JPH11243836A - 粉体循環式粉付機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品表面に所要の粉体を無駄なく効率的に打
粉することができる粉体循環式粉付機を提供すること。 【解決手段】 粉供給手段２から落下した粉体を食品材
料Ｆの方向へ払い飛ばす回転打粉ブラシ31の下方に、当
該打粉ブラシ31と接触しながら食品材料Ｆに付着しなか
った粉体を打粉ブラシ31へ戻す粉戻手段４を配設した。 【効果】 粉戻手段４によって食品材料Ｆに付着しなか
った粉体を常時、打粉手段へ再供給することができるの
で、無駄なく効率的に打粉することができ、従来装置の
ように粉体の再利用に手間が掛かることもない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、粉体循環式粉付
機、より詳しくは、食品材料の表面に所要の粉体を無駄
なく効率的に打粉することができる粉体循環式粉付機に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】本件出願人は以前に、コンベヤ上に載置
されて移動する、捏粉生地等から成る食品材料に対し満
偏に打粉することのできる粉振装置を開発している（例
えば、実開昭55-67156号公報）。そして、他にも食品業
界においては各種の粉振装置が実用に供されている。

【０００３】しかしながら、従来の粉振装置において
は、食品表面に付着しなかった粉体はそのまま外部へ四
散して無駄になってしまうか、或いは粉体が自重で落ち
るのを待って装置下部のトレイで回収し、再び上部の粉
体投入口へ戻してやるという面倒な作業によって再利用
するより仕方がなく、粉体の無駄が多い割には再利用に
手間が掛かる難点があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の粉振
装置に上記のような難点があったことに鑑みて為された
もので、食品表面に所要の粉体を無駄なく効率的に打粉
することができる粉体循環式粉付機を提供することを技
術的課題とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、コンベヤ１上に載置されて移動する食品
材料Ｆの表面に所要の粉体を付着させる粉付機であっ
て、ホッパ21に収容された粉体を当該ホッパ21の底部に
設けた網材22から定量的に落下させる粉供給手段２と；
この粉供給手段２から落下した粉体を回転運動する打粉
ブラシ31で前記食品材料Ｆの方向へ払い飛ばして当該食
品材料Ｆの表面に付着させる打粉手段３と；この打粉手
段３の下方に前記打粉ブラシ31と接触状態に設けられ、
前記食品材料Ｆに付着しなかった粉体を打粉ブラシ31へ
戻して該打粉ブラシ31へ再供給する粉戻手段４と；を含
むという技術的課題を採用した。

【０００６】また、本発明は、上記課題を解決するため
に必要に応じて上記手段に加え、打粉ブラシ31の回転領
域内に臨ませて固定棒33を設け、この固定棒33による回
転中の打粉ブラシ31の弾性反発力を利用して粉体を払い
飛ばすという技術的課題を採用した。

【０００７】更にまた、本発明は上記課題を解決するた
めに必要に応じて上記手段に加え、食品材料Ｆに付着し
なかった粉体を打粉ブラシ31へ再供給する粉戻手段４
が、当該打粉ブラシ31と部分接触しながら回転運動する
粉戻ブラシ41と、この粉戻ブラシ41の回転領域に沿って
設けられた略半円筒形状の供給ガイド42とから構成され
ているという技術的課題を採用した。

【０００８】更にまた、本発明は上記課題を解決するた
めに必要に応じて上記手段に加え、供給ガイド42のガイ
ド面に粉戻ブラシ41の回転軸と斜交する送り突起43を設
け、この送り突起43を利用して粉体を粉戻ブラシ41の軸
方向へ移動させながら打粉ブラシ31へ再供給するという
技術的課題を採用した。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実
施形態に基いて詳しく説明する。なお、図１は本実施形
態の粉体循環式粉付機の一部省略全体正面図、図２は同
粉付機の一部省略全体側面図、図３は同粉付機の要部拡
大側面図、図４は同粉付機の要部拡大正面図、図５は本
発明に係る実施変形例の要部拡大正面図である。

【００１０】図中、符号１で指示するものは、粉付対象
たる団塊状の食品材料Ｆ（大福餅）を搬送するベルトコ
ンベヤである。このコンベヤ１上に載置された食品材料
Ｆは後述の打粉手段３の位置までベルト搬送され、其処
で食品表面に粉体（手粉）が打粉される。その後、粉付
された食品材料Ｆはコンベヤ１から搬出コンベヤ５へ移
し換えられ、所定位置へ搬出される。

【００１１】図中、符号２で指示するものは、ホッパ21
に収容された粉体を当該ホッパ21の底部に設けた網材22
から定量的に落下させる粉供給手段である。即ち、モー
タ23にて駆動されるホッパ21内部の回転ブラシ（図示し
ない）によって網材22の内面が払拭されてホッパ21内の
粉体が網材22から定量的に落とされるのである。粉体の
落下量は、網材22のメッシュ開口量、回転ブラシの回転
速度等を変更することによって適宜に調節できるように
なっている。

【００１２】なお、本実施形態では、この粉供給手段２
の直下に略ハ字形状の一対の振動ガイド24・24を設けて
いる。これら振動ガイド24・24の間の多角片25を回転さ
せることにより振動ガイド24・24を振動せしめて、粉供
給手段２から落下した粉体を打粉手段３へ確実に供給で
きるようになっている。

【００１３】図中、符号３で指示するものが、振動ガイ
ド24・24の下方に配設されて、前記粉供給手段２から落
下した粉体を打粉ブラシ31で払い飛ばして食品材料Ｆの
表面に付着させる打粉手段である。本実施形態の打粉手
段３は、図２及び図３に示すように、前記コンベヤ１を
挟むように両脇に軸設された左右一対の打粉ブラシ31・
31と、これら打粉ブラシ31・31の回転領域内に臨んで設
けられた固定棒33・33と、これら打粉ブラシ31・31の回
転領域に沿って設けられた略半円筒形状の飛散防止ガイ
ド32・32とから構成されている。

【００１４】これら左右一対の打粉ブラシ31・31が、そ
の対向側（食品材料Ｆ側）において上から下へと互いに
逆回転運動を行い、これら回転中の打粉ブラシ31・31の
上部へ前記振動ガイド24・24を介して粉体を供給し、こ
の供給された粉体を打粉ブラシ31・31によって食品材料
Ｆの方向へ払い飛ばすことによって、左右の打粉ブラシ
31・31の間に搬送されてくる食品材料Ｆの表面に粉体を
付着させる。

【００１５】このように、本実施形態の粉付機にあって
は、粉体を回転運動する打粉ブラシ31で食品材料Ｆの方
向へ払い飛ばして打粉するようにしているので、立体的
な食品材料に対しても表面全体に均一に粉体を付着させ
ることができる。

【００１６】また、本実施形態では、打粉ブラシ31・31
の回転領域内に臨ませてブラシ対向側（食品材料Ｆ側）
に固定棒33・33を設けているので、回転する打粉ブラシ
31・31は、この固定棒33・33により邪魔されて部分的に
折り曲げられることになる。したがって、打粉ブラシ31
の回転遠心力と同時に、この固定棒33による打粉ブラシ
31の弾性反発力を利用して粉体を払い飛ばすことがで
き、食品材料Ｆの表面全体に確実に粉体を付着させるこ
とが可能となる。

【００１７】図中、符号４で指示するものは、打粉手段
３の下方に配設され、食品材料Ｆに付着しなかった粉体
を打粉ブラシ31へ再供給する粉戻手段である。本実施形
態の粉戻手段４は、図２及び図３に示すように、前記左
右一対の打粉ブラシ31・31の直下に各打粉ブラシ31と一
部接触した状態で軸設された左右一対の粉戻ブラシ41・
41と、これら粉戻ブラシ41・41の回転領域に沿って設け
られた略半円筒形状の供給ガイド42・42と、これら供給
ガイド42・42のガイド内面に粉戻ブラシ41の回転軸と斜
交した状態で設けられた螺旋状の送り突起43（図４参
照）とから構成されている。

【００１８】これら左右一対の粉戻ブラシ41・41が、前
記打粉ブラシ31・31と部分接触しながらそのブラシ対向
側において上から下へ互いに逆回転運動を行うことによ
って食品材料Ｆに付着せずに落ちてくる粉体を、供給ガ
イド42・42に沿わせて巻き上げ、部分接触し合う打粉ブ
ラシ31・31の下部へ再供給するのである。なお、図中符
号41ａで指示するものは、粉戻ブラシ41のブラシ繊維間
に所定間隔で突設された翼片である。

【００１９】このように、本実施形態の粉付機にあって
は、粉戻手段４によって食品材料Ｆに付着しなかった粉
体を、常時自動的に打粉ブラシ31へ再供給することがで
きるので、従来装置のように粉体の再利用に手間が掛か
るようなこともない。

【００２０】また、本実施形態では、供給ガイド42・42
に螺旋状の送り突起43・43を設けているので、粉戻ブラ
シ41・41の回転運動によって粉体を粉戻ブラシ41の軸方
向へ横移動させながら打粉ブラシ31へ再供給することが
できる。したがって、図４に示すように、前記コンベヤ
１と搬出コンベヤ５との間の乗り換え部の隙間Ｓから集
中的に粉戻ブラシ41へ落ちてくる粉体を、コンベヤ上流
方向（図４中の太矢印参照）へ送り移動させながら巻き
上げて打粉ブラシ31の軸方向全体に亙り再供給すること
が可能となり、このことによっても、打粉均一化を図る
ことができる。

【００２１】なお、図３に示すように、本実施形態で
は、左右一対の粉戻ブラシ41・41の間に略ハ字形状の一
対の振動ガイド44・44を設けている。これら振動ガイド
44・44の間の多角片45を回転させることにより振動ガイ
ド44・44を振動せしめて、食品材料Ｆに付着せずに落下
してくる粉体を確実に粉戻ブラシ41・41へ導くようにし
てある。

【００２２】本発明の粉体循環式粉付機は、概ね上記の
とおり構成されているが、本発明はこの実施形態に限定
されるものではなく、「特許請求の範囲」の記載内にお
いて種々の変更が可能である。

【００２３】例えば、上記実施形態では、粉戻手段４の
供給ガイド42に螺旋状の送り突起43を設けることによっ
て、粉体を粉戻ブラシ41の軸方向へ横移動させながら打
粉ブラシ31へ再供給するようにしているが、決してこれ
に限定されるものではなく、図５に示すように、螺旋状
の送り突起の代わりに、ブラシ繊維が螺旋形状を成す粉
戻ブラシ41′を採用することも可能である。

【００２４】また、粉戻手段４として、粉戻ブラシを用
いる代わりに、例えばスクリューコンベヤを採択するこ
とも可能である。この粉戻手段４は前記打粉ブラシ31と
接触状態に設けられていて粉体を打粉ブラシ31へ再供給
可能であれば、種々の粉送り手段を採用することが可能
である。

【００２５】更にまた、上記実施形態では、食品材料Ｆ
を搬送する手段としてコンベヤ１と搬出コンベヤ５と二
段階式に使用し、主にこれらコンベヤ１と搬出コンベヤ
５との間の乗り換え部の隙間Ｓから粉体を粉戻ブラシ41
へ落とすようにしているが、勿論これに限定されるもの
ではなく、コンベヤ搬送面が網材やチェーン等から成る
コンベヤを一段階式に配置するようにしても良い。この
場合、食品表面に付着しなかった粉体は、網材等のコン
ベヤ搬送面を通して粉戻ブラシの軸方向全体に亙って落
下することになるので、前述した粉体を横移動させるた
めの送り突起43を設ける必要がなくなり、装置構成をよ
り簡素化することが可能となる。

【００２６】

【発明の効果】以上、実施形態をもって説明したとお
り、本発明に係る粉体循環式粉付機にあっては、粉戻手
段によって食品材料に付着しなかった粉体を、常時自動
的に打粉手段の打粉ブラシへ再供給することができるの
で、無駄なく効率的に打粉することができ、従来装置の
ように粉体の再利用に手間が掛かることもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施形態の粉体循環式粉付機の一部省略全体
正面図である。

【図２】同粉付機の一部省略全体側面図である。

【図３】同粉付機の要部拡大側面図である。

【図４】同粉付機の要部拡大正面図である。

【図５】本発明に係る実施変形例の要部拡大正面図であ
る。

【符号の説明】

Ｆ 食品材料 １ コンベヤ ２ 粉供給手段 21 ホッパ 22 網材 ３ 打粉手段 31 打粉ブラシ 33 固定棒 ４ 粉戻手段 41 粉戻ブラシ 42 供給ガイド 43 送り突起

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンベヤ１上に載置されて移動する食品
   材料Ｆの表面に所要の粉体を付着させる粉付機であっ
   て、 ホッパ21に収容された粉体を当該ホッパ21の底部に設け
   た網材22から定量的に落下させる粉供給手段２と；この
   粉供給手段２から落下した粉体を回転運動する打粉ブラ
   シ31で前記食品材料Ｆの方向へ払い飛ばして当該食品材
   料Ｆの表面に付着させる打粉手段３と；この打粉手段３
   の下方に前記打粉ブラシ31と接触状態に設けられ、前記
   食品材料Ｆに付着しなかった粉体を打粉ブラシ31へ戻し
   て該打粉ブラシ31へ再供給する粉戻手段４と；を含むこ
   とを特徴とした粉体循環式粉付機。
2. 【請求項２】 打粉ブラシ31の回転領域内に臨ませて固
   定棒33を設け、この固定棒33による回転中の打粉ブラシ
   31の弾性反発力を利用して粉体を払い飛ばすことを特徴
   とした請求項１記載の粉体循環式粉付機。
3. 【請求項３】 食品材料Ｆに付着しなかった粉体を打粉
   ブラシ31へ再供給する粉戻手段４が、当該打粉ブラシ31
   と部分接触しながら回転運動する粉戻ブラシ41と、この
   粉戻ブラシ41の回転領域に沿って設けられた略半円筒形
   状の供給ガイド42とから構成されていることを特徴とし
   た請求項１又は請求項２記載の粉体循環式粉付機。
4. 【請求項４】 供給ガイド42のガイド内面に粉戻ブラシ
   41の回転軸と斜交する送り突起43を設け、この送り突起
   43を利用して粉体を粉戻ブラシ41の軸方向へ移動させな
   がら打粉ブラシ31へ再供給するようにしたことを特徴と
   する請求項３記載の粉体循環式粉付機。