式である。しかしながらこの記録方式は、梁先
端に設けられたノズルを介してインク滴を形成する機構
を用いており、前述したノズル式の各種記録方式と同
様、インク滴の径はノズル径で決定され、ノズル径を小
さくすると、ノズル詰まりやノズル円周部へのインク残
滓の付着によるインク吐出方向の変化を生じるといった
課題を有している。この特開平6−340070号公報
に開示された技術は、従来方式に比べノズル詰まりの問
題が生じる可能性を少なくすることを解決すべき技術的
課題の一つとしているが、インク滴の径がノズル径で決
まる以上、根本的な解決とはなり得ない。
【0026】さらに別の従来技術として、インクジェッ
ト記録方式ではないものの、振動エネルギーを作用させ
て液体を微粒子化する方法が、特開平3−154665
号公報に記載されている。この方法は霧化装置に適用す
べくなされたものであって、圧電磁器を含む振動子と、
振動子に固着され片持ち梁の形で曲げ振動する振動部か
らなり、振動部の一部を液体に漬けて、超音波の放射に
より霧状の液滴を発生させるものである。しかしながら
この霧化装置に用いられている技術では、ノズルを用い
ずに微小径のインク滴を生成することができるものの、
時間的、空間的に制御されていない多数のインク滴が生
成されてしまうので、記録媒体の所定位置に正確にイン
ク滴を着弾させる必要があるインクジェット記録ヘッド
には応用し得ない。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】このように、近年益々
記録媒体に対する高解像度の画像記録が求められている
が、従来のいずれの記録方式、あるいは霧化装置等の他
の分野における技術を用いても、これらの要望に応える
ことが難しい。また、同時に、画像記録の高速化も強く
求められている。
【0028】本発明は、上記の課題を解決するために、
ノズルを用いずに微小なインク滴を吐出可能とし、高解
像度の画像を高速に記録できる記録装置を提供すること
を課題とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、画像情報に対応して信号を出力する信号発生手段
と、前記信号が入力されることにより振動する振動発生
手段と、前記振動発生手段の励振に応じて振動する片持
ち梁構造であるとともに、インクに接触している弾性部
材と、を備え、前記信号発生手段は、前記振動発生手段
を振動させて弾性部材の表面に形成されたインク薄膜か
らインク滴を飛翔させる駆動信号の前に、前記駆動信号
の周波数と同一またはその整数倍の周波数であり、前記
駆動信号と同期する予備信号を出力することを特徴とす
る。
【0030】請求項1記載の本発明の作用について説明
する。画像情報に対応して信号発生手段から振動発生手
段に駆動信号が入力されて振動発生手段が振動し、この
振動発生手段の励振によって弾性部材が振動する。この
弾性部材の振動によって前記弾性部材に形成されたイン
ク薄膜からインク滴が飛翔する。このように、ノズルを
使わずに微小なインク滴を生成できるため、目詰まりな
どなく、安定してインク滴を飛翔させることができる。
この結果、高解像度の画像記録が可能になる。
【0031】この際、信号発生手段は、駆動信号の前に
駆動信号の周波数と同一またはその整数倍の周波数であ
り、駆動信号と同期する予備信号を振動発生手段に入力
する。したがって、振動発生手段が駆動信号が入力され
る前に予備信号により予め振動させられており、駆動信
号が入力された時に所定の振動状態まで素早く立ち上が
る。すなわち、インク薄膜にインク滴吐出のためのエネ
ルギーを伝える信号の入力時間が短くて済み、画像記録
の高速化が図れる。
【0032】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]本発明の第1の
実施形態に係る記録装置について図1〜図4を用いて説
明する。
【0033】まず、本実施形態に係る記録装置の概略説
明を行う。図1および図2は、記録装置11の側面図お
よび正面図である。図2は、理解を容易にするため、図
1に示したインク室壁30a、30bは図示を省略して
いる。
【0034】記録装置11は、記録ヘッド10と信号発
生手段44から構成されている。記録ヘッド10には、
弾性部材12が基端部14で振動発生手段16に支持さ
れ、先端部18が自由端となる片持ち梁構造に配設され
ている。振動発生手段16は、信号発生手段44からの
駆動信号に基づいて励振し、この励振により弾性部材1
2が共振する。この際、弾性部材12には、図示しない
インク供給源からインク室20に供給されたインク22
が表面張力により先端部18まで到達している。したが
って、弾性部材12の曲げ振動により先端部18近傍に
形成されたインク22の薄膜からインク滴48が飛翔し
て記録媒体である記録用紙にドットを記録する。
【0035】次に、記録装置11を構成する各部材につ
いて詳細に説明する。弾性部材12は、正面からみる
と、先端部18近傍が先細の略三角形状になっており、
側面からみると板厚が均一な板体である。弾性部材12
は、セラミック基板24a、24bの間に基端部14が
挟持固定された片持ち梁構造となっているため、振動発
生手段16の励振によって曲げ振動を行うと、自由端で
ある先端部18が最も大きな振幅を有することになる。
また、弾性部材12の一部は、インク室20に保持され
たインク22に接触するように構成されている。
【0036】弾性部材12は、振動発生手段16の振動
を曲げ振動に変換可能であり、先端部18近傍にインク
滴吐出に十分な振幅を発生可能な部材であればよく、材
質、形状等は特に限定されないが、加工性やコスト等の
面から、SUS、Ni等の金属材料、SiO2、Al2O3 等の
無機材料、ポリイミド樹脂、PET(ポリエチレンテレ
フタレート)、エポキシ樹脂、シアノアクリレート樹脂
等の高分子材料が好適である。
【0037】また、弾性部材12を変質、腐食、異物付
着等から保護する目的で、金、白金、パラジウム、ロジ
ウム等の金属及びPTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)等の薄膜で表面を被覆することは効果的である。
【0038】振動発生手段16はPZT(ジルコン酸チ
タン酸鉛)からなる圧電セラミック薄膜26と、これに
電圧を印加するための電極28a、28bから構成され
る。振動発生手段16は、セラミック基板24a、24
bの下側(インク室20側と反対側)の面(以下、下面
という)に固着され、弾性部材12の基端部14と当接
している。PZTからなる圧電セラミック薄膜26は分
極処理が施されており、電極28a、28b間に電圧が
印加されたとき、セラミック基板24a、24bの下面
に対して垂直な方向に振動する。
【0039】また、本実施形態の圧電セラミック薄膜2
6は圧電材料としてPZTを選択したが、他に水晶、チ
タン酸バリウムBaTiO3、ニオブ酸鉛PbNb2O6 、ビスマス
ゲルマネイトBi12GeO20 、ニオブ酸リチウムLiNbO3、タ
ンタル酸リチウムLiTaO3等の多結晶体や単結晶体、また
はZnO やAlN 等の圧電薄膜、またはポリ尿素、PVDF
(ポリフッ化ビニリデン)やPVDFの共重合体等の圧
電性高分子、またはPZT等の無機圧電物質と圧電性高
分子との複合体等を用いることもできる。もちろん、記
録ヘッドの設計する際に、駆動周波数に応じて最適な圧
電材料を選択しなければならない。例えば、印加する交
流周波数が数十kHz〜1MHzの間であれば、PZT
のようなセラミックが良く、より高い周波数で駆動する
場合にはZnO 等のように高周波に対応する圧電薄膜が選
択される。いずれにしろ、安定し、かつ十分な振動を発
揮する振動特性を持つものである必要がある。なお、振
動発生手段16を構成する圧電材料自体で弾性部材12
を形成するようにしてもよい。
【0040】振動発生手段16は圧電材料に限定され
ず、画像情報を受け取った信号発生手段44から入力さ
れる電気信号に応じて振動を発生するものであればよ
く、圧電材料、磁歪材料、機械式アクチュエータ、静電
気力を応用したアクチュエータ等が適用可能である。
【0041】インク室20は、セラミック基板24a、
24bに上にセラミック材料で作成されたインク室壁3
0a、30b、隔壁42および天板32により構成され
る。インク22はインク供給路34を通して、図示しな
いインク供給源からインク室20に供給される。このと
き、インク22によって弾性部材12の先端部18まで
濡れるように、インク22の表面張力や粘性等の物性、
あるいは弾性部材12の濡れ性を調整する。なお、イン
ク室壁30a、隔壁42および天板32によって形成さ
れる孔部がインク滴吐出口36となる。
【0042】各インク室20の下部(セラミック基板2
4a、24bの下面)には、各弾性部材12には対応す
る振動発生手段16がそれぞれ設けられている。この振
動発生手段16における圧電セラミック薄膜26は、個
別に形成して駆動してもよいが、本実施形態では図2に
示すように共通化している。共通化した場合には、各電
極28a間に絶縁部材38を設けて絶縁するとともに、
いずれかの振動発生手段16で発生する振動が他の振動
発生手段16上の弾性部材12を励振させてしまうこと
がないように、アルミ板からなる支持基板40により圧
電セラミック薄膜26を固定することが望ましい。ま
た、各インク室20は、隔壁42によって隔てられ、弾
性部材12によるインク液面の振動が隣接するインク室
20のインク液面に影響しないように構成されている。
【0043】インク室20を構成するセラミック基板2
4a、24b、インク室壁30a、30b、天板32、
隔壁42は、全て同一のセラミック材料で作製すること
が望ましく、一体成形、または個別に形成してから接着
するいずれかの方法で作製することができる。また、セ
ラミック基板の代わりにプラスチック基板を用いてもよ
い。
【0044】次に、記録装置11の動作について図3〜
図9を用いて説明する。図3は振動発生手段16で振動
を発生させたときの弾性部材12の様子を示した側面図
である。図4は曲げ振動している弾性部材12の先端部
18の側面拡大図である。
【0045】先ず、画像信号が1画素ずつ信号発生手段
44に入力される。これにより、信号発生手段44から
振動発生手段16に駆動周波数fの交番電圧波形である
駆動信号が印加され、この駆動信号で振動発生手段16
が励振される。
【0046】ここで、駆動周波数fはいかなる値でもよ
いが、振動発生手段16の共振周波数fO またはその整
数倍の周波数fで駆動すると効率よく振動させられるの
で好ましい。ここで、共振周波数fO は、セラミック基
板24a、24bの剛性、圧電セラミック薄膜26の厚
さ、圧電特性から決まる。
【0047】振動発生手段16の励振は、信号発生手段
44から入力される駆動信号に応じて1インク滴の飛翔
を実現するように、1インク滴の飛翔に必要な励振数を
終了するごとに間欠的に励振を区切るものである。
【0048】すなわち、振動発生手段16の励振には、
励振周期を1周期とする波形が少なくとも1つ以上連な
った駆動信号(図5(a)参照)を用い、これらを画像
信号に応じて断続的に印加するバースト波を用いる。た
だし、バースト波は、図示した矩形波に限らず、サイン
波や三角波等でもよい。
【0049】インク滴48を吐出させるためのエネルギ
ーは、振動発生手段16の励振周期を1周期とする波形
の数(バースト数という)と印加電圧で決まる。振動発
生手段16に印加する交番電圧の電圧値Vやバースト波
の数は、使用するインクの粘度、インク薄膜の厚さ(以
下、インク液厚みという)t(図4参照)等の条件によ
って決まる。
【0050】このように振動発生手段16が励振される
ことにより、弾性部材12が共振し、セラミック基板2
4a、24bに挟持された基端部14を中心にして矢印
A方向(図3参照、以下A方向という)に曲げ振動を行
う。
【0051】ここで、弾性部材12は、その剛性、大き
さ、インクとの接触の仕方などから決まる固有の共振周
波数fe を有する。したがって、固有の共振周波数fe
またはこの整数倍の値が、振動発生手段16を励振する
駆動周波数fと一致するように、弾性部材12の剛性、
大きさ、インクとの接触の仕方などを調整しておけば、
弾性部材12を効率よく曲げ振動させることができる。
【0052】このように弾性部材12が曲げ振動するこ
とによって、先端部18の振動方向に垂直な面(以下、
振動面という)45におけるインク液厚みtが所定範囲
(数μm〜数百μm)になると、インク表面にキャピラ
リ波46が発生する(図4参照)。インク22は例え
ば、粘度2mPa・sの黒色水性インクである。インク
液厚みtは弾性部材12の先端部18の形状、インク室
20におけるインク22の液面高さ、先端部18のイン
ク22に対する濡れ性などを制御することによって調整
可能である。
【0053】キャピラリ波46が発生する状態を図6〜
図8を参照して説明する。図6は弾性部材12の先端部
18近傍の正面拡大図であり、図7および図8は、図6
のX−X線断面図である。
【0054】キャピラリ波46は、弾性部材12の曲げ
振動方向に対して垂直な方向(矢印B方向、以下、B方
向という)に発生している。ある時間tにおいて、図7
に示すように、弾性部材12のB方向の幅Wに対して波
長λがW=2λとなるようなキャピラリ波46が2山発
生している。微小時間Δt経過後の時間t+Δtにおい
て、図8に示すように、2山のキャピラリ波46の間か
ら1山のインク隆起部が形成され、これが分離して1イ
ンク滴が飛翔する。
【0055】振動発生手段16が繰り返し励振すること
で、弾性部材12から連続して一滴ずつインク滴48が
飛翔する。
【0056】このように、一滴ずつインク滴48を安定
的に飛翔させるためには、弾性部材12の先端部18近
傍において、弾性部材12の振動面45における幅をW
とし、次式で算出される値をλとしたときに、先端部1
8近傍の少なくとも一部の幅Wがほぼ2λとなるように
することが望ましい。
【0057】 λ=[8πσ/(ρfe 2)]1/3×104(μm) ・・・式(1) ここで、σは、インク表面張力(mN/m) ρは、インク密度(g/cm3) feは、励振周波数(Hz) 上記式(1)は、一般の参考書、例えば、千葉近著『超
音波噴霧』(山海堂)第7章第2節に、キャピラリ波の
波長を与える式として記載されているものである。
【0058】幅Wは2λの値に出きるかぎり近い方が良
く、1.2λ〜2.4λの範囲にするのが好ましい。こ
のようにして生成された微小なインク滴48は、振動発
生手段16に入力された適切な波形の駆動信号により弾
性部材12の先端部18近傍のインク飛翔点Pから振動
面45に垂直な方向に安定して飛翔し、記録用紙にドッ
トを記録する。
【0059】なお、先端部18近傍における振動面45
の幅Wが1λ程度以下であると、インク22の薄膜にキ
ャピラリ波が発生しにくくなり、振動発生手段16の励
振電圧を大きくするか、バースト数を増やすかしないと
インク滴が飛翔しない。また、飛翔させた場合も、安定
したインク滴の飛翔とはならない。
【0060】また、振動面45の幅Wが3λ程度以上の
場合も、キャピラリ波は発生しにくい。上述と同様に、
振動発生手段16の励振電圧を大きくするか、あるいは
バースト数を増やすことによってキャピラリ波を発生さ
せることができるが、その場合は、キャピラリ波が3山
以上生成されて複数のインク滴が飛翔するようになり、
安定した1インク滴の飛翔が困難となる。
【0061】このように、信号発生手段44から入力さ
れる駆動信号により振動発生手段16を励振させて弾性
部材12を曲げ振動させる記録装置11は、先端部18
近傍の幅W=2λ付近の振動面45から記録用紙にイン
ク滴48を一滴ずつ安定的に飛翔させる。
【0062】このように記録装置11では、弾性部材1
2の先端部18の振幅を十分大きくすることによって、
キャピラリ波46のインク隆起部がインク滴48となっ
て飛翔する。インク滴48の直径は典型的には約20μ
mである。
【0063】また、記録装置11では、先端部18にお
いて一方向(インク滴吐出口36側)のみに飛翔させる
ため、飛翔させない側(インク室壁30b側)のインク
液厚みtを厚くするようにしてキャピラリ波の発生を抑
制した。インク液厚みtを厚くする方法としては、イン
ク室壁30bのインクの濡れ性を制御してもよいし、イ
ンク室壁30bのインク室20側壁面に凸部を設けてイ
ンクの液面高さを規定してもよい。
【0064】インク滴48を一方向のみに飛翔させるた
めの他の方法として、飛翔させない側の先端部18にイ
ンク22が全く供給されない構成も考えられる。
【0065】さらに、振動面45においてキャピラリ波
46が発生する領域を制限するため、先端部18の形状
は図2に示すような先鋭状である三角形状とし、1ヵ所
のキャピラリ波46のみからインク滴48が吐出するよ
うな構成とした。
【0066】このように構成された記録装置11は、弾
性部材12からインク滴48を飛翔させる駆動信号の前
に弾性部材12を予備振動させる予備信号をつけた入力
信号を信号発生手段44から振動発生手段16に入力す
ることによって、画像記録の高速化を図っている。
【0067】そこで、予備信号付き駆動信号と予備信号
無し駆動信号をそれぞれ振動発生手段16に印加した場
合について比較して、本実施形態の作用を説明する。
【0068】予備信号無しの駆動信号(以下、第1入力
信号という)を信号発生手段44から振動発生手段16
に対して印加した場合について、先ず説明する。
【0069】第1入力信号の交番電圧波形を図5(a)
に示す。本実施形態においては、駆動周波数f、印加電
圧V1(最高最低振幅)の正弦波状の交番電圧をバース
ト波として振動発生手段16に印加時間t1だけ印加す
る。すなわち、駆動周波数fの正弦波状の交番電圧を1
0バースト分印加したことになる。
【0070】また、この第1入力信号(交番電圧)の印
加はインク滴48が吐出した後に停止され、所定の時間
(間隔)t2の経過後、再び第1入力信号(交番電圧)
を印加して次のインク滴48を吐出させる。すなわち、
時間t2の間隔で繰り返し印加される。
【0071】この場合の振動発生手段16の振動状態を
図5(b)に示す。これは第1入力信号(交番電圧)を
振動発生手段16に印加すると、停止していた振動発生
手段16が所定の振幅まで瞬時に立ち上がらず、徐々に
振動が安定していく(振幅が大きくなっていく)様子を
示している。この結果、弾性部材12の振動の立ち上げ
にも時間を要するため、インク滴48を吐出するまでの
第1入力信号の印加時間を長くしなければならなくな
る。したがって、画像記録の高速化が難しい。
【0072】次に、予備信号と駆動信号からなる入力信
号(以下、第2入力信号という)を印加した場合につい
て説明する。
【0073】第2入力信号の交番電圧波形を図9(a)
に示す。振動発生手段16に入力される第2入力信号の
中、駆動信号は第1入力信号と波形が同一でバースト数
のみ異なる。すなわち、第1入力信号の5バースト分、
印加時間t4(t4<t1)だけ印加するものである。
この駆動信号の前に振動発生手段16を振動させる予備
信号を印加する。予備信号は、駆動周波数f、印加電圧
V2(最高最低振幅)(<V1)で印加時間t3だけ印
加するものである。
【0074】ここで重要なのは、予備信号の周波数が駆
動信号の周波数と同一またはその整数倍であることと、
予備信号を駆動信号と同期させることである。このよう
に予備信号を設定することにより、予備信号による振動
発生手段16の振動状態が減衰することなく駆動信号に
よる振動状態に引き継がれることになる。
【0075】このように設定された予備信号が振動発生
手段16に印加されると、振動発生手段16が小さい振
幅で予備振動を行う。この後に駆動信号が印加される
と、振動発生手段16の振動が瞬時に立ち上がり安定す
る(図9(b)参照)。したがって、駆動信号の印加時
間が短く(t4<t1)てすみ、しかも予備信号を含め
た第2入力信号全体の印加時間が第1入力信号より短い
(t3+t4<t1)。
【0076】このように、駆動信号の前に予備信号を振
動発生手段に印加しておくことによって、駆動信号入力
後の振動発生手段16の振動が瞬時に立ち上がる(振動
が安定する)。したがって、第2入力信号(駆動信号)
を短くできる。これにより、画像記録の高速化が可能と
なる。
【0077】なお、入力信号(予備信号+駆動信号)の
印加時間を短くするためには、予備信号が少なくとも駆
動信号の1周期以上の時間、印加されることが好まし
い。また、予備信号の印加電圧は、予備信号の印加だけ
でインク滴が吐出しないものでなければならない。 [実施例]本発明の実施例について説明する。なお、記
録装置11の構成は第1実施形態と同様である。
【0078】弾性部材12の寸法は、図1、図2および
図6に示すように、基端部14の幅aが300μm、イ
ンク室内の高さbが280μm、先端部18近傍の幅W
が60μm、厚さDが10μmである。本実施例の弾性
部材12は、ニッケルを用いてエレクトロフォーミング
によって形成される。また、弾性部材12は約100μ
m厚のセラミック基板24a、24bとの間に挟まれる
ように固着されている。
【0079】なお、インク22には以下の物性(密度ρ
および表面張力σ)を備えている。 ρ=1.10g/cm3 σ=37mN/m この構成において、振動発生手段16の励振周波数fe
をfe=192kHzとして励振すると、弾性部材12
の先端部18が曲げ振動し、先端部18近傍の振動面4
5(インク飛翔点P)からインク22がインク滴48と
して安定して一滴ずつ飛翔する。
【0080】一方、本実施例におけるインク22の密度
ρおよび表面張力σと励振周波数feの値を上記(式
1)に代入して得られる値は、λ=28μmとなる。従
って、安定的にインク滴24が飛翔した振動面45の先
端部18近傍の幅W(=60μm)は、W=2.1λと
なり、ほぼ2λに等しい。
【0081】このように構成された記録装置11におい
て、予備信号付きの第2入力信号が振動発生手段16に
入力されることにより、画像記録の高速化が行われる作
用を以下のようにして確認した。
【0082】まず、予備信号無しの第1入力信号で振動
発生手段16を励振させた場合について説明する。
【0083】第1入力信号は、図5(a)に示すよう
に、駆動周波数f=192kHz、印加電圧V=30V
p-p(最高最低振幅)の正弦波状の交番電圧をバースト
波として印加時間t1=52μ秒だけ振動発生手段16
に印加するものである。
【0084】この第1入力信号を印加することによる振
動発生手段16の振動波形を図10(a)に示す。この
ように振動発生手段16は、第1入力信号が入力された
直後は立ち上げのため振動が安定せず、安定するまでの
時間分、余計に振動発生手段16に駆動信号を入力しな
ければならない。そこで、印加時間t1=52μ秒(1
0バースト分)にわたって第1入力信号を印加すること
によって、飛翔方向の安定したインク滴が吐出した。
【0085】次に、第1入力信号を26μ秒(5バース
ト分)として画像記録実験を行ったときの振動発生手段
16の振動波形を図10(b)に示す。この場合も、第
1入力信号が入力された直後は振動発生手段16の振動
が立ち上げのため安定せず、インク滴は吐出するものの
飛翔方向がばらつく結果になった。
【0086】最後に、インク滴が飛翔しない程度の予備
信号が付いた第2入力信号を用いて画像記録実験を行っ
た。第2入力信号を印加した場合の振動発生手段16の
振動波形を図10(c)に示す。
【0087】第2入力信号は、図9(a)に示すよう
に、駆動信号が駆動周波数f=192kHz、印加電圧
V1=35Vp-p(最高最低振幅)、予備信号が駆動周
波数f=192kHz、印加電圧V2=10Vp-p(最
高最低振幅)の正弦波状の交番電圧をバースト波として
それぞれ印加時間t4=26μ秒、t3=10μ秒だけ
振動発生手段16に印加するものである。
【0088】このように、駆動信号入力直後から振動発
生手段16の振動が瞬時に立ち上がって安定し、飛翔方
向が安定したインク滴48が吐出した。
【0089】図10(a)と図10(c)を比較する
と、予備振動が無い第1入力信号の場合には、安定した
インク滴48を吐出するために必要な印加時間t1が5
2μ秒とかかるのに対し、予備振動がある第2入力信号
の場合には予備信号(印加時間t3)と駆動信号(印加
時間t4)を加えた第2入力信号全体(t3+t4)で
も36μ秒しかかからず、画像記録の高速化を確認する
ことできた。
【0090】また、図10(a)と図10(c)を比較
すると、駆動信号の印加時間が同じであっても予備信号
が付いた第2入力信号を印加した場合の方が安定してイ
ンク滴を吐出することが観察された。
【0091】さらに、予備信号は振動発生手段16の励
振周波数と同じでなくてもよく、インク滴を吐出する間
隔(以下、吐出周波数という)と同期がとれていれば、
飛翔方向の安定したインク滴48を吐出できることを確
認した。
【0092】それに伴い、振動発生手段16を常時振動
させておくことによってインク滴48を吐出する周波数
は30kHz程度に高速化できることを確認した。一
方、予備振動なしの第1入力信号で画像記録した場合の
吐出周波数は数kHz程度であった。
【0093】以上、駆動信号の前に予備信号を加えた第
2入力信号を振動発生手段16に入力することで、画像
記録の高速化が可能になった。 [第2実施形態]次に、第1の実施形態と同様の記録ヘ
ッドを設置した記録装置について説明する。第1実施形
態と同様な構成要素には、同一の参照符号を付し、その
詳細な説明を省略する。
【0094】先ず、記録装置の主要部であるアレイヘッ
ドについて説明する。図11は、アレイヘッドの斜視図
である。
【0095】アレイヘッド50は、上下方向に4段に重
ねられた記録ヘッド部52a〜52d(第1実施形態の
記録ヘッド10を各インク室に格納)と、記録ヘッド部
52a〜52dの背面に取り付けられたインク供給部5
4a〜54dとを有している。記録ヘッド部52a〜5
2dの間、およびインク供給部54a〜54dの間に
は、支持基板40が設けられている。それぞれの記録ヘ
ッド部52a〜52dには、インク供給部54a〜54
dに一色ずつ格納された黒、イエロー、マゼンタ、シア
ンのインク22がそれぞれ供給され、第1実施形態で説
明した動作に基づいて、インク滴吐出口36から所定の
色のインク滴48を飛翔させる。
【0096】このアレイヘッド50を設置した記録装置
60を図12に示す。記録装置60には、図11で示し
たアレイヘッド50がキャリッジ62に固定され、イン
クカートリッジ64と接続される。インクカートリッジ
64はその内部に黒、イエロー、マゼンタ、シアンの4
色のインク22を保持したものである。キャリッジ62
はガイド66に案内されて往復運動する。記録用紙68
はローラ70に巻き付けられ、ローラ70の回転とキャ
リッジ62の動きによって、記録用紙68の全面にわた
って画像が記録される。
【0097】この場合、本実施形態の記録装置60で
は、キャリッジ62によってアレイヘッド50が紙幅方
向へ移動し、第1の実施形態の記録ヘッド10からイン
ク滴が記録用紙68に安定的に飛翔することで、高解像
度の画像記録を行うことができる。
【0098】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ノズル
を用いずに微小なインク滴を吐出することが可能となる
ため、ノズルの目詰まりなどの問題を生じることなく、
高解像度の画像を記録することができる。
【0099】さらに、信号発生手段が駆動信号の前に予
備信号を振動発生手段に入力することにより、信号入力
からインク滴飛翔までの時間を短縮でき、画像記録の高
速化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る記録装置の側面図
である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る記録装置の正面図
である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る記録装置の振動発
生手段により弾性部材を振動させたときの様子を示した
側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る弾性部材が曲げ振
動しているときの側面の拡大図である。
【図5】(a)は、本発明の第1実施形態に係る振動発
生手段に対して信号発生手段から印加される第1入力信
号の交番電圧波形を示す図であり、(b)は、振動発生
手段が前記第1入力信号に基づいて振動する振動状態を
示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る弾性部材の先端部
近傍の正面拡大図である。
【図7】キャピラリ波の状態を示す図6におけるX−X
線断面図である。
【図8】キャピラリ波の状態を示す図6におけるX−X
線断面図である。
【図9】(a)は、本発明の第1実施形態に係る振動発
生手段に対して信号発生手段から印加される第2入力信
号の交番電圧波形を示す図であり、(b)は、振動発生
手段が前記第2入力信号に基づいて振動する振動状態を
示す図である。
【図10】(a)は、本発明の第1実施例に係る記録装
置において第1入力信号による振動発生手段の振動状態
を説明する図であり、(b)は、第1入力信号による振
動発生手段の振動状態を説明する図であり、(c)は、
第2入力信号による振動発生手段の振動状態を説明する
図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る記録装置のアレ
イヘッドを示す斜視図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る記録装置を示す
斜視図である。
【図13】従来例に係るノズルを用いない記録装置を示
す図である。
【符号の説明】
10 記録ヘッド 11 記録装置 12 弾性部材 16 振動発生手段 22 インク 44 信号発生手段 60 記録装置
フロントページの続き (72)発明者 諏訪部 恭史 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 平潟 進 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像情報に対応して信号を出力する信号
    発生手段と、 前記信号が入力されることにより振動する振動発生手段
    と、 前記振動発生手段の励振に応じて振動する片持ち梁構造
    であるとともに、インクに接触している弾性部材と、 を備え、前記信号発生手段は、前記振動発生手段を振動
    させて弾性部材の表面に形成されたインク薄膜からイン
    ク滴を飛翔させる駆動信号の前に、前記駆動信号の周波
    数と同一またはその整数倍の周波数であり、前記駆動信
    号と同期する予備信号を出力することを特徴とする記録
    装置。
JP5707698A 1998-03-09 1998-03-09 記録装置 Pending JPH11254666A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006209104A (ja) * 2004-12-27 2006-08-10 Sekisui Chem Co Ltd 液晶表示装置の製造方法、スペーサ粒子分散液、及び、液晶表示装置
US7997694B2 (en) 2006-09-26 2011-08-16 Kabushiki Kaisha Toshiba Inkjet recording apparatus

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