JP3729103B2 - 圧電装置、ラダー型フィルタ及び圧電装置の製造方法 - Google Patents

圧電装置、ラダー型フィルタ及び圧電装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共振子フィルタまたはアクチュエータなどに用いられる圧電装置及びその製造方法に関し、より詳細には、圧電縦効果を利用して圧電体の長さ方向屈曲振動が励振される圧電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧電共振子や圧電アクチュエータとして、圧電縦効果を利用した圧電装置及び圧電横効果を利用した圧電装置が種々提案されている。圧電縦効果は、分極方向と同方向に電界を圧電体に印加した場合に、圧電効果により縦方向すなわち圧電体の電界印加方向に圧電体を伸縮させる変位を利用するものである。圧電横効果は、電界印加方向に対して直交する方向にすなわち横方向に圧電体を伸縮させる変位を利用したものである。
【0003】
数百kHz帯の圧電共振子としては、圧電横効果を利用した拡がり振動や長さ伸縮振動を利用したものが広く用いられている。拡がり振動を利用した圧電共振子では、正方形板の圧電板の厚み方向に電界が印加され、該圧電板が径方向に伸縮される変位が利用される。また、長さ伸縮振動を利用した圧電共振子では、厚み方向に分極処理された棒状の圧電体に分極方向と同一に電界が印加され、それによって圧電体が長さ方向に伸縮される。
【0004】
他方、特開平10−4330号公報には、圧電縦効果を利用して長さ伸縮振動を励振させる積層型の圧電共振子が開示されている。ここでは、長さ方向を有する圧電体内に、該長さ方向と直交する方向に複数の内部電極が形成されている。該長さ方向において、内部電極を介して隔てられた隣り合う圧電体層は、長さ方向において逆方向に分極処理されている。この圧電共振子では、各圧電体層に電圧を印加することにより、圧電体が長さ方向に伸縮振動される。
【0005】
上記圧電縦効果を利用して長さ伸縮振動が励振される圧電共振子では、従来の圧電横効果利用した圧電共振子に比べて、広帯域化を図ることができる。また、この縦効果を利用した圧電共振子は積層型の構造を有するため、様々な静電容量を有するように構成され得る。また、圧電横効果を利用した圧電共振子に比べて、圧電縦効果を利用した上記圧電共振子では、小型化を図ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、圧電縦効果を利用した上記圧電共振子では、従来の圧電横効果を利用した圧電共振子に比べて小型化を図り得るものの、共振周波数はその長さ寸法に依存する。従って、所望の共振周波数の圧電共振子を得ようとした場合、圧電共振子の長さ方向寸法が決定されるため、それ以上長さを小さくすることはできなかった。すなわち、圧電縦効果を利用した長さ伸縮振動を利用した圧電共振子では、さらなる小型化が困難であった。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、圧電縦効果を利用しているにもかかわらず、目的とする特性に応じて柱状体の長さ方向に平行な半分の領域の長さ方向寸法を変化させることができ、かつ長さ方向寸法をより一層小さくし得る、圧電装置及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
【0011】
の発明によれば、長さ方向両端に配置された第1,第2の端面と、第1,第2の端面を結ぶ上面、下面及び第1,第2の側面とを有する圧電体と、前記圧電体の長さ方向と直交する方向に配置されており、かつ長さ方向において圧電体層を介して重なり合っており、かつ長さ方向において交互に配置されたそれぞれ複数の第1,第2の内部電極を備え、第1の内部電極が圧電体の長さ方向と直交する方向において分割された第1分割内部電極及び第2分割内部電極を有し、第1,第2の分割内部電極が電気的に接続されておらず、前記圧電体の幅方向中心よりも第1の側面または上面側の第1の圧電体領域と、第2の側面または下面側の第2の圧電体領域とが、圧電縦効果を利用して逆相で伸縮駆動力が発生するように構成されており、前記長さ方向において隣り合う圧電体層が長さ方向かつ異なる方向に分極されており、かつ各圧電体層内においては、第1の圧電体領域と第2の圧電体領域とが同一方向になるように分極されかつ電界が第1の圧電体領域と第2の圧電体領域とで異なる方向に加えられるように構成されており、それによって、前記圧電体の長さ方向全体が長さ方向に対して直交方向に屈曲する屈曲振動が励振されるバイモルフ型の圧電装置が提供される。
【0013】
の発明のより限定的な局面では、前記第1,第2の分割内部電極にそれぞれ電気的に接続されるように、前記圧電体の外表面に形成された第1,第2の外部電極がさらに備えられる。
【0014】
の発明の他の特定の局面では、前記第1,第2の外部電極が、圧電体の上面または下面に形成されている。
の発明のさらに別の特定の局面では、第1,第2の外部電極間に溝が形成されている。
【0018】
の発明は、長さ方向両端に配置された第1,第2の端面と、第1,第2の端面を結ぶ上面、下面及び第1,第2の側面とを有する圧電体と、前記圧電体内において、長さ方向と直交する方向に延ばされており、かつ前記圧電体の長さ方向において圧電体層を介して重なり合うように配置された複数の第1,第2の内部電極を備え、隣り合う圧電体層が長さ方向において逆方向に分極されており、かつ前記第1,第2の内部電極が、圧電体の第1の側面、上面または下面側に寄せられて形成され、第1,第2の内部電極が形成されている圧電体領域が圧電縦効果を利用して長さ方向に伸縮駆動力が発生するように構成されており、それによって前記圧電体の長さ方向全体が長さ方向に対して直交方向に屈曲する屈曲振動が励振される、ユニモルフ型の圧電装置である。
【0019】
本発明(第1,第2の発明)では、好ましくは、圧電体と圧電体内に形成される複数の内部電極は、セラミックス一体焼成技術を用いて得られる。すなわち、好ましくは、複数の内部電極は、圧電体と一体焼成されている。
【0020】
本発明(第1,第2の発明)の特定の局面では、前記圧電体の長さ方向において少なくとも一方端側に、駆動に際して電界が加わらない不活性層が配置されている。
【0021】
本発明の他の特定の局面では、前記圧電体の屈曲振動のノード点近傍に配置されており、該圧電体に固定された保持部がさらに備えられる。
本発明のより限定的な局面では、前記保持部が、圧電体のノード点を通り、長さ方向と直交する方向において、ノード点近傍に配置されている。
【0022】
本発明に係る圧電装置は、様々な圧電共振部品として用いられるが、本発明の特定の局面では、基板と、基板上に搭載されており、本発明に従って構成された複数の圧電装置とを備え、複数の圧電装置が梯子型回路構成を実現するように電気的に接続されているラダー型フィルタが提供される。
【0023】
の発明は、長さ方向両端に配置された第1,第2の端面と、第1,第2の端面を結ぶ上面、下面及び第1,第2の側面とを有し、長さ方向において分散配置されており、かつ長さ方向と直交する方向に延びる複数の第1,第2の内部電極が埋設されている圧電体であって、第1の内部電極が第1,第2の分割内部電極により構成されており、第1,第2の分割内部電極が電気的に接続されていない積層型の圧電体を用意する工程と、前記積層型の圧電体の第1,第2の分割内部電極と、第2の内部電極との間に直流電圧を印加して、長さ方向において隣り合う圧電体層を内部電極を介して長さ方向において逆方向に分極処理し、かつ各圧電体層内を同一方向に分極処理する工程と、前記第1の分割内部電極に電気的に接続される第1の外部電極及び前記第2の分割内部電極に電気的に接続される第2の外部電極をそれぞれ圧電体外表面に形成する工程とを備える、圧電装置の製造方法である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0027】
図1は、本発明の第1の実施例に係る圧電装置を示す斜視図である。圧電装置1は、圧電縦効果を利用して長さ方向に対して直交方向に屈曲する屈曲振動モードを励振させるバイモルフ型の圧電共振子である。
【0028】
圧電装置1では、圧電体2が用いられる。圧電体2としては、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスのような適宜の圧電セラミックスが用いられる。圧電体2は、長さ方向を有する略直方体状の形状を有する。すなわち、圧電体2では、長さ方向の両端に長さ方向と直交する方向に延びる第1,第2の端面2a,2bが配置されている。また、圧電体2は、上面2c、下面2d及び第1,第2の側面2e,2fを有する。
【0029】
圧電体2の上面2cにおいては、長さ方向に延びる溝2gが形成されている。溝2gは、上面2cの幅方向中央において、長さ方向に延びるように形成されている。
【0030】
なお、第3図を参照して後述されるように、圧電装置1では、溝2gの下方の一部が中央不活性領域2hを構成しており、中央不活性領域の両側が第1,第2の圧電体領域2i,2jを構成している。第1の圧電体領域2iは、中央不活性領域2hと第1の側面2eとの間の部分であり、第2の圧電体領域2jは、中央不活性領域2hと第2の側面2fとの間の領域である。
【0031】
本実施例の圧電装置1では、第1,第2の圧電体領域2i,2jが逆相で長さ方向に伸縮駆動力が発生し、それによって圧電体2の長さ方向全体が、その長さ方向に対して直交方向に屈曲する屈曲振動が励振されるバイモルフ型の圧電振動装置が構成されている。
【0032】
図1に示すように、圧電体2内には、長さ方向と直交する方向に延びる複数の第1,第2の内部電極3,4が形成されている。第1,第2の内部電極3,4は、圧電体2の長さ方向において、交互に配置されている。
【0033】
図2(a)に示すように、第1の内部電極3は、第1分割内部電極3aと第2分割内部電極3bとを有する。すなわち、第1の内部電極3は、圧電体2の長さ方向と直交する断面において、幅方向中央において第1,第2の分割内部電極3a,3bに分割されている。第1,第2の分割内部電極3a,3b間には、ギャップ3cが形成されている。
【0034】
第1分割内部電極3aは、圧電体2の上面2c、第1の側面2e及び下面2dに至るように形成されている。第2分割内部電極3bは、上面2c、第2の側面2f及び下面2dに至るように形成されている。
【0035】
他方、図2(b)に示すように、第2の内部電極4は、第1の側面2eから第2の側面2fに至るように形成されている。第2の内部電極4は、幅方向中央に下方に開いた切欠4aを有する。また、第2の内部電極4は、圧電体2の上面2cには至らないように形成されている。第2の内部電極4は、第1,第2の側面2e,2f及び下面2dに至るように形成されている。
【0036】
第1の内部電極3と第2の内部電極4とは、圧電体2の長さ方向において圧電体層を介して重なり合っている。
本実施例では、上記ギャップ3cの幅と、切欠4aの幅がほぼ等しくされている。従って、圧電体2内においては、圧電体層を介して第1の内部電極3の第1分割内部電極3a,3bが、第2の内部電極4に対して重なり合っている。また、上記ギャップ3c及び切欠4aが重なり合っている部分が、前述した中央不活性領域を構成している。もっとも、上記切欠4aは必ずしも形成される必要はない。
【0037】
ところで、第1,第2の内部電極3,4間の各圧電体層は、長さ方向に分極処理されている。もっとも、図3に略図的平面図で示すように、長さ方向において隣り合う圧電体層が逆方向に分極処理されている。例えば、図3に略図的に平面図で示されている構造において、第2の内部電極4の両側に配置されている圧電体層2m,2nを例にとると、圧電体層2mは分極方向Pの方向に分極処理されており、圧電体層2nは、−Pで示す矢印の方向に分極処理されている。
【0038】
また、圧電体層2mを代表して説明すると、圧電体層2m内においては、第1の圧電体領域2i及び第2の圧電体領域2jのいずれもが矢印P方向に、すなわち同一方向に分極処理されている。
【0039】
すなわち、各圧電体層内においては、第1,第2の圧電体領域は同一方向に分極処理されており、かつ第1の内部電極3と第2の内部電極4とで挟まれた圧電体層は、長さ方向において隣り合う圧電体層が逆方向に分極されている。
【0040】
圧電体2にこのような分極構造を導入するに際しては、例えば、以下のような製造方法が採用される。すなわち、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスのような圧電セラミックスを主体とするマザーのセラミックグリーンシートを用意する。次にマザーのセラミックグリーンシート上に複数の第1の内部電極3が印刷される。他のマザーのセラミックグリーンシート上に複数の第2の内部内部電極4が印刷される。このようにして、第1,第2の内部電極3,4が印刷された第1,第2のマザーのセラミックグリーンシートを積層し、積層方向外側に無地のマザーのセラミックグリーンシートを適宜の枚数積層する。
【0041】
上記のようにして得られたマザーの積層体を、個々の圧電装置1単位の積層体が得られるように厚み方向に切断する。得られた積層体を焼成することにより、一体焼成型の積層型の圧電体が得られる。
【0042】
しかる後、積層型の圧電体の下面において、第1の内部電極3の下面に至っている部分を絶縁ペースト等を用いて被覆する。この状態で、圧電体の上面及び下面の全面にそれぞれ分極用電極を形成する。上面及び下面に形成された分極用電極間に直流電圧を印加することにより、内部電極3,4間で挟まれた各圧電体層が上記のように分極される。しかる後、圧電体2の上面において前述した溝2gが形成される。また、圧電体2の下面においては、分極用電極が除去される。このようにして、圧電装置1が得られる。なお、上記圧電体2の下面に形成された分極用電極と、第1の内部電極3との電気的接続を遮断するためには、上記絶縁ペーストを用いる必要は必ずしもない。すなわち、内部電極3の下端が下面2dに至らないように下面2dと分割内部電極3a,3bとの間にギャップを形成するように分割内部電極3a,3bを形成してもよい。
【0043】
上記溝2gの形成により、上面に形成された分極用電極が分割されて、図1に示されている第1,第2の外部電極6,7が形成される。
また、上記分極処理においては、内部電極3,4が重なり合っている部分のみが分極処理されるため、内部電極3,4が重なり合っている部分の長さ方向外側の圧電体部分は分極処理されない。
【0044】
なお、内部電極3,4や外部電極6,7を形成する電極材料については特に限定されない。例えば内部電極3,4は、Agペーストなどの導電ペーストの印刷及び焼成に際しての焼付により形成され、外部電極6,7は、導電ペーストの塗布・焼付または蒸着、メッキもしくはスパッタリングなどの薄膜形成方法により形成され得る。
【0045】
なお、図1及び図3から明らかなように、第1,第2の内部電極3,4間で挟まれた圧電体層が圧電体2において長さ方向において複数形成されているが、第1,第2の内部電極3,4が重なり合っている部分の長さ方向両側には、第1,第2の不活性層9,10が形成されている。第1,第2の不活性層9,10は、上記製造方法から明らかなように、第1,第2の内部電極3,4に挟まれていない。従って、積極的に駆動に際して励振される部分ではない。また、前述したように、圧電体2の幅方向中央においては、第1,第2の内部電極3,4が重なり合っていない中央不活性領域2hが形成されている。
【0046】
次に、上記圧電装置1の動作を説明する。駆動に際しては、第1,第2の外部電極6,7間に交流電圧を印加する。その結果、図3に矢印F及び矢印−Fで示すように、長さ方向において隣り合う圧電体層、例えば圧電体層2m,2nには逆極性の電界が加わる。しかしながら、圧電体層2m,2nは長さ方向において逆方向に分極処理されているので、第1の圧電体領域2iでは、各圧電体層は長さ方向において同一方向に伸縮する。
【0047】
他方、第2の圧電体領域2j側においても、例えば圧電体層2mと2nとを代表して示すように、長さ方向において隣り合う圧電体層2m,2nには、長さ方向において逆方向に電界が印加される。
【0048】
よって、第1,第2の圧電体領域2i,2jは逆相で振動する。
従って、第1の圧電体領域2iと第2の圧電体領域2jとが長さ方向において逆相で伸縮するため、圧電体2は、全体として破線Aで示される姿態と、破線Aで示される姿態とは逆方向に屈曲した姿態との間で振動を繰り返す、いわゆる圧電体の長さ方向に対して直交方向に屈曲する屈曲振動モードで励振されることになる。
【0049】
言い換えれば、圧電装置1では、幅方向において中央不活性領域2hを介して配置された第1,第2の圧電体領域2i,2jが逆相で振動するため、バイモルフ型の圧電振動装置が構成され、この圧電装置1は、上記のように圧電縦効果により長さ方向に対して直交方向に屈曲する屈曲モードを励振するものである。
【0050】
なお、上記中央不活性領域2hは必ずしも必須ではないが、第1の駆動領域2iと第2の駆動領域2jにおける分極構造を構成する上では、上記製造方法からも明らかなように、第1の内部電極3において、ギャップ3cを形成する必要がある。従って、中央不活性領域2hは必然的に形成される。もっとも、中央不活性領域2hが設けられている方が、第1,第2の圧電体領域2i,2j間の界面における逆方向の応力を吸収することができ、好ましい。
【0051】
中央不活性領域2hの幅方向寸法については、上記のような応力緩和効果を発現し得る限り、適宜の大きさに選ばれる。
また、圧電装置1では、長さ方向両端に不活性層9,10が構成されている。不活性層9、10は分極されておらず、かつ使用時に電界が印加されない。従って、圧電的に不活性である。
【0052】
このような不活性領域9,10は必ずしも必須ではない。もっとも、好ましくは、不活性層9,10が両端に設けられる。すなわち、例えば、図3に略図的に示されているように、駆動に際しては、第1の圧電体領域2iが縮み、第2の圧電体領域2jが伸びた状態と、その逆の状態とが繰り返される。この場合、圧電体2の長さ方向中央部分と長さ方向両端部分とでは、上記振動姿態を実現した際の歪みの大きさが異なる。すなわち、破線Aで示すような振動姿態と、逆の振動姿態とを実現する場合、圧電体2の端部は積極的に圧電縦効果により駆動されない方が上記振動姿態を無理なく実現することができる。従って、不活性層9,10を設けることが好ましい。
【0053】
不活性層9,10の大きさ、すなわち長さ方向寸法については、後程、具体的な実験例に基づき説明する。
本実施例の圧電装置1では、長さ方向に対して直交方向の屈曲振動を用いているため、従来から用いられていた拡がり振動や長さ伸縮振動を用いた圧電共振子に比べて、小型化を図ることができる。これは、拡がり振動では圧電板の径、長さ伸縮振動では圧電体の長さにより共振周波数が決定されていたのに対し、本実施例の圧電装置1では、共振周波数は(圧電体の幅寸法)/(圧電体の長さ寸法)2に比例する。従って、この比を保ちつつ幅寸法及び長さ方向寸法を小さくすることができる。すなわち、所望の周波数の圧電共振子を得ようとした場合、従来に比べてより小型の圧電共振子を構成することができる。
【0054】
なお、本願発明者の実験によれば、450kHzの共振周波数を得ようとした場合、本実施例の圧電装置1では、圧電体2の長さ寸法は、例えば1.8mm、幅方向寸法は0.5mmとすることができることが確かめられた。これに対して、従来の長さ伸縮振動を利用した圧電共振子では、同じ材料で450kHzの共振周波数を得るには、長さ寸法が4.0mmとなる。
【0055】
従って、本実施例によれば、圧電共振子の小型化を図り得ることがわかる。
また、圧電縦効果を利用しているため、圧電横効果を利用した従来の圧電共振子に比べ、本実施例の圧電装置1では、帯域幅が大きくなる。さらに、圧電横効果を利用したバイモルフ型の圧電共振子においても、小型化は図られ得るものの、本実施例では、分極構造の工夫により、圧電縦効果が利用されている。従って、小型化を図り得るだけでなく、帯域幅の拡大を容易に図ることが可能とされている。
【0056】
また、本実施例の圧電装置1は、複数の内部電極3,4と圧電体層とを積層した積層型の構造を有するので、静電容量の設計範囲を広くすることも可能である。
【0057】
加えて、上記不活性層9,10の存在により、長さ方向に対して直交方向に屈曲する屈曲モードの振動が円滑に励振されるので、より一層帯域幅の拡大を図ることができる。
【0058】
また、圧電装置1では、圧電体2の上面2cに第1,第2の外部電極6,7が形成されているため、回路基板などに圧電体2の上面2cを利用して容易に実装することができる。すなわち、圧電装置1は、例えばフェースダウンボンディング方式により回路基板やケース基板に容易に実装され得る。
【0059】
また、第1,第2の圧電体領域2i,2jを利用したバイモルフ型の圧電装置であるため、圧電装置1では、ユニモルフ型の圧電装置に比べて帯域幅を大きくすることができる。
【0060】
さらに、第2の内部電極4は、圧電体2の上面2cに至らないように形成されているため、内部電極4と、内部電極4が接続されてはならない外部電極6,7との絶縁処理を圧電体2の外表面に形成する必要もない。
【0061】
上記実施例の圧電装置1では、第1の内部電極3を構成する第1分割内部電極3a及び第2分割内部電極3bは、圧電体2の幅方向中央で分割され、圧電体2の上面2c、下面2d及び第1または第2の側面2e,2fに至るように形成されていたが、図4(a)に示す変形例のように、第1の内部電極13が、上下方向に2分割された第1,第2分割内部電極13a,13bを有するように構成されてもよい。この場合には、第1の分割内部電極13aが、第2の側面2fに至るように形成されており、第2分割内部電極13bが第1の側面2eに至るように形成されており、第1,第2の外部電極6,7が側面2f,2eにそれぞれ形成される。また、この場合、図4(b)に示すように、共通内部電極としての第2の内部電極14は圧電体2の側面2e,2fに至らないように形成すればよい。内部電極14は、圧電体2の上面2c及び下面2dに至るように形成される。分極に際しては、第1,第2の側面に設けられた外部電極6,7と、内部電極14との間に直流電界を印加すればよい。
【0062】
従って、図4(a),(b)に示した電極構造を用いた場合には、圧電体2の上方と下方とに第1,第2の圧電体領域が形成され、中間高さ位置に中間不活性領域が配置されることになる。
【0063】
また、図5(a),(b)は、第1の実施例の圧電装置のさらに他の変形例を説明するための各横断面図である。ここでは、第1の内部電極23が、幅方向中央で分割された第1分割内部電極23a,23bを有する。第1,第2分割内部電極23a,23bは、いずれも、圧電体2の上面2c、下面2d及び第1または第2の側面2e,2fに至るように形成されている。第1,第2分割内部電極23a,23b間には、ギャップ23cが形成されている。
【0064】
他方、図5(b)に示すように、共通内部電極としての第2の内部電極24は、圧電体2の上面及び下面に至るように形成されているが、第1,第2の側面2e,2fには至らないように形成されている。また、第1,第2の外部電極6,7は、圧電体2の側面2e,2fにそれぞれ形成されている。
【0065】
なお、第1,第2の外部電極6,7と、第2の内部電極24との電気的絶縁を図るために、絶縁層25,26が側面2e,2f上に形成されている。絶縁層25,26は、圧電体2の側面2e,2において上下方向に伸びる帯状の形状を有するように形成されている。
【0066】
図4及び図5から明らかなように、第1の内部電極の第1,第2分割内部電極の分割態様は、圧電体2の上下方向及び幅方向のいずれであってもよい。
【0067】
次に、上記圧電装置1を用いた圧電共振部品を図6を参照して説明する。図6に示す圧電共振部品31では、第1の実施例の圧電装置1が上下逆転されて、ケース基板32に取り付けられる。ケース基板32上には、第1,第2の外部電極6,7(図1参照)にそれぞれ電気的に接続される接続電極33,34が所定の距離を隔てて配置されている。
【0068】
他方、圧電振動子2の上面2cには、図7(a),(b)に示す保持部35〜38が形成されている。保持部35〜38は、長さ方向に平行な断面形状が略T字型の形状を有し、Agフィラー入りの導電性樹脂で構成されている。また、保持部35,37が第1の外部電極6に、保持部36,38が第2の外部電極7に電気的に接続されて、かつ接合されている。
【0069】
実装に際しては、上記保持部35,37が基板32上の接続電極33に半田などの導電性接合材により接合され、保持部36,38が接続電極34に半田などの導電性接合材により接合される。
【0070】
すなわち、圧電装置1は、フェースダウンボンディングにより基板32上に容易に実装される。
ところで、上記保持部35〜38は、圧電装置1をフェースダウンボンディングにより接合するための接合部材として機能する。すなわち、電気的接続と、ケース基板32上への圧電装置1の機械的固定の双方の機能を果たす。
【0071】
もっとも、保持部35〜38は、駆動に際しての圧電装置1の振動を妨げないように取り交えられることが必要である。そこで、本実施例では、圧電体2の長さ方向に対して直交方向に屈曲する屈曲振動が励振された場合の振動のノード点近傍に保持部35〜38が配置されている。
【0072】
長さ方向に対して直交方向に屈曲する屈曲振動の振動のノードは、圧電体2の長さ方向寸法をLとした時、圧電体2の幅方向中央を通り、長さ方向に平行な面内において、長さ方向において所定の距離を隔てた2つの位置に存在する。この2つのノード、すなわち第1,第2のノードの間隔は、0.54Lである。
【0073】
従って、本実施例では、上記保持部35,36は、一方のノード近傍に、保持部37,38は他方のノード近傍に配置されている。もっとも、保持部35〜38は電気的接続機能をも果たすものであるため、ノード上ではなく、ノードと圧電体2の長さ方向においては同じ位置ではあるが、ノードから幅方向において外側に若干ずれた位置に配置されている。すなわち、保持部35,36は第1のノードの幅方向両側に、保持部36,38は第2のノードの幅方向両側に配置されている。
【0074】
上記のように、保持部35〜38が必ずしもノード上ではなく、ノードから幅方向に若干ずれた位置に配置されている場合であっても、本実施例によれば、長さ屈曲モードをあまり阻害することなく、圧電装置1を基板32上に保持することができる。
【0075】
なお、保持部35〜38に代えて、圧電装置1を基板32上に機械的に保持するためにのみ保持部材を用いてもよい。その場合には、該保持部材を振動のノードに固定すればよく、それによって長さ屈曲振動の機械的支持による阻害をより一層小さくすることができる。もっとも、その場合には、第1,第2の外部電極6,7と基板32上の接続電極33,34との電気的接続のために、他の電気的接続部材を必要とする。
【0076】
前述したように、本実施例の圧電装置1では、中央不活性領域2hが形成されていたが、この中央不活性領域2hの幅方向寸法を調整することにより、帯域幅を調整することができる。これを、具体的な実験例に基づき説明する。
【0077】
図8は、圧電装置1の略図的斜視図である。ここでは、理解を容易とするために、外部電極は省略されており、かつ両端の不活性層についても略図的に示されている。
【0078】
長さ2.0×幅0.52mm×厚み0.42mmのチタン酸ジルコン酸鉛セラミックスからなる圧電体2を用意した。圧電体2内には第1,第2の内部電極間に挟まれた厚み0.1mmの圧電体層を18層構成した。このような圧電体2を用いて、第1の実施例の圧電装置1を構成し、ここで、中央不活性領域2hの幅をあえて2mmから0.9mmまで変化させ、種々の圧電装置1を作成し、帯域幅を測定した。結果を図9に示す。図9の横軸は、中央不活性領域2hの幅Gの圧電体2の幅方向寸法Wに対する比、G/Wであり、縦軸は比帯域幅df/fr(但し、dfは共振周波数と反共振周波数の差、frは共振周波数を示す。)を示す。図9から明らかなように、中央不活性領域2hの幅Gの圧電体2の幅方向寸法Wに対する比を0.38〜0.57の範囲とすれば、比帯域幅を効果的に広げ得ることがわかる。従って、好ましくは、G/Wが上記特定の範囲となるように、中央不活性領域2hの幅を設定することが望ましい。
【0079】
また、圧電体2の両端の不活性層9,10を設けることにより帯域幅が広げられることを前述したが、これを具体的な実験例に基づき説明する。
上記実験例と同様に、図10に略図的に示すように、長さ2.0mm、幅0.52mm×厚さ0.42の圧電体2を用意した。但し、圧電体2内には、一層の厚みが0.1mmの圧電体層を複数形成し、この圧電体層の数を2〜20層の間で変化させ、結果的に不活性領域9,10の長さ方向寸法を変化させた。このようにして種々の圧電装置1を作成し、活性層の長さ方向寸法Xの比率と比帯域幅df/frとの関係を調べた。結果を図11に示す。
【0080】
図11の横軸は、活性層の長さ寸法Xの比率(%)を示すが、該比率とは、圧電装置1の長さ方向寸法2.0mmに対する複数の圧電体層が設けられている部分の長さ方向寸法Xの割合である。従って、この比率が大きい程不活性層9,10の長さ方向寸法が短いことを意味する。
【0081】
図11から明らかなように、Xの比率が50〜80%の範囲内において、比帯域幅が0.2以上と大きくなることがわかる。言い換えれば、不活性層9,10の長さ方向寸法比率は、(100−50)/2〜(100−80)/2(%)の範囲とすればよいことがわかる。従って、圧電体2の長さ方向寸法Lとした時、不活性層9,10の長さ方向寸法は、それぞれ、0.1L〜0.25Lの範囲とすれば、帯域幅を効果的に拡大し得ることがわかる。
【0082】
図12は、参考例に係る圧電装置を示す斜視図である。
圧電装置41は、第1の実施例と同様に、略直方体状の圧電体42を有する。圧電体42は、長さ方向両端に配置された第1,第2の端面42a,42bと、第1,第2の端面の上面42cと、下面42dと、第1,第2の側面42e,42fとを有する。本参考例においても、上面42cには、長さ方向に延びる溝を42gが上面42cの幅方向中央に形成されている。
【0083】
圧電体42は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスのような適宜の圧電セラミックスにより構成されている。
圧電体42内には、長さ方向と直交する方向に延び、かつ長さ方向において圧電体層を介して重なり合うように配置された第1,第2の内部電極43,44が形成されている。第1,第2の内部電極43,44は、圧電体42の長さ方向において交互に配置されている。
【0084】
図13(a)は、第1の内部電極43が形成されている部分の圧電体42の横断面図である。第1の内部電極43は、第1分割内部電極43aと第2分割内部電極43bとを有する。第1,第2分割内部電極43a,43bは、圧電体42の幅方向において所定のギャップ43cを隔てて配置されている。
【0085】
他方、図13(b)は、第2の内部電極44が形成されている部分の圧電体42の横断面図である。第2の内部電極44は、第1の内部電極43と同様に、第1,第2の分割内部電極44a,44bを有する。第1,第2分割内部電極44a,44bは、ギャップ44cを隔てて配置されている。
【0086】
第1の内部電極43の第1分割内部電極43aと、第2の内部電極44の第1分割内部電極44aが圧電体層を介して重なり合っており、同様に、分割内部電極43bが分割内部電極44bと圧電体層を介して重なり合っている。
【0087】
第1内部電極43の第1分割内部電極43aは、圧電体42の上面に至るように形成されており、第2分割内部電極43bは上面に至らないように形成されている。
【0088】
他方、第2の内部電極44では、第2分割内部電極44bが圧電体42の上面42cに至るように形成されており、第1分割内部電極44aは上面42cに至らないように形成されている。
【0089】
従って、図12から明らかなように、溝42gの第1の側面42e側において、第1の内部電極43の第1分割内部電極43aが上面42cに露出している。また、第2の内部電極44の第2分割内部電極44bは、溝42gよりも第2の側面42f側において、圧電体42の上面42cに露出している。
【0090】
圧電体42の上面42cにおいては、溝42gよりも第1の側面42e側において、第1の外部電極46が形成されており、第2の溝42f側において、第2の外部電極47が形成されている。
【0091】
他方、圧電体42の下面においては、図14に示すように、複数の中継電極48が形成されている。中継電極48は、第1,第2の内部電極43,44のそれぞれ第1,第2分割内部電極43a,43b,44a,44bを電気的に接続するために設けられている。
【0092】
従って、第1の外部電極46は、第1の内部電極43の第1分割内部電極43aに電気的に接続されているが、中継電極48を介して第2分割内部電極43bにも電気的に接続されている。
【0093】
同様に、第2の外部電極46は、第2の内部電極44の第2分割内部電極44bの上端に接続されているが、中継電極48を介して第1分割内部電極44aにも電気的に接続されている。
【0094】
他方、図15に略図的平面図で示すように、第1,第2の内部電極43,44で挟まれた圧電体層は、圧電体42の長さ方向に分極処理されている。もっとも、図15の矢印P及び−Pで示すように、第1の内部電極43と第2の内部電極44とで挟まれた圧電体層においては、第1の側面42e側の第1の圧電体領域42iと、第2の側面42f側の第2の圧電体領域42jとは逆方向に分極処理されている。言い換えれば、第1分割内部電極43a,43bが重なり合っている領域と、第2分割内部電極43b,44bが重なっている領域は、同じ圧電体層内において上記長さ方向において逆方向に分極処理されている。
【0095】
また、圧電体42の長さ方向において隣り合う圧電体層の対応する圧電体領域は長さ方向において逆方向に分極処理されている。すなわち、1つの分割内部電極43aの長さ方向両側の第1の圧電体領域同士は、上記長さ方向において逆方向に分極処理されている。同様に、1つの分割内部電極43bの上記長さ方向両側の第2の圧電体領域も、逆方向に分極処理されている。
【0096】
上記のような圧電体42における分極構造は、圧電体42を以下のようにして分極処理することにより得られる。
すなわち、まず、上述した第1,第2の内部電極43,44が形成された直方体状の圧電体を用意する。しかる後、圧電体42の上面の全面に第1の分極用電極を形成する。この第1の分極用電極は、第1,第2の内部電極43,44の第1分割内部電極43a及び第2分割内部電極44bに電気的に接続されることになる。
【0097】
他方、第1の内部電極43の第2分割内部電極43b及び第2の内部電極44の第1分割内部電極44aに接続される第2の分極用電極を形成する。
上記第1,第2の分極用電極間に電界を印加することより、上記分極構造が得られる。
【0098】
しかる後、第2の分極用電極を除去した後、圧電体42の下面に前述した中継電極48を形成する。また、圧電体42の上面においては、第1の分極用電極の中央を分断するように、溝42gを形成すればよい。
【0099】
このようにして、圧電装置41を得ることができる。
圧電装置41の駆動に際しては、第1,第2の外部電極46,47間に交流電圧を印加する。この場合、図15の矢印E及び−Eで示すように各圧電体層の圧電体領域に電界が印加される。すなわち、第1,第2の内部電極43,44で挟まれた1つの圧電体層においては、第1の圧電体領域及び第2の圧電体領域のいずれにおいても長さ方向において同方向に電界が印加される。もっとも、長さ方向において隣り合う圧電体層では、逆方向に電界が印加される。
【0100】
従って、圧電装置41は、バイモルフ型の振動装置を構成しており、図15の破線Aで示す振動姿態と、該振動姿態とは逆の振動姿態との間で振動を繰り返す。すなわち、圧電縦効果を利用して長さ方向屈曲振動が励振される。
【0101】
参考例の圧電装置においても、長さ方向屈曲振動を用いるため、従来の拡がり振動や長さ伸縮振動を用いた圧電共振子に比べて、圧電共振子を構成した場合に小型化を図ることができる。すなわち、長さ屈曲振動では、前述したように、共振周波数 は(素子幅)/(素子長さ)2に比例するため、圧電共振子の小型化を図ることができる。参考例においても、長さ1.8mm×幅0.5mmの圧電体2を用いて、共振周波数450kHzの圧電共振子を構成することができる。前述したように、長さ伸縮振動を利用した圧電共振子では、同じ圧電材料を用いた場合450kHzの共振周波数を得るには、4.0mmの長さの圧電体を必要とする。
【0102】
また、圧電縦効果を利用しているため、圧電横効果を利用した場合に比べて、帯域幅を大きくすることができる。さらに、内部電極43,44と圧電体層とを積層した積層型の圧電装置であるため、静電容量の設計範囲が広いという効果も有する。
【0103】
加えて、参考例においても、第1,第2の内部電極43,44に挟まれた圧電体層が積層されている部分の長さ方向両端に不活性層48,49(図15参照)が配置されており、従って、第1の実施例と同様に、不活性層48,49の存在により、帯域幅を拡大することができる。
【0104】
また、参考例の圧電装置41においても、圧電体42の上面に第1,第2の外部電極45,46が形成されているため、第1の実施例の圧電装置1と同様に、フェースダウンボンディング方式により基板上に実装されることができる。
【0105】
また、参考例も、第1,第2の圧電体領域が逆相で駆動されるバイモルフ型の振動装置であるため、ユニモルフ型の圧電装置に比べて、帯域幅を大きくすることができる。
【0106】
参考例の圧電装置41も、第1の実施例の圧電装置1と同様に、振動のノード点近傍に保持部を設けることにより、長さ方向に対する直交方向の屈曲振動を阻害することなく基板上に固定され得る。
【0107】
バイモルフ型振動装置で長さ方向に対する直交方向の屈曲振動を励振するには、圧電体内部において、長さ方向に延びる第1の圧電体領域と第2の圧電体領域とが逆位相で駆動されねばならない。圧電体の伸縮歪みの向きは、分極の向きと印加される電界の向きの関係で決定される。参考例では、第1,第2の内部電極43,44間の圧電体層の第1,第2の圧電体領域の分極方向が逆方向とされており、従って、1つの圧電体層における第1,第2の圧電体領域に対して同一の向きの電界を加えた場合に、該第1,第2の圧電体領域が逆位相で駆動されるように構成されている。従って、各圧電体層の第1,第2の圧電体領域が全て並列に接続されることになるため、圧電装置の大容量化を図ることができる。言い換えれば、要求される容量値を実現するのに必要な電極枚数を少なくすることができ、それによって製造コストを低減することができる。
【0108】
図16(a),(b)は、参考例の圧電装置の変形例を示す各横断面図である。
圧電装置41では、第1,第2の外部電極46,47を圧電体42の上面に形成されていたが、すなわち1つの側面において所定のギャップを隔てて形成されていたが、図16に示す変形例のように、異なる面に第1,第2の外部電極が形成されていてもよい。図16(a)は、第1の内部電極43の変形例の内部電極43Aが形成されている部分を示す圧電体の横断面図であり、図16(b)は、第2の内部電極44の変形例である内部電極44Aが形成されている部分の圧電体の横断面図である。
【0109】
この変形例では、第1の内部電極43A及び第2の内部電極44Aは、それぞれ、参考例と同様に、第1,第2分割内部電極43a,43b,44a,44bを有する。もっとも、第1,第2分割内部電極43a,43b,44a,44bは、いずれも、圧電体42の上面42c及び下面42dに至るように形成されている。第1分割内部電極43a,44aは、側面42eに至るように形成されており、かつ第1分割内部電極43a,44aが対向されている部分が第1の圧電体領域を構成している。他方、第2分割内部電極43b,44bは、側面42fに至るように形成されており、第2分割内部電極43b,44bが重なり合っている部分が第2圧電体領域を構成している。
【0110】
他方、第1,第2の外部電極46,47は、圧電体42の第1の側面42e及び第2の側面42fに分けて形成されている。
第2分割内部電極43bは、第2の外部電極47と電気的に接続されないように、絶縁層49を介して隔てられている。また、第2の内部電極44Aの第1分割内部電極44aは、絶縁層50を介して第1の外部電極46に対して絶縁されている。
【0111】
このように、第1の外部電極46と第2の内部電極44の第1分割内部電極44a、第2の外部電極47と第1の内部電極43の第2分割内部電極43bの電気的接続を遮断するための絶縁層49,50を設けることにより、参考例の圧電装置41と同様に、外部電極46,47間に交流電圧を印加した場合に、同様に駆動することができる。
【0112】
なお、上記絶縁層49,50の形成に際しては、圧電体42の側面において、上下方向に延びるように絶縁ペーストを付与し、しかる後第1,第2の外部電極46,47を形成すればよい。
【0113】
図17(a),(b)は、参考例の圧電装置41の他の変形例を示す各横断面図であり、図17(a)は、第1の内部電極43Bが形成されている部分の横断面を、(b)が第2の内部電極44Bが形成されている部分を示す横断面図である。
【0114】
この変形例では、第1,第2の内部電極43B,44Bは、それぞれ、圧電体42内において、上下方向に電極を分割することにより形成されている。例えば、第1の内部電極43Bは、第1分割内部電極43a及び第2分割内部電極43bを有するが、ここでは第1,第2分割内部電極43a,43bは、所定のギャップを隔てて上下方向に分割されている。
【0115】
他方、第1の内部電極43Bの第1,第2分割内部電極43a,43bは、第1の側面42eに至っており、第2の側面42fには至っていない。
逆に、第2の内部電極44Bの第1,第2分割内部電極44a,44bは、第1の側面42eには至らず、第2の側面42fに至っている。
【0116】
従って、第1,第2の側面42e,42fに、それぞれ第1,第2の外部電極46,47を形成することにより、参考例と同様に駆動することができる。
【0117】
なお、図17に示した変形例では、圧電体42内における分極構造は、第1,第2の圧電体領域が上下方向に分割されていることを除いては参考例と同様である。
【0118】
従って、第1,第2の外部電極46,47から交流電圧を印加することにより、圧電体42を上下方向において撓むように長さ方向に対して直交方向の屈曲振動で励振することができる。
【0119】
第2の変形例では、上記のように第1,第2の外部電極46,47により、第1分割内部電極43a,44aと第2分割内部電極43b,44bがそれぞれ電気的に接続されているので、圧電装置41における中継電極48を必要としない。
【0120】
図18は、第の実施例に係る圧電装置を示す斜視図である。第の実施例の圧電装置51は、ユニモルフ型圧電振動装置である。
圧電装置51は、略直方体状の圧電体52を有する。圧電体52は、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスのような適宜の圧電セラミックスにより構成され得る。
【0121】
圧電体52は、長さ方向両端に配置された第1,第2の端面52a,52bと、上面52c、下面52d及び第1,第2の側面52e,52fを有する。
圧電体52には、長さ方向と直交する方向に延び、かつ圧電体52の長さ方向において圧電体層を介して重なり合うように配置された第1,第2の内部電極53,54が交互に配置されている。図19は、第1の内部電極53が形成されている部分の圧電体52の横断面を示す。なお、第2の内部電極54もまた、第1の内部電極53と同様に構成されている。内部電極53,54は、圧電体52の上面52cに上端縁が露出しており、かつ第1,第2の側面52e,52fの長さ方向中央より上部に露出している。すなわち、圧電体52の横断面の上半分を占めるように内部電極53,54が形成されている。
【0122】
従って、内部電極53,54が積層されている圧電体領域は、圧電体52の上半分を占めており、圧電体52の下半分には内部電極は形成されていない。
言い換えれば、第1,第2の内部電極は、圧電体の上面に寄せられて形成されている。
【0123】
そして、第1,第2の内部電極53,54で挟まれいてる圧電体層は、長さ方向に分極処理されている。もっとも、長さ方向において隣り合う圧電体層は長さ方向において逆方向に分極処理されている。
【0124】
他方、圧電体52の側面52e,52fには、複数の絶縁体層55,56が形成されている。複数の絶縁体層55は側面52eにおいて、第2の内部電極54の側面52eに露出している部分を被覆するように形成されている。他方、複数の絶縁体層56は、第2の側面52fにおいて、第1の内部電極53の側面52fに露出している部分を被覆するように形成されている。
【0125】
そして、第1,第2側面52e,52fには、それぞれ、第1,第2の外部電極57,58が形成されている。第1の外部電極57は、第1の内部電極53に電気的に接続され、第2の外部電極58は、第2の内部電極54に電気的に接続される。すなわち、第1,第2の外部電極57,58は、上記絶縁体層55,56を形成した後に形成される。
【0126】
従って、第1,第2の外部電極57,58間に交流電圧を印加することにより、圧電体52の上半分の圧電体領域が、圧電縦効果を利用して長さ方向に伸縮駆動力が振動発生する。この場合、圧電体52の上方の圧電体領域に対して、下方の圧電体領域は拘束層として作用する。従って、圧電装置51は、長さ方向中央が上下に撓む振動姿態で、つまり、圧電体52の長さ方向全体が長さ方向に対して直交方向に屈曲振動が励振されるユニモルフ型の振動装置として動作する。
【0127】
このように、本発明に係る圧電装置では、長さ方向を有する圧電体52において、上面52c側に寄せられた圧電体領域のみを駆動領域として、ユニモルフ型の圧電振動装置を構成することができる。
【0128】
なお、本実施例では、圧電体52の上半分の領域が駆動領域とされていたが、図20(a),(b)に示す第1,第2の内部電極53A,54Aを形成することにより、圧電体52の下半分を駆動領域とするユニモルフ型の圧電装置を構成してもよい。
【0129】
図20(a),(b)に示す第1,第2の内部電極53A,54Aは、圧電体52の横断面において下半分において圧電体層を介して重なり合っている。
なお、内部電極53,54は、それぞれ、側面52e,52f側で上面に露出しており、第1,第2の外部電極57,58に電気的に接続されている。すなわち、圧電体52の上面52cには、第1の実施例と同様に、中央に長さ方向に延びる溝52gが形成されており、その両側に第1,第2の外部電極57,58が形成されている。ここでは、第1,第2の外部電極57,58から交流電圧を印加することにより、圧電装置51と同様にユニモルフ型の振動装置として駆動することができる。
【0130】
なお、ユニモルフ型の振動装置を構成する場合、駆動領域は、長さ方向を有する圧電体の上半分の領域または下半分の領域に限定されない。
例えば、図21(a),(b)に示すように、第1の内部電極及び第2の内部電極と重なり合う駆動領域を、側面52f側に寄せて形成することによりユニモルフ型の振動装置を構成してもよい。図21(a)に示す第1の内部電極53Bと、図21(b)に示す第2の内部電極54Bは、圧電体52の横断面において、第2の側面52f側に寄せられた領域で重なり合っている。従って、駆動領域が側面52f側に寄せられて構成されているため、圧電体52の右半分の領域が圧電縦効果を利用して長さ方向伸縮振動モードで励振され、第の実施例の圧電装置51と同様にユニモルフ型の振動装置を構成する。
【0131】
なお、ここでは、第1の内部電極53Bは、第1の側面52eに引き出されており、第2の内部電極54Bが第2の側面52fに引き出されている。従って、第1,第2の外部電極57,58は、側面52e,52fにそれぞれ形成されている。
【0132】
上記のように、ユニモルフ型の圧電装置51を構成するにあたっては、駆動領域は圧電体52の上面側に寄せられていてもよく、下面側に寄せられていてもよく、第1,第2の側面のいずれか一方側に寄せられていてもよい。
【0133】
また、第1,第2の実施例では、圧電共振子を例に取り説明したが、本発明に係る圧電装置は、アクチュエータなどの圧電変位素子にも用いることができる。
また、本発明に係る圧電装置を圧電共振子として用いる場合、該複数の圧電共振子を梯子型回路構成を有するように電気的に接続し、ラダー型フィルタを構成してもよい。すなわち、図22に示す回路図で示すように、梯子型回路構成を有するように、複数の圧電共振子を接続し、ラダー型フィルタを構成してもよい。この場合、直列腕共振子S1,S2,S3と、並列腕共振子P1,P2とで静電容量を異ならせることが求められるが、本発明に従って構成された圧電装置では、上述したように静電容量の設計範囲が非常に広いため、要求に応え得る並列腕共振子及び直列腕共振子を容易に構成することができる。
【0134】
【発明の効果】
【0135】
の発明に係る圧電装置では、圧電体の幅方向中心よりも第1の側面または上面側の第1の圧電体領域と、第2の側面または下面側の圧電体領域とが、圧電縦効果を利用して逆相で伸縮振動するように構成されており、それによって圧電体の長さ方向全体が長さ方向に対して直交する方向に屈曲する振動が励振されるバイモルフ型の振動装置が構成されている。従って、第1の発明と同様に、圧電共振子として用いた場合に帯域幅を広げることができ、かつ小型化を図ることができ、さらに静電容量の設計範囲が広いだけでなく、ユニモルフ型の振動装置の場合に比べて帯域幅をさらに広げることができる。
【0136】
また、第1,第2の外部電極が、第1,第2の分割内部電極にそれぞれ電気的に接続されるように圧電体の外表面に形成されるが、この外表面に形成された第1,第2の外部電極から動作に際しての駆動電圧を印加することにより、圧電装置を容易に駆動することができる。特に、第1,第2の外部電極が圧電体の上面または下面に形成されている場合、フェースダウンボンディング方式により、基板等に容易に実装することができ、圧電装置の製造コストを低減することができる。
【0137】
第1,第2の外部電極間に溝が形成されている場合には、第1,第2の外部電極間の短絡を確実に防止することができる。また、全面に外部電極を形成した後に溝を加工することにより、第1,第2の外部電極を容易に分離・形成することができる。
【0139】
の発明に係る圧電装置では、圧電体の第1の側面、上面または下面側に寄せられて第1,第2の内部電極が形成されており、それによって、第1,第2の内部電極が形成されている圧電体領域が圧電縦効果を利用して長さ方向に伸縮振動を励振するように構成されている。従って、該圧電体領域が駆動領域となり、他の領域が拘束領域となるため、ユニモルフ型の圧電装置が構成される。
【0140】
このユニモルフ型の圧電装置においても、第1の発明と同様に、圧電縦効果を利用して圧電体の長さ方向全体が、その長さ方向に対して直交方向に屈曲する振動が励振されるので、帯域幅の拡大及び圧電装置の小型化を図ることができる。また、圧電体の一部の領域にのみ駆動力が発生される、ユニモルフ構造を有するため、帯域幅を小さくすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係る圧電装置の斜視図。
【図2】 (a),(b)は、第1の実施例の圧電装置に用いられている圧電体の横断面図であり、(a)は第1の内部電極が形成されている部分の横断面図、(b)は第2の内部電極が形成されている部分の横断面図。
【図3】 第1の実施例の圧電装置の原理を説明するための模式的平面図。
【図4】 (a),(b)は、第1の実施例の変形例において、第1の内部電極が形成されている部分の横断面図及び第2の内部電極が形成されている部分の横断面図。
【図5】 (a),(b)は、第1の実施例の他の変形例において、第1の内部電極が形成されている部分の横断面図及び第2の内部電極が形成されている部分の横断面図。
【図6】 第1の実施例の圧電装置を基板上に実装する構造を説明するための分解斜視図。
【図7】 (a),(b)は、図6に示した、保持部が設けられている圧電装置の側面図及び底面図。
【図8】 第1の実施例の圧電装置における外形寸法と第1,第2の圧電体領域間のギャップGを説明するための模式図。
【図9】 図8に示した圧電装置におけるギャップGの圧電体の幅Wに対する比G/Wと、比帯域幅df/frとの関係を示す図。
【図10】 第1の実施例の圧電装置において、両端の不活性層と、圧電体の寸法との関係を説明するための模式的斜視図。
【図11】 図10に示した圧電装置において、両端の不活性層を除いた活性層すなわち駆動領域の比率と、比帯域幅との関係を示す図。
【図12】 参考例に係る圧電装置の外観を示す斜視図。
【図13】 (a),(b)は、参考例で用いられている圧電体における、第1,第2の内部電極が形成されている部分の各横断面図。
【図14】 参考例の圧電装置の底面図。
【図15】 参考例の圧電装置の原理を説明するための模式的平面図。
【図16】 (a),(b)は、参考例の圧電装置の変形例における第1,第2の内部電極が形成されている部分を示す各横断面図。
【図17】 (a),(b)は、参考例の圧電装置の他の変形例における第1,第2の内部電極が形成されている部分を示す各横断面図。
【図18】 第の実施例に係る圧電装置の外観を示す斜視図。
【図19】 第の実施例で用いられる第1の内部電極を示す横断面図。
【図20】 (a),(b)は、第の実施例の圧電装置の変形例における第1,第2の内部電極が形成されている部分を示す各横断面図。
【図21】 (a),(b)は、第の実施例の圧電装置の他の変形例における第1,第2の内部電極が形成されている部分を示す各横断面図。
【図22】 ラダー型フィルタの回路構成を示す図。
【符号の説明】
1…圧電装置
2…圧電体
2a,2b…第1,第2の端面
2c…上面
2d…下面
2e,2f…第1,第2の側面
2g…溝
3,4…第1,第2の内部電極
3a,3b…第1,第2の分割内部電極
4a,4b…第1,第2の分割内部電極
6,7…第1,第2の外部電極
51…圧電装置
52…圧電体
52a,52b…第1,第2の端面
52c…上面
52d…下面
52e,52f…第1,第2の側面
53,53A,53B,54,54A,54B…第1,第2の内部電極
57,58…第1,第2の外部電極

Claims (10)

  1. 長さ方向両端に配置された第1,第2の端面と、第1,第2の端面を結ぶ上面、下面及び第1,第2の側面とを有する圧電体と、
    前記圧電体の長さ方向と直交する方向に配置されており、かつ長さ方向において圧電体層を介して重なり合っており、かつ長さ方向において交互に配置されたそれぞれ複数の第1,第2の内部電極を備え、
    第1の内部電極が圧電体の長さ方向と直交する方向において分割された第1分割内部電極及び第2分割内部電極を有し、第1,第2の分割内部電極が電気的に接続されておらず、
    前記圧電体の幅方向中心よりも第1の側面または上面側の第1の圧電体領域と、第2の側面または下面側の第2の圧電体領域とが、圧電縦効果を利用して逆相で伸縮駆動力が発生するように構成されており、前記長さ方向において隣り合う圧電体層が長さ方向かつ異なる方向に分極されており、かつ各圧電体層内においては、第1の圧電体領域と第2の圧電体領域とが同一方向になるように分極されかつ電界が第1の圧電体領域と第2の圧電体領域とで異なる方向に加えられるように構成されており、それによって、前記圧電体の長さ方向全体が長さ方向に対して直交方向に屈曲する屈曲振動が励振されるバイモルフ型の圧電装置。
  2. 前記第1,第2の分割内部電極にそれぞれ電気的に接続されるように、前記圧電体の外表面に形成された第1,第2の外部電極をさらに備える、請求項に記載の圧電装置。
  3. 前記第1,第2の外部電極が、圧電体の上面または下面に形成されている、請求項に記載の圧電装置。
  4. 前記第1,第2の外部電極間に溝が形成されている、請求項に記載の圧電装置。
  5. 長さ方向両端に配置された第1,第2の端面と、第1,第2の端面を結ぶ上面、下面及び第1,第2の側面とを有する圧電体と、
    前記圧電体内において、長さ方向と直交する方向に延ばされており、かつ前記圧電体の長さ方向において圧電体層を介して重なり合うように配置された複数の第1,第2の内部電極を備え、
    隣り合う圧電体層が長さ方向において逆方向に分極されており、かつ前記第1,第2の内部電極が、圧電体の第1の側面、上面または下面側に寄せられて形成され、第1,第2の内部電極が形成されている圧電体領域が圧電縦効果を利用して長さ方向に伸縮駆動力が発生するように構成されており、それによって前記圧電体の長さ方向全体が長さ方向に対して直交方向に屈曲する屈曲振動が励振される、ユニモルフ型の圧電装置。
  6. 前記圧電体の長さ方向において少なくとも一方端側に、駆動に際して電界が加わらない不活性層が配置されている、請求項1〜のいずれかに記載の圧電装置。
  7. 前記圧電体の屈曲振動の振動のノード点近傍に配置されており、該圧電体に固定された保持部をさらに備える、請求項1〜のいずれかに記載の圧電装置。
  8. 前記保持部が、圧電体のノード点を通り、長さ方向と直交する方向において、ノード点近傍に配置されている、請求項に記載の圧電装置。
  9. 基板と、基板上に搭載されており、請求項1〜のいずれかに記載の複数の圧電装置とを備え、複数の圧電装置が梯子型回路構成を実現するように電気的に接続されている、ラダー型フィルタ。
  10. 長さ方向両端に配置された第1,第2の端面と、第1,第2の端面を結ぶ上面、下面及び第1,第2の側面とを有し、長さ方向において分散配置されており、かつ長さ方向と直交する方向に延びる複数の第1,第2の内部電極が埋設されている圧電体であって、第1の内部電極が第1,第2の分割内部電極により構成されており、第1,第2の分割内部電極が電気的に接続されていない積層型の圧電体を用意する工程と、
    前記積層型の圧電体の第1,第2の分割内部電極と、第2の内部電極との間に直流電圧を印加して、長さ方向において隣り合う圧電体層を内部電極を介して長さ方向において逆方向に分極処理し、かつ各圧電体層内を同一方向に分極処理する工程と、
    前記第1の分割内部電極に電気的に接続される第1の外部電極及び前記第2の分割内部電極に電気的に接続される第2の外部電極をそれぞれ圧電体外表面に形成する工程とを備える、圧電装置の製造方法。
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