JPH11253477A - 使い捨てカイロ - Google Patents

使い捨てカイロ

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JPH11253477A
JPH11253477A JP5958598A JP5958598A JPH11253477A JP H11253477 A JPH11253477 A JP H11253477A JP 5958598 A JP5958598 A JP 5958598A JP 5958598 A JP5958598 A JP 5958598A JP H11253477 A JPH11253477 A JP H11253477A
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JP
Japan
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temperature
low
temperature body
heating element
surface layer
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JP5958598A
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English (en)
Inventor
Shigeyuki Ono
茂之 小野
Hiroshi Tone
寛 刀禰
Takayuki Kaneda
高之 金田
Kazuya Otsuji
一也 大辻
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用直後から十分な効果感が得られると共
に、低温火傷の心配がなく安全な温熱を身体に供給でき
る、使い捨てカイロを提供すること。 【解決手段】 透気性の低温体用表面層21、裏面層2
2及び両層21,22間に介在された低温体用発熱体組
成物23とからなる低温体2と、透気性の高温体用表面
層31、裏面層32及び両層31,32間に介在された
高温体用発熱体組成物33とからなり、発熱定常時の発
熱温度が該低温体2よりも高い高温体3とが、完全に区
画されて、一体的に並設されている使い捨てカイロ1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用開始直後か
ら、暖かく快適に使用できる使い捨てカイロに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、少なくとも片面が透気性シートからなる袋体に、鉄
粉の酸化反応熱を利用する発熱体組成物を封入してなる
使い捨てカイロは、広く市販、利用されている。この使
い捨てカイロは、上記発熱体組成物が空気(酸素)と接
触することにより発熱するものであるため、保存時には
気密性袋体に個別に密封されており、使用時に該気密性
袋体を開封して使用するようになっている。
【0003】このように構成された従来の使い捨てカイ
ロは、皮膚に直接又は衣類の上に装着して使用される
が、その目的上、皮膚に侵害刺激とならないよう侵害刺
激となる温度以下の温度が継続的に供給されるように設
計されている。このため、従来の使い捨てカイロは、全
面がほぼ一様の温度に加熱されるため、主に安全性を重
視して設計されている場合には、温度が体温に近く温熱
感に乏しい。一方、温度が高目に設計されている場合に
は、温熱感は高いが、場合によっては低温火傷を負うお
それがあった。
【0004】本発明の目的は、このような従来技術の問
題点を解決するものであり、使用直後から十分な効果感
が得られると共に、低温火傷の心配がなく安全な温熱を
身体に供給できる、使い捨てカイロを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく検討した結果、温熱としての生理効果は、
体温以上の温度であれば十分であることを確認し、更に
は一部に高温体を設けてなる使い捨てカイロが、上記目
的を達成しうることを知見した。
【0006】本発明は、透気性の低温体用表面層、裏面
層及び両層間に介在された低温体用発熱体組成物とから
なる低温体と、透気性の高温体用表面層、裏面層及び両
層間に介在された高温体用発熱体組成物とからなり、発
熱定常時の発熱温度が該低温体よりも高い高温体とが、
完全に区画されて、一体的に並設されていることを特徴
とする使い捨てカイロを提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の使い捨てカイロに
ついて、図面を参照しながら詳細に説明する。ここで、
図1は、本発明の使い捨てカイロの一形態を示す平面図
であり、図2は、そのII−II断面を模式的に示す断面図
である。
【0008】図1及び2に示す本形態の使い捨てカイロ
1は、透気性の低温体用表面層21、裏面層22及び両
層21,22間に介在された低温体用発熱体組成物23
とからなる低温体2と、透気性の高温体用表面層31、
裏面層32及び両層31,32間に介在された高温体用
発熱体組成物33とからなり、発熱定常時の発熱温度が
該低温体2よりも高い高温体3とが、完全に区画され
て、一体的に並設されている。ここで、発熱定常時と
は、通常、表面温度がほぼ一定の値を示す安定的な発熱
状態を意味するが、本明細書においては、最高温度(最
高温度の1〜2℃差の範囲内の温度を含む)で1分以上
維持されているような状態も含む。高温体では、最高温
度で1分以上維持されているような状態が、発熱定常時
である場合が多い。
【0009】更に詳述すると、使い捨てカイロ1は、図
1に示すように、長方形状であり、低温体2は、長方形
状で、カイロの左右両側に2つ設けられ、高温体3は、
長方形状で、両低温体2,2間に位置する。裏面層2
2,32は、それぞれ、一枚のシート材22aと、該シ
ート材22aの周縁部を余して粘着剤を塗布して形成さ
れた粘着面22bとからなり、使用時にカイロを衣類等
に固定して用いうるようになされている。即ち、本形態
においては、低温体2用の裏面層22と高温体3用の裏
面層32とは、一枚のシート材22aを用いて一体的に
形成されている。低温体2の低温体用発熱体組成物23
は、低温体用表面層21よりもやや小さい長方形状にな
されており、低温体用発熱体組成物23の周縁において
低温体用表面層21と裏面層22とは、接着剤を介する
などして接着されている。また、高温体3の高温体用発
熱体組成物33も同様に形成されており、その周縁にお
いて高温体用表面層31と裏面層32とが接着されてい
る。また、使い捨てカイロ1における裏面層22、32
の粘着面22bには、これを剥離自在にカバーするよう
に、該使い捨てカイロの平面形状と同じ形状の剥離紙4
が貼り付けられている。
【0010】上記高温体3の発熱定常時の発熱温度は、
40〜45℃であるのが好ましく、上記低温体2の発熱
定常時の発熱温度は、38〜42℃であるのが好まし
い。また高温体3の発熱定常時の発熱温度は、低温体2
の発熱定常時の発熱温度に比して1℃以上高いのが好ま
しく、2℃以上高いのがさらに好ましい。尚、高温体3
及び低温体2の発熱温度は、それらの表面の温度であ
る。
【0011】また、低温火傷を防止し、カイロ使用開始
後、短時間で温熱効果感を持たせるため、高温体3は、
開封後、好ましくは7分以内で40℃に達し、発熱開始
後好ましくは3時間以内、更に好ましくは2時間以内で
40℃未満に低下するように設定するのが望ましい。ま
た、温熱としての生理効果感を発揮させるために、低温
体の発熱時間は8時間以上となるように設定するのが好
ましい。ここで、上記発熱時間は、体温よりも高い温度
となってから体温以下の温度に下がるまでの時間であ
る。このような発熱をするように設定するには、後述す
る高透気性シートにより高温体用表面層を形成し、且つ
高温体用発熱体組成物に後述する粒径の小さい鉄分を用
いると共に、各発熱体組成物の配合組成及び単位面積当
たりの発熱体組成物収容量を低温体と高温体とで同じに
することにより設定できる。
【0012】また、高温体3と低温体2との構成比率
は、各表面層の通気性部分の表面積で示して、高温体3
の面積が、低温体2と高温体3との面積の合計面積中好
ましくは50%以下、更に好ましくは5〜40%であ
る。5%未満であると温熱に対する効果感に乏しく、5
0%を超えると、場合によっては低温火傷を負うおそれ
を生じる。また、本発明の目的を達成できないという問
題を生じやすい。即ち、本発明の使い捨てカイロは、低
温体2と高温体3とを上述の如く構成しているので、使
用開始直後の使用感に優れると共に低温火傷を起こす危
険が少ないという効果を奏するものであるが、両者の構
成比率を上述の範囲内とすることにより、低温火傷を防
止するという効果がより向上される。また、高温体3の
面積は、5〜40cm2 とするのが好ましい。
【0013】そして、上述のように温度差のある低温体
と高温体とは、上記1)〜3)の手法により形成できる。 1)低温体用表面層と高温体用表面層とを、それぞれ透気
性を異にするシートにより形成する。 2)低温体用発熱体組成物と高温体用発熱体組成物とを、
それぞれ発熱温度が異なるように構成する。 3)低温体用表面層と高温体用表面層とを、それぞれ透気
性を異にするシートにより形成すると共に、低温体用発
熱体組成物と高温体用発熱体組成物とを、それぞれ発熱
温度が異なるように構成する。 以下、上記1)〜3)の手法について説明する。
【0014】〔上記1)の手法について〕上記1)の手法を
用いて形成される使い捨てカイロは、上記低温体用表面
層が、低透気性シートにより形成されており、上記高温
体用表面層が、高透気性シートにより形成されている。
【0015】上記低透気性シート及び上記高透気性シー
トは、発熱体組成物がもれ出ず、通気量を安定的に制御
できるものであれば、その形成材料は特に限定されるも
のではないが、従来から発熱体組成物を収容する袋体の
素材として使用されている延伸により無数の微細な通気
孔を形成した合成樹脂製フィルム、織布、不織布及びこ
れらの内2種以上を積層した積層フィルム等、市販品を
用いればよい。
【0016】上記形成材料としては、具体的には、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、天然ゴム、再生ゴム、合成ゴム
等が挙げられる。
【0017】上記低透気性シートの透湿度は、好ましく
は100〜1000g/m2 ・day、更に好ましくは
200〜500g/m2 ・dayであり、上記高透気性
シートの透湿度は、好ましくは300〜6000g/m
2 ・day、更に好ましくは600〜1500g/m2
・dayであり、低透気性シートと高透気性シートの透
湿度の差は、好ましくは100g/m2 ・day以上で
あり、更に好ましくは200g/m2 ・day以上であ
ることが望ましい。尚、通気性シートの通気量は、発熱
体組成物の温度制御を行う上での重要な因子であるが、
通気に関わる微細孔のサイズの性質から通気度より透湿
度で示す方が好適であるため、透湿度で定義したもので
ある。ここで、透湿度は、一般的にASTM法(E−9
6−80D法)で測定される。
【0018】また、下記2)の手法により低温体と高温体
との設定を行う場合には、低温体用表面層と高温体用表
面層とは同一の通気性シートを用いて形成することがで
きる。この場合の通気性シートの透湿度は、好ましくは
100〜1000g/m2 ・dayであり、更に好まし
くは300〜600g/m2 ・dayである。
【0019】上記の透湿度は、特に制限されずに公知の
手法を用いて、上述の範囲内に調節することができる。
【0020】〔上記2)の手法について〕上記2)の手法を
用いて形成される使い捨てカイロは、上記高温体用発熱
組成物よりも、上記低温体用発熱体組成物の方が発熱定
常時の発熱温度が低くなるようになされている。
【0021】低温体用及び高温体用発熱体組成物は、い
ずれも、金属粉、塩類及び水を含有してなり、金属粉が
空気中の酸素と反応して発熱するものである。金属粉と
しては、鉄、アルミニウム、亜鉛、銅等が挙げられる
が、経済性、反応性、安全性の観点より鉄が好ましい。
鉄粉の利用は、次式の発熱反応を伴う一般に化学カイロ
と称される発熱原理を利用したものである。 式:Fe+4/3 O2 +3/2 H2 O→Fe(OH)3 +9
6Kcal/mol
【0022】そして、このように発熱体組成物の発熱温
度は、水分量を調節するか、反応促進剤を使用したり配
合量を調節するか、性質(及び由来)の異なる金属粉
(鉄粉)を利用する等により、上述の如く差異を設ける
ことができる。これらの中でも、性質の異なる鉄分を利
用する方法、特に鉄粉の粒径を調節する方法が効果的で
ある。粒径が小さく、単位重量当たりの表面積が大きい
鉄粉を用いると、酸化反応開始時の発熱の立ち上がり速
度が大きく、単位時間当たりの発熱量が大きく、最高到
達温度も高くなるので、高温体用発熱体組成物に適す
る。一方、粒径が大きく、単位重量当たりの表面積が小
さい鉄粉を用いると、酸化反応開始時の発熱の立ち上が
り速度が小さく、単位時間当たりの発熱量が小さく、最
高到達温度も低くなるので、低温体用発熱体組成物に適
する。
【0023】高温体用発熱体組成物を調製するのに適し
た鉄粉の粒径は、好ましくは75μm以下、更に好まし
くは10〜75μm、最も好ましくは10〜32μmで
ある。10μm未満の粒子が多くなる(約5重量%以上
となる)と最高発熱温度が高くなりすぎ好ましくない。
【0024】低温体用発熱体組成物を調製するのに適し
た鉄粉の粒径は、好ましくは75μm以上、更に好まし
くは75〜300μm、最も好ましくは150〜300
μmである。300μmを超える粒子が多くなる(約5
重量%以上となる)と発熱速度が遅く、十分な最高発熱
温度も得られにくくなるので好ましくない。
【0025】また、鉄粉の種類は、一般的な化学カイロ
に利用できるものであれば特に限定されるものではな
い。
【0026】また、上記1)の手法により低温体と高温体
とを設定する場合には、低温体用発熱体組成物と高温体
用発熱体組成物とは、それぞれ、化学カイロに一般的に
利用されている鉄粉、即ち、市販のカイロ用鉄粉をその
まま利用できる。また、鉄分の粒径なども同様にするこ
とができる。尚、他の配合物や組成比に関しては後述す
る。
【0027】〔上記3)の手法について〕上記3)の手法を
用いて形成される使い捨てカイロは、上記低温体用表面
層が、低透気性シートにより形成されており、上記高温
体用表面層が、高透気性シートにより形成されていると
共に、上記低温体用発熱体組成物は、上記高温体用発熱
体組成物よりも、発熱定常時の発熱温度が低くなるよう
になされている。即ち、上記1)の手法と上記2)の手法と
を併用する手法であるので、詳細については省略する。
【0028】高温体は、上述の如く、使用開始直後にお
ける使用感を良好にするためのものであり、本発明にお
いては、低温体と組み合わせることにより(構成比率を
上述の範囲内とした場合にはより一層)低温火傷の危険
性を低下させている。このため、高温体の発熱時間は低
温体と同程度でもよい。しかし、低温火傷の危険性を低
減させる点においては、更に、上記手法2)等を採用して
高温体の方が低温体に比して早く発熱が終了するように
するのが好ましい。鉄粉粒径にかかわらず発熱体組成物
の配合組成(割合)と袋体の単位表面積当たりの発熱体
組成物収容量を、低温体用発熱体組成物と高温体用発熱
体組成物とで同じにした場合、高温体が低温体に比べ早
く発熱反応を終了するようにできる。更に、上記2)の手
法等においては、製造上の観点から、鉄粉の粒径は使い
分けるが、配合組成や配合量を、高温体と低温体とで同
じにする方が有利になるので、その結果、自然と高温体
の方が先に発熱を終了するようになる。
【0029】上記裏面層を形成する上記シート材は、上
記透気性シートで構成されていてもよいが、上述の如く
粘着面を設け皮膚に直接あるいは衣類の上から身体に装
着できるようにする場合には、非透気(非透湿)性のシ
ート、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体とポリエ
チレンが積層されたシート等を用いるのが好ましい。
【0030】上記粘着面は、皮膚あるいは衣類との粘着
性が良好な粘着剤を特に限定されることなく用いて形成
することができるが、具体的には、アクリル系粘着剤、
合成ゴムや天然ゴム等のゴム系粘着剤、ビニル系粘着剤
等が用いられる。
【0031】各発熱体組成物に含有される上記塩類とし
ては、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属
の塩化物及び塩化カルシウム、塩化マグネシウム等のア
ルカリ土類金属の塩化物等を挙げることができる。
【0032】この他、各発熱体組成物には、保水剤、反
応促進剤、鎮静香料その他各種香料等の種々の添加剤を
含有させることができる。
【0033】例えば、保水剤としては、保水力が高く、
発熱体組成物の調製段階において、遊離の水をなくせる
ものを使用することが好ましく、例えば、バーミキュラ
イト、ケイ酸カルシウム、シリカゲル、シリカ系多孔物
質、アルミナ、パルプ、木粉、吸水性ポリマー等が挙げ
られる。これらは単独でも複数種を組み合わせても使用
することができる。中でも、吸水性ポリマーとして、特
にその基本構造に関し制限はないが、ポリアクリル酸塩
架橋体、ポリ(ビニルアルコール/アクリル酸塩)共重
合体架橋体、澱粉−アクリル酸塩グラフト共重合体の架
橋体、及びポリビニルアルコール−ポリ無水マレイン酸
塩グラフト共重合体架橋体のようなカルボキシル基また
はその塩を有する高分子化合物の部分架橋体や、カルボ
キシメチツセルロース塩架橋体のような多糖類の部分架
橋体等を使用し、この吸水性ポリマーとシリカゲルを組
合わせることが、比較的保水剤の配合割合を小さくでき
るので好ましい。
【0034】この場合、吸水性ポリマーとシリカゲルと
の配合割合は、重量比で1:1〜1:5とすることが好
ましい。また、吸水性ポリマーとシリカゲルとの混合
は、吸水性ポリマーを含水させる前に行うことが、吸水
性ポリマーの含水時のゲル強度を高め、また、吸水性ポ
リマー上に分散したシリカゲルが吸水性ポリマー同士の
凝集を防止し、これら吸水性ポリマーとシリカゲルから
なる保水剤と鉄粉との分散性を向上させることができる
ので好ましい。反応促進剤としては、活性炭、カーボン
ブラック、黒鉛等が挙げられる。
【0035】発熱体組成物は、基本的には次の様に調製
される。まず、1〜20重量%、好ましくは5〜10重
量%の食塩水溶液等の塩類水溶液を、吸水性ポリマー等
の保水剤に、重量比で好ましくは5〜20倍量、更に好
ましくは10倍量程度加え、塩類水溶液に保水剤を十分
吸収させた後、よく撹拌し、塩類を分散させた含水保水
剤を得る。一方、必要により、反応促進剤を鉄粉等の金
属粉に対して好ましくは0.5〜10重量%、より好ま
しくは4〜5重量%添加しておき、この金属粉に対し
て、上述の塩類を分散させた含水保水剤を、重量比で好
ましくは0.1〜2倍、更に好ましくは0.4〜0.7
倍添加し、発熱体組成物を得る。
【0036】低温体用及び高温体用発熱体組成物は、低
温体及び高温体の発熱温度を好適な温度とするために、
それぞれ、低温体用及び高温体用表面層の単位面積当た
り好ましくは0.1〜2g/cm2 、更に好ましくは
0.2〜0.4g/m2 とすることが好ましい。
【0037】また、上記剥離紙5としては、通常、使い
捨ての携帯用カイロにおいて、粘着部保護用として用い
られる剥離紙を特に制限なく用いることができる。
【0038】本形態の使い捨てカイロ1は、通常の貼る
タイプの使い捨てカイロと同様に用いることができる。
そして、本形態の使い捨てカイロ1は、高温体3と低温
体2とを有するので、使用開始時は、高温体3の発熱に
より十分な温熱効果が得られ、十分な使用感を有する。
しかも、上述の如く構成された高温体3と低温体2とを
具備するので、使用開始直後から十分な使用感を有する
ようにカイロの全面を高い発熱温度を呈するようにした
場合に比して、低温火傷の発生を効果的に防止できる。
また、本形態の使い捨てカイロ1は、急激に温度が上が
り過ぎることがなく、使用開始直後から良好な発熱温度
となり、また、発熱体が使い捨てカイロの外にもれるこ
ともない(特にには1)〜3)の手法を用いた場合顕著であ
る。)。これらのことから、本発明の使い捨てカイロ
は、携帯用カイロとして有用である。
【0039】本形態の使い捨てカイロは、下記の如くし
て製造することができる。即ち、裏面層22、32用の
シート材22aの連続体上に、更にこれらを被覆するよ
うに、低温体表面層21と高温体用表面層31とを載置
し且つ接着剤を介する等して裏面層22,32に一部を
残して接着し、一部に開口を有する低温体用の袋部分と
高温体用の袋部分とを形成する。この後、各袋部分に開
口を介して低温体用発熱体組成物23及び高温体用発熱
体組成物33を充填して、更に開孔を封止して低温体2
と高温体3とを完全に区画して一体に形成する。次い
で、シート材22a上に粘着剤を塗布して粘着面22b
を形成し、最終に剥離紙4を貼り付けて粘着面22bを
保護して、本形態の使い捨てカイロを得ることができ
る。尚、通常は、発熱体が発熱しないように、更に袋詰
めして密封して販売などされる。
【0040】次に図3を参照して、本発明の使い捨てカ
イロの他の例について説明する。ここで、図3は、本発
明の使い捨てカイロの他の例を示す平面図である。図3
に示す形態の使い捨てカイロは、高温体が、カイロのほ
ぼ中央部において、正方形状に形成されている。この点
以外は、上述した図1及び図2に示す形態と同じであ
り、特に詳述しない。
【0041】尚、本発明の使い捨てカイロは、上述した
形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱し
ない範囲で種々変更が可能である。例えば、使い捨てカ
イロ全体の平面形状は、円形状、楕円形状等、種々の形
状とすることができる。また、高温体3の位置も中央部
に限定されず、種々の位置とすることができ、また、そ
の形状も円形状や楕円形状など種々の形状とすることが
できる。また、低温体2と高温体3との構成比は、特に
制限されないが、上述の如く高温体3の面積比を50%
以下とするのが好ましく、この範囲内における構成比は
任意のものとすることができる。また、低温体2と高温
体3とは、それぞれ一体的に高透気性部と低透気性部と
を有する一枚の表面層用シートを用いて形成してもよ
い。即ち、本発明の使い捨てカイロは、該表面層用シー
トにおける高透気性部に対応させて高温体用発熱体組成
物を配し、低透気性部に対応させて低温体用発熱体組成
物を配し、発熱体と低温体用発熱体組成物とが完全に区
画されるように高温体用発熱体組成物の周縁部外方にお
いて表面層用シートを裏面層に接合させて、低温体用表
面層と高温体用表面層とを形成すると共に、低温体と高
温体とを一体的に並設してなる構成としてもよい。
【0042】各発熱体組成物は、それ自体袋に封入され
ていてもよい。また、低温体及び高温体は、それぞれ、
各表面層と裏面層とで袋体としたものに各発熱体組成物
を封入し、更に、得られた各袋体を接着するなどして一
体化したものでもよい。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき、更に詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0044】〔実施例1〕図1及び2に示す形態の使い
捨てカイロを次のように作成した。まず、吸水性ポリマ
ー(日本触媒社製、商品名;「アクアリックCA」)1
0重量部と、シリカゲル(和光純薬社製、商品名;「ワ
コーゲルC−200」)30重量部との混合物に、5wt
%の食塩水100重量部を加え、含水保水剤を調製し
た。
【0045】一方、粒径10〜32μmの鉄粉(市販の
化学カイロ用鉄粉を分粒したもの)10重量部と活性炭
(和光純薬社製)0.5重量部との混合物に先の含水保
水剤5重量部を加え、高温体用発熱体組成物を得た。ま
た、粒径150〜300μmの鉄粉(市販化学カイロ用
鉄粉を分粒したもの)10重量部と、活性炭(和光純薬
社製)0.5重量部との混合物に先の含水保水剤5重量
部を加え、低温体用発熱体組成物を得た。
【0046】また、6×8cmの低透気性シート(興人
社製、商品名;TSF−EDFH)2部と2×8cmの
高透気性シート(日東電工社製、商品名;ブレスロンB
RN80−1N4A)1部を用意した。そして、これら
を裏面層としての粘着剤付きの非透気性シート(14cm
×8cmの剥離紙付き、日東電工社製、商品名;ニトタッ
ク)上に載置し、且つ一部を残して接着剤により接着
し、開口が形成された袋体を得た。この開口から低温体
用発熱体組成物15g、高透気性シートからなる袋部に
先の高温体用発熱体組成物5gを充填して、開口を封止
し、高温体と低温体とを形成して、図1及び2に示す形
態の使い捨てカイロを得た。
【0047】そして、このように作成された使い捨てカ
イロを気密性袋体(旭化成ポリフレックス社製、商品
名;「飛竜」)で密封した。本実施例で得られた使い捨
てカイロは、5〜6分で発熱定常状態になり、定常期に
おける高温体の温度は42〜44℃(40℃未満に低下
するまでの発熱時間1時間40分)、低温体の温度は3
9〜41℃(発熱時間約10時間)であった。10名の
パネラーによる下着の上に装着する方法での使用テスト
の結果、テスト期間中、低温火傷等による不快感等を訴
える者は存在しなかった。
【0048】
【発明の効果】本発明の使い捨てカイロは、十分な効果
感が得られると共に、低温火傷の心配がなく安全な温熱
を身体に供給できるものであり、具体的には、使用開始
後直ぐに適度に暖かくなり、しかも、低温火傷の危険性
が少ないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の使い捨てカイロの一形態を示
す平面図である。
【図2】図2は、図1に示す使い捨てカイロのII−II断
面を模式的に示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の使い捨てカイロの他の例を示
す平面図である。
【符号の説明】
1 使い捨てカイロ 2 低温体 21 低温体用表面層 22 裏面層 22a シート材 22b 粘着面 23 低温体用発熱体組成物 3 高温体 31 高温体用表面層 32 裏面層 33 高温体用発熱体組成物 4 剥離紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大辻 一也 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透気性の低温体用表面層、裏面層及び両
    層間に介在された低温体用発熱体組成物とからなる低温
    体と、透気性の高温体用表面層、裏面層及び両層間に介
    在された高温体用発熱体組成物とからなり、発熱定常時
    の発熱温度が該低温体よりも高い高温体とが、完全に区
    画されて、一体的に並設されていることを特徴とする使
    い捨てカイロ。
  2. 【請求項2】 高温体の面積が、低温体の面積と高温体
    の面積との合計面積中の5〜40%であることを特徴と
    する請求項1記載の使い捨てカイロ。
  3. 【請求項3】 上記低温体用表面層が、低透気性シート
    により形成されており、上記高温体用表面層が、高透気
    性シートにより形成されていることを特徴とする請求項
    1記載の使い捨てカイロ。
  4. 【請求項4】 上記低温体用発熱体組成物は、上記高温
    体用発熱組成物よりも、発熱温度が低くなるようになさ
    れていることを特徴とする請求項1記載の使い捨てカイ
    ロ。
  5. 【請求項5】 上記低温体用表面層が、低透気性シート
    により形成されており、上記高温体用表面層が、高透気
    性シートにより形成されていると共に、上記低温体用発
    熱体組成物は、上記高温体用発熱組成物よりも、発熱温
    度が低くなるようになされていることを特徴とする請求
    項1記載の使い捨てカイロ。
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