JPH11251864A - 圧電共振子およびラダー型フィルタ - Google Patents

圧電共振子およびラダー型フィルタ

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JPH11251864A
JPH11251864A JP4710598A JP4710598A JPH11251864A JP H11251864 A JPH11251864 A JP H11251864A JP 4710598 A JP4710598 A JP 4710598A JP 4710598 A JP4710598 A JP 4710598A JP H11251864 A JPH11251864 A JP H11251864A
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resonator
piezoelectric
internal electrode
external electrode
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JP4710598A
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Harumi Hayashi
春美 林
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Kyocera Corp
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】より小型・薄型でかつ共振子の電気機械結合係
数の調整が可能で、且つ、所望とする種々の容量に対応
できる圧電共振子およびラダー型フィルタを提供する。 【解決手段】圧電体層10と内部電極層11とを交互に
積層して形成され、一側面に内部電極層11の端部が露
出した積層体12を形成するとともに、積層体12の内
部電極層11の端部が露出した一側面に、任意の内部電
極層11の端部と接続される可撓性の第1外部電極15
と、第1外部電極15と接続されていない内部電極層1
1のうち任意の内部電極層11の端部と接続される可撓
性の第2外部電極16を形成してなり、圧電体層10が
その積層方向に伸縮振動するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層方向の伸縮振
動モードを利用した積層型圧電共振子、およびこの積層
型圧電共振子を用いたラダー型フィルタに関するもので
あって、例えば、携帯用移動無線機、コードレス電話、
ページャ、カーステレオ等の移動体通信機に内蔵され
る、フィルタ、発振子その他種々の用途に用いられる圧
電共振子およびラダー型フィルタに関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、集積回路の発達に伴い、フィルタ、
発振子その他の分野で、圧電体を用いた種々の圧電共振
子が用いられている。中でも、100kHzから1MH
zまでに使用される圧電共振子としては、従来、図8
(a)に示すように拡がり振動モードを用いた円板状圧
電共振子J1、図8(b)に示すように拡がり振動モー
ドを用いた正方形状圧電共振子J2、さらには図8
(c)に示すように長さ方向の伸び振動を用いた矩形状
圧電共振子J3が知られていた。図において、符号1は
圧電体層、符号2は電極層を示す。
【0003】これら圧電共振子を用いたラダー型フィル
タでは、直列共振子の寸法と並列共振子の寸法とを調整
して、直列共振子の共振周波数と並列共振子の反共振周
波数を一致させて通過帯域を構成し、かつその両側に減
衰極を構成しており、通過帯域は圧電共振子の反共振周
波数と共振周波数の差(ΔF=Fa−Fr)によって決
まっていた。
【0004】また、フィルタの段数を増やしたり、並列
共振子と直列共振子の素子間容量比を大きくしたりする
ことによって、保証減衰量を大きくしていた。並列共振
子と直列共振子の素子間容量比を大きくする手段として
は、直列共振子の厚みを大きくし、更に電極面積を小さ
くした部分電極を形成することで、直列共振子の容量を
小さくし、また、並列共振子の厚みを小さくして容量を
大きくし、素子間容量比を大きくする方法が取られてい
た。更に、直列共振子に低誘電率の材料、また、並列共
振子に高誘電率の材料と2種類の材料を用いることで、
保証減衰量を大きくすることを実現していた。
【0005】また、共振子はケース内で所望の状態で振
動することが必要であるため、図9に示すように、共振
子12をバネ性を有する電極板、いわゆるバネ端子21
を用いて挟み込むような形で保持固定がなされていた。
【0006】また、近年においては、無線通信機の小型
化、軽量化が図られ、電子部品においても0.01mm
を単位とした小型化、薄型化が競われている。前記した
ラダー型フィルタにおいても小型化の要求があり、フィ
ルタ特性を劣化させずに形状を小型化することが大きな
課題となっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧電共
振子をフィルタ、発振子等の具体的なデバイスに利用す
る場合、使用する共振周波数が圧電共振子の形状によっ
て決定されてしまう。即ち、拡がり振動を用いた円板状
および正方形状の共振子においては、使用する共振周波
数が円板の直径、または正方形の一辺の寸法により決定
されるため、拡がり振動を利用する限りにおいては、使
用する周波数によって共振子の形状が決定され、フィル
タ、発振子等の具体的なデバイスの小型化を図りたい場
合、従来の圧電共振子では対応することができなかっ
た。
【0008】また、従来、フィルタ、発振子等の具体的
なデバイスの小型化を図るために、使用する圧電共振子
の振動モードを拡がり振動から、矩形板状の圧電共振子
の長さ方向の伸び振動(横効果)へ変更して共振子を小
型化し、デバイスの形状を小型化する方法が取られてい
たが、矩形板状の圧電共振子の長さ方向の伸び振動を利
用した場合、共振子の帯域幅△Fが材料の横効果による
結合係数K31のみで決定されるために結合係数が小さ
く、拡がり振動モードを利用した圧電共振子に比べて、
共振子の帯域幅△Fが小さく、フィルタを構成した場
合、フィルタの通過帯域幅が狭くなるという問題があっ
た。
【0009】また、角柱状の圧電共振子の両底面に電極
を形成し、電極間の長さ方向の伸び振動(縦効果)へ変
更して共振子を小型化した場合、共振子の帯域幅△Fは
十分に満足できるが、共振子の容量が極端に小さくなる
ために、フィルタを構成するインピーダンスのコントロ
ールができないという問題があった。
【0010】そこで、本発明者は、このような問題を解
決した圧電共振子として、図10に示すように、圧電体
層10と内部電極層11とを交互に積層して形成され、
相背向する側面に内部電極層11の両端部が露出した積
層体12を形成し、該積層体12の一方の側面に、任意
の内部電極層11の一端部と接続される第1外部電極1
5を配設し、積層体12の他方の側面に、第1外部電極
15と接続されていない内部電極層11のうち任意の内
部電極層11の他端部と接続される第2外部電極16を
配設してなり、且つ第1外部電極15と第1外部電極1
5に接続されていない内部電極層11との間及び第2外
部電極16と第2外部電極16に接続されていない内部
電極層11との間に樹脂層20を介在させ、圧電体層1
2をその積層方向に伸縮振動せしめるようにすること
で、より小型でかつ共振子の容量の調整が積層体作成後
に変更可能な圧電共振子を知見し、出願した(特願平9
−351553号)。
【0011】しかしながら、圧電共振子をフィルタ、発
振子等の具体的なデバイスに利用する場合、圧電共振子
の外部電極が、圧電共振子の相対向する2側面に形成さ
れているため、電気的な接続、および共振子の固定は、
図9に示したようなバネ性を有するいわゆるバネ端子を
用いて行う必要がある。複数の共振子をバネ端子で固定
しフィルタを構成しようとするとフィルタの設置面積が
大きくなり、設置面積を小さくするためには、共振子を
フィルタの高さ方向に積み重ねる必要があり、フィルタ
の高さが高くならざるを得なくなると同時に、バネ端子
を用いて電気的接続をとるために、構造が非常に複雑と
なり、フィルタの組立が困難であり、さらにフィルタの
組立を自動化するのが困難であった。
【0012】本発明は、より小型・薄型でかつ共振子の
電気機械結合係数の調整が可能で、且つ、所望とする種
々の容量に対応できる圧電共振子およびラダー型フィル
タを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電共振子は、
圧電体層と内部電極層とを交互に積層して形成され、一
側面に前記内部電極層の端部が露出した積層体を形成す
るとともに、該積層体の前記内部電極層の端部が露出し
た一側面に、任意の前記内部電極層の端部と接続される
可撓性の第1外部電極と、該第1外部電極と接続されて
いない内部電極層のうち任意の内部電極層の端部と接続
される可撓性の第2外部電極とを形成してなり、前記圧
電体層がその積層方向に伸縮振動するものである。
【0014】ここで、第1外部電極と、積層体の一側面
に露出し前記第1外部電極に接続されていない内部電極
層の端部との間、および第2外部電極と、前記積層体の
一側面に露出し前記第2外部電極に接続されていない内
部電極層の端部との間に絶縁性の樹脂層を介装してなる
ことが望ましい。
【0015】また、本発明のラダー型フィルタは、直列
接続された複数の直列共振子と並列接続された複数の並
列共振子とからなるラダー型フィルタにおいて、前記直
列共振子および前記並列共振子が、上記圧電共振子から
なるものである。
【0016】
【作用】本発明の圧電共振子は、上記に示した構成によ
り、分極方向の伸び振動の電気機械結合係数の大きな材
料を用いることで、圧電体層の積層方向の伸び振動の電
気機械結合係数K33が十分に大きい圧電共振子を得るこ
とができる。
【0017】例えばPZT系の材料の電気機械結合係数
は、振動モードにより大きく異なり、従来の横効果の電
気機械結合係数K31に比べて、厚み方向の伸び振動(縦
効果)の電気機械結合係数K33が大きいことから、特
に、圧電体層としてPZT系の材料を用いた場合におい
てはその効果が大きい。尚、PZT系の材料の電気機械
結合係数K33は40〜70%程度である。
【0018】また、この様な積層構造の共振子において
は、対向電極の数や、電極間厚みを調整することによ
り、積層体作製前に様々な容量の共振子を得ることがで
きる。
【0019】このような構成にすることで、共振子の形
状を小型化することができ、しかも大容量の共振子を得
ることができる。
【0020】そして、本発明の圧電共振子は、要求され
る容量に応じて、外部電極と接続される内部電極層を選
択することにより、積層体作製後において、帯域幅を殆
ど変えることなく種々の容量を得ることができ、一種類
の積層体により、要求される様々なスペックに対して対
応できる。
【0021】また、外部電極と接続されてない内部電極
層の端部との間に樹脂層を介在させたので、外部電極と
接続されていない内部電極との絶縁を確実に行なうこと
ができ、しかも外部電極とこの外部電極と接続されてい
ない内部電極層間における浮遊容量等の不要な容量の発
生を抑制できる。
【0022】また、共振子をラダーフィルタ回路に保持
接続する場合は、共振子の外部電極で接続保持を行う。
この時、第1外部電極および第2外部電極を共振子本体
の同一側面に形成したため、圧電共振子をラダーフィル
タ回路に接続する場合、接続する端子等に配置し、第1
外部電極および第2外部電極を導電性接着材等により接
続するだけで接続することができ、圧電共振子とラダー
フィルタ回路との電気的な接続が容易となり、また組み
立ても容易となる。
【0023】さらに、外部電極が可撓性の導電部材で形
成されるために、強固に保持しても可撓性の外部電極に
圧縮応力がかかり、保持により共振子の収縮振動は妨げ
られることがない。
【0024】さらにまた、外部電極の形成された面に対
向する側面(反対側の側面)に可撓性の絶縁部材を設け
ることにより、この部分を上から押さえることによって
圧電共振子の位置を固定できる。この場合、共振子はフ
ィルタのケース等と可撓性の絶縁部材を介して接してい
るために、保持によって振動が阻止されることはない。
従って、積層型圧電共振子とラダーフィルタ回路との電
気的な接続が容易となり、また組立も容易となる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は本発明の積層型の圧電共振
子を示すもので、図1(a)は斜視図、図1(b)は
(a)をA方向から見た斜視図、図1(c)は(a)を
B方向から見た斜視図である。
【0026】図1において、符号10はPb(Zr,T
i)O3 を主成分とする圧電体層を示している。この圧
電体層10としては、例えば、Pb(Zr,Ti)O3
のPb、Zr、Tiの一部をBa等のアルカリ土類金
属、Nb等の周期律表第5a族元素、Y等の希土類元
素、Cr等の周期律表第6a族元素、Co等の周期律表
第8族元素等で置換したものが用いられる。
【0027】尚、圧電体層10の材料としては、上記し
たPb(Zr,Ti)O3 系(PbZrO3 とPbTi
3 の固溶体から成る)以外の圧電体、例えばPbTi
3等でもよく、必要とされる圧電特性としては、電気
機械結合係数K33が40〜70%程度となる材料であれ
ばよい。
【0028】そして、図1においては合計10層の圧電
体層10と、合計9層のAg−Pd等の導電材料からな
る内部電極層11が交互に積層されて四角柱状の積層体
である共振子本体12が形成されている。内部電極層1
1は、全外周端が共振子本体12の4つの側面に露出し
ており、これらの内部電極層11のうち任意の内部電極
層11の端部が共振子本体12の上側の一側面に形成さ
れた第1外部電極15および第2外部電極16により接
続されている。これらの外部電極15、16は可撓性の
導電部材、たとえば導電性のシリコンゴムにより形成さ
れている。
【0029】即ち、第1外部電極15は共振子本体12
の上側の一側面に形成され、任意の内部電極層11の一
端部と接続され、さらに、その内部電極層11から数え
て4層おきに内部電極層11と接続されている。一方、
第2外部電極16は第1外部電極15と同一側面に形成
され、第1外部電極15と接続された2つの内部電極層
11の中央の内部電極層11の端部に、4層おきに接続
されている。
【0030】また、第1外部電極15および第2外部電
極16と共振子本体12との間には、内部電極層11と
接続する部分を除き、絶縁性の樹脂層20が最大厚み約
30μm程度で形成されている。図2に、共振子本体1
2の一側面に絶縁性の樹脂層20を形成した状態を示
す。
【0031】尚、樹脂層20は、比誘電率が10以下の
材料であれば厚み1μm程度まで問題はない。また、樹
脂としては例えばシリコン系、エポキシ系、ポリイミド
系、テフロン系、BTレジンやポリフェニルエーテル等
の各種樹脂が用いられる。
【0032】また、圧電体層10は積層方向Xに分極さ
れており、第1外部電極15および第2外部電極16に
接合されている内部電極層11を境にして隣接する圧電
体層10での分極方向は逆向きとなっている。振動方向
は圧電体層10の積層方向Xとされている。
【0033】以上のように構成された圧電共振子を組み
込む場合には、振動の節は、圧電体層10の積層方向X
における共振子本体12の中央付近であるため、この部
分でラダー型フィルタの回路が印刷された基板に接続固
定される。つまり、圧電共振子は図1(b)の一点鎖線
で示す部分が基板に接続されることが望ましい。電気的
な接続は可撓性の導電性ゴムからなるペーストで接着固
定して行う。図3に圧電共振子を基板に接着した状態を
示す。図3において符号38は導電性のゴム状の弾性を
持つペーストであり、符号39はラダー型フィルタの回
路が印刷された基板である。
【0034】図3では、さらに、外部電極15、16の
反対側の面(上面)に可撓性の絶縁部材41を設け、こ
の絶縁部材41を蓋部材43により押さえて固定してい
る。
【0035】この場合、圧電共振子はフィルタのケース
等と可撓性の絶縁部材41を介して接しているために、
保持によって振動が阻止されることはない。従って、積
層型圧電共振子とラダーフィルタ回路との電気的な接続
が容易となり、また組立も容易となる。
【0036】図4に、内部電極層11の端部を、第1外
部電極15と第2外部電極16とに交互に接続した圧電
共振子を示す。この圧電共振子は、図1に示したものよ
りも容量を大きくすることができる。尚、図1(a)、
図4(a)の一側面に露出した内部電極層11の端部に
ついて、理解を容易にするため実線で記載した。
【0037】本発明の圧電共振子は、図5に示すよう
に、Pb(Zr,Ti)O3 を主成分とする圧電セラミ
ックスのグリーンシート30を用意し、グリーンシート
30にスクリーン印刷等により電極パターン33を形成
し、電極パターン33の位置が所定の位置に来るように
積み重ねた後、圧着し、同時に焼成することにより、内
部電極層11を介して圧電体層10が積層された焼結体
を得ることができる。これを所定の形状に切断し、図1
に示したような共振子本体12を得ることができる。
【0038】次に、外部電極15、16と内部電極層1
1との接続部以外に、樹脂を塗布・硬化させた後、導電
性ペーストの塗布により第1外部電極15および第2外
部電極16を形成する。この後、外部電極15、16間
に直流電圧を印加して分極処理し、圧電性を付与し、本
発明の圧電共振子が得られる。
【0039】尚、積層する前に、厚さが均一で平坦な圧
電セラミックス焼成板を作製し、その圧電セラミックス
板に内部電極層用の導電性ペーストを塗布し、乾燥し、
各圧電セラミックス板の電極パターンの位置を正確に合
わせた形で積層し、焼き付けることにより、内部電極層
を介して圧電体層を接合し、共振子本体を作製してもよ
い。
【0040】本発明の圧電共振子では、PZT系の材料
の結合係数は、横効果の電気機械結合係数K31に比べ
て、厚み方向の伸び振動(縦効果)の電気機械結合係数
33が大きいことから、積層方向の伸び振動の電気機械
結合係数K33が十分に大きい圧電共振子を得ることがで
きる。また、対向する内部電極層の数や、内部電極層間
の厚み、第1外部電極および第2外部電極に接続する内
部電極層を調整することにより、様々な容量の共振子を
得ることができる。よって、本発明の積層型圧電共振子
では、共振子の形状を小型化することができ、静電容量
を大容量化でき、しかも一種の共振子本体により、要求
される種々の容量に対応できる。
【0041】即ち、圧電体層の積層方向Xにおける共振
子本体の長さをL、圧電体層の積層数をn、電極層の間
隔をt(L/n)、コンデンサを形成する面積をa×b
とすると、全容量CはC=ε0 εr n2 ab/Lで表さ
れる(ただし、ε0 は真空中の誘電率であり、εr は比
誘電率である)。共振子本体の長さLは使用する共振周
波数fr、反共振周波数faによって決定されるもので
あり、例えば、共振周波数frが400kHzの場合に
はLは約4mmとされる。積層数nは要求される容量値
から決定される。さらに、上記a、bの値は使用するデ
バイスの形状により決定される。
【0042】図6は、ラダー型フィルタLFの回路図を
示すもので、この図には、共振周波数と反共振周波数の
差ΔFが同一の直列共振子S1、S2、S3と並列共振
子P1、P2、P3とをL型に接続してなる基本単位回
路を3段接続してなるラダー型フィルタが開示されてい
る。そして、共振子S1、S2、S3、P1、P2、P
3として、本発明の圧電共振子が用いられている。
【0043】従って、本発明のラダー型フィルタでは第
1外部電極15および第2外部電極16を共振子本体1
2の同一側面に形成したため、積層型圧電共振子をラダ
ーフィルタ回路に接続する場合、基板39の端子上に配
置し、第1外部電極15及び第2外部電極16を弾性を
持つ導電ペーストで接着固定するだけで接続することが
でき、積層型共振子とラダーフィルタ回路との電気的な
接続が容易であり、ラダー型フィルタの組立が容易とな
る。
【0044】尚、図1、図4では圧電体層10が10層
形成されている圧電共振子について説明したが、本発明
では上記例に限定されるものではなく、圧電体層を3層
以上したものならば良いことは勿論である。
【0045】
【実施例】先ず、出発原料として、純度99.5%以
上、平均粒径が1.0〜3.0μmの市販のPbO、T
iO2 、ZrO2 、Nb2 5 、Y2 3 、Cr
2 3 、Co3 4 、La2 3 およびSrCO3 の各
粉末を所定量秤量し、組成式(Pb0.96Sr0.03La
0.01) 1.00 (Nb0.50Cr0.400.07Co0.03)0.05
0.49Zr0.463 で表される10枚のグリーンシー
トを作製した。9枚のグリーンシートの上面には、スク
リーン印刷により電極パターンを形成し、1枚のグリー
ンシートには電極パターンを形成しなかった。
【0046】このような同じ厚みのグリーンシートを、
図5に示すように電極パターンの位置が所定の位置に来
るように積み重ねた後、圧着し、大気中で1150℃で
同時に焼成し、圧電体層一層の厚みが0.4mmの焼結
体を得た。
【0047】次に、このようにして得られた焼結体を切
断し、製品形状の大きさを図1においてa1 =1mm、
1 =0.5mm、長さL=4mmの共振子本体を作製
した。この後樹脂を塗布し、硬化した後に導電性ペース
トを塗布して外部電極を形成した。この外部電極に3k
V/mmの直流電圧を30分間印加して分極処理した。
【0048】この圧電共振子の帯域幅△Fを、インピー
ダンスアナライザーで測定した共振周波数Frと反共振
周波数Faの値から求め、さらに容量を測定した。その
結果、容量が73pFであり、帯域幅△Fが52kHz
であった。インピーダンス特性を図7に示す。
【0049】また、図4に示すように、第1外部電極お
よび第2外部電極と内部電極層を交互に接続した場合
は、容量が308pF、帯域幅△Fが51kHzであっ
た。
【0050】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の圧電共振子
では、圧電体層と内部電極層とを交互に積層し、積層方
向の伸縮振動モード(縦効果K33モード)を利用するこ
とにより、大きな電気結合係数を得ることができ、帯域
幅を広げることができ、また、内部電極層を複数積層す
ることにより小型の共振子であるにもかかわらず大きな
容量を得ることができる。さらに、内部電極層の接続を
変更することで、帯域幅を殆ど変更することなく素子の
容量を容易に変更でき、1種類の共振子本体により要求
される種々の容量に容易に対応できる。さらに、同一側
面に外部電極を形成することで、電気的な接続を簡単に
取ることが可能となり、フィルタ、発振子等のデバイス
用の共振子として用いる場合、組立工程の簡略化がで
き、また、デバイスの小型化が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の圧電共振子を示す斜視図であ
り、(b)は(a)のA方向から見た斜視図、(c)は
(a)のB方向から見た斜視図である。
【図2】共振子本体の一側面に絶縁性の樹脂層を形成し
た状態を示す平面図である。
【図3】図1の圧電共振子を基板に実装した状態を示す
側面図である。
【図4】(a)は内部電極層を第1外部電極及び第2外
部電極に交互に接続した本発明の圧電共振子を示す斜視
図であり、(b)は(a)のA方向から見た斜視図、
(c)は(a)のB方向から見た斜視図である。
【図5】本発明の圧電共振子の製造方法を説明するため
の斜視図である。
【図6】ラダー型フィルタの回路図である。
【図7】本発明に係る圧電共振子のインピーダンス特性
を示す図である。
【図8】(a)は従来の円板状広がり共振子を示す斜視
図、(b)は従来の正方形状拡がり共振子を示す斜視
図、(c)は従来の矩形状伸び共振子を示す斜視図であ
る。
【図9】圧電共振子の保持状態を示す説明図である。
【図10】外部電極を対向側面に形成した圧電共振子を
示す斜視図である。
【符号の説明】
10・・・圧電体層 11・・・内部電極層 12・・・共振子本体(積層体) 15・・・第1外部電極 16・・・第2外部電極 20・・・樹脂層 LF・・・ラダー型フィルタ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電体層と内部電極層とを交互に積層して
    形成され、一側面に前記内部電極層の端部が露出した積
    層体を形成するとともに、該積層体の前記内部電極層の
    端部が露出した一側面に、任意の前記内部電極層の端部
    と接続される可撓性の第1外部電極と、該第1外部電極
    と接続されていない内部電極層のうち任意の内部電極層
    の端部と接続される可撓性の第2外部電極とを形成して
    なり、前記圧電体層がその積層方向に伸縮振動すること
    を特徴とする圧電共振子。
  2. 【請求項2】第1外部電極と、積層体の一側面に露出し
    前記第1外部電極に接続されていない内部電極層の端部
    との間、および第2外部電極と、前記積層体の一側面に
    露出し前記第2外部電極に接続されていない内部電極層
    の端部との間に絶縁性の樹脂層を介装してなることを特
    徴とする請求項1記載の圧電共振子。
  3. 【請求項3】直列接続された複数の直列共振子と並列接
    続された複数の並列共振子とからなるラダー型フィルタ
    において、前記直列共振子および前記並列共振子が、請
    求項1または2記載の圧電共振子からなることを特徴と
    するラダー型フィルタ。
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