JPH11251246A - ドープしたシリコン薄膜の製造方法 - Google Patents

ドープしたシリコン薄膜の製造方法

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JPH11251246A
JPH11251246A JP5107498A JP5107498A JPH11251246A JP H11251246 A JPH11251246 A JP H11251246A JP 5107498 A JP5107498 A JP 5107498A JP 5107498 A JP5107498 A JP 5107498A JP H11251246 A JPH11251246 A JP H11251246A
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gas
forming chamber
film forming
thin film
silicon thin
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JP5107498A
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Inventor
Makoto Yoshida
吉田  誠
Satoshi Okada
智 岡田
Masahiro Akamatsu
雅洋 赤松
Hiroshi Hirasawa
洋 平澤
Takahiro Saida
隆浩 斎田
Susumu Nakamura
奨 中村
Tsutomu Okubo
努 大久保
Hiroaki Saotome
博明 五月女
Kenichi Kondo
健一 近藤
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Stanley Electric Co Ltd
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Stanley Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体Si原料を用いて、結晶性の良好なシリ
コン薄膜を製造する際に製造コストを削減できる方法に
関する。 【解決手段】 成膜チャンバ内に基板を配置する工程
と、成膜チャンバ内に水素ガスを導入し、直流アーク放
電プラズマを発生させる工程と、前記成膜チャンバ内に
シリコン中でドーパントとなる元素を含む有機金属化合
物の気体を供給する工程と、前記成膜チャンバ内で前記
有機金属化合物を分解し、ドーパントを生成する工程
と、前記成膜チャンバ内で金属シリコンを蒸発させ、前
記直流アーク放電プラズマを通して前記基板に到着さ
せ、前記基板上に前記ドーパントを添加したシリコン薄
膜を形成する工程とを含むドープしたシリコン薄膜の製
造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコン薄膜の製造
方法に関し、特に固体Si原料を用い、ドーパントを添
加したシリコン薄膜を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン薄膜は、太陽電池、薄膜トラン
ジスタ等の種々の用途に用いられている。従来、太陽電
池等に用いられるシリコン薄膜は、化学気相堆積(CV
D)によってガラス基板上に作製されている。このシリ
コン薄膜は、多くの場合水素を含むアモルファスシリコ
ン(a−Si:H)である。
【0003】このようなa−Si:H膜の太陽電池は、
光劣化を生じ、使用に伴って発電コストが高くなるとい
う問題を有している。光劣化を防ぐには、熱処理によっ
てシリコン薄膜を結晶化することが有効であることが知
られている。なお、CVDはシリコン原料としてシラン
等の危険なガスを使うため、その安全対策の設備が必要
である。
【0004】より簡便なシリコン薄膜の製造方法とし
て、電子ビームによる蒸着法が知られている。電子ビー
ムにより金属シリコンを加熱し、蒸発させることによ
り、基板上にシリコン薄膜を堆積させる。このようにし
て作製したシリコン薄膜は、多量のダングリングボンド
を含み、導電率の可変性、導電型の可変性、光応答能力
等の半導体的性質を大幅に劣化させてしまう。
【0005】ダングリングボンドの減少には、水素等に
よる終端化が有効であることが知られている。
【0006】図9は、従来技術によるシリコン薄膜の製
造方法の一例を示す概略断面図である。真空排気可能な
成膜チャンバ50内には、電子ビーム(EB)蒸発源5
3が配置され、その上方にはヒータ52によって加熱で
きる基板51が配置される。EB蒸発源53の右側方に
は、イオンガン54が配置され、水素イオンを含むプラ
ズマを供給することができる。
【0007】EB蒸発源53の左側方には、ジボラン
(B2 6 )ボンベ55、ホスフィン(PH3 )ボンベ
56からいずれかのガスが流量計57,58、スロット
ルバルブSB1,SB2、流量調整バルブFAB1,F
AB2を経て成膜チャンバ50に供給される。成膜チャ
ンバ50内では、ジボランB2 6 ガスまたはホスフィ
ンPH3 ガスがプラズマや熱により分解される。
【0008】p形不純物種であるホウ素Bまたはn形不
純物種であるリンPは、シリコン蒸気及びイオンガン5
4からの水素と共に基板51表面に到達し、p形または
n形のa−Si:Hの薄膜を形成する。また成膜チャン
バ50内のガスは、排気系V、除害装置59を経て大気
中に排出される。
【0009】なお、水素イオンのアシストがない場合
は、Si薄膜中には1020cm-3程度のダングリングボ
ンドが存在するが、イオンガン54による水素イオンの
アシストにより、ダングリングボンドを3×1017cm
-3程度まで減少させることが可能であると報告されてい
る。
【0010】図10は従来技術によるシリコン薄膜の製
造方法の他の例を示す概略断面図である。図9における
従来例と異なる点は、成膜チャンバ60内に平行平板電
極を設け、両電極間に高周波電力を供給してプラズマを
発生させ、基板61の表面に薄膜を形成する点、成膜チ
ャンバ60内にEB蒸発源やイオンガンを用いたイオン
蒸着源を設けないでシランSiH4 ガスボンベ65から
SiとHを含むシランSiH4 ガスを成膜チャンバ60
内に供給してシリコンイオンと水素イオンを生成してい
る点である。図12と同一構成については同一符号を付
し詳しい説明を省略し、異なる構成についてのみ説明す
る。
【0011】図10における成膜チャンバ60内の電極
62,63は対向電極になつており、接地された電極6
2に基板61が保持され、電極63に高周波電源67が
接続されている。ヒータ64は、基板61を一定温度に
加熱するために用いられる。成膜チャンバ60には、S
iH4 ボンベ65から流量計66、スロツトルバルブS
B3を経てSiH4 ガスが供給される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の技術
は、ジボランガス、ホスフィンガス等の有毒ガスを用い
ているため、これらのガス供給系などのガス設備に適合
した認定品を用いる必要があり、簡単な構成によりシリ
コン薄膜を安定的に製造できない問題、ガス設備が割高
になる問題、及びガス設備の保守管理の際にガス漏れ検
知器の点検がそれぞれ必要になるなどの点で費用が嵩む
という問題がある。
【0013】また主電源が停電時にダウンしてもバツク
アップ電源を用いてガスの供給を止める必要がある。
【0014】本発明の目的は、簡単な構成によりシリコ
ン薄膜を安定して製造できる技術を提供することにあ
る。
【0015】本発明の他の目的は、ガス設備やガス設備
の保守管理に要する費用を削減できるシリコン薄膜の製
造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点によれ
ば、成膜チャンバ内に基板を配置する工程と、成膜チャ
ンバ内に水素ガスを導入し、直流アーク放電プラズマを
発生させる工程と、前記成膜チャンバ内にシリコン中で
ドーパントとなる元素を含む有機金属化合物の気体を供
給する工程と、前記成膜チャンバ内で前記有機金属化合
物を分解し、ドーパントを生成する工程と、前記成膜チ
ャンバ内で金属シリコンを蒸発させ、前記直流アーク放
電プラズマを通して前記基板に到着させ、前記基板上に
前記ドーパントを添加したシリコン薄膜を形成する工程
とを含むドープしたシリコン薄膜の製造方法が提供され
る。
【0017】直流アーク放電によって高密度の活性水素
を発生させ、かつ蒸発したSiを活性化し、有機金属化
合物の気体からn形不純物またはp形不純物を発生さ
せ、共に基板上に到達させることにより、不純物を添加
した高膜質のアモルファスSi膜が形成される。
【0018】一方、成膜チャンバ1内のガスは、排気
系、除害装置を通して大気中に放出される。
【0019】毒性の低いガスを使用するため、より簡単
な構成のガス設備でシリコン薄膜を安定して製造でき、
またガス設備の保守管理に要する費用を削減できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を説明する。
【0021】図1は、シリコン薄膜を製造するための成
膜装置及びアーク放電を説明するためのグラフを示す。
【0022】図1(A)において、成膜装置の成膜チャ
ンバ1内には、陰極2および陽極3が配置され、陽極3
は蒸着源(るつぼ)を兼用する。陽極3の蒸着源内に
は、金属Si8が収容されている。陽極3上方には、基
板11を保持するためのサセプタ9が配置されている。
サセプタ9は、ヒータ10によって所望温度に加熱する
ことができる。ガラス基板等の基板11は、サセプタ9
に保持され、陽極3の蒸着源と対向して配置される。
【0023】陰極2の極板12は、たとえばTa−La
6 複合材料で形成されている。陰極の極板12を貫通
して、水素ガスを導入する配管5が設けられている。陽
極3と陰極2の極板12は、成膜チャンバ1とは電気的
に分離された状態で可変直流電圧源4に接続される。な
お、成膜チャンバ1は接地されている。
【0024】水素ガスを導入する配管5と対向する側
に、配管6を介して排気系16が連結されている。配管
5から水素ガスを導入し、排気系16から排気すること
によって成膜チャンバ1内を所定の水素ガス圧に保つこ
とができる。可変直流電源4からたとえば数百Vの電圧
を陽極3、陰極2間に印加し、水素ガス雰囲気中で放電
を開始させる。放電によって生じたプラズマ中の荷電粒
子(水素イオン、電子)は、陰極2または陽極3に向か
って加速される。陰極2は、衝突する正イオンによって
加熱され、やがて熱電子を発生するようになる。
【0025】熱電子が発生すると、プラズマはさらに密
度を上げ、グロー放電からアーク放電の状態に遷移す
る。アーク放電状態になると、陽極3、陰極2間の電圧
は低下する。このような可変電圧源4は、たとえば電流
値を制御できる定電流源によって形成することができ
る。
【0026】図1(B)は、印加電圧と陽極−陰極間を
流れる電流との関係を示すグラフである。電流の低い領
域GDは、グロー放電が発生する領域を示す。グロー放
電領域は、電流値IG を最大値とし、より電流量が増加
すると、遷移領域を介してアーク放電領域AGに遷移す
る。アーク放電領域の電流値はIA を最小値とする。こ
こで、電流値IA は、通常電流値IG よりも2桁程度以
上高い。
【0027】すなわち、直流アーク放電は、グロー放電
よりも約2桁以上電流密度が高い放電状態である。した
がって、直流アーク放電を用い、水素プラズマを発生さ
せると、このプラズマP中の活性水素の量は、グロー放
電による水素プラズマと比べ、約2桁程度以上高いもの
と推定できる。
【0028】また、アーク放電においては、陽極−陰極
間の電圧が低下する。たとえば約100V程度となる。
このような状態においては、プラズマP内の電子温度も
100eV程度となる。
【0029】グロー放電においては、印加電圧が高く、
プラズマP中の電子温度も高くなってしまう。Si源8
から蒸発したSi原子を活性化するためには、Siのイ
オン化エネルギ程度の電子を衝突させることが好まし
い。この点で、アーク放電中の電子はSi原子の活性化
に適している。グロー放電を用いると、電子のエネルギ
が高すぎ、Siを効率よく活性化することができなくな
ってしまう。なお、良質のSi膜を形成するためには、
電子温度約0.1〜10eVの電子が密度約5×1011
〜1014/cc存在することが好ましい。
【0030】直流アーク放電状態になると、成膜チャン
バ1内の広い領域が発光するが、特に破線で示した領域
Pが明るく発光する。この領域P内には密度の高いプラ
ズマが存在する。
【0031】プラズマP中では、以下のような種々の反
応が進行していると考えられる。 H2 → 2H+ +2e-2 → H2 + +e-2 → H* +H*2 → H* +H+ +e- ここでH* はHのラジカルを示す。
【0032】プラズマP内の多量の電子が金属Si8に
衝突し、Si8を加熱、蒸発させる。
【0033】また、図中配管5の上方に、有機金属化合
物の液体13AであるトリエチルボロンB(C2 5
3 、トリメチルホスフィンP(CH3 3 、またはトリ
エチルホスフィンP(C2 5 3 を収容する有機液体
槽13が配置されている。有機金属化合物の液体13A
には、シリコン中でドーパントになる元素、ホウ素Bあ
るいはリンPが含まれる。
【0034】トリエチルボロンは物理/化学的性質とし
て外観が無色透明の液体で、沸点が95℃で、57to
rrにおける沸点が27℃であり、27℃における蒸気
圧が57torrである。トリメチルホスフィンは物理
/化学的性質として無色透明の液体で、沸点が38〜3
9℃であり、蒸気圧が500mTorrである。
【0035】有機液体槽13内の液体13Aは、恒温槽
14の温度を制御することにより、一定圧力の蒸気圧を
生じる。気化されたガスは、スロットルバルブ7を開く
ことにより成膜チャンバ1内に導入される。成膜チャン
バ1内の圧力は圧力センサ18によって検出される。検
出された圧力をコントローラ15で監視して恒温槽14
の温度、スロットルバルブ7の開度、排気系16の排気
量等を制御する。
【0036】るつぼ中のSiは、直流アーク放電により
加熱され、蒸発する。成膜チャンバ1内で蒸発したSi
原子(またはクラスタ)は、直流アーク放電のプラズマ
P中を通過する。有機液体槽13からスロットルバルブ
7を経て成膜チャンバ1内のプラズマP内にガス化した
トリエチルボロン、トリメチルホスフィン、またはトリ
エチルホスフィンが導入される。プラズマP中では、プ
ラズマ、熱などにより有機金属化合物の分子が分解さ
れ、n形不純物またはp形不純物が生成される。成膜チ
ャンバ1内では、電子、活性水素(イオン、ラジカ
ル)、活性Siと分解されたn形不純物のホウ素あるい
はp形不純物のリンが衝突しつつ、基板11表面に到達
する。なお、基板11表面にも活性水素等が衝突する。
【0037】このように、直流アーク放電によって高密
度の活性水素を発生させ、かつ蒸発したSiを活性化し
つつ、n形不純物種のリンまたはp形不純物種のホウ素
を発生させ、基板上に到達させることにより、ドープさ
れた高膜質のアモルファスSi膜が形成される。
【0038】成膜チャンバ1の左側方には、成膜チャン
バ1内に導入したガスを排気する排気系16と除害装置
17が接続されている。排気系16の図示しないバルブ
は、先に説明したコントローラ43からの制御信号によ
り開閉し、成膜チャンバ1内に導入されたガスが配管
6、排気系16を通って排気され、除害装置17を通し
て大気中に放出される。
【0039】毒性の低い不純物ソースガスを使用してい
るため、より簡単な構成のガス設備で安定してドープし
たシリコン薄膜を製造することができると共に、ガス設
備の保守管理に要する費用を削減することができる。
【0040】図1(A)に示すように、成膜チャンバ1
内のプラズマP内に直接不純物ソースガスを導入する代
わりに、破線で示すように成膜チャンバ1内の任意の場
所にガスを導入してもよい。
【0041】図1(C)は、図1(A)に示したプラズ
マ加熱型陰極2の代わりに用いることができる熱電子発
生型陰極の構成を示す。この陰極は、熱フィラメント1
9と、熱フィラメント19に電流を供給するための電源
19−1(たとえば直流電源)を有する。熱電子発生源
を用いる場合、直流電源4は、当初から所定の低い電圧
を与えれば、直流アーク放電を発生させることができ
る。
【0042】図2は本発明の他の実施例を示す概略断面
図である。図1と異なるのは有機液体槽の代わりに有機
気体槽40を用い、流量計41、スロットルバルブ42
を用いている点である。その他の構成については図1の
構成と同様であり、ここでは詳しい説明を省略する。
【0043】有機気体槽40は、有機金属化合物の気体
40AであるトリメチルボロンB(CH3 3 等の不純
物ソース気体を収容する。有機金属化合物の気体40A
は、シリコン中でドーパントとなる元素を含む。なお、
流量計41、スロットルバルブ42はコントローラ43
からの制御信号により制御できる。
【0044】上記実施例では、水素ガスのみを導入して
直流アーク放電を発生させる場合を説明したが、水素ガ
スと不活性ガス(たとえば、He、Ar、Kr、Xe
等)を同時に導入してもよい。
【0045】図3は、水素ガスと不活性ガスのアルゴン
ガスを導入する成膜装置の構成例を概略的に示す。な
お、上記実施例で説明した有機金属化合物供給源から成
膜チャンバに有機金属化合物のガスを供給する経路につ
いては配管MOのみを図示し、詳細を省略している。
【0046】図3(A)は、ドープしたシリコン薄膜を
成膜するための成膜装置の断面図である。陰極2の極板
12の近傍には、配管26が設けられている。配管26
は、成膜チャンバ1外部で分岐配管5を有する。アルゴ
ンガスは配管26の一端から導入され、水素ガスは分岐
配管5から導入される。まず、アルゴンガスの雰囲気中
で、第1次直流アーク放電プラズマを発生させる。その
後、分岐配管5から水素ガスを導入し、第2次アーク放
電プラズマを形成する。
【0047】図3(B)は、水素を導入する位置のバリ
エーションを示す。配管26は、陰極12を貫通してプ
ラズマPに水素を導入する場合、配管27は、他の場所
からプラズマPに向けて水素を導入する場合、配管28
はSiるつぼ3に向けて水素を導入する場合、配管29
は基板11に向けて水素を導入する場合を示す。同様に
不純物ガスを成膜チャンバ1内のいずれかの位置からチ
ャンバ内に導入することができる。
【0048】さらに、安定かつ高密度のプラズマを発生
させるために、磁場によるピンチ作用を利用することが
できる。
【0049】図4は、磁場を利用した場合の構成例を概
略的に示す。なお、成膜チャンバへ供給する有機金属化
合物のガスに関しては、その供給経路の配管MOのみを
図示し、詳細な説明を省略する。
【0050】陽極3のEB蒸着源の下には永久磁石31
が埋め込まれ、成膜チャンバ1の陰極2の周囲に複数組
の電磁石32a、32b、33a、33bが配置されて
いる。これらの電磁石32、33は、電流を調整するこ
とにより、発生する磁場の形状および強度を調整するこ
とができる。なお、他の構成の磁石を用いてもよい。
【0051】プラズマ中の電子によってSiを加熱する
場合を説明したが、Siの加熱を他の手段によって行な
うこともできる。
【0052】図5は、蒸着源としてEB蒸発源25を用
いてSiを蒸発させ、別途アーク放電プラズマを発生さ
せる場合を示す。有機金属化合物のガスを成膜チャンバ
に供給する経路は配管MOのみ図示し、詳細を省略す
る。
【0053】図5(A)においては、成膜チャンバ1の
下部にEB蒸発源25が配置され、上方に基板11が配
置されている。基板11の下に、基板11表面とほぼ平
行な方向にアーク放電プラズマAPを発生させるように
陰極35、陽極36が配置されている。EB蒸発源25
から飛び出したSi原子は、プラズマ中で活性化された
後、Siの不純物種のリンあるいはホウ素と共に基板1
1表面に達する。
【0054】図5(B)においては、陽極36が基板1
1のサセプタを兼用し、成膜チャンバ1の上方に配置さ
れている。陰極37は、EB蒸発源25と共に成膜チャ
ンバ1の下方に配置されている。この構成によれば、E
B蒸発源25から発生したSiビームが基板11に向か
って飛行する経路に長くオーバラップするように、陰極
37、陽極36間にアーク放電プラズマが発生する。
【0055】これらの構成によれば、プラズマ密度とS
i蒸発量及び不純物添加量とを独立に制御することがで
きる。
【0056】予備的に、図1(A)の構成を用い、以下
の条件でSi薄膜を形成した。 カソード電流 : 100A カソード電圧 : 100V 水素流量 : 120sccm アルゴン流量 : 10sccm 圧 力 : 7×10-4Torr 基板温度 : 400℃
【0057】以上の条件下で、成膜速度10nm/sで
3×1016cm-3のダングリングボンド密度を有するア
モルファスシリコン膜を得ることができた。
【0058】なお、比較のため、図9に示すイオンガン
方式でも成膜した。この場合には、成膜速度3nm/s
でダングリングボンド密度が3×1017cm-3であっ
た。上記例では、成膜速度は約3倍と速いのにもかかわ
らず、ダングリングボンド密度が約1桁低下している。
このため、良好な膜質のSi薄膜が高成膜速度で得られ
ることが判る。なお、このように膜質が改善された原因
は、少なくとも一部プラズマ密度が高く、かつプラズマ
P中の電子温度がSiのイオン化エネルギにほぼ等しい
ことによると考えられる。
【0059】図3(A)の装置を用いた場合、各パラメ
ータをより広範囲で制御することができる多結晶Siの
成膜例を以下に示す。
【0060】 カソード電流 : 200A カソード電圧 : 100V 水素流量 : 120sccm アルゴン流量 : 30sccm 圧 力 : 7.5×10-2Torr 基板温度 : 300〜500℃
【0061】図6は、Si蒸発源としてEB蒸発源25
を用い、成膜チャンバ1内のイオン銃45から基板11
に水素のアーク放電プラズマPを直接当てるように構成
した例を示す。その他の構成は図1(A)と同様であ
る。この成膜装置を用い、以下の成膜条件で成膜を行っ
た。有機金属化合物の供給配管MOから有機金属ガスを
供給してa−Si膜にドーピングを行った。
【0062】 EB蒸発源による Siの成膜速度: 数Å/秒〜数十Å/秒 カソード電流 : 50A 圧 力 : 15×10-3Torr 基板温度 : 400℃ プラズマ密度 : 1.5×1011cm-3 電子温度 : 〜2eV
【0063】ドーピングの結果を図7および図8のグラ
フに示す。図7のグラフはp型多結晶Si膜の導電性と
トリエチルボロンの分圧の関係をプロットしたものであ
る。図7のグラフにおいて、縦軸は多結晶Si膜の導電
性(S/cm)を示し、横軸はトリエチルボロンの分圧
(Torr)を示す。
【0064】トリエチルボロンの分圧が0〜1.0×1
-5(Torr)のときの多結晶Si膜の導電性は、1
-7〜10-6(S/cm)である。トリエチルボロンの
分圧が2.0×10-5(Torr)のとき、多結晶Si
膜の導電性が10-2となり、飛躍的に導電性が高くな
る。トリエチルボロンの分圧が3.0×10-5(Tor
r)になると、多結晶Si膜の導電性は10-1(S/c
m)となる。
【0065】このグラフからトリエチルボロンの分圧が
0から2.0×10-5(Torr)になると、多結晶S
i膜の導電性が10-7〜10-6より10-2(S/cm)
に飛躍的に向上し、多結晶Si膜の成膜が有効に行わ
れ、導電性の良好なシリコン薄膜を簡単な構成のガス設
備で安定して製造することができることが判る。
【0066】図8のグラフにおいて、縦軸はn型多結晶
Si膜の導電性(S/cm)を示し、横軸はトリメチル
ホスフィンの分圧(Torr)を示す。図8からわかる
ようにトリメチルホスフィン(TMP)分圧が1×10
-5(Torr)のとき、多結晶Si膜の導電性は10-4
〜10-3(S/cm)である。TMP分圧を6×10 -5
(Torr)に増加すると、導電性は約4×10-1S/
cmに増加している。
【0067】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに限定されるものではない。たとえば、
種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者
に自明であろう。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
簡単な設備で良膜質のドープしたSi薄膜を製造するこ
とができる。
【0069】また本発明は、環境対策の容易な設備を用
いて低コストでドープしたシリコン薄膜を製造すること
ができる方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するための断面図、線
図、グラフである。
【図2】本発明の他の実施例を説明するための断面図で
ある。
【図3】本発明の実施例の変形例を説明するための断面
図である。
【図4】本発明の実施例の変形例を説明するための断面
図である。
【図5】本発明の実施例の変形例を説明するための断面
図である。
【図6】本発明の実施例の変形例を説明するための断面
図である。
【図7】作成したSi膜の導電性と有機液体原料との関
係を示すグラフである。
【図8】作成したSi膜の導電性と有機液体原料との関
係を示すグラフである。
【図9】従来の構成を説明するための断面図である。
【図10】従来の構成を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 成膜チャンバ 2 陰極 3 蒸発源(陽極) 4 可変電圧源 5 配管 6 配管 7 スロットルバルブ 8 金属Si 9 サセプタ 10 ヒータ 11 基板 12 極板 13 有機液体槽 14 恒温槽 15 コントローラ 16 排気系 17 除害装置 18 圧力センサ 19 熱フィラメント 19−1 電源 25 電子ビーム(EB)蒸着源 40 有機気体槽 41 流量計 42 スロットルバルブ 43 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平澤 洋 茨城県つくば市天久保4−5−11 TOS 天久保204 (72)発明者 斎田 隆浩 茨城県牛久市南1−36−11 アーバン高橋 102 (72)発明者 中村 奨 茨城県つくば市天久保4−5−11 TOS 天久保105 (72)発明者 大久保 努 茨城県つくば市松代2−24−1 マリノス 松代C205 (72)発明者 五月女 博明 茨城県つくば市桜3−28−1 セジュール 上野A201 (72)発明者 近藤 健一 東京都世田谷区千歳台2−33−1

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成膜チャンバ内に基板を配置する工程
    と、 成膜チャンバ内に水素ガスを導入し、直流アーク放電プ
    ラズマを発生させる工程と、 前記成膜チャンバ内にシリコン中でドーパントとなる元
    素を含む有機金属化合物の気体を供給する工程と、 前記成膜チャンバ内で前記有機金属化合物を分解し、ド
    ーパントを生成する工程と、 前記成膜チャンバ内で金属シリコンを蒸発させ、前記直
    流アーク放電プラズマを通して前記基板に到着させ、前
    記基板上に前記ドーパントを添加したシリコン薄膜を形
    成する工程とを含むドープしたシリコン薄膜の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記有機金属化合物の気体を供給する工
    程は、常温で液体である液体原料を気化して前記成膜チ
    ャンバ内に導入することを含む請求項1記載のシリコン
    薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記有機金属化合物の気体を供給する工
    程は、前記液体原料を加熱して蒸気圧を設定し、前記成
    膜チャンバ内に所要量の有機金属化合物の蒸気を導入す
    る請求項2記載のシリコン薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記液体原料はトリエチルボロン、トリ
    メチルホスフィン、トリエチルホスフィンのいずれかで
    ある請求項2または3記載のシリコン薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記有機金属化合物の気体を供給する工
    程は、常温で気体である気体原料を前記成膜チャンバ内
    に導入することを含む請求項1記載のシリコン薄膜の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記気体原料はトリメチルボロンである
    請求項6記載のシリコン薄膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記有機金属化合物の気体を供給する工
    程は、前記直流アーク放電プラズマ中に直接、前記有機
    金属化合物の気体を導入することを含む請求項1〜6記
    載のいずれかに記載のシリコン薄膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記シリコン薄膜を形成する工程は、シ
    リコンを蒸発させ、前記直流アーク放電プラズマを直
    接、前記基板に当てることを含む請求項1〜7のいずれ
    かに記載のシリコン薄膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記直流アーク放電プラズマを発生させ
    る工程は、前記成膜チャンバ内に、水素ガスと不活性ガ
    スを導入し、前記直流アーク放電プラズマを発生させる
    ことを含む請求項1〜8のいずれかに記載のシリコン薄
    膜の製造方法。
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