JP5305878B2 - 汚泥中の繊維分濃度測定装置および繊維分濃度調整装置および脱水設備および脱水方法 - Google Patents
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後者の方法の実施事例としては、スクリュープレスによる余剰汚泥脱水があり、余剰汚泥を対象とし、脱水性を高めるために無機凝集剤、ポリマーおよび解砕古紙を添加してスクリュープレスで脱水するものである。この方法は脱水補助剤として解砕古紙に含まれる繊維質を利用するものであり、解砕古紙を対象の汚泥に定量的に加えるので、そのコストが問題となる。
また、特許文献3には、有機性汚泥に合成繊維と凝集剤を添加して凝集させた後、脱水処理する有機性汚泥の脱水方法が記載されている。
実施の形態1
図1に示すように、脱水設備は脱水装置1と繊維分濃度調整装置20を備えている。
(脱水装置)
脱水装置1は、スクリュープレス、ベルトプレス、フィルタープレス等の脱水機2と、攪拌機3を有して脱水機2に対象汚泥を供給する混和槽4と、混和槽4に無機凝集剤を供給する無機凝集剤槽5および凝集剤供給系5aと、混和槽4にポリマーを供給するポリマー槽6およびポリマー供給系6aと、脱水機2から排出する脱水ろ液を受ける脱水ろ液槽7を備えている。
(繊維分濃度調整装置)
繊維分濃度調整装置20は、繊維分濃度測定装置30と、汚泥を貯溜する汚泥貯溜槽40と、汚泥貯溜槽へ脱水補助剤を供給する脱水補助剤供給装置50を備えている。
(基本操作)
繊維分濃度調整装置20は、汚泥貯溜槽40に貯溜する汚泥を所定繊維分濃度に調整した後に、給泥ポンプ41aにより給泥系41を通して混和槽4に供給する。繊維分濃度調整装置20の濃度調整操作については後述する。
(濃度調整操作)
繊維分濃度測定装置30では、繊維分濃度演算装置30aによる制御によって汚泥貯溜槽40における汚泥中の繊維分濃度を検知し、汚泥貯溜槽40における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量を算出する。そして、脱水補助剤供給装置50を制御し、脱水補助剤供給ポンプ52aを駆動して流量計52bで測定しつつ脱水補助剤添加量に相応する脱水補助剤を脱水補助剤貯溜槽51から脱水補助剤供給系52を通して汚泥貯溜槽40に供給する。
1.汚泥供給開始
ドレン弁37aを閉栓する状態で、汚泥供給ポンプ35aを駆動し、定流量汚泥供給系35を通して汚泥貯溜槽40の汚泥をケーシング31の一次側領域に一定流量で供給し、フィルター32でろ過しつつろ液をろ液返送系36を通して汚泥貯溜槽40へ戻す。
2.圧力計PV値・圧力SV値到達時間
繊維分濃度演算装置30aは、フィルター差圧計38aで一次側領域と二次側領域とにおける圧力差を計測しつつ、測定開始からフィルター差圧が目標値に達するまでに経過する経過時間を測定する。
3.圧力SV値到達時間より繊維濃度決定
測定した経過時間を指標として経過時間と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求める。例えば、図2に示すように、フィルター差圧と経過時間の関係は概ね直線的な比例関係を有している。フィルター32の形状や目幅、汚泥供給ポンプ35aの流量、圧力SV値(設定値)は任意に設定できるが、図2に例示するものにおいて、フィルター32は形状がφ164mm×H241mmで、ろ過面積0.515m2であり、ウェッジワイヤ目幅が0.5mmであり、汚泥供給ポンプ35aの流量は1.0m3/hである。
4.脱水補助剤添加量・SV値決定
汚泥貯溜槽40における汚泥中の繊維分濃度が判明すれば、汚泥貯溜槽40の容量は一定であるので、汚泥貯溜槽40における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量は容易に算出できる。
50(m3)×1000(リットル/m3)×2/100(kg/リットル)
×(15−9)/100(kg/kg)=60(kg)
5.脱水補助剤供給ポンプ・PID制御
脱水補助剤貯溜槽51における脱水補助剤懸濁液の繊維分濃度は設定値に調整したものであるので、脱水補助剤添加量を満たすのに必要な脱水補助剤懸濁液の流量は容易に求めることができ、この流量は脱水補助剤供給ポンプ52aをPID制御して実現する。
60(kg)×100/8(リットル/kg)×1/1(hr)
=750(リットル/hr)
6.フィルター洗浄工程
測定操作の終わりにフィルター32を洗浄する。洗浄ポンプ39bを駆動し、洗浄水供給系39を通して洗浄水槽39aの洗浄水を洗浄ノズル33へ供給する。
実施の形態2
繊維濃度の検知は、単位測定時間当たりのフィルター差圧の圧力増加割合を指標として圧力増加割合と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求めることも可能である。
実施の形態3
繊維濃度の検知は、測定開始からフィルター流入流量が目標値に達するまでに経過する経過時間を指標として経過時間と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求めることも可能である。
(基本操作)
繊維分濃度調整装置20は、汚泥貯溜槽40に貯溜する汚泥を所定繊維分濃度に調整した後に、給泥ポンプ41aにより給泥系41を通して混和槽4に供給する。
(濃度調整操作)
繊維分濃度測定装置30では、繊維分濃度演算装置30aによる制御によって汚泥貯溜槽40における汚泥中の繊維分濃度を検知し、汚泥貯溜槽40における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量を算出する。そして、脱水補助剤供給装置50を制御し、脱水補助剤供給ポンプ52aを駆動して流量計52bで測定しつつ脱水補助剤添加量に相応する脱水補助剤を脱水補助剤貯溜槽51から脱水補助剤供給系52を通して汚泥貯溜槽40に供給する。
1.汚泥供給開始
ドレン弁37aを閉栓する状態で、定圧汚泥供給系60の入口弁61を開放し、循環系42から自然流下により汚泥を一定圧で供給し、フィルター32でろ過しつつろ液をろ液返送系36を通して汚泥貯溜槽40へ戻す。
2.流量計PV値・流量SV値到達時間
繊維分濃度演算装置30aは、フィルター入口流量計62で測定する流量が測定開始から目標値に達するまでに経過する経過時間を測定する。
3.流量値到達時間より繊維濃度決定
測定した経過時間を指標として経過時間と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求める。フィルター32の形状や目幅、汚泥供給ポンプ35aの流量、流量SV値(設定値)は任意に設定できるが、図5に例示するものの条件は、フィルター32の形状がφ164mm×H241mmで、ろ過面積0.515m2であり、ウェッジワイヤ目幅が0.5mmであり、攪拌ポンプ42aの流量は7.0m3/hで、ケーシング31の流入側圧力を0.12MPaに設定している。
4.脱水補助剤添加量・SV値決定
汚泥貯溜槽40における汚泥中の繊維分濃度が判明すれば、汚泥貯溜槽40の容量は一定であるので、汚泥貯溜槽40における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量は容易に算出できる。
5.脱水補助剤供給ポンプ・PID制御
脱水補助剤貯溜槽51における脱水補助剤懸濁液の繊維分濃度は設定値に調整したものであるので、脱水補助剤添加量を満たすのに必要な脱水補助剤懸濁液の流量は容易に求めることができ、この流量は脱水補助剤供給ポンプ52aをPID制御して実現する。
6.フィルター洗浄工程
測定操作の終わりにフィルター32を洗浄する。洗浄ポンプ39bを駆動し、洗浄水供給系39を通して洗浄水槽39aの洗浄水を洗浄ノズル33へ供給する。
実施の形態4
繊維濃度の検知は、単位測定時間当たりのフィルター流入流量の流量減少割合を指標として流量減少割合と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求めることも可能である。
2 脱水機
3 攪拌機
4 混和槽
5 凝集剤槽
5a 凝集剤供給系
6 ポリマー槽
6a ポリマー供給系
7 脱水ろ液槽
20 繊維分濃度調整装置
30 繊維分濃度測定装置
30a 繊維分濃度演算装置
31 ケーシング
32 フィルター
33 洗浄ノズル
34 回転装置
35 定流量汚泥供給系
35a 汚泥供給ポンプ
35b 流量計
36 ろ液返送系
37 洗浄ドレン
37a ドレン弁
38 バイパス管
38a フィルター差圧計
39 洗浄水供給系
39a 洗浄水槽
39b 洗浄ポンプ
40 汚泥貯溜槽
41 給泥系
41a 給泥ポンプ
42 循環系
42a 攪拌ポンプ
50 脱水補助剤供給装置
51 脱水補助剤貯溜槽
52 脱水補助剤供給系
52a 脱水補助剤供給ポンプ
52b 流量計
60 定圧汚泥供給系
61 入口弁
62 フィルター入口流量計
Claims (7)
- ケーシングと、ケーシング内に配置し、一次側領域と二次側領域とを隔てるフィルター
と、フィルターの一次側領域に汚泥を一定流量で供給する定流量汚泥供給手段と、一次側
領域と二次側領域とにおける圧力差を計測する差圧計測手段と、差圧計測手段の計測値で
あるフィルター差圧に基づいて汚泥中の繊維分濃度を演算する繊維分濃度演算手段を備え
、繊維分濃度演算手段は測定開始からフィルター差圧が目標値に達するまでに経過する経
過時間を指標として経過時間と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求めることを特
徴とする汚泥中の繊維分濃度測定装置。 - ケーシングと、ケーシング内に配置し、一次側領域と二次側領域とを隔てるフィルター
と、フィルターの一次側領域に汚泥を一定流量で供給する定流量汚泥供給手段と、一次側
領域と二次側領域とにおける圧力差を計測する差圧計測手段と、差圧計測手段の計測値で
あるフィルター差圧に基づいて汚泥中の繊維分濃度を演算する繊維分濃度演算手段を備え
、繊維分濃度演算手段は単位測定時間当たりのフィルター差圧の圧力増加割合を指標とし
て圧力増加割合と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求めることを特徴とする汚泥
中の繊維分濃度測定装置。 - ケーシングと、ケーシング内に配置し、一次側領域と二次側領域とを隔てるフィルター
と、フィルターの一次側領域に汚泥を一定圧力で供給する定圧汚泥供給手段と、一次側領
域における流量を計測する流量計測手段と、流量計測手段の計測値であるフィルター流入
流量に基づいて汚泥中の繊維分濃度を演算する繊維分濃度演算手段を備え、繊維分濃度演
算手段は測定開始からフィルター流入流量が目標値に達するまでに経過する経過時間を指
標として経過時間と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求めることを特徴とする汚
泥中の繊維分濃度測定装置。 - ケーシングと、ケーシング内に配置し、一次側領域と二次側領域とを隔てるフィルター
と、フィルターの一次側領域に汚泥を一定圧力で供給する定圧汚泥供給手段と、一次側領
域における流量を計測する流量計測手段と、流量計測手段の計測値であるフィルター流入
流量に基づいて汚泥中の繊維分濃度を演算する繊維分濃度演算手段を備え、繊維分濃度演
算手段は特定時間におけるフィルター流入流量の流量減少割合を指標として流量減少割合
と繊維分濃度との相関において繊維分濃度を求めることを特徴とする汚泥中の繊維分濃度
測定装置。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載の繊維分濃度測定装置と、汚泥を貯溜する汚泥貯溜槽
と、汚泥貯溜槽へ脱水補助剤を供給する脱水補助剤供給装置を備え、繊維分濃度測定装置
の繊維分濃度演算手段は、検知した汚泥貯溜槽から供給する汚泥中の繊維分濃度をもとに
、汚泥貯溜槽における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤
添加量を算出して、脱水補助剤供給装置を制御して脱水補助剤添加量に相応する脱水補助
剤を汚泥貯溜槽に供給することを特徴とする繊維分濃度調整装置。 - 脱水装置と繊維分濃度調整装置を備え、脱水装置は、脱水機と、脱水機に対象汚泥を供
給する混和槽と、混和槽に凝集剤を供給する凝集剤供給系を有し、繊維分濃度調整装置は
、繊維分濃度測定装置と、汚泥を貯溜する汚泥貯溜槽と、汚泥貯溜槽へ脱水補助剤を供給
する脱水補助剤供給装置を有し、繊維分濃度測定装置は、請求項1〜4の何れか1項に記
載の繊維分濃度測定装置からなり、繊維分濃度測定装置の繊維分濃度演算手段は、検知し
た汚泥貯溜槽から供給する汚泥中の繊維分濃度をもとに、汚泥貯溜槽における汚泥中の繊
維分濃度を所定繊維分濃度とするのに必要な脱水補助剤添加量を算出して、脱水補助剤供
給装置を制御して脱水補助剤添加量に相応する脱水補助剤を汚泥貯溜槽または混和槽に供
給することを特徴とする脱水設備。 - 脱水装置と繊維分濃度調整装置を備え、脱水装置は、脱水機と、脱水機に対象汚泥を供
給する混和槽と、混和槽に凝集剤を供給する凝集剤供給系を有し、繊維分濃度調整装置は
、繊維分濃度測定装置と、汚泥を貯溜する汚泥貯溜槽と、汚泥貯溜槽へ脱水補助剤を供給
する脱水補助剤供給装置を有し、繊維分濃度測定装置が、請求項1〜4の何れか1項に記
載の繊維分濃度測定装置からなる脱水設備において、
繊維分濃度測定装置の繊維分濃度演算手段により、検知した汚泥貯溜槽から供給する汚
泥中の繊維分濃度をもとに、汚泥貯溜槽における汚泥中の繊維分濃度を所定繊維分濃度と
するのに必要な脱水補助剤添加量を算出して、脱水補助剤供給装置を制御して脱水補助剤
添加量に相応する脱水補助剤を汚泥貯溜槽または混和槽に供給することを特徴とする脱水
方法。
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