JPH11246777A - 耐熱樹脂ペーストの製造方法 - Google Patents

耐熱樹脂ペーストの製造方法

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JPH11246777A
JPH11246777A JP5103698A JP5103698A JPH11246777A JP H11246777 A JPH11246777 A JP H11246777A JP 5103698 A JP5103698 A JP 5103698A JP 5103698 A JP5103698 A JP 5103698A JP H11246777 A JPH11246777 A JP H11246777A
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JP
Japan
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heat
resistant resin
bis
resin
solvent
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Application number
JP5103698A
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English (en)
Inventor
Toichi Sakata
淘一 坂田
Hiroshi Nishizawa
▲広▼ 西澤
Keizo Hirai
圭三 平井
Kenji Suzuki
健司 鈴木
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリカ微粒子や非溶解性ポリイミド微粒子な
どのフィラーを用いなくてもチキソトロピー性を発現で
き、スクリーン印刷法で空隙や気泡のない信頼性に優れ
る均一な厚膜パターンを形成でき、塵やイオン性不純物
が少なくかつ生産性に優れる耐熱樹脂ペーストの製造方
法を提供する。 【解決手段】 (I)室温及び加熱乾燥する時の温度で
(III)の溶剤に溶解する耐熱性樹脂A、(II)
(III)の溶剤に室温で溶解せず加熱乾燥する時の温
度で溶解する耐熱性樹脂B及び(III)溶剤を混合
し、加熱して溶解させ、得られた溶液を冷却することに
よって、(I)の耐熱性樹脂Aと(III)の溶剤の溶
液中に(II)の耐熱性樹脂Bの微粒子を析出、分散さ
せる耐熱樹脂ペーストの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置のLO
C用接着剤のほか、各種配線板及び半導体装置の層間絶
縁膜、保護膜、接着剤などに幅広く利用できる耐熱樹脂
ペーストの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂などの耐熱性樹脂は、耐
熱性及び機械的性質に優れていることから、エレクトロ
ニクスの分野で半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜と
してすでに広く使われている。最近、これら表面保護膜
用や層間絶縁膜用ポリイミド膜の像形成方法として露
光、現像あるいはエッチングなどの工程を行うことのな
いスクリーン印刷法が着目されている。スクリーン印刷
法にはフィラー、結合材及び溶剤を構成成分とし、チキ
ソトロピー性を持つ耐熱樹脂ペーストが使用される。こ
れまでに開発された耐熱樹脂ペーストのほとんどは、チ
キソトロピー性を付与するためのフィラーとしてシリカ
微粒子や非溶解性ポリイミド微粒子を用いているため、
加熱乾燥時にフィラー界面に多数の空隙や気泡が残留
し、膜強度が低いといった問題が指摘されている。そこ
で、これらの問題がなく、加熱乾燥時にフィラーがまず
溶解し、次いで結合材に相溶・成膜化する特殊な有機フ
ィラー(可溶型フィラー)・結合材・溶剤の組合せとす
ることによって、特性に優れたポリイミドパターンを形
成できる耐熱樹脂ペースト(例えば、特開平2−289
646号公報に記載されているもの)が開発された。一
方、上記の耐熱樹脂ペーストに用いられるシリカ微粒
子、非溶解性ポリイミド微粒子及び特殊な有機フィラー
(可溶型フィラー)を結合材と溶剤からなる溶液中に混
合して分散させる方法としては通常、ロール練りなどの
機械混練を必要とする。しかし、この方法では混練機や
混練雰囲気から塵やイオン性不純物が耐熱樹脂ペースト
に混入し易いため半導体素子などの用途には不向きであ
ること、生産性に劣ることなどの問題があった。更に特
殊な有機フィラー(可溶型フィラー)は従来ポリイミド
系樹脂溶液の希薄溶液をポリイミド系樹脂の貧溶剤中に
投入して固形微粒子を回収する再沈法によって製造され
るため工程が繁雑であり、生産性に劣るなどの問題があ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、シリ
カ微粒子や非溶解性ポリイミド微粒子などのフィラーを
用いなくてもチキソトロピー性を発現でき、スクリーン
印刷法で空隙や気泡のない信頼性に優れる均一な厚膜パ
ターンを形成でき、塵やイオン性不純物が少なくかつ生
産性に優れる耐熱樹脂ペーストの製造方法を提供するこ
とにある。
【0004】本発明の他の目的は、上記の目的に加え
て、耐熱性により優れる耐熱樹脂ペーストの製造方法を
提供することにある。
【0005】本発明の他の目的は、上記の目的に加え
て、溶剤の安定性、溶剤に対するフィラー用耐熱性樹脂
の溶解性、生産性により優れる耐熱樹脂ペーストの製造
方法を提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、上記の目的に加え
て、結合材用耐熱性樹脂に対するフィラー用耐熱性樹脂
の相溶性、チキソトロピー性、薄膜形成性により優れる
耐熱樹脂ペーストの製造方法を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、上記の目的に加え
て、印刷性、解像性により優れる耐熱樹脂ペーストの製
造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(I)室温及
び加熱乾燥する時の温度で(III)の溶剤に溶解する
耐熱性樹脂A、(II)(III)の溶剤に室温で溶解
せず加熱乾燥する時の温度で溶解する耐熱性樹脂B及び
(III)溶剤を混合し、加熱して溶解させ、得られた
溶液を冷却することによって、(I)の耐熱性樹脂Aと
(III)の溶剤の溶液中に(II)の耐熱性樹脂Bの
微粒子を析出、分散させることを特徴とする耐熱樹脂ペ
ーストの製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の(I)の室温及び加熱乾
燥する時の温度で(III)の溶剤に溶解する耐熱性樹
脂Aとしては、スクリーン印刷等により耐熱樹脂ペース
ト膜を形成し、加熱乾燥して膜パターンを形成する際
に、加熱乾燥後に(II)の耐熱性樹脂Bと均一相が形
成されるものを用いることが好ましい。すなわち加熱乾
燥する時の温度で溶剤によく溶解し、加熱乾燥する時の
温度で耐熱性樹脂Bによく相溶するものを用いることが
好ましい。具体的には例えばアミド基、イミド基、エス
テル基又はエーテル基を有する耐熱性樹脂を用いること
が好ましい。更に、具体的には、ポリイミド樹脂、ポリ
アミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリエーテル樹脂等がある。ポリイミド樹脂及びポ
リアミドイミド樹脂については、その前駆体であるポリ
アミド酸又はその一部イミド化樹脂を使用してもよい。
耐熱性を考慮すると耐熱性樹脂Aの1%熱重量減少温度
が250℃以上であるものが好ましい。300℃以上で
あるものがより好ましく、350℃以上であるものが特
に好ましい。250℃未満であると高温での熱処理工程
時、例えばワイヤーボンディング時にアウトガスが発生
し易く、半導体装置の信頼性が得にくい。熱重量減少温
度は、セイコー電子工業株式会社製TG−DTA300
型を用いて、空気中、昇温速度10℃/minで測定す
ることができる。サンプル量は10mgとすることが好
ましい。合成のし易さ、耐熱性、ペーストの保存安定性
を考慮するとポリイミド樹脂を用いることがより好まし
い。
【0010】ポリイミド樹脂としては、耐熱性の点か
ら、例えば芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジ
アミンとを反応させて得られるものを用いることが好ま
しい。
【0011】芳香族テトラカルボン酸二無水物として
は、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカル
ボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス
(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、
1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン
二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタ
ン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メ
タン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
スルホン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラ
カルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−
テトラカルボン酸二無水物、3,4,3′,4′−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2′,
3′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,
3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、2,6−ジクロルナフタレン−1,4,
5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロル
ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水
物、2,3,6,7−テトラクロルナフタレン−1,
4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレ
ン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二
無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メチル
フェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベン
ゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロヘキ
サン二無水物、p−フェニルビス(トリメリット酸モノ
エステル酸無水物)、2,2−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,
2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フ
ェニル]ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビ
ス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニ
ル]プロパン二無水物、4,4−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、
1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロ
ピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、1,3
−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)
ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、1,2−(エ
チレン)ビス(トリメリテート二無水物)、1,3−
(トリメチレン)ビス(トリメリテート二無水物)、
1,4−(テトラメチレン)ビス(トリメリテート二無
水物)、1,5−(ペンタメチレン)ビス(トリメリテ
ート二無水物)、1,6−(ヘキサメチレン)ビス(ト
リメリテート二無水物)、1,7−(ヘプタメチレン)
ビス(トリメリテート二無水物)、1,8−(オクタメ
チレン)ビス(トリメリテート二無水物)、1,9−
(ノナメチレン)ビス(トリメリテート二無水物)、
1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート二無
水物)、1,12−(ドデカメチレン)ビス(トリメリ
テート二無水物)、1,16−(ヘキサデカメチレン)
ビス(トリメリテート二無水物)、1,18−(オクタ
デカメチレン)ビス(トリメリテート二無水物)などが
あり、これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用し
てもよい。
【0012】上記芳香族テトラカルボン酸二無水物に
は、目的に応じて芳香族テトラカルボン酸二無水物以外
のテトラカルボン酸二無水物を芳香族テトラカルボン酸
二無水物の50モル%を超えない範囲で用いることがで
きる。このようなテトラカルボン酸二無水物としては、
例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、ピラジン−
2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフェ
ン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、デカ
ヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸
二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7
−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカ
ルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−
テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,
5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シク
ロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(エキソ−ビ
シクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸
無水物)スルホン、ビシクロ−(2,2,2)−オクト
(7)−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無
水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−
3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テト
ラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
【0013】芳香族ジアミンとしては、例えば、o−フ
ェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェ
ニレンジアミン、3,3′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′
−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジ
フェニルメタン、3,4′−ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−
ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4′−ジア
ミノジフェニルジフルオロメタン、3,3′−ジアミノ
ジフェニルスルホン、3,4′−ジアミノジフェニルス
ルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,
3′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4′−ジア
ミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェ
ニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェニルケト
ン、3,4′−ジアミノジフェニルケトン、4,4′−
ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(3−アミノ
フェニル)プロパン、2,2−(3,4′−ジアミノジ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、2,2−(3,4′−ジアミノ
ジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,
3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3′−
[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]
ビスアニリン、3,4′−[1,4−フェニレンビス
(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4′−
[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]
ビスアニリン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス
[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフル
オロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィ
ド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ス
ルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルホン、1,2−ジアミノ−4−カルボキシベン
ゼン、1,3−ジアミノ−5−カルボキシベンゼン、
1,3−ジアミノ−4−カルボキシベンゼン、1,4−
ジアミノ−6−カルボキシベンゼン、1,5−ジアミノ
−6−カルボキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6
−ジカルボキシベンゼン、1,2−ジアミノ−3,5−
ジカルボキシベンゼン、4−(3,5−ジアミノフェノ
キシ)安息香酸、3−(3,5−ジアミノフェノキシ)
安息香酸、2−(3,5−ジアミノフェノキシ)安息香
酸、3,3′−ジカルボキシ−4,4′−ジアミノビフ
ェニル、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジカルボキシ
ビフェニル、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−アミ
ノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ
−3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス
(4−カルボキシ−3−アミノフェニル)ケトン、ビス
(4−カルボキシ−3−アミノフェニル)スルフィド、
ビス(4−カルボキシ−3−アミノフェニル)エーテ
ル、ビス(4−カルボキシ−3−アミノフェニル)スル
ホン、ビス(4−カルボキシ−3−アミノフェニル)メ
タン、4−[(2,4−ジアミノ−5−ピリミジニル)
メチル]安息香酸、p−(3,6−ジアミノ−s−トリ
アジン−2−イル)安息香酸、ビス(4−カルボキシ−
3−アミノフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス
(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−カル
ボキシフェニル)ケトン、ビス(4−アミノ−3−カル
ボキシフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノ−3−
カルボキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3
−カルボキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−
3−カルボキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−
3−カルボキシフェニル)ジフルオロメタン、1,2−
ジアミノ−4−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ
−5−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4−ヒ
ドロキシベンゼン、1,4−ジアミノ−6−ヒドロキシ
ベンゼン、1,5−ジアミノ−6−ヒドロキシベンゼ
ン、1,3−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシベンゼ
ン、1,2−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼ
ン、4−(3,5−ジアミノフェノキシ)フェノール、
3−(3,5−ジアミノフェノキシ)フェノール、2−
(3,5−ジアミノフェノキシ)フェノール、3,3′
−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,
3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロ
キシ−3−アミノフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロ
キシ−3−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−アミノフェニル)エーテル、ビス(4−
ヒドロキシ−3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4
−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)メタン、4−
[(2,4−ジアミノ−5−ピリミジニル)メチル]フ
ェノール、p−(3,6−ジアミノ−s−トリアジン−
2−イル)フェノール、ビス(4−ヒドロキシ−3−ア
ミノフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−
アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフ
ェニル)ケトン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフ
ェニル)スルフィド、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキ
シフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−ヒドロ
キシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒド
ロキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−ヒド
ロキシフェニル)ジフルオロメタン、
【0014】
【化1】 などがあり、これら2種以上を併用してもよい。
【0015】ポリイミド樹脂の製造において、ジアミン
化合物として、上記芳香族ジアミン以外に、例えば、
1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、
1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、
1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタ
ン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナ
ン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウ
ンデカン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラ
メチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピ
ル)テトラメチルポリシロキサン等の脂肪族ジアミン、
ジアミノシロキサンなどの芳香族ジアミン以外のジアミ
ン化合物を使用することができるが、耐熱性の観点か
ら、ジアミン化合物の総量に対して、50重量%以下で
使用することが好ましい。
【0016】本発明において用いられるポリイミド樹脂
の製造において、芳香族テトラカルボン酸二無水物とジ
アミン化合物とは、ほぼ当モルで反応させることが膜特
性の点で好ましい。
【0017】反応の終点制御をし易くし、所望分子量の
ポリイミド樹脂を得るために、酸成分とアミン成分のい
ずれかの成分の配合モル比を少過剰(1.01〜1.1
0程度)に用いることも好ましい。あるいは酸成分とア
ミン成分の末端封鎖剤として例えば無水マレイン酸、無
水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等のジカルボン
酸無水物、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸一
無水物、アニリン、ベンジルアミン等のモノアミンを酸
成分又はアミン成分のいずれかの成分1モルに対して
0.01〜0.10モル用いることが好ましい。
【0018】本発明において用いられるポリイミド樹脂
の分子量は、数平均分子量で5,000〜80,000
であることが好ましい。5,000未満であると機械特
性が低下する傾向にあり、80,000を超えると合成
中の溶液粘度が上がり過ぎるため作業性が低下する傾向
にある。
【0019】数平均分子量は、分子量既知のポリスチレ
ンを検量線とするゲルパーミエイションクロマトグラフ
ィー法により求めたポリスチレン換算値である。例え
ば、以下の条件で測定することができる。下記の実施例
は、下記の条件により測定したものである。 装置:日立655A型 カラム:日立化成工業社製 Gelpak GL−S3
00 MDT−S(300mm×8mmφ)2本 溶離液:テトラヒドロフラン/ジメチルホルムアミド=
1/1(容量) H3PO4(0.06モル/リットル)/LiBr・H2
O(0.03モル/リットル) 流量:1ml/分 検出器:UV(270nm) 芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の反
応は、有機溶媒中で行う。有機溶媒としては、例えば、
N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルホルムアミド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−
テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素化合物、スル
ホラン、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物、γ−ブ
チロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクト
ン、γ−ヘプタラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラ
クトン、ε−カプロラクトン等のラクトン類、ジオキサ
ン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコール
ジメチル(又はジエチル、ジプロピル、ジブチル)エー
テル、トリエチレングリコールジメチル(又はジエチ
ル、ジプロピル、ジブチル)エーテル、テトラエチレン
グリコールジメチル(又はジエチル、ジプロピル、ジブ
チル)エーテル等のエーテル類、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフ
ェノン等のケトン類、ブタノール、オクチルアルコー
ル、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリ
コールモノメチル(又はモノエチル)エーテル、トリエ
チレングリコールモノメチル(又はモノエチル)エーテ
ル、テトラエチレングリコールモノメチル(又はモノエ
チル)エーテル等のアルコール類、フェノール、クレゾ
ール、キシレノール等のフェノール類、酢酸エチル、酢
酸ブチル、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソ
ルブアセテート等のエステル類、トルエン、キシレン、
ジエチルベンゼン、シクロヘキサン等の炭化水素類、ト
リクロロエタン、テトラクロロエタン、モノクロロベン
ゼン等のハロゲン化炭化水素類などが用いられる。
【0020】これらは単独又は混合して用いられる。溶
解性、低吸湿性、低温硬化性、環境安全性等を考慮する
とラクトン類、エーテル類、ケトン類を用いることが好
ましい。
【0021】反応温度は80℃以下、好ましくは0〜5
0℃で行う。反応が進行するにつれ反応液は徐々に増粘
する。この場合、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリア
ミド酸が生成する。
【0022】ポリイミド樹脂は、上記反応物(ポリイミ
ド前駆体)を脱水閉環して得られる。脱水閉環は、12
0℃〜250℃で熱処理する方法(熱イミド化)や脱水
剤を用いて行う方法(化学イミド化)で行うことができ
る。120℃〜250℃で熱処理する方法の場合、脱水
反応で生じる水を系外に除去しながら行うことが好まし
い。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン等を用いて
水を共沸除去してもよい。
【0023】脱水剤を用いて脱水閉環を行う方法は、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合
物などを用いるのが好ましい。このとき必要に応じてピ
リジン、イソキノリン、トリメチルアミン、アミノピリ
ジン、イミダゾール等の脱水触媒を用いてもよい。脱水
剤又は脱水触媒は、芳香族テトラカルボン酸二無水物1
モルに対し、それぞれ1〜8モルの範囲で用いることが
好ましい。
【0024】製造工程数を低減し、経済性を高めるため
には120℃〜250℃で熱処理する方法(熱イミド
化)が好ましい。
【0025】本発明におけるポリアミドイミド樹脂ある
いはその前駆体は、前記ポリイミド樹脂又はその前駆体
の製造において、芳香族テトラカルボン酸二無水物の一
部又は全部の代わりに、トリメリット酸無水物又はトリ
メリット酸無水物のクロライド等のトリメリット酸無水
物誘導体などの3価のトリカルボン酸無水物又はその誘
導体を使用することにより製造することができる。ま
た、芳香族ジアミンの代わりに芳香族ジイソシアネート
を使用して製造することもできる。使用できる芳香族ジ
イソシアネートとしては、前記芳香族ジアミンとホスゲ
ン又は塩化チオニルを反応させて得られるべき化合物で
ある。
【0026】また、本発明におけるポリアミドイミド樹
脂としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物とイソフ
タル酸ジヒドラジドを必須成分として含有するジアミン
化合物とを反応させて得られるポリアミドイミド樹脂が
好ましく用いられる。芳香族テトラカルボン酸二無水物
及びイソフタル酸ジヒドラジド以外のジアミン化合物と
しては前記のものが用いられる。イソフタル酸ジヒドラ
ジドのジアミン化合物中のモル比は1〜100モル%と
することが好ましい。1モル%未満では、本発明の樹脂
ペーストを半導体装置の接着剤として用いたときに封止
材に対する耐溶解性が低下する傾向にあり、イソフタル
酸ヒドラジドの含有量が多いと本発明の樹脂ペーストか
ら形成される接着剤層の耐湿性が低下する傾向にあるの
で10〜80モル%がより好ましく、20〜70モル%
が特に好ましい。このポリアミドイミド樹脂は芳香族テ
トラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との配合比、
使用有機溶媒、合成法などを前記ポリイミド樹脂の合成
と同様にして得ることができる。
【0027】本発明におけるポリアミド樹脂は、テレフ
タル酸、イソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン
酸、これらのジクロライド、無水物などの誘導体と前記
した配合の芳香族ジアミン又は芳香族ジイソシアネート
を反応させることにより製造することができる。
【0028】本発明における(II)の(III)の溶
剤に室温で溶解せず加熱乾燥する時の温度で溶解する耐
熱性樹脂Bは、ペーストにチキソトロピー性を付与する
ために使用される。(I)の耐熱性樹脂Aが溶剤に室温
で可溶性のものが使用されるのに対して、耐熱性樹脂B
は室温で(III)の溶剤に溶解しないものが使用され
るが、両者とも加熱乾燥する時の温度では、それぞれの
溶剤に溶解する性質を有するものである。
【0029】また、本発明の耐熱樹脂ペーストを加熱乾
燥して得られる膜の均一性、機械特性の観点から耐熱性
樹脂Aと耐熱性樹脂Bは加熱乾燥後には相溶性を有する
ものであることが好ましく、特に、加熱乾燥後は耐熱性
樹脂Aと耐熱性樹脂Bが均一相を形成することが好まし
い。この均一相は、加熱乾燥後に残存する有機溶剤を含
んでいてもよい。
【0030】耐熱性樹脂Bとしては、アミド基、イミド
基、エステル基又はエーテル基を有する耐熱性樹脂を用
いることが好ましい。該耐熱性樹脂としては、耐熱性と
機械特性の観点から好ましくはポリイミド樹脂若しくは
その前駆体、あるいはポリアミドイミド樹脂若しくはそ
の前駆体、又はポリアミド樹脂が用いられる。
【0031】前記ポリイミド樹脂若しくはその前駆体、
あるいはポリアミドイミド樹脂若しくはその前駆体、又
はポリアミド樹脂としては、前記に例示したポリイミド
樹脂又はその前駆体、ポリアミドイミド樹脂又はその前
駆体、あるいはポリアミド樹脂の中から選択して使用さ
れる。
【0032】このようにして例示される耐熱性樹脂B
は、微粒子の状態で本発明における耐熱樹脂ペーストの
溶剤に加熱乾燥前には不溶性のものが選択して使用され
る。
【0033】本発明に用いられる(III)の溶剤とし
ては、例えば「溶剤ハンドブック」(講談社、1976
年刊行)の143〜852頁に掲載されている溶剤が用
いられる。例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルア
セトアミド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル
−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミ
ジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の
含窒素化合物、スルホラン、ジメチルスルホキシド等の
硫黄化合物、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクト
ン、γ−カプロラクトン、γ−ヘプタラクトン、α−ア
セチル−γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等の
ラクトン類、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、
ジエチレングリコールジメチル(又はジエチル、ジプロ
ピル、ジブチル)エーテル、トリエチレングリコールジ
メチル(又はジエチル、ジプロピル、ジブチル)エーテ
ル、テトラエチレングリコールジメチル(又はジエチ
ル、ジプロピル、ジブチル)エーテル等のエーテル類、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカ
ーボネート類、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン
類、ブタノール、オクチルアルコール、エチレングリコ
ール、グリセリン、ジエチレングリコールモノメチル
(又はモノエチル)エーテル、トリエチレングリコール
モノメチル(又はモノエチル)エーテル、テトラエチレ
ングリコールモノメチル(又はモノエチル)エーテル等
のアルコール類、フェノール、クレゾール、キシレノー
ル等のフェノール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチル
セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等
のエステル類、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼ
ン、シクロヘキサン等の炭化水素類、トリクロロエタ
ン、テトラクロロエタン、モノクロロベンゼン等のハロ
ゲン化炭化水素類などが用いられる。これらは単独又は
混合して用いられる。
【0034】溶剤の沸点はスクリーン印刷時のペースト
の可使時間を考慮すると100℃以上、特に150〜3
00℃であることが好ましい。また、溶剤はペーストの
吸湿安定性を考慮すると非含窒素系溶剤、例えば、γ−
ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラク
トン、γ−ヘプタラクトン、α−アセチル−γ−ブチロ
ラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン類、ジオキ
サン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコー
ルジメチル(又はジエチル、ジプロピル、ジブチル)エ
ーテル、トリエチレングリコールジメチル(又はジエチ
ル、ジプロピル、ジブチル)エーテル、テトラエチレン
グリコールジメチル(又はジエチル、ジプロピル、ジブ
チル)エーテル等のエーテル類、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート等のカーボネート類、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン、アセトフェノン等のケトン類を用いることが好
ましい。
【0035】本発明における(II)の耐熱性樹脂Bと
(III)の溶剤の組合せとしては、表1に示すものを
例示することができる。これらは本発明の実施態様を示
す一例であり、特にこれらに制限されるものではない。
溶剤の安定性、溶剤に対する耐熱性樹脂Bの溶解性、生
産性を考慮すると耐熱性樹脂Bがビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)エーテル二無水物を50モル%以上含
有する芳香族テトラカルボン酸二無水物と2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを
50モル%以上含有する芳香族ジアミンとを反応させて
得られる芳香族ポリイミド樹脂であり、溶剤がγ−ブチ
ロラクトンである組合せが溶剤の安定性、溶剤に対する
耐熱性樹脂Bの溶解性、生産性の点から好ましく用いら
れる。上記の組み合わせの耐熱樹脂ペーストの加熱乾燥
温度は通常50〜35℃であり、この範囲内で低温から
高温へ段階的に昇温することが好ましい。
【0036】
【表1】 また、(I)の耐熱性樹脂Aと(II)の耐熱性樹脂B
とは相溶する性質をもつものが好ましく用いられる。具
体的には、好ましくは(I)の耐熱性樹脂Aと(II)
の耐熱性樹脂Bとの溶解性パラメータの差が2.0以
下、より好ましくは1.5以下である組合せのものが用
いられる。ここで、溶解性パラメータは、Polym.
Eng.Sci.,Vol.14の147〜154頁に
記載されているFedorsの方式に準じて計算される
値[単位:(MJ/m31/2]である。
【0037】本発明において、(I)の耐熱性樹脂A、
(II)の耐熱性樹脂B及び(III)の溶剤を混合
し、これを加熱溶解した溶液を冷却することによって、
(I)の耐熱性樹脂Aと(III)の溶剤の溶液中に
(II)の耐熱性樹脂Bの微粒子を析出、分散させる。
【0038】加熱溶解する温度は、(I)〜(III)
の混合物がほぼ均一透明な溶液となる条件であれば特に
制限はないが、通常攪拌下、80℃〜250℃で行うこ
とが好ましい。溶解に要する時間は適宜であるが0.1
〜5時間、好ましくは1〜5時間である。次いで加熱溶
解した溶液を冷却する条件は、(II)の耐熱性樹脂B
が(I)の耐熱性樹脂Aと(III)の溶剤との混合溶
液中で微粒子化し析出、分散する条件であれば特に制限
はないが、通常加熱溶解した温度未満の−20℃〜10
0℃であって、攪拌下又は静置下で1時間〜60日間放
置する条件で行うことが好ましい。短時間で微粒子化す
る冷却条件として攪拌下0℃〜80℃の一定温度下で5
〜80時間放置する条件で行うことがより好ましい。加
熱溶解した温度から−20℃〜100℃に冷却する速度
は任意でよいが、急激な冷却は析出する微粒子の凝集を
生じやすいので通常は攪拌下、0.1〜10℃/min
の速度で冷却することが好ましい。製造雰囲気は、乾燥
させた窒素ガスなどの不活性雰囲気下で行うことが好ま
しい。
【0039】本発明における耐熱樹脂ペーストの製造方
法は、(II)の耐熱性樹脂Bの微粒子が(I)の耐熱
性樹脂Aと(III)の溶剤との均一溶液中から直接析
出し微粒子化するので、従来法の例えば樹脂溶液から回
収した粉末を機械粉砕する方法、樹脂溶液を貧溶媒に加
えながら高せん断下に微粒子化する方法、樹脂溶液の噴
霧油滴を乾燥して微粒子を得る方法などにより微粒子を
一度固形粉末として回収し、これをロール練り、ボール
ミル練りなどの機械混練で耐熱性樹脂組成物中に微粒子
を分散させる方法に比べて簡便なプロセスで、低コスト
で、かつイオン性不純物濃度を低く製造できる点で優れ
ている。
【0040】本発明の(I)の耐熱性樹脂A、(II)
の耐熱性樹脂Bと(III)の溶剤の配合割合は(I)
の耐熱性樹脂A100重量部に対して、(II)の耐熱
性樹脂Bを10〜300重量部、(III)の溶剤を5
0〜3,000重量部とすることが好ましく、(II)
の耐熱性樹脂Bを20〜200重量部、(III)の溶
剤を75〜2,000重量部とすることがより好まし
く、(II)の耐熱性樹脂Bを20〜200重量部、
(III)の溶剤を100〜1,000重量部とするこ
とが特に好ましい。(II)の耐熱性樹脂Bの量が10
重量部未満であるとスクリーン印刷する際のチキソトロ
ピー性が不足し、印刷性が損なわれる傾向にある。ま
た、300重量部を超えるとペーストの流動性が損なわ
れるので印刷性が低下する傾向がある。(III)の溶
剤の量が50重量部未満であるとペーストの流動性が損
なわれるので印刷性が低下する傾向がある。また、3,
000重量部を超えるとペーストの粘度が低くなるので
厚膜形成がしにくくなり、解像性が損なわれる傾向にあ
る。
【0041】また、本発明において、(I)の耐熱性樹
脂Aと(III)の溶剤の溶液中に(II)の耐熱性樹
脂Bを構成する原材料を仕込み、溶解した後(I)の耐
熱性樹脂Aと(III)の溶剤の溶液中で(II)の耐
熱性樹脂Bが析出しない温度で反応させ、耐熱性樹脂B
を合成し、次いで冷却することによって、(I)の耐熱
性樹脂Aと(III)の溶剤の溶液中に(II)の耐熱
性樹脂Bの微粒子を析出、分散させることも好ましい方
法である。(II)の耐熱性樹脂Bを構成する原材料と
しては、前記したものが用いられる。
【0042】また、本発明において、(II)の耐熱性
樹脂Bと(III)の溶剤の溶液中に(I)の耐熱性樹
脂Aを構成する原材料を仕込み、溶解した後(II)耐
熱性樹脂Bと(III)の溶剤の溶液中で(II)の耐
熱性樹脂Bの微粒子が析出しない温度で反応させ、耐熱
性樹脂Aを合成し、次いで冷却することによって、
(I)の耐熱性樹脂Aと(III)の溶剤の溶液中に
(II)の耐熱性樹脂Bの微粒子を析出、分散させるこ
とも好ましい方法である。(I)の耐熱性樹脂Aを構成
する原材料としては、前記したものが用いられる。
【0043】これらの方法によれば耐熱樹脂ペーストを
一つの反応容器で一貫して製造することができるので工
程を簡略化できると共に作業環境からの塵などの異物混
入をより低減できる。
【0044】本発明において(II)の耐熱性樹脂Bの
微粒子は、ペーストにチキソトロピー性を付与するため
に使用される。(II)の耐熱性樹脂Bの微粒子の最大
粒子径は、耐熱性樹脂Aに対する耐熱性樹脂Bの相溶
性、チキソトロピー性、薄膜形成性を考慮すると、最大
粒子径を10μm以下に析出、分散させることが好まし
く、0.05〜5μmに析出、分散させることが特に好
ましい。最大粒子径が0.05μm未満であると少量の
微粒子の含有量でペーストのチキソトロピー性が著しく
増大するため耐熱性樹脂Bの微粒子のペースト中の含有
量が低くなり樹脂分濃度を上げにくくなる。粒子径の制
御は、例えば、粒子を析出させるときの撹拌速度と温度
により制御することができる。撹拌速度が大きいほど粒
子径が小さくなり、温度が高いほど粒子径が小さくな
る。温度は室温から100℃の間で耐熱性樹脂Bが析出
する適宜の温度が選択されることが好ましい。
【0045】本発明における耐熱樹脂ペーストは、スク
リーン印刷性を付与するためにチキソトロピー係数が
1.5以上となるようにすることが好ましい。チキソト
ロピー係数が1.5未満であると十分な印刷性、解像性
が得られにくい。チキソトロピー係数は2.0〜5.0
がより好ましい。5.0を超えると転写性が低下する傾
向にある。また、粘度は10Pa・s〜500Pa・s
とすることが好ましい。10Pa・s未満では十分な膜
厚及び解像性が得られにくく、500Pa・sを超える
と転写性、印刷作業性が低下する傾向にある。50Pa
・s〜400Pa・sがより好ましく、100Pa・s
〜400Pa・sが特に好ましい。ここで、チキソトロ
ピー係数はE型粘度計(東京計器社製、EHD−U型)
を用いて試料量0.4g、測定温度25℃で測定した、
回転数1rpmと10rpmのみかけ粘度η1とη10
比、η1/η10として表される。粘度は、回転数0.5
rpmのみかけ粘度η0.5で表される。粘度の制御は、
例えば、樹脂ペーストの固形分濃度、耐熱性樹脂Bの量
により制御することができる。これらがそれぞれ大きい
ほど粘度が大きくなる。
【0046】本発明により得られる耐熱樹脂ペースト
は、所望により(I)の耐熱性樹脂Aと(III)の溶
剤の溶液中に(II)の耐熱性樹脂Bの微粒子を分散さ
せたペースト化後にヒドロキシル基又はカルボキシル基
と化学的に結合し得る官能基を有する橋架け剤をペース
ト100重量部に対して1〜30重量部添加できる。ヒ
ドロキシル基又はカルボキシル基と化学的に結合し得る
官能基を有する橋架け剤としては、その化合物分子中に
2個以上の官能基を有し、そのうち少なくとも1個は前
記分子主鎖内にヒドロキシル基又はカルボキシル基を有
する耐熱性樹脂と反応し、残りの官能基は前記分子主鎖
内にヒドロキシル基又はカルボキシル基を有する耐熱性
樹脂と反応するか官能基同士で反応するものを用いるこ
とが好ましい。かかる2個以上の官能基を有する限り、
その分子構造、分子量などに特に制限はない。このよう
なヒドロキシル基と反応性の官能基としては、例えばエ
ポキシ基、イソシアナート基、メチロール基などが挙げ
られる。カルボキシル基と反応性の官能基としては、例
えばエポキシ基、アミノ基、ビニル基、オキサゾリン基
などが挙げられる。官能基同士で反応する基としては、
メトキシシラン基、エトキシシラン基などが挙げられ
る。耐熱樹脂ペーストの硬化物にゆるやかな橋架け構造
をもたせることができ、耐熱樹脂ペーストの保存安定性
に優れるカップリング剤が橋架け剤として好ましく用い
られる。カップリング剤としては、例えばシランカップ
リング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム
系カップリング剤などが挙げられる。シランカップリン
グ剤がより好ましく用いられる。
【0047】シランカップリング剤としては、例えばγ
−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
ビニルトリアセトキシシラン、γ−アニリノプロピルト
リメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ウレイド
プロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルメチレンジメトキシシランなどが挙げられる。
【0048】分子主鎖内にヒドロキシル基を有する耐熱
性樹脂に対して分子内にエポキシ基とメトキシシラン基
を持つシランカップリング剤用いることが好ましく、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いるこ
とがより好ましい。このような組合せから得られる耐熱
樹脂ペーストは加熱硬化物がゆるやかな橋架け構造をも
つため、樹脂封止型半導体装置に用いる場合に封止材の
成形温度下で封止材構成樹脂に溶解せず耐はんだリフロ
ー性に優れる。更に半導体チップ又はリードフレームと
の高度な接着性(特に熱圧着性)を兼ね備える。
【0049】本発明により得られる耐熱樹脂ペースト
は、所望により消泡剤、顔料、染料、無機フィラー、可
塑剤、酸化防止剤などを併用できる。
【0050】本発明により得られる耐熱樹脂ペースト
は、電子材料用途に適用する場合、イオン性不純物、α
線源物質の含量は極力少なくすることが好ましい。
【0051】本発明により得られる耐熱樹脂ペースト
は、半導体装置のLOC用接着剤のほか、各種配線板及
び半導体装置の層間絶縁膜、保護膜、接着剤などに幅広
く利用でき、工業的に極めて有用である。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらにより制限されるものではない。
【0053】実施例1 攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及び油水分離器付き冷
却管を備えた1,000mlの四つ口フラスコに2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロ
パン(以下、BAPPと略す)65.69g(0.16
モル)、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホ
ン二無水物(以下、DSDAと略す)143.22g
(0.40モル)、イソフタル酸ジヒドラジド38.8
4g(0.20モル)、1,3−ビス(3−アミノプロ
ピル)テトラメチルジシロキサン9.93g(0.04
モル)及びγ−ブチロラクトン478gを窒素ガスを通
しながら仕込んだ。攪拌下、50〜60℃で1時間反応
を進めた後、195℃に昇温し、同温度で反応を進め、
数平均分子量が27,000(ポリスチレン換算値)に
なった時点で冷却して反応を止めた。途中、留出する水
を反応系外にすみやかに除去した。得られた溶液をγ−
ブチロラクトンで希釈して樹脂分濃度30重量%のポリ
アミドイミド樹脂(耐熱性樹脂A)溶液を得た。
【0054】攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及び油水
分離器付き冷却管を備えた1,000mlの四つ口フラ
スコにBAPP102.64g(0.25モル)、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物
(以下、ODPAと略す)77.55g(0.25モ
ル)及びγ−ブチロラクトン335gを窒素ガスを通し
ながら仕込んだ。攪拌下、50〜60℃で1時間反応を
進めた後、195℃に昇温し、同温度で反応を進め、数
平均分子量が28,000(ポリスチレン換算値)にな
った時点で冷却して反応を止めた。途中、留出する水を
反応系外にすみやかに除去した。これをγ−ブチロラク
トンで希釈して樹脂分濃度30重量%のフィラー用ポリ
イミド樹脂(耐熱性樹脂B)溶液を得た。
【0055】攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及び冷却
管を備えた1,000mlの四つ口フラスコに合成直後
の上記フィラー用ポリイミド樹脂溶液(樹脂分濃度30
重量%)200gと上記ポリアミドイミド樹脂溶液(樹
脂分濃度30重量%)466.67gを加えて混合し、
180℃で1時間攪拌を続け均一透明な溶液とした。約
1時間で23℃に冷却したものをそのまま23℃で1ヶ
月放置したところ溶液中にポリイミド樹脂微粒子が析
出、分散した。このものをγ−ブチロラクトンで希釈し
て粘度380Pa・s、チキソトロピー係数(以下、T
I値と呼ぶ)2.5のポリイミド系樹脂ペーストを得
た。回収したポリイミド樹脂微粒子は最大粒子径5μm
以下、γ−ブチロラクトンに室温では不溶で150℃で
は可溶であった。
【0056】上記ポリイミド系樹脂ペーストをガラス板
(厚さ約2mm)上に加熱乾燥後の厚さが20μmにな
るようにバーコータ塗布し、140℃で15分間、20
0℃で15分間、更に300℃で60分間加熱処理して
ポリイミド樹脂硬化膜付きガラス板を得た。硬化膜はほ
ぼ均一透明であり、ポリイミド系樹脂ペースト中のポリ
イミド樹脂(耐熱性樹脂B)の微粒子が硬化過程でγ−
ブチロラクトンに溶解し、更にポリアミドイミド樹脂
(耐熱性樹脂A)と相溶していることを示した。
【0057】実施例2 実施例1において、ジアミン成分のBAPPとイソフタ
ル酸ジヒドラジドとの混合物をイソフタル酸ジヒドラジ
ドを使用しないBAPP147.8g(0.36モル)
単独に変えた以外は、実施例1と同様にして合成して数
平均分子量が28,000(ポリスチレン換算値)のポ
リイミド樹脂(耐熱性樹脂A)の溶液を得た。
【0058】攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及び油水
分離器付き冷却管を備えた1,000mlの四つ口フラ
スコにBAPP102.64g(0.25モル)、OD
PA77.55g(0.25モル)及びγ−ブチロラク
トン335gを窒素ガスを通しながら仕込んだ。攪拌
下、50〜60℃で1時間反応を進めた後、195℃に
昇温し、同温度で反応を進め、数平均分子量が28,0
00(ポリスチレン換算値)になった時点で冷却して反
応を止めた。途中、留出する水を反応系外にすみやかに
除去した。これをγ−ブチロラクトンで希釈して樹脂分
濃度30重量%とし、引き続き23℃に冷却して1ヶ月
放置したところ溶剤を含む固形のフィラー用ポリイミド
樹脂(耐熱性樹脂B)溶液を得た。
【0059】攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及び冷却
管を備えた1,000mlの四つ口フラスコに砕いて粒
状にした上記固形のフィラー用ポリイミド樹脂(樹脂分
濃度30重量%)200gと上記のポリイミド樹脂(耐
熱性樹脂A)溶液466.67gを加えて混合し、18
0℃で1時間攪拌を続け均一透明な溶液とした。次いで
約1時間で50℃に冷却し、そのまま50℃で3日間攪
拌したところ溶液中にポリイミド樹脂微粒子が析出、分
散した。これをγ−ブチロラクトンで希釈し粘度280
Pa・s、TI値2.8のポリイミド樹脂ペーストを得
た。回収したポリイミド樹脂微粒子は最大粒子径5μm
以下、γ−ブチロラクトンに室温では不溶で150℃で
は可溶であった。
【0060】上記ポリイミド樹脂ペーストを用いて実施
例1と同様にしてポリイミド樹脂硬化膜付きガラス板を
得た。硬化膜はほぼ均一透明であり、ポリイミド樹脂ペ
ースト中のポリイミド樹脂微粒子が硬化過程でγ−ブチ
ロラクトンに溶解し、更にポリイミド樹脂(耐熱性樹脂
A)と相溶していることを示した。
【0061】実施例3 攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及び油水分離器付き冷
却管を備えた1,000mlの四つ口フラスコにBAP
P89.09g(0.217モル)、DSDA119.
59g(0.334モル)、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン
(以下、HAB−6Fと略す)42.85g(0.11
7モル)、γ−ブチロラクトン377gを窒素ガスを通
しながら仕込んだ。攪拌下、50〜60℃で1時間反応
を進めた後、195℃に昇温し、同温度で反応を進め、
数平均分子量が26,000(ポリスチレン換算値)に
なった時点で冷却して反応を止めた。途中、留出する水
を反応系外にすみやかに除去した。得られた溶液をγ−
ブチロラクトンで希釈して樹脂分濃度40重量%のポリ
イミド樹脂(耐熱性樹脂A)溶液を得た。
【0062】攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及び冷却
管を備えた1,000mlの四つ口フラスコに実施例2
の溶剤を含む固形のフィラー用ポリイミド樹脂(耐熱性
樹脂B)(樹脂分濃度30重量%)400gを砕いて入
れ180℃に昇温した。同温度で1時間攪拌して均一な
溶液とした後、これに上記のポリイミド樹脂溶液(樹脂
分濃度40重量%)300gを加えて更に180℃で1
時間攪拌を続けた。次いで約1時間で60℃に冷却し、
そのまま60℃で1日間攪拌したところ溶液中にポリイ
ミド樹脂微粒子が析出、分散したペーストを得た。この
ペーストにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン48gを加え、室温で十分に混合した後、γ−ブチロ
ラクトンで希釈して樹脂分濃度36重量%とした。得ら
れたポリイミド樹脂ペーストの粘度は150Pa・s、
TI値は3.5であった。回収したポリイミド樹脂微粒
子は最大粒子径5μm以下、γ−ブチロラクトンに室温
では不溶で150℃では可溶であった。
【0063】上記ポリイミド樹脂ペーストを用いて実施
例1と同様にしてポリイミド樹脂硬化膜付きガラス板を
得た。硬化膜はほぼ均一透明であり、ポリイミド樹脂ペ
ースト中のポリイミド樹脂微粒子が硬化過程でγ−ブチ
ロラクトンに溶解し、更にポリイミド樹脂(耐熱性樹脂
A)と相溶していることを示した。また、この硬化膜
は、三次元橋架けしており耐溶剤性及び180℃でのエ
ポキシ樹脂に対する耐溶解性に優れるものであった。
【0064】比較例1 攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及び冷却管を備えた四
つ口フラスコに窒素ガスを通しながら、ビス[4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン432.49
g(1モル)、ODPA294.71g(0.95モ
ル)、[1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン]二
無水物21.33g(0.05モル)とN−メチルピロ
リドン2,990gを仕込んだ。攪拌下、室温で12時
間反応を進めた。次いで、無水酢酸1,430gとピリ
ジン714gを添加し、室温で12時間放置した。この
溶液を水中に投下し、沈殿した微粒子の固形樹脂をメタ
ノールで十分に煮沸洗浄した後、80℃で10時間減圧
乾燥して、γ−ブチロラクトンに可溶で数平均分子量が
28,000(ポリスチレン換算値)のポリイミド樹脂
(耐熱性樹脂A)を得た。
【0065】攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及び冷却
管を備えた四つ口フラスコに窒素ガスを通しながら、B
APP410.52g(1モル)、ODPA294.7
1g(0.95モル)、[1,3−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジ
シロキサン]二無水物21.33g(0.05モル)と
N−メチルピロリドン2,990gを仕込んだ。攪拌
下、室温で10時間反応を進めた。反応系の粘度は高分
子量のポリアミド酸の生成により攪拌が困難な状態まで
高くなった。分子量を調整するために少量の水を添加し
て60℃に加熱した。次いで、無水酢酸1,430gと
ピリジン714gを添加し、室温で12時間放置した。
この溶液をメタノール中に投下し、沈殿した微粒子状の
固形樹脂をメタノールで十分に煮沸洗浄した後、80℃
で10時間減圧乾燥して数平均分子量が27,000
(ポリスチレン換算値)の粉末のポリイミド樹脂を得
た。このポリイミド樹脂を粉砕微粉末化して最大粒子径
40μm以下、平均粒子径4.5μmのγ−ブチロラク
トンに室温では溶解せず、加熱乾燥する時の温度では溶
解するフィラー用ポリイミド樹脂(耐熱性樹脂B)を得
た。
【0066】上記のポリイミド樹脂(耐熱性樹脂A)1
5gをγ−ブチロラクトン62g溶解した溶液に上記の
フィラー用ポリイミド樹脂(耐熱性樹脂B)の微粒子2
3gを加え、まず、乳鉢で粗混練し、次いで高速の三本
ロールを用いて6回通して混練し、ポリイミド樹脂の微
粒子が分散した粘度250Pa・s、TI値2.5のポ
リイミド樹脂ペーストを得た。
【0067】比較例2 攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及び油水分離器付き冷
却管を備えた1,000mlの四つ口フラスコにBAP
P65.69g(0.16モル)、DSDA143.2
2g(0.40モル)、イソフタル酸ジヒドラジド3
8.84g(0.20モル)、1,3−ビス(アミノプ
ロピル)テトラメチルジシロキサン9.93g(0.0
4モル)及びγ−ブチロラクトン478gを窒素ガスを
通しながら仕込んだ。攪拌下、50〜60℃で1時間反
応を進めた後、フィラーとしてアエロジル200(日本
アエロジル社製商品名、SiO2微粒子、最大粒子径5
μm以下、平均粒子径0.016μm)52gを加え
た。次いで195℃に昇温し、同温度で反応を進めた。
途中、留出する水を反応系外にすみやかに除去した。1
95℃で3時間反応させたところアエロジルが凝集して
流動性が失われ固化した。
【0068】上記ペーストについて下記特性を評価し
た。 (1)印刷性 シリコンウエハ上にスクリーン印刷機(ニューロング精
密工業株式会社製、アライメント装置付きLS−34G
X)、ニッケル合金製メッシュレスメタル版(メッシュ
工業株式会社製、厚み50μm、パターン寸法8mm×
8mm)及びパーマレックスメタルスキージ(巴工業株
式会社輸入品)を用いて印刷し、印刷性を下記基準で評
価した。
【0069】 良好:にじみ及びだれ無し、転写性良好 不良:にじみ及びだれ有り、転写性不良 (2)イオン性不純物含有量 Naイオン、Feイオンはフレームレス原子吸光光度法
で測定した。 (3)異物数 クラス100のクリーンベンチ内でペーストをガラス板
(厚さ約2mm)上に加熱乾燥後の厚さが20μmにな
るようにバーコータ塗布し、140℃で15分間、20
0℃で15分間、更に300℃で60分間加熱処理して
硬化膜付きガラス板を得る。この硬化膜の5cm×5c
mの範囲内にある20μm以上の大きさの異物数を顕微
鏡で測定した。 (4)ガラス転移温度(Tg) 上記(3)で得た硬化膜をガラス板から剥がしたフィル
ムについて、セイコー電子工業株式会社製熱物理試験機
TMA120型により試料寸法3mm×20mm、荷重
8g、昇温速度5℃/minで測定した。
【0070】以上の結果を下記表2に示す。
【0071】
【表2】 実施例1〜実施例3の結果から分かるように、本発明の
製造方法で得られる耐熱樹脂ペーストは、従来の比較例
1の製造方法で得られるペーストに比べて耐熱性樹脂B
の微粒子の最大粒子径を5μm以下にできるので薄膜形
成性にも優れる。また、ペーストの製造を全工程フラス
コ中でできるのでイオン性不純物含有量、異物数が少な
く特に半導体用途に好適である。しかもペースト製造工
程数を少なくできるので経済性にも優れる。
【0072】一方比較例2は、最大粒子径5μm以下と
小さいシリカ微粒子を分散させたペーストを機械的混練
を行うことなくフラスコ中で製造する方法であるが、製
造中にペーストが凝集固化してしまい、目的とするペー
ストが得られない問題がある。
【0073】
【発明の効果】本発明の耐熱樹脂ペーストの製造方法
は、シリカ微粒子や非溶解性ポリイミド微粒子などのフ
ィラーを用いなくてもチキソトロピー性を発現でき、ス
クリーン印刷法で空隙や気泡のない信頼性に優れる均一
な厚膜パターンを形成でき、塵やイオン性不純物が少な
くかつ生産性に優れ、半導体装置のLOC用接着剤のほ
か、各種配線板及び半導体装置の層間絶縁膜、保護膜、
接着剤などに好適な耐熱樹脂ペーストが製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 健司 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)室温及び加熱乾燥する時の温度で
    (III)の溶剤に溶解する耐熱性樹脂A、(II)
    (III)の溶剤に室温で溶解せず加熱乾燥する時の温
    度で溶解する耐熱性樹脂B及び(III)溶剤を混合
    し、加熱して溶解させ、得られた溶液を冷却することに
    よって、(I)の耐熱性樹脂Aと(III)の溶剤の溶
    液中に(II)の耐熱性樹脂Bの微粒子を析出、分散さ
    せることを特徴とする耐熱樹脂ペーストの製造方法。
  2. 【請求項2】 (I)の耐熱性樹脂A及び(II)の耐
    熱性樹脂Bが芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族
    ジアミンとを反応させて得られる芳香族ポリイミド樹脂
    である請求項1記載の耐熱樹脂ペーストの製造方法。
  3. 【請求項3】 (II)の耐熱性樹脂Bがビス(3,4
    −ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物を50モル
    %以上含有する芳香族テトラカルボン酸二無水物と2,
    2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プ
    ロパンを50モル%以上含有する芳香族ジアミンとを反
    応させて得られる芳香族ポリイミド樹脂であり、(II
    I)の溶剤がγ−ブチロラクトンである請求項1記載の
    耐熱樹脂ペーストの製造方法。
  4. 【請求項4】 (I)の耐熱性樹脂Aと(III)の溶
    剤の溶液中に(II)の耐熱性樹脂Bの微粒子を最大粒
    子径10μm以下に析出、分散させる請求項1記載の耐
    熱樹脂ペーストの製造方法。
  5. 【請求項5】 耐熱樹脂ペーストのチキソトロピー係数
    が1.5以上となるように(I)の耐熱性樹脂Aと(I
    II)の溶剤の溶液中に(II)の耐熱性樹脂Bの微粒
    子を析出、分散させる請求項1記載の耐熱樹脂ペースト
    の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002040256A1 (fr) * 2000-11-17 2002-05-23 Kaneka Corporation Film de polyimide et son procede de fabrication, et procede pour regler son isotropie
WO2013108890A1 (ja) * 2012-01-20 2013-07-25 旭化成イーマテリアルズ株式会社 樹脂組成物、積層体、多層プリント配線板及び多層フレキシブル配線板並びにその製造方法

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