JPH1125147A - 集積回路の故障検証方法 - Google Patents

集積回路の故障検証方法

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JPH1125147A
JPH1125147A JP9181438A JP18143897A JPH1125147A JP H1125147 A JPH1125147 A JP H1125147A JP 9181438 A JP9181438 A JP 9181438A JP 18143897 A JP18143897 A JP 18143897A JP H1125147 A JPH1125147 A JP H1125147A
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貴輝 吉田
Katsuhiro Hirayama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チップ内におけるマスクパターン密度の分布
に着目し、物理的な故障発生率に応じた新たな故障検出
率を算出することにより、高精度かつ高効率の検査を可
能ならしめ、初期不良の低減に寄与する。 【解決手段】 検査対象の集積回路のマスクパターンを
作成した際のフロアプラン又はレイアウト情報から物理
的なパラメーターを抽出し、得られたパラメータと故障
シミュレータ又は自動テストパターン生成装置から得ら
れる故障検出率とに基づいて、物理的な故障発生率に応
じた新たな故障検出率を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集積回路の効率的
かつ高精度な故障検証方法に関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路の製造プロセスにおいて、例え
ばマスクに微細な異物が付着すると、その付着部分でパ
ターンブリッジ等の不良が生じ得る。このような不良は
一般に、集積回路の検査工程で、所定のテストパターン
を用いて入出力信号を調べることにより検出される。こ
のようなテストパターンを回路図等の情報に基づいて自
動的に生成する自動テストパターン生成装置(ATP
G)も良く知られている。
【0003】しかし、高度の集積回路にあっては、コス
トに見合う検査時間の制限から、実行するテストパター
ンの数も限られる。そこで、いかに短時間で効率的に集
積回路の不良(以下、故障という)を検出するかが重要
である。そこで、あるテストパターンで集積回路の故障
をどの程度の確率で検出できるか、すなわち故障検出率
の評価を行うことが必要になる。このような故障検出率
の評価を本明細書では故障検証ということにする。
【0004】従来から、故障検証を高速に行う方法とし
てサンプリング手法が理論的に証明され、運用されてい
る。この手法では、例えば集積回路に予(あらかじ)め
人為的に故障状態を作っておき、これを検査機(又は故
障検出器)にかけてその故障が正常に検出されるか否か
を調べる(故障シミュレーション)。そして、あり得る
全ての故障からランダムに複数の故障をサンプリング
し、これらの複数の故障について上記の故障シミュレー
ションを行い、その故障検出結果から故障検出率を推定
する。あるいは、自動テストパターン生成装置が、生成
したテストパターンの組合せによる故障検出率を上記の
ようにして推定する機能を有することもある。
【0005】上記のサンプリング手法により推定された
故障検出率と実際の故障検出率、すなわち全ての故障を
シミュレートしたときの故障検出率との誤差を小さくす
るにはサンプリング数を大きくすればよいが、前述のよ
うに、コストに見合う検査時間の制限がある。そこで、
上記の誤差が所定の許容範囲内に収まるようにサンプリ
ング数を決めることになる。通常、集積回路の規模が大
きいほど、あり得る故障の数が多くなることから、従来
は、回路規模と故障検出率とに基づいてサンプリング率
を決定していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、チップ
上の物理的な領域において、故障の発生原因となる現
象、例えばマスクへの異物の付着が生じたとき、これが
故障に結び付くのは、マスクパターンが存在する部分に
異物が付着したときである。チップ上にはマスクパター
ンが存在しない部分があり、この部分に異物が付着して
も故障にはつながらない。
【0007】通常、マスクパターンはチップ上に均一に
存在しないで、マスクパターンが密である部分と疎であ
る部分とがチップ上に生じている。したがって、故障の
発生原因となる現象がチップ上でほぼ均一に発生すると
しても、実際の故障が発生する確率はチップ上で均一で
はなく、マスクパターンが密である部分は疎である部分
に比べて故障発生率が高くなる。
【0008】従来の故障検出率は回路のネットリストと
テストパターンのみを用いて算出していたので、算出さ
れた故障検出率が、実際の故障発生率の指標としての精
度を保証できないおそれがあった。
【0009】そこで、本発明は、チップ内におけるマス
クパターン密度の分布に着目し、物理的な故障発生率に
応じた新たな故障検出率を算出することにより、高精度
かつ高効率の検査を可能ならしめ、故障(初期不良)の
低減に寄与することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による故障検証方
法は、検査対象の集積回路のマスクパターンを作成した
際のフロアプラン又はレイアウト情報から物理的なパラ
メーターを抽出し、得られたパラメーターと故障シミュ
レータ又は自動テストパターン生成装置から得られる故
障検出率とに基づいて、物理的な故障発生率に応じた新
たな故障検出率を算出することを特徴としている。
【0011】より具体的な構成として本発明による故障
検証方法は、集積回路の1チップに含まれる回路を機能
単位で複数のブロックに分割し、それぞれのブロックに
ついて、マスクパターンを作成した際のフロアプラン又
はレイアウト情報から物理的なパラメーターを抽出し、
得られたパラメーターと各ブロックの故障数とから各ブ
ロックの故障の重みを算出し、各ブロックの故障の重み
に応じて各ブロックのサンプリング率を算出し、このサ
ンプリング率で各ブロックのサンプリング故障検証を行
い、最後に各ブロックの検証結果を集計して1チップの
結果を算出する工程を備えている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1に示すように、矩形のチップ上
にマスクパターンが存在する部分と存在しない部分とが
分布している場合を仮定する。図1中、網かけされた
「マスク有り部分」がマスクパターンの存在する部分で
あり、白地の「マスク無し部分」がマスクパターンの存
在しない部分である。
【0013】また、矩形のチップ全体を上下左右に分割
して4つのブロックA,B,C,Dとすると、各ブロッ
クにおけるマスクパターン密度、すなわち、全面積にマ
スクパターンが占める割合が異なっている。図1の場
合、マスクパターン密度はブロックBが最も高く、D、
C、Aの順に低くなっている。マスクパターン密度の低
い部分は、故障の発生原因となる現象が起こっても故障
発生率が低い。これに対して、マスクパターン密度の高
い部分は、同じ故障の発生原因となる現象による故障発
生率が高くなる。例えば、図1の場合、ブロックBはブ
ロックAよりマスクパターン密度が高いので、故障の発
生原因となる現象による故障発生率はブロックBのほう
がブロックAより高くなる。
【0014】一般に、チップの物理的な領域を基準とし
た故障発生率とマスクパターン密度との関係は、図2に
示すように比例関係となる。このように、故障発生率は
マスクパターンのレイアウト状態に応じて異なり、正確
な故障発生率を求めるためにはマスクパターンの密度を
考慮する必要がある。
【0015】本発明の故障検証方法によれば、マスクパ
ターンを作成する際のフロアプラン又はレイアウト情報
から得られる物理的なパラメータを考慮することによ
り、従来の故障検出率よりも高精度の故障検出率を算出
することができる。本発明の故障検証方法の具体的な処
理手順を図3に沿って説明する。
【0016】まず、処理303で集積回路のマスクパタ
ーンを作成した際のフロアプラン又はレイアウト情報か
らレイアウトパラメーターを抽出する。得られたレイア
ウトパラメーター304と、従来の故障検出装置301
から得られる故障検出率302との両方に基づいて、マ
スク密度を考慮する算出手段305が、物理的な故障発
生率に応じた高精度の故障検出率306を新たに算出す
る。
【0017】次に、本発明の別の実施形態について説明
する。この実施形態は、サンプリング手法に本発明を適
用したものである。サンプリング手法とは、従来技術の
説明でも述べたように、集積回路の1チップに含まれる
全ての故障からランダムに複数の故障をサンプリング
し、それらの故障についてのみ故障検出装置による故障
検出率を求める処理を行い、その結果から全故障での故
障検出率を推測する手法である。
【0018】図4に示すように、1チップにマスクパタ
ーン密度の異なる3つのブロックA,B,Cが存在する
場合を仮定する。この図では、ブロックAのマスクパタ
ーン密度が最も高く、B,Cの順にマスクパターン密度
が低くなっている。前述のように、マスクパターン密度
が高いほど故障発生率が高い。本実施形態では、故障発
生率、すなわち、マスクパターン密度に応じて各ブロッ
クのサンプリング率を変化させる。図4に示すように、
マスクパターン密度が高いブロックほどサンプリング率
を大きくしているこのように、集積回路のマスクパター
ンを作成した際のフロアプラン又はレイアウト情報から
得られる物理的なパラメータに基づいて、各ブロックの
故障発生率を考慮に入れた適切なサンプリング率で故障
検証を実施することにより、高精度の故障検出率を算出
することができる。具体的な処理手順を図5のフローチ
ャートに沿って説明する。
【0019】まず、故障検出装置505により1チップ
全体の故障数506を算出し、1チップ全体の故障数に
応じた1チップ全体のサンプリング率を507にて算出
する。サンプリングによる故障検出率が、全ての故障で
の故障検出率に対して誤差ΔPの範囲内に収まるための
サンプリング率Sは、下記の式から求めることができ
る。
【0020】 ΔP=3×SQRT((1−S)k(1−k)/SN) この式において、SQRT( )は平方根演算を表す。
kは1チップの故障検出率、Nは全対象故障数である。
ランダムにサンプリングした故障数をnとすると、サン
プリング率S=n/Nである。
【0021】一方、集積回路のマスクパターンを作成し
た際のフロアプラン又はレイアウトからブロック分割の
ための情報502を処理501にて入手し、この情報に
基づいて各ブロックごとの故障数を508にて算出す
る。また、マスクパターンを作成した際のフロアプラン
又はレイアウト情報から物理的なパラメーター(レイア
ウトパラメータ)を処理503で抽出し、得られたレイ
アウトパラメーター504と、508にて算出した各ブ
ロックごとの故障数とを用いて、処理509にて各ブロ
ックの故障の重みを算出する。次に処理510では、5
07にて算出した1チップでのサンプリング率を、50
9で算出した各ブロックの故障の重みに応じて補正し、
各ブロックの故障の平均的な重みに応じたサンプリング
率を決定する。次に故障検出装置511で各ブロックで
のサンプリング率にて検証を行い、最後に処理512に
て各ブロックで求めた検出率を集計して1チップでの故
障検出率を導き出す。
【0022】以上のように本実施形態によれば、全故障
からランダムに故障を抜き出して処理をすることにより
効率的に、かつ物理的な故障発生率に応じた新たな故障
検出率を算出することができる。本実施形態の方法は、
マスクパターンのレイアウト密度が異なる複数の機能コ
アを1チップにする場合、又はプロセス密度の異なる機
能コアを1チップにする場合に特に有効である。例え
ば、マスクパターン密度の高い乗算器及びメモリとマス
クパターン密度の低いロジック回路とが1チップに含ま
れている場合、前者は後者に比べて故障発生率が高いの
で、前者のサンプリング率を後者のものより高くする。
また、プロセスの異なるDRAMとロジック回路とを混
載する場合、あるいはパターン微細化率の異なるブロッ
クを混載する場合にも本実施形態を適用できる。
【0023】また、集積回路の1チップに故障検出率が
既知のブロックを含む場合、あるいは故障検出率が既知
のブロックを新たに追加して1チップとする場合は、図
5の故障検出装置511による再検証を省略し、処理5
12にて各ブロックで求めた検出率を集計して最終1チ
ップでの故障検出率を導き出すことができる。これによ
り、無駄な処理を省き、効率的に故障検出率を算出する
ことができる。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、物理的な
故障発生率に応じた新たな故障検出率を算出することに
より、高精度かつ高効率の検査を可能ならしめ、故障の
低減に寄与することができる。特に、マスクパターンの
レイアウト密度が異なる複数の機能コアを1チップにす
る場合、又はプロセス密度が異なる複数の機能コアを1
チップにする場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による故障検証方法が適用される集積回
路のマスクパターンの分布を模式的に例示する図
【図2】マスクパターン密度と故障発生率との関係を示
すグラフ
【図3】本発明の第1の実施形態による故障検証方法の
フローチャート
【図4】本発明の第2の実施形態による故障検証方法が
適用される集積回路のブロック毎(ごと)のマスクパタ
ーン密度を模式的に提示する図
【図5】本発明の第2の実施形態による故障検証方法の
フローチャート
【符号の説明】
301,505 故障検出装置 303,503 パラメータ抽出手段 305,505,511 故障検出率算出手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象の集積回路のマスクパターンを
    作成した際のフロアプラン又はレイアウト情報から物理
    的なパラメーターを抽出し、得られたパラメータと故障
    シミュレータ又は自動テストパターン生成装置から得ら
    れる故障検出率とに基づいて、物理的な故障発生率に応
    じた新たな故障検出率を算出する集積回路の故障検証方
    法。
  2. 【請求項2】 集積回路の1チップに含まれる回路を機
    能単位で複数のブロックに分割し、それぞれのブロック
    について、マスクパターンを作成した際のフロアプラン
    又はレイアウト情報から物理的なパラメーターを抽出
    し、得られたパラメーターと各ブロックの故障数とから
    各ブロックの故障の重みを算出し、各ブロックの故障の
    重みに応じて各ブロックでのサンプリング率を算出し、
    物理的な故障発生率に応じた故障のサンプリング値を決
    定し、それぞれのブロックに対して決定したサンプリン
    グ値を用いててランダムサンプリングでの故障検証を行
    い、最後に各ブロックの故障検証結果を集計して1チッ
    プの結果を算出する請求項1記載の集積回路の故障検証
    方法。
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