JPH11245214A - 碍子の切削装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ツールチェンジを迅速に行うことができ、切
削能率を上げることができる碍子の切削装置を提供す
る。 【解決手段】 碍子素体Ｗの回転台１０の側方に、回転
中の碍子素体Ｗに対して進退および昇降できる垂直板状
の刃物ベース１７を設置する。この刃物ベース１７上
に、シリンダ１９の先端に刃物２０を取り付けた切削ツ
ール１８を複数個並列に配置し、任意の一つの切削ツー
ル１８を突出させて刃物ベース１７とともに移動させつ
つ碍子素体Ｗの表面を切削する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、長尺の中空碍子、
長幹碍子、ＳＰ碍子等の製造工程において、土練機から
押し出され適度の水分まで乾燥された碍子素体を切削加
工するための碍子の切削装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】上記のような碍子の製造工程において
は、適度の水分まで乾燥された碍子素体を回転台に載せ
て垂直軸の回りに回転させながら、切削ツールを用いて
所定形状に切削している。この切削には種類の異なる３
〜４種類の切削ツールが順次用いられる。

【０００３】図４はこのための従来の碍子の切削装置を
示す図であり、水平軸１の回りに反時計方向に９０度ず
つ回転できる正方形の回転盤２の各辺に、４種類の切削
ツール３ａ〜３ｄを取り付けたものである。この回転盤
２の全体はベース盤４に取り付けられており、送りネジ
５によってベース盤４を回転中の碍子素体Ｗに対して進
退させることができる。

【０００４】この図４の装置は、最初の切削ツール３ａ
による切削終了後、ロックを解除したうえ水平軸１の回
りに回転盤２を回転させ、再びロックして次の切削ツー
ル３ｂによる切削を行い、以下同様のツールチェンジを
繰り返しながら碍子の切削を行って行く。これらのツー
ルチェンジはプログラムに従って自動的に行われ、回転
盤２が９０度回転する毎にタッチセンサによるツール位
置の確認が行われる。

【０００５】ところがこの図４の装置は、ツール位置の
確認を９０度回転する毎に行ってコンピュータと信号の
やり取りを行うためにツールチェンジに時間がかかり、
隣接する切削ツールへのツールチェンジに約４秒を要し
ていた。また回転盤２の回転方向が一方向に限定されて
いるため、例えば切削ツール３ａから切削ツール３ｄへ
のツールチェンジには１２秒を要するという問題があっ
た。このため、３ａ→３ｄの順にツールチェンジを行う
場合はともかく、使用する切削ツールの順序が変則的な
場合にはツールチェンジに多くの時間を要し、切削能率
が低いという問題があった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決し、ツールチェンジを迅速に行うことが
できる切削能率に優れた碍子の切削装置を提供するため
になされたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、碍子素体の回転台の側方に、回
転中の碍子素体に対して進退及び昇降できる板状の刃物
ベースを設置するとともに、この刃物ベース上に、シリ
ンダの先端に碍子素体切削用の刃物を取り付けた切削ツ
ールを、複数個並列に配置したことを特徴とするもので
ある。なお、回転台が碍子素体を垂直軸の回りに回転さ
せるものであり、刃物ベースが垂直板状のものであるこ
とが好ましい。

【０００８】本発明の碍子の切削装置は、刃物ベース上
に切削ツールを複数個並列に配置したものであるから、
各切削ツールをシリンダによって交互に突出させること
によって、ツールチェンジを従来の半分以下の時間で行
うことができる。しかも使用する切削ツールの順序が変
則的であっても、ツールチェンジに要する時間は一定で
ある。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施の形
態を示す。図１は本発明の装置の正面図、図２はその平
面図である。図中、１０は碍子素体Ｗを垂直軸の回りに
回転させるための回転台であり、碍子素体Ｗの頭部チャ
ック１１と底部チャック１２とを備えている。１３はそ
の近傍に立設された縦フレームであり、この縦フレーム
１３には図示を略した昇降機構により昇降される昇降台
車１４が取り付けられている。

【００１０】この昇降台車１４の前面にはモータ１５に
より回転されるボールねじ１６が設けられ、垂直板状の
刃物ベース１７がこのボールねじ１６によって回転中の
碍子素体Ｗに対して進退できるようになっている。従っ
て、刃物ベース１７は碍子素体Ｗに対して進退及び昇降
することができる。またこの板状の刃物ベース１７上に
は、切削ツール１８ａ〜１８ｄが複数個並列に配置され
ている。各切削ツール１８ａ〜１８ｄはそれぞれシリン
ダ１９ａ〜１９ｄの先端に碍子素体切削用の刃物２０ａ
〜２０ｄを取り付けたものであり、シリンダ１９ａ〜１
９ｄの後部は図２のように刃物ベース１７に取り付けら
れている。

【００１１】従って、刃物ベース１７自体が碍子素体Ｗ
に対して進退及び昇降できるのみならず、刃物ベース１
７に対して各切削ツール１８ａ〜１８ｄを個別に進退さ
せることができる。各切削ツール１８ａ〜１８ｄはいず
れか一つの切削ツールのみが前進するようにプログラム
制御されている。

【００１２】このように構成された本発明の切削装置
は、回転台１０上に載せた碍子素体Ｗを回転させつつ、
刃物ベース１７上の切削ツール１８ａ〜１８ｄのうち何
れかをシリンダ１９ａ〜１９ｄにより前進させる。そし
て刃物ベース１７をボールねじ１６によって回転中の碍
子素体Ｗに対して進退させ、同時に昇降台車１４を縦フ
レーム１３に沿って昇降させることにより刃物ベース１
７を昇降させる。このようにして刃物ベース１７上の切
削ツールを水平方向及び垂直方向に移動させながら、切
削ツールにより碍子素体Ｗを所定形状に切削する。

【００１３】またツールチェンジを行う際には、刃物ベ
ース１７をやや後退させた状態でそれまで前進していた
切削ツールをシリンダにより後退させ、次に使用する切
削ツールをシリンダにより前進させるだけでよい。この
ためツールチェンジは極めて迅速に行うことができ、例
えば２秒程度でツールチェンジが可能である。

【００１４】なお図３に示す他の実施形態の装置では、
切削ツールの数は１８ａ〜１８ｃの３つであり、シリン
ダ１９ａ〜１９ｃの取付け位置が多少異なるが、その他
の点は図１、図２の装置と同様であり、その使用方法も
上記と変わるところはない。

【００１５】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明の碍子の
切削装置は、刃物を取り付けた切削ツールを刃物ベース
上に複数個並列に配置したものであるから、ツールチェ
ンジを任意の順序で短時間に行なうことができる。この
ため切削時間が従来より１０〜１５％短縮されるととも
に、従来装置において時折発生したツールチェンジミス
がなくなり、更に装置の簡素化を図ることができる等の
多くの利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の碍子の切削装置の正面図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】本発明の他の実施形態を示す要部の正面図であ
る。

【図４】従来例を示す正面図である。

【符号の説明】

１ 水平軸、２ 回転盤、３ａ〜３ｄ 切削ツール、４
ベース盤、５ 送りネジ、１０ 回転台、１１ 頭部
チャック、１２ 底部チャック、１３ 縦フレーム、１
４ 昇降台車、１５ モータ、１６ ボールねじ、１７
刃物ベース、１８ａ〜１８ｄ 切削ツール、１９ａ〜
１９ｄ シリンダ、２０ａ〜２０ｄ 刃物、Ｗ 碍子素
体

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 碍子素体の回転台の側方に、回転中の碍
   子素体に対して進退及び昇降できる板状の刃物ベースを
   設置するとともに、この刃物ベース上に、シリンダの先
   端に碍子素体切削用の刃物を取り付けた切削ツールを、
   複数個並列に配置したことを特徴とする碍子の切削装
   置。
2. 【請求項２】 回転台が碍子素体を垂直軸の回りに回転
   させるものであり、刃物ベースが垂直板状のものである
   請求項１に記載の碍子の切削装置。