JPH11253881A - 加振機構 - Google Patents

加振機構

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JPH11253881A
JPH11253881A JP5787398A JP5787398A JPH11253881A JP H11253881 A JPH11253881 A JP H11253881A JP 5787398 A JP5787398 A JP 5787398A JP 5787398 A JP5787398 A JP 5787398A JP H11253881 A JPH11253881 A JP H11253881A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の永久磁石を組み込むことにより、コン
パクトで騒音が少なく、かつ、安価で信頼性の高い加振
機構を提供すること。 【解決手段】 底板12に少なくとも一つの回転軸1
4,16を介して頂板18を揺動自在に取り付けるとと
もに、同一磁極が対向する一対の永久磁石26,30
と、同一磁極が対向する別の一対の永久磁石28,32
とを設けた。また、互いに対向する永久磁石26,30
及び28,32の対向面積を変化させて反発力を変化さ
せることにより頂板を回転軸14,16回りに揺動させ
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一(反発)磁極
が対向する複数対の永久磁石の反発力を利用して1軸あ
るいは2軸回りの振動エネルギを発生させる加振機構に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ある構造体の軸回りの振動特性を
調べるために、人為的に振動を発生させる加振機が使用
されている。また、加振機としては、動電型のものと不
釣り合い質量やカム式のものとが一般に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クラン
ク等のリンク機構を使用した加振機では、駆動モータに
直接負荷が加わることから比較的大きな駆動モータが必
要になるとともに、動電型の場合、低周波の対応ができ
ないという問題があった。
【0004】また、装置自体が大規模なため、設置場所
の確保及び工事が必要となるばかりか、発熱量が大きい
ことから強制空冷が必要となり、ファン等の排気音によ
り異音評価ができないという問題があった。
【0005】さらに、上記加振機はいずれも構成が複雑
で重く、かつ、高価であることから、軽量で安価なもの
が望まれていた。
【0006】本発明は、従来技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであり、複数の永久磁石を組
み込むことにより、コンパクトで騒音が少なく、かつ、
安価で信頼性の高い加振機構を提供することを目的とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、底板と、
該底板から所定距離離間し少なくとも第1回転軸回りに
揺動自在に取り付けられた頂板と、同一磁極が対向する
一対の永久磁石と、同一磁極が対向する別の一対の永久
磁石とを備え、上記一対の永久磁石及び上記別の一対の
永久磁石の対向面積を変化させて反発力を変化させるこ
とにより上記頂板を上記第1回転軸回りに揺動させるよ
うにした加振機構である。
【0008】また、請求項2に記載の発明は、上記一対
の永久磁石の反発力を増大させると同時に上記別の一対
の永久磁石の反発力を減少させる一方、上記一対の永久
磁石の反発力を減少させると同時に上記別の一対の永久
磁石の反発力を増大させるようにしたことを特徴とす
る。
【0009】さらに、請求項3に記載の発明は、上記一
対の永久磁石の反発力を増大させると同時に上記別の一
対の永久磁石の反発力を増大させる一方、上記一対の永
久磁石の反発力を減少させると同時に上記別の一対の永
久磁石の反発力を減少させるようにしたことを特徴とす
る。
【0010】また、請求項4に記載の発明は、上記第1
回転軸と異なる方向に延在する第2回転軸を介して上記
頂板を上記底板に揺動自在に取り付け、上記頂板を上記
第1及び第2回転軸のいずれか一方の回りに選択的に揺
動させるようにしたことを特徴とする。
【0011】また、請求項5に記載の発明は、上記一対
の永久磁石の反発力を増大させると同時に上記別の一対
の永久磁石の反発力を減少させる一方、上記一対の永久
磁石の反発力を減少させると同時に上記別の一対の永久
磁石の反発力を増大させることにより上記頂板を上記第
1回転軸回りに揺動させるとともに、上記一対の永久磁
石の反発力を増大させると同時に上記別の一対の永久磁
石の反発力を増大させる一方、上記一対の永久磁石の反
発力を減少させると同時に上記別の一対の永久磁石の反
発力を減少させることにより上記頂板を上記第2回転軸
回りに揺動させるようにしたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。互いに離間し同磁極
を対向させた少なくとも二つの永久磁石を有する磁気バ
ネ構造体の場合、離間した永久磁石同士は非接触のた
め、構造体自体の摩擦損失等を無視すると、その静特性
は入力時(行き)と同一ライン上を非線形で出力され
(帰り)、さらに、非接触対偶特有の自由度、浮上制御
系の不安定度を利用することにより、小さな入力で静磁
界(磁石の配置)を変化させることで負の減衰を生じや
すい。
【0013】本発明はこの事実に着目してなされたもの
であり、二つの永久磁石間の幾何学的寸法を運動行程内
機構あるいは外力により入力側(行き)と出力側(帰
り)で変化させ、その運動系内で反発力に変換させるこ
とにより、二つの永久磁石の平衡位置からの入力側の反
発力より出力側の反発力を大きくしている。
【0014】以下、その基本原理について説明する。図
1は、入力側と出力側における二つの永久磁石2,4の
平衡位置を示した模式図で、図2は、いずれか一方の永
久磁石に加えられた荷重と、二つの永久磁石の平衡位置
からの変位量との関係を示した磁気バネ構造体の基本特
性を示している。
【0015】図1に示されるように、永久磁石2に対す
る永久磁石4の入力側の平衡位置とバネ定数をそれぞれ
0,k1とし、出力側の平衡位置とバネ定数をそれぞれ
1,k2とすると、x0〜x1の間で面積変換が行われ、
各平衡位置では次の関係が成立する。 −k1/x0+mg=0 −k2/x1+mg=0 k2>k
【0016】従って、その静特性は、図2に示されるよ
うに負の減衰特性を示し、位置xと位置x0における
ポテンシャルの差が発振のポテンシャルエネルギと考え
ることができる。
【0017】また、図1のモデルを製作し、荷重と変位
量との関係を、荷重を加える時間を変えて実測したとこ
ろ、図3に示されるようなグラフが得られた。これは、
二つの永久磁石2,4が最近接位置に近づくと、大きな
反発力が作用すること、また、平衡位置からの変位量が
微小に変化すると摩擦損失が磁気バネのダンパー効果に
より発生し、そのことにより減衰項が現れたものと解釈
される。
【0018】図3において、(a)は一定荷重を加えた
場合のグラフで、(a)、(b)、(c)の順で荷重を
加えた時間が短くなっている。すなわち、荷重の加え方
により静特性が異なり、荷重を加える時間が長いほど力
積が大きい。
【0019】また、希土類磁石は、磁化の強さが磁界に
依存しない。つまり、内部磁気モーメントが磁界による
影響を受けにくいので、減磁曲線上で磁化の強さはほと
んど変化せず、ほぼその飽和磁化の強さの値を保ってい
る。従って、希土類磁石では、端面上に磁荷が均一に分
布していると仮定したチャージモデルを用いて、入出力
が考えられる。
【0020】図4はその考え方を示しており、磁石を最
小単位の磁石の集合と定義し、各単位磁石間の力の関係
を三つに分類して計算したものである。 (a)吸引(r,mとも同一なので、2タイプを1つで
定義する) f(1)=(m2/r2)dx1dy1dx2dy2x (1)=f(1)cosθ fz (1)=f(1)sinθ (b)反発 fx (2)=f(2)cosθ fz (2)=f(2)sinθ (c)反発 fx (3)=f(3)cosθ fz (3)=f(3)sinθ 従って、 −fx=2fx (1)−fx (2)−fx (3) −fz=2fz (1)−fz (2)−fz (3) ここで、クーロンの法則は次のように表されるので、 上記−fx,−fzを磁石の寸法の範囲で積分して力を求
めることができる。
【0021】これを図5に示されるように、対向する磁
石を各磁気ギャップ毎に完全にラップした状態(x軸移
動量=0mm)から完全にずれた状態(x軸移動量=5
0mm)まで移動させて計算したのが図6のグラフであ
る。ただし、「内部磁気モーメントは一定」と定義して
あるが、磁気ギャップが小さいときは磁石の周辺で乱れ
が生じるので、補正している。
【0022】上記計算結果は実測値とも略一致してお
り、図2のポイントaからbに移動させる力がx方向荷
重で、出力はz方向荷重で表されており、不安定系故の
入力<出力の関係が静的に明確になっている。
【0023】また、図7は、図5に示される磁石の離間
距離を3mmに保持し、完全にずれた状態から完全にラ
ップした状態まで移動させ、さらにこの状態から完全に
ずれた状態まで移動した時の関係を表したグラフであ
る。このグラフは、x方向荷重の絶対値は同じで出力方
向が逆になって出てくる特性で、完全ラップ状態に近づ
く場合は抵抗つまり減衰となり、完全ラップ状態から完
全にずれた状態に移行する場合は加速されることを示し
ている。
【0024】また、図8に示されるように、対向する磁
石の回転角度を変化させると、図9に示されるようなグ
ラフが得られた。当然のことながら、対向面積が減少す
ると最大荷重が減少し、所定の入力を加えることによる
面積変換を介して出力を変化させることが可能なことを
示している。
【0025】図10は、永久磁石としてネオジム系磁石
を採用した場合の磁石間距離と荷重との関係を示すグラ
フであり、反発力は質量増加とともに増加する。ここ
で、反発力Fは、 F∝Br2×(幾何学的寸法) Br:磁化の強さ で表され、幾何学的寸法とは、対向する磁石の離間距
離、対向面積、磁束密度、磁界の強さ等により決定され
る寸法を意味する。磁石材料が同一の場合、磁化の強さ
(Br)は一定であるので、幾何学的寸法を変化させる
ことにより磁石の反発力を変えることができる。
【0026】図11は、永久磁石2,4の一方を他方に
対しスライドさせて対向面積を変化させることにより幾
何学的寸法を変化させるようにしたスライド型原理モデ
ルを示している。
【0027】図11に示されるように、永久磁石2は基
台6に摺動自在に取り付けられており、直動スライダ8
は基台6に固定されるとともに、上方に垂直に立設せし
められている。直動スライダ8にはL型アングル10が
上下動自在に取り付けられており、L型アングル10の
下面には、永久磁石4が永久磁石2に対し同一(反発)
磁極を対向させた状態で固定されている。
【0028】上記構成のスライド型原理モデルにおい
て、永久磁石2,4として50mmL×25mmW×1
0mmHのもの(住友特殊金属社製NEOMAX-39SH)を使
用するとともに、合計質量3.135kgの負荷を使用
して、永久磁石2をスライドさせたところ、図12に示
されるような結果が得られた。
【0029】図12は、入出力の実験値を仕事(J)で
示したもので、約0.5Jの入力仕事に対し約4Jの出
力仕事が得られており、対向する二つの永久磁石2,4
で構成される磁気バネが有する負の減衰特性を利用する
ことにより、あるいは、静磁エネルギを変化させること
により小さな入力仕事で大きな出力仕事を引き出すこと
が可能となる。
【0030】図13乃至図16は、上記スライド型原理
モデルの応用例を示す本発明にかかる加振機構Mを示し
ている。図13乃至図16に示される加振機構Mは、底
板12と、底板12に第1及び第2回転軸14,16を
介して揺動自在に取り付けられた頂板18とを備えてい
る。第1回転軸14は、X軸方向に延在し底板12に固
定されたサポート部材20に回動自在に取り付けられる
一方、第2回転軸16は、X軸と垂直なY軸方向に延在
し頂板18に固定されたU字状ブラケット22に回動自
在に取り付けられている。
【0031】また、底板12上には、駆動源である二つ
の動電型アクチュエータ24a,24bが隣接して取り
付けられるとともに、各アクチュエータ24a,24b
の一部を構成するホルダ(後述)には第1あるいは第2
永久磁石26,28が固定されている。さらに、第1あ
るいは第2永久磁石26,28から上方に所定距離離間
し同一(反発)磁極が対向する第3あるいは第4永久磁
石30,32が頂板18に固定されている。
【0032】図17乃至図19は、底板12に取り付け
られた二つの動電型アクチュエータ24a,24bの一
つ24aを示しており、第1永久磁石26が固定される
ホルダ34と、ホルダ34の両側に設けられた磁気回路
36,36と、ホルダ34の下面に取り付けられたリニ
アベアリング38と、底板12に固定されリニアベアリ
ング38がY軸方向に摺動自在に取り付けられるリニア
ガイド40とを備えている。
【0033】磁気回路36,36は、ホルダ34の両端
に巻回されたコイル42,42と、ホルダ34の各側に
おいてコイル42と上下方向(ホルダ34の摺動面に対
し垂直な方向)に所定距離離間した複数の永久磁石4
4,…,44とからなる。
【0034】コイル42,42は、ホルダ34の両端に
おいて上下2段に巻回されているが、図20に示される
ように、一本の銅線を直列に接続したものである。すな
わち、図17及び図18において、端子A及びBを接続
し、さらに左上コイルから左下コイルを形成した後、端
子C及びDに順次接続し、次に右下コイルから右上コイ
ルを形成し、最後に端子E及びFの順で接続したもので
ある。
【0035】一方、永久磁石44,…,44は、図21に
示されるように、ホルダ34の各端部に巻回されたコイ
ル42(図17における左上コイルと左下コイル、ある
いは、右上コイルと右下コイル)と対向しており、逆磁
極を下側に向けた状態でケーシング46の上部壁下面に
固着された二つの永久磁石44,44と、この永久状態
44,44と逆磁極が対向しケーシング46の底壁上面
に固着された二つの永久磁石44,44とからなる。
【0036】上記構成の磁気回路に対し、図21に示さ
れるように励磁電流を流すと、フレミングの左手の法則
に基づいてコイル42には力Fが加わり、ホルダ34が
リニアガイド40に沿って力Fの方向に移動する。従っ
て、コイル42,42にパルス励磁電流を流すと、コイ
ル42,42はホルダ34と一体的に往復運動を行う。
すなわち、この動電型アクチュエータ24aは、電気エ
ネルギを機械的エネルギに変換する。
【0037】なお、上記第実施形態においては、コイル
42,42をホルダ34の両端に巻回した構成とした
が、必ずしも両端に巻回する必要はなく、図22に示さ
れるように、ホルダ34の一端にコイルを巻回した構成
も可能である。図22に示される動電型アクチュエータ
24a1においては、ホルダ34の一端に1本の銅線を
直列に接続することによりコイル42が形成されてい
る。
【0038】また、上記第実施形態においては、ケーシ
ング46の上部壁下面と底壁上面にそれぞれ二つの永久
磁石44,44を固着する構成としたが、上部壁下面と
底壁上面の各々にそれぞれ一つの永久磁石44を設け、
逆磁極を互いに対向させる構成とすることもできる。
【0039】さらに、図23に示される動電型アクチュ
エータ24a2のように、ホルダ34両端に位置する各
ケーシング46の底壁上面にのみ1個の永久磁石44を
取り付けた構成とすることもできる。
【0040】ここで、図17乃至図19の実施形態にお
いて、永久磁石44,…,44としてネオジム系磁石(住
友特殊金属社製NEOMAX−42)(11mmH×3
5mmW×42mmL)を片側で4個使用するととも
に、コイル42,42としてφ0.72−EIWの銅線
を160ターン巻回した偏平型空芯コイルを、片側2個
の計4個を樹脂製ボビンに接着固定した後直列に接続し
た。この時の直流抵抗は4.51Ωであった。また、磁
気回路の重量は1850g×2個=3700gで、コイ
ル全体の重量は890gであった。
【0041】上記仕様の動電型アクチュエータの1A当
たりの推力分布を測定したところ、図24に示される結
果が得られた。図24の結果によれば、ストローク30
mmの中央では、2.64kgf/A(26N/A)の
推力が得られている。
【0042】なお、動電型アクチュエータ24bは、隣
接して配置された動電型アクチュエータ24aと同様、
そのホルダがリニアガイド40に沿ってY軸方向に摺動
自在に取り付けられており、構成は同一なのでその説明
は省略する。
【0043】次に、図13乃至図16に示される加振機
構Mの作用を説明する。図13乃至図16の構成におい
て、頂板18にある負荷が加えられると、その荷重は互
いに同一磁極が対向する第1及び第3永久磁石26,3
0と、第2及び第4永久磁石28,32の反発力により
支持される。
【0044】この状態で、(表1)に示されるように、
駆動源である動電型アクチュエータ24a,24bによ
り第1及び第2永久磁石26,28をリニアガイド40
に沿ってY軸方向に移動させると、互いに対向する第1
及び第3永久磁石26,30の対向面積が減少すること
により反発力が減少する一方、互いに対向する第2及び
第4永久磁石28,32の対向面積が増加することによ
り反発力が増大し、頂板18は矢印R方向に揺動する。
逆に、第1及び第2永久磁石26,28をリニアガイド
40に沿って−Y軸方向(Y軸の反対方向)に移動させ
ると、第1及び第3永久磁石26,30の対向面積が増
加することにより反発力が増大する一方、第2及び第4
永久磁石28,32の対向面積が減少することにより反
発力が減少し、頂板18は−R方向(矢印Rの反対方
向)に揺動する。
【表1】
【0045】したがって、動電型アクチュエータ24
a,24bにより第1及び第2永久磁石26,28をリ
ニアガイド40に沿って同一方向に周期的に往復移動さ
せると、頂板18は頂板18に加えられた負荷とともに
第1回転軸14の回りを周期的に揺動する。
【0046】一方、(表2)に示されるように、動電型
アクチュエータ24aにより第1永久磁石26をリニア
ガイド40に沿って−Y軸方向に移動させると、第1及
び第3永久磁石26,30の対向面積が増加することに
より反発力が増加する。同時に、動電型アクチュエータ
24bにより第2永久磁石28をリニアガイド40に沿
ってY軸方向に移動させると、第2及び第4永久磁石2
8,32の対向面積が増加することにより反発力が増加
する。その結果、頂板18は矢印S方向に揺動する。逆
に、動電型アクチュエータ24aにより第1永久磁石2
6をリニアガイド40に沿ってY軸方向に移動させる
と、第1及び第3永久磁石26,30の対向面積が減少
することにより反発力が減少する。同時に、動電型アク
チュエータ24bにより第2永久磁石28をリニアガイ
ド40に沿って−Y軸方向に移動させると、第2及び第
4永久磁石28,32の対向面積が減少することにより
反発力が減少する。その結果、頂板18は−S方向(矢
印Sの反対方向)に揺動する。
【表2】
【0047】したがって、動電型アクチュエータ24
a,24bにより第1及び第2永久磁石26,28をリ
ニアガイド40に沿って反対方向に周期的に往復移動さ
せると、頂板18は頂板18に加えられた負荷とともに
第2回転軸16の回りを周期的に揺動する。
【0048】すなわち、本発明にかかる加振機構Mは、
同一磁極が対向する第1及び第3永久磁石26,30の
対向面積と、同一磁極が対向する第2及び第4永久磁石
28,32の対向面積を周期的に変化させることにより
励振を発生し、異なる2軸のうち任意の1軸回りに周期
的な振動を発生させることができる。
【0049】次に、上記構成の加振機構Mの制御につい
て説明する。駆動源24a,24bの駆動波としてsi
n波あるいはランダム波等が使用され、駆動源を所定の
位置や加速度に制御(フィードバック)するためには、
図25の機械モデルで示されるように、頂板18の動き
を感知するポテンショメータ等のセンサが必要となる。
【0050】すなわち、駆動波としてsin波を使用す
るとともに、頂板18の動きを感知し振幅制御を行う場
合、ロータリエンコーダやポテンショメータ等の位置セ
ンサが必要となり、頂板18の加速度を感知し加速度制
御を行う場合、加速度センサが必要となる。また、駆動
波としてランダム波を使用した場合、頂板18の動きを
感知するロータリエンコーダ等の位置センサが必要とな
る。
【0051】図26は、駆動源24a,24bを図27
に示されるsin波で駆動する場合のクローズドループ
制御のブロック図を示している。図26において、si
n波テーブル76から所定のタイミング(例えば1ms
ec毎)でD/A(デジタルーアナログ変換器)78に
データを出力し、その電圧値をPWM(パルス幅変調)
制御アンプ80に入力し、駆動源24a,24bを駆動
する。駆動源24a,24bにはポテンショメータ82
が接続されており、ポテンショメータ82の値と出力を
比較器84で比較するとともに、その差分をD/A78
に出力して駆動源24a,24bを目的の位置まで駆動
する。また、sin波テーブル76を例えばパソコン等
に接続し、パソコンからstartコマンドを送信する
ことによりsin波テーブル76から所定のsin波を
出力し、stopコマンドあるいはclearコマンド
が送信されるまで出力し続けるようにすることもでき
る。
【0052】また、駆動波として図28に示されるよう
なランダム波を使用することも可能で、パソコンから送
信されるstartコマンドに基づいて所定のタイミン
グでアンプ80より振幅値を出力し、駆動源24a,2
4bが目的の位置に設定されるようクローズドループ制
御を行うとともに、次のデータがアンプ80から送信さ
れるまでその出力を保持することができる。
【0053】なお、上記実施形態において、第1及び第
2永久磁石26,28を一つのリニアガイド40に沿っ
てY軸方向に摺動させる構成としたが、X軸方向に延び
る別々のリニアガイドに沿って摺動させる構成とするこ
ともできる。
【0054】また、上記実施形態において、回転軸を二
つ設けたが、回転軸を一つだけ設ける構成とすることも
できる。
【0055】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。本
発明によれば、同一磁極が対向する一対の永久磁石と、
同一磁極が対向する別の一対の永久磁石の対向面積を変
化させて反発力を変化させることにより頂板を第1回転
軸回りに揺動させるようにしたので、加振機構を構成す
る部材の数が少なく、コンパクトで安価な加振機構を提
供することができる。
【0056】また、同一磁極が対向する永久磁石同士は
非接触なので、騒音が少なく、信頼性の高い加振機構を
提供することができる。
【0057】さらに、第1回転軸と異なる方向に延在す
る第2回転軸を介して頂板を底板に揺動自在に取り付
け、頂板を第1あるいは第2回転軸回りに選択的に揺動
させるようにしたので、構成が簡素で自由度の高い加振
機構を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 磁気バネにおいて二つの永久磁石の入力側と
出力側の平衡位置を示した模式図である。
【図2】 図1の磁気バネにおいて、加えられた荷重と
永久磁石の平衡位置からの変位量との関係を示す基本特
性のグラフである。
【図3】 実測された荷重と変位量との関係を示すグラ
フである。
【図4】 永久磁石の端面上に磁荷が均一に分布してい
ると仮定したチャージモデルにおける入出力の考え方を
示す模式図であり、(a)は吸引を、(b)は反発を、
(c)は(b)とは異なる部位の反発をそれぞれ示して
いる。
【図5】 同磁極を対向させた永久磁石において、一方
を他方に対し移動させた(対向面積を変えた)場合の模
式図である。
【図6】 図5に基づいて計算した場合のX軸移動量に
対するX軸及びZ軸方向の荷重を示すグラフである。
【図7】 図5の永久磁石の離間距離を一定に保持し、
一方を他方に対し完全にずれた状態から完全にラップし
た状態まで移動し、さらにこの状態から完全にずれた状
態まで移動させた時の変位量と荷重との関係を示すグラ
フである。
【図8】 同磁極を対向させた永久磁石において、一方
を他方に対し回転させた(対向面積を変えた)場合の模
式図である。
【図9】 図8に基づいて永久磁石を回転させた場合の
対向面積に対する最大荷重を示すグラフである。
【図10】 永久磁石としてネオジム系磁石を採用した
場合の磁石間距離と荷重との関係を示すグラフである。
【図11】 永久磁石の対向面積を変化させることによ
り幾何学的寸法を変化させるようにしたスライド型原理
モデルの斜視図である。
【図12】 図11のスライド型原理モデルにより得ら
れた入出力の関係を示すグラフである。
【図13】 図11のスライド型原理モデルの応用例を
示す本発明にかかる加振機構の斜視図である。
【図14】 図13の加振機構の側面図である。
【図15】 図13の加振機構の背面図である。
【図16】 図13の加振機構の平面図である。
【図17】 図13の加振機構の駆動源である動電型ア
クチュエータの斜視図である。
【図18】 図17の動電型アクチュエータの一部を切
り欠いた平面図である。
【図19】 図17の動電型アクチュエータの部分断面
側面図である。
【図20】 図17の動電型アクチュエータに設けられ
たコイルの結線図である。
【図21】 図17の動電型アクチュエータに設けられ
た磁気回路の概略側面図である。
【図22】 動電型アクチュエータの変形例を示す斜視
図である。
【図23】 動電型アクチュエータの別の変形例を示す
部分断面側面図である。
【図24】 図17の動電型アクチュエータに1Aの電
流を流した場合の推力分布を示すグラフである。
【図25】 本発明にかかる加振機構の機械モデルを示
す概略図である。
【図26】 動電型アクチュエータをsin波で駆動す
る場合のクローズドループ制御のブロック図である。
【図27】 駆動波として使用されるsin波を示すグ
ラフである。
【図28】 駆動波として使用されるランダム波を示す
グラフである。
【符号の説明】
2,4,26,28,30,32,44 永久磁石 6 基台 8 直動スライダ 10 L型アングル 12 底板 14 第1回転軸 16 第2回転軸 18 頂板 24a,24b 動電型アクチュエータ 34 ホルダ 36 磁気回路 76 sin波テーブル 78 デジタルーアナログ変換器 80 アンプ 82 ポテンショメータ 84 比較器 M 加振機構

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底板と、該底板から所定距離離間し少な
    くとも第1回転軸回りに揺動自在に取り付けられた頂板
    と、同一磁極が対向する一対の永久磁石と、同一磁極が
    対向する別の一対の永久磁石とを備え、上記一対の永久
    磁石及び上記別の一対の永久磁石の対向面積を変化させ
    て反発力を変化させることにより上記頂板を上記第1回
    転軸回りに揺動させるようにした加振機構。
  2. 【請求項2】 上記一対の永久磁石の反発力を増大させ
    ると同時に上記別の一対の永久磁石の反発力を減少させ
    る一方、上記一対の永久磁石の反発力を減少させると同
    時に上記別の一対の永久磁石の反発力を増大させるよう
    にした請求項1に記載の加振機構。
  3. 【請求項3】 上記一対の永久磁石の反発力を増大させ
    ると同時に上記別の一対の永久磁石の反発力を増大させ
    る一方、上記一対の永久磁石の反発力を減少させると同
    時に上記別の一対の永久磁石の反発力を減少させるよう
    にした請求項1に記載の加振機構。
  4. 【請求項4】 上記第1回転軸と異なる方向に延在する
    第2回転軸を介して上記頂板を上記底板に揺動自在に取
    り付け、上記頂板を上記第1及び第2回転軸のいずれか
    一方の回りに選択的に揺動させるようにした請求項1に
    記載の加振機構。
  5. 【請求項5】 上記一対の永久磁石の反発力を増大させ
    ると同時に上記別の一対の永久磁石の反発力を減少させ
    る一方、上記一対の永久磁石の反発力を減少させると同
    時に上記別の一対の永久磁石の反発力を増大させること
    により上記頂板を上記第1回転軸回りに揺動させるとと
    もに、上記一対の永久磁石の反発力を増大させると同時
    に上記別の一対の永久磁石の反発力を増大させる一方、
    上記一対の永久磁石の反発力を減少させると同時に上記
    別の一対の永久磁石の反発力を減少させることにより上
    記頂板を上記第2回転軸回りに揺動させるようにした請
    求項4に記載の加振機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105107704A (zh) * 2015-09-23 2015-12-02 常州信息职业技术学院 一种无接触式永磁振动装置

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