JPH11254482A - うず巻形チップシールおよびその射出成形用金型 - Google Patents

うず巻形チップシールおよびその射出成形用金型

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JPH11254482A
JPH11254482A JP7312398A JP7312398A JPH11254482A JP H11254482 A JPH11254482 A JP H11254482A JP 7312398 A JP7312398 A JP 7312398A JP 7312398 A JP7312398 A JP 7312398A JP H11254482 A JPH11254482 A JP H11254482A
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JP
Japan
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gate
spiral
runner
injection molding
resin composition
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JP7312398A
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Katsuo Shibahara
克夫 柴原
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形後のゲートカット加工が容易であるか、
あるいはゲートカット加工を必要としない。 【解決手段】 樹脂組成物を射出成形する時のゲートを
うず巻形チップシールの外周面に隣接する反シール面側
に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、うず巻形チップシ
ールおよびその射出成形用金型に関し、特にスクロール
圧縮機のスクロールラップに取付けられるうず巻形チッ
プシールおよびその射出成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】スクロール型圧縮機の圧縮機構部は、図
5に示すように、ハウジングに固定されている固定スク
ロール10および固定スクロール10に対して偏心運動
をする可動スクロール11とから構成されている。固定
および可動スクロールは、それぞれ鏡板10a、11a
とその表面に直立するうず巻形のラップ10b、11b
とからなり、これらうず巻形のラップ上端面の長手方向
に溝12が形成されており、この溝12に樹脂材料から
なるうず巻形チップシール9が組み付けられている。固
定スクロール10と可動スクロール11とは、うず巻形
ラップ壁相互を偏心状態にかみ合わせて、うず巻形ラッ
プ壁13の間に密閉空間を形成する。また、固定スクロ
ール10と可動スクロール11とのラップ上端面に組み
付けられているチップシール9は、相互に他のスクロー
ルの鏡板表面に摺接し、これによりうず巻形ラップ壁の
間を通過する冷媒等のシールを行なっている。このた
め、チップシール9は、密閉空間内の気密性を確保する
必要があり、チップシール9の鏡板と摺接するシール面
と溝12と密着する外周面あるいは内周面は、シール機
能上重要な働きがある。
【0003】従来、チップシール9は射出成形法により
製造されているが、射出成形時のゲート痕がチップシー
ルの内外周面に残ると溝12の側面との密着性を阻害す
ることとなる。このため、射出成形時のゲートをその端
部面にサイドゲート方式あるいはサブマリンゲート方式
により設けるうず巻形チップシールが知られている(特
開平6−137285号公報、特開平8−144970
号公報)。
【0004】一方、サブマリンゲート方式による射出成
形法を用いて、外周面に隣接する側面にゲート痕を形成
した有端リング状のオイルシールリングが知られている
(特開平9−94851号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、端部面にゲー
トを直接設けたうず巻形チップシールでは、ゲート開口
面積はチップシールの断面積以下でしか設定できない。
しかし実際的には、端部面は円周方向に円形状(R状)
になっており、ゲート開口面積はチップシールの断面積
の1/2以下に設定せざるをえなかった。上記の理由か
ら、上述した従来技術である端部面にゲートを直接設け
たうず巻形チップシールは、その形状(細く展開距離の
長い)によって十分な成形ができないのが現状であっ
た。
【0006】また、オイルシールリングは、その外周面
および両側面がシール機能上重要な働きをする。そのた
め、特開平9−94851号に記載のオイルシールリン
グは、そのいずれか一方の側面にゲート痕と突き出しピ
ン痕を有すため、その側面を研磨によって平滑にする必
要がある。
【0007】本発明はこのような問題に対処するために
なされたもので、うず巻形チップシールの機能上重要な
シール面および内外周面のいずれにもゲート痕が無く、
端部にゲートを設けても十分なゲート開口面積が確保で
き、成形後のゲートカット加工が容易であるか、あるい
はゲートカット加工を必要としないうず巻形チップシー
ルおよびその射出成形用金型を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のうず巻形チップ
シールは樹脂組成物を射出成形して得られ、射出成形時
のゲートをうず巻形チップシールの外周面に隣接する反
シール面側に設けたことを特徴とする。
【0009】また、上記樹脂組成物は、キャピラリーレ
オメータによる 320℃、剪断速度103 sec-1、毛管直径
1mm、毛管長さ 10mm 、バレル直径 9.55mm 、バレル長
さ 350mmの条件における溶融粘度が 120〜300 Pa・s で
あることを特徴とする。
【0010】本発明のうず巻形チップシールの射出成形
用金型は、固定側型板と、この固定側型板との衝合部に
うず巻形のキャビティを形成する可動側型板とを有し、
該可動側型板は、上記キャビティの側面に隣接する底面
に連通する第2ランナと、この第2ランナに連結するサ
ブマリンゲートと、上記第2ランナに移動可能に嵌合・
配置したゲートプレスピンとを具備することを特徴とす
る。
【0011】また、上記サブマリンゲートより溶融樹脂
組成物を供給した後、保圧または冷却工程中に、上記ゲ
ートプレスピンが、上記キャビティの底面に達するまで
移動できる手段を有することを特徴とする。
【0012】射出成形時のゲートをうず巻形チップシー
ルの外周面に隣接する反シール面側に設けることによ
り、内外周面にゲート痕が残らない。また、外周面に隣
接する反シール面側におけるゲート後加工が必要となる
場合であっても、うず巻形の形状により該反シール面側
での後加工は外周面より容易である。所定の溶融粘度を
有する樹脂組成物を用いることより、成形性が向上し、
後加工がより容易となる。また、内外周面にゲート痕が
ないので、スクロール型圧縮機の圧縮機能が向上する。
さらには、外周面に隣接する反シール面側にサブマリン
ゲート部を設けることにより、ゲート開口部を大きくと
ることができるので、キャビティ内での樹脂流動が容易
となり均一な特性を有するうず巻形チップシールが得ら
れる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のうず巻形チップシールの
射出成形用金型およびそれを用いて成形されるうず巻形
チップシールについて図1ないし図4を参照して説明す
る。図1は、本発明の一実施例に係る金型の断面図であ
り、図2は樹脂組成物が充填された状態を示す要部拡大
断面図であり、図3はゲート部分の樹脂切断状態を示す
要部拡大断面図であり、図4はうず巻形チップシールの
底面図である。
【0014】図1において、1は固定側型板であって、
その中央部分には溶融樹脂を供給するスプル2が形成さ
れている。この固定側型板1に可動側型板3が衝合され
る。この可動側型板3には、スプル2に連通するランナ
4が形成されており、それに隣接する部分にはうず巻形
チップシールのキャビティ5が形成されている。キャビ
ティ5はランナ4を介して複数個形成することができ
る。キャビティ5の側面に隣接する底面、特にうず巻形
チップシールの反シール面側、すなわち金型でいえば突
出ピン側の面の一部分に第2ランナ6がキャビティ5に
連通するように形成されている。そして、この第2ラン
ナ6には突出ピンとしても機能する円柱状のゲートプレ
スピン7が移動可能に嵌合・配置されている。このゲー
トプレスピン7は、キャビティ5の底面に達するまで移
動できる手段、例えば油圧シリンダなどによって移動制
御される。一方、ランナ−4と第2ランナ6とはサブマ
リンゲート(トンネルゲート)8によって連結されてい
る。なお、上述の固定側型板1および可動側型板3は図
示しない油圧シリンダなどによって型締め(衝合)、型
開きが行なわれる。
【0015】この金型を用いるうず巻形チップシールの
成形は次のように行なわれる。図2に示すように、固定
側型板1および可動側型板3を図示しない油圧シリンダ
などによって型締めし、それぞれのパーテング面を衝合
させる。次に、溶融状態の樹脂組成物Pをスプル2から
供給すると、樹脂組成物Pはランナ4、サブマリンゲー
ト8、ゲート口8aを介して第2ランナ6に供給され、
さらに第2ランナ6を経てキャビティ5に供給される。
次に、樹脂組成物Pの硬化後、可動側型板3を図示しな
い油圧シリンダなどによって型開きする。この際に、例
えばスプル2、ランナ4、サブマリンゲート8の樹脂組
成物がそれぞれ一体化された状態で固定側型板、可動側
型板から図示しない突出しピンなどを利用して取り出さ
れる。その際、第2ランナ6およびキャビティ5内の樹
脂組成物が自動的に切り放される。同時に、キャビティ
5から成形体を取り出すことによって、図4に示すよう
に、外周面9aにゲート痕のないうず巻形チップシール
9が得られる。第2ランナ6部分は、後加工によって除
去してもゲートを設けた部位が機能部分ではないので、
外周面9aなどに設けられたゲート痕の処理を行なうよ
りもより容易に行なうことができる。
【0016】また、図3に示すように、キャビティ5に
供給充填された樹脂組成物Pが保圧または冷却工程中に
ゲートプレスピン7をキャビティ5に向けて移動させる
ことにより、ゲート痕の後処理を必要としないうず巻形
チップシールを得ることができる。すなわち、ゲートプ
レスピン7の移動により、第2ランナ6とサブマリンゲ
ート8とのゲート口8aに存在する樹脂組成物Pはゲー
トプレスピン7によって切断(ないし剪断)される。一
方、第2ランナ6に充填されている樹脂組成物Pはゲー
トプレスピン7によって押圧され、キャビティ5に圧入
される。そして、ゲートプレスピン7の先端面がキャビ
ティ5の底面にほぼ一致する位置まで移動した段階で停
止される。樹脂組成物Pの硬化後、可動側型板3を図示
しない油圧シリンダなどによって型開きする。この際
に、例えばスプル2、ランナ4、サブマリンゲート8の
樹脂組成物がそれぞれ一体化された状態で固定側型板
1、可動側型板3から図示しない突出しピンなどを利用
して取り出される。その後、キャビティ5から成形体を
取り出すことによってうず巻形チップシール9が得られ
る。このチップシール9のゲート部分には、図4に示す
ように、外周面9aに隣接する反シール面9bにゲート
プレスピン7による樹脂組成物Pの押圧痕7aが形成さ
れている。
【0017】ゲート位置は、うず巻形チップシール全長
のいずれの位置に設けてもよいが、樹脂組成物の流動性
を重視する場合には全長の中央付近に、チップシールの
強度を重視する場合には全長の両端部、好ましくは外側
末端部付近のいずれかに設けることが好ましい。
【0018】上述の方法によれば、キャビティ5への樹
脂組成物の供給は、サブマリンゲート8を介してキャビ
ティ5の底面に連通する第2ランナ6を経て供給される
ために、成形されたうず巻形チップシール9の、機能的
に重要な内周面および外周面9aにはゲート痕が形成さ
れない。従って、圧縮機のシール部材としてシール性能
に優れている。
【0019】また、可動側型板3に複数のキャビティ5
を形成することができるため、うず巻形チップシール9
を多数個同時に成形することができ、生産性を高めるこ
とができる。これに伴つて、うず巻形チップシールのコ
ストも効果的に低減できる。
【0020】また、キャビティ5に供給された樹脂組成
物Pが硬化するまでの間に、ゲートプレスピン7がキャ
ビティ5の底面に向けて移動するのであるが、この際
に、サブマリンゲート8と第2ランナ6とを接続するゲ
ート口8aの樹脂組成物が自動的に切断・分離される。
【0021】さらに、ゲートプレスピン7の移動によっ
て、第2ランナ6に充填された樹脂組成物Pがキャビテ
ィ5に圧入される。このことにより、成形作業の終了後
に改めてうず巻形チップシール9と製品以外の部分とを
切断・分離するような後加工が全く不要となり、作業効
率の改善は勿論のこと、コストをも有効に低減できる。
さらには、キャビティ内の樹脂密度が高くなり、うず巻
形チップシールの品質を向上させることができる。
【0022】なお、本発明は、何ら上記実施例にのみ制
約されることなく、例えばゲートプレスピン7などに機
械的振動、超音波振動などの加振装置を付設してキャビ
ティへの樹脂の充実度(充填度)を高めることもでき
る。
【0023】本発明に使用することのできる樹脂組成物
は、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンフルフ
ィド系樹脂等の射出成形が可能な熱可塑性耐熱合成重合
体などの樹脂組成物が好ましく、また、キャピラリーレ
オメータによる 320℃、剪断速度103 sec-1、毛管直径
1mm、毛管長さ 10mm 、バレル直径 9.55mm 、バレル長
さ 350mmの条件における溶融粘度が 120〜300 Pa・s で
あることが好ましい。この溶融粘度範囲の樹脂組成物を
用いることにより、良好な流動性を有し、本発明の金型
を用いてうず巻形チップシールを容易に成形することが
できる。
【0024】上述の溶融粘度範囲を有し、本発明に好適
な樹脂組成物としては、ポリフェニレンスルフィド系樹
脂組成物を挙げることができる。具体的には、ポリフェ
ニレンスルフィド(以下、PPSと略称する)樹脂等の
合成樹脂を 75 〜 93 重量%、フッ素系樹脂等の固体潤
滑剤を 2〜 10 重量%、炭素繊維等の繊維系強化剤を 5
〜 20 重量%含むことが好ましい。また、PPS樹脂等
の樹脂成分の配合量を少なくして、芳香族ポリアミド繊
維を 3〜 10 重量%添加する構成とすることもできる。
【0025】PPS樹脂は、−C6 4 −S−で表され
る繰り返し単位を 90 モル%以上、100 モル%以下含
み、JIS K 7210による高化式フローテスタ試
験の 300℃における溶融粘度が 30 〜250 Pa・s である
ものが好ましい。−C6 4 −S−で表される繰り返し
単位が 90 モル%未満であると樹脂組成物としての射出
成形性などの所期した性質がなくなるからである。
【0026】そして、上記した条件を満足するPPS樹
脂としては、製造段階で重合後の直鎖状のPPS樹脂
(いわゆるリニア型PPS樹脂)、またはこれを架橋さ
せたPPS樹脂(いわゆるリニア架橋型PPS樹脂)の
いずれを採用することも可能である。架橋型PPS樹脂
は、その耐熱性と価格等の点で、平均して総合的に優
れ、このようなものとして、例えば、トープレン社製:
K4等を挙げることができる。また、引張り強さ、曲げ
強さなどを改良したリニア型PPS樹脂を用いることも
好ましい。リニア型PPS樹脂の市販品としては、トー
プレン社製:LN−2(溶融粘度 100Pa・s )を例示す
ることができる。また、リニア架橋型PPS樹脂として
は、トープレン社製:T4AG(溶融粘度 200Pa・s )
を例示することができる。
【0027】樹脂組成物におけるPPS樹脂等の樹脂成
分の配合割合は、 75 〜 93 重量%、すなわち、他の材
料の残部として 75 重量%以上である。 75 重量%未満
では、スクロール型コンプレッサ用のシール材として、
小面積で展開長の長いものが成形困難だからである。
【0028】フッ素系樹脂等の潤滑性付与剤は、樹脂組
成物に低摩擦係数で非粘着性特性を導入するために添加
するものであって、コンプレッサの設計性能に応じて適
当な摩擦係数となるものを採用することができる。低摩
擦係数で好ましいフッ素系樹脂としては、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン・へキサ
フルオロプロピレン共重合体、ポリトリクロロフルオロ
エチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアル
キルビニルエーテル共重合体などが挙げられる。このう
ち、最も低摩擦係数であるポリテトラフルオロエチレン
が好ましい。また、ポリテトラフルオロエチレン等の潤
滑性付与剤の形態は、平均粒径が例えば50 μm 以下、
好ましくは 1〜25μm 以下の滑剤級の粉末が好ましい。
具体的には英国アイ・シー・アイ社製:フルオン(商
標)L169、同L170、同L171、ダイキン工業
社製:ルブロン(商標)L−2、同LD−1、デュポン
社製:テフロン(商標)TLP−10、同TLP−10
F−1などを挙げることができる。また、γ線照射処理
した市販の潤滑剤用ポリテトラフルオロエチレンやバー
ジン材のポリテトラフルオロエチレンを一度焼結した
後、粉砕して得られる再生ポリテトラフルオロエチレン
等が挙げられ、このようなものとして、喜多村社製:K
T400Hを使用することができる。
【0029】樹脂組成物におけるフッ素系樹脂等の潤滑
性付与剤の配合割合は、 2〜 10 重量%である。フッ素
系樹脂の配合割合が 2重量%未満では、うず巻形チップ
シールの潤滑性が不充分となって好ましくなく、逆に 1
0 重量%を越えると、適当な溶融流動性が得られないか
らである。
【0030】炭素繊維等の繊維系強化剤は、平均繊維径
が好ましくは 1〜 20 μm 、より好ましくは 10 〜 18
μm であり、かつアスペクト比が 1〜 80 、より好まし
くは5〜 50 のものが好ましい。平均繊維径が 1μm 未
満では繊維同士に凝集する現象が見られて組成物中に均
一分散し難くなり、 20 μm を越えると、摺動時にアル
ミニウム合金製の相手材となる鏡板などを摩耗する。ま
た、アスペクト比が 1未満のものでは、マトリックス自
体の補強効果が損なわれて機械的特性が低下し、逆にア
スペクト比が 80 を越えると、混合時の均一分散が極め
て困難となって、耐摩耗性が充分に改善されずに品質低
下を招くことになるからである。また、炭素繊維はポリ
アクリロニトリルを出発原料とするPAN系炭素繊維、
ピッチを出発原料とするピッチ系炭素繊維のいずれも使
用することができる。
【0031】このような炭素繊維等の繊維系強化剤の配
合割合は、 5〜 20 重量%である。なぜなら、 5重量%
未満では、機械的強度の補強効果、耐摩耗性の改善効果
が小さく、 20 重量%を越える多量では、溶融流動性が
著しく低下するからである。
【0032】
【発明の効果】本発明のうず巻形チップシールは、射出
成形時のゲート位置を前記うず巻形チップシールの外周
面に隣接する反シール面側に設けたので、チップシール
として機能的に重要な外周面にゲート痕が形成されな
い。従って成形後のゲートカット加工が容易である。あ
るいはゲートカット加工を必要としない。その結果、シ
ール性が向上し、スクロール型圧縮機の圧縮性能が向上
する。
【0033】また、溶融粘度が 120〜300 Pa・s である
樹脂組成物を用いるので、成形性が向上し、後加工がよ
り容易となる。
【0034】本発明の射出成形用金型は、サブマリンゲ
ート方式を用いているので、成形後のゲートカット加工
が容易である。あるいはゲートカット加工を必要としな
い。その結果、本発明の射出成形用金型を用いることに
より、うず巻形チップシールの製造コストを下げること
ができる。
【0035】また、サブマリンゲート方式において、ゲ
ートプレスピンをキャビティの底面に達するまで移動さ
せることにより、うず巻形チップシールのゲートカット
加工が必要なくなる。その結果、シール性が向上し、ス
クロール型圧縮機の圧縮性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る金型の断面図である。
【図2】樹脂組成物が充填された状態を示す要部拡大断
面図である。
【図3】ゲート部分の樹脂切断状態を示す要部拡大断面
図である。
【図4】うず巻形チップシールの底面図である。
【図5】スクロール型圧縮機の圧縮機構部の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 固定側型板 2 スプル 3 可動側型板 4 ランナ 5 キャビティ 6 第2ランナ 7 ゲートプレスピン 8 サブマリンゲート 9 うず巻形チップシール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂組成物を射出成形して得られるうず
    巻形チップシールであって、射出成形時のゲートを前記
    うず巻形チップシールの外周面に隣接する反シール面側
    に設けたことを特徴とするうず巻形チップシール。
  2. 【請求項2】 前記樹脂組成物は、キャピラリーレオメ
    ータによる 320℃、剪断速度103 sec-1、毛管直径 1m
    m、毛管長さ 10mm 、バレル直径 9.55mm 、バレル長さ
    350mmの条件における溶融粘度が 120〜300 Pa・s であ
    ることを特徴とする請求項1記載のうず巻形チップシー
    ル。
  3. 【請求項3】 固定側型板と、この固定側型板との衝合
    部にうず巻形のキャビティを形成する可動側型板とを有
    する射出成形用金型であって、 前記可動側型板は、前記キャビティの側面に隣接する底
    面に連通する第2ランナと、この第2ランナに連結する
    サブマリンゲートと、前記第2ランナに移動可能に嵌合
    ・配置したゲートプレスピンとを具備することを特徴と
    するうず巻形チップシールの射出成形用金型。
  4. 【請求項4】 前記サブマリンゲートより溶融樹脂組成
    物を供給した後、保圧または冷却工程中に、前記ゲート
    プレスピンが、前記キャビティの底面に達するまで移動
    できる手段を有することを特徴とする請求項3記載のう
    ず巻形チップシールの射出成形用金型。
JP7312398A 1998-03-06 1998-03-06 うず巻形チップシールおよびその射出成形用金型 Pending JPH11254482A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010046910A (ja) * 2008-08-21 2010-03-04 Ntn Corp 射出成形体および射出成形方法並びに射出成形用金型

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010046910A (ja) * 2008-08-21 2010-03-04 Ntn Corp 射出成形体および射出成形方法並びに射出成形用金型

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