JPH11254648A - チャンバドクタブレード式インキ供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンドシールの磨耗を簡単な構造によって抑
制することが可能なチャンバドクタブレード式インキ供
給装置を提供することにある。 【解決手段】 ブレード取付け板２９と該ブレード取付
け板の上部および下部に配設したそれぞれのブレード３
３，３６と、アニロックスロール２２と、それらによっ
て画成される空間の両端部をそれぞれ塞ぐエンドシール
３８とによってチャンバ３０を形成し、該チャンバに供
給したインキをアニロックスロール２２の表面に塗布す
るチャンバドクタブレード式インキ供給装置において、
両エンドシール３８の内側に補助エンドシール３９を配
設し、該補助エンドシールのアニロックスロール２２と
の当接面の少なくとも一部に切欠き４２を形成するとと
もに、エンドシール３８と補助エンドシール３９との間
のブレード取付け板２９にインキ戻り口４５を配設して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、チャンバドクタブ
レード式インキ供給装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図５および図６は、従来のフレキソ印刷
機におけるチャンバドクタブレード式インキ供給装置を
概念的に示している。このインキ供給装置では、印刷機
フレーム１，１間にアニロックスロール２が回動自在に
配設されている。また、印刷機フレーム１，１には側板
３，３の下部がピン４，４によって回動自在に取付けら
れている。そして、側板３，３間には梁５が差し渡して
設置され、該梁５にはブロック６がアニロックスロール
２の全長とほぼ同じ幅をもって固設されている。このブ
ロック６には、ブレード取付け板７が設置されている。
ブレード取付け板７の上部には斜め後方へ延びる傾斜壁
７ａが形成され、下部にも斜め後方へ延びる傾斜壁７ｂ
が形成されている。そして、それらの傾斜壁７ａ，７ｂ
には、シールブレード８およびドクタブレード９が配設
され、それらのシールブレード８およびドクタブレード
９の先端はアニロックスロール２の表面に近接または当
接されている。また、ブレード取付け板７，シールブレ
ード８，ドクタブレード９およびアニロックスロール２
によって画成される空間の両側開口はエンドシール１
０，１０によって塞がれ、この空間はインキが供給され
るチャンバ１４を構成している。一方、ブロック６のブ
レード取付け板７側の面には溝６ａが形成され、この溝
６ａとこれを覆うブレード取付け板７とによって導水路
１１が構成されている。また、ブレード取付け板７に
は、該導水路１１と上記チャンバ１４とを連通する孔７
ｃが形成されている。さらに、ブレード取付け板７の下
端部にも孔７ｄが形成され、該孔７ｄを介してチャンバ
１４にインキ管１２が接続されている。

【０００３】このように構成された従来のインキ供給装
置では、印刷機フレーム１，１にエアシリンダ１３，１
３が配設され、そのピストンロッド１３ａ，１３ａが側
板３，３の上部に連結され、該エアシリンダ１３によっ
て側板３がピン４を中心にしてアニロックスロール２の
方向に付勢されている。その結果、エンドシール１０，
１０がアニロックスロール２に当接され、該アニロック
スロール２、エンドシール１０，１０、シールブレード
８、ドクタブレード９およびブレード取付け板７によっ
てチャンバ１４が形成される。そして、インキは図示し
ないポンプによってインキ管１２を経てチャンバ１４内
に供給され、チャンバ１４に充填されたインキがアニロ
ックスロール２の表面に塗布され、そのインキはドクタ
ブレード９によって所定の膜厚に掻き取られ調整され
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
チャンバドクタブレード式インキ供給装置では、エンド
シール１０がエアシリンダ１３の付勢力によって適宜な
圧力によってアニロックスロール２に当接されている。
したがって、エンドシール１０は短期間で磨耗し易く、
エンドシール１０が磨耗すると、チャンバ１４内のイン
キが外部へ漏出してその周辺に固着するという問題があ
った。

【０００５】本発明はこのような実状に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、エンドシールの磨耗を簡単
な構造によって抑制することが可能なチャンバドクタブ
レード式インキ供給装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のチャンバドクタ
ブレード式インキ供給装置では、ブレード取付け板と該
ブレード取付け板の上部および下部に配設したそれぞれ
のブレードと、アニロックスロールと、それらによって
画成される空間の両端部をそれぞれ塞ぐエンドシールと
によってチャンバを形成し、該チャンバに供給したイン
キを前記アニロックスロールの表面に塗布するチャンバ
ドクタブレード式インキ供給装置において、前記両エン
ドシールの内側に補助エンドシールを配設し、該補助エ
ンドシールの前記アニロックスロールとの当接面の少な
くとも一部に間隙を形成するとともに、前記エンドシー
ルと前記補助エンドシールとの間の前記ブレード取付け
板にインキ戻り口を配設している。

【０００７】この発明のインキ供給装置によれば、補助
エンドシールによってチャンバ内の圧力を可及的に隔絶
させ、エンドシールとアニロックスロールとの当接面に
作用する圧力を減少させて、その間からのインクの漏出
を減少させている。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。ここで、図１は、本発明の
実施の形態に係るチャンバドクタブレード式インキ供給
装置の縦断面図であり、図２はそのアニロックスロール
を取り除いた正面図である。このインキ供給装置２０で
は、印刷機フレーム２１，２１にアニロックスロール２
２が差し渡して回転自在に支持されている。そして、そ
のアニロックスロール２２の軸芯に並行して断面矩形状
の梁２３が配置され、該梁２３の両端部には、側板２
４，２４が固設されている。側板２４はその下部がピン
２５によってフレーム２１に回動自在に支持されてい
る。また、フレーム２１にはエアシリンダ２６が設置さ
れ、該エアシリンダ２６のピストンロッド２６ａは側板
２４の上部に連結されている。

【０００９】上記梁２３におけるアニロックスロール２
２側の面には、該アニロックスロール２２の略全長と対
応する長さのブロック２７が配設されている。このブロ
ック２７のアニロックスロール２２側の面には略全長に
わたって溝２８が形成されている。そして、ブロック２
７におけるアニロックスロール２２側の面には溝２８を
覆うようにしてブレード取付け板２９が固設されてい
る。そして、溝２８とブレード取付け板２９とによって
導水路３０が構成され、該導水路３０はブレード取付け
板２９に形成した孔３１を介して後述するメインチャン
バに連通されている。このブレード取付け板２９は、図
３に拡大して示したように、溝２８を覆う鉛直壁２９ａ
と、ブロック２７の上方および下方を覆うように配置さ
れる水平壁２９ｂ，２９ｃと、それらの境界にそれぞれ
斜めに形成された傾斜壁２９ｄ，２９ｅとを有してい
る。そして、傾斜壁２９ｄには、ボルト３２によってシ
ールブレード３３の基端が押え板３４を介して締結され
ており、該シールブレード３３の先端はアニロックスロ
ール２２の表面に近接されている（図１参照）。また、
傾斜壁２９ｅには、ボルト３５によってドクタブレード
３６の基端が押え板３７を介して締結されており、該ド
クタブレード３６の先端はアニロックスロール２２の表
面に近接されている（図１参照）。

【００１０】また、ブレード取付け板２９の側端にはエ
ンドシール３８，３８が配設され、それらのエンドシー
ル３８はブレード取付け板２９、シールブレード３３お
よびドクタブレード３６によって画成される側方開口を
塞いでいる。このエンドシール３８はアニロックスロー
ル２２に当接し、それらの間の間隙をシールしている。
さらに、上記エンドシール３８，３８間の内側には、そ
れらのエンドシール３８，３８と適宜な間隔をもって補
助エンドシール３９，３９がそれぞれ配設されている。
この補助エンドシール３９は隔壁を成すもので、アニロ
ックスロール２２に当接されている。そして、それらの
補助エンドシール３９，３９、ブレード取付け板２９、
シールブレード３３、ドクタブレード３６およびアニロ
ックスロール２２によってメインチャンバ４０が画成さ
れ、補助エンドシール３９，３９、ブレード取付け板２
９、シールブレード３３、ドクタブレード３６およびア
ニロックスロール２２によってサブチャンバ４１，４１
がそれぞれ画成されている。さらに、補助エンドシール
３９にはその上部に切欠き４２が形成されており、該切
欠き４２によってメインチャンバ４０とサブチャンバ４
１とが連通されている。また、上記メインチャンバ４０
の下部にはブレード取付け板２９を介してインキ管４３
の先端が配置され、該インキ管４３はポンプ４４に接続
されている。また、サブチャンバ４１の下部には、イン
キ戻り口４５が形成され、該インキ戻り口４５も図示し
ないインキ管によってインキタンク等に接続されてい
る。

【００１１】このようにして構成されたインキ供給装置
２０では、ポンプ４４によってインキ管４３を介してメ
インチャンバ４０内にインキが供給される。このインキ
は回転するアニロックスロール２２の表面に塗布され、
塗布されたインキはドクタブレード３６によって所定の
厚さに調整される。メインチャンバ４０に供給さたイン
キの一部は補助エンドシール３９の切欠き４２を介して
サブチャンバ４１に流出し、該サブチャンバ４１のイン
キ戻り口４５から図示しないインキタンク等に戻され
る。切欠き４２を通過するインキの一部はアニロックス
ロール２２の表面に付着し、補助エンドシール３９とア
ニロックスロール２２の表面との間を潤滑するととも
に、サブチャンバ４１をメインチャンバ４０内の圧力か
ら隔絶する。

【００１２】なお、このインキ供給装置２０では、イン
キ交換またはメインチャンバ４０およびサブチャンバ４
１内の洗浄に際しては、ポンプ４４を逆転させることに
よってメインチャンバ４０内のインキを排出させ、図示
しないポンプを駆動して洗浄水を導水路３０，ブレード
取付け板２９の孔３１を介してメインチャンバ４０内に
供給する。すると、その洗浄水はメインチャンバ４０内
を循環してメインチャンバ４０内を洗浄し、さらに切欠
き４２を介してサブチャンバ４１内に流入してサブチャ
ンバ４１を洗浄し、そしてインク戻り口４５から外部へ
排出される。

【００１３】一方、上記実施の形態では、補助エンドシ
ール３９に切欠き４２を形成してメインチャンバ４０と
サブチャンバ４１とを連通させている。補助エンドシー
ル３９はメインチャンバ４０とサブチャンバ４１とを圧
力的に隔絶するためのもので、また切欠き４２はそこを
通過するインキを補助エンドシール３９とアニロックス
ロール２２の表面との間に供給して潤滑するためのもの
である。このようなことから、切欠き４２は必ずしも必
要とせず、その替わりに補助エンドシール３９とアニロ
ックスロール２２の表面との間に僅かな間隙を形成し、
その間にインキを供給するようにしてもよい。

【００１４】

【発明の効果】上記したように、本発明に係るチャンバ
ドクタブレード式インキ供給装置では、補助エンドシー
ルによってメインチャンバ内の圧力が隔絶されるので、
サブチャンバ内の圧力はメインチャンバ内の圧力よりも
少なく、したがってエンドシールからインキが外部へ漏
出することが抑制される。また補助エンドシールとアニ
ロックスロールの表面との間にはインキが潤滑剤として
常時供給されるので、補助エンドシールの磨耗も抑制さ
れ、長時間にわたってシール状態が維持される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係るチャンバドクタブレ
ード式インキ供給装置を概念的に示した縦断面である。

【図２】本発明の実施の形態に係るチャンバドクタブレ
ード式インキ供給装置において、アニロックスロールを
取り除いたインキ供給装置を概念的に示した正面図であ
る。

【図３】図２におけるインキ供給装置のＡーＡ線断面図
である。

【図４】本発明の実施の形態に係るチャンバドクタブレ
ード式インキ供給装置におけるアニロックスロールとエ
ンドシールおよび補助エンドシールとの当接状態を示し
た断面図である。

【図５】従来のチャンバドクタブレード式インキ供給装
置を概念的に示した縦断面である。

【図６】従来のチャンバドクタブレード式インキ供給装
置において、アニロックスロールを取り除いたインキ供
給装置を概念的に示した正面図である。

【符号の説明】 ２０ チャンバドクタブレード式インキ供給装置 ２１ 印刷機フレーム ２２ アニロックスロール ２３ 梁 ２４ 側板 ２５ ピン ２６ エアシリンダ ２６ａ ピストンロッド ２７ ブロック ２８ 溝 ２９ ブレード取付け板 ３０ 導水路 ３１ 孔 ３３ シールブレード ３６ ドクタブレード ３８ エンドシール ３９ 補助エンドシール ４０ メインチャンバ ４１ サブチャンバ ４２ 切欠き ４３ インキ管 ４４ ポンプ ４５ インキ戻り口

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブレード取付け板と該ブレード取付け板
   の上部および下部に配設したそれぞれのブレードと、ア
   ニロックスロールと、それらによって画成される空間の
   両端部をそれぞれ塞ぐエンドシールとによってチャンバ
   を形成し、該チャンバに供給したインキを前記アニロッ
   クスロールの表面に塗布するチャンバドクタブレード式
   インキ供給装置において、前記両エンドシールの内側に
   補助エンドシールを配設し、該補助エンドシールの前記
   アニロックスロールとの当接面の少なくとも一部に間隙
   を形成するとともに、前記エンドシールと前記補助エン
   ドシールとの間の前記ブレード取付け板にインキ戻り口
   を配設したことを特徴とするチャンバドクタブレード式
   インキ供給装置。