JPH11254000A - 濃縮脱水方法及び濃縮脱水装置 - Google Patents
濃縮脱水方法及び濃縮脱水装置Info
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- JPH11254000A JPH11254000A JP10063309A JP6330998A JPH11254000A JP H11254000 A JPH11254000 A JP H11254000A JP 10063309 A JP10063309 A JP 10063309A JP 6330998 A JP6330998 A JP 6330998A JP H11254000 A JPH11254000 A JP H11254000A
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Abstract
および原汚泥の性状変化に対する適正な薬注量の適正な
制御等総合的にみて、十分に満足する有効な濃縮脱水方
法及び濃縮脱水装置を提供する。 【解決手段】 原汚泥に凝集剤を添加し攪拌し生じた凝
集汚泥を濾別して濃縮した後、濃縮汚泥を、重力脱水濾
過部を有する脱水装置3で脱水する方法において、該重
力脱水濾過部にて、望ましい汚泥の濃縮脱水効率が得ら
れる目標水位Pを予め設定し、重力脱水濾過部における
濃縮汚泥の測定水位XがPに近接するように該凝集剤の
添加量を制御することを特徴とする濃縮脱水方法および
この方法に用いる装置。
Description
して脱水する濃縮脱水方法及び濃縮脱水装置に関するも
のである。
して、これらを濃縮して脱水する処理設備が用いられて
いる。ここで云う汚泥や廃水とは、特に、上水、下水、
し尿、産業排水その他の水処理において発生する汚泥や
懸濁液(以下、原汚泥ともいう)であり、これらの原汚
泥を処理する場合、濃縮して脱水することが行われてい
る。そして、この処理方法には、例えば、凝集剤を使用
して原汚泥を濃縮、及び脱水する方法がある。この場
合、原汚泥の性状変化に対応して凝集剤の添加量を調節
し、濃縮汚泥濃度を所定範囲内に制御することが行われ
ている。
水する場合、例えば下水処理場から発生する原汚泥は、
濃縮工程としては、薬注(凝集剤注入)設備と遠心濃縮
機を使用し、脱水工程としては、新たな薬注設備とベル
トプレス脱水機を設けるなどの設備であり、濃縮機と脱
水機は別々の装置を使用することがほとんどであり、そ
の各々処理工程に凝集反応装置が設置されている。
使用して汚泥を濃縮、及び脱水する設備並びに該設備の
運転方法においては、原汚泥の性状変化に対応して凝集
剤の添加量を調節し、濃縮汚泥濃度を所定範囲内に制御
することは難しく、更にこの制御を簡単なしくみで且つ
自動で行うことは非常に困難であった。
理する方法として多く採用されている方法で、濃縮工程
としては、薬注設備と遠心濃縮機を使用し、脱水工程と
しては、新たな薬注設備とベルトプレス脱水機を設ける
方法にあっては、濃縮設備および脱水設備は、ともに設
備面積、設備費、使用電力等の面でコストが大きくな
り、設備費ならびにランニングコスト削減が課題となる
場合が多かった。
泥の濃度は、遠心力、薬注率、差速等により調整する場
合が多いが、原汚泥の性状変化に対して、瞬時に対応可
能な制御方法は非常に少なかった。近年は、脱水装置の
改良等により、脱水設備の中の凝集反応装置を濃縮機能
を兼ね備えた濃縮型凝集反応装置に改良することで、上
述したコスト面で改善が見られるようになってきてい
る。
集反応装置の性能上の制約から、薬注条件は、無機凝集
剤と高分子凝集剤を併用する2液法が一般的であった。
この2液法は、2種類の凝集剤を使用することから1液
法よりも薬注設備費、薬品コストが大きくなる場合があ
り、且つ薬注制御が複雑で適正な維持管理を行うにはか
なりの熟練が要求される。
には、運転管理者は常に原汚泥の性状をモニターし、必
要に応じて薬注条件を変更しなければならなかった。ま
た、2液法は、脱水ケーキ中に無機凝集剤由来のアルミ
ニウムや鉄が混入するため、脱水ケーキを他の目的で有
効利用する場合等は使用できないという大きな問題があ
った。
種々提案されている。しかし、この2液法の場合は、複
数のセンサーと複雑な薬注制御機構が必要となり、結果
的にコスト高になる場合がある。
から算出した原汚泥の固形物負荷量に対して、凝集剤を
一定の添加率で添加する方式等も提案されているが、こ
の方式では適当な薬注量を常に維持することはできなか
った。なぜなら、原汚泥のコロイド電荷量、Mアルカリ
度、pH、粒径3μm以下の汚泥粒子の比率等が変化す
ると、原汚泥濃度が一定の場合でも凝集剤の適正添加率
は大きく変動するため、薬注率を原汚泥の固形物負荷量
に対して一定に固定するこの方法による薬注制御は不完
全なものであった。薬注量が適正でないと、未凝集の汚
泥や分離水に含まれる過剰な凝集剤により、スリット
状、またはメッシュ状の分離スクリーン等が目詰まりを
起こし、スクリーンでの分離効率、すなわち濃縮効率が
低下する等、濃縮効率が安定しない場合が多かった。
シャルコスト、凝集剤等の薬品代や維持管理費用を含め
たランニングコスト、脱水ケーキの有効利用、および原
汚泥の性状変化に対する適正な薬注量制御機構等の点か
ら総合的に判断して、その全てを十分に満足する有効な
濃縮脱水方法及び薬注制御方法は提案されていないのが
現状であった。
て、濃縮型でない通常型の凝集反応装置とベルトプレス
型脱水機の組み合わせで脱水処理を行っている場合にお
いて、既存の脱水機をそのまま使用しつつ、薬注設備な
どを新たに追加せずに、脱水機の処理性能を大幅に改善
し、且つランニングコストの増加を抑えることは、極め
て困難であった。
のであり、ランニングコスト、脱水ケーキの有効利用、
および原汚泥の性状変化に対する適正な薬注量の適正な
制御等総合的にみて、十分に満足する有効な濃縮脱水方
法及び濃縮脱水装置を提供することを目的とするもので
ある。
の構成により達成される。 (1)原汚泥に凝集剤を添加し攪拌し生じた凝集汚泥を
濾別して濃縮した後、濃縮汚泥を、重力脱水濾過部を有
する脱水装置で脱水する方法において、該重力脱水濾過
部にて、望ましい汚泥の濃縮脱水効率が得られる目標水
位Pを予め設定し、該重力脱水濾過部における濃縮汚泥
の測定水位XがPに近接するように該凝集剤の添加量を
制御することを特徴とする濃縮脱水方法。
の濃縮脱水効率が得られる目標汚泥濃縮倍率Rを設定
し、原汚泥流量Q1 と凝集剤添加量Q2 と該濃縮により
生じる分離水の流量Q3 とから算出される実汚泥濃縮倍
率SがRに近接するように前記目標水位Pを制御するこ
とを特徴とする前記(1)の濃縮脱水方法。
の濃縮脱水効率が得られる目標濃縮汚泥濃度Tを設定
し、原汚泥濃度Coと原汚泥流量Q1 と凝集剤添加量Q
2 と該濃縮により生じる分離水の流量Q3 とから算出さ
れる実濃縮汚泥濃度UがTに近接するように前記目標水
位Pを制御することを特徴とする前記(1)の濃縮脱水
方法。
た凝集汚泥を濾別して濃縮する濃縮型凝集反応装置と、
原汚泥に凝集剤を添加する凝集剤添加装置と、該濃縮型
凝集反応装置からの濃縮汚泥を重力脱水する重力脱水濾
過部を有する脱水装置と、該脱水装置の重力脱水濾過部
の測定水位Xを検知し、Xに基づき該凝集剤添加装置か
ら添加される凝集剤添加量を制御するプログラマブル調
節計とを有する濃縮脱水装置。
原汚泥の流量Q1 と前記凝集剤添加装置から添加される
凝集剤添加量Q2 と前記濃縮型凝集反応装置から流出す
る分離水の流量Q3 とから汚泥濃縮倍率Sを算出し、S
に基づき、前記脱水装置の重力脱水濾過部にて、望まし
い汚泥の濃縮脱水効率が得られる目標水位Pを設定する
プログラマブル調節計を有する前記(4)の濃縮脱水装
置。
原汚泥の濃度Coと該原汚泥の流量Q 1 と前記凝集剤添
加装置から添加される凝集剤添加量Q2 と前記濃縮型凝
集反応装置から流出する分離水の流量Q3 とから濃縮汚
泥濃度Uを算出し、Uに基づき、前記脱水装置の重力脱
水濾過部にて、望ましい汚泥の濃縮脱水効率が得られる
目標水位Pを設定するプログラマブル調節計を有する前
記(4)の濃縮脱水装置。 (7)前記脱水装置が、ベルトプレス型脱水装置である
前記(4)の濃縮脱水装置。
脱水効率」とは、単に、汚泥の最も高い濃縮脱水効率に
限定されるものではなく、凝集剤の適正添加量、処理速
度、処理安定性、脱水ケーキの利用性等を含め、様々な
目的に応じて、所望に設定する濃縮脱水効率をいうもの
である。また、本発明で使用する重力脱水濾過部を有す
る脱水装置は、特に限定されないが、ろ布が常に目詰ま
りのない状態で運転されるものとして、ベルトプレス型
脱水装置が好ましい。
縮脱水装置によれば、脱水装置には重力脱水濾過部と圧
搾脱水部等で構成され該重力脱水濾過部の水位を測定で
きるセンサーを搭載したものを採用し、攪拌機以外の駆
動装置を用いないような簡単な構造の濃縮型凝集反応装
置を採用し、脱水装置の重力脱水濾過部の水位の変化に
より凝集剤の添加量を制御するようにしたので、原汚泥
の性状が変化した場合でも凝集剤の添加量を適正値に自
動調節することが可能になり、使用する凝集剤が高分子
凝集剤のみであっても濃縮型凝集反応を可能にし、運転
の仕方によっては薬品使用量の軽減化が可能になり、且
つ濃縮型凝集反応装置の濃縮効率を適正範囲内に自動調
節することが可能になる。
よれば、重力脱水濾過部の設定水位を調節することで、
所定範囲内の希望する濃縮効率、脱水効率に調節するこ
とを可能にすることもできる。その上、本発明に係る濃
縮脱水方法及び濃縮脱水装置を、汎用型のベルトプレス
型脱水装置等を採用している多くの脱水施設に適用した
場合、凝集反応槽を濃縮型凝集反応槽に改造し、脱水装
置の重力脱水濾過部に信号発信可能な水位センサーを設
けて、その指示値から薬注量を決定、調節するプログラ
マブル調節計を組み込むだけで原汚泥の性状変化に対応
した薬注自動制御が可能となり、汚泥を常に所定の濃度
範囲まで濃縮することが可能となるので、脱水性能が大
幅に改善され、しかもランニングコストを抑えことがで
きる。
の適正薬注量、および濃縮効率は、重力脱水濾過部の脱
水性を目安にして制御している。また、重力脱水性能の
指標としての重力脱水濾過部の水位は、凝集汚泥粒子と
脱水ろ液の分離性の良し悪しを直接的に表した数値であ
るので、汚泥の濃度、コロイド電荷量、Mアルカリ度、
粒径3μm以下の汚泥粒子の比率等の変動にともなっ
て、凝集剤の過不足が生じた場合には、すぐさま重力脱
水濾過部の水位変動という現象が生じ、その水位を薬注
量の変化で調節することにより、汚泥の性状変化に伴っ
た適正な薬注量の調節を常に行うことができる。
原理的には、濃縮凝集装置内のスリット面での分離性と
ほとんど同じ性質をもつので、重力脱水濾過部の脱水性
が改善された場合、同様に濃縮凝集装置での濃縮効率も
改善されることになる。そのため、重力脱水濾過部の設
定水位を変化させて濃縮効率を操作することが可能にな
るのである。
て、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の
濃縮脱水方法及び濃縮脱水装置の概念を示す図である。
濃縮型凝集反応装置1において、原汚泥に、凝集剤添加
装置2から凝集剤を添加し、攪拌し生じた凝集汚泥を濾
別して濃縮し、分離水と濃縮汚泥とに分離する。濃縮型
凝集反応装置1で得られた濃縮汚泥を、脱水装置3の重
力脱水濾過部へ導入する。このとき、重力脱水濾過部に
て、望ましい汚泥の濃縮脱水効率が得られる目標水位P
を予め設定する。脱水装置3の重力脱水濾過部へ導入し
た濃縮汚泥の測定水位Xが目標水位Pに近接になるよう
に、プログラマブル調節計4で、凝集剤添加装置2から
添加される凝集剤添加量を制御する。
測定水位Xと目標水位Pとが等しい場合には、凝集剤添
加量を現状維持し、測定水位Xが目標水位Pより高い場
合には、凝集剤添加量を増加させ、測定水位Xが目標水
位Pより低い場合には、凝集剤添加量を減少させる。上
記の操作の流れを図2に示す。
装置においては、原汚泥が濃縮型凝集反応装置1にて、
常に所定範囲の濃縮倍率で濃縮されるように上記目標水
位Pを設定するようにしてもよい。この場合、原汚泥の
濃縮の際に、望ましい汚泥の濃縮脱水効率が得られる目
標汚泥濃縮倍率Rを設定し、濃縮型凝集反応装置1に流
入する原汚泥の流量Q1 と凝集剤添加装置2から添加さ
れる凝集剤添加量Q2 と濃縮型凝集反応装置1から流出
する分離水の流量Q3 とから算出される汚泥濃縮倍率S
が、Rに近接するように、プログラマブル調節計4で目
標水位Pを制御する。
汚泥濃縮倍率Sと目標汚泥濃縮倍率Rとが等しい場合に
は、目標水位Pを現状維持し、汚泥濃縮倍率Sが目標汚
泥濃縮倍率Rより高い場合には、目標水位Pを上昇さ
せ、汚泥濃縮倍率Sが目標汚泥濃縮倍率Rより低い場合
には、目標水位Pを降下させる。上記の操作の流れを図
3に示す。また、汚泥濃縮倍率Sは以下の式で算出され
る。 S=(Q1 +Q2 )/(Q1 +Q2 −Q3 )
水装置においては、原汚泥が濃縮型凝集反応装置1に
て、常に所定範囲の濃度に濃縮されるようにするため、
上記目標水位Pを設定するようにしてもよい。この場
合、原汚泥の濃縮の際に、望ましい汚泥の濃縮脱水効率
が得られる目標濃縮汚泥濃度Tを設定し、濃縮型凝集反
応装置1に流入する原汚泥の濃度Coと原汚泥の流量Q
1 と凝集剤添加装置2から添加される凝集剤添加量Q2
と濃縮型凝集反応装置1から流出する分離水の流量Q3
とから算出される濃縮汚泥濃度Uが、Tに近接するよう
に、プログラマブル調節計4で目標水位Pを制御する。
濃縮汚泥濃度Uと目標濃縮汚泥濃度Tとが等しい場合に
は、目標水位Pを現状維持し、濃縮汚泥濃度Uが目標濃
縮汚泥濃度Tより高い場合には、目標水位Pを上昇さ
せ、濃縮汚泥濃度Uが目標濃縮汚泥濃度Tより低い場合
には、目標水位Pを降下させる。上記の操作の流れを図
4に示す。また、濃縮汚泥濃度Uは以下の式で算出され
る。 U=Co×(Q1 /(Q1 +Q2 −Q3 ))
る濃縮型凝集反応装置1と脱水装置3の詳細について
を、以下に説明する。図5は、濃縮型凝集反応装置1を
示す要部断面図であり、図6は、重力脱水濾過部を有す
る脱水装置3の一例であるベルトプレス型脱水装置を示
す概略図である。本実施の形態においては、図5または
図6に示すように、濃縮型凝集反応装置1(以下、濃縮
凝集装置)と、例えば重力脱水濾過部31と圧搾脱水部
32を有する一般的なベルトプレス型脱水装置2を使用
した構成である。
全体形状が、縦型円筒状であり、上部側面に濃縮汚泥流
出管11、中段側面に分離水流出管12、下部側面に原
汚泥供給管13と、凝集剤供給管14がそれぞれ接続さ
れている。槽上部にはモータ等の駆動装置15があり、
この駆動装置15は、槽内を攪拌するための攪拌羽根1
6と例えばブラシからなるスクレーパ17を回転させ
る。分離水を分離するスクリーン18は、くさびの太い
ほうを外側にしたウェッジワイヤーのリングを水平にし
て、それを垂直方向に、例えば1mm間隔で重ねてある。
トバーにより固定されている。スクレーパ17のブラシ
の毛は耐摩耗性が強く、形状記憶性の特殊ネオナイロン
系素材で、直径0.4mmのものを使用している。また、
ブラシの毛先は、サポートバーにわずかに接触する長さ
にカットしてある。槽内中央部には、スクリーン18表
面の上向流速を高めるためのドラフトチューブ19があ
る。そして、分離水は自然流下し、その流量制御はテレ
スコープ弁20で行うようになっている。また、濃縮汚
泥流出管11から排出された濃縮汚泥は、脱水装置3の
重力脱水濾過部31に供給される(図5のAから図6の
Aに供給)。
その重力脱水濾過部31には、信号発信可能な水位計3
2を装備し、該水位計32はその値から所定の関数に基
づいて適正薬注量を決定するコントローラ4に接続して
いる。なお、図6において、33は濾液を集液する集液
手段であり、重力ろ布ベルト34、圧搾ろ布ベルト35
は、濃縮汚泥をはさみ込むことのできるろ布ベルトであ
る。また、重力ろ布ベルト34、圧搾ろ布ベルト35の
有効ろ布幅は、例えば50cm〜数m程度にすることが
できる。また、重力ろ布ベルト34と圧搾ろ布ベルト3
5は、別々のろ布を使用し、各々は別々の駆動装置によ
り駆動しろ布速度はともに可変である。また、36、3
7は濃縮汚泥に圧搾するためのプレスロールである。
ついて説明する。運転手順は、以下のように行う。スタ
ートアップでは、原汚泥供給量は目標処理速度を満足す
る量に設定し、重力脱水濾過部31の設定(目標)水
位、重力ろ布速度、濃縮型凝集反応装置1の撹拌速度、
分離水の流量調節装置であるテレスコープ弁20を適当
に設定し、凝集剤添加量は、凝集試験の適正値より多少
多目に設定してスタートする。
正値に自動調整される。凝集剤添加量が適正値になった
ら分離水量が最大流量排出されるように、流量調節装置
(テレスコープ弁20)を調節する。本実施の形態にお
ける流量調節装置(テレスコープ弁20)は分離水量を
常時直接調節するのではなく、分離水量の上限を制限す
るリミッターの機能を持つ。ここで、更に薬注率を下げ
たい場合は、重力脱水濾過部31の設定(目標)水位を
高く、または重力ろ布速度を速く、または濃縮型凝集反
応装置1の撹拌速度を遅くする。または、これらを組み
合わせることにより5〜30%の薬注量軽減化が図れる
場合がある。その場合、薬注率が低下すると脱水ケーキ
の含水率が約1〜3ポイント上昇するのでその点を考慮
して調整する必要がある。
3の重力脱水濾過部31の(目標)水位設定値を調節す
ることにより分離水を増減され調節する。薬注の自動制
御を行っている時の薬注量の変動要因としては、先に示
した重力脱水濾過部31の設定(目標)水位、重力ろ布
速度、濃縮型凝集反応装置1の撹拌速度の他に、原汚泥
供給量、原汚泥性状、重力ろ布の目詰まり状態、凝集剤
の溶解濃度等がある。
基づき、原汚泥濃度、コロイド荷重量、Mアルカリ度、
粒径3μm以下の汚泥粒子の比率等の因子を含んだ適正
添加量に関与する総合的な原汚泥の性状を意味する。汚
泥の脱水ケーキ含水率の変動要因としては、原汚泥性
状、薬注量、濃縮汚泥濃度、ろ布張力、圧搾ろ布速度、
圧搾ろ布の目詰まり状態等がある。薬注自動制御運転の
プログラムは、原汚泥の性状や脱水装置の機種により様
々である。
過部31の水位をPID制御等により一定値に制御する
方法がある。すなわち、重力脱水濾過部31の水位が初
期設定値より上昇した場合、これは原汚泥の性状が変化
(例えばコロイド荷電量の絶対値が上昇)し、濃縮効率
または重力脱水効率が低下したことを意味するため凝集
剤添加量を大きくすることで濃縮・脱水効率を改善し、
水位を下げる。重力脱水濾過部31の水位が低下した場
合は、逆に凝集剤添加率を小さくすることで濃縮・脱水
効率を低下させ、必要以上の凝集剤添加を防止する。こ
の薬注自動制御が連続的に機能するためには、凝集剤添
加率の初期設定値が、ビーカ凝集試験での適正添加率よ
りやや少なめである必要があり、そのために設定水位に
下限値を設ける場合がある。
めであるので、濃縮型凝集反応装置1の固液分離用多孔
質壁部であるスクリーン18と重力ろ布34のフィルタ
ー目は、凝集剤不足が原因で、常に分離水中に存在する
微細な浮遊物質により多少の目詰まり状態が生じてお
り、凝集剤添加率の増加があれば、すぐさまこの微細な
浮遊物質の一部が凝集し、双方のろ過性能を改善する状
態にある。
脱水濾過部31の水位高は、処理速度を制限する要因の
一つである。例えば、汚泥粒子が比較的小さく低濃度の
濃縮汚泥を処理する場合等は、重力脱水濾過部31の脱
水性が特に悪くなるために、重力脱水濾過部31の水位
が上昇し、重力脱水が十分に行えなくなる。その場合
は、原汚泥供給量を小さくして脱水運転を行う必要があ
るために、処理速度が制約される。
力脱水濾過部31の水位を調節することにより、原汚泥
性状が大きく変化する場合でも、濃縮効率を自動的に制
御し濃縮汚泥濃度を所定の範囲内にすることが可能であ
る。このため、脱水装置3の処理能力を最大限に引き出
すことが可能となる。例えば、汚泥のSS濃度が、5〜
25g/リットルで最小濃度から最大濃度まで5倍程度の
範囲で変化する場合でも、濃縮汚泥SS濃度は、15〜
35g/リットルで最小濃度から最大濃度まで約2倍の範
囲内に調節することが可能になる。
は、流量調節装置であるテレスコープ弁20により生じ
る、例えば30〜100mm程度のヘッド差をドライビン
グフォースとして分離スクリーンを通過し、そのヘッド
差は、流入原汚泥濃度にかかわらず一定である。このた
めに、濃縮型凝集反応装置1の槽内濃度が小さい場合は
分離水量は多く、槽内濃度が大きい場合は分離水量が少
なくなる。つまり、流入原汚泥が低濃度の場合は分離水
量が多く、高濃度の場合は分離水量が少なくなり、濃縮
汚泥濃度の差は結果的に流入原汚泥濃度の差より縮小す
ることになる。この縮小傾向は重力ろ布設定速度、およ
び重力脱水濾過部31の設定水位が小さくなるほど顕著
になる。
がある場合、例えば濃縮効率を大きくしたい場合は、重
力脱水濾過部31の初期設定水位を下げ、濃縮効率を小
さくしたい場合は、該設定水位を上げることで濃縮効率
の調節が可能になる。このような濃縮効率の制御が、重
力脱水濾過部31の設定水位の調節で可能になる理由と
しては、重力脱水濾過部31の水位の高低は、凝集汚泥
の重力ろ布目からの水切り具合の良し悪しを直接的に表
すとともに、同時に濃縮型凝集反応装置1の分離スクリ
ーン18からの分離水の通過具合の良し悪しを反映して
いることにある。
制御する必要がある場合は、分離水量を測定する流量計
を設け、その指示値と、原汚泥供給量、凝集剤供給量か
ら算出される濃縮倍率が目標濃縮倍率より小さい場合
は、重力脱水濾過部31の設定水位を低く、逆の場合は
高くする制御を付加することにより、濃縮倍率の設定が
可能になる。
泥の濃度を厳密に制御する必要がある場合は、流入原汚
泥の濃度を測定する濃度計を設けて、その指示値と、汚
泥供給量、凝集剤供給量、分離水量から算出される濃縮
汚泥濃度が目標濃縮汚泥濃度より小さい場合は、重力脱
水濾過部31の設定水位を低く、逆の場合は高くする制
御を付加することにより、濃縮汚泥濃度の設定が可能に
なる。濃縮汚泥の濃度や濃縮倍率が一定範囲内に制限さ
れると、脱水装置3の運転操作が容易になり、処理速度
や脱水ケーキ含水率等の処理性能の変動幅が小さくなり
安定した処理成績が得られる。濃縮効率は、ビーカ凝集
試験の適正添加率の時に最大になる。
反応装置1とベルトプレス型脱水装置3の組み合わせに
よる濃縮脱水設備の一実施例について詳細に説明する。
A汚泥処理場では、製造から15年以上経過している複
数のベルトプレス型脱水装置(基本的構成は、図6に示
す構成と同じ)により、下水混合生汚泥を脱水処理して
いる。近年の汚泥の低濃度化により、ベルトプレス型脱
水装置の処理速度は減少の一途をたどり、このままでは
必要処理量を満足することが困難になると判断し、本発
明に係る方法および装置を採用した。但し、脱水ケーキ
を焼却した後の灰を有効利用しており、アルミや鉄の含
有率が増加すると問題となるために無機凝集剤を使用し
てはならないこと、既設の脱水装置に使用している凝集
剤をそのまま使用すること等の制約があった。
既設脱水装置の内の1台のみに採用した。以下、説明の
便宜上、本発明を適用した装置を、1号脱水装置とす
る。なお、本発明を採用にあたっては、既存の凝集反応
槽を、図5に示す濃縮型凝集反応装置1に変更し、既設
の重力脱水濾過部31の水位計を利用し、該水位により
凝集剤注入量を制御するためのプログラマブル調節計を
使用した。
1およびベルトプレス型脱水装置3の構造について、具
体的に説明する。 ・使用した濃縮型凝集反応装置1の形状は、縦型円筒状
で、直径1.1m、有効濾過面積2.5m2 、有効容積
m3 である。 ・スクリーン18は、くさびの太いほうを内側にしたウ
ェッジワイヤーのリングを水平にして、それを垂直方向
に、1mm間隔で重ねた構成とした。
憶性の特殊ネオナイロン系素材で、直径0.4mmのもの
を使用した。また、ブラシの毛先は、サポートバーにわ
ずかに接触する長さにカットした設定とした。 ・濃縮型凝集反応装置1の原汚泥供給管13は50mm
φ、濃縮汚泥排出管11は150mmφである。 ・ろ布ベルト34、35の有効ろ布幅は3mとした。両
ベルトは、別々の駆動装置により駆動し、ろ布速度はと
もに可変とした。
ったプレ試験の結果より決定した。脱水運転は、基本的
に24時間連続自動運転とし、必要に応じて原汚泥供給
量等を変更した。使用した凝集剤は、既設脱水装置と同
一のカチオン系の高分子凝集剤とした。1号機による濃
縮脱水運転は3か月以上行った。以下に3か月間の1号
脱水装置の処理成績と他の脱水装置の処理成績を表1に
示す。
〜25.5(g/リットル)の範囲で変化した。この原汚
泥は、1号脱水装置の濃縮型凝集反応装置により、2
0.1〜34.5(g/リットル)の範囲に凝縮された。
汚泥濃度は、濃縮前と比較してから約1.5〜3倍に濃
縮され、濃縮前には、最大値と最小値で3倍以上の濃度
差があったものが濃縮後には約1.7倍の差に縮小し
た。1号脱水装置の濃縮型凝集反応装置は、低濃度の原
汚泥を約3倍に濃縮できることから、重力脱水濾過部の
水位高を起こすことなく原汚泥供給量は最大で55(m3
/h)まで処理することが可能であった。それにより、低
濃度原汚泥の場合の処理速度は、151(kgDS/mh )で
既設の57(kg/DS/mh)の約3倍量となった。
合でも1号機は既設脱水装置の約2.5倍量の処理速度
を達成することができた。凝集剤添加率は、既設脱水装
置の平均値0.80%よりも0.13ポイント低い0.
67%に低下させることができた。また、ケーキ含水率
は1号機と既設脱水装置の間で大きな差は生じなかった
が、1号脱水装置は既設脱水装置の2.5倍の処理速度
で運転しており1号脱水装置の圧搾ろ布速度は、既設脱
水装置の2倍程度に大きくしていることを考慮すると1
号脱水装置の脱水性能の方が極めて優れていることが判
る。
水方法及び濃縮脱水装置によれば、脱水装置には重力脱
水濾過部と圧搾脱水部等で構成され該重力脱水濾過部の
水位を測定できるセンサーを搭載したものを採用し、攪
拌機以外の駆動装置を用いないような簡単な構造の濃縮
型凝集反応装置を採用し、重力脱水濾過部の水位の変化
により凝集剤の添加量を制御するようにしたので、汚泥
の性状が変化した場合でも凝集剤の添加量を適正値に自
動調節することが可能になり、使用する凝集剤が高分子
凝集剤のみであっても濃縮型凝集反応を可能にし、運転
の仕方によっては薬品使用量の軽減化が可能になるだけ
でなく、濃縮型凝集反応装置の濃縮効率を自動調節にて
高めることができる。
は、重力脱水濾過部の設定水位を調節することで、所定
範囲内の希望する濃縮効率、脱水効率に調節することを
可能にすることもでき、その上、例えば、汎用のベルト
プレス型脱水装置を採用している多くの脱水施設に本発
明を適用した場合、凝集反応槽を濃縮型凝集反応槽に改
造し、重力脱水濾過部に信号発信可能な水位センサーを
設けて、その指示値から薬注量を決定するプログラムを
組み込むだけで原汚泥の性状変化に対応した薬注自動制
御が可能となり、原汚泥を常に所定の濃度範囲まで濃縮
することが可能となったので、脱水性能が大幅に改善す
ることができ、しかも、処理施設のランニングコストを
大幅に抑えことのできる。
す図である。
ロー図である。
すフロー図である。
すフロー図である。
態における要部断面図である。
ルトプレス型脱水装置の概略図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 原汚泥に凝集剤を添加し攪拌し生じた凝
集汚泥を濾別して濃縮した後、濃縮汚泥を、重力脱水濾
過部を有する脱水装置で脱水する方法において、該重力
脱水濾過部にて、望ましい汚泥の濃縮脱水効率が得られ
る目標水位Pを予め設定し、該重力脱水濾過部における
濃縮汚泥の測定水位XがPに近接するように該凝集剤の
添加量を制御することを特徴とする濃縮脱水方法。 - 【請求項2】 原汚泥の濃縮の際に、望ましい汚泥の濃
縮脱水効率が得られる目標汚泥濃縮倍率Rを設定し、原
汚泥流量Q1 と凝集剤添加量Q2 と該濃縮により生じる
分離水の流量Q3 とから算出される実汚泥濃縮倍率Sが
Rに近接するように前記目標水位Pを制御することを特
徴とする請求項1記載の濃縮脱水方法。 - 【請求項3】 原汚泥の濃縮の際に、望ましい汚泥の濃
縮脱水効率が得られる目標濃縮汚泥濃度Tを設定し、原
汚泥濃度Coと原汚泥流量Q1 と凝集剤添加量Q2 と該
濃縮により生じる分離水の流量Q3 とから算出される実
濃縮汚泥濃度UがTに近接するように前記目標水位Pを
制御することを特徴とする請求項1記載の濃縮脱水方
法。 - 【請求項4】 原汚泥に凝集剤を添加し攪拌し生じた凝
集汚泥を濾別して濃縮する濃縮型凝集反応装置と、原汚
泥に凝集剤を添加する凝集剤添加装置と、該濃縮型凝集
反応装置からの濃縮汚泥を重力脱水する重力脱水濾過部
を有する脱水装置と、該脱水装置の重力脱水濾過部の測
定水位Xを検知し、Xに基づき該凝集剤添加装置から添
加される凝集剤添加量を制御するプログラマブル調節計
とを有する濃縮脱水装置。 - 【請求項5】 前記濃縮型凝集反応装置に流入する原汚
泥の流量Q1 と前記凝集剤添加装置から添加される凝集
剤添加量Q2 と前記濃縮型凝集反応装置から流出する分
離水の流量Q3 とから汚泥濃縮倍率Sを算出し、Sに基
づき、前記脱水装置の重力脱水濾過部にて、望ましい汚
泥の濃縮脱水効率が得られる目標水位Pを設定するプロ
グラマブル調節計を有する請求項4記載の濃縮脱水装
置。 - 【請求項6】 前記濃縮型凝集反応装置に流入する原汚
泥の濃度Coと該原汚泥の流量Q1 と前記凝集剤添加装
置から添加される凝集剤添加量Q2 と前記濃縮型凝集反
応装置から流出する分離水の流量Q3 とから濃縮汚泥濃
度Uを算出し、Uに基づき、前記脱水装置の重力脱水濾
過部にて、望ましい汚泥の濃縮脱水効率が得られる目標
水位Pを設定するプログラマブル調節計を有する請求項
4記載の濃縮脱水装置。 - 【請求項7】 前記脱水装置が、ベルトプレス型脱水装
置である請求項4記載の濃縮脱水装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06330998A JP3705466B2 (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | 濃縮脱水方法及び濃縮脱水装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP06330998A JP3705466B2 (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | 濃縮脱水方法及び濃縮脱水装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11254000A true JPH11254000A (ja) | 1999-09-21 |
JP3705466B2 JP3705466B2 (ja) | 2005-10-12 |
Family
ID=13225569
Family Applications (1)
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JP06330998A Expired - Lifetime JP3705466B2 (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | 濃縮脱水方法及び濃縮脱水装置 |
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JP (1) | JP3705466B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1998
- 1998-03-13 JP JP06330998A patent/JP3705466B2/ja not_active Expired - Lifetime
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