JPH11252716A - 電気車の接線力係数推定装置 - Google Patents

電気車の接線力係数推定装置

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JPH11252716A
JPH11252716A JP10061938A JP6193898A JPH11252716A JP H11252716 A JPH11252716 A JP H11252716A JP 10061938 A JP10061938 A JP 10061938A JP 6193898 A JP6193898 A JP 6193898A JP H11252716 A JPH11252716 A JP H11252716A
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建 中野
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一郎 宮下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】主電動機の回転角速度の各演算時点毎に接線力
係数を精度良く推定する装置を提供することにある。 【解決手段】主電動機の回転角速度に第1の係数器4の
係数と第2の係数器5の係数を乗算したものを第1の情
報とし、前記主電動機の発生トルクの計測値または演算
値を第2の情報とし、積分器6を設けて該出力を第3の
情報とし、該第3の情報の符号を反転した情報と前記第
2の情報と前記第1の情報を加算器3に入力して加算し
た出力を積分器6に入力して積分して得られた前記第3
の情報と前記第1の情報の符号を反転した情報とを加算
器7にて加算して得られたものを第4の情報とする最小
次元外乱オブザーバを形成する。更に前記第4の情報に
第3の係数器2の係数を乗算することによって接線力係
数を算出する電気車の接線力係数推定装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、電気車の粘着力の
有効利用を図った再粘着制御方法を実現する上で必要と
なる電気車の接線力係数推定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気車は車輪・レール間の接線力(粘着
力ともいう)によって加減速を行っているが、この接線
力は、一般にすべり速度に対して図4に破線で示すよう
な特性を有している。この接線力を軸重(車軸1軸当た
りのレールに加わる垂直荷重)で割ったものを接線力係
数、接線力の最大値を軸重で割ったものを粘着係数とい
う。図示の如く、接線力の最大値を超えないトルクを主
電動機で発生している場合は、空転・滑走は発生せず、
接線力の最大値より左側の微小なすべり速度で電気車は
走行する。もし最大値より大きいトルクを発生するとす
べり速度は増大し、接線力が低下するのでますますすべ
り速度が増大する空転・滑走状態になるが、車輪及びレ
ールが乾燥状態では主電動機で発生するトルクは接線力
の最大値を超えないように車両の性能が設定されるの
で、空転・滑走は発生しない。
【0003】しかし、実線で示す如く、レール面が雨等
によって湿潤状態にある場合は、粘着係数が低下して接
線力の最大値が車両の設定性能に対応した主電動機の発
生トルクより小さくなる。この場合、すべり速度が増大
し空転状態になり、そのまま放置するとこれに対応して
接線力が低下し、車両の加速に必要な加速力がますます
低下してしまうので、迅速に空転・滑走を検出し、主電
動機が発生するトルクを低減して再粘着させることが必
要になる。このようにトルクの制御を行って再粘着させ
る場合、小さなすべり速度に抑制しつつ、主電動機の発
生トルクが極力接線力の最大値近傍の値になるように制
御することが、電気車の加減速性能を高める上で必要で
ある。
【0004】このような再粘着制御の実現を目的とした
装置として、主電動機の回転周波数(回転速度)を検出
し、これからその時間変化率、すなわち動軸加速度を求
めて空転・滑走を検出するとともに、動軸加速度からそ
のときの主電動機トルクに対応した粘着係数からの低下
分を推定することによって粘着係数を推定し、再粘着後
に推定した粘着係数に対応したトルクを主電動機で発生
するようにした再粘着制御装置がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの装置の場
合、空転・滑走を誤検知することなく確実に検出するた
めには、特に軸加速度の各演算時点毎の変動を小さく抑
制することが必要で、軸加速度の演算間隔を長くするこ
とが一般に用いられている。そのため軸加速度の演算に
大きな遅れが発生し、さらに空転・滑走を確実に検出す
るための閾値との関係から、空転・滑走検出時には空転
・滑走速度が大きくなってしまって、図3に示すように
その時点で粘着係数を推定しても、実際には粘着係数で
はなくすべり速度が大きくなったときの接線力係数を推
定することになり、粘着係数よりは小さな値になってい
る。
【0006】またこのように大きな遅れをともなって軸
加速度を演算しても、なお演算時間毎の軸加速度の演算
値の変動が大きいため、接線力係数の推定値も大きく変
動することになる。この接線力係数を用いて再粘着制御
を行うため、接線力係数の最大値近傍でのトルク制御が
実現できない。さらに、空転・滑走を検出してからすべ
り速度を小さくするために、すなわち再粘着させるため
に、主電動機での発生トルクを低減した後、推定粘着係
数相当のトルクに復帰させる制御を行うことによって、
乗り心地が悪化することが考えられる。このように、従
来の接線力係数の推定方法では、良好な乗り心地を保ち
つつ粘着力の有効利用が可能な再粘着制御が実現できな
い。
【0007】このように、各演算時点毎の軸加速度の変
動を抑制するために、演算時間間隔を大きくして求めた
軸加速度を用いて、空転・滑走を検出し、その時の接線
力係数を推定する方法では、空転・滑走検出時の接線力
しか推定できないことと、一般に空転・滑走検出感度と
の関係から、空転・滑走が大きくなった、すなわちすべ
り速度の大きいときの接線力係数の推定にしかならない
ので、この接線力の推定値を用いて再粘着制御しても、
接線力の最大値に対応したトルクを発生することができ
ないので、十分に粘着力の有効利用可能な再粘着制御に
はならないことと、空転・滑走を検出してトルクを制御
する間欠制御であるため、乗り心地の悪化を招くきらい
がある。本発明は上述した点に鑑みて創案されたもの
で、その目的とするところは、これらの欠点を解決し、
主電動機の回転角速度の各演算時点毎に接線力係数を精
度良く推定する方法を提供することであり、本推定方法
を用いてトルク制御を行うことによって、良好な乗り心
地を保ちつつ粘着力の有効利用が可能な再粘着制御が実
現できる電気車の接線力係数推定装置を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】つまり、その目的を達成
するための手段は、電気車の主電動機軸の回転角速度情
報に該電動機回転子軸に換算した回転系の全慣性を乗算
する第1の係数器4と、該係数器4の出力情報に積分器
6のゲイン定数を乗算する第2の係数器5を具え、該第
2係数器出力情報を第1の情報とし、前記主電動機の発
生トルクの演算値または計測値である第2の情報を加算
する入力加算器3と、該加算器3の出力情報を入力情報
とする積分器6と、該積分器出力の符号を反転した情報
を前記入力加算器3に帰還して得られる積分器出力を第
3の情報とし、該第3情報と前記第1情報の符号を反転
した情報とを加算する出力加算器7とから構成される主
電動機負荷トルクの推定器1を構成し、該負荷トルク推
定情報を第4の情報とし、該第4情報に減速歯車比と動
輪半径逆数値と動輪軸換算荷重逆数値とを乗算する第3
の係数器2とから前記電気車の接線力係数を推定する。
【0009】負荷トルクの推定器1はいわゆる最小次元
外乱オブザーバと称するもので、電動機の負荷トルクま
たは慣性、粘性などの機械的はパラメータがステップ状
に変化するとき、これらを負荷外乱として一括推定する
ことができる。外乱オブザーバはサーボモータの制御系
の外乱抑圧方策として知られており、その原理は下記論
文により開示されている。文献名:大石潔、大西公平、
宮地邦夫(慶応大学):「オブザーバを用いた他励直流
機のトルク制御」、電気学会回転機研究会資料,RM−
82−33,1982−2
【0010】前記の機械的なパラメータがステップ状で
はなく複雑な形で変化してもその変化が緩慢であればそ
れは微少なステップ的変動の積み重ねとして最小次元外
乱オブザーバで推定できる。ところで電動機発生トルク
のうち車両の加速に寄与する成分は発生トルクから電動
機回転子自身及び減速歯車、駆動輪等回転部分を加速す
るトルク成分を差し引いた残りである。すなわち外乱推
定器1の出力が車両を加速する成分にほかならない。加
速トルク成分を動輪周接線力で表すには減速歯車比を乗
じ動輪半径で割ればよい。接線力係数は、ここで得られ
た動輪周接線力をさらに動輪軸換算荷重で割ることによ
り求められる。あるいは外乱オブザーバ出力すなわち前
記第4情報に減速歯車比と動輪半径逆数値と動輪軸換算
荷重逆数値等をまとめて乗算する第3の係数器2を設置
することにより接線力係数を推定することができる。
【0011】また、前記電気車の接線力係数を推定する
際第3の係数器2は軸重を定数としていた。しかし電気
車の軸重は乗客数が変わると変動する。そこでつぎのよ
うに構成すると、電気車の軸重が変動しても正しい接線
力係数を求めることができるすなわち、電気車の主電動
機の回転角速度と主電動機の発生トルクの演算値または
計測値を入力情報として電気車の接線力係数を推定する
方法において、前記主電動機軸の回転角速度情報に該電
動機回転子軸に換算した回転系慣性を乗算する第1の係
数器4と、該係数器4の出力情報に積分器6のゲイン定
数を乗算する第2の係数器5を具え、該第2係数器出力
情報を第1の情報とし、前記主電動機の発生トルクの計
測値または演算値である第2の情報を加算する入力加算
器3と、該加算器3の出力情報を入力情報とする積分器
6と、該積分器出力の符号を反転した情報を前記入力加
算器3に帰還して得られる積分器出力を第3の情報と
し、該第3情報と前記第1情報の符号を反転した情報と
を加算する出力加算器7と、該出力加算器出力情報を第
4の情報とし、該第4情報に減速歯車比と動輪半径逆数
値とを乗算する第4の係数器8とから構成される電気車
動輪周接線力の推定器と、該動輪周接線力推定器出力情
報を第5の情報とし、該第5情報に動輪軸荷重の逆数を
乗算する第5の係数器9とから成る装置を構成すること
により、電気車の接線力係数を推定することができる。
【0012】さらに、接線力係数が最大値に達すると、
接線力係数の微分値が零になるので推定した接線力係数
の微分手段を設けることにより、これを知ることができ
る。すなわち、電気車の主電動機軸の回転角速度と主電
動機の発生トルクの演算値または計測値を入力情報とし
て電気車の接線力係数を推定する方法において、前記主
電動機軸の回転角速度情報に該電動機回転子軸に換算し
た回転系慣性を乗算する第1の係数器4と、該係数器4
の出力情報に積分器6のゲイン定数を乗算する第2の係
数器5を具え、該第2係数器出力情報を第1の情報と
し、前記主電動機の発生トルクの計測値または演算値で
ある第2の情報を加算する入力加算器3と該加算器3の
出力情報を入力情報とする積分器6と、該積分器出力の
符号を反転した情報を前記入力加算器3に帰還して得ら
れる積分器出力を第3の情報とし、該第3情報と前記第
1情報の符号を反転した情報とを加算する出力加算器7
とから構成される主電動機負荷トルクの推定器と、該負
荷トルク推定情報を第4の情報とし、該第4情報に減速
歯車比と動輪半径逆数値と動輪軸換算荷重逆数値とを乗
算する第3の係数器2と、前記第4情報を微分する微分
器11と該微分器出力の符号及び零判別手段12を備え
る装置を構成すれば、電気車の接線力係数推定とその接
線力係数が最大値に達する時点を推定することができ
る。以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は最小次元外乱オブザーバを
用いた接線力係数推定の基本構成を表すブロック線であ
り、請求項1記載の第一実施例に対応する。図2は図1
の原理に基づく接線力係数推定のシミュレーション結果
を示す図、図3は従来の空転・滑走検出時の接線力係数
の推定値をもとに再粘着制御した場合の接線力の推移を
示す図、図4はすべり速度に対する車輪・レール間の接
線力特性の例を示す図である。また図5、図6は本発明
の請求項2及び3に記載した別の実施例を示すブロック
線図である。図1は主電動機発生トルクTrqmと回転
角速度ωmiを入力として最小次元外乱オブザーバ1に
より車両加速トルクTlを推定し、その結果に第3の係
数器2の係数Rg/(W・g・r)を乗じて電気車の接
線力係数μeを推定する装置である。図1において、主
電動機回転角速度入力ωmiに第1の係数器4の係数J
mと第2の係数器5の係数aを乗算したものを第1の情
報としこの第1情報を加算器3に入力する。また主電動
機発生トルクの演算値あるいは計測値Trqmの入力を
第2の情報とし加算器3に入力するとともに、積分器6
の出力の符号を反転した信号を帰還し加算器3に入力す
る。積分器6の出力を第3の情報とし次の加算器7に入
力するとともに、前記第1情報の符号を反転して加算器
7に入力する。かくして負荷トルクまたは車両加速トル
ク成分Tlを得る。この車両加速トルク成分Tlを第4
の情報とする。第4の情報に第3の係数器2により係数
Rg/(W・g・r)を乗算し接線力係数の推定値μe
を得る。
【0014】図5は軸重Wを車両の積載荷重により変化
する点を考慮しこれを第3の入力として接線力係数の推
定値μeに反映させるようにする手段を示す。すなわち
係数器2の係数を定数項Rg/rと変数1/(W・g)
に分け、車両加速トルク成分Tlに定数項Rg/rを乗
じて得られる接線力Fμを第5の情報とし、この第5情
報FμをW・gで割るか、または逆数1/(W・g)を
乗ずることにより積載荷重の変化を考慮した接線力係数
の推定値μeを得る。図5は可変軸重の逆数1/(W・
g)を乗算する手段の例を示すが、これをW・gの除算
手段で実現することも可能である。図6はトルク外乱オ
ブザーバ1を基本とする手段を示すが、あらかじめ電動
機発生トルクTrqm入力及び回転角速度ωmi入力に
定数項Rg/rを乗じておけば推定器そのものが動輪周
接線力オブザーバとなるが、このような装置は図1のト
ルク外乱オブザーバ1を用いる方法と同等であることは
いうまでもない。
【0015】次にこの実施例の動作について説明する。
車両全体を1軸モデルで表すと、次に示す(1)〜
(7)式の関係式が得られる。 M・dVt/dt=μ(Vs)・W・g−Rv ・・・・・・・・・・(1) J・dωd/dt=T−μ (Vs)・W・g・r ・・・・(2) Vs=Vd−Vt ・・・・・・・・・・・・・(3) Trqm=Jm・dωmi/dt ・・・・・・・・・・・・・(4) Tm1=Jm1・dωm1/dt ・・・・・・・・・・・・・(5) Trqm・Rg=T ・・・・・・・・・・・・・(6) Tm1・Rg=T1 ・・・・・・・・・・・・・(7) ここに、Vt: 車両進行速度、Vd: 動輪周速度、V
s: すべり速度 (動輪周速度と車両速度との差速度) 、
Rv:列車の走行抵抗、M :1動輪軸に換算した列車全
体の重量、μ(Vs) :接線力係数、W :軸重、g :重
力加速度、r: 動輪半径、Rg :歯車比、T :動軸入力
トルク、T1: 動軸出力トルク、Trqm: 主電動機軸
まわりの入力トルク、Tm1 :主電動機軸まわりの出力
トルク、J : 動輪軸まわりの慣性モーメント、Jm:
電動機軸に換算した回転軸まわりの慣性モーメント(入
力トルクに対応したもの)、Jm1: 主電動機軸まわり
の慣性モーメント(入力トルクに対応したもの) 、ω
d: 動軸出力トルクによって発生する動輪軸角速度、ω
mi: 主電動機軸まわりの入力トルクに対応した主電動
機の回転角速度、ωm1: 主電動機軸まわりの出力トル
クに対応した主電動機の回転角速度である。
【0016】さらに、 Tm1= (J・dωd/dt)/Rg =〔T−μ (Vs)・W・g・r〕/Rg ・・・・・・・・(8) 上記(6)〜(8)式から、 Trqm−Tm1=〔μ (Vs)・W・g・r〕/Rg・・・・・・(9) が得られる。ここで、Trqm−Tm1を負荷外乱と見
なせば、図1に破線で示す最小次元外乱オブザーバ1を
構成し、その出力Fμを係数器2に入力することによっ
て、(10)式のように接線力係数の推定値μeが求め
られる。 μe=(Trqm−Tm1) ・〔a/(s+a)〕・〔Rg/( W・g・r)〕 ・・・(10) ここに、s: ラプラス演算子、a: 外乱オブザーバの極
であり、極aの逆数はオブザーバの推定遅れの時定数を
意味している。である。
【0017】図2は、外乱オブザーバの極aを変えた場
合の接線力係数の推定シミュレーション結果の例を示す
特性図であって、図4に示すような接線力係数の特性を
仮定して、指令トルクをランプ関数状に増大させていっ
たときの結果を示している。図2において、接線力係数
は真値μ(Vs)を、また接線力係数の推定誤差は接線
力係数μ(Vs)と接線力係数の推定値μeの差を表し
ており、図示の如く、外乱オブザーバの極が5000の
場合と100の場合共に、接線力係数の真値μ(Vs)
に接線力係数の推定値μeが良く追従していて、その推
定誤差は非常に小さく、高い精度で接線力係数が推定で
きていることが分かる。
【0018】このように外乱オブザーバによって接線力
係数の推定値μeを時々刻々演算し、このμeに対応し
たトルクを指令して主電動機で発生するように制御する
ことによって、接線力をピーク点近傍に維持する制御が
可能になる。接線力がピーク点近傍にあるか、ピーク点
のどちら側にあるかを判別するには図6のように負荷ト
ルク推定出力に微分器11及び符号判別器12とを設
け、その出力が正値、負値、零値を判定すればよい。接
線力係数の微分値はdμ(Vs)/dVsで表される
が、この式は{dμ(Vs)/dt}/{dVs/d
t}と変形される。ただしdtは時間微分である。すな
わち前記微分器11は{dμ(Vs)/dt}を出力す
る。接線力係数の微分値の符号により現在の接線力係数
の状態を正確に評価することができる。接線力係数を推
定する最小次元外乱オブザーバはローパスフィルタの機
能があるので、微分演算に対してはある程度ノイズを抑
制したものになっている。ここで接線力係数の微分は無
次元化された出力情報を基に演算せず、負荷トルク推定
器または接線力推定器の出力を歯車比、車輪径、軸重を
乗除せずに微分しても等価な情報が得られる。この微分
値の符号により現在の接線力係数の状態を正確に評価す
る方法は前記軸重が変動する場合にも図6の実施方法に
より適用可能であることはいうまでもない。
【0019】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
時々刻々接線力係数を精度良く推定できるので、この推
定値を用いて主電動機のトルク制御を行うことによっ
て、接線力のピーク点近傍に発生トルクを維持すること
ができ、良好な乗り心地を維持しつつ粘着力の有効利用
が可能となり、実用上、極めて有用性の高いものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1記載の実施例を示すブロック
図である。
【図2】外乱オブザーバによる接線力係数推定のシミュ
レーション例を示す特性図である。
【図3】従来の空転・滑走検出時の接線力係数の推定値
をもとに再粘着制御した場合の接線力の推移を示す図で
ある。
【図4】すべり速度に対する車輪・レール間の接線力特
性の例を示す図である。
【図5】本発明の請求項2記載の実施例を示すブロック
図である。
【図6】本発明の請求項3記載の実施例を示すブロック
図である。
【符号の説明】
1 最小次元外乱オブザーバ 2、4,5,8 係数器 3、7 加算器 6 積分器 9 係数器(可変) 10 除算器 11 微分器 12 符号判別器 Trqm 主電動機発生トルクの演算値あるいは計測値 ωmi 主電動機回転子軸系の入力トルクに対応した主
電動機の回転角速度 Jm 主電動機回転子軸に換算した回転系の全慣性モー
メント a 最小次元外乱オブザーバの極 s ラプラス演算子 Tl 負荷トルクまたは車両加速トルク成分の推定値 Fμ 接線力の推定値 μ(Vs)接線力係数 μe 接線力係数の推定値 Rg 歯車比 W 軸重 g 重力加速度 r 動輪半径
フロントページの続き (72)発明者 宮下 一郎 神奈川県大和市上草柳字扇野338番地1 東洋電機製造株式会社技術研究所内 (72)発明者 保川 忍 神奈川県大和市上草柳字扇野338番地1 東洋電機製造株式会社技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気車の主電動機軸の回転角速度と主電
    動機の発生トルクの演算値または計測値を入力情報とし
    て電気車の接線力係数を推定する装置において、前記主
    電動機軸の回転角速度情報に該電動機回転子軸に換算し
    た回転系慣性を乗算する第1の係数器4と、該係数器4
    の出力情報に積分器6の同一のゲイン定数を乗算する第
    2の係数器5を具え、該第2の係数器出力情報を第1の
    情報とし、前記主電動機の発生トルクの演算値または計
    測値である第2の情報を加算する入力加算器3と、該加
    算器3の出力情報を入力情報とする積分器6と、該積分
    器6の出力符号を反転した情報を前記入力加算器3に帰
    還して得られる積分器6の出力を第3の情報とし、該第
    3情報と前記第1情報の符号を反転した情報とを加算す
    る出力加算器7とから構成される主電動機負荷トルクの
    推定器1と、該負荷トルク推定情報を第4の情報とし、
    該第4情報に減速歯車比と動輪半径逆数値と動輪軸換算
    荷重逆数値とを乗算する第3の係数器2とから成る電気
    車の接線力係数推定装置。
  2. 【請求項2】 電気車の主電動機軸の回転角速度と主電
    動機の発生トルクの演算値または計測値を入力情報とし
    て電気車の接線力係数を推定する装置において、前記主
    電動機軸の回転角速度情報に該電動機回転子軸に換算し
    た回転系慣性を乗算する第1の係数器4と、該係数器4
    の出力情報に積分器6のゲイン定数を乗算する第2の係
    数器5を具え、該第2の係数器出力情報を第1の情報と
    し、前記主電動機の発生トルクの計測値または演算値で
    ある第2の情報を加算する入力加算器3と、該加算器3
    の出力情報を入力情報とする積分器6と、該積分器6の
    出力の符号を反転した情報を前記入力加算器3に帰還し
    て得られる積分器6の出力を第3の情報とし、該第3情
    報と前記第1情報の符号を反転した情報とを加算する出
    力加算器7と、該出力加算器出力情報を第4の情報と
    し、該第4情報に減速歯車比と動輪半径逆数値とを乗算
    する第4の係数器8とから構成される電気車動輪周接線
    力の推定器と、該動輪周接線力推定器出力情報を第5の
    情報とし、該第5情報に動輪軸荷重の逆数を乗算する第
    5の係数器9とから成る電気車の接線力係数推定装置。
  3. 【請求項3】 電気車の主電動機軸の回転角速度と主電
    動機の発生トルクの演算値または計測値を入力情報とし
    て電気車の接線力係数を推定する装置において、前記主
    電動機軸の回転角速度情報に該電動機回転子軸に換算し
    た回転系慣性を乗算する第1の係数器4と、該係数器4
    の出力情報に積分器6のゲイン定数を乗算する第2の係
    数器5を具え、該第2の係数器出力情報を第1の情報と
    し、前記主電動機の発生トルクの計測値または演算値で
    ある第2の情報を加算する入力加算器3と、該加算器3
    の出力情報を入力情報とする積分器6と、該積分器6の
    出力の符号を反転した情報を前記入力加算器3に帰還し
    て得られる積分器6の出力を第3の情報とし、該第3情
    報と前記第1情報の符号を反転した情報とを加算する出
    力加算器7とから構成される主電動機負荷トルクの推定
    器1と、該負荷トルク推定情報を第4の情報とし、該第
    4情報に減速歯車比と動輪半径逆数値と動輪軸換算荷重
    逆数値とを乗算する第3の係数器2と、前記第4情報を
    微分する微分器11と該微分器出力の符号及び零判別手
    段12を備えて成る電気車の接線力係数推定装置。
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