JPH11246472A - 光学活性α−置換カルボン酸の製造方法 - Google Patents

光学活性α−置換カルボン酸の製造方法

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JPH11246472A
JPH11246472A JP5396598A JP5396598A JPH11246472A JP H11246472 A JPH11246472 A JP H11246472A JP 5396598 A JP5396598 A JP 5396598A JP 5396598 A JP5396598 A JP 5396598A JP H11246472 A JPH11246472 A JP H11246472A
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JP
Japan
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acid
substituted carboxylic
optically active
carboxylic acid
producing
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JP5396598A
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Atsushi Okamoto
岡本  敦
Tetsuji Kitagawa
哲司 北川
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光学活性なα−置換カルボン酸エステルと酸触
媒、有機酸から光学活性な2−置換カルボン酸を製造す
る 。 【解決手段】 光学活性なα−置換カルボン酸エステル
を酸触媒と有機酸と接触させることにより、ラセミ化す
ることなく光学活性な2−置換プロピオン酸を製造する
ことができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学活性な医薬、農
薬、液晶化合物その他の合成中間体として有用なα−置
換カルボン酸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、光学活性α−置換カルボン酸
の製造方法について研究されている。例えば、生化学的
に製造する方法としてはシュードモナス属細菌又はその
処理物をα−置換カルボン酸に接触させ反応代謝させる
方法(特開平4−325096号)が知られている。ま
た、光学分割剤に光学活性な1−(1−ナフチル)エチ
ルアミンを用いてD,L−2−クロロプロピオン酸との
ジアステレオマー塩を形成させ、その溶解度差を利用し
て分割する方法(特開昭60−13736号)や、光学
活性なバリンを用いて分割する方法(特開平1−168
638号)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、生化学
的に製造する方法は、その工程が非常に複雑で、また目
的に適した菌体を多量に得ることが必要となるため、培
地原料が多量に必要となり、工業的に不利である。ま
た、ジアステレオマー法における光学分割では、分離対
象化合物が限定され、また、収率、光学純度ともに低
く、さらに用いる光学活性分割剤の合成が非常に困難で
あるために、工業的な製造方法にはなりにくい問題点が
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、光学活性
なα−置換カルボン酸の化学的合成法について鋭意研究
した結果、光学活性なα−置換カルボン酸エステルを酸
触媒と有機酸と接触させることにより、ラセミ化するこ
となく光学活性な2−置換カルボン酸を製造できること
を見出した。
【0005】すなわち、本発明は光学活性α−置換カル
ボン酸エステルを酸触媒と有機酸と接触させることを特
徴とする光学活性α−置換カルボン酸製造法に関するも
のである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明におけるα−置換カルボン酸とは、
カルボキシル基が結合している炭素原子に置換基を有す
るカルボン酸ことであり、例えば、2-フェノキシプロピ
オン酸、ベンゼン環に官能基を有する2-アリールオキシ
プロピオン酸誘導体、α-メトキシフェニル酢酸、2-フ
ェニルプロピオン酸、マンデル酸、O-アセチルマンデ
ル酸、バリン、チロシン、アラニン、リジン、プロリン
などであり、α−ハロ置換カルボン酸としては、2-クロ
ロプロピオン酸、2-ブロモプロピオン酸、α-ブロモγ-
バレロラクトンなどが挙げられる。
【0008】本発明で用いられるα−置換カルボン酸エ
ステルのエステル基はC1からC12までの炭素原子を
持つ脂肪属炭化水素、芳香族炭化水素などであり、特に
制限はないが、例えば、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペン
チル、イソペンチル、ヘキシル、n−ドデシル、フェニ
ル、ベンジル、イソプロピルベンジルなどを例示でき
る。
【0009】本発明におけるα−置換カルボン酸エステ
ルの光学純度は70%ee以上であり、より好ましくは
80%ee以上であり、さらに好ましくは95%ee以
上である。
【0010】本発明で使用される酸触媒としては、例え
ば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げら
れ、好ましくは塩酸、硫酸である。本発明では、酸解離
定数PKaが3以下のものが好ましく用いられる。
【0011】本発明で用いられる酸解離指数(PKa)
は、水溶液中、25℃での解離定数の逆数の対数値のこ
とであり、酸解離指数PKaの値が小さくなるに従って
その酸強度が増していく。
【0012】本発明において、用いられる酸触媒の量
は、α−置換カルボン酸エステルに対して0.01倍モ
ルから10倍モルの範囲が好ましい。さらに好ましく
は、0.1倍モルから10倍モルの範囲である。しか
し、有機酸がα−置換カルボン酸エステルに対して0.
01倍モルより少なくても、収率が低下するだけで、本
発明を実施する上では特に大な障害にはならない。
【0013】本発明で使用される有機酸としては、ギ
酸、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、ヘキサ
ン酸、トリフルオロ酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、
トリクロロ酢酸、ブロモ酢酸、リンゴ酸、マンデル酸、
ピルビン酸、シュウ酸、アクリル酸、メタクリル酸、フ
マル酸、マレイン酸、安息香酸、p−トルイル酸、m−
トルイル酸、o−トルイル酸などが挙げられ、好ましく
はギ酸、酢酸である。
【0014】本発明において、用いられる有機酸の量
は、α−置換カルボン酸エステルに対して等モル以上が
好ましい。しかし、有機酸の量がα−置換カルボン酸エ
ステルに対して等モルより少なくても、収率が低下する
だけで、本発明を実施する上では特に大きな障害にはな
らない。
【0015】本発明における反応温度は0℃〜100℃
の範囲で行うことが好ましく、ラセミ化反応を抑制する
ために0℃〜60℃の範囲で行うことがより好ましい。
【0016】
【実施例】次に本発明の効果を実施例を挙げて説明す
る。実施例で用いた分析法は、次の通りである。合成し
たα−置換カルボン酸エステルの旋光度は、日本分光工
業社製DIP−140型旋光計を用いて測定した。生成
したα−置換カルボン酸の定量は高速液体クロマトグラ
フィーにより行った。使用したカラムとしては、キラル
セルODカラム(ダイセル社製)を用い、次の条件fで
測定した。移動相:アセトニトリル:0.01%リン酸
水溶液=7:3流速0.8ml/min、検出:UV−
254nm。α−置換カルボン酸の光学純度を測定する
ために次のような誘導体化を行った。反応液0.2gに
0.1規定の炭酸ナトリウム水溶液20mlを加え、次
にクロロホルム20mlを加えて抽出し、分液した水相
に過剰の塩酸を加えて酸性水溶液にする。次にクロロホ
ルム20mlで抽出し、塩化チオニル2mlを加えて8
0℃で加熱後、クロロホルム5ml、アニリン2mlを
加える。ここに過剰の塩酸を加えて抽出し、クロロホル
ム相を水洗後、濃縮したものを高速液体クロマトグラフ
ィーで分析を行った。
【0017】実施例1 L−乳酸メチル(メルク社製)104g(1mol)を
塩化チオニル132g(1.1mol)とピリジン0.
5gの入った500mlフラスコ中に滴下して、60
℃、3時間攪拌した。その後、75℃に反応温度を上昇
して約1時間攪拌した。冷却後、反応液に水とクロロホ
ルムを加えて有機相を抽出し、炭酸水素ナトリウム水溶
液で中和後、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を減圧下に留去してD−2−クロロプロピオン酸メ
チル82g([α]D=+31.0°(neat))を得た。
【0018】合成したD−2−クロロプロピオン酸メチ
ル15gと35%濃塩酸30g、酢酸200gを加え、
室温で48時間攪拌した。減圧蒸留によりD−2−クロ
ロプロピオン酸8.6g(単離収率65%)を、光学純
度,97.5%eeで得た。このことから、光学活性な
α−置換カルボン酸エステルを酸触媒と有機酸と接触さ
せることにより、ラセミ化することなく光学活性な2−
置換カルボン酸を製造できることを確認した。
【0019】実施例2 実施例1と同様の方法で、D−2−クロロプロピオン酸
メチル50gと35%濃塩酸90g、酢酸500gを加
え、室温で48時間攪拌した。減圧蒸留によりD−2−
クロロプロピオン酸29g(単離収率65%)を、光学
純度,98.0%eeで得た。このことから、実施例1
と同様の効果があることを確認した。
【0020】実施例3 実施例1と同様の方法で、D−2−クロロプロピオン酸
メチル60gと35%濃塩酸100g、酢酸に変えてギ
酸300gを加え、室温で48時間攪拌した。減圧蒸留
によりD−2−クロロプロピオン酸30g(単離収率5
6%)を、光学純度,98.5%eeで得た。このこと
から、実施例1と同様の効果があることを確認した。
【0021】比較例1 実施例1と同様の方法で、D−2−クロロプロピオン酸
メチル15gと35%濃塩酸40gを加え、室温で1週
間攪拌し、さらに55℃で48時間攪拌した。減圧蒸留
により2−クロロプロピオン酸8.3g(単離収率63
%)を、D−2−クロロプロピオン酸の光学純度,54
%eeで得た。このことから、有機酸を用いない場合、
ラセミ化が起こり、満足できる光学純度を得ることがで
きなかった。
【0022】以上の結果から、光学活性なα−置換カル
ボン酸エステルを酸触媒と有機酸と接触させることによ
り、ラセミ化することなく光学活性な2−置換カルボン
酸を製造できることが分かった。
【0023】
【発明の効果】光学活性なα−置換カルボン酸エステル
を酸触媒と有機酸と接触させることにより、ラセミ化す
ることなく光学活性な2−置換カルボン酸を製造するこ
とができた。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学活性なα−置換カルボン酸エステル
    を、酸触媒と有機酸と接触させることを特徴とする光学
    活性α−置換カルボン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 α−置換カルボン酸がα−ハロカルボン
    酸である請求項1記載の光学活性α−置換カルボン酸の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記エステルが、C1からC12までの
    炭素原子を持つエステル基である請求項1または2記載
    の光学活性α−置換カルボン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 酸解離指数PKaが3以下の酸触媒を用
    いることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の光
    学活性α−置換カルボン酸の製造方法。
  5. 【請求項5】 有機酸がギ酸および/または酢酸である
    請求項1〜3いずれかに記載の光学活性α−置換カルボ
    ン酸の製造方法。
  6. 【請求項6】 有機酸をα−置換カルボン酸エステルに
    対して等モル以上用いることを特徴とする請求項1〜5
    いずれかに記載の光学活性α−置換カルボン酸の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 α−置換カルボン酸がα−クロロプロピ
    オン酸である請求項1〜6いずれかに記載の光学活性α
    −置換カルボン酸の製造方法。
  8. 【請求項8】 反応温度を0℃から60℃の範囲で実施
    することを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の光
    学活性α−置換カルボン酸の製造方法。
JP5396598A 1998-03-05 1998-03-05 光学活性α−置換カルボン酸の製造方法 Pending JPH11246472A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6903233B2 (en) 2002-03-11 2005-06-07 Takasago International Corporation Process for producing optically active 3-halogenocarboxylic acid ester and 3-azidocarboxylic acid ester

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6903233B2 (en) 2002-03-11 2005-06-07 Takasago International Corporation Process for producing optically active 3-halogenocarboxylic acid ester and 3-azidocarboxylic acid ester

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