JPH11246642A - 新規な硬化性不飽和樹脂組成物及びその硬化塗膜 - Google Patents

新規な硬化性不飽和樹脂組成物及びその硬化塗膜

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JPH11246642A
JPH11246642A JP6408798A JP6408798A JPH11246642A JP H11246642 A JPH11246642 A JP H11246642A JP 6408798 A JP6408798 A JP 6408798A JP 6408798 A JP6408798 A JP 6408798A JP H11246642 A JPH11246642 A JP H11246642A
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JP6408798A
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English (en)
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Hiroto Miyake
弘人 三宅
Hideyuki Takai
英行 高井
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被塗物に対する密着性及び耐水性に優れた塗
膜を生じる、活性エネルギー線硬化型不飽和樹脂組成物
を提供すること。 【解決手段】 酸基含有アクリル系樹脂と脂環式エポキ
シ基含有不飽和化合物との反応物に、有機溶剤及び光重
合開始剤を配合し、必要に応じて重合性ビニルモノマー
の希釈剤を配合してなる硬化性不飽和樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は活性エネルギー線硬
化型不飽和樹脂組成物及びその硬化塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、活性エネルギー線硬化型不飽和樹
脂組成物はすでに種々のものが開発され、これらは塗
装、複合材、電子部品等の分野で広く利用されている
が、近時それらの活性エネルギー線硬化型不飽和樹脂組
成物の一つとしてビニル樹脂を主体とする樹脂組成物の
開発が試みられている。現在ビニル樹脂を主体とする組
成物として、高酸価ビニル樹脂と脂肪族エポキシ基含有
ビニル化合物とを反応させて得られるものが知られてい
るが、該組成物から形成された被膜は被塗物に対する密
着性及び耐水性が劣り、いまだ実用に充分満足すべき性
質を示すには至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、被塗
物に対する密着性及び耐水性に優れた塗膜を生じる、活
性エネルギー線硬化型不飽和樹脂組成物を提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した問題点
を解決するために鋭意研究を行なった結果、活性エネル
ギー線硬化型不飽和樹脂組成物として、酸基含有アクリ
ル系樹脂と下記不飽和化合物(A−1)及び/又は(A
−2)との反応物、又は不飽和化合物(A−1)及び/
又は(A−2)をモノマー単位として有するエポキシ基
含有樹脂と酸基含有不飽和化合物との反応物を、有機溶
剤及び重合性ビニルモノマーで希釈してなる有機液体を
用いると上記した問題点を全て解消することを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、酸基含有アクリル系樹
脂と下記式(A−1)及び/又は下記式(A−2)で表
される不飽和化合物(A−1)及び/又は(A−2)と
の反応物に、有機溶剤及び光重合開始剤を配合し、必要
に応じて重合性ビニルモノマーの希釈剤を配合してなる
硬化性不飽和樹脂組成物に関する。
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】
【0008】また、本発明は、上記式記載の不飽和化合
物(A−1)及び/又は(A−2)をモノマー単位とし
て有するエポキシ基含有樹脂と酸基含有不飽和化合物と
の反応物に、有機溶剤及び光重合開始剤を配合し、必要
に応じて重合性ビニルモノマーの希釈剤を配合してなる
硬化性不飽和樹脂組成物に関する。また、本発明は、上
記の両反応物を酸無水物で変性した樹脂に、有機溶剤及
び光重合開始剤を配合し、必要に応じて重合性ビニルモ
ノマーの希釈剤を配合してなる硬化性不飽和樹脂組成物
に関する。さらに、本発明は、上記の硬化性不飽和樹脂
組成物を被塗物上に塗布し、形成された塗膜に活性エネ
ルギー線を照射して得られた硬化塗膜に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】(1)酸基含有アクリル系樹脂 本発明の組成物で使用する酸基含有アクリル系樹脂は、
(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、(無水)マレイン酸などのエチレン性不飽和酸を
必須成分とし、これに(メタ)アクリル酸のエステル類
(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブ
チル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレートなど);ビニル芳香族化合
物(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、p−クロルスチレンなど);アミド系不飽和化
合物(例えば、(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−
ブトキシメチルアクリルアミドなど);オレフィン系化
合物(例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン
など)及び、その他(例えば、(メタ)アクリロニトリ
ル、メチルイソプロペニルケトン、酢酸ビニル、ベオバ
モノマー(シェル化学製品)、ビニルプロピオネート、
ビニルピバレートなど)から選ばれる1種もしくは2種
以上の単量体とを共重合させた通常公知の共重合体が使
用できる。上記モノマーを使用して、酸基含有アクリル
系樹脂を重合する際の重合開始剤としては、公知のラジ
カル重合反応開始剤が使用できる。それらの重合開始剤
としては、例えばアゾ系、過酸化物系が挙げられ、より
具体的には、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジ
メチルバレロニトリル、t−ブチルパーオキシ2−エチ
ルエキサノエート等が挙げられる。
【0010】上記酸基含有アクリル系樹脂は、該樹脂に
由来する酸基の一部と不飽和化合物(A−1)及び/又
は(A−2)に含まれるエポキシ基とを反応させて該樹
脂中に不飽和基を導入することが行なわれるが、該樹脂
中に活性エネルギー線の硬化に必要な不飽和基を導入す
る必要があることから、酸基含有アクリル系樹脂の酸価
は15以上、好ましくは40〜500の範囲である。即
ち、高酸価アクリル系樹脂である。
【0011】(2)不飽和化合物(A−1)及び(A−
2) 本発明で使用する不飽和化合物(A−1)及び(A−
2)は、一分子中に1個のラジカル重合性の不飽和基と
脂環式エポキシ基とを有する化合物であり、前記式(A
−1)及び(A−2)で表される。(以下、不飽和化合
物(A−1)及び(A−2)を単に「不飽和化合物
(A)」という。) 上記式中、(A−1)におけるR1〜R10又は(A−
2)におけるR1、R3〜R7、R9〜R10の炭素数1〜8
のアルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基が例示され、好ましくは、水
素原子、メチル基である。
【0012】本発明で使用する不飽和化合物(A)とし
て、好ましい化合物は、(メタ)アクリル酸と下記式
(C−1)で示されるビニルシクロヘキセンモノエポキ
シドの付加物をエポキシ化したものや、(メタ)アクリ
ル酸と下記式(C−2)で示されるリモネンモノエポキ
シドの付加物をエポキシ化したものや、(メタ)アクリ
ル酸と下記式(C−3)で示される5−ビニル−2,3
−エポキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの付加物を
エポキシ化したものである。
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】
【化7】
【0016】例えば、(メタ)アクリル酸とビニルシク
ロヘキセンモノエポキシド(C−1)の付加物は、(メ
タ)アクリル酸のカルボキシル基とビニルシクロヘキセ
ンモノエポキシド(C−1)のエポキシ基が反応したも
のであり、更に、該付加物のビニル基が過酸化物等によ
りエポキシ化されて、(メタ)アクリロイル基とエポキ
シ基とを有する不飽和化合物(A−1)が得られる。同
様に、(メタ)アクリル酸とリモネンモノエポキシド
(C−2)からも(A−1)が得られる。また、(メ
タ)アクリル酸と5−ビニル−2,3−エポキシ−ビシ
クロ[2.2.1]ヘプタン(C−3)の付加物は、(メ
タ)アクリル酸のカルボキシル基と5−ビニル−2,3
−エポキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(C−3)
のエポキシ基が反応したものであり、更に、該付加物の
ビニル基が過酸化物等によりエポキシ化されて、(メ
タ)アクリロイル基とエポキシ基とを有する不飽和化合
物(A−2)が得られる。
【0017】上記(C−1)〜(C−3)に例示された
エポキシ基含有脂環式化合物とアクリル酸等との付加反
応の方法は、溶媒の存在下または非存在下、反応温度6
0〜140℃、特には70〜120℃で反応させること
が好ましい。上記付加反応時には触媒を使用することが
できる。付加反応には、アクリロイル基等の重合を防止
するため、メトキノン(p−メトキシフェノール)、ハ
イドロキノン、フェノチアジン等の一般に使用される重
合禁止剤を使用することができる。
【0018】不飽和化合物(A)は、上記で得られた付
加反応物のシクロヘキシル基またはビシクロヘキシル基
に結合するビニル基または1−メチルビニル基の二重結
合をエポキシ化剤により選択的にエポキシ化して、アク
リル酸系の二重結合と1,2−エポキシエチル基または
1−メチル−1,2−エポキシエチル基を有する化合物
を製造することができる。例えば、過酢酸やハイドロパ
ーオキサイド類を用いてエポキシ化すると、アクリロイ
ル基をほぼ100%残存させたまま、ビニル基または1
−メチルビニル基をエポキシ化することができる。エポ
キシ化の際には必要に応じて触媒、不活性溶媒を使用す
ることができる。エポキシ化反応の温度は、エポキシ化
剤として過酢酸を使用した場合は、0〜70℃であるこ
とが好ましい。不飽和化合物(A)は、反応液中から、
例えば貧溶媒で沈殿させる方法、エポキシ化物を熱水中
に撹拌の下で投入し溶媒を蒸留除去する方法、直接脱溶
媒法等で単離することができる。
【0019】また、上記した不飽和化合物(A)以外
に、例えば(メタ)アクリル酸グリシジル、β−メチル
(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエー
テル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物を不飽和化
合物(A)との総合計量に対して90重量%以下の範囲
で併用できる。
【0020】(3)酸基含有アクリル系樹脂及び不飽和
化合物(A)との反応による不飽和基を含有する樹脂 上記(1)で説明した酸基含有アクリル系樹脂及び
(2)で説明した不飽和化合物(A)を用いて不飽和基
を含有する樹脂が製造される。その製造方法は、例え
ば、酸基含有アクリル系樹脂の不活性有機溶剤(例え
ば、アルコール系、エステル系、芳香族炭化水素系、脂
肪族炭化水素系等の重合不活性な溶媒が挙げられる。)
溶液と不飽和化合物(A)とを約20〜120℃、約1
〜5時間の反応条件で反応させることにより行なうこと
ができる。得られた酸基含有アクリル系樹脂の不活性有
機溶剤溶液は、酸基含有アクリル系樹脂を5〜90重量
%含む。従って、得られた不飽和基を含有する樹脂は前
記不活性有機溶剤の溶液であり、該不飽和基を含有する
樹脂を6〜95重量%含む。6重量%未満では反応性が
非常に遅く実用性に不向きであり、95重量%超では溶
液粘度が高すぎて取り扱い上問題となる。
【0021】かくして得られる不飽和基を含有する樹脂
は、分子量1,000当り不飽和基数を0.2〜4.0
個、好ましくは0.7〜3.5個の範囲で有することがで
きる。不飽和基数が0.2個より少ないと、被膜の硬化
性が不充分となって、被塗物に対する密着性、耐水性等
が劣り、他方、不飽和基数が4.0個より多いと酸基含
有アクリル系樹脂との付加反応中に増粘、ゲル化する恐
れがあり、また該組成物を長期間保存すると増粘、ゲル
化する恐れがあるので好ましくない。また、該樹脂は、
数平均分子量を1,000〜100,000、好ましくは
3,000〜70,000の範囲で有することができる。
分子量が1,000より小さいと、被膜の耐水性が劣
り、他方、分子量が100,000より大きいと、高粘
度となり取り扱いが不便となり、また造膜性も悪くなり
耐水性被塗物に対する密着性が劣る被膜となるので好ま
しくない。更に、該樹脂は酸価を有していてもよい。酸
価は好ましくは300以下である。酸価が300より大
きいと、被膜の耐水性が劣るので好ましくない。
【0022】(4)不飽和化合物(A−1)及び/又は
(A−2)をモノマー単位として有するエポキシ基含有
樹脂と酸基含有不飽和化合物との反応による不飽和基を
含有する樹脂 本発明の組成物においては、前記酸基含有アクリル系樹
脂と不飽和化合物(A)との反応物に代えて、不飽和化
合物(A−1)及び/又は(A−2)をモノマー単位と
して有するエポキシ基含有樹脂と酸基含有不飽和化合物
との反応物を用いることもできる。
【0023】不飽和化合物(A−1)及び/又は(A−
2)をモノマー単位として有するエポキシ基含有樹脂と
しては、前記式(A−1)及び/又は(A−2)で示さ
れる不飽和化合物を単量体成分とし、必要であればこれ
に、前記酸基含有アクリル系樹脂の合成に使用したと同
様の単量体(例えば、(メタ)アクリル酸のエステル
類、ビニル芳香族合物及びその他単量体等)から選ばれ
る1種もしくは2種以上の単量体を共重合反応させた重
合体が挙げられる。
【0024】酸基含有不飽和化合物は、1分子中に1個
の不飽和基と酸基とを有する化合物であり、例えば(メ
タ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、(無水)マレイン酸などのエチレン性不飽和酸が好
適に挙げられる。
【0025】上記不飽和化合物(A−1)及び/又は
(A−2)をモノマー単位として有するエポキシ基含有
樹脂及び酸基含有不飽和化合物を用いて、不飽和基を含
有する樹脂を製造する方法は、例えば不飽和化合物(A
−1)及び/又は(A−2)をモノマー単位として有す
るエポキシ基含有樹脂の不活性有機溶剤((3)の不活
性有機溶剤が使用できる)溶液と酸基含有不飽和化合物
とを約20〜110℃、約1〜7時間の反応条件で反応
させることにより行なうことができる。
【0026】かくして得られる不飽和基を含有する樹脂
は前記(3)で得られるものと同様に、不飽和基数が分
子量1000当り0.2〜4.0個、好ましくは0.7〜
3.5の範囲及び数平均分子量が1,000〜100,0
00、好ましくは3,000〜70,000の範囲であ
る。
【0027】前記(3)及び(4)で得られた不飽和基
を含有する樹脂は、さらに、酸無水物で変性することが
できる。酸無水物としては、ジカルボン酸、トリカルボ
ン酸、テトラカルボン酸、ポリカルボン酸のモノ又はジ
無水物が挙げられるが、好ましくはジカルボン酸無水物
である。具体的には、無水フタル酸、テトラヒドロ無水
フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水
ピロメリット酸、無水コハク酸、無水グルタル酸等が挙
げられる。不飽和基を含有する樹脂に対する酸無水物の
使用量は、樹脂1分子中のヒドロキシル基の0〜95%
を変性するのに必要な量である。このように、酸無水物
で変性した不飽和基を含有する樹脂は酸基を含有するた
めに、アルカリ現像型の光硬化性樹脂として、プリント
基板用レジスト、LCD用カラーフィルタ、刷版、コー
ティング等の用途に使用することができる。
【0028】(5)硬化性不飽和樹脂組成物 本発明の硬化性不飽和樹脂組成物は、上記(3)及び/
又は(4)で得られた不飽和基を含有する樹脂に有機溶
剤及び光重合開始剤を配合し、必要に応じて重合性ビニ
ルモノマーの希釈剤を配合してなる硬化性不飽和樹脂組
成物である。
【0029】希釈剤として使用される有機溶剤として
は、不飽和基を含有する樹脂を溶解するものであれば特
に制限はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、2
−プロパノールなどのアルコール類;アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン
類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン
などのエーテル類;酢酸エチル、酢酸イソブチル、エチ
レングリコールモノアセテート、プロピレングリコール
モノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテー
トなどのエステル類;エチレングリコールモノアルキル
エーテル類;ジエチレングリコールモノアルキルエーテ
ル類;プロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;ブチ
レングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリ
コールジアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート
類;ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテ
ート類;ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミ
ドなどのアミド類;四塩化炭素、クロロホルムなどのハ
ロゲン化炭化水素類などが用いられる。これらの溶媒は
単独で又は二種以上を混合して使用することができる。
希釈剤として使用される有機溶剤は、上記(3)及び/
又は(4)で得られた不飽和基を含有する樹脂100重
量部に対して0〜1,000重量部添加することができ
る。
【0030】不飽和基を含有する樹脂には、用途及び要
求される塗膜性能等に応じて適宜、従来公知の重合性ビ
ニルモノマー及び/又は重合性プレポリマーを配合する
ことができる。重合性ビニルモノマーとしては、具体的
には、例えば1価ビニルモノマー類及び多価ビニルモノ
マー類が挙げられる。1価ビニルモノマー類としては、
例えば、上記(3)に記載した高酸価のアクリル系樹脂
を得るために使用した(メタ)アクリル酸のエステル、
ビニル芳香族化合物、アミド系不飽和化合物、ポリオレ
フィン系化合物及びその他モノマー等のモノマー;水酸
基含有モノマーとモノイソシアネート(例えばブチルイ
ソシアネート、フェニルイソシアネート等)との付加
物;アジリジン基含有モノマー及び含リンビニルモノマ
ー等が挙げられる。多価ビニルモノマー類としては、例
えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸エステルと
の反応物(例えばブタンジオールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラアクリレート等)、ポリアルキレングリコ
ールと(メタ)アクリル酸エステルとの反応物(例え
ば、ジエチレングリコールジアクリレート、プロピレン
グリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ
アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレー
ト等)、カプロラクトン変性多価アルコールと(メタ)
アクリル酸エステルとの反応物、含リンジビニルモノマ
ー等が挙げられる。
【0031】重合性プレポリマーとしては、例えば、水
性化が可能な重合性不飽和基含有樹脂及びその他の重合
性不飽和基含有樹脂が挙げられる。水性化が可能な重合
性不飽和基含有樹脂としては、例えば、カルボキシル基
含有ポリオールにポリイソシアネート化合物を介してヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートを導入した樹脂
等が挙げられる。その他の重合性不飽和基含有樹脂とし
ては、例えば、ポリエステルポリオールの(メタ)アク
リル酸エステル、ポリエーテルポリオールの(メタ)ア
クリル酸エステル、アクリルポリオールの(メタ)アク
リル酸エステル、ポリエポキシと(メタ)アクリル酸と
の付加物及びポリオールにポリイソシアネート化合物を
介してヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを導入
した樹脂等が挙げられる。
【0032】希釈剤として使用される重合性ビニルモノ
マー及び/又は重合性プレポリマーは、上記(3)及び
/又は(4)で得られた不飽和基を含有する樹脂100
重量部に対して0〜100重量部、好ましくは0〜50
重量部の範囲で配合できる。重合性ビニルモノマー及び
/又は重合性プレポリマーが100重量部超では硬化塗
膜の耐性等が劣る。なお、有機溶剤、重合性ビニルモノ
マー及び重合性プレポリマーの合計は、上記(3)及び
/又は(4)で得られた不飽和基を含有する樹脂100
重量部に対して0より大きく、好ましくは10以上であ
る。
【0033】更に本発明の硬化性不飽和樹脂組成物に
は、必要に応じて活性エネルギー線の硬化性を阻害しな
い程度で顔料及び染料等を配合することができる。本発
明の硬化性不飽和樹脂組成物は塗料、印刷インキ、フォ
トレジスト、ソルダーレジスト、刷版材、接着剤、粘着
剤等に特に有用なものである。
【0034】本発明の硬化性不飽和樹脂組成物を用いて
被膜を形成する方法は、例えば木材、紙、無機質材料、
プラスチック、金属(亜鉛、鉄、銅、アルミニウム等)
等の被塗物に例えばナチュラルロールコータ、リバース
ロールコータ、グラビアロールコータ、スクリーン印刷
機、カーテンコーター、エアースプレー、エアレススプ
レー、バーコーター、ナイフコーター、スピンコータ
ー、刷毛、浸漬塗装機等の塗装機を用いて塗装を行な
い、次いでこのものに電子線又は紫外線等の活性エネル
ギー線で照射を行なって塗膜を硬化させることができ
る。上記塗装膜厚は乾燥膜厚で2,000μm以下、好
ましくは1〜1,000μmの範囲である。膜厚が2,
000μmより多いと被膜内部の硬化性が劣るので好ま
しくない。
【0035】活性エネルギー線を放出させる電子線の加
速器としては、例えばコッククロフト型、コッククロフ
トワルトン型、バン・デ・グラーフ型、共振変圧器型、
変圧器型、絶縁コア変圧器型、ダイナミトロン型、リニ
アフィラメント型、プロードビーム型、エリアビーム
型、カソード電極型、高周波型等が挙げられる。又電子
線の照射量は塗膜を硬化させるに必要な線量を与えれば
特に制限されないが、一般には約100〜2,000K
eVで約0.5〜20メガラド(Mrad)の線量を照射す
る。電子線を照射する雰囲気は不活性気体中で行なうの
が好ましい。また、活性エネルギー線を放出させる紫外
線の照射源としては、例えば水銀ランプ、高圧水銀ラン
プ、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライド
ランプ、太陽光等を挙げることができる。紫外線を照射
する雰囲気は、空気中もしくは不活性気体中で照射する
ことが好ましい。また、照射する雰囲気が空気の場合
は、高圧水銀ランプを照射源として用いるのが特に好ま
しい。また、照射条件は光重合開始剤の吸収量によって
異なるが3000〜4500 の波長を有する光線を用
いて数分以内、通常は1秒〜20分の範囲で行なわれ
る。
【0036】また、本発明の塗料組成物を紫外線で硬化
させる場合は、該塗料組成物に光重合開始剤が添加さ
れ、その代表的なものとしては、例えばベンゾイン、ベ
ンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、
ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインn−ブチ
ルエーテル、ベンゾフェノン、P−メチルベンゾフェノ
ン、ミヒラーケトン、アセトフェノン、2−クロロチオ
キサントン、アンスラキノン、クロロアンスラキノン、
2−メチルアンスラキノン、フェニルジスルフィド、2
−ニトロフルオレン、ブチロイン、アニソインエチルエ
ーテル、アゾビスイソブチロニトリル、テトラメチルチ
ウラムジスルフィド等が挙げることができる。これらの
光重合開始剤は1種もしくは2種以上を組合せて用いる
ことができる。また、光重合開始剤の配合量は活性エネ
ルギー線硬化塗料に対して約0.1〜10重量%の範囲
で配合することが好ましい。
【0037】さらに上記した光重合開始剤による光重合
反応を促進させる目的で光重合促進剤を上記した光重合
開始剤と併用して用いることができ、その代表的なもの
としては、例えばトリエチルアミン、トリエタノールア
ミン、2−ジメチルアミノエタノール等の第3級アミン
類、トリフェニルホスフィンで代表されるアルキルホス
フィン類、β−チオグリコールで代表されるチオール類
等を挙げることができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】以下、不飽和化合物(A−1)に属する化
合物の合成を参考例1と2に、不飽和化合物(A−2)
に属する化合物の合成を参考例3に示す。参考例中の
「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量
%」を表わす。また、オキシラン酸素濃度(%)は、エ
ポキシ酸素重量/樹脂重量×100により求められる。 (参考例1)1リットルのジャケット付フラスコにビニ
ルシクロヘキセンモノエポキシド(ダイセル化学工業製
「セロキサイド2000」)144g、トリフェニルホ
スフィン1.36g、メトキノン1.36g、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル275gを仕込んだ。
液中に空気を吹き込みながら、反応系内の温度を80℃
にし、アクリル酸83.5gを約1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、系内の温度を100℃とし更に反応さ
せた。系内のオキシラン酸素が0.3%になった時点で
反応を終了させた。この反応液を70℃/10mmHg
で脱低沸を行い、反応物(1)を208g得た。反応物
(1)の1H−NMRの測定で、δ4.8〜5.0pp
mのビニル基のプロトンのピークが存在し、δ3.2p
pmのエポキシ基に由来するプロトンのピークがほぼ消
失していることを確認した。さらにGC−MSより分子
量196の成分が生成していることを確認した。GCの
結果より、純度は面積比で99.1%であった。この反
応物(1)100gと酢酸エチル50gとを仕込み、気
相部に窒素を吹き込みながら反応系内の温度を50℃と
し、約1時間かけて過酢酸の酢酸エチル溶液147.2
g(過酢酸濃度;29%)を滴下した。過酢酸滴下終了
後、50℃で5時間熟成し反応を終了した。更に50℃
で反応粗液を水洗し、70℃/10mmHgで脱低沸を
行い、反応物(2)を94.7g得た。GCの結果よ
り、純度は面積比で99.0%であった。反応物(2)
は、オキシラン酸素濃度6.87%、粘度15cP/2
5℃であり、1H−NMRを測定したところδ4.5〜
5ppm付近の二重結合に由来するピークが消失し、δ
2.9〜3.3ppm付近にエポキシ基に由来するプロ
トンのピークが生成していた。得られたものは不飽和化
合物(A−1)の一種である。
【0040】(参考例2)1リットルのジャケット付フ
ラスコにリモネンモノエポキシド(エルフアトケム製
「リモネンモノオキシド」)144g、ジアザビシクロ
ウンデセンオクチル酸塩1.25g、メトキノン1.2
5g、溶媒としてトルエンを275g仕込んだ。液中に
空気を吹き込みながら、反応系内の温度を80℃にして
からメタクリル酸(分子量86)81.5gを約1時間
かけて滴下した。滴下終了後、系内の温度を110℃と
し、更に反応させた。系内のオキシラン酸素濃度が0.
2%になった時点で反応を終了した。この反応液を70
℃/10mmHgで脱低沸を行い、反応物(3)を20
6g得た。反応物(3)の1H−NMRの測定で、δ
4.5〜5.0ppmのビニル基のプロトンのピークが
存在し、δ3.2ppmのエポキシ基に由来するプロト
ンのピークがほぼ消失していることを確認した。さらに
GC−MSより分子量238の成分が生成していること
を確認した。GCの結果より、純度は面積比で98.6
%であった。この反応物(3)100gと酢酸エチル5
0gとを仕込み、気相部に窒素を吹き込みながら反応系
内の温度を50℃とし、約1時間かけて過酢酸の酢酸エ
チル溶液132.1g(過酢酸濃度;29%)を滴下し
た。過酢酸滴下終了後、50℃で5時間熟成し反応を終
了した。更に50℃で反応粗液を水洗し、70℃/10
mmHgで脱低沸を行い、反応物(4)を96.8g得
た。反応物(4)は、オキシラン酸素濃度5.98%、
粘度35cP/25℃であり、1H−NMRを測定した
ところ、δ4.5〜5.0ppm付近の二重結合に由来
するピークがほぼ消失し、δ2.9〜3.3ppm付近
にエポキシ基に由来するプロトンのピークが生成してい
た。GCの結果より、純度は面積比で99.2%であっ
た。得られたものは不飽和化合物(A−1)の一種であ
る。
【0041】(参考例3)0.5リットルのジャケット
付きフラスコに5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン(サンアプロ社製「VBH」)100gと
酢酸エチル50gを仕込み、窒素を吹き込みながら反応
系内の温度を50℃とし、約1時間かけて過酢酸の酢酸
エチル溶液262.1g(過酢酸濃度;29%)を滴下
した。過酢酸滴下終了後、50℃で4時間熟成させ反応
を終了した。更に50℃で反応粗液を水洗し、70℃/
10mmHgで脱低沸を行い、エポキシ化したVBH
(分子量136、前記(C−1)の化合物に相当)9
9.7gを得た。エポキシ化したVBHの性状は、オキ
シラン酸素濃度11.4%、粘度40cP/25℃であ
り、1H−NMRを測定したところ、δ5.3〜5.6
ppmの内部二重結合に由来するピークがほぼ消失し、
δ2.9〜3.2ppm付近にエポキシ基に由来するプ
ロトンのピークが生成していた。1リットルのジャケッ
ト付フラスコにエポキシ化したVBH136g、トリフ
ェニルホスフィン1.25g、メトキノン1.25g、
溶媒としてトルエン275gを仕込んだ。液中に空気を
吹き込みながら、反応系内の温度を80℃にし、メタク
リル酸(分子量86)86gを約1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、系内の温度を100℃とし更に反応さ
せた。系内のオキシラン酸素が0.2%になった時点で
反応を終了させた。この反応液を70℃/10mmHg
で脱低沸を行い、反応物(5)を211g得た。反応物
(5)の1H−NMRの測定で、δ4.8〜5.0pp
mのビニル基のプロトンのピークが存在し、δ2.9〜
3.2ppmのエポキシ基に由来するプロトンのピーク
がほぼ消失していることを確認した。さらにGC−MS
より分子量222の成分が生成していることを確認し
た。GCの結果より、純度は面積比で99.2%であっ
た。この反応物(5)100gと酢酸エチル50gとを
仕込み、気相部に窒素を吹き込みながら反応系内の温度
を50℃とし、約1時間かけて過酢酸の酢酸エチル溶液
141.5g(過酢酸濃度;29%)を滴下した。過酢
酸滴下終了後、50℃で4時間熟成し反応を終了した。
更に50℃で反応粗液を水洗し、70℃/10mmHg
で脱低沸を行い、反応物(6)93.4gを得た。反応
物(6)は、オキシラン酸素濃度6.22%、粘度55
cP/25℃であり、1H−NMRを測定したところ、
δ4.8〜5.0ppm付近の二重結合に由来するピー
クが消失し、δ2.9〜3.3ppm付近のエポキシ基
に由来するプロトンのピークが生成していた。GCの結
果より、純度は面積比で98.9%であった。得られた
ものは不飽和化合物(A−2)の一種である。
【0042】以下、上記で得られた不飽和化合物(A)
を使用して不飽和基を有する樹脂を合成した。 [合成例1]スチレン30重量部、ブチルアクリレート3
5重量部、アクリル酸35重量部およびアゾビスイソブ
チロニトリル3重量部からなる混合液を、窒素ガス雰囲
気下において110℃に保持した反応容器中のn−ブタ
ノール50重量部、メチルイソブチルケトン40重量部
に3時間かけて滴下した。滴下後、1時間熟成させ、ア
ゾビスジメチルバレロニトリル1重量部とメチルイソブ
チルケトン10重量部からなる混合液を1時間要して滴
下し、さらに5時間熟成させて高酸価アクリル樹脂(酸
価273)溶液を得た。次にこの溶液に参考例1で得ら
れた化合物98重量部およびメチルハイドロキノン0.
99重量部を加えて空気を吹き込みながら80℃、5時
間反応させて硬化性不飽和樹脂(酸価18.55、不飽
和基数2.12個/分子量1000、数平均分子量約2
0,000)の溶液を得た。
【0043】[合成例2]合成例1の酸基含有アクリル樹
脂溶液204重量部に参考例2で得られた化合物120
重量部およびメチルハイドロキノン1.1重量部を加え
て空気を吹き込みながら80℃、5時間反応させて不飽
和樹脂(酸価9.51、不飽和基数2.04個/分子量
1000、数平均分子量約18,000)の溶液を得
た。
【0044】[合成例3]ブチルメタクリレート40重量
部、ブチルアクリレート35重量部、アクリル酸25重
量部およびアゾビスイソブチロニトリル1重量部からな
る混合液を窒素ガス雰囲気下において110℃に保持し
た反応容器中のn−ブタノール90重量部に3時間かけ
て滴下した。滴下後、1時間熟成させ、アゾビスジメチ
ルバレロニトリル1重量部およびメチルイソブチルケト
ン10重量部からなる混合液を1時間要して滴下し、さ
らに5時間熟成させて高酸価アクリル樹脂(酸価19
5)溶液を得た。次にこの溶液に参考例3で得られた化
合物80重量部およびハイドロキノン0.45重量部を
加えて空気を吹き込みながら80℃で5時間反応させて
不飽和樹脂(酸価11.31、不飽和基数1.73個/
分子量1000、数平均分子量約35,000)の溶液
を得た。
【0045】[合成例4]メチルメタクリレート20重量
部、スチレン35重量部、メチルアクリレート25重量
部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15重量部、
アクリル酸50重量部およびアゾビスイソブチロニトリ
ル5重量部からなる混合系を窒素ガス雰囲気下において
105℃に保持した反応容器中のブチルセロソルブ60
重量部に3時間かけて滴下した。滴下後、1時間熟成さ
せ、アゾビスジメチルバレロニトリル1重量部およびブ
チルセロソルブ7重量部からなる混合液を1時間要して
滴下し、さらに、5時間熟成させて高酸価アクリル樹脂
(酸価269)溶液を得た。次にこの溶液に参考例1で
得られた化合物70重量部およびハイドロキノン0.5
4重量部を加えて空気を吹き込みながら80℃で5時間
反応させて不飽和樹脂(酸価102.82、不飽和基数
1.40個/分子量1000、数平均分子量12,00
0)の溶液を得た。
【0046】[合成例5]スチレン25重量部、ブチルア
クリレート23重量部、参考例1で得られた不飽和化合
物(A−1)35重量部およびt−ブチルパーオキシ2
−エチルエキサノエート3重量部からなる混合液を窒素
ガス雰囲気下において110℃に保持した反応容器中の
n−ブタノール20重量部、メチルイソブチルケトン7
0重量部に3時間かけて滴下した。滴下後、1時間熟成
させ、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート
1重量部とメチルイソブチルケトン10重量部からなる
混合液を1時間要して滴下し、さらに、7時間熟成させ
て不飽和化合物(A−1)をモノマー単位として有する
エポキシ基含有アクリル樹脂(オキシラン酸素濃度2.
90%)の溶液を得た。次にこの溶液にアクリル酸13
重量部およびハイドロキノン0.24重量部を加えて空
気を吹き込みながら80℃、7時間反応させて不飽和樹
脂(酸化0.00、不飽和基数1.88個/分子量10
00、オキシラン酸素濃度0.00%、数平均分子量約
19,000)の溶液を得た。
【0047】[合成例6]ブチルメタクリレート40重量
部、ブチルアクリレート24重量部、参考例3で得られ
た不飽和化合物(A−2)36重量部およびt−ブチル
パーオキシ2−エチルヘキサノエート2重量部からなる
混合液を窒素ガス雰囲気下において110℃に保持した
反応容器中の酢酸イソブチル90重量部に3時間かけて
滴下した。滴下後、1時間熟成させて、t−ブチルパー
オキシ2−エチルヘキサノエート1重量部、酢酸イソブ
チル10重量部からなる混合液を1時間要して滴下し、
さらに7時間熟成させて不飽和化合物(A−2)をモノ
マー単位として有するエポキシ基含有アクリル樹脂(オ
キシラン酸素濃度2.24%)の溶液を得た。次にこの
溶液にアクリル酸10重量部、ハイドロキノン0.28
重量部を加えて空気を吹き込みながら80℃、5時間反
応させて不飽和樹脂(酸化0.00、不飽和基数1.2
6個/分子量1000、オキシラン酸素濃度0.00
%、数平均分子量23,000)の溶液を得た。
【0048】[合成例7]ブチルメタクリレート20重量
部、ブチルアクリレート15.3重量部、参考例1で得
られた不飽和化合物(A−1)64.7重量部およびt
−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート2重量部
からなる混合液を窒素ガス雰囲気下において110℃に
保持した反応容器中の酢酸イソブチル90重量部に3時
間かけて滴下した。滴下後、1時間熟成させて、t−ブ
チルパーオキシ2−エチルヘキサノエート1重量部、酢
酸イソブチル10重量部からなる混合液を1時間要して
滴下し、さらに7時間熟成させて不飽和化合物(A−
2)をモノマー単位として有するエポキシ基含有アクリ
ル樹脂(オキシラン酸素濃度4.44%)の溶液を得
た。次にこの溶液にアクリル酸20重量部、ハイドロキ
ノン0.30重量部を加えて空気を吹き込みながら80
℃、5時間反応させた後、テトラヒドロ無水フタル酸4
2重量部を加えて酸無水物で変性した不飽和樹脂(酸化
96.08、不飽和基数2.31個/分子量1000、
オキシラン酸素濃度0.00%、数平均分子量25,0
00)の溶液を得た。
【0049】[比較合成例1]スチレン30重量部、ブチ
ルアクリレート40重量部、アクリル酸30重量部およ
びアゾビスイソブチロニトリル3重量部から混合液を窒
素ガス雰囲気下において120℃に保持した反応容器中
のn−ブタノール50重量部、メチルイソブチルケトン
40重量部中に3時間かけて滴下した。滴下後、1時間
熟成させ、アゾビスジメチルバレロニトリル1重量部と
セロソルブ10重量部からなる混合液を1時間要して滴
下し、さらに5時間熟成させて高酸価アクリル樹脂(酸
価222)溶液を得た。次にグリシジルメタクリレート
56重量部、ハイドロキノン0.13重量部、テトラエ
チルアンモニウムブロマイド0.6重量部を加えて空気
を吹き込みながら120℃、8時間反応させて不飽和樹
脂(酸価5、不飽和基数2.5個/分子量1000、数
平均分子量約15,000)溶液を得た。
【0050】以下、上記合成例で得られた不飽和基を有
する樹脂を使用して有機溶剤及び/又は重合性ビニルモ
ノマーの希釈剤を配合して硬化性不飽和樹脂組成物を得
た。得られた硬化性不飽和樹脂組成物を塗布して、塗膜
の物性を調べた。
【0051】[実施例1]合成例1の溶液300重量部に
開始剤としてα−ヒドロキシイソブチルフェノン10重
量部を加えた後、この溶液をアルミニウム板上にバーコ
ーターで塗装し、80℃で15分間乾燥させた後、12
0Wの高圧水銀灯で5秒間UV照射し硬化させた。この
塗膜厚は約20μmであった。また、この塗膜の付着性
及び耐水性を調べた。
【0052】[実施例2]合成例1の溶液300重量部に
ビニル単量体2−ヒドロキシ−3−フェノキシ−プロピ
ルアクリレート(アロニックスM5700(東亜合成
(株)製、商品名、以下同様))100重量部、トリプ
ロピレングリコールジアクリレート20重量部を加えて
100℃に加熱した後、空気を吹き込みながら減圧し、
溶液中のn−ブタノール及びメチルイソブチルケトンを
除去した。さらに、α−ヒドロキシイソブチルフェノン
16重量部を添加した。この組成物をアルミニウム板上
にバーコーターで塗装し、120Wの高圧水銀灯で5秒
間照射し、硬化させた。この塗膜厚は20μmであっ
た。この塗膜の付着性及び耐水性を調べた。
【0053】[実施例3]合成例2の溶液312重量部に
ビニル単量体アロニックスM5700を106重量部、
トリプロピレングリコールジアクリレート22重量部を
加えて実施例2と同様にして溶剤を除去後、α−ヒドロ
キシイソブチルフェノン17重量部を添加した。さらに
実施例2と同じ方法で硬化させた。
【0054】[実施例4]合成例5の溶液220重量部に
α−ヒドロキシイソブチルフェノン6重量部を加えた
後、この溶液をアルミニウム板上にバーコーターで塗装
し、80℃15分間乾燥させた後、120Wの高圧水銀
灯で2秒間UV照射し硬化させた。この塗膜厚は約20
μmであった。この塗膜の付着性及び耐水性を調べた。
【0055】[実施例5]合成例5の溶液220重量部に
ビニル単量体アロニックスM5700を60重量部、ト
リプロピレングリコールジアクリレート12重量部を加
えて100℃に加熱した後、空気を吹き込みながら減圧
し、溶液中のn−ブタノール及びメチルイソブチルケト
ンを除去した。さらに、α−ヒドロキシイソブチルフェ
ノン10重量部を添加した。この組成物をアルミニウム
板上にバーコーターで塗装し、12Wの高圧水銀灯で2
秒間照射し、硬化させた。この塗膜厚は20μmであっ
た。この塗膜の付着性及び耐水性を調べた。
【0056】[比較例1]比較合成例1の溶液260重量
部にα−ヒドロキシイソブチルフェノン8重量部を加え
た後、実施例1と同様の試験をした。
【0057】[比較例2]比較合成例1の溶液260重量
部にアロニックスM5700を80重量部、トリプロピ
レングリコールジアクリレート16重量部を加えて実施
例2と同様にして溶剤を除去後、α−ヒドロキシイソブ
チルフェノン13重量部を添加した。さらに実施例2と
同じ方法で硬化させた。実施例1〜5及び比較例1及び
2の塗膜試験結果をまとめて表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】1)付着性:JIS D−0202の試験
法に従いテストピースに1mm間隔で100個のゴバン
目状のカットを入れて、次いでセロファン粘着テープで
ピーリングを行ない、ハクリを生じていない桝目の数を
分子に、もとの桝目の数(100ケ)を分母として表わ
した。 2)浸水後の付着性:50℃の温水中に1日塗板を浸漬
した後、表面の水分を抜きとり、室温で1時間放置した
後1)と同じ試験をした。
【0060】[実施例6]合成例3の溶液264重量部に
トリプロピレングリコールジアクリレート50重量部、
1,6ヘキサンジオールジアクリレート50重量部、ト
リメチロールプロパントリアクリレート50重量部を加
えて、100℃に加熱した後、空気を吹き込みながら減
圧し、溶液中のn−ブタノール溶剤を除去した。さら
に、チタン白62重量部を加えて、ボールミルで分散
し、白色塗料を作製した。この塗料をカーテンコーター
を用いて厚さ1.5cmのセッコウボード上に塗装した
後、7メガラッドの電子線を照射して塗膜を硬化させセ
ッコウタイルを作った。塗膜厚は約100μmである。
セッコウとの付着性は良好であり、壁に張りつけて3ケ
月間外観及び付着性を評価した結果、初期と変らず良好
であった。
【0061】[実施例7]合成例4の溶液198重量部、
フェノールノボラックエポキシ樹脂(エポキシ当量17
3)20重量部、α−ヒドロキシイソブチルフェノン5
重量部、フタロシアニングリーン0.5重量部を3本ロ
ールで混練した。この組成物をプリント配線板用ソルダ
ーレジストインキとして使用した。次に、該インキを銅
スルーホールプリント配線板上にスクリーン印刷法で塗
布し、70℃で10分間乾燥(膜厚15〜20μ)した
後、必要なパターンが描かれたフィルムを密着させ、3
KW超高圧水銀灯で800mJ/cm2の光量を照射し
た。さらに、1%炭酸ソーダ溶液で未露光部を除去した
のち、140℃で30分間加熱することによりソルダー
レジスト膜を得た。このレジスト膜は、耐ハンダメッキ
性等の耐熱性、酸及びアルカリに対する耐薬品性が優れ
ていた。
【0062】[実施例8]合成例7の溶液198重量部、
フェノールノボラックエポキシ樹脂(エポキシ当量17
3)20重量部、α−ヒドロキシイソブチルフェノン5
重量部、フタロシアニングリーン0.5重量部を3本ロ
ールで混練した。この組成物をプリント配線板用ソルダ
ーレジストインキとして使用した。次に、該インキを銅
スルーホールプリント配線板上にスクリーン印刷法で塗
布し、70℃で10分間乾燥(膜厚15〜20μ)した
後、必要なパターンが描かれたフィルムを密着させ、3
KW超高圧水銀灯で800mJ/cm2の光量を照射し
た。さらに、1%炭酸ソーダ溶液で未露光部を除去した
のち、140℃で30分間加熱することによりソルダー
レジスト膜を得た。このレジスト膜は、耐ハンダメッキ
性等の耐熱性、酸及びアルカリに対する耐薬品性が優れ
ていた。
【0063】[実施例9]合成例6の溶液217重量部に
トリプロピレングリコールジアクリレート40重量部、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート40重量部、
トリメチロールプロパントリアクリレート30重量部を
加えて100℃に加熱した後、空気を吹き込みながら減
圧し、溶液中の酢酸イソブチルを除去した。チタン白5
5重量部を加えてボールミルで分散し白色塗料を作製し
た。この塗料を実施例4と同様に電子線照射して白色セ
ッコウタイルを作った。該セッコウを壁に張りつけて3
ケ月間外観及び付着性を評価した結果、初期と変らず良
好であった。
【0064】
【発明の効果】本発明の組成物は、特に不飽和化合物
(A)に由来する脂環式エポキシ基とアクリル系樹脂に
由来する酸基との付加反応、又は、不飽和化合物(A)
をモノマー単位として有するエポキシ基含有樹脂に由来
する脂環式エポキシ基と酸基含有不飽和化合物に由来す
る酸基との付加反応は、エポキシ基の開環重合反応の反
応性が高いため容易に反応して、樹脂中に活性エネルギ
ー線硬化可能な不飽和基を導入することができる。本発
明の組成物から形成される被膜は、付着性に優れ、また
アクリル系樹脂の酸基と脂環式エポキシ基との化学反応
によって生じた化学結合が比較的立体障害の大きな結合
であるため加水分解促進物質(例えば水、海水等)に対
して化学的に安定であることから耐水性等の耐久性に優
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 155/00 C09D 155/00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸基含有アクリル系樹脂と下記式(A−
    1) 【化1】 及び/又は下記式(A−2) 【化2】 で表される不飽和化合物(A−1)及び/又は(A−
    2)との反応物に、有機溶剤及び光重合開始剤を配合
    し、必要に応じて重合性ビニルモノマーの希釈剤を配合
    してなる硬化性不飽和樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の不飽和化合物(A−1)
    及び/又は(A−2)をモノマー単位として有するエポ
    キシ基含有樹脂と酸基含有不飽和化合物との反応物に、
    有機溶剤及び光重合開始剤を配合し、必要に応じて重合
    性ビニルモノマーの希釈剤を配合してなる硬化性不飽和
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の反応物を、酸無
    水物で変性した樹脂に、有機溶剤及び光重合開始剤を配
    合し、必要に応じて重合性ビニルモノマーの希釈剤を配
    合してなる硬化性不飽和樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性
    不飽和樹脂組成物を被塗物上に塗布し、形成された塗膜
    に活性エネルギー線を照射して得られた硬化塗膜。
JP6408798A 1998-02-27 1998-02-27 新規な硬化性不飽和樹脂組成物及びその硬化塗膜 Pending JPH11246642A (ja)

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