JPH11250519A - 光記録媒体の再生装置及びその再生方法 - Google Patents

光記録媒体の再生装置及びその再生方法

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JPH11250519A
JPH11250519A JP10049575A JP4957598A JPH11250519A JP H11250519 A JPH11250519 A JP H11250519A JP 10049575 A JP10049575 A JP 10049575A JP 4957598 A JP4957598 A JP 4957598A JP H11250519 A JPH11250519 A JP H11250519A
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Masahiro Furuta
正寛 古田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、光記録媒体に記録された情報を再
生する再生装置及びその再生方法に関し、光記録媒体の
再生を適正に行うことを目的とする。 【解決手段】 装填された光記録媒体に光を照射する照
射手段と、光の反射光に基づいて光記録媒体に記録され
た情報を再生する再生手段と、光の反射光に基づいて光
記録媒体における光の照射位置または光の合焦状態を制
御する制御手段と、磁化方向による記録情報を再生する
場合には、照射手段が照射する光のパワーを再生手段が
動作可能なパワーである再生用のパワーに設定し、磁化
方向による記録情報を再生しない場合には、再生手段が
照射する光のパワーを再生用のパワーよりも低くかつ制
御手段が動作可能なパワーである待機用のパワーに設定
する設定手段とを備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体に記録
された情報を再生する再生装置及びその再生方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、高密度に情報の蓄積ができその情
報の書き換えが可能である光磁気ディスクは、オーディ
オや画像用途の他、コンピュータの外部メモリとして最
も注目されている。図10は、光磁気ディスクドライブ
装置(再生装置)の内のディスク周辺を示す図、図11
は、再生装置の動作フローチャートである。
【0003】再生装置内には、光磁気ディスク101が
回転可能な状態で装填されており、光の出射およびその
光の反射光の受光を行う光ピックアップ102が光磁気
ディスク101の径方向aに移動可能な状態となってい
る。このような再生装置では、光磁気ディスク101の
装填後(図11ステップ1のYes)に、光磁気ディス
ク101を回転させると共に光ピックアップ11から一
定強度の光を照射する(図11ステップ2)。
【0004】そして、光磁気ディスク101の盤面のゆ
がみおよび記録トラックの偏心に対応するために、照射
した光の反射光の変化に基づいて光ピックアップ102
の対物レンズをディスク回転軸の方向bへ微動させるフ
ォーカスサーボが開始される。続いて、光ピックアップ
102全体あるいは光ピックアップ102の対物レンズ
をディスクの径方向aへ微動させるトラッキングサーボ
が開始される(図11ステップ3)。
【0005】続いて、光ピックアップ102で受光した
反射光は信号処理され、光磁気ディスク101における
光の照射位置を示すトラック番号が読み取られる(図1
1ステップ4)。このように、光の照射位置を確認する
と、再生装置はフォーカスサーボおよびトラッキングサ
ーボを続けながらホストコンピュータからの再生の指示
を待機する(図11ステップ5)。
【0006】その後、再生命令としてホストコンピュー
タから再生の対象となる目標位置が入力されると(図1
1ステップ5のYes)、目標位置のトラック番号と現
在の光の照射位置のトラック番号との差を演算する。そ
の差が0でない場合(図11ステップ6のNo)には、
再生装置は、トラッキングサーボを解除(図11ステッ
プ7)して、その差を減少させる方向に光ピックアップ
102あるいは対物レンズを移動させるシーク動作を行
う(図11ステップ8)。
【0007】再生装置は、このシーク動作により到達し
た場所で再びトラッキングサーボを行って(図11ステ
ップ9)トラック番号を読み取り(図11ステップ1
0)、ビームスポットが確実に目標位置に到達している
かどうかを判別する(図11ステップ6)。目標位置に
到達していることを確認する(図11ステップ6のYe
s)と、再生装置は、光ピックアップ102で得られた
光の反射光に基づきその目標位置に記録されている情報
を再生する(図11ステップ11)。
【0008】こうして再生が終了すると、再生装置はト
ラッキングサーボを行い続けてビームスポットをそのま
ま記録トラックに追従させておく。これは、次に再生の
指示があった場合に即座に再生の動作に移行するためで
ある。再生装置では、このようにビームスポットを何れ
かの記録トラックに追従させることによって再生を待機
する(図11ステップ5)。そして、ホストコンピュー
タからの命令により再生すべき目標位置が発生する度に
シーク動作および情報の再生を行う。
【0009】このため、ホストコンピュータから再生の
指示がない待機期間(図11ステップ5の結果Noとな
る期間)には、同じ記録トラックに連続して光が照射さ
れる。しかし、従来はその光のパワーが十分に低く、光
磁気ディスクの特性がその照射により左右されにくかっ
たため特に問題は生じていなかった。ところで、現在で
は、この光磁気ディスクに対して大容量化の要求が高ま
り、筆先記録、磁界変調記録等により短マークの記録は
可能となった。これに伴い、高密度に記録された情報を
正確に再生する技術が提案されている。これを磁気超解
像再生(MSR:Magnetically induced Super Resolut
ion )と呼んでいる。
【0010】この技術では、光源の波長とビームスポッ
トの大きさが現状のままであっても、高い解像度で情報
を読み出すことができる。図12は、MSRの技術の一
例を説明する図である。図12では、MSRの技術が適
用された光磁気ディスク(以下、「MSRのディスク」
という)の記録トラック106と、それに照射された光
のビームスポット107とを示している。
【0011】MSRのディスクは、照射される光の移動
速度およびその光のパワーとが適正な値に保たれた状態
で高解像度の再生が実現する。例えば、MSRのうち現
在最も解像度の高いダブルマスク方式(D−RAD:Do
ubulemasked Rear Aperture Detection )(特開平4−
255946号公報)が適用された光磁気ディスク(以
下、「D−RADのディスク」という)について、図1
2に示す。図12で、記録トラック106とビームスポ
ット107との相対移動により、記録トラック106の
ビームスポット107内に温度分布を生じさせる。ビー
ムスポット107の後方では蓄熱により他の領域200
と比べて高い温度となった領域108が存在し、さらに
この領域108の中央に位置する領域109は最も高温
になっている。
【0012】そして、光のパワーおよびビームスポット
の移動速度が適正な値に保たれることによって、高温の
領域109が約220℃以上、その領域109を除く領
域108(図12中領域110)が約120℃となる。
このとき、ビームスポット107内に所定方向の再生磁
界が印加されると、最も高温の領域109および低温の
領域200では、光が照射される側の磁化膜の磁化向き
が外部の再生磁界の方向に揃う。一方、中温の領域11
0では光が照射される側に情報が浮き出す。
【0013】これにより、ビームスポット107内の領
域109および領域200の光照射側の磁化膜は、再生
信号に寄与しないマスクとして機能し、領域110のみ
が情報を読み出すことができる実効的な開口として機能
する。つまり、ビームスポット縮小と同等の高解像度の
再生が実現する。なお、D−RAD以外のMSRの技術
としては、次のものがある。即ち、D−RADのディス
クと同様に光磁気ディスクのビームスポット内における
温度分布を利用して、相対的に高温の領域にマスクを形
成して相対的に低温の領域を開口とする前方開口検出方
式(FAD:Front Aperture Detection)(特開平3−
93056号公報)や、相対的に低温の領域にマスクを
形成して高温の領域を開口とする後方開口検出方式(R
AD:Rear Aperture Detection )(特開平4−255
946号公報)等である。
【0014】上記説明した再生装置でMSR再生を行う
には、図12に示すような温度分布を生じさせる必要
上、光のパワーを現行の光磁気ディスクの再生装置と比
べて高く設定する必要がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記説明し
た再生装置において出射光のパワーの設定値を高くする
と、単にトラッキングやフォーカスサーボを行っている
待機期間(図11ステップ5の結果Noとなる期間)に
も常に高いパワーの光が照射されることになる。このよ
うに高いパワーの光が照射され続けると、蓄熱作用によ
って記録トラックの温度がMSR再生をしない場合に比
べて高くなる。そして、遂にはビームスポット内に所望
の温度分布を生じさせることができなくなる。この状態
では、ビームスポット内の開口部が低温側に広がって複
数の記録マークを同時に読み出してしまったり、あるい
は、高温側のマスクが低温側に広がって記録マークが全
く読み出せなくなるという問題が生じる。
【0016】因みに、D−RADのディスクでは、適正
な再生を行うために開口となる領域110とマスクとな
る領域200との境界は比較的低い80℃〜120℃程
度であり、また、この領域110とマスクとなる領域1
09との境界近傍は比較的高い140℃〜220℃であ
る必要がある。したがって、D−RADのディスクに照
射される光は、瞬間的ではあるが140℃以上までディ
スクの温度を上昇させるパワーに設定されることにな
る。
【0017】このようなパワーの光を同一トラックに照
射し続けると、比較的短時間でD−RADのディスク
は、低温部のマスクが形成不可能な温度である80℃近
くまで上昇してしまう。即ち、比較的短時間で再生不可
能な状態となる。あるD−RADのディスクに一時間連
続して上記パワーの光を照射したところ、再生が行えな
くなるという実験結果も得られている。1時間程度の連
続照射は、再生装置にとって通常の待機期間(図11ス
テップ5の結果Noとなる期間)に起こりうる条件であ
る。
【0018】なお、仮に、この待機期間に光ピックアッ
プを記録再生領域外に退避させると、再生の命令の度に
光ピックアップを余分に動かす必要が生じる。また、光
ピックアップをディスクの外側に退避させた場合には、
再生動作毎に、光ピックアップの長距離のシーク動作を
行う必要がある。再生動作毎にこのような移動を行えば
データ転送速度が著しく低下し、データ転送速度が重視
される再生装置に利用できない。
【0019】以上説明した理由により、温度分布を利用
するMSRのディスクの再生は、単に光のパワーの設定
値を高くするだけでは実現できない。本発明は、このよ
うな従来の問題に鑑みてなされたもので、光記録媒体の
再生を適正に行うことができる光記録媒体の再生装置及
びその再生方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、装填された光記録媒体に光を照射する照射手段と、
光の反射光に基づいて光記録媒体に記録された情報を再
生する再生手段と、光の反射光に基づいて光記録媒体に
おける光の照射位置または光の合焦状態を制御する制御
手段と、磁化方向による記録情報を再生する場合には、
照射手段が照射する光のパワーを再生手段が動作可能な
パワーである再生用のパワーに設定し、磁化方向による
記録情報を再生しない場合には、再生手段が照射する光
のパワーを再生用のパワーよりも低くかつ制御手段が動
作可能なパワーである待機用のパワーに設定する設定手
段とを備えたことを特徴とする。
【0021】このように、非再生時に照射する光のパワ
ーを待機用の値まで抑えることによって、光記録媒体の
過熱を防止できる。請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の光記録媒体の再生装置において、装填された光
記録媒体は、光磁気記録媒体であり、光磁気記録媒体
は、基板上に少なくとも、第1磁性膜と第2磁性膜との
2つの磁性膜を有し、第1磁性膜には、再生用のパワー
に設定された光の照射領域内の一部の領域において、第
2磁性膜の磁化方向に応じた垂直磁化領域が形成される
ことを特徴とする。
【0022】すなわち、MSRの技術が適用された光磁
気記録媒体から適正に情報再生を行うことができる。請
求項3に記載の発明は、請求項2に記載の光記録媒体の
再生装置において、光磁気記録媒体は、第1磁性膜と第
2磁性膜との間に、非磁性膜または常磁性膜を設け、非
磁性膜または常磁性膜は、光の照射領域内の一部の領域
において両者の間に働く磁気的な結合力を弱めるか、ま
たは、実質的に遮断することを特徴とする。
【0023】したがって、複数の膜の間に働く静磁結合
力の変化を利用して再生する静磁結合型MSRの光磁気
記録媒体の再生を適正に行うことができる。請求項4に
記載の発明は、請求項2に記載の光記録媒体の再生装置
において、光磁気記録媒体は、第1磁性膜と第2磁性膜
との間に、第2磁性膜と比べてキュリー温度が低い第3
磁性膜を設けることを特徴とする。
【0024】したがって、複数の膜の間に働く交換結合
力の変化を利用して再生するFADやD−RADの光磁
気記録媒体の再生を適正に行うことができる。請求項5
に記載の発明は、請求項2に記載の光記録媒体の再生装
置において、光磁気記録媒体は、第1磁性膜と第2磁性
膜との間に、光の照射領域内の一部の領域においては面
内磁化であり、別の一部の領域においては垂直磁化する
第3磁性膜を設けることを特徴とする。
【0025】したがって、複数の膜の磁化方向の変化を
利用して再生するRADやD−RADの光磁気記録媒体
の再生を適正に行うことができる。請求項6に記載の発
明は、請求項2から請求項5の何れか1項に記載の光記
録媒体の再生装置において、第1磁性膜には、再生用の
パワーに設定された光の照射領域内の一部の領域におい
て、第2磁性膜の磁化方向に応じた垂直磁化領域が拡大
されて形成されることを特徴とする。
【0026】すなわち、MSR再生のうち特に磁区拡大
再生を行う場合にも、その再生を適正に行うことができ
る。請求項7に記載の発明は、請求項2から請求項6の
何れか1項に記載の光記録媒体の再生装置において、設
定手段は、装填された光記録媒体を磁気超解像再生しな
い場合には、再生時、非再生時にかかわらず、照射手段
が照射する光を再生手段が動作可能なパワーである待機
用のパワーに設定することを特徴とする。
【0027】したがって、光のパワー設定値のレベル数
を増やすことなく、少なくとも2種類の光記録媒体に対
応することができる。請求項8に記載の発明は、請求項
7に記載の光記録媒体の再生装置において、待機用のパ
ワーは、0.1mW〜1.6mWの範囲の何れかの値を
とることを特徴とする。
【0028】この範囲の値は、一般にMSRの技術が適
用されていない通常の光磁気記録媒体の再生に用いられ
る値である。従って、通常の光磁気記録媒体と、それよ
りも高いパワーの光を必要とする光記録媒体との少なく
とも2種類の光記録媒体に対応することができる。請求
項9に記載の発明は、請求項1から請求項8の何れか1
項に記載の光記録媒体の再生装置において、パルストレ
イン記録方式に基づき、照射手段が照射する光を再生用
のパワーよりも低いボトムパワーを含む複数の値に変調
することによって、装填された光記録媒体に情報を記録
する記録手段を備え、待機用のパワーは、ボトムパワー
に等しいことを特徴とする。
【0029】したがって、光のパワー設定値のレベル数
を不要に増やすことなく、記録マークの形状が正確な高
密度記録を行うことができる。請求項10に記載の発明
は、光記録媒体に光を照射する照射手順と、光の反射光
に基づいて光記録媒体に垂直磁化方向の形で記録された
磁化情報を再生する再生手順と、光の反射光に基づいて
光記録媒体における光の照射位置または光の合焦状態を
制御する制御手順と、再生時には光のパワーを磁化情報
の再生が可能なパワーである再生用のパワーに設定し、
非動作時には光のパワーを再生用のパワーよりも低くか
つ制御が可能なパワーである待機用のパワーに設定する
設定手順とを有することを特徴とする。
【0030】このように、非再生時に照射する光のパワ
ーを待機用の値まで抑えることによって、光記録媒体の
過熱を防止できる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態を説明する。
【0032】<第1実施形態>先ず、本発明に係る第1
実施形態を、図1〜図6に基づいて説明する。本第1実
施形態は、請求項1、請求項2、請求項4、請求項5、
請求項8、請求項10に対応する。先ず、本第1実施形
態における記録再生装置、光磁気ディスクの構造につい
て詳細に説明する。
【0033】(記録再生装置の構造)図1は、記録再生
装置の主な構成を示す図、図2は記録再生装置1に搭載
される光ピックアップ11の主な構成を示す図である。
図1において、記録再生装置1は次の構成要素を備え
る。即ち、制御部13(主に設定手段に対応する)、制
御部13の指示により動作する記録系14、レーザ(L
D)駆動回路15(主に照射手段に対応する)、光ピッ
クアップ11(照射手段、制御手段に対応する)、再生
系16(再生手段に対応する)、モータ17(制御手段
に対応する)、モータ駆動系18(制御手段に対応す
る)、ピックアップ制御系19(制御手段に対応す
る)、光磁気ディスク12に磁界を印加する磁界発生源
(図示せず)、および光磁気ディスク12の回転機構等
である。
【0034】これらの各構成要素のうち、記録系14
は、ホストコンピュータから与えられた記録すべき情報
を光磁気ディスク12に適した信号に変換する操作を行
う。即ち、ホストコンピュータからは2進情報の「1」
「0」からなるデータが入力されるが、このデータビッ
ト列を所定の変調方式に従って記録符号列に変換する。
LD駆動回路15は、記録時に記録系14から与えられ
る符号列を矩形波状の電流に変換し、その電流を光ピッ
クアップ11に備えられた半導体レーザ11a(図2)
に与える。これによって光ピックアップ11は情報に応
じて強度変調されたパルス光を出射する。LD駆動回路
15は、また、再生時や待機時にはその半導体レーザ1
1a(図2)に連続的に電流を与え、光ピックアップ1
1に所定強度の光を出射させる。
【0035】本第1実施形態のLD駆動回路15が半導
体レーザ11aに与えるべき電流値は複数用意されてい
る。そして、記録、再生、待機の各場合に応じて制御部
13が電流値を選択し、光ピックアップ11が出射する
光のパワーはそれぞれ記録用、再生用、待機用のパワー
に適宜設定される。以下では、記録時に出射される光で
あって、記録用のパワーに設定され、しかも情報に応じ
て強度変調された光を「記録ビーム」といい、再生時に
出射される光であり、かつ再生用のパワーに設定された
一定強度の光を「再生ビーム」という。また、待機時に
出射される光であって待機用のパワーに設定された一定
強度の光を「待機ビーム」という。
【0036】このうち記録ビームの高レベルのパワーP
wとしては、2値情報を書き込むために必要な記録マー
クを形成する値が設定される。再生ビームのパワーPr
1としては、光磁気ディスク12のMSR再生が可能で
ありかつ記録されている情報を消去することのない値が
設定される。さらに、待機ビームのパワーPoとして
は、再生ビームのパワーPr1より更に小さく、しかも
後述するトラッキングサーボおよびフォーカスサーボが
可能な値が設定される。因みに、これらの各値の大小関
係については、 Pw>Pr1>Po が成り立つ。これら3値は、光磁気ディスク12の特性
に応じて決められる。
【0037】例えば、光磁気ディスク12に対する、ビ
ームスポットの線速度v=9m/s、半導体レーザ11
aの出射光の波長λ=680、対物レンズ11cの開口
数NA=0.55、再生磁界H=100Oeであるとき
に、 Pw=10mW Pr1=3.5mW Po=1mW に設定する。
【0038】図1において、光ピックアップ11からの
出射光は、光磁気ディスク12にほぼ直角に照射され
る。図2に示すように光ピックアップ11は、光源とし
ての半導体レーザ11a、出射光をコリメートするコリ
メータレンズ11b、光磁気ディスク12にビームスポ
ットを合焦する対物レンズ11c、及びコリメータレン
ズ11bと対物レンズ11cとの間に配置された偏光子
11dを備える。情報の再生時、記録時、および待機時
には、LD駆動回路15が所定の電流値により半導体レ
ーザ11aを駆動する。それに応じて、光ピックアップ
11は、それぞれ規定された波形の記録ビーム、再生ビ
ーム、待機ビームを出射する。
【0039】また、光ピックアップ11は、光磁気ディ
スク12からの反射光を2つの光線に分岐させるビーム
スプリッタ11e、その2つの光線のうち、一方を2つ
の偏光成分に分離する偏光ビームスプリッタ11f、そ
の偏光ビームスプリッタ11fにより得られる2つの偏
光をそれぞれ集光する2つの集光レンズ11g、及びこ
れらの集光レンズ11gそれぞれを介して光を受光する
2つのディテクタ11hとを備える。ディテクタ11h
においてそれぞれ生成された電流値の差分は、再生系1
6において再生信号を示す値として処理される。
【0040】また、光ピックアップ11は、前記ビーム
スプリッタ11eにより分岐された他方の光線をディテ
クタ11iに導くビームスプリッタ11j、そのディテ
クタ11iとビームスプリッタ11jとの間に配置され
た集光レンズ11k、およびシリンドリカルレンズ11
mを備える。この受光系のディテクタ11iは、例えば
4分割フォトディテクタであり、受光面に形成される像
の強度分布を電気信号に変換してピックアップ制御系1
9に送る。ピックアップ制御系19は、この電気信号に
基づいてフォーカスおよびトラッキングサーボを行う。
【0041】再生系16は、光ピックアップ11の2つ
のディテクタ11hで生成された電流値の差を増幅し、
その信号波形を修正して波形干渉を少なくして高密度化
を図る。さらにその出力を整形して信号の有無を表すパ
ルス信号に変換し、さらにそのパルス信号の基本周期に
同期させた同期信号を作る。そしてこの同期信号を用い
て定められた時間帯、つまり検出窓(detection windo
w)の中に光の再生パルス信号があるかないかを検出
し、この検出符号列をデータビット列に復調する。
【0042】モータ駆動系18は、光ピックアップ11
全体を載せたモータ17を駆動して光ピックアップ11
を光磁気ディスク12の径方向に移動させる。これは、
制御部13によって与えられる移動方向に応じた駆動電
流をモータ17に与えることによって実現する。ピック
アップ制御系19は、光ピックアップ11内部のディテ
クタ11iにより生成される電流値を基に、反射光の強
度分布の変化を監視する。そして、この強度分布が所定
の状態となるように光ピックアップ11のアクチュエー
タ11nを動作させ、対物レンズ11cを光磁気ディス
ク12の回転軸の方向に微動させるフォーカスサーボを
行う。また、光の強度分布の変化に基づきアクチュエー
タ11nを動作させ、対物レンズ11cを光磁気ディス
ク12の径方向に微動させるトラッキングサーボを行
う。これにより、光磁気ディスク12の盤面のゆがみお
よび記録トラックの偏心に対応することができる。な
お、トラッキングサーボについては、対物レンズ11c
の移動に加えて、光ピックアップ11自体の移動を組み
合わせて行ってもよい。
【0043】(光磁気ディスクの構造)光磁気ディスク
12について説明する。図3(a)は、以上説明した記
録再生装置1に装填される光磁気ディスク12の垂直断
面図である。また、図3(b)は記録再生装置1によっ
て再生ビームが照射されている光磁気ディスク12の状
態を示す概念図である。
【0044】図3(a)に示す光磁気ディスク12は、
互いに異なる機能を有する3つの磁性膜を有したD−R
ADのディスクである。このディスクは、直径90mm
の円形基板12a上に、下部保護膜12b、再生膜12
c(第1磁性膜に対応する)、再生中間膜12d(第3
磁性膜に対応する)、メモリー膜12e(第2磁性膜に
対応する)、および上部保護膜12jが、周知のスパッ
タリング法によって順次形成された構造となっている。
【0045】このうち再生膜12c、再生中間膜12
d、メモリー膜12eは磁性膜である。これらの磁性膜
は、Si34等による誘電体膜である下部保護膜12b
と上部保護膜12jとによって保護されている。各磁性
膜の組成、膜厚の一例を次に示す。メモリー膜12e
は、TbFeCoからなり、情報が記録される膜であ
る。このメモリー膜12eの組成は、原子百分率で表す
と、Tbが21原子%、Feが64原子%、Coが16
原子%である(以下、組成の原子百分率を、Tb21Fe
64Co16のように表す)。また、メモリー膜12eの膜
厚は、50nmである。
【0046】再生膜12cは、GdFeCoからなる。
この再生膜12cの組成はGd25Fe60Co15であり、
その膜厚は30nmである。再生中間膜12dは、Gd
Feからなる。この再生中間膜12dの組成はGd30F
e70であり、その膜厚は50nmである。光磁気ディス
ク12では、記録再生装置1によりパワーPr1の再生
ビームの照射による温度分布により、再生中間膜12d
はビームスポット内の各領域で図3(b)に示すような
異なる磁化状態となる。即ち、高温の領域109では保
磁力が低下し、中温の領域110では垂直磁化の状態と
なり、低温の領域200では面内磁化の状態となる。
【0047】このとき記録再生装置1の磁界発生源(図
示せず)によって再生磁界が印加されると、領域109
および領域200における再生膜12cの磁化方向は再
生磁界の向きに倣いマスクが形成される。即ち、メモリ
ー膜12eから磁化の影響を受けない。これに対して、
領域110においてはメモリー膜12eの磁化方向が転
写される。したがって、領域110のみを開口として情
報を読み出すMSR再生が可能となる。
【0048】一方、光磁気ディスク12は、記録再生装
置1により記録ビームである強度変調されたビームが照
射され、かつ磁界発生源(図示せず)によって記録磁界
が印加された場合、次の様な動作をする。即ち、パワー
Pwにおいては、メモリー膜12eの保磁力が十分に低
下し、ビーム照射終了後メモリー膜12eの磁化方向が
外部の記録磁界の向きに倣う。これにより、記録マーク
が形成される。また、パワーPwよりも十分に低いパワ
ーにおいてはメモリー膜12eの磁化方向には変化が生
じない。
【0049】したがって、情報に応じてパワーPwと十
分に低いパワーとに変調された記録ビームの照射によっ
て、メモリー膜12eに情報を書き込むことができる。 (記録再生装置の動作)次に、本第1実施形態の動作と
して、上記記録再生装置1による上記光磁気ディスク1
2の情報記録・再生について説明する。
【0050】図4は、本第1実施形態における記録再生
装置1の動作フローチャートである。図4に示すよう
に、記録再生装置1では、光磁気ディスク12が装填さ
れたことを認識すると(図4ステップ1のYes)、光
磁気ディスク12を回転させて低いパワーPoに設定さ
れた待機ビームを照射する(図4ステップ2’)。した
がって、このときに光磁気ディスク12はほとんど加熱
されることなく、図3に示した各磁性膜は室温にある場
合とほぼ同じ状態に保たれる。
【0051】そして、この待機ビームによってフォーカ
スサーボおよびトラッキングサーボが行われる(図4ス
テップ3)。待機ビームのパワーPoはこれらのフォー
カスサーボやトラッキングサーボが十分に精度よく行わ
れる大きさの値に設定されているので、これらのサーボ
を行うに当たって何ら問題は生じない。次に、光ピック
アップ11で受光された反射光が信号処理され、先ずビ
ームスポットの位置を示すトラック番号が読み取られる
(図4ステップ4)。
【0052】光磁気ディスク12のトラック番号を表す
情報は、各トラックにおいてピット記録により形成され
ている。このようにしてビームスポットの位置を確認し
た後、記録再生装置1はパワーPoの待機ビームによる
フォーカスサーボおよびトラッキングサーボを続けなが
らホストコンピュータからの記録や再生の指示を待機す
る(図4ステップ5’)。
【0053】次いで、ホストコンピュータから記録また
は再生の命令があると(図4ステップ5’のYes)、
現在のビームスポットの位置を示すトラック番号と目標
位置のトラック番号との差を演算する。その差が0でな
い場合には(図4ステップ6のNo)トラッキングサー
ボを解除して(図4ステップ7)その差を減少させる方
向に光ピックアップ11を移動させるシーク動作を行う
(図4ステップ8)。
【0054】次いで、シーク動作によって到達した場所
でトラッキングサーボを行って(図4ステップ9)トラ
ック番号を読み取り(図4ステップ10)、ビームスポ
ットが目標位置に確実に到達しているかどうかを判別す
る(図4ステップ6)。ビームスポットが目標位置に到
達していることを確認する(図4ステップ6のYes)
と、記録再生装置1は、再生または記録を行うために以
下の設定を行う(図4ステップ11’)。
【0055】図5は、再生前後における出射光のパワー
の時間変化を示す図であり、図6は、記録前後における
出射光のパワーの時間変化を示す図である。ホストコン
ピュータからの指示が再生である場合には、磁界発生源
(図示せず)によって再生磁界を印加する。また、出射
光を、パワーPoの待機ビームから、パワーPr1の再
生ビームに変更し(図5)、MSR再生(図3(b)
参照)を行う。再生後は、出射光を再び待機ビームに変
更する(図5)。
【0056】また、ホストコンピュータからの指示が記
録である場合には、磁界発生源(図示せず)によって記
録磁界を印加する。また、出射光をパワーPoの待機ビ
ームから、パワーPwと十分に低いパワー(例えば待機
ビームと同じパワーPo)との2値の間で変調された記
録ビームに変更し(図6)、記録を行う。そして、記
録が終了すると、出射光を再び待機ビームに変更する
(図6)。
【0057】この状態ではトラッキングサーボを継続し
ているが、低いパワーPoの待機ビームなので光磁気デ
ィスク12は殆ど加熱されない。以上説明したように、
記録再生装置1では、待機中には出射光のパワーを比較
的低いパワーPoに抑えている。したがって、待機期間
(図4ステップ5’の結果Noとなる期間)が長くとも
光磁気ディスク12は殆ど加熱されない。
【0058】待機から記録または再生へと移行する際に
出射光のパワーを変更する動作は、LD駆動回路15が
半導体レーザ11aに与える電流値を変更するだけで円
滑に行われるので、データ転送レートは十分に確保され
る。以上説明したように、本第1実施形態では、出射光
のパワーを適宜変更することによって、MSRのディス
クの情報再生を特性の変化や劣化を防止して適正に行う
ことができる。
【0059】<第2実施形態>次に、本発明に係る第2
実施形態を、図1、図3、図4、図7に基づいて説明す
る。本第2実施形態は、請求項1、請求項2、請求項
4、請求項5、請求項8、請求項10に対応する。
【0060】ここでは、第1実施形態との相違点につい
てのみ説明し、その他の部分については説明を省略す
る。 (記録再生装置の構造)本第2実施形態と、第1実施形
態との相違点は、記録再生装置1(図1参照)に装填さ
れる光磁気ディスクが、光変調ダイレクトオーバーライ
ト可能な光磁気ディスク22(図7参照、詳しくは後述
する)である点である。
【0061】この光磁気ディスク22に対応するため
に、本第2実施形態における記録再生装置1では、LD
駆動回路15に用意する電流値が1つ増える。光変調オ
ーバーライト記録を行うためには、記録ビームのパワー
として2つのレベルを規定する必要があるからである。
即ち、記録マーク(またはスペース)を形成する高レベ
ルPwhと、スペース(または記録マーク)を形成する
低レベルPwlとの2値である。
【0062】そして、これらの値と、再生ビームのパワ
ーPr1および待機ビームのパワーPoとの大小関係に
ついては、 Pwh>Pwl>Pr2>Po が成り立つ。これら4値は、光磁気ディスク22の特性
に応じて決められる。 (光磁気ディスクの構造)光磁気ディスク22について
説明する。
【0063】図7は、本第2実施形態における記録再生
装置1(図1参照)に装填される光磁気ディスク22の
垂直断面図である。光磁気ディスク22は、光磁気ディ
スク12(図3参照)に示したものと同じ機能を有する
3つの磁性膜に加えて、さらに5つの磁性膜を有する。
この光磁気ディスク22は、加えられた5つの磁性膜の
機能により、光変調ダイレクトオーバーライトが可能と
なる。
【0064】このディスクは、直径90mmの円形基板
22a上に、下部保護膜22b、再生膜22c(第1磁
性膜に対応する)、再生中間膜22d(第3磁性膜に対
応する)、切断膜22k、メモリー膜22e(第2磁性
膜に対応する)、中間膜22f、記録膜22g、スイッ
チング膜22h、初期化膜22iおよび上部保護膜22
jが、周知のスパッタリング法によって順次形成された
構造となっている。
【0065】メモリー膜22eは、TbFeCoからな
り、メモリー膜12e(図3)と同様、情報が記録され
る膜である。このメモリー膜22eの組成は、Tb21F
e69Co10であり、メモリー膜22eの膜厚は、50n
mである。再生膜22cは、GdFeCoからなる。こ
の再生膜22cの組成はGd25Fe60Co15であり、そ
の膜厚は30nmである。
【0066】再生中間膜22dは、GdFeからなる。
この再生中間膜22dの組成はGd29Fe71であり、そ
の膜厚は50nmである。切断膜22kは、TbFeか
らなる。この切断膜22kの組成はTb21Fe79であ
り、その膜厚は20nmである。中間膜22fは、Gd
FeCoからなる。この中間膜22fの組成はGd32F
e64Co4 、その膜厚は10nmである。
【0067】記録膜22gは、DyFeCoからなる。
この記録膜22gの組成はDy26Fe44Co30であり、
その膜厚は20nmである。スイッチング膜22hは、
TbFeCoからなる。このスイッチング膜22hの組
成はTb17Fe73Co10、その膜厚は12nmである。
初期化膜22iは、TbFeCoからなり、磁化方向が
常に一定の方向に保たれている膜である。この初期化膜
22iの組成はTb20Fe16Co64、その膜厚は20n
mである。
【0068】光磁気ディスク22では、記録再生装置1
によりパワーPr1の再生ビームが照射されると、図3
に示した光磁気ディスク12と同様に、ビームスポット
よりも小さい領域を開口として情報を読み出すMSR再
生が可能となる。
【0069】一方、光磁気ディスク22は、記録再生装
置1によりパワーPwhおよびPwlの2値に変調され
た記録ビームが照射された場合、次の様な動作をする。
即ち、低レベルのパワーPwlにおいては記録膜12g
の磁化方向は変わらず、ビームの照射終了後、メモリー
膜12eの磁化方向がメモリー膜12eと記録膜12g
との間に磁壁が存在しない状態の向きになる。また、高
レベルのパワーPwhにおいては、記録膜12gの磁化
方向は初期化膜12iの方向に倣い、ビーム照射終了
後、メモリー膜12eの磁化方向はメモリー膜12eと
記録膜12gとの間に磁壁が存在しない状態の向きにな
る。
【0070】したがって、情報に応じて高レベルのパワ
ーPwhと低レベルのパワーPwlとの2値に変調され
た記録ビームの照射によって、メモリー膜12eの磁化
方向を変化させることができる。つまり、古い情報の上
から新たな情報を重ね書きする光変調ダイレクトオーバ
ーライト記録が可能となる。この光変調ダイレクトオー
バーライト記録方式は公知であって、既に各国で登録さ
れている(特許第2521908号公報、米国特許第
4,878,132号明細書)。
【0071】ところで、図7に示すようなMSR再生と
光変調ダイレクトオーバーライトの両方を可能とする光
磁気ディスク22では、記録ビームの低レベルのパワー
Pwlと再生ビームのパワーPr1との両者のマージン
を確保する必要がある。このため、再生中間膜12dの
組成は、面内磁化から垂直磁化へと移行する温度(図3
では、高温領域109と中温領域110との境界の温
度)が約80℃、十分に保磁力を失う温度(図3では、
低温領域200と中温領域110との境界の温度)が約
140℃となるよう調整される。これにより、再生ビー
ムのパワーPr2が記録ビームのパワー(Pwh、Pw
l)よりも十分に低くなり、両者のマージンが確保され
る。
【0072】(記録再生装置の動作)本第2実施形態に
おける録再生装置1は、第1実施形態と同様の手順(図
4参照)でこの光磁気ディスク22に対して情報の記録
・再生を行う。本第2実施形態では、記録期間(図4ス
テップ11’)に照射する記録ビームのパワーが第1実
施形態とは異なり、比較的高いパワーPwh、Pwlと
の間で変調される。これにより、光変調ダイレクトオー
バーライト記録を行う。
【0073】しかし、第1実施形態と同様、記録や再生
を行わない待機期間(図4ステップ5’の結果Noとな
る期間)には、出射光を低いパワーPoの待機ビームま
で低下させる点は第1実施形態と同じである。すなわ
ち、光変調ダイレクトオーバーライト可能なMSRのデ
ィスク(図7)からの情報再生についても、第1実施形
態と同様に特性の変化や劣化を防止して適正に行うこと
ができる。
【0074】<第3実施形態>次に、本発明に係る第3
実施形態を、図1、図6、図8に基づいて説明する。本
第3実施形態は、請求項1、請求項2、請求項4、請求
項5、請求項8、請求項9、請求項10に対応する。こ
こでは、第1実施形態との相違点についてのみ説明し、
その他の部分については説明を省略する。
【0075】図8は、パルストレイン記録方式を説明す
る図である。本第3実施形態では図1に示したLD駆動
回路15がパルストレイン記録方式により記録を行う。
パルストレイン記録方式では、記録ビームの変調のされ
方が第1実施形態と異なる。1つの記録マークを書き込
む場合について比べる。第1実施形態のLD駆動回路1
5は単一のパルスa(図6)を発生させるのに対し、第
3実施形態のLD駆動回路15はパルストレイン記録方
式に基づき複数のパルスa’(図8)を発生させてい
る。
【0076】1つの記録マークを形成する場合に高レベ
ルのパワーPwの光を照射し続けると、記録マークは光
磁気ディスク12の蓄熱作用の影響で後方になるに従っ
て太くなる傾向にある。したがって、ビームの強度を高
レベルのパワーPwとそれより低いパワーPw’との間
で変調させる。その後、蓄積の影響を遮断する低いパワ
ー(ボトムパワーPb)まで立ち下げる。これにより再
び適正な形状の記録マークによる高密度記録が実現す
る。
【0077】そして、本第3実施形態でもまた第2実施
形態と同様に、待機期間には出射光を低いパワーPoの
待機ビームに設定することで光磁気ディスク12の過熱
を防止する。ところで、LD駆動回路15が半導体レー
ザ11aに与えるべき電流の設定値の数を増やすこと
は、そのLD駆動回路15の回路構成や、そのLD駆動
回路15を制御する制御部13のプログラムが複雑化し
てしまう。
【0078】そこで、本第3実施形態では、パルストレ
イン記録方式におけるボトムパワーPbを待機ビームの
パワーPoと同じ値にする。こうすることにより、LD
駆動回路15が半導体レーザ11aに与えるべき電流値
の数を節約できるので、装置を複雑にしなくとも記録マ
ークの形状を整えた高密度記録を行うことができる。 <第4実施形態>次に、本発明に係る第4実施形態を、
図1、図3、図4、図5、図9に基づいて説明する。本
第4実施形態は、請求項1、請求項2、請求項4、請求
項5、請求項7、請求項8、請求項10に対応する。
【0079】ここでは、第1実施形態との相違点につい
てのみ説明し、その他の部分については説明を省略す
る。本第4実施形態における記録再生装置1(図1参
照)には、図3に示すMSRの技術が適用された光磁気
ディスク12の他に、MSRの技術が適用されていない
通常の光磁気ディスクも装填される。
【0080】この通常の光磁気ディスクは、光磁気ディ
スク12(図3)と異なり、MSR再生を実現するため
の磁性膜(再生膜12c)を有しない。従って、情報は
MSRのディスクよりも低い密度で記録される。また、
記録再生装置1に予め用意される待機用のパワーPoと
しては、第1実施形態と同様に、十分に小さく、かつト
ラッキングサーボおよびフォーカスサーボが可能な値が
設定される。但し、本第4実施形態では、この待機用の
パワーPoは通常の光磁気ディスクのユーザ領域から情
報を読み出すことができるという条件も満たしている。
【0081】図4において、本第4実施形態の記録再生
装置1は、光磁気ディスクが装填されてステップ1、
2’、3、4に示す初期動作を行った後、光磁気ディス
クの所定位置に予め記録されたディスク情報を読み取
る。このディスク情報には光磁気ディスクの種類を示す
情報が含まれており、これによりMSRのディスクであ
るか否かを判別することができる。なお、ディスク情報
は、比較的密度の低いピット記録により形成されてお
り、これによりパワーPoの待機ビームによって読み出
すことができる。
【0082】図4のステップ11’における記録では、
この判別の結果に応じてそれぞれのディスクに対して予
め決められた動作を行い、それぞれのディスクに適した
記録がなされる。図4のステップ11’における再生で
も、この判別の結果に応じてそれぞれのディスクに対し
予め決められた動作を行うが、両者の再生では再生ビー
ムのパワーが異なる。
【0083】即ち、装填された光磁気ディスクがMSR
のディスクである場合には、前述した第1実施形態と同
様に出射光をパワーPoの待機ビームからパワーPr1
の再生ビームに変更することによってMSR再生を行う
(図5参照)。一方、装填された光磁気ディスクが通常
の光磁気ディスクである場合には、図9に示すように、
出射光をパワーPoの待機ビームとしたまま再生を行
う。通常の光磁気ディスクの再生は、ビームスポット全
域から情報を読出す。即ち、ビームスポット内の温度分
布は再生に影響を与えない。したがって、出射光をパワ
ーPr1の再生ビームに変更しなくても情報の再生が可
能である。
【0084】以上説明したように本第4実施形態では、
待機用のパワーPoが、通常の光磁気ディスクの再生時
に照射すべき光のパワーと等しい(図9参照)。したが
って、装置内の回路構成や制御プログラムを複雑にしな
くても、装填された光磁気ディスクの種類に対応した再
生を行うことができる。なお、上記第2実施形態では光
磁気ディスク22(図3)について説明したが、光変調
オーバーライト記録可能な光磁気ディスクには、図3に
示した磁性膜のうち、中間膜12fとスイッチング膜1
2hとを有しないもの(特開昭63−268103号公
報)もある。これらについても適用することができる。
【0085】上記各実施形態ではMSR再生の光磁気デ
ィスクとしてD−RADのディスクについて説明した
が、他のMSR方式の光磁気ディスクであってもよい。
ビームスポット内における相対的に高温の領域にマスク
が形成され、同時に、相対的に低温の領域が開口となる
前方開口検出方式(FAD:Front Aperture Detectio
n)(特開平3−93056号公報)や、相対的に低温
の領域にマスクが形成され、同時に、相対的に高温の領
域が開口となる後方開口検出方式(RAD:Rear Apert
ure Detection )(特開平4−255946号公報)、
およびCAD(CAD:Central Aperture Detection)
方式等がある。
【0086】また、光磁気ディスクとしては、メモリー
膜と再生膜との間に非磁性膜または常磁性膜を設け、開
口部における情報の転写が膜間の交換結合力ではなく静
磁結合力によって行われる静磁結合型MSRの技術(請
求項3、請求項6に対応する)が適用されたものであっ
てもよい。静磁結合力は、放射状に広がる傾向があるた
め、メモリー膜に形成された記録マークが比較的小さく
とも、再生時には再生膜に拡大された磁区が転写形成さ
れる。したがって、この静磁結合型MSRの技術によれ
ば、高密度に記録された情報を、磁区の拡大により高い
SN比で再生することができる(磁区拡大再生)。
【0087】また、上記各実施形態では、光磁気ディス
クについて説明したが、光の照射により行われるのであ
れば、如何なる光ディスクからの情報再生についても同
様に過熱を防止することができる。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
種々の技術が適用された多様な光記録媒体からの情報再
生を適正に行うことができる。
【0089】特に、請求項2〜請求項6に記載の発明の
ように、過熱によって再生の特性が変化しやすいMSR
のディスクの情報再生においては、好適である。さら
に、請求項7〜請求項9に記載の発明によれば、装置内
の回路構成や制御プログラムを複雑にしなくとも適正な
再生を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録再生装置の主な構成を示す図である。
【図2】記録再生装置1に搭載される光ピックアップ1
1の主な構成を示す図である。
【図3】第1実施形態における記録再生装置1に装填さ
れる光磁気ディスク12の垂直断面図である。
【図4】第2実施形態における記録再生装置1の動作フ
ローチャートである。
【図5】再生前後における出射光のパワーの時間変化を
示す図である。
【図6】記録前後における出射光のパワーの時間変化を
示す図である。
【図7】第2実施形態における記録再生装置1に装填さ
れる光磁気ディスク22の垂直断面図である。
【図8】パルストレイン記録方式を説明する図である。
【図9】通常の光磁気ディスクについての再生前後にお
ける出射光パワーの時間変化を示す図である。
【図10】光磁気ディスクドライブ装置(再生装置)内
のディスク周辺を示す図である。
【図11】再生装置の動作フローチャートである。
【図12】MSRの技術の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1 記録再生装置 11、102 光ピックアップ 11a 半導体レーザ 11b コリメータレンズ 11c 対物レンズ 11d 偏光子 11e、11j ビームスプリッタ 11f 偏光ビームスプリッタ 11g 集光レンズ 11h、11i ディテクタ 11k 集光レンズ 11m シリンドリカルレンズ 11n アクチュエータ 12、22、101 光磁気ディスク 12a、22a 基板 12b、22b 下部保護膜 12c、22c 再生膜 12d、22d 再生中間膜 22k 切断膜 12e、22e メモリー膜 22f 中間膜 22g 記録膜 22h スイッチング膜 22i 初期化膜 12j、22j 上部保護膜 13 制御部 14 記録系 15 LD駆動回路 16 再生系 17 モータ 18 モータ駆動系 19 ピックアップ制御系 106 記録トラック 107 ビームスポット 108、109、110、200 領域 201 記録マーク

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装填された光記録媒体に光を照射する照
    射手段と、 前記光の反射光に基づいて前記光記録媒体に記録された
    情報を再生する再生手段と、 前記光の反射光に基づいて前記光記録媒体における前記
    光の照射位置または前記光の合焦状態を制御する制御手
    段と、 磁化方向による記録情報を再生する場合には、前記照射
    手段が照射する光のパワーを前記再生手段が動作可能な
    パワーである再生用のパワーに設定し、前記磁化方向に
    よる記録情報を再生しない場合には、前記再生手段が照
    射する光のパワーを前記再生用のパワーよりも低くかつ
    前記制御手段が動作可能なパワーである待機用のパワー
    に設定する設定手段とを備えたことを特徴とする光記録
    媒体の再生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光記録媒体の再生装置
    において、 前記装填された光記録媒体は、 光磁気記録媒体であり、 前記光磁気記録媒体は、 基板上に少なくとも、第1磁性膜と第2磁性膜との2つ
    の磁性膜を有し、 前記第1磁性膜には、前記再生用のパワーに設定された
    光の照射領域内の一部の領域において、第2磁性膜の磁
    化方向に応じた垂直磁化領域が形成されることを特徴と
    する光記録媒体の再生装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光記録媒体の再生装置
    において、 前記光磁気記録媒体は、 前記第1磁性膜と前記第2磁性膜との間に、非磁性膜ま
    たは常磁性膜を設け、 前記非磁性膜または常磁性膜は、前記光の照射領域内の
    一部の領域において両者の間に働く磁気的な結合力を弱
    めるか、または、実質的に遮断することを特徴とする光
    記録媒体の再生装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の光記録媒体の再生装置
    において、 前記光磁気記録媒体は、 前記第1磁性膜と前記第2磁性膜との間に、第2磁性膜
    と比べてキュリー温度が低い第3磁性膜を設けることを
    特徴とする光記録媒体の再生装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の光記録媒体の再生装置
    において、 前記光磁気記録媒体は、 前記第1磁性膜と前記第2磁性膜との間に、前記光の照
    射領域内の一部の領域においては面内磁化であり、別の
    一部の領域においては垂直磁化する第3磁性膜を設ける
    ことを特徴とする光記録媒体の再生装置。
  6. 【請求項6】 請求項2から請求項5の何れか1項に記
    載の光記録媒体の再生装置において、 前記第1磁性膜には、前記再生用のパワーに設定された
    光の照射領域内の一部の領域において、第2磁性膜の磁
    化方向に応じた垂直磁化領域が拡大されて形成されるこ
    とを特徴とする光記録媒体の再生装置。
  7. 【請求項7】 請求項2から請求項6の何れか1項に記
    載の光記録媒体の再生装置において、 前記設定手段は、 前記装填された光記録媒体を磁気超解像再生しない場合
    には、再生時、非再生時にかかわらず、前記照射手段が
    照射する光を前記再生手段が動作可能なパワーである待
    機用のパワーに設定することを特徴とする光記録媒体の
    再生装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の光記録媒体の再生装置
    において、 前記待機用のパワーは、 0.1mW〜1.6mWの範囲の何れかの値をとること
    を特徴とする光記録媒体の再生装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項8の何れか1項に記
    載の光記録媒体の再生装置において、 パルストレイン記録方式に基づき、前記照射手段が照射
    する光を前記再生用のパワーよりも低いボトムパワーを
    含む複数の値に変調することによって、前記装填された
    光記録媒体に情報を記録する記録手段を備え、 前記待機用のパワーは、 前記ボトムパワーに等しいことを特徴とする光記録媒体
    の再生装置。
  10. 【請求項10】 光記録媒体に光を照射する照射手順
    と、 前記光の反射光に基づいて前記光記録媒体に垂直磁化方
    向の形で記録された磁化情報を再生する再生手順と、 前記光の反射光に基づいて前記光記録媒体における前記
    光の照射位置または前記光の合焦状態を制御する制御手
    順と、 再生時には前記光のパワーを前記磁化情報の再生が可能
    なパワーである再生用のパワーに設定し、非動作時には
    前記光のパワーを前記再生用のパワーよりも低くかつ前
    記制御が可能なパワーである待機用のパワーに設定する
    設定手順とを有することを特徴とする光記録媒体の再生
    方法。
JP10049575A 1998-03-02 1998-03-02 光記録媒体の再生装置及びその再生方法 Pending JPH11250519A (ja)

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