JPH1124413A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH1124413A
JPH1124413A JP13443198A JP13443198A JPH1124413A JP H1124413 A JPH1124413 A JP H1124413A JP 13443198 A JP13443198 A JP 13443198A JP 13443198 A JP13443198 A JP 13443198A JP H1124413 A JPH1124413 A JP H1124413A
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JP
Japan
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ink
liquid
forming apparatus
atomizing
image forming
Prior art date
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JP13443198A
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English (en)
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Shuzo Kaneko
修三 金子
Tadashi Furuya
正 古屋
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Canon Inc
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な且つ超小型の構成にて、均一なインク
の搬送、帯電、制御を行ない、インクを微細化してイン
クミストを形成し、このインクミストを静電潜像面にの
み確実に飛翔、付着させ、鮮明な現像を実現し、高精細
な、高品質の画像を得ることのできる画像形成装置を提
供する。 【解決手段】 現像装置1は、液体インクを保持するイ
ンク保持部7よりインクを搬送するインク搬送スリット
部12と、このインク搬送スリット部12からの液体イ
ンクを微細ミスト状に霧化するインク霧化手段を有する
インク霧化部13と、インク搬送スリット部12からイ
ンク霧化部13へと搬入されるインク量を規制し、イン
ク霧化部における液面を形成する液面制御手段6と、微
細ミスト状のインクを静電潜像部に向けて放出する放出
口へ導く出口スリット部14と、インクを帯電せしめる
帯電手段8と、を有する。液面制御手段6は含液性多孔
性部材を有する構成とされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ、ファク
シミリ、複写機などの画像形成装置に関するものであ
り、特に、電子写真、静電記録、イオンフロー法などに
より感光体、絶縁体又は強誘電体などの静電潜像担時体
に形成される静電潜像を、液体インクを用いこれを微細
化することにより、非接触で現像し可視像とするための
画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、オフィスや家庭で使用される複写
機、プリンタなどに採用されている電子写真方式や静電
記録方式による現像手段としては、現像剤として着色顔
料を粒子中に含有させたトナーを用いる乾式現像方法が
主流である。この理由として、乾式現像方法は、従来古
くは用いられていた湿式現像方法に比べて、現像剤の扱
い及び現像装置の小型化に有利であったことや、更に
は、トナーを担持し搬送する現像スリーブへのトナーの
保持を磁力や、静電気力、又はファンデルワールス力を
利用して調整することができ、カブリなどの画像性の向
上に対して制御がし易いなどといった利点があったから
である。
【0003】一方、最近、特に解像度を高め、より画質
を向上させるためにはトナーの粒径を更に細かく、例え
ば直径5μm以下とする必要性が生じてきた。しかしな
がら、このようにすることによって、画像性を向上する
ことはできるが、トナー飛散の問題が生じ、トナーの画
像形成装置本体内部のみならず装置外への飛散を抑制す
ることは技術的に困難であり、装置コストを引上げるこ
とが考えられる。
【0004】そこで、このような観点から、液体インク
を微細化し、これを帯電させ、静電潜像を現像する試み
が幾つか検討されている。これらの方式は、記録材とし
ての例えば紙への直接記録を行なう従来のインクジェッ
ト法に対して、高精細な静電潜像を利用する点で高画質
化が達成される。又、このような方式は、信号供与のた
めの大掛りな微細加工が不要で、広い画像形成幅の現像
装置を容易に形成できる点で高速記録化にとって有利で
ある。
【0005】このような方式の例としては、例えば、特
開昭58−215671号公報、特開平3−12517
1号公報、特開平5−333703号公報、特開平6−
95514号公報、更には、電子写真16巻2号(昭和
52年)p21−p26などに記載のミスト現像法が挙
げられる。更には、特開昭62−5283号公報に記載
のスリットからのインクを液滴状態で潜像に飛翔させる
方法、或は、特開平6−295131号公報に記載のよ
うに、ローラ上にインクを液滴状態で保持させ、これを
潜像面に飛翔させる非接触インク現像方法などが知られ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の諸方法の欠点としては、例えば上記特開昭58−2
15671号公報などに記載のミスト現像法について言
えば、ミスト放出の開口部が広く、インクミスト発生か
ら潜像面に至るまでにミストが不要に飛散してしまう可
能性が高い構成になっており、又、インクミストの飛散
を抑制するためにグリッド電極などを設ける必要があっ
たり、更には、ミストを搬送或は回収するために装置構
成が複雑化し、且つ大型化してしまうという問題を有し
ている。又、上記特開平6−95514号公報の図面に
記載されるように、単にミスト放出の開口部を狭めるこ
とによっては、ミストの均一性や、高濃度化及び放出の
制御が同時に達成されない、といった難点がある。
【0007】又、上記特開昭62−5283号公報など
に記載のインクを液滴状態で飛翔させる方式のものは、
液滴をスリット又はローラから剥離、飛翔させるために
は、大きなエネルギを必要とし、このため、潜像面とイ
ンクの飛翔位置との距離を例えば200μm程度にまで
狭める必要がある。そのために、インクを介して放電シ
ョートが生じたり、又は、剥離、飛翔の過程で液滴同士
が再結合して真に細かい液滴のみを飛翔させることが困
難であるなどの問題を有している。
【0008】従って、本発明の目的は、簡易な且つ超小
型の構成にて、均一なインクの搬送、帯電、制御を行な
い、インクを微細化してインクミストを形成し、このイ
ンクミストを静電潜像面にのみ確実に飛翔、付着させ、
鮮明な現像を実現し、高精細な、高品質の画像を得るこ
とのできる画像形成装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明の第
1の態様によれば、静電潜像担時体に形成された静電潜
像を液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画
像形成装置であって、前記現像装置は、液体インクを保
持するインク保持部よりインクを搬送するインク搬送ス
リット部と、前記インク搬送スリット部からの液体イン
クを微細ミスト状に霧化するインク霧化手段を有するイ
ンク霧化部と、前記インク搬送スリット部から前記イン
ク霧化部へと搬入されるインク量を規制し、前記インク
霧化部における液面を形成する液面制御手段と、前記微
細ミスト状のインクを静電潜像部に向けて放出する放出
口へ導く出口スリット部と、インクを帯電せしめる帯電
手段と、を有することを特徴とする画像形成装置が提供
される。
【0010】本発明の第2の態様によれば、静電潜像担
時体に形成された静電潜像を液体インクを使用する現像
装置にて可視像とする画像形成装置であって、前記現像
装置は、液体インクを保持するインク保持部よりインク
を搬送し、且つインクを帯電せしめる電極を有した搬送
スリット部と、前記搬送スリット部からの液体インクを
微細ミスト状に霧化するインク霧化手段を有するインク
霧化部と、前記搬送スリット部から前記インク霧化部へ
と搬入されるインク量を規制し、前記インク霧化部にお
ける液面を形成する液面制御手段と、前記微細ミスト状
のインクを静電潜像部に向けて放出する放出口へ導く出
口スリット部と、を有することを特徴とする画像形成装
置が提供される。
【0011】上記各本発明にて、好ましくは、前記イン
ク霧化部における液面制御手段は、前記インク霧化部に
含液性多孔性部材を有する。又、前記インク搬送スリッ
ト部は、その断面の断面長がその空間ギャップより大き
い形状を含むように構成され、又、前記出口スリット部
は、その断面の断面長がその空間ギャップより大きいス
リットノズル状の形状を含むように構成される。更に好
ましくは、前記出口スリット部に制御電極が設けられ
る。又、好ましくは、前記制御電極は、前記出口スリッ
ト部の断面長方向に複数配列された電極とされ、この複
数の電極間に含液性部材が配置される。この含液性部材
は、前記複数の電極間より前記インク霧化部へと連結す
る空孔内に設けることができる。
【0012】本発明の第3の態様によると、静電潜像担
時体に形成された静電潜像を液体インクを使用する現像
装置にて可視像とする画像形成装置であって、前記現像
装置は、液体インクを保持するインク保持部よりインク
を搬送するインク搬送スリット部と、前記インク搬送ス
リット部からの液体インクを微細ミスト状に霧化するイ
ンク霧化手段及び前記インクを帯電せしめる帯電手段を
有するインク霧化部と、前記インク搬送スリット部から
前記インク霧化部へと搬入されるインク量を規制し、前
記インク霧化部における液面を形成する液面制御手段
と、前記微細ミスト状のインクを静電潜像部に向けて放
出する放出口へ導く出口スリット部と、を有し、前記出
口スリット部は、断面の断面長がその空間ギャップより
大きいスリットノズル状の形状を含むように構成し、且
つ前記出口スリット部に制御電極を設けたことを特徴と
する画像形成装置が提供される。好ましくは、前記イン
ク霧化部における液面制御手段は、前記インク霧化部に
含液性多孔性部材を有し、又、前記インク搬送スリット
部は、その断面の断面長がその空間ギャップより大きい
形状を含むように構成される。又、好ましくは、前記制
御電極は、前記出口スリット部の断面長方向に複数配列
された電極とされ、この複数の電極間に含液性部材が配
置される。この含液性部材は、前記複数の電極間より前
記インク霧化部へと連結する空孔内に設けることができ
る。
【0013】上記各本発明の画像形成装置の一実施態様
によれば、一つの静電潜像担持体を有し、その回りにそ
れぞれ異なる色の液体インクを使用する複数の現像装置
を固定配置した構成とすることもできる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る画像形成装置
を図面に則して更に詳しく説明する。
【0015】実施例1 図15に、本発明の画像形成装置の一実施例の全体概略
構成を示す。本実施例の画像形成装置では、静電潜像担
持体としての例えばドラム状の電子写真感光体30が設
けられ、矢印方向に回転自在とされる。感光体ドラム3
0は、静電潜像記録手段によって、つまり、本実施例で
は、先ず、帯電手段としての帯電ローラ32により一様
に帯電され、次いで、レーザ或はLEDアレイなどとさ
れる露光手段35により画像露光され、それによって、
感光体ドラム30上に静電潜像が形成される。
【0016】この感光体ドラム30上の潜像は、本発明
の特徴をなす現像装置1からのインクミストにて現像さ
れ、可視像とされる。現像装置1については、後で更に
詳しく説明する。図15には、現像装置1にインクホッ
パー31が接続された態様が例示される。
【0017】感光体ドラム30上の可視像は、次いで、
転写ローラ34などが配置された転写手段により、通
常、紙などとされる記録材Pに転写される。感光体ドラ
ム30上の転写残りインクはクリーナ33により払拭さ
れ、その後、感光体ドラム30は次の画像形成に供され
る。
【0018】本発明によれば、静電潜像担持体30とし
ては、上述の電子写真感光体のように、例えばアルミニ
ウムなどの導電基板上に、セレン、アモルファスシリコ
ン、有機感光体などの感光性材料のような静電荷保持体
を設けた構成とすることもできるが、更には、静電荷保
持体としては、ポリエチレンテレフタレート、酸化タン
タルなどの絶縁性材料、或はポリフッ化ビニリデンなど
の強誘電体若しくは焦電体材料などを使用することも可
能である。従って、静電潜像記録手段としては、一様帯
電された感光体に対する上述のレーザ、LEDアレイな
どによる光情報書き込みによるほか、絶縁体、強誘電体
などに対する静電スタイラス、イオンフローヘッドによ
る静電記録、又は、サーマルヘッドなどによる熱書き込
みなどの公知の方法により静電潜像を形成することがで
きる。
【0019】次に、図1(a)、(b)及び図2を参照
して現像装置について説明する。本実施例にて現像装置
1は、インク保持部7、インク搬送スリット部12、イ
ンク霧化部13、出口スリット部14を有する。現像装
置の出口スリット部14は、静電潜像担持体30に対向
して配置される。静電潜像担持体30は、上述のよう
に、導電基板21上に静電荷保持体20が形成されたも
のとされ、種々の方法にて静電潜像が形成される。図1
には、静電潜像担持体30にはマイナスの表面電荷が形
成されているが、静電潜像の極性は使用する静電荷保持
体20の特性に応じて選択し得る。
【0020】現像装置1のインク保持部7は、例えば樹
脂製のインク保持部材6にて形成されており、上方に開
口し、インクホッパー31が接続可能とされたインク溜
め部6Aと、この溜め部6Aに連通して本実施例では水
平方向に開口した開口部6Bとを備えている。インク保
持部7で保持されるインクとしては水、アルコール系イ
ンク、或は油性インクなどを用いることができ、体積抵
抗値としては、104〜1013Ω・cm程度のものが好
ましく用いられる。
【0021】インク保持部材6の前記開口部6Bには、
インク搬送スリット部12を形成するガラス又は樹脂製
のスリット形成部材5の一端が接続される。スリット形
成部材5の他端は、後述のインク霧化部13に連通され
る。本実施例では、スリット形成部材5の内部には、帯
電手段としての注入帯電電極8が対向して配置され、イ
ンク搬送スリット部12を通過するインクを所定極性に
帯電させる。
【0022】図2にて、インク搬送スリット部12の断
面空間ギャップD1は、インクの浸透圧が適度に作用す
るサイズが適当であり、10μm〜5mm、好ましくは
30μm〜1mmである。又、スリット形成部材5のイ
ンク搬送部の断面長L1は、適度な浸透圧によりインク
が保持され且つ十分な量のインクを搬送するために0.
5mm〜50mm、好ましくは1mm〜20mmであ
り、上記空間ギャップD1より大きくするのが好まし
い。更に、図1(b)をも参照すると理解されるよう
に、搬送スリットは、画像域幅方向(図1(a)の図面
の紙面垂直方向)に上記空間ギャップD1より大きな、
例えば300mm程度といったスリット長を有すること
で、この方向にも適度な浸透圧が作用し、均一なインク
の搬送が行なわれる。本実施例では、特にこのような狭
いスリットノズルを搬送路とし、且つここに前記帯電電
極8を設け、インクの帯電を行なうようにしたためによ
り均一な帯電を得ることができる。
【0023】又、電極8としては、金、白金、アルミニ
ウムなどの金属、又は酸化インジウム/錫などの金属酸
化物の、厚さ50nm〜500nm程度とされる蒸着膜
或はスパッタ膜が好ましく用いられるが、金属薄板など
を貼り付けたものでもよい。電極の断面長L5は、イン
クを十分帯電し得るように大きい方がよいが、L5とし
ては0.1mm〜20mmの範囲で、画像域幅(図面の
紙面垂直方向)に対応した長さを有する膜として形成す
ることができる。
【0024】前記インク搬送スリット部12に連通する
インク霧化部13は、本実施例では、前記スリット形成
部材5に接続された、上方に位置した霧化部形成部材2
及びこの霧化部形成部材2の下方に対向して位置した霧
化手段取付け部材4にて画成される。霧化手段取付け部
材4に取付けられる霧化手段としては、本実施例では、
超音波振動子3が使用される。超音波振動子3は、イン
ク搬送スリット部12及び電極8を通ってインク霧化部
13へと移動してきたインクを霧化する機能をなす。
又、超音波振動子3にてインクを有効に霧化するために
は、霧化部形成部材2と霧化手段取付け部材4にて画成
されるインク霧化部13の空間ギャップD2は、大きい
方が好ましく、本実施例では、超音波振動子3上に保持
されたインクの液面から0.5mm程度以上確保するこ
とが望ましい。但し、装置の小型化、又、装置製作の容
易さの点から空間ギャップD2としては、好ましくは1
mm〜30mm程度とされる。
【0025】一方、超音波振動子3の断面長L6として
は、1mm〜20mm程度とされ、画像域幅(図面の紙
面垂直方向)に延在した長尺の、例えばチタン酸バリウ
ムなどの圧電材料3Aの上下に電極3Bを有する構造の
ものとすることができる。又、画像域幅方向において
は、振動時に有効に振幅の定在波ができるように長さを
決め、必要に応じて、複数の振動子で画像域幅をカバー
するようにする。更に、超音波振動子3を有効に作用せ
しめるためにインク霧化部、即ち、ミスト発生部13の
断面長L2としては、超音波振動子3の断面長L6より
大きい方が望ましく、2mm〜30mmとされる。
【0026】尚、前記霧化手段取付け部材4としては、
少なくとも超音波振動子3に接触する部分にはゴム材な
ど軟質の部材を用いるのが有効な振動を得る上で望まし
い。又、超音波振動子3とインクとの間には、ショート
を防止するための保護絶縁膜15を設けることが好まし
い。
【0027】本発明によれば、出来るだけ小さな空間に
おいてインクミストを効率よく発生させ、不要なインク
飛沫を発散させなくするために、インク霧化部13に液
面制御手段としての含液性の多孔性部材16が配置され
る。つまり、本発明では、この含液性の多孔性部材16
は、インク霧化部13へのインクの搬入量の制御と、霧
化手段3を配置した個所におけるインク液面の高さを規
制する。本実施例によると、インク霧化部13における
インクの深さを、一例として、0.5mm〜10mm程
度に好ましく規制することが可能になる。
【0028】更に説明すると、図1(b)は、図1
(a)に示すインク霧化部13の下面付近の拡大断面斜
視図である。多孔性部材16は、例えば図1(b)に示
すように、インク搬送スリット部12側及び出口スリッ
ト側14の基板5、9に接する両側のスポンジ16a、
16aと、両側のスポンジ16a、16aを繋ぐメッシ
ュ状部材16bとで構成することができる。
【0029】この構成により、インク搬送スリット部1
2側のスポンジ16aにインクがしみ込み、メッシュ状
部材16bを伝わり、出口スリット部14側のスポンジ
16aにインクが浸透する。この結果、スポンジの含水
圧によりインクの流入量が調整され液面が安定化され
る。即ち、インク搬送スリット部12におけるインク浸
透圧とスポンジの含水圧のバランスを有効に作用させる
ことができる。
【0030】使用される多孔性部材16のスポンジ16
aとしては、例えば東洋ポリマー社製ルビーセル、IN
OAC社製モルトプレーンなどのウレタン材などのほ
か、シリコーンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマ
(EPDM)、NBR、IR、その他の含液性材料を用
いることができる。又、メッシュ状部材16bとして
は、上記のスポンジ16aの構成材料と同じもの、又
は、ナイロンメッシュや金属メッシュなども使用し得
る。
【0031】尚、メッシュ状部材16bとして金属メッ
シュを用いた場合、インク搬送スリット部12に設けた
帯電電極8と同電圧を印加することにより、或いは、帯
電電極8は設けずに金属メッシュ16自体をインク帯電
手段として作用させることも可能である。
【0032】更に又、付加的に更に好ましい構成とし
て、インク保持部7をスポンジ16aと同様の、又は別
種の多孔性部材で埋めることによって更にインクの搬送
制御性を高めることができる。
【0033】又、本発明によれば、前記インク霧化部1
3に隣接して、インク霧化部13にて発生したインクミ
ストを静電潜像担持体30の潜像面へと放出するミスト
放出口14Aを有する出口スリット部14が形成され
る。
【0034】本実施例にて、出口スリット部14は、対
向して配置された出口スリット構成部材9にて形成さ
れ、前記霧化部形成部材2と霧化手段取付け部材4に取
付けられる。この出口スリット構成部材9は、ガラス又
は樹脂で作製することができる。出口スリット部14
は、インク霧化部13からのインクミストを一時保持す
ると共に、静電潜像担持体30に形成された静電潜像に
応じたミスト放出口14Aからのインクミスト放出を制
御する重要な機能をもたらす。出口スリット部14とし
て好ましい形態を次に示す。
【0035】図2を参照すると、先ず、インクミストの
濃度を高めることで潜像への現像性を高め、又は容易に
放出口14Aよりインクミストが漏れないようにするた
めに、スリット断面長L3を空間ギャップD3より大き
くし(L3≧D3)、所謂スリットノズル状に形成す
る。具体的には、空間ギャップD3の好ましい範囲とし
て、50μm〜20mm、更に好ましくは100μm〜
10mmとされ、断面長L3は、好ましくは300μm
〜30mm程度とされる。このように、ノズル状とする
ことで、出口スリット部14内にインクミストが高密度
に浮遊したまま、放出口14Aよりの漏れを抑制するこ
とができる。
【0036】本発明によれば、前記出口スリットは、画
像域幅方向(図1(a)及び図2の図面の紙面垂直方
向)に上記空間ギャップD3より大きなスリット長を有
することで、どのような潜像に対してもこの出口スリッ
ト内で、この方向においてはインクミストが適度に拡散
し、画像形成が良好に行なわれる。本実施例では、特に
このようなスリットノズルをミストの保持拡散部とした
ためにより均一な画像形成を得ることができる。
【0037】更に好ましくは、図1及び図2に図示する
ように、出口スリット部14に、本実施例では、対向配
置された出口スリット構成部材9の内側にそれぞれ制御
電極10を設けることができる。この場合の上記空間ギ
ャップD3は両電極10間の距離である。この構成によ
り、出口スリット部14におけるインクミストの制御性
を高めることができる。制御電極10としては、上記し
た注入帯電電極8と同様の材質を使用し、同様の方法に
て形成することができる。また、電極10の断面長L7
としては、出口スリット部14の断面長L3を超えない
程度で、なるべくインク放出口14Aに近い位置に上記
注入帯電電極8と同様、画像域幅に対応して配置する。
【0038】又、本実施例では、この制御電極10は、
撥水性表面(低表面張力の表面)を有する絶縁層11で
被覆した。絶縁層11としては、例えば、五酸化タンタ
ルなどをスパッタ膜として成膜し、これを更に撥水性材
料、例えば旭硝子社製のサイトップなどのようなフッ素
樹脂などで被覆することなどで得られる。この場合の上
記空間ギャップD3は、図2に示すように、両絶縁層1
1間の距離である。
【0039】又、制御電極10による出口スリット部1
4内でのインクミストに対する電気的制御性を十分作用
させ、且つ放出口14Aと対峙する静電潜像に応じた十
分な現像のコントラストを得るために、更に好ましい構
成として、インク放出口14Aと潜像担持体30との断
面距離L4が出口スリット部14の空間ギャップD3程
度の大きさとなるように構成し、より好ましくは、静電
潜像のコントラストを有効に生かすために上記断面距離
L4がギャップD3の半分程度以下となるようにする。
現状の技術をもってすれば、例えばL4を50μm程度
に安定に保つことは可能であるが、通常100μm〜2
mm程度で設定した方が楽であるので、出口スリット部
14の空間ギャップD3としては、200μm〜5mm
程度で形成するのが好ましい。
【0040】本実施例では、更に、このようなスリット
ノズルとしての狭い空間に電極を設け、ミストを保持拡
散させると共に、良好な電気的制御を行なうことができ
る。
【0041】以上、本発明の特徴をなす現像装置につい
て説明したが、上記構成にてインク保持部7、インク搬
送スリット部12、インク霧化部13、出口スリット部
14を構成する各形成部材6、5、2(4)、9は、そ
れぞれ別部材として形成した後接合して一体とすること
もできるが、例えば、各部材を樹脂などで一体モールド
成形するか、或は部分的に一括成形し、後で一体化する
構成としても良い。
【0042】実施例2 次に、図3及び図4を参照して、実施例1にて説明した
図1及び図2に示す構成の現像装置1及び図15に示す
画像形成装置を使用して実際に画像形成を行なった場合
について説明する。但し、現像装置1の各部における空
間ギャップ及び断面長は、次のようにした。 空間ギャップ D1:200μm、D2:20mm、D3:3mm 断面長 L1:15mm、L2:10mm、L3:10mm L5:8mm、L6:5mm、L7:8mm 現像装置と潜像担持体との間の距離 L4:1mm
【0043】現像装置1にて使用するインクとしては、
上述したように、水、アルコール系インク、或は油性イ
ンクなどを用いることができ、体積抵抗値としては、1
4〜1013Ω・cm程度のものが好ましく用いられる
が、本実施例では、一例として水、アルコール系混合溶
媒に着色顔料を3%〜5%含有し、粘度が約2cP、体
積抵抗測定値が約107 Ω・cmのものを用いた。
【0044】図3にて、インクをミスト化する超音波振
動子3は、両電極間に周波数1.7MHzの正弦波の電
圧(Vm)を印加して駆動した。
【0045】本実施例では、静電潜像担持体30として
有機感光体を使用し、静電潜像担持体30にマイナスの
電荷による静電潜像を形成し、この潜像を現像装置1に
て現像した。この時、現像装置1に対する電圧印加条件
を以下に示すように種々に変化させた。
【0046】実験例(1):静電潜像担持体30の画像
部の帯電電位=−700V、非画像部の帯電電位=−5
0V、注入帯電電極8への印加電圧(Vi)=+800
V、制御電極10への印加電圧(Vc)=+100V、
潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)=+
200V、とした場合、図4(a)、(b)に示すよう
に画像部に対してのみインクミストが飛翔し、潜像が現
像された。
【0047】又、他の実験例として、 実験例(2):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位
=−50V、非画像部の帯電電位=−700V、注入帯
電電極8への印加電圧(Vi)=−800V、制御電極
10への印加電圧(Vc)=−50V、潜像担持体基板
21への印加バイアス電圧(Vb)=+600V、とし
た場合、上記実験例(1)と異なり、即ち、図4
(a)、(b)に示すのとは逆の位置に対してのみイン
クミストが飛翔し、所謂反転現像が鮮明に行なわれた。
【0048】更に、他の実験例として、 実験例(3):上記実験例(2)と同じく、静電潜像担
持体30の画像部の帯電電位=−50V、非画像部の帯
電電位=−700V、注入帯電電極8への印加電圧(V
i)=−800V、制御電極10への印加電圧(Vc)
=−50Vとし、ただ、潜像担持体基板21への印加バ
イアス電圧(Vb)としては、直流オフセット300V
で、3KHzの300Vppの矩形電流を印加した場
合、上記実験例(2)より鮮明な反転現像が行なわれ
た。
【0049】又、上記実験例1、2、3において、カブ
リやインクミストの飛散は殆どなかった。
【0050】実施例3 図5及び図6に本発明の特徴をなす現像装置の他の実施
例を示す。本実施例の現像装置1は、図1〜図3を参照
して説明した実施例1の現像装置と同様の構成とされ、
ただインク搬送スリット部12において電極8を設けて
いないこと、及びインク霧化部13の構成において異な
るのみである。従って、主としてインク霧化部(本実施
例ではインク霧化帯電部)13の構成について説明し、
その他の同じ構成及び機能をなす部材には、先の実施例
と同じ参照番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0051】現像装置1のインク保持部7は、上方に開
口し、インクホッパーが接続可能とされたインク溜め部
6Aと、この溜め部6Aに連通して水平方向に開口した
開口部6Bとを有した、例えば樹脂製のインク保持部材
6にて形成されている。インク保持部7で保持されるイ
ンクとしては前記同様、水、アルコール系インク、或は
油性インクなどを用いることができる。
【0052】本実施例においても、先の実施例1にて説
明したと同様に、インク霧化部13には含液性の多孔性
部材16が配置される。その構成及び作用は同じである
ので、これ以上の詳しい説明は省略する。
【0053】本実施例によると、上記インク霧化部13
において霧化部形成部材2には、霧化したインクミスト
を帯電するための帯電手段8aが設けられる。帯電手段
8aは、本実施例では、放電電極であり、基板8c上に
金、白金、タングステン、アルミニウムなどの金属又は
酸化インジウム/錫などの金属酸化物の、厚さ50nm
〜1μm程度の蒸着膜又はスパッタ膜を成膜して形成す
ることができる。又、厚い金属薄板を張り付けたもので
も良い。更には、基板8c上にワイヤを張り付けるか、
或は、画像域幅に亙り基板8cと非接触にて張設しても
良い。
【0054】インク帯電霧化部13には、電極8aの対
向電極として電極8bが電極8aに隣接して配置され
る。通常、この対向電極8bは接地して用いられるが、
インクミストの微妙な制御のためにバイアス電圧を印加
して用いても良い。この対向電極8bは、基本的には電
極8aと同様の材質で作製することができ、基板8c上
に、または霧化部形成部材2上に固定化する。
【0055】本実施例では、電極8aと8bとの間で放
電が行われ、インクミストの帯電が行われる。放電部の
断面長L5としては、インクを十分帯電しうるように断
面長L2より大きい方が良いが、良好な放電が行われる
小型の帯電部としてはL5として5mm〜30mmの範
囲で画像域幅(図面の紙面垂直方向)に対応した長さと
される。
【0056】尚、図5及び図6では放電電極8aは1箇
所設けられているが、放電電極8a及び対向電極8bを
複数基板8c上に配置するようにしても良い。
【0057】インク霧化帯電部13に隣接してインクミ
ストを静電潜像面に放出する放出口14Aを有する出口
スリット部14が配置される。この出口スリット部14
の構成は、先に説明した実施例1の現像装置と同様であ
り、これ以上の説明は省略する。
【0058】本実施例における現像装置1の各部におけ
る空間ギャップD1〜D3及び断面長L1〜L7は、先
に説明した実施例1、2の現像装置と同様に構成するこ
とができる。
【0059】本実施例においても、先の実施例2で説明
したと同様に、図15に示す画像形成装置を使用して実
際に画像形成を行なった。現像装置1の各部における空
間ギャップ及び断面長は、次のようにした。 空間ギャップ D1:200μm、D2:25mm、D3:3mm 断面長 L1:15mm、L2:10mm、L3:10mm L5:12mm、L6:5mm、L7:5mm 現像装置と潜像担持体との間の距離 L4:1mm
【0060】現像装置1にて使用するインクとしては、
先の実施例と同様に、水、アルコール系インク、或は油
性インクなどを用いることができ、実施例2と同様の
水、アルコール系混合溶媒を用いた。
【0061】図5にて、インクをミスト化する超音波振
動子3は、両電極間に周波数1.7MHzの正弦波の電
圧(Vm)を印加して駆動した。
【0062】本実施例では、静電潜像担持体30として
有機感光体を使用し、静電潜像担持体30にマイナスの
電荷による静電潜像を形成し、この潜像を現像装置1に
て現像した。この時、現像装置に対する電圧印加条件を
以下に示すように種々に変化させた。
【0063】実験例(1):静電潜像担持体30の画像
部の帯電電位=−700V、非画像部の帯電電位=−5
0V、帯電電極8aへの印加電圧(Vi)=+3KV、
放電対向電極8bは接地、制御電極10への印加電圧
(Vc)=+100V、潜像担持体基板21への印加バ
イアス電圧(Vb)=+200V、とした場合、図4
(a)、(b)に示すように画像部に対してのみインク
ミストが飛翔し、潜像が現像された。
【0064】又、他の実験例として、 実験例(2):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位
=−50V、非画像部の帯電電位=−700V、帯電電
極8aへの印加電圧(Vi)=−3KV、放電対向電極
8bは接地、制御電極10への印加電圧(Vc)=−5
0V、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(V
b)=+600V、とした場合、上記実験例(1)と異
なり、即ち、図4(a)、(b)に示すのとは逆の位置
に対してのみインクミストが飛翔し、所謂反転現像が鮮
明に行なわれた。
【0065】更に、他の実験例として、 実験例(3):上記実験例(2)と同じく、静電潜像担
持体30の画像部の帯電電位=−50V、非画像部の帯
電電位=−700V、帯電電極8aへの印加電圧(V
i)=−3KV、放電対向電極8bは接地、制御電極1
0への印加電圧(Vc)=−50Vとし、ただ、潜像担
持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)としては、
直流オフセット300Vで、3KHzの300Vppの
矩形電流を印加した場合、上記実験例(2)より鮮明な
反転現像が行なわれた。
【0066】又、本実施例における上記実験例1、2、
3において、カブリやインクミストの飛散は殆どなかっ
た。
【0067】実施例4 図7及び図8に本発明の特徴をなす現像装置の他の実施
例を示す。本実施例の現像装置1は、図5及び図6を参
照して説明した実施例3の現像装置と同様の構成とさ
れ、ただインク霧化帯電部13の構成において異なるの
みである。従って、主としてインク霧化帯電部13の構
成について説明し、その他の同じ構成及び機能をなす部
材には、先の実施例と同じ参照番号を付し、詳しい説明
は省略する。
【0068】本実施例によると、インクミストを発生す
るインク霧化帯電部13は、先の実施例3と同様に、上
方に位置した霧化部形成部材2、及びこの霧化部形成部
材2の下方に対向して位置した霧化手段取付け部材4に
て画成されるが、霧化手段取付け部材4に取付けられる
霧化手段としての超音波振動子3は使用されない。代わ
りに、霧化手段取付け部材4にはインクに接するように
構成された放電電極8aが、また、霧化部形成部材2に
は対向電極8bが配置される。
【0069】上記構成により、インクを有効に霧化する
ためには、インク霧化帯電部13の空間ギャップD2と
して、インク液面から0.5mm程度以上確保すること
が望ましい。又、装置を小型化し、又は装置の製作を容
易にする上で、D2としては好ましくは1mm〜30m
m程度とされる。従って、本実施例においても、先の実
施例1にて説明したと同様に、インク霧化帯電部13に
は含液性の多孔性部材16が配置される。その構成及び
作用は同じであるので、多孔性部材16についてのこれ
以上の詳しい説明は省略する。
【0070】上記放電手段、即ち、放電電極8aは、霧
化手段取付け部材4に配置された基板8c上に金、白
金、タングステン、アルミニウムなどの金属又は酸化イ
ンジウム/錫などの金属酸化物の、厚さ50nm〜10
μm程度の蒸着膜又はスパッタ膜を成膜して形成するこ
とができる。又、厚い金属薄板を張り付けものでも良
い。又、基板8c上に直径50μm程度のワイヤを張り
付けるか、或は、画像域幅(図面の紙面垂直方向)に亙
り基板8cと非接触にて張設しても良い。更には、画像
域幅方向に鋸歯状にギザギザを付けた形状のものを使用
することも、良好な放電霧化を行なう上からは好まし
い。
【0071】又、インク帯電霧化部13に設けられる、
電極8aの対向電極としての電極8bは、通常接地して
用いられるが、インクミストの微妙な制御のためにバイ
アス電圧を印加して用いても良い。この対向電極8b
は、基本的には電極8aと同様の材質で作製することが
でき、霧化部形成部材2上に固定化する。
【0072】本実施例では、電極8aと8bとの間で放
電が行われ、インクミストの放電霧化が行われると同時
に、インクミストの帯電が行なわれる。インク帯電霧化
部13の断面長L2は、良好な放電が行われる小型の帯
電部としては、好ましくは5mm〜30mmの範囲で画
像域幅(図面の紙面垂直方向)に対応した長さとされ
る。
【0073】本実施例における現像装置の各部における
空間ギャップD1〜D3及び断面長L1〜L7は、先に
説明した実施例1〜3の現像装置と同様に構成すること
ができる。
【0074】本実施例においても、先の実施例2、3で
説明したと同様に、図15に示す画像形成装置を使用し
て実際に画像形成を行なった。現像装置1の各部におけ
る空間ギャップ及び断面長は、次のようにした。 空間ギャップ D1:200μm、D2:15mm、D3:3mm 断面長 L1:15mm、L2:15mm、L3:10mm L7:5mm 現像装置と潜像担持体との間の距離 L4:1mm
【0075】現像装置1にて使用するインクとしては、
先の実施例と同様に、水、アルコール系インク、或は油
性インクなどを用いることができ、実施例2、3と同様
のものを用いた。
【0076】本実施例では、静電潜像担持体30として
有機感光体を使用し、静電潜像担持体30にマイナスの
電荷による静電潜像を形成し、この潜像を現像装置1に
て現像した。この時、現像装置に対する電圧印加条件を
以下に示すように種々に変化させた。
【0077】実験例(1):静電潜像担持体30の画像
部の帯電電位=−700V、非画像部の帯電電位=−5
0V、帯電電極8aへの印加電圧(Vi)=+10K
V、放電対向電極8bは接地、制御電極10への印加電
圧(Vc)=+100V、潜像担持体基板21への印加
バイアス電圧(Vb)=+200V、とした場合、図4
(a)、(b)に示すように画像部に対してのみインク
ミストが飛翔し、潜像が現像された。
【0078】又、他の実験例として、 実験例(2):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位
=−50V、非画像部の帯電電位=−700V、帯電電
極8aへの印加電圧(Vi)=−8KV、放電対向電極
8bは接地、制御電極10への印加電圧(Vc)=−5
0V、潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(V
b)=+600V、とした場合、上記実験例(1)と異
なり、即ち、図4(a)、(b)に示すのとは逆の位置
に対してのみインクミストが飛翔し、所謂反転現像が鮮
明に行なわれた。
【0079】更に、他の実験例として、 実験例(3):上記実験例(2)と同じく、静電潜像担
持体30の画像部の帯電電位=−50V、非画像部の帯
電電位=−700V、帯電電極8aへの印加電圧(V
i)=−8KV、放電対向電極8bは接地、制御電極1
0への印加電圧(Vc)=−50Vとし、ただ、潜像担
持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)としては、
直流オフセット300Vで、3KHzの300Vppの
矩形電流を印加した場合、上記実験例(2)より鮮明な
反転現像が行なわれた。
【0080】又、本実施例における上記実験例1、2、
3において、カブリやインクミストの飛散は殆どなかっ
た。
【0081】実施例5 図9〜図11に本発明の特徴をなす現像装置の他の実施
例を示す。本実施例の現像装置1は、図1〜図3を参照
して説明した実施例1の現像装置と同様の構成とされ、
ただ出口スリット部14の構成において異なるのみであ
る。従って、主として出口スリット部14の構成につい
て説明し、その他の同じ構成及び機能をなす部材には、
先の実施例と同じ参照番号を付し、詳しい説明は省略す
る。
【0082】本実施例によると、インク霧化部13にて
発生したインクミストを静電潜像担持体30の潜像面へ
と放出する出口スリット部14には、対向配置された出
口スリット構成部材9の内側にそれぞれ、出口スリット
部14の断面長方向に複数の、本実施例では2つの制御
電極10a、10bが設けられ、出口スリット部14に
おけるインクミストの制御性を高める構成とされる。即
ち、本実施例では、制御電極10a、10b間の電圧を
調整することで、前記帯電手段(帯電電極)8で帯電さ
れ微細ミスト状に霧化されたインクに対して、スリット
内の狭い空間で静電的な力を強く作用せしめることがで
き、良好なミストの制御が可能となる。
【0083】制御電極10a、10bとしては、実施例
1などにて説明した注入帯電電極8と同様の材質を使用
し、同様の方法にて形成することができる。また、電極
10aは、なるべくインク霧化部13に近い位置に、又
電極10bは、なるべくインク放出口14Aに近い位置
に、上記注入帯電電極8と同様、図9の紙面に垂直な方
向の画像域幅に対応して配置する。制御電極10a、1
0bの断面長L8としては、0.5〜5mmとされ、一
例として1mmで形成しうる。
【0084】又、本実施例では、この制御電極10a、
10bは、撥水性表面(低表面張力の表面)を有する絶
縁層11で被覆した。絶縁層11としては、例えば、五
酸化タンタルなどをスパッタ膜として成膜し、これを更
に撥水性材料、例えば旭硝子社製のサイトップなどのよ
うなフッ素樹脂などで被覆することなどで得られる。
【0085】又、制御電極10a、10bによる出口ス
リット部14内でのインクミストに対する電気的制御性
を十分作用させ、且つ放出口14Aと対峙する静電潜像
に応じた十分な現像のコントラストを得るために、更に
好ましい構成として、インク放出口14Aと潜像担持体
30との断面距離L4が出口スリット部14の空間ギャ
ップD3程度の大きさとなるように構成し、より好まし
くは、静電潜像のコントラストを有効に生かすために上
記断面距離L4がギャップD3の半分程度以下となるよ
うにする。現状の技術をもってすれば、例えばL4を5
0μm程度に安定に保つことは可能であるが、通常10
0μm〜2mm程度で設定した方が楽であるので、出口
スリット部14の空間ギャップD3としては、200μ
m〜5mm程度で形成するのが好ましい。
【0086】更に、本実施例においては、複数の上記制
御電極10a、10b間の、特に下部側壁面に付着する
水滴を効率よく吸収するために含液性部材90を配置し
て、この部分に水滴が溜まることを防止する構成とされ
る。
【0087】つまり、本実施例では、下部スリット構成
部材9内に画像域幅方向(図9(a)の図面の紙面垂直
方向)に空間(空孔)90Aが形成され、この空間90
Aは、上記制御電極10a、10b間に開口する細長連
通孔90Bにて出口スリット部14に連通し、又、細長
連通孔90Cにてインク霧化部13に連通しており、
又、この空間90A及び連通孔90B、90Cには含液
性部材90が充填される。含液性部材90は、多孔性部
材であって、上記インク霧化部13に配置された多孔性
部材16と同様に、例えば東洋ポリマー社製ルビーセ
ル、INOAC社製モルトプレーンなどのウレタン材な
どのほか、シリコーンゴム、エチレンプロピレンジエン
モノマ(EPDM)、NBR、IR、その他の含液性多
孔性材料を用いることができる。
【0088】このように、本実施例によると、含液性部
材90を配置したことにより、第1には、上記複数の上
記制御電極10a、10bに高濃度で浮遊するインクミ
ストの制御性を高めることができる。即ち、この制御電
極10a、10bに水滴ができると、ミストが水滴に吸
着し加速度的に水滴が成長することで、ミストの濃度変
動や、電気的な制御性が悪化する。含液性部材90は、
水滴を吸収し、これらの問題の発生を防止する。更に、
第2には、含液性部材90をインク霧化部13へと連結
する構成としたことで、インク搬送スリット部12にお
けるインクの浸透圧と、含液性部材90における浸透圧
との釣り合いにおいて、インク霧化部13におけるイン
クの液面調整にも良好な作用をなしインク液面を安定化
する作用をなす。即ち、本実施例によると、搬送スリッ
ト部12側のスポンジ16aにインクがしみ込み、メッ
シュ状部材16bを伝わり、出口スリット側のスポンジ
16a、及び更には上記の含液性部材90にインクが浸
透する。この結果、スポンジの含水圧によりインクの流
入量が調節され、液面が安定化される。即ち、搬送スリ
ット部12におけるインクの浸透圧と、スポンジ16a
及び含液性部材90の含水圧のバランスを有効に作用さ
せることができる。本実施例によると、インク霧化部1
3におけるインクの深さを0.5〜10mm程度に好ま
しく規制することが可能となる。
【0089】本実施例においても又、付加的に好ましい
構成として、インク保持部7をスポンジ16aと同様
の、又は別種の多孔性部材で埋めることによって更にイ
ンクの搬送制御性を高めることができる。
【0090】本実施例の現像装置1によると、インクの
保持、搬送、帯電又は、インクミストの保持や放出口か
らの不要な漏れの抑制を、上記帯電電極8、或いは制御
電極10a、10b、又はインクミスト発生手段の駆動
を工夫することにより、更に良好に作用させることがで
きる。即ち、搬送スリット部12のスリット化、インク
霧化部13の極小化、又はミスト出口部14のスリット
化などの小型化の効果として、特にインクの良好なハン
ドリングが可能となる。更に、上記制御電極10a、1
0bに対して、図14を参照して以下に説明するような
タイミングで駆動することで、インクの帯電や、インク
ミストの制御が良好なものとなる。
【0091】本実施例における現像装置1の各部におけ
る空間ギャップD1〜D3及び断面長L1〜L7は、先
に説明した実施例1〜3の現像装置と同様に構成するこ
とができる。
【0092】本実施例においても、先の実施例2、3で
説明したと同様に、図15に示す画像形成装置を使用し
て実際に画像形成を行なった。現像装置1の各部におけ
る空間ギャップ及び断面長は、次のようにした。 空間ギャップ D1:200μm、D2:20mm、D3:3mm 断面長 L1:15mm、L2:10mm、L3:10mm L5:8mm、L6:5mm、L7:5mm、L8:1mm 現像装置と潜像担持体との間の距離 L4:1mm
【0093】現像装置1にて使用するインクとしては、
先の実施例と同様に、水、アルコール系インク、或は油
性インクなどを用いることができる。
【0094】本実施例でも、静電潜像担持体30として
有機感光体を使用し、静電潜像担持体30にマイナスの
電荷による静電潜像を形成し、この潜像を現像装置1に
て現像した。この時、現像装置に対する電圧印加条件を
以下に示すように種々に変化させた。
【0095】実験例(1):静電潜像担持体30上に、
画像部の帯電電位=−750V、非画像部の帯電電位=
−100Vとなるように静電潜像を形成する。
【0096】現像装置は、図14に示す駆動順序に従っ
て駆動する。
【0097】つまり、先ず、インク帯電手段としての注
入帯電電極8への電圧印加(Vi=+800V)を開始
する。これにより、インク搬送部12内のインクのみな
らず、インクミスト発生部13内部のインクへも良好な
注入帯電が行われる。従って、この後ミスト化されるべ
きインクはもれなく帯電される。
【0098】上記帯電電極8への電圧印加と前後したタ
イミングで、制御電極10aへの電圧印加(Vc1=+
50V)、制御電極10bへの電圧印加(Vc2=+1
20V)、また、潜像担持体基板21へのバイアス電圧
印加(Vb=+250)を開始する。これにより、この
後ミスト化されるべき帯電されたインクに対して、出口
スリット部14内で放出口14Aよりインク霧化部13
方向へと引き戻す方向のバイアス(逆バイアス)とな
り、ミストの出口スリット部14よりの不用意な漏洩を
予め防止する。
【0099】この後、インクをミスト化する超音波振動
子3に周波数1.7MHzの正弦波の電圧(Vm)を印
加し、インクのミスト化を開始する。
【0100】更に、この後の画像形成時においては今度
は、制御電極10aへの電圧印加(Vc1=+120
V)、制御電極10bへの電圧印加(Vc2=+50
V)、また、潜像担持体基板21へのバイアス電圧印加
(Vb=+250)を開始する。このようにすることに
より、制御電圧10a、10b間の出口スリット部14
内に霧化したインクを蓄積する方向の電圧(順バイア
ス)となり、ミスト濃度を高めることになり、上記画像
部に対してはミスト化されたインクが充分に飛翔する。
一方、非画像部に対しては潜像担持体30との間で逆バ
イアスとなり、インクは飛翔しない。
【0101】上記画像形成装置の駆動により、図4に示
すように、画像部に対してのみインクミストが飛翔し、
潜像が現像され、インクミストの漏洩は観察されない。
【0102】次に、画像形成終了時は、先ず、制御電極
10a、10bに、再び上記インクミストをインク霧化
部13側に引き戻す電圧(逆バイアス)を印加する。こ
れと前後して超音波振動子3への電圧印加を中止し、こ
の後に帯電電極8への電圧印加を中止する。これによ
り、このとき既に霧化しているミストはすべて確実に帯
電している状態であり、且つ、制御電極10a、10b
間に逆バイアスとなる電圧が印加され、この作用により
ミストは出口スリット部14からミスト発生部13側に
戻され、外への漏洩を確実に防止することができる。
【0103】この後、ミストがほぼ消滅して後、制御電
極10a、10bへの制御電圧、及び潜像担持体へのバ
イアス電圧印加を中止することで、良好にインクを制御
することができる。
【0104】又、他の実験例として、 実験例(2):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位
=−100V、非画像部の帯電電位=−700V、注入
帯電電極8への印加電圧(Vi)=−800V、制御電
極10aへの印加電圧(Vc1)=0V(逆バイアス
時)、−150V(順バイアス時)、制御電極10bへ
の印加電圧(Vc2)=−100V(逆バイアス時)、
−100V(順バイアス時)、潜像担持体基板21への
印加バイアス電圧(Vb)=+550V、超音波振動子
3への印加電圧(Vm)=周波数1.7MHzの正弦波
の電圧、とした場合、上記実験例(1)及び図4
(a)、(b)に示すのとは逆の位置に対してのみイン
クミストが飛翔し、所謂、反転現像が鮮明に行なわれ
た。
【0105】更に、他の実験例として、 実験例(3):上記実験例(2)の制御電極10aへの
印加電圧(Vc1)のみを画像形成時に直流オフセット
−100Vで、3KHzの100Vppの矩形交流電圧
を印加した場合、上記実験例(2)より鮮明な反転現像
が行なわれた。
【0106】又、本実施例における上記実験例1〜3に
おいて、カブリやインクミストの飛散は殆どなかった。
更に、上記制御電極10a、10b間には上記駆動方法
により常時ミストが高濃度に浮遊した状態であるにもか
かわらず、本発明の含液性部材90の効果により、水滴
が蓄積することなく、安定した画像形成が達成された。
【0107】実施例6 図12及び図13に本発明の特徴をなす現像装置の他の
実施例を示す。本実施例の現像装置1は、図9〜図11
を参照して説明した実施例5の現像装置と同様の構成と
され、ただインク搬送スリット部12に電極8を設けて
いないこと、及びインク霧化部13の構成において異な
るのみである。従って、主としてインク霧化部(本実施
例ではインク霧化帯電部)13の構成について説明し、
その他の同じ構成及び機能をなす部材には、先の実施例
と同じ参照番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0108】本実施例においても、先の実施例1にて説
明したと同様に、インク霧化部13には含液性の多孔性
部材16が配置される。その構成及び作用は同じである
ので、これ以上の詳しい説明は省略する。
【0109】本実施例によると、霧化部形成部材2に
は、霧化したインクミストを帯電するための帯電手段8
aが設けられる。帯電手段8aは、本実施例では、放電
電極であり、基板8c上に金、白金、タングステン、ア
ルミニウムなどの金属又は酸化インジウム/錫などの金
属酸化物の、厚さ50nm〜1μm程度の蒸着膜又はス
パッタ膜を成膜して形成することができる。又、厚い金
属薄板を張り付けたものでも良い。更には、基板8c上
にワイヤを張り付けるか、或は、画像域幅に亙り基板8
cと非接触にて張設しても良い。
【0110】インク帯電霧化部13には、電極8aの対
向電極として電極8bが電極8aに隣接して配置され
る。通常、この対向電極8bは接地して用いられるが、
インクミストの微妙な制御のためにバイアス電圧を印加
して用いても良い。この対向電極8bは、基本的には電
極8aと同様の材質で作製することができ、基板8c上
に、または霧化部形成部材2上に固定化する。
【0111】本実施例では、電極8aと8bとの間で放
電が行われ、インクミストの帯電が行われる。放電部の
断面長L5としては、インクを十分帯電しうるように断
面長L2より大きい方が良いが、良好な放電が行われる
小型の帯電部としてはL5として5mm〜30mmの範
囲で画像域幅(図面の紙面垂直方向)に対応した長さと
される。
【0112】尚、図12及び図13では放電電極8aは
1箇所設けられているが、放電電極8a及び対向電極8
bを複数基板8c上に配置するようにしても良い。
【0113】インク霧化帯電部13に隣接してインクミ
ストを静電潜像面に放出する放出口14Aを有する出口
スリット部14が配置される。この出口スリット部14
の構成は、先に説明した実施例5の現像装置と同様であ
り、これ以上の説明は省略する。
【0114】本実施例における現像装置1の各部におけ
る空間ギャップD1〜D3及び断面長L1〜L7及びL
8は、先に説明した実施例1〜5の現像装置と同様に構
成することができる。
【0115】本実施例においても、先の実施例5で説明
したと同様に、図15に示す画像形成装置を使用して実
際に画像形成を行なった。現像装置1の各部における空
間ギャップ及び断面長は、次のようにした。 空間ギャップ D1:200μm、D2:25mm、D3:3mm 断面長 L1:15mm、L2:10mm、L3:10mm L5:12mm、L6:5mm、L7:5mm、L8:1mm 現像装置と潜像担持体との間の距離 L4:1mm
【0116】現像装置1にて使用するインクとしては、
先の実施例と同様に、水、アルコール系インク、或は油
性インクなどを用いることができ、実施例5と同様のも
のを用いた。
【0117】図12にて、インクをミスト化する超音波
振動子3は、両電極間に周波数1.7MHzの正弦波の
電圧(Vm)を印加して駆動した。
【0118】本実施例では、静電潜像担持体30として
有機感光体を使用し、静電潜像担持体30にマイナスの
電荷による静電潜像を形成し、この潜像を現像装置1に
て現像した。この時、現像装置に対する電圧印加条件を
以下に示すように種々に変化させた。
【0119】実験例(1):静電潜像担持体30上に、
画像部の帯電電位=−700V、非画像部の帯電電位=
−100Vとなるように静電潜像を形成する。
【0120】現像装置は、図14に示す駆動順序に従っ
て駆動する。
【0121】つまり、先ず、帯電電極8aへの電圧印加
(Vi=+3KV、放電対向電極8bは接地)を開始す
る。
【0122】これにより、この後ミスト化されるべきイ
ンクは漏れなく帯電される。
【0123】これ以降の画像形成における制御電極10
a、10bへの電圧印加の大きさ及び作用は、上記実施
例5の実験例(1)と同様であり、画像形成終了時に対
しても同様に行われる。
【0124】又、他の実験例として、 実験例(2):静電潜像担持体30の画像部の帯電電位
=−100V、非画像部の帯電電位=−700V、注入
帯電電極8aへの印加電圧(Vi)=−3KV、放電対
向電極8bは接地、制御電極10aへの印加電圧(Vc
1)=0V(逆バイアス時)、−150V(順バイアス
時)、制御電極10bへの印加電圧(Vc2)=−10
0V(逆バイアス時)、−100V(順バイアス時)、
潜像担持体基板21への印加バイアス電圧(Vb)=+
550V、超音波振動子3への印加電圧(Vm)=周波
数1.7MHzの正弦波の電圧、とした場合、上記実験
例(1)と異なり、即ち、図4(a)、(b)に示すの
とは逆の位置に対してのみインクミストが飛翔し、所
謂、反転現像が鮮明に行なわれた。
【0125】更に、他の実験例として、 実験例(3):上記実験例(2)と同じく、静電潜像担
持体30の画像部の帯電電位=−50V、非画像部の帯
電電位=−700V、帯電電極8aへの印加電圧(V
i)=−3KV、放電対向電極8bは接地、制御電極1
0aへの印加電圧(Vc1)=0V(逆バイアス時)、
−150V(順バイアス時)、制御電極10bへの印加
電圧(Vc2)=−100V(逆バイアス時)、−10
0V(順バイアス時)、ただ、潜像担持体基板21への
印加バイアス電圧(Vb)としては、画像形成時に直流
オフセット+300Vで、3KHzの300Vppの矩
形交流を印加した場合、上記実験例(2)より鮮明な反
転現像が行なわれた。
【0126】本実施例の上記実験例(1)〜(3)にお
いても上記制御電極10a、10b間には上記駆動方法
により常時ミストが高濃度に浮遊した状態であるにもか
かわらず、本発明の含液性部材の効果により、水滴が蓄
積することなく、安定した画像形成となった。更に、本
実施例においては、インク霧化部13においても含液性
部材16を配置したことにより、インク霧化部13にお
けるインク液面を更に安定化することができる。
【0127】実施例7 図16は、本発明の画像形成装置をカラーの電子写真プ
リンタとして適用した実施例を示す概略構成図である。
即ち、この画像形成装置は、静電潜像記録手段として複
数のレーザビームを用いた光走査手段35を有するレー
ザビームプリンタの一例であって、静電潜像担時体30
としての感光体ドラムを4つ備えている。
【0128】このプリンタは、電子写真感光体の周囲に
画像形成手段を有して構成される画像形成ステーション
が色に対応して4個設けられ、各画像形成ステーション
にて形成された感光体上のトナー画像が、この感光体に
対向して搬送される記録材Pに転写される構成を備えて
いる。
【0129】つまり、イエロー、マゼンタ、シアン、ブ
ラックの各画像形成ステーションPY、PM、PC、P
Bkにそれぞれ感光体ドラム30Y、30M、30C、
30Bkが配置され、図中にて矢印方向(時計方向)に
回転される。また各感光体ドラム30Y、30M、30
C、30Bkの周囲には、帯電ローラ32Y、32M、
32C、32Bk、また、光走査手段としての走査光学
装置35Y、35M、35C、35Bk、更に現像装置
1Y、1M、1C、1Bk、転写ローラ34Y、34
M、34C、34Bk、そしてクリーナ33Y、33
M、33C、33Bkを有する画像形成手段が配設され
ている。本実施例にて、各現像装置にはインクホッパ3
1Y、31M、31C、31Bkがそれぞれ直結して装
着されているが、インクホッパ31Bkは、現像装置と
は離隔した位置に配置し、例えば、連結チューブなどを
介して連結することもできる。
【0130】又、上記走査光学装置35Y、35M、3
5C、35Bkは、図示しない光源であるレーザ光源
と、このレーザ光源からのレーザ光を走査する回転ポリ
ゴンミラーと、走査ビームを感光ドラム表面の母線上に
集光するfθレンズと、光束を偏向する反射ミラーと、
上記走査ビームの特定位置を検出するビーム検出装置と
から構成されている。
【0131】本実施例の画像形成装置にて、各画像ステ
ーションは同じ作動とされるので、ブラックの画像ステ
ーションPBkについてのみ説明すると、帯電ローラ3
2Bkにて帯電された感光体ドラム30Bkには走査光
学装置35Bkにて像露光が行われ、その表面に静電潜
像が形成される。この静電潜像は、現像装置1Bkにて
可視像とされる。
【0132】上述の構成にて、各画像形成ステーション
を通して移動される記録材P上に、順次上記感光体ドラ
ム30Y、30M、30C、30Bk上に形成された各
色のトナー像を、転写ローラ34Y、34M、34C、
34Bkが配置された転写部にて転写することによって
フルカラー画像が得られる。転写ローラ34Y、34
M、34C、34Bkは、望ましくは弾性体で構成し、
感光体ドラム30Y、30M、30C、30Bkとの間
で圧力を印加する形式のものが望ましい。なお、記録材
Pは給紙カセット36から供給され、各転写工程を終了
した転写材Pは分離され、外部トレイ(図示せず)に排
出される。
【0133】上記構成のカラー画像形成装置に、実施例
1〜6で説明した各現像装置を使用することにより、イ
ンクの飛散、漏洩のない、鮮明な現像を実現し得る。
【0134】実施例8 図17は、本発明の画像形成装置を更に他の構成のカラ
ーの電子写真プリンタとして適用した他の実施例を示す
概略構成図である。即ち、この画像形成装置は、静電潜
像担時体30として一つの感光体を備えている。本実施
例で感光体30はドラム形状とされるが、ベルト状とす
ることもできる。又、静電潜像記録手段として、実施例
7で説明したと同様の構成のレーザビームを用いた光走
査手段35を有する。
【0135】このプリンタは、1つの電子写真感光体3
0の周囲に、それぞれ異なる色のインクを使用する複数
の、本実施例では4個のイエロー、マゼンタ、シアン、
ブラックの現像装置1Y、1M、1C、1Bkが固定し
て配置され、感光体30上に形成されたトナー画像が、
この感光体30に対向して配置された転写ドラムのよう
な記録材担持体37にて担持搬送される記録材Pに転写
される構成とされる。
【0136】つまり、帯電ローラ32にて帯電された感
光体30は光走査手段35にて像露光が行われ、その表
面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、イエロー
現像装置1Yにて可視像とされる。本実施例にて、各現
像装置は、別位置に設けられたインクホッパー31Y、
31M、31C、31Bkからチューブを介してインク
の供給が行なわれる。
【0137】一方、カセット36から矢印41aのよう
に搬送される記録材Pは、静電吸着ローラ38により転
写ドラムのような記録材担持体37に静電的に吸着さ
れ、転写ローラ34が配置された転写部へと搬送され
る。感光体上のイエロー画像は、この転写ローラ34の
作用により記録材Pに転写される。
【0138】感光体30上の転写残りインクは、クリー
ナ33により払拭され、感光体30は次の画像形成に供
される。このようにして、感光体30上に順次マゼン
タ、シアン、ブラックの各画像が形成され、記録材P上
に重畳転写され、カラー画像が得られる。次いで、記録
材Pは、分離除電器43及び分離部材42により転写ド
ラム37から分離され、矢印41b方向に送られ、排紙
トレイ39上に排紙される。
【0139】本実施例の画像形成装置においては、従来
必要とされた現像装置の感光体への切換え当接手段など
を必要とせず、装置構造が簡単となり、又小型化を促進
し、更には、付加的に現像装置の位置精度などを安定さ
せることができる。
【0140】上記構成のカラー画像形成装置に、実施例
1〜6で説明した各現像装置を使用することにより、イ
ンクの飛散、漏洩のない、鮮明な現像を実現し得る。
【0141】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像形成
装置は、静電潜像担時体に形成された静電潜像を液体イ
ンクを使用する現像装置にて可視像とする画像形成装置
であって、現像装置は、液体インクを保持するインク保
持部よりインクを搬送するインク搬送スリット部と、こ
のインク搬送スリット部からの液体インクを微細ミスト
状に霧化するインク霧化手段を有するインク霧化部と、
インク搬送スリット部からインク霧化部へと搬入される
インク量を規制し、インク霧化部における液面を形成す
る液面制御手段と、微細ミスト状のインクを静電潜像部
に向けて放出する放出口へ導く出口スリット部と、イン
クを帯電せしめる帯電手段と、を有する構成とされ、好
ましくは、前記液面制御手段は含液性多孔性部材を有す
る構成とされるので、簡易な且つ超小型の構成にて、均
一なインクの搬送、帯電、制御を行ない、液体インクを
微細化してインクミストを形成し、この形成したインク
ミストを良好に保持、搬送又は拡散せしめ、更に電気的
制御性を良好に作用せしめることができ、インクミスト
を必要な静電潜像面にのみ確実に飛翔、付着させ、又、
不要なインクの飛散、漏洩を阻止することができ、これ
により鮮明な現像を実現し、高精細な、高品質の画像を
得ることができる。又、本発明によれば、高精彩な画像
出力が可能な液体インクを超小型化した現像装置により
容易に扱えるようになり、また、粉体現像剤を使用しな
いので、現像剤による装置や環境の汚染を防止でき、延
ては、小型の画像形成装置を実現し得るといった利点を
も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明に従って構成された現像
装置の一実施例の断面図であり、図1(b)は、現像装
置の部分を示す斜視図である。
【図2】図1の現像装置の寸法形状を説明するための断
面図である。
【図3】図1の現像装置の作用を説明するための断面図
である。
【図4】図1の現像装置の作用を説明するための概略断
面図である。
【図5】本発明に従って構成された現像装置の他の実施
例の断面図である。
【図6】図5の現像装置の寸法形状を説明するための断
面図である。
【図7】本発明に従って構成された現像装置の他の実施
例の断面図である。
【図8】図7の現像装置の寸法形状を説明するための断
面図である。
【図9】図9(a)は、本発明に従って構成された現像
装置の他の実施例の断面図であり、図9(b)は、現像
装置の部分を示す斜視図である。
【図10】図9の現像装置の寸法形状を説明するための
断面図である。
【図11】図9の現像装置の作用を説明するための断面
図である。
【図12】本発明に従って構成された現像装置の他の実
施例の断面図である。
【図13】図12の現像装置の寸法形状を説明するため
の断面図である。
【図14】本発明に従った現像装置の駆動態様を説明す
るフロー図である。
【図15】本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略
構成図である。
【図16】本発明に係る画像形成装置の他の実施例の概
略構成図である。
【図17】本発明に係る画像形成装置の他の実施例の概
略構成図である。
【符号の説明】
1 現像装置 3 超音波振動子 7 インク保持部 8、8a、8b 電極 10、10a、10b 制御電極 12 インク搬送スリッ
ト部 13 インク霧化部 14 出口スリット部 16 液面制御手段 30 静電潜像担持体 90 含液性部材

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電潜像担時体に形成された静電潜像を
    液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画像形
    成装置であって、前記現像装置は、液体インクを保持す
    るインク保持部よりインクを搬送するインク搬送スリッ
    ト部と、前記インク搬送スリット部からの液体インクを
    微細ミスト状に霧化するインク霧化手段を有するインク
    霧化部と、前記インク搬送スリット部から前記インク霧
    化部へと搬入されるインク量を規制し、前記インク霧化
    部における液面を形成する液面制御手段と、前記微細ミ
    スト状のインクを静電潜像部に向けて放出する放出口へ
    導く出口スリット部と、インクを帯電せしめる帯電手段
    と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記インク霧化部における液面制御手段
    は、前記インク霧化部に含液性多孔性部材を有すること
    を特徴とする請求項1の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記インク搬送スリット部は、その断面
    の断面長がその空間ギャップより大きい形状を含むよう
    に構成したことを特徴とする請求項1又は2の画像形成
    装置。
  4. 【請求項4】 前記出口スリット部は、前記静電潜像の
    画像域幅方向においてはその断面の空間ギャップより大
    きいスリット長を有し、且つ断面の断面長がその空間ギ
    ャップより大きいスリットノズル状の形状を含むように
    構成したことを特徴とする請求項1、2又は3の画像形
    成装置。
  5. 【請求項5】 前記出口スリット部に制御電極を設けた
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の
    画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記制御電極は、前記出口スリット部の
    断面長方向に複数配列された電極とされ、この複数の電
    極間に含液性部材を設けたことを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記含液性部材は、前記複数の電極間よ
    り前記インク霧化部へと連結する空孔内に設けたことを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の画像形
    成装置。
  8. 【請求項8】 静電潜像担時体に形成された静電潜像を
    液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画像形
    成装置であって、前記現像装置は、液体インクを保持す
    るインク保持部よりインクを搬送し、且つインクを帯電
    せしめる電極を有した搬送スリット部と、前記搬送スリ
    ット部からの液体インクを微細ミスト状に霧化するイン
    ク霧化手段を有するインク霧化部と、前記搬送スリット
    部から前記インク霧化部へと搬入されるインク量を規制
    し、前記インク霧化部における液面を形成する液面制御
    手段と、前記微細ミスト状のインクを静電潜像部に向け
    て放出する放出口へ導く出口スリット部と、を有するこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記インク霧化部における液面制御手段
    は、前記インク霧化部に含液性多孔性部材を有すること
    を特徴とする請求項8の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記搬送スリット部は、その断面の断
    面長がその空間ギャップより大きい形状を含むように構
    成したことを特徴とする請求項8又は9の画像形成装
    置。
  11. 【請求項11】 前記出口スリット部は、その断面の断
    面長がその空間ギャップより大きいスリットノズル状の
    形状を含むように構成したことを特徴とする請求項8、
    9又は10の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記出口スリット部に制御電極を設け
    たことを特徴とする請求項8〜11のいずれかの項に記
    載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記制御電極は、前記出口スリット部
    の断面長方向に複数配列された電極とされ、この複数の
    電極間に含液性部材を設けたことを特徴とする請求項8
    〜12のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記含液性部材は、前記複数の電極間
    より前記インク霧化部へと連結する空孔内に設けたこと
    を特徴とする請求項8〜13のいずれかの項に記載の画
    像形成装置。
  15. 【請求項15】 静電潜像担時体に形成された静電潜像
    を液体インクを使用する現像装置にて可視像とする画像
    形成装置であって、前記現像装置は、液体インクを保持
    するインク保持部よりインクを搬送するインク搬送スリ
    ット部と、前記インク搬送スリット部からの液体インク
    を微細ミスト状に霧化するインク霧化手段及び前記イン
    クを帯電せしめる帯電手段を有するインク霧化部と、前
    記インク搬送スリット部から前記インク霧化部へと搬入
    されるインク量を規制し、前記インク霧化部における液
    面を形成する液面制御手段と、前記微細ミスト状のイン
    クを静電潜像部に向けて放出する放出口へ導く出口スリ
    ット部と、を有し、前記出口スリット部は、断面の断面
    長がその空間ギャップより大きいスリットノズル状の形
    状を含むように構成し、且つ前記出口スリット部に制御
    電極を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  16. 【請求項16】 前記インク霧化部における液面制御手
    段は、前記インク霧化部に含液性多孔性部材を有するこ
    とを特徴とする請求項15の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 前記インク搬送スリット部は、その断
    面の断面長がその空間ギャップより大きい形状を含むよ
    うに構成したことを特徴とする請求項15又は16の画
    像形成装置。
  18. 【請求項18】 前記制御電極は、前記出口スリット部
    の断面長方向に複数配列された電極とされ、この複数の
    電極間に含液性部材を設けたことを特徴とする請求項1
    5、16又は17の画像形成装置。
  19. 【請求項19】 前記含液性部材は、前記複数の電極間
    より前記インク霧化部へと連結する空孔内に設けたこと
    を特徴とする請求項15〜18のいずれかの項に記載の
    画像形成装置。
  20. 【請求項20】 前記静電潜像担持体は一つ配置され、
    その回りにそれぞれ異なる色の液体インクを使用する複
    数の前記現像装置を固定配置したことを特徴とする請求
    項1〜19のいずれかの項に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019123136A (ja) * 2018-01-16 2019-07-25 凸版印刷株式会社 印刷装置及び印刷方法

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